企業ホームページ運営の心得

オリジナルコンテンツならパンダもペンギンも怖くない

オリジナルコンテンツはサイト運営の基本であり王道です。
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の282

がさ入れに負けないサイト

この春、Web業界の話題をさらったグーグルの「ペンギン・アップデート」。昨年の「パンダ」に引き続き業界に激震が走りました。本稿流に意訳をすれば脱法SEOへの「ガサ入れ」で、グーグルの評価手法を逆手に取り順位を高めようとするサイトの排除が目的です。

幸いにも当社や、当社が管理するサイトに影響はありませんでした。逆に検索結果で「1位」という恩恵を得たコンテンツもあります。理由は「オリジナルコンテンツ」とみています。コピペやフィードをコンテンツのように見せかける手法が氾濫していた時代から、愚直にオリジナルコンテンツを作り続けていたことが、「ガサ入れ」に影響されないサイト運営につながったのだろうと。

手間はかかりますが、オリジナルコンテンツはサイト運営の基本であり王道です。そこで今回は簡単にできるオリジナルコンテンツの作り方を紹介します。

基本を貫き通した成果

検索結果の1位となったキーワードは「営業戦略」です。地域や端末によって微妙に順位は変動しますが「営業戦略」で検索すると当社のコンテンツがほぼ1位で表示されるようになりました。

以前から上位ではありましたが、競っていたサイトたちが「ペンギン・アップデート」以降ランキングから消え去り、首位でいることが増えたのです。消えたサイトは「被リンク」を販売していた業者で、彼らは自身のサイトにも脱法的な「外部リンク」を施していました。「被リンクの販売」はすでにSEOスパムに認定されていたので、目をつけられていたのかもしれません。

検索結果の1位に表示されるのは営業戦略を解説するページ。これは「物書き」になるはるか以前に発表したものです。人より多く本を読んでいると自負していますが、そもそも私はMBAを修めたわけでもなければ、経済学を専攻したわけでもありません。そんな私の「営業戦略論」を世界のグーグルが1位に表示してくれたのですから痛快です。

SEOとしては構文的な対策を施しているだけです。そこから、オリジナルコンテンツへの評価の高さを推測することができます。

オリジナリティを簡単に加える

つまり「オリジナル」がSEOになるとも言えます。しかし、いきなり「オリジナルの文章」が書ける人はまれです。私の論考も先人達の知恵の土台があってのことですし、哲学者の適菜収氏は「オリジナルなどおこがましい」と喝破します。

しかし、「オリジナリティ」を簡単に感じさせる方法は存在します。それは「経験」です。メインの説明は「引用」だとしても、「経験」を織りこむことで簡単にオリジナリティを演出できるのです。

たとえば「SEO」を解説するコンテンツを作るとすれば、

検索エンジンはリンクが多く貼られているサイトを価値あるものとします。「リンク」を「一票」と置き換え「美人投票」と例えられるものです。これを逆手にとって「リンク」を大量に貼り付ける行為を「スパムリンク」と呼びます。検索エンジンはこれを禁止しており、見つかると最悪の場合は検索結果から除外されてしまいます。

と、こんなところでしょうか。それではここに手前味噌ですがわたしの「経験」を加えてみます。

冒頭だから生きてくる

「営業戦略」というキーワードで検索結果1位を獲得しました。競っていたライバルたちが消えてしまったことが最大の理由です。私は「リンク」を自然に任せていたのですが、彼らは「スパムリンク」を採用していたのです。この「スパムリンク」とはなんでしょうか。

と、先の文章につなげます。

コンテンツのオリジナリティを高めるには「経験」を文章の始めにもってくることです。始めに提示することで、ネットのどこかで見たことがある「コピペ文学」ではないと読者に知らしめます。

また、検索エンジンがコンテンツをチェックする際に、「冒頭」の書き出しにウェイトを置いているのではないか、とはミヤワキの「仮説」です。論拠に乏しいと笑われるかもしれませんが、収集済みのコンテンツとの比較の際に、任意の文中を抜き出すより、先頭の段落から同一性を比較する方が合理的だからです。

経験の増やし方

経験がなければオリジナルコンテンツは難しいと言えるでしょう。語るネタがなければどうしても「コピペ文学」になってしまうからです。ただし「経験」とは自分のものである必要はありません。先輩や同僚、あるいは「客の声」も立派な「経験」です。先の「SEO」解説にしても、

埼玉県の「だるま不動産」では「特別売却」の検索結果で上位に表示されるようになり、ホームページを見たと問い合わせがはいるようになりました。

と、クライアントの経験、すなわち「実例」を冒頭に紹介することでオリジナリティを作りだすことができます。

起点は経験にあり

そもそも私の「営業戦略論」とは「経験」で身に付けたものです。小売りの現場では戦術と戦略を混同しているシーンに出会います。代表的なものが「チラシ戦略」という間違いで、チラシというツールに振り回されて大局を見失うのです。販促ならばDMやホームページ、メルマガもあるのに「チラシ」だけで戦おうとする企業を戒めた経験がコンテンツのベースとなっています。

そしてホームページにも通じます。ホームページも商売を成功させるチャネルやツールに過ぎず、戦術ではあっても戦略ではないというのがミヤワキの「戦略論」の軸となっています。先に述べたように、先人の各種経営理論から「論理補強」をしていますが、起点はあくまで「経験」。「自分の経験」とはすなわちオンリーワンなのです。

オリジナルコンテンツを作っていればパンダもペンギンも怖くありません。グーグルが脱法サイトを除外するのは、利用者に有意義な情報を提供するためであり、オリジナルコンテンツはその目的に合致します。つまりこれも「最適化」であるということです。そして今回紹介した「簡単な作り方」はあくまで入門編。「例え話」を使えば、より「オリジナル度」を高めることができますが、これはまた別の機会に。

今回のポイント

オリジナルは強し

経験は最強のコンテンツ

用語集
SEO / コンテンツ / フィード / リンク / 外部リンク / 文章術 / 検索エンジン / 経験 / 被リンク
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