Withコロナのテレワーク定着率を日米欧8か国で比較。日本では大都市圏に限定?【NRI調べ】

行動制限の緩和後も、英米では約半数がテレワークを実施している。

野村総合研究所は、「Withコロナ期における生活実態国際比較調査」を実施した。日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、スイス、スウェーデン、ポーランドの8か国について、コロナによる行動制限緩和後のテレワーク実施状況を調べている。

欧米主要国では行動制限の緩和後もテレワークが定着?

日米英独政府のコロナに対する厳格度推移

まず、コロナ禍に対する政府の厳格度を表す指数を日本、米国、英国、ドイツで比較すると、欧米主要国は2022年以降大きく低下し、行動制限が緩和されていた。日本は2021年半ばまでは相対的に厳格度が低かったが、現在は逆転していることがわかった。

日本と欧米主要国のテレワーク対象者・実施者比率(2022年7~8月)

また、テレワークの実施状況について、テレワーク対象者(テレワークが可能な人)とテレワーク実施者(実際にテレワークをしている人)に分けて調べると、上図のようになった。米英ではテレワーク対象者が6割以上、スイス、ドイツ、スウェーデンでも5割以上と高かったが、日本は調査対象国では最も低く、テレワーク対象者は29.7%、実施者は19.0%となった。

日本のテレワーク対象者率の推移

日本のテレワーク対象者率の推移を見ると、最初の緊急事態宣言が発出された2020年5月には39.3%まで跳ね上がったが、その後徐々に低下していることがわかった。

都道府県別に見たテレワーク対象者率(2022年7月)

都道府県別に見ると、東京・神奈川ではテレワーク対象者率は40%以上にのぼり、千葉・埼玉・大阪も30~40%未満と高かったが、島根や鹿児島といった地方部では低い数値となった。

すべての国で「テレワークによる生産性の向上」を実感

コロナ禍前後(2019年→2022年)の生産性変化の実感

続いて、コロナ禍以前(2019年)と調査時点(2022年)での生産性の変化について聞くと、すべての国において、テレワーク対象者はテレワーク非対象者よりも「生産性の向上」を実感している結果となった。

日米欧における職場でのデジタルツールの導入状況

また、職場でのデジタルツール(全9種類)の導入状況について比較すると、どのツールにおいても「コロナ禍後に導入された」が高く、職場のDXが急速に進んだことがわかった。

日米欧におけるテレワークステータス別に見たチャットツールの導入有無

オンラインチャットツールの導入状況をテレワークのステータス別に見ると、テレワーク対象者の職場では非対象者の場合よりもチャットツールの利用率が高かった。

日米欧諸国の就業者のテレワーク意向

日米欧諸国の就業者のテレワーク意向について聞くと、「仕事の特性上テレワークができない」を除き、すべての国で「緊急時だけでなく平常時でもテレワークをしたい」の回答が最も高かった。日本・ポーランドを除いた6か国では、テレワーク意向者は4~5割を占めていた。

調査概要

  • 【調査時期】2022年7月12日~2022年8月10日
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査対象国】日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、スイス、スウェーデン、ポーランドの8か国
  • 【調査対象者】満15~69歳の男女個人
  • 【有効回答数】日本:9,400人(47都道府県×200サンプル)米国、英国、ドイツ、イタリア、スイス、スウェーデン、ポーランド:各2000人
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