万単位のタグページがある場合、どう対応すればよいのか?
ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「万単位のタグページがある場合、どう対応すればよいのか?」です。この回答は「可能ならマージして数を削減する。それが不可能ならまとめて全部noindexにするのがおすすめ」です。さらに質問者さんは「この対応を実施するための社内稟議を通す方法」にも悩まれているようでしたので、それにもお答えしています。
大量の投稿タグがあるのは、よくある風景
今回の質問は「万単位のタグページがある場合、どう対応すればよいのか?」と「その対応を社内の稟議で通すには?」いうものです。ペンネーム「igs」さんが寄せてくださいました。「igs」さんは大量のタグページがインデックス可能な状態で公開されている状態を好ましくないと考え、何らかの対処をすべきだと考えておられるようです。ただ、実際にどう対処するのか、また対処するための稟議を通すにはどう説得すればいいか、というところで困っておられます。
実は、タグページが際限なく増えまくる状態のサイトは珍しくありません。まるでInstagramのハッシュタグみたいに、関係のありそうなキーワードをどんどんタグ付けしていくような運用がなされていると、手に負えないほどの数(さすがに万単位は見たことがないですが)になってしまいますよね。
万単位のタグページがあれば、低品質や重複の問題がおそらく起きている
「igs」さんが懸念していらっしゃるとおり、おそらく万単位のタグページがインデックス可能な状態になっている状況は好ましくありません。1記事しかないタグアーカイブや、似たようなタグアーカイブなど、低品質や重複と見られてもおかしくないページが大量にできているはずです。
低品質なページと判断されるのは明確にマイナスですし、重複と判断されるのはただちにマイナスとは言えないものの、クロールバジェットの無駄遣いになっていることは確実です。やはり何らかの対応をすべきでしょう。
定番の対処法はマージすることですが…
僕が指導する場合の定番の対処は、少数の必要なものだけを残す形でマージしていくというものです。ただ、その方法ですと、タグの数が1,000や2,000程度なら何とか1日くらいで対応可能ですが、万単位のタグを丁寧に整理するとなるとかなりの工数になります。
また、必要なタグを残してマージしても、タグの運用方法を変えない限り、しばらくすればまた元通りに大量のタグが作られることになるでしょう。運用方法を簡単に変えられるならいいのですが、もしかしたらそれも難しいのかもしれません。
タグアーカイブをすべてnoindexにする
万単位のタグを整理統合したり、タグの運用方法を変えたり、といったことが難しいようなら、タグアーカイブをまとめて全部noindexにしてしまうのがおすすめです。
タグアーカイブの用途によっては、どうしても整理統合や運用方法の変更ができない場合もあるでしょう。その際はすべてそのままにして、インデックスはされないようにしてしまう、というわけです。このあたりは「igs」さんの状況に応じて判断してください。
対応するための稟議を通すには
タグの整理統合にしても、タグアーカイブのnoindex化にしても、事前に「どういう効果がどれだけある」とは見積もれません。確実に言えることは「現状よりは必ず良くなる」ということだけです。
SEOはこんなことばかりなので、社内の理解がないとどんな施策も稟議を通すのが難しいのですが、今回のケースでは施策の根拠としてGoogle公式の情報が使えそうです。具体的には以下の引用部分です。
ウェブサイトの一部に質の低いコンテンツが掲載されている場合に、サイト全体のランキングに影響が及ぶ可能性があります。そのため、質の低いページを削除する、コンテンツの内容が薄いページを有用なページに統合するか改善する、または質の低いページを別のドメインに移動することによって、コンテンツの質が良くなり、掲載順位が上昇する可能性があることをもう一つの具体的なガイダンスとして提示しています。
また、僕のサイトの記事「低品質コンテンツの削除 ‐ SEOへの悪影響を排除し評価を改善」には2つだけですが簡単な事例が掲載されています。詳細を伏せた事例紹介なので「igs」さんの役に立つかはわかりませんが、サイト全体の検索流入が4倍になったものと15倍になったものですので、インパクトはあると思います。
まとめ
今回のケースでは万単位という想像を超える数のタグアーカイブが発生しているとのことで、適切な回答になっているか少し不安があります。ただ、異常に数が多いだけで特殊な事情がないなら、きちんと対応すれば良好な結果が得られるだろう、とは言い切れます。頑張ってみてください。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。判断に迷うこと、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。
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