企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

効果測定ツールを使い分け、旅行に行きたくなるような情報を発信していきたい

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効果測定
ツールを使い分け、旅行に行きたくなるような情報を発信していきたい

ツイートの内容についてはどのような心がけをしているのだろうか。

私たちのツイートのメインは、旅行情報を提供するものが多くなるんですけれど、そのなかでも旅行に行きたくなるような情報を発信しようという点は、常に意識するようにしています。現地に住んでいる特派員の方が書いている記事については、リアルな内容のものが多く、Twitter上でも反応が良いのでなるべく多く紹介するようにしています。あとは、旅行にこれから行く人も見ていると思いますので、海外の情報として、たとえばヨーロッパ鉄道のストライキの状況ですといったものや、航空機の運行情報などもつぶやくようにしています」(小鹿氏)

特に反応の良いツイートの傾向などはあるのだろうか。

現地の情報のなかでも、特に食べ物の情報は反応が良いですね。あとは、弊社の旅の口コミに投稿された情報をつぶやくこともあるんですけれど、これも結構反応が良いです。クチコミ情報のなかには、航空機のなかを撮影してレポートいただいているようなものもあるので、そういったクチコミをTwitterでご紹介する場合は、写真の内容がわかるようにコメントを付けて紹介することで、リツイートの数が増えるようになったと実感しています。ホームページへの来訪にもつながっていると思います」(小鹿氏)

メルマガやFacebookなど、その他の情報発信ツールとはどのように使い分けているのだろうか。

サイトの情報発信ツールとしては、メルマガの配信やガイドブック上でのコンテンツの紹介、それから昨年にFacebookページをオープンしてそれぞれ情報発信をしています。感覚的な印象で言うと、“メルマガはじっくり読んでもらうタイプ”で、“Twitterは見出しで決めるタイプ”、“Facebookは画像で魅せるタイプ”といった印象を持っています。

メルマガについては、時間をかけて読んでいただくものですから情報の精度を重要視しています。校正担当もいまして、誤った情報がないように体制を組んでいます。TwitterとFacebookは担当者レベルで運用していますので、その点は大きく異なりますよね。また、TwitterとFacebookは、現在ほぼ運営体制が重なっていることもあり似たような投稿が多いのですが、結構反応が違う点が興味深いですね。

Twitterは発信する情報そのものの価値で反応が決まるのですが、Facebookは写真が綺麗かどうかで反応がまったく変わってきます。また、Facebookのほうがどちらかというと旅行の興味度が高いように感じています。もちろん、Facebookページを立ち上げたタイミングがTwitterよりも遅く、まだコアなユーザーさんしか見ていないのもあると思いますが、そういう空気を感覚として感じていますね」(田中氏)

Twitterはどちらかというと、緊急情報などの伝播力に秀でていて、速報性のある情報に対して大きな反響を呼ぶメディアのように感じていますね。海外で事故などがあった時の情報をツイートすると、反応がすごく早いんですよ。最近あったタイの洪水について、バンコクの特派員が日々発信してくれていたのですが、FacebookよりもTwitterのほうが断然反応がいいんですよね。Facebookはどちらかというと、もう少しゆったりとした感覚で私たちが発信する情報を眺めてくれているような感じがします」(小鹿氏)

ツイート単位の効果測定のようなことは行っているのだろうか。

今はbit.lyを使ってURLのクリック数を見ていますね。もちろん、Google アナリティクスからもサイトへの来訪状況を見るようにしています。社内的にソーシャルメディアからの流入を報告する、というようなことはないのですが、全体の流入元のなかでソーシャルメディアの割合はどれくらいあるのか、という話はしています。コンテンツにもよると思うのですが、ブログのような更新性の高いコンテンツについては、ソーシャルメディアで紹介されるケースも多いので、ソーシャルメディアの流入割合は増えていると思います」(田中氏)

ツイートの見出しは、旅行に関心のある人に刺さるものを追求

Twitterを1年以上活用し続けているが、開始以前と変わったことはあるのだろうか。

何といっても、ユーザーの反応が見えるようになったことが一番大きいのではないでしょうか。我々が投稿した情報に対する反応が見えるのはもちろんのこと、我々の知らないところで、どんな話題として地球の歩き方のことを話されているのか見えるようになったことは大きいです。ユーザーの反応が見えるようになったことで、サイト制作の部分にも変化があります。Twitterの投稿に対する反応の良さから、投稿時の紹介の仕方が重要だとわかりましたので、サイトを制作するタイミングでのタイトルの付け方についても、以前と比べると時間をかけて行うようになったと思います」(田中氏)

現在のフォロワー数は5,000人前後(取材当時)。順調に運営できているという認識なのだろうか。

欲をいえばもっともっとフォロワーが増えていけばいいと思うのですが、順調だと思います。今は地球の歩き方というブランドでフォローをしてくれた方が多いと思うんですけれど、『地球の歩き方ってガイドブックを出しているんだ』と言われる若年層の方って結構多いんですよ。もっと理想をいえば、そういった方とコミュニケーションできるようになればいいと思っています」(田中氏)

現在、目標や参考にしているTwitterアカウントなどはあるのだろうか。

運営開始当初はいろんな企業アカウントを参考にしていましたが、最近は特に参考にしたり、注視したりしているTwitterアカウントはないですね。私たちがTwitterで成果を得ることができるかは、結局のところ旅行に関心のある方に刺さる見出しのツイートができるか、つまりコンテンツの中身が重要だと思うんですよね。

たとえば、ストライキなど緊急性の高い情報については、自社の情報だけでなく、我々が信頼している外部ホームページのURLをつぶやくようなことも積極的に行っています。@news_arukikataをフォローしていれば、旅行に行かれる方にとって有益な情報が得られる、と思っていただけるようなツイートを続けていくことが重要だと思います」(田中氏)

外部サイトの情報も含め、旅行者にとって信頼できる有益な情報を伝えている

最後に今後の抱負を伺った。

近年の傾向として、旅行者数が伸び悩んでいるというトレンドがあるので、我々がこうして世界の情報や、旅行に行きたくなる情報を提供することで、海外旅行に行きたいと思っていただける方が少しでも増えていけばいいと思っています。ソーシャルメディアだと、みんなが同じプラットフォームにいるということもあるので、ウェブサイトでやっているよりは、より簡単に訴求できるのではないかと思い運営しているので、引き続き運営していきたいと思います」(田中氏)

◇◇◇

インターネットを積極的に活用し、ソーシャルメディアにもいち早く取り組んできた同社。その根底には、旅行者にとって信頼できる有益な情報を届けるという姿勢が見て取れる。Google+など、新しいツールについても「サードパーティのツールも含めて、今あるものと新しいソリューションとリソースを検討しつつ、一番効率的な運用方法を考えて攻めていきたい」と田中氏は話す。

ユーザー視点に立ちながら、大企業が陥りがちな部署間のコミュニケーションに悩むことなく、最も効率的な運営方法を選択しトレンドに乗ることができる環境こそが同社の強みである、と感じた。今後も同社の取り組みを見守っていきたい。

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