東京地裁 医薬品通販禁止は「合憲」事業者の訴えを退ける
09年6月に施行された改正薬事法で医薬品通販が原則禁止になったことに対し、医薬品ECを行うケンコーコム(本社東京)とウェルネット(本社横浜市)の2社が国を相手に省令の違憲・無効確認などを求めていた行政訴訟で、3月30日東京地方裁判所は両社の訴えを棄却した。
同訴訟は、対面販売の原則を理由に、厚生労働省の「薬事法の一部を改正する法律」の省令で、原則的に医薬品通販が禁止されたことに対するもの。禁止に反対するケンコーコムとウェルネットは国を相手取り、昨年5月25日にこの省令が違憲であり無効であることの確認を求める訴訟を起こした。
判決によると、通販への規制は「健康被害を防止するための規制として必要性と合理性が認められる
」として省令の必要性を認定。あわせて規制は「法律の委任の範囲を超えるものとはいえない
」と許容範囲内との判断を示し、ケンコーコムとウェルネットの請求を棄却した。
判決後の記者会見でケンコーコムの後藤玄利社長は「裁判所は、インターネット上ではペテン師がウソをついて医薬品を販売しているという想定に立っている
」と述べたのち、「まさに結論ありきの判決。こうした不合理な理由で既存の業界を守り、新しい業界の台頭を妨げることに司法までも加担する。このような国に未来があるのか
」と声を荒げ机をたたいた。今後も「徹底的に戦う
」(後藤社長)としており、控訴する意向を示した。
また、楽天、ヤフーらが設立した、eビジネス推進連合会(事務局東京)も翌31日に、「安全性の面で合理的な根拠が示されないまま、インターネット販売が劣位にあるとされ、通販での購入を求める利用者の切実な声も完全に無視されたことは極めて遺憾
」というコメントを発表した。
ケンコーコム、医薬品ネット販売規制裁判の判決結果(敗訴)について、コメントを発表
http://www.kenko.com/company/pr/archives/2010/03/post_82.html
一般用医薬品の通信販売規制に関する行政訴訟の判決に対するコメント - eビジネス推進連合会
http://jeba.jp/topics/topics1.html
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