スケーラブルなホワイトハット的リンクビルディング――良質なコンテンツを大量に生産する(前編)
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。
今回は、あるカンファレンスで僕が行うプレゼンから、1つの要素だけに焦点を絞って書いてみたい。自分の考えを整理するためでもあり、会場に行けない人に何か役立つ情報を提供するためでもある。選んだテーマは、ここ数か月の間、僕の心の多くの部分を占めてきた要素――ずばり「スケーラブルなコンテンツ」だ。
スケーラブルなコンテンツ
以前、『Wired』誌に掲載されたDemand Mediaの運営に関する記事がある。まだ読んでいないとしても、それほどお勧めできる記事ではない。パンダ(ファーマー)アップデートのことを考えれば特に、これだけの規模のサイトを運営するとしたら、どんな方法で運営するかについて考えることは重要だ。さらに重要なのは、よりよい成果をあげられるよう、あらゆる有用な事例を探して学ぶ必要があるということだ。
Demand Mediaのやり方には、特に注目すべき側面が3つあることに気づく。
- コスト速くて、安くて、内容もまずまず
明らかにこの記事は、グーグルがアップデートを行う前に書かれたものだ。いずれにせよ議論の余地はあるが、僕らの多くがコンテンツを作成するために用いるプロセスと比べて、効率という点で際立ったものがあることは明白だ。
- スケール(規模)Demand Mediaは1か月に100万本の動画や記事を公開することになるだろう。1年間では、英語版ウィキペディア4つ分に相当する量となる
その質について疑問視する向きもあるだろうが、これは興味深い話だ。驚くべき離れ技だし、われわれが学べることも何かあるに違いない。
- 質
「質」をどう定義するかにもよるが。
アルゴリズムによって生成されたコンテンツは、人が発想したアイデアの4.9倍の売り上げを生み出した人間よりコンピュータの方が得意なことがあるのは事実だ。その1つが、パターンから成功につながるものを見つけ出すデータマイニングだろう。
僕の長い長い「欲しいもの」リストの中に、「優れた見出しのデータベース」というものがある。主としてオフラインメディアに基づき、期待される効果によって分類されたものだ。消費者向け雑誌の見出しに着目して、ある月と別の月とでそれらを比較検証してみたことがあるだろうか?
ヒントをくれた人にお礼を言いたいのだが、このアイデアがどこから来たものかが思い出せない。たぶん、トッド・マリコート氏が提案した見出しの「総まとめ」にヒントを得たのだと思う。とにかく、似たような流儀で、テーマやキーワードから適切なタイトルをデータベースから引き出せればいいと思わないだろうか。
これがリンクビルディングとどう関連するのか?
「リンク」は容易に理解できるが、「リンクビルディング」という言葉は、実際には可能性を秘めた多数のアプローチや戦術を包括している。多種多様なリンクビルディングを通じて、一貫するテーマは次のようなものだ。
- 「何が」 ―― コンテンツがリンクを受け取る
- 「誰が」 ―― 誰かがリンクを配置する
- 「どこに」 ―― コンテンツがリンクを含む
僕がここで主張したいのは、上の「何が」であれ「どこに」であれ、より良いコンテンツから恩恵を受けないようなホワイトハット的リンクビルディング手法など皆無だということだ。「非常に強い関連性がある」だとか「コンテンツや機能に不朽の価値がある」だとかいうことから獲得できたリンクならともかく、そうではないリンクにとって、スケールさせる(規模を拡大する)ためには、自分のサイトでコンテンツを大量生産するか、大量のコンテンツをどこかよその場所に作るか、どちらかになるだろう。
優れたコンテンツを送り出し続けてさえいれば得られるであろう「良い」リンクの多様な形については、関心を持つ読者のみんなに宿題として残しておこう。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編では、リンクビルディングに役立つ良質なコンテンツを大量に生産するためのアプローチについて、もう少し具体的に見ていこう。
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