ネットショップのSEO。鍵を握るのは「キーワード」と「コンテンツ」
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
SEOはマーケティング手法
みなさんは「SEO」にどんな印象を持っていますか?
「上位表示」
「リンクを買うこと」
「Googleに好かれること?」
私がSEOに初めて出会ったのは2001年の9月です。そのときにアメリカで長年SEOをやっていたジェフ・ルートという上司と出会い、1からイロハを教えてもらいました。その頃日本ではSEO(Search Engine Optimization)なんてまったく存在しない言葉。ジェフと手探り状態で日本語のSEOを実験したものです。
そのときジェフに何度も言われたのはこういう言葉でした。
江沢さん、SEOは上位表示ではない。マーケティングだよ。
今ではすっかり「○○という言葉で1位になりたいんです!」というスローガン的な目標が掲げられるSEOですが、本当は「新規潜在顧客にリーチして流入を増やし、売上を上げる」ための素晴らしいマーケティング手法です。
マーケティングというと難しく聞こえますが、つまり、ユーザーのニーズにこたえること。特にネットショップを運営されているみなさんは、日々エンドユーザーの方と接しているわけですから、ニーズの把握はお手のものではないかと思います。
またSEOと言うと、覚えることや、考えることや、やらなければいけないことがたくさんあるように思われるかもしれません。しかし、最近はGoogleがとても進化していますので、実はそれほど難しくありません。
ひと昔前であれば次のようなことで悩まれることが多かったのではないでしょうか。
- 「プリンタ」と「プリンター」が別の言葉として認識されるので両方使わなくてはいけない
- h1タグはテキストでキーワードを含めないといけない
- ソースコードは軽くしないといけない
- リンクはテキストで必ずキーワードを含めなければいけない
などなど……。実は、こうした細かい手法は、今はそれほど重要ではありません。
それよりも、ユーザーのニーズ(=検索意図)を理解し、コンテンツをきちんと作成していくことが一番重要なのです。
SEOの肝は「キーワード」と「コンテンツ」
さて、ジェフが教えてくれた2番目の言葉は、こういうものでした。
江沢さん、SEOの肝はキーワードだよ。
キーワード、つまりユーザーが検索エンジンに入力するときに使う言葉です。そこの見極めができないと、どんなに良いコンテンツがあっても、どんなに良い商品を安く売っていてもユーザーを集めることはできません。
逆に言うと、ユーザーが検索しない商品、例えば「新開発された花粉症が治る水」などは、まだ検索されるほど知られていないためSEOができないのです。そのような検索ニーズのない商品(=キーワードがない商品)は広告や口コミなど、SEO以外のマーケティング手法を使うほうが良いでしょう。
さて「キーワード」についてはまたこの後の回で詳しく説明しますが、1つ重要なポイントがあります。それは最近のGoogleは「ユーザーの検索意図を理解してどんなページが適切か自動的に判断できる」ということです。
昔であれば人気キーワードを見つけてその言葉をページ内に書いたりリンクを集めたりすれば、どんなサイトでも上位に来る可能性がありました。しかし、今のGoogleは「キーワード」に加えて「コンテンツ」を重視するのです。
例えば、この原稿を執筆している時点で旬の「花粉症」を見てみましょう。「花粉症」には下記の表にあるような派生語があり、それぞれの言葉にはユーザーの検索意図(目的)があり、意図に合ったページがあります。
表を見ていただくとわかりますが、その言葉によってヒットするページの種類は全然違います。
「花粉症」であれば、総合的な情報サイトがヒットします。
「花粉症 時期」というQAワードであれば、それに答えるサイトや2014年の傾向を解説する天気予報サイトなどもヒットします。
「花粉症 メガネ」は購入意図があるワードなので、ECサイトが圧倒的に多いですね。あとはメガネの選び方のページもありました。
「花粉症に効く食べ物」では、Yahoo!知恵袋やNAVERまとめなどユーザーの声もヒットしています。
つまり、あなたのサイトが花粉症によく効く食べ物を販売するECサイトであれば、「花粉症に効く食べ物」という商品一覧ページを作っても、上位にはヒットしにくいのが今のGoogleなのです。もちろん「花粉症」や「花粉症対策」などの人気ワードでも上位表示は難しいです。
このように、今のSEOは「キーワード」とそれにマッチした「コンテンツ」を考えていくことがとても重要なポイントになります。
モールのSEOはGoogleのSEOとは別物
SEOは通常、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで上位に表示させる手法ですが、楽天などのモールに出店されている方にとっても同じ意味合いでしょうか? そこは違います。
検索エンジンにはクラスタリングという概念があり、同じサイトが検索結果を占拠しないよう、また多様性のある結果になるよう、1つの検索結果内に同じサイトのページが表示される数を制限しています。そのため「トレンチコート 通販」では楽天のドメイン名からは1ページ、カテゴリのページしかヒットしません。
つまり、トレンチコートを扱っているショップがモール内に100店舗あっても「トレンチコート 通販」ではGoogleの検索結果上位にはヒットさせることができないのです。
また、楽天などモールのページはHTMLを自由に編集できないなどの制限もあるようですので、SEOのハードルはかなり高いのではないでしょうか。
そのためモールはモール内SEO(例:楽天内での上位表示)と定義し、この連載では主に独自ドメインでネットショップを運営されている方のGoogle向けのSEOを解説していきます。
今回はネットショップ向けSEOの基本的なことを解説しましたが、次回からは、Googleの検索結果とランディングページの関係など、より具体的なお話をしていきます。お楽しみに!
オリジナル記事はこちら:ネットショップのSEO。鍵を握るのは「キーワード」と「コンテンツ」(2014/04/18)
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