『ネット広告運用“打ち手”大全』(全11回)

ネット広告で成果を上げたいならば、GoogleとFacebookは確実に押さえるべし!

ネット広告を運用するならば、まずGoogleとFacebookを出稿先として確実に押さえる(第1回)。

書籍『ネット“打ち手”大全 成果にこだわるマーケ&販促 最強の戦略102』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開。

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「デュオポリー」
の波に乗れ

GoogleとFacebookを出稿先として確実に押さえる
Chapter 1 準備と計画 環境を知り、成功を定義する

検索サービスとSNSの雄であるGoogleとFacebookは、ネット広告においても支配的な地位にあります。米国における近年のネット広告市場から、運用にあたっての前提を考えます。

ネット広告市場の成長のほとんどを2社が担う

「デュオポリー」(Duopoly)をご存じですか? 有名なボードゲーム「モノポリー」(Monopoly)は「独占」を意味しますが、これをデュオ=2つにした「複占」を意味する言葉です。

2015年ごろから、米国のネット広告市場はGoogleとFacebookの2社による事実上の複占状態にあります。2015年から2016年における売上高推移に注目すると、市場全体の純増額である129億ドルのうちの89%、実に9割弱がGoogleとFacebookによるものです〔図表1-1〕。このデータは業界で大きな話題となりました。

2社が示す圧倒的な存在感。これがデュオポリーと呼ばれるゆえんであり、本書執筆時点でも揺らいでいません。

対象	2015年	2016年	純増額	全体に対する純増額の割合
Google〈※1〉313 億ドル376億ドル63 億ドル49%
Facebook〈※2〉89億ドル141億ドル52 億ドル40%
2 社以外194億ドル208 億ドル14億ドル11%
米国のネット広告市場全体〈※3〉596 億ドル725億ドル129 億ドル100%
米国ネット広告市場の売上高推移〔図表1-1〕

※1 原典:Alphabet 社(Google の親会社)の決算資料
https://abc.xyz/investor/pdf/2016_google_annual_report.pdf

※2 原典:Facebook 社の決算資料
https://s21.q4cdn.com/399680738/files/doc_financials/2017/FB-Q1'17-Earnings-Slides.pdf

機械学習の精度向上が成果につながっていく

では、私たちはデュオポリーをどう受け止めればいいのでしょうか? もう1つ注目したいのが「機械学習の進化」です。

機械学習とは、膨大なデータをコンピューターに学習させることで、法則性やルールを導き出す手法のことです。人工知能とも密接に関わり、ビジネスへの応用が多様な分野で進んでいます。

GoogleとFacebookはともに広告プラットフォームであり、広告運用に関する膨大なデータを保有しています。機械学習の精度を上げるにはデータの「量」や「バリエーション」が重要とされますが、2社にデータが集約されることで、より高い成果を、より少ない費用で達成する「最適化」の精度が上がっていきます。

そして、最適化の精度が上がり「GoogleとFacebookで実際に成果が出た」と考える広告主が増えれば、より多くの予算が2社に投下されます。利益を得られた2社の投資はさらに進み、機械学習の精度がまた上がっていく、という好循環が回っていきます。

「ネット広告の予算をどこに投じれば儲かるのか?」を考えるなら、GoogleとFacebookは必ず候補に入れるべきです。まず、この前提を頭に留めてください。(寳)

ネット広告の世界では、AIによる効率化がもう始まっているよ!
まとめ

本書ではデュオポリーを対岸の火事ではなく「自分ゴト」として捉え、GoogleとFacebookで高い成果を出すための広告運用にフォーカスしていきます。

『ネット広告運用“打ち手”大全』
  • 寳 洋平 著/辻井 良太 著/高瀬 順希 著 著
  • 発行:インプレス
  • ISBN:978-4-295-00320-5
  • 価格:2,500円+税

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SEMのプロフェッショナルとして多くの企業の広告運用に携わっているアユダンテ株式会社の寳洋平氏、同社高瀬順希氏、GDNやYDNのディスプレイ広告運用の経験に長けたCRAFT株式会社の辻井良太氏の3名が実際に試行錯誤し成果を出した手法を公開。

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