企業ホームページ運営の心得

ツイッター中毒を逃れる198円の方法。小人の靴屋は実在する

予定を立てると、かなりの確率で立てた「予定」通りに進みます。Twitterの誘惑にも負けません
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百七十弐

振り返り過ぎた時間に気づく

職業柄、さまざまな方にお会いしますが「できる」といわれる人のほぼ100%が「予定」を立てています。

かつて、私は予定を立てることが大嫌いでした。なぜなら、未来は何が起こるかわからないから楽しいのだ……とうそぶいていたからです。しかし、ふと「どうなるのだろう」と予定を立てる実験を始めたのは会社員時代。実験の内容については最後に述べるとして、結論は未来を描けると知ります。「オカルト」や「SF」の話ではなく、仕事の効率を上げる現実的な技法で、さらにはツイッター中毒を解毒する妙薬です。

サーバーダウン、クライアントからのクレーム、打ち合わせのドタキャン。トラブル発生は日常で、「予定」を立てても、その通り進むことはない。とは思いこみで、かなりの確率で立てた「予定」通りに進みます。

もちろんご安心ください、あくまで「現場の心得」です。「自己啓発」でもありません。

198円で1年分の予定

まずは私の「予定」の立て方について。

金曜日の夕方に来週分の作業や、打ち合わせ日時を「一覧」で書き出します。不定のものは作業日を決定し、未定の案件もとりあえず書き込みます。これが「週間予定」です。次に金曜日に月曜日の、月曜日には火曜日と、翌日の作業を書き出し、当日の朝に緊急の案件があれば追加して「当日予定」が完成です。

以前はシステム手帳を使って予定を立てていましたが、ある年に買いそびれて以来、「コクヨ」の100枚入り198円(近所のスーパーマーケット価格)のルーズリーフを使用しています。週間予定で1枚、当日予定は横線で区切り一日とし、片面でだいたい3日分、裏表を使い1週間分で「週間予定」と合わせて毎週2枚。一年間は52週ですから、198円で約1年分の予定が立てられてリーズナブルです。

「月間予定」や「年間予定」も立てていますが、こちらは主旨が少し違うので別の機会に。

グーグルカレンダーは使わない

予定はもちろん手書きです。ミミズがブレイクダンスした文字でも、他人に見せるものではないので問題ありません。グーグルカレンダーを使えば文字も綺麗で「0円」だという主張もあるでしょうが、日々の予定の「項目数」は増減し、その度にマウスとキーボードを持ち替え、調整しなければならないのが面倒です。その点「手書き」は楽です。日付の区切りは横線を左から右へ引くだけで、突然の追加も前日の空きスペースから「→」で走り込ませれば完了します。このいい加減さ、もとい「フレキシブル」な対応は手書きならではです。

また、グーグルカレンダーなどのソフトを使うと「パソコン」で仕事をしている職業柄、確認するたびに画面を切り替えなければなりません。ちなみに、私の作業スペースには計4台のパソコンがあり、すべてそれぞれの作業の「専用機」として割り振っており、カレンダー専用機を置くデスクスペースもありません。iPadという選択肢もありますが、198円のコクヨに「故障」の心配は不用です。

目標設定という意味

目標を紙に書き出せば実現したも同然だ。

自己啓発でよくみるこの主張は「脳科学」からみても正しいことをご存じでしょうか。呼吸や歩行、箸の上げ下ろしを意識しないように、脳というのは本人が意識していないところでも働いています。「AKB48」に興味がなかったとしても、友人が「ファン」であることや、メンバーの前田敦子さんと同じ誕生日だということを知った瞬間から、彼女たちの出演するテレビ番組、雑誌の表紙をつい目で追ってしまうのは「友人」や「誕生日」という共通項がフックとなり、脳が反応して「見つけたよ」と意識に情報を送っているのです。

脳の力を活用するために「予定」を手書きし、目の届く位置に置いておきます。すると脳は予定を達成するための最適解、あるいは不足している情報を「無意識」で探してくれます。それはまるでグリム童話の「小人の靴屋」です。

脱、ツイッター宣言

予定を立てることで就業時間中のツイッターやミクシィにログインしている時間を削減できます。

仕事に集中している「つもり」でも、常駐させたツイッター(クライアントソフト)からのタイムラインの流れを、脳は無意識に追いかけます。ここでも「小人の靴屋」が活躍します。常駐させていなくても「気になる」のは脳内の「小人」の仕事によります。そして集中力は削がれ、作業効率の低下が残業時間を増加させます。

そこで「予定」を目の届く範囲内に「常駐」させます。すると「小人」は、ツイッターやミクシィを思い出すヒマがなくなるのです。結果、作業効率が高まること請け合いです。

独立したいなら予定を描け

予定を書いてもうまくいかないという人もいます。それは「自分に合った予定の立て方」を知らないからです。時間単位で区分けするのが好みの人もいれば、作業項目を殴り書きする方が性に合っている人もいます。ちなみに私は後者。先ほどの「小人」は、自分の嫌いなものには目を逸らす傾向があり、「自分好みの予定」を立てることはとても大事なことなのです。

会社員時代、毎日が「ダイ・ハード」でした。トラブルは日常で、突発事項が立て続けにおきます。ハードな日々に疲れ果て、来週の「予定」を立てることで未来を拘束できるかチャレンジしました。すると半分くらいが実現したのです。予測がつかない未来よりはるかにマシです。

未来は決められるかも

と思った瞬間です。次第にトラブルも含めた「突然」の起きる確率はイメージしているより低いことを突き止めます。印象が強すぎるだけで発生頻度は高くないのです。また「突然」が繰り返されるなら、「突然」が起きないようにするための「予定」を組むべきだと知ります。

3か月ぐらい「予定」を書き続け「未来」を描けると実感しました。そして私はダイ・ハードな職場に別れを告げるべく「予定」に「独立」と書き、実現しました。

今回のポイント

予定を決めると行動を最適化しようと「小人」が働く。

ツイッターでつぶやく時間を減らすためにも「作業予定」を作るべし。

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