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音声検索・ローカルSEOのTIPS、業界内2社以上受託の倫理など、SEOの疑問をプロが解決(後編)

SEO事業者が知りたい「すぐに回答がほしいSEOの疑問」13件に対して、MozとDudaのSEO専門家が答えた

この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。今回も前回に引き続き、「音声検索向けの最適化」や「非店舗型ビジネスのターゲティング」に関する質問について、Mozの専門家らの回答を見ていこう。 →まず前編のQ&Aから読んでおく

Q7音声検索向けに最適化するにはどうすればいいか? 使われているフレーズを見つけるには、Googleアナリティクスなどのツールでどこを見ればいいか?

グーグルはまだテキストクエリデータから音声クエリデータを切り離していないが、多くのクエリは入力手段(音声で質問するか、文字で入力するか)によって劇的に変わるわけではない。そのため、あなたが現時点で利用できる検索キーワードのデータは、音声検索者をターゲットにする方法としては有益だ。

ここで重要なのは、次の2つを区別することだ。

  • 音声検索(「オーケー、グーグル、スカイツリーの最寄り駅は?」)
  • 音声コマンド(「オーケー、グーグル、今日のスケジュールを教えて」)

後者はクエリではなく、むしろ口頭によるタスクの指示で、一部の音声アシスタントデバイスが対応してくれる。これらの音声コマンドは文字入力するものではないが、検索クエリだというわけでもない。

音声アシスタントデバイスは通常、情報提供を求めるクエリに対する回答を、次のいずれかから取り出している。

  • ナレッジパネル
  • オーガニック検索結果の最上位(その多くは強調スニペット)

したがって、音声クエリを追求するのに最善の方法の1つは、強調スニペットを獲得することだ。

あなたがローカルビジネスを運営している場合は、さらに重要な点がある。それは、Googleマイビジネスのデータを漏れなく正確に入力しておくことだ。この情報は、「オーケー、グーグル、家の近くで今開いているピザ屋を探して」のような音声クエリに対して、グーグルが取り出す結果に影響を及ぼすことがあるからだ。

Q8クライアントはYext(イエクスト)などのサービスを利用するべきか? こういったサービスは役に立つか? 利用する価値があるか?

自動リスティング管理は大いに役立つ場合もあるが、特にYextには深刻なデメリットもいくつかある。非常に高額な料金もあるが、そのほかのデメリットとして、「利用者が非常に少ないディレクトリにデータをプッシュ配信することに対して、Yextが顧客に課金している」という事実もある。

最も重要なこととして、ローカルビジネスのオーナーは、Yextが基本的には「良質なデータ(有料)で劣悪なデータを覆い隠している」ことを理解する必要がある。これは、整理されていない荒れた床をカーペットで隠しているようなものだと言えるかもしれない。Yextへの支払いを止めると、カーペットが引きはがされて、荒れた床が露わになる。

これに対し、Moz Local(自動サイテーション管理)やWhitespark(手動サイテーション管理)などのサービスは、悪いデータの上に一時的に有料のバンドエイドを貼るだけではなく、そうしたデータのソースを修正する。したがって、あらゆる選択肢を調べて賢く選んでほしい。

※Web担編注 このQ&Aに関しては、競合サービスを提供しているMozのポジショントーク的な側面が感じられないでもないため、その観点で読むようにしてほしい。編集部では両社のサービスを精査したわけではないため、この内容に関する判断は保留する。

Q9クライアントが発見してもらいたがっている特定の街や都市(そこに拠点を置いている物理的な場所ではない)をターゲットにする最善の方法は?

非店舗型ビジネス(配管業者などのような、客先に出向く出張サービスや配達サービス)を運営している場合は、すばらしいランディングページをウェブサイトに作成しよう。具体的には、次のような性質をもったランディングページだ。

  • 消費者中心で
  • 役に立ち
  • 主なサービス提供地域ごとに固有のコンテンツを盛り込んでいる

また、非店舗型ビジネスにとって非常に興味深いことに、グーグルは先ごろ、Googleマイビジネスのダッシュボードにおけるサービス提供範囲の設定処理を、物理的な住所ではなく実際のサービス提供地域を反映するように変更した。

ただし、実店舗を運営していて他の地域からも来客がある場合は、少し事情が違う。そうした場合、「Xからも車でご来店いただいています!」と書いたコンテンツを作成してもあまり役に立たないのが普通だ。それよりも、実際に近隣の地域社会と関係を築き、それを社会的なアウトリーチに反映させて、もしそれが本当に興味深いものであれば、ウェブサイトに反映させよう。

必要なすべての場所で露出を高めるには、非店舗型ビジネスでも実店舗モデルでも、PPCに投資する必要があるかもしれない

Q10ローカルSEOに役立てるには、ページタイトルやmeta descriptionsタグをどの程度の頻度で変更するべきか?

実験してみるのはいいことだが、仕事をしているように見せかけるためだけに主要なタグを変更するのはやめよう。

むしろ、何らかの社会的なトレンドによって、君が提供しているものに関する人々の取り上げ方に変化が生じた場合に、タイトルや説明を編集することを検討してほしい。

たとえば、自動車販売店は、消費者が「電気自動車」よりも「EV」で検索するようになったことに気づくかもしれない。それは、この製品を略称で呼んでも違和感がない社会になってきたからだ。キーワード調査やトレンド分析でこうした変化が示された場合は、ウェブサイトの要素を最適化し直すべきタイミングかもしれない。

最適化のどの部分を変更するにしても、それが検索順位上昇の助けになる状況は限られている。それは、ユーザーがどう検索しているかの実情を反映している場合だ。

title要素やmeta要素について、詳細は以下を確認してほしい。

Q11検索1位をとれるのは1社だけだが、同じニッチ市場で事業を展開している複数のビジネスをクライアントにするべきか?

国内で同じキーワードをめぐって競合しているクライアント2社の仕事を引き受けるのが倫理にもとるのは間違いないだろう ―― ただし、キーワードにローカルインテント(地域に関連する検索意図)が含まれない場合は。

これは素晴らしい質問だ。というのも、上記の最後に補足したように、次の事実を受け入れる機会を与えてくれるからだ。

その検索キーワードをローカルインテントだとグーグルが認識する場合、「1位」は1つだとは限らない

ローカル関連の検索キーワードの場合、ローカル検索結果と多くのオーガニック検索結果は、どちらも検索者の場所に合わせてパーソナライズされる

ユーザーが「best tacos」(最高のタコス)で検索する場合、ダウンタウンにあるクライアントのメキシコレストランは、アップタウンにあるクライアントのメキシコレストランと、厳密には競合していない。街のどこで検索しているかによって、検索者に返される結果は変わるからだ。したがって、同じ街で数ブロックの範囲内に2つの同じビジネスがあるのでない限り、両方の仕事を引き受けてもかまわない。

それどころか、各クライアントのUSP(Unique Selling Proposition:独自の強み)を見つけるよう努めることで、検索者が近くにいるという特別な環境で輝きを放てるよう後押しできるとも言える。

Q12コンテンツがあまり長くないローカルサービス企業の場合、1ページにするのがいいのか、それとも3~5ページに分ける方がいいのか?

この質問は、君がパブリッシャーになったときに、安易にパブリッシングできる方法を求めてするような質問だ。ウェブサイトを持っているビジネスはまさにすべてパブリッシャーであり、サービスごとのランディングページや、サービス提供地域ごとのランディングページを作成するための適切なコンテンツを用意していないことに対して、言い逃れはできない。

この質問はよくあるものだ。そして、こうした質問をするのは、「ある場所でのサービスを別の場所でのサービスと差別化するには何を書けばいいのか、あまりよく分かっていない」場合だと思う。場所は違うのだが、サービスは同じなのだ!

そうした場合には、何をすれば各コンテンツの違いを生み出せるのだろうか?

  • その地域の顧客から寄せられたテキストや動画のレビューを掲載する
  • その地域での最高のプロジェクトを紹介する
  • その地域での地理や規制に固有のヒントを提供する
  • それらのサービス提供地域でのサービス要員や専門家にインタビューをする
  • 地域のチームやイベントのスポンサーになったりする

こういったことをするには時間を投資する必要があるが、君はパブリッシングビジネスに身を置いているのだから、時間をかけてパブリッシングをしよう! 1ページのウェブサイトからは、顧客サービスへの献身が欠けていることしか見えてこない。これについての詳細は、Mozの記事「Overcoming Your Fear of Local Landing Pages(ローカルランディングページに対する不安に打ち勝つ、英語記事)」を読んでほしい。

Q13SEOには、どれほど多くのコンテンツが必要か?

意図! 意図! 意図!

グーグルの検索順位決定シグナルは、クエリの背後にある意図によって異なる。何とありがたいことだろう! したがって、たとえば製品ページを上位に表示させるために3000ワードの記事を用意する必要はない。

「ページに必要なコンテンツの量は?」に対する答えは、「完全かつ包括的だと言えるほどのコンテンツ」だ。これは主観的要因であり、クエリによって異なるだろう。

300ワードでも3000ワードでも問題ではない。重要なのは、そのページトピックについて妥協せず徹底的に取り組んでいるかどうかだ。

SEOに関するコンテンツについては、以下のホワイトボード・フライデーの記事をチェックしてみるといい。

用語集
Googleアナリティクス / PPC / SEO / meta description / meta要素 / アウトリーチ / オーガニック検索 / サイテーション / スニペット / ディレクトリ / リンク
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