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【UPDATE 動画マーケティング】海外直送:1本の動画だけではマーケティング戦略が成功しない理由

8 years 5ヶ月 ago
動画を利用しマーケティングを成功に導くためには、顧客ステージを意識し、目的に合わせて複数のコンテンツを企画、制作することが重要です。今回は戦略的に動画を制作する上でのTIPS(秘訣)を海外の制作会社...

NTTレゾナントがサイト内検索に新機能。会話型ECに対応するため価格.comも導入

8 years 5ヶ月 ago

NTTレゾナントはAI型ECサイト内検索ソリューション「goo Search Solution」に新機能「不要語の除外」を追加したと9月14日に発表した。

新たに追加した「不要語の除外」は、入力キーワードから自動的に重要なキーワードを抽出する機能。たとえば、検索ボックスに「防水のデジカメ」とユーザーが入力した場合、不要な助詞「の」を削除し、「防水」「デジカメ」という重要キーワードを自動的に抽出して検索結果を表示する。

曖昧な言葉や状態を表す短文、修飾語がついた名詞を入力した場合でも、ユーザーの希望に沿った検索結果を表示することができるという。

「不要語の除外」は、NTTグループのAI技術「corevo」の1つである形態素解析技術を活用、高い精度でのキーワード抽出を実現した。

会話型コマースの台頭見据えて「goo Search Solution」を導入

NTTレゾナントはAI型ECサイト内検索ソリューション「goo Search Solution」に新機能「不要語の除外」を追加、「価格.com」も導入

「不要語の除外」のイメージ

カクコムは運営する購買支援サイト「価格.com」に、「不要語の除外」「表記ゆれ辞書」「同義語展開」といった計5つの機能を含めた「goo Search Solution」を導入した。

カカクコムが「goo Search Solution」を導入したのは台頭する会話型コマースに対応するため。

カカクコムによると、チャットボットなど音声アシスタントの技術向上により、ECサイトは会話型コマースへ移行が進んでいると指摘。まずは、Webブラウザの検索精度向上に向けた取り組みを検討していたという。

音声アシスタントによるECサイトでの検索は、従来のキーワード入力検索と異なり、曖昧な言葉や不要な言葉が多く含まれるため、「不要語の除外」機能などを搭載している「goo Search Solution」の導入を決めた。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

まとめ買いの顧客にポイント付与で再配件数を抑制、アスクルの「LOHACO」

8 years 5ヶ月 ago

アスクルは9月14日、日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の1回の注文金額が5000円以上の顧客を対象に、Tポイントを付与するキャンペーンを実施すると発表した。

注文金額が5000円以上で50ポイント、1万円以上では200ポイントを付与する。対象期間は2017年10月2日から2018年1月31日。Yahoo! JAPAN IDでログインした顧客が対象。 

国内の宅配便取扱個数が2016年度に40億個を超え、配送現場の人手不足が深刻化するなか、商品の「まとめ買い」を促すことで配送件数の抑制を図る。

アスクルは、まとめ買いの顧客にTポイントを付与する理由を次のように説明している。

急を要しないお買い物はなるべくまとめてご注文いただくというお客様のご協力に対して、アスクルから感謝の気持ちを表すことで、1人でも多くのお客様にご参加いただきたいと考えております。

アスクルは日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の1回の注文金額が5000円以上の顧客を対象に、Tポイントを付与するキャンペーンを実施する

配送件数の抑制を目的にポイント付与を実施(画像は編集部がキャプチャ)

また、10月2日から「LOHACO」で扱う900ミリリットル以上の一部飲料といったケース商品の配送料を350円に設定。また、沖縄本島を除く離島への配送料も350円にする配送サービスの変更を行う。

「LOHACO」は都内の一部地域で、独自の配送サービス「Happy On Time(ハッピーオンタイム)」を実施。午前6時から深夜0時まで1~2時間刻みで配達時間を指定できる上、到着時間を事前に30分幅で通知。商品の置き場所指定や配達直前の電話連絡、宅配ボックスでの受け取りなどを行い、再配達の抑制に取り組んでいる。

また、人工知能を活用して早朝や夜間の配送を効率化するサービス「Scatch!(スキャッチ!)」も導入している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

日本人は消費に無関心で、企業や商品に対してロイヤルティを感じない!?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

8 years 5ヶ月 ago

確かにしっかり検討して買うことがなくなったな~と感じます。Amazonではワンクリックで買いますし、メルカリでもスパッと購入。購入金額ごとに見れば違うのかもしれませんが、データを見る限りは日本だけが世界の流れに逆行しているのは間違いないです。

日本は既存個客向けのサービスが不足している

「日本だけ消費者の無関心化が進んだ」、アクセンチュアが独自調査 | ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/091302232/

まとめると、

  • 製品・サービスについて購入前によく検討しない消費者が増えている傾向を「無関心化」と定義
  • 「製品・サービスについて購入前によく検討しない」と答えた割合が、62%から67%に増加
  • 「商品の購入をしている企業・商品に対してロイヤルティを感じる」と答えた割合も、前回調査の41%から40%に低下

先進国のなかで日本だけ「製品・サービスについて購入前によく検討しない」と答えた割合が前回調査(2016年発表)よりも増えた。前回の割合が62%だったのに対して今回は67%だった。一方、他の先進国(フランス、ドイツ、米国、英国)はいずれも前回調査より減少した。

どんなものを購入する時について聞いているのかが気になりますよね。高額の商品なら徹底的に検討するユーザーが増えていそうですが、数千円のものであればメルカリなどで即買いする人も多そうです。

それよりも気になるのはロイヤルティの低下。既存個客をほったらかしにしていては足元がおぼつきません。目の前のお客様を満足させられないショップは、新規のお客様も同じでしょう。

関連記事

アイデアへの出費は投資

今まで出した赤字は5億円以上!蛇口メーカー「カクダイ」がふざけた商品を作り続ける理由とは? |
https://irorio.jp/yatta-men/20160222/298335/

まとめると、

  • 水道用品・水栓金具の専門メーカー「カクダイ」は、ユニークな蛇口の開発にかかる費用で、トータル5億円以上の赤字が出ている
  • 思いつきで蛇口を作るため、新たな技術の習得が必要になり、イノベーションが起こった
  • さまざまなノウハウが蓄積し「欧州製品に負けていない」と自負できるレベルにまで技術力が上がった

時には開発段階で壁にぶつかることもある。いくら面白いデザインの蛇口を思いついても、それを作り上げる技術がなければ商品化することはできない。

思いつきで蛇口を作るため、新たな技術の習得が必要になるケースは多々あったそうだ。

しかし、開発者たちはそういった過程こそがイノベーションであり、自分たちの製品の技術力を高めるということに気づき、ますます蛇口作りに熱中していった。

「イノベーションを起こせ」とか、「アイデアを出せ」という会社に限って、こうした遊びを禁止するんですよね。「いつ儲かるのか?」「誰が買うのか?」などなどバカバカしい質問をするわけです。知恵=知識×経験と考えれば、こうした役に立たないような経験が素晴らしいアイデアを生み出すんですけどね。

特許は広告のために取得するものじゃないですからね

広告における「特許」表記の注意点。「特許取得」「特許出願中」と書いても大丈夫? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4668

まとめると、

  • 化粧品等の広告については、「特許取得」「特許出願中」は原則的に記載不可
  • 健康食品、雑貨等の広告については、不可というルールはない
  • 特許が医薬品的効能効果や医療機器的効能効果に関連するものだった場合、記載すると薬機法に抵触するものと判断され不可

例えば、成分を抽出する課程で取得した製法特許など、事実を元に正しく記載する範囲においては、差し支えないものとされています。

ですが、健康食品は医薬品的効能効果(雑貨の場合には医療機器的効能効果)を有する旨の標榜を、明示も暗示もしてはならないことになっています。

せっかく取得した特許だから広告にも……って考えてしまいますが、薬事法に触れそうな場合は要注意ですね。そもそも、特許取得は広告目的ではないので、本来の使い方にとどめておきましょう。

EC全般

アマゾンよりも進んでる? 無人コンビニ「BingoBox」などが広がる中国小売市場の今 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4714

この記事は必読。無人販売所的なイメージがしてしまいますが、そうではないようです。

高校生が日本初の「騒音トラブル解決モデル」を発足。周辺住民からの苦情も激減 |
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/...

苦情に真正面から立ち向かえばいい結果になるという良い事例。これも相手と実際に会うことができるからなのかもしれません。ネットショップは会えないという難しさがあります。

自動運転の配送めざす「ロボネコヤマト」、対象エリアを拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4704

実験がうまくいっているようですね。見た人がいたらどんなものか教えて欲しいところ。

買い物の参考にする情報源、男性は「Webの記事」、女性は「家族の意見」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4700

個人的にはお店の人の意見です。無理に買わせようとする店員も減ってきたので信頼度は高いような。

サイト利用者視点で考える ウェブ接客で「説得可能なタイミング」を捉えるには | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/4936

相手の思考にスムーズに入り込めるように。自分の思いを押してもダメです。

マイナンバーカードの「自治体ポイント」とは?クレジットカードなどで貯めたポイントやマイルを地元商店街や「名物チョイス」で利用できるように! | ザイ・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/141606

広がるようには考えにくいですが、こんなポイントもあるということで。

今週の名言

個々の戦術は模倣可能ですが、お店の根幹については、コピペで使える安易なノウハウはありません。よく見て、よく考え、挑戦を重ねるのみです。

「売れる店の条件」は、もう変わっています |ネットショップ運営支援ブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/2244

今週の記事ではカクダイさんの記事がまさにそれ。戦術だけを見るのはもうやめましょう。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

あなたの会社はどのタイプ? 社内におけるECの位置付け、組織、役割について | EC部長が担当者に読んでもらいたいこと

8 years 5ヶ月 ago

本連載の読者は、既存事業を持っていて、ECやオムニチャネルの取り組む会社のEC担当者を想定しています。「会社がECをどのように考えているか」で、組織、担当者の所属、役割は変わってきます。ECに関する会社の考え方を理解のうえ、それに合わせたサイト・サービスを作るべきですし、その他の業務を遂行していくことが大切です。また、社内を啓蒙したり、他部門との話を空回りさせずに、協力を得ていくためにも必要です。

「オムニチャネルは小売そのもの」と考える会社はまだ多くはありませんので、「会社がECに何を期待しているか」「ECは新規事業なのか、新規ビジネスなのか」などが、ここでいう位置づけにあたります。それどころか多くの会社で、ECを1つの店舗と考えていたり、その一方で期待していることはマーケティングの一部だったりと実情はあいまいなのです。

本連載では「新規事業」と「新規ビジネス」をあえて別の意味で使っています。新規事業はP/L責任を持つもの、新規ビジネスは、他の事業にも大きくオーバーラップする一連のオペレーションの塊を事業のように見なしています。

自社におけるECの位置付け

まずは一般的にあまり明確でないことも踏まえながら、あまり突き詰めすぎず、自社が仮に置いている考え方を確認します。

以下の図は、新規事業の方向性について、既存市場、新規市場、既存商品、新規商品を2×2のマトリクスにしたものです。ECに限らず、新規のビジネスを考える際によく使います。

縦軸は新規市場(顧客・チャネル)か既存市場かを表し、横軸は既存商品か新規商品かを表す。通常はグレーの矢印で事業の拡大を図る
縦軸は新規市場(顧客・チャネル)か既存市場かを表し、横軸は既存商品か新規商品かを表す。通常はグレーの矢印で事業の拡大を図る

通常の新規事業や事業拡大は、「既存商品の新規市場投入」、もしくは「新規商品の既存市場投入」です。「新規商品の新規市場への投入(図中青矢印)」は、今までの顧客・経験を利用できず、リスクが高く、資金を投入しての解決を伴う「力業」です。

たとえば、ECを「新規チャネルや新規市場」ととらえると、まず、「既存事業で扱ってきた商品をECで販売する」という選択があります。「ECのターゲットを誰とするか」「ECで売る商品を何にするか」などは、MDの考え方や集客の仕方、サイトの作りに大きく影響します。

皆さんの会社はどうでしょう。どんな方針でも、いったんはそれを「正しいこと」として進めてください。そうでないと、得られた結果が方針によるものなのか、方針に従わない行動のせいなのか、マネジメントが判断できず、方向の修正に至りません。

ここに書いたことと少し矛盾しますが、筆者はECを新規チャネルや事業ではなく、「顧客との新しいタッチポイント(コンタクトポイント)」だと考えています。ECやオムニチャネルだけの収益を考えるのではなく、既存事業を含めた全体での成果を見るべきだということです。今後、必要に応じて説明していきます。

全社の中のEC組織の位置付け

それでは、全社の中でEC部門がどのような位置付けにあるのかを確認しましょう。「立ち上がり期」と「成長期」に分けて見ていきます。

立ち上がり期

既存事業を持ち、ECを始めた会社のEC組織は、フェーズにより下記のようなパターンが考えられます。

ブロックの長さは組織の人数や規模を表す。既存の組織にEC事業部を付け足す「準備室」型、新しくEC事業部を作る「いきなり事業部型」などがある
ブロックの長さは組織の人数だけでなく大きさを表している

既存の組織にEC部門を付け足す「準備室型」、新しくEC事業部を作る「いきなり事業部型」などがあります。

立ち上がり期は、不確定要素の多さからまだ腰が引けていたり、トップの意向と現場に大きなギャップがあったりすることもあります。その場合、図左の上の部分だけの「準備室型」をトップ直属として始めることがあります。(図、上のオレンジ部分)、特徴は少人数。長所は売上予算にかかわらず推進することが可能なこと、トップの意向を知りやすいことなどです。一方で短所は、現場のリソースを持っていないことです。

スタッフ型」は、ECチームは既存事業部門内にありますが、ラインではなく、企画や推進担当のようなスタッフの位置づけです。長所は部門長にその気があれば、部門内のリソースを使い推進が可能なこと。短所は部門のPL(損益)や業績により、活動が制限される可能性があることです。

「準備室型」と「スタッフ型」を両方設置し、ECの推進を図っている会社もあります。

図中央の「いきなり事業部型」は、規模は小さくても、EC事業部を既存事業部門と同格に置き推進していくタイプです。長所は判断が速くできることと、リソースさえあれば推進力があること。短所は既存部門の協力や会社の強みを利用しにくいところです。

図右の「分散設置型」は、全社で取り組み、フルラインアップで行うために全部門内にEC担当を置き、上部に全体の調整スタッフを置く形です。長所は既存部門の協力を得やすく、会社の強みを利用しやすいこと。短所はリソースが分散しているため効率が悪く、ノウハウの蓄積が難しいことなどです。

成長期

成長期の組織は、初期の「準備室型」はないとして、「いきなり事業部型」が育ち、「リソース集中型」や先ほど解説した「分散設置型」になっていきます。

「いきなり事業部型」が育つと「リソース集中型」となる。「マトリクス型」はあまりうまく機能しないことが多い
「いきなり事業部型」が育つと「リソース集中型」となる

図左の「リソース集中型」は、EC部門が大きく育った形です。長所はやはり判断を速くでき、リソースを使った推進力があることです。短所は「いきなり事業部型」のときと同様に既存部門の協力や会社の強みを利用しにくいところではないでしょうか。

図右の「マトリクス型」は、各部門にECに必要な各機能や担当、またはチームを置き、事業の部門長と各EC機能の横串のリーダーの両方にリポートする体制です。長所は事業・機能の両方の意思がちゃんと反映され、リソースの効率化も図れること。この型は本来なら短所がないはずですが、ECに限らずマトリクス型の組織がうまく機能している例はあまり見たことがありません。上司が2人いて評価指標が2つあるのは、運用が難しいようです。

会社によって、ブランディングや既存ビジネス(店舗等)への集客のためにデジタルマーケティングチームを持つ場合もあります。マーケティング部門内の場合や独立したチームの場合もあります。ECビジネスにもマーケティング、Webマーケティングが必要です。

本来はリソースをまとめて全体を管理すべきですが、ECを新規ビジネスと考える場合やスピードを優先したい場合は、EC部門にマーケティング機能を独自に持たせて、全社のマーケティングと連携させることもあります。さらに、EC部門に全社のデジタルマーケティングを集約し、うまく機能している会社もあります。

ECビジネスの業務の特徴

実店舗ではビジネスの中心に店舗があり、同様にECビジネスの中心にはインフラ・システムがあります。ECビジネスは、おそらく思う以上にすべての役割でインフラ・システムへの依存が高いといえます。

初期のサイト構築やインフラ整備だけでなく、日々の活動・運用の中でも、コンテンツ制作担当がシステム担当とページの仕様を確認して表現できることとを議論したり、MD担当がシステム担当と商品登録の仕方や表示の工夫を話したり、独自のツールを組み込んでもらったりなどが行われています。マーケティング担当もプロモーション実施のための仕組みをシステムや制作の担当と話しますし、もちろん、CSや物流担当者も他担当と頻繁に話をしています。

ECは歴史の浅いビジネスであるからこそ、既存の小売や通販ビジネスと比べると部門内での各役割が明確に分離されていない場合もあります。

ECビジネスでは何をするにも中心にインフラ・システムがある
ECビジネスでは何をするにも中心にインフラ・システムがある

これらの特徴を意識しながら、部門内の各役割を理解していくことが大事です。

EC部門内の組織・役割

下記の図は、EC部門内のざっくりとした役割、チーム分けをイメージしたものです。皆さんの部門と比べてみてください。誰が、何をどのように分担・担当していますか?

EC部門内の役割の例
EC部門内の役割の例

主にマーケティング、MD、ささげ、商品登録、制作、カスタマーサービス、システム、物流などですが、会社によりチーム分けはさまざまです。

初期の段階は役割ごとに1人ずつ担当がいるわけでも、すべて内部で行う必要もありません。まずは兼務でも構わないので、ファンクションごとに部外・外注のリソースをコントロールするリーダーや担当がいて、外部や社内の他部署に対しアウトソーシングするような形から始めます。ノウハウを取り込みながら、状況に合わせて必要な部分を少しずつ内製化していきます。

この組織イメージとは別のパターンとして、システム、CS、物流等以外は、EC部門内の商品カテゴリーチームごとにMD、マーケティング、制作、登録を持つ場合もあります。これは商品を増やすことや特定の集客・表現には向いていて、MD担当からの運用がフレキシブルになるという長所があります。しかし、全体の効率化やサイトの統一観、全体としてのノウハウ蓄積には向いていません。少し規模が大きくなると、いったんは上の図のようなファンクション別の編成になり、さらに大きくなると、再度、商品カテゴリーやブランド別の組織に変化する場合もあります。

ECの立ち上がり期、成長期ともに、社内組織や他部門との役割分担、EC部門内構成ともにどの形がベストかはまだどの会社でも明確でなく、正解はありません。いろいろな会社が組織の改編を繰り返し、行ったり来たりしています。取り組みのステージやトップのコミット、担当部門長の本気度、EC部長の経験とスキル、スタッフのスキルや人数、社風などにより、体制を個別に設計するしかありません。

担当者は、組織や役割に日常的に不満を言うのではなく、いったん決められた枠組みでベストを尽くし、その結果を評価して上司とともに次に反映させていくことが新しいビジネスに取り組んでいくためのあるべき姿勢です。

◇◇◇

ここで説明したことと皆さんのEC部門の状況を比べて、会社がECをどのように考えているか、その結果、どうして現在の組織・所属・役割となっているのかはイメージできましたか?

今まで意識していなかったこれらのことがわかると、位置付けがわからなかったEC業務やはっきりしなかったサイト・サービスの目的が整理され、ちぐはぐだった他部署とやりとりを改善できるのはないでしょうか。

次回は「ECでまずやるべきこと」について解説していきます。

中島 郁

ネクトラス株式会社 代表取締役

中島 郁(なかしま かおる)

ネクトラス株式会社 代表取締役

新規事業立ち上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。

ベンチャー、外資、老舗にて、事業立上げ、急成長ビジネスの責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。

トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネル執行役員(EC、テレビ編成及びマーケティング)本部長を経て、世界最大のECサービス企業GSI Commerce(eBay Enterprise)アジア太平洋担当副社長兼日本法人社長。三越伊勢丹では役員兼WEB事業部長として、EC・情報メディア等の構築、オムニチャンネル導入を担当。米国Babson College MBA。

おそらく大規模EC・オムニチャンネル3社で事業責任者に携わった国内唯一の経験者。
ベンチャーから大企業までのコンサルティング、アドバイス、顧問、業務支援に携わっている。

中島 郁

iOS版Googleアプリに関連コンテンツをサジェストする機能が追加、再検索せずにアクセス可能

8 years 5ヶ月 ago

iOS 版 Google アプリに、関連コンテンツをサジェストする機能が搭載された。サジェストは、検索結果ではなく、検索から訪問したページの下部に表示される。再検索することなしに、今見ている記事に関連した記事にユーザーは簡単にアクセスできる。まずは米国で利用可能。

- iOS版Googleアプリに関連コンテンツをサジェストする機能が追加、再検索せずにアクセス可能 -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

セブン&アイがECモール運営に進出、「omniモール」にニトリやゼビオなどが出店

8 years 5ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスは9月19日、グループを横断したショッピングサイト「オムニ7」に出店型のECモール「omniモール」を開設すると発表した。開設予定時期は2017年11月下旬。グループ企業以外の商品を取り扱うことで品ぞろえを拡充する。

「omniモール」はインテリア雑貨家具、スポーツ・ゴルフ・アウトドア用品、体験ギフト、オーダーメイドフラワーなどの商品を扱う。ハイブランド品の委託販売や買い取り、ふるさと納税などのサービスも展開する。

開設当初の出店企業はニトリホールディングス、クロスプラネット、ソウ・エクスペリエンス、Sakaseru、アクティブソナー、さとふるの6社9サービス。「オムニ7」のIDで各ストアのサービスを利用することができる。

セブン&アイが「オムニ7」を開始したのは2015年11月。登録会員数は2017年8月末時点で570万人を超えた。

セブン&アイ・ホールディングスが「オムニ7」に出店型のECモール「omniモール」を開設

「omniモール」は11月下旬にオープン予定

2017年7月にはアスクルと業務提携を締結した。「オムニ7」とアスクルのECサイト「ロハコ」での相互送客を11月末をメドに実施。「ロハコ」のプラットフォームを活用した生鮮食品のECビジネスも11月末をメドに開始する予定。

セブン&アイホールディングスは2016年10月、ECを中心に不特定多数の顧客にアプローチする従来のオムニチャネル戦略を転換した。「顧客ごとにグループ各社の利用状況を繋げ、全チャネルを通じてサービスの質を追求していくこと」を目標に掲げ、国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人に上る顧客の「顧客生涯価値(Life Time Value)」の向上をめざしている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECサイト構築パッケージ「EC-Orange」が「ニフティクラウド」とワンパッケージ化

8 years 5ヶ月 ago

エスキュービズムは、ECサイト構築パッケージ「EC-Orange」を、富士通クラウドテクノロジーズのパブリック型クラウドサービス「ニフティクラウド」とワンパッケージ化し、9月11日から提供を開始した。

従来、EC-Orangeの申し込みから納品までには1週間程度かかっていたが、EC-Orangeをニフティクラウドのサーバーにワンクリックでインストールできるようになっため、所要時間がおよそ10分程度に短縮された。

エスキュービズムは「ニフティクラウド」のパートナー企業として「EC-Orange」を同クラウド上で多数運用してきた実績があり、富士通クラウドテクノロジーズはクラウド導入時の検証環境の提供などで同社を支援してきた。

両社は今回のワンパッケージ化を通じてより連携を一層強化し、今後もクライアント企業の課題解決に取り組むという。

「EC-Orange」は960社超に導入されているECサイト構築パッケージ。単独のECサイト構築をはじめ、大規模なECサイトモール構築、オムニチャネル構築、グローバルECサイト構築までが可能。

「ニフティクラウド」は、仮想化されたサーバーリソースを必要なときに必要な分だけオンデマンドで借りられる、純国産のパブリック型クラウドコンピューティングサービス。2010年のサービス開始以降、スタートアップから大手企業まで5500件以上のITインフラやデジタルビジネスを支える基盤を提供している。

uchiya-m

ECサイトで顧客情報が漏えいか。原因は通販サイト構築・運営サービスへの不正アクセス

8 years 5ヶ月 ago

音響部品の製造販売などを手がけるフォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表した。

利用していたECサイト構築・運用システム「Allin1OFFiCE(オールインワンオフィス)」のサーバに対する不正アクセスが原因と見られる。

流出した可能性がある情報は、顧客の電話番号とメールアドレス、ログインパスワード。クレジットカード情報はサーバ上に保管していなかったため、漏洩は確認されていないという。

現在、ECサイトの運営を停止し、情報流出の有無を含め調査を行っている。

「Allin1OFFiCE」は企業のホームページやオンラインショップ、Blog・SNSコミュニティなどを構築できるサービス。Webシステムの受託開発やメディア事業などを手がける全研が販売している。

全研によると、9月11日午後6時に「Allin1OFFiCE」のサーバトラブルが発生。メンテナンスを実施したところ、第三者による不正アクセスが9月5日に実行され、顧客情報の一部が流出した可能性が判明した。

全研はWebサイトへのアクセスを一時的に停止し、ソフトウェアの安全性確認を行っている。

フォスター電機は9月14日、オーディオ製品のECサイト「Fostex e-shop」の顧客情報の一部が流出した可能性があると発表

「Fostex e-shop」は運営を一時停止している(画像は編集部がキャプチャ)

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

1位メルカリ、2位Amazon、3位楽天――ホーム画面設置率が高いECアプリ

8 years 5ヶ月 ago

スマートフォンアンケートアプリ「TesTee」を提供するテスティーは9月15日、10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表した。

EC系のアプリで最も設置率が高いのは「メルカリ」(6.4%)。特に20~30代で設置率が高い。

設置率の2位は「Amazon」(4.8%)、3位は「楽天市場」(3.4%)だった。

「TesTee」を提供するテスティーは10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表

上位3つのアプリの設置率を年代別に見ると、全体として30代が高い。この結果を受けてアスティーは、「30代がショッピングアプリのボリュームゾーンと言えそう」と分析している。

アプリ全体では「LINE」が圧倒的1位に

ホーム画面トップに直接設置されているアプリの1位は「LINE」(60.7%)だった。2位の「Twitter」(23.7%)、3位の「Instagram」(12.9%)を大きく引き離している。

「LINE」の設置率はすべての年代で60%を超えた。年代ごとの設置率の差は他のアプリと比べて小さい。アスティーは「老若男女問わず幅広い性年代においてLINEが普及している」と指摘している。

本調査ではiPhoneのデフォルトアプリは調査対象から除外している。

「TesTee」を提供するテスティーは10代〜40代のiPhoneユーザーがホーム画面上に直接設置しているアプリの実態調査結果を公表

ホーム画面に設置しているフォルダの数と、アプリのフォルダ分けの傾向も調査した。ホーム画面上に設置されているフォルダは一人あたり約1.3個。

アプリのジャンル別にフォルダ分けの傾向をみると、10代は「カメラ・写真系」、20代と30代は「SNSアプリ」、40代は「ショッピングアプリ」をフォルダにまとめている割合が高い。

調査概要

  • 調査対象:10~40代の男女/iPhoneユーザー/自社モニター会員
  • 調査人数:1177人(10代:355、20代:367、30代:268、40代:187)
  • 調査期間:2017年7月26日~30日

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

Googleのアルゴリズム重要度には“トップ3”など存在しない。ランキング要因に意識を向けるのは短期的SEO

8 years 5ヶ月 ago

「Google がランキング決定に用いる要素において、“重要度トップ3”という順番付けはない」と Google 社員がコメントした。トップ3は、コンテンツ・リンク・RankBrainだと言われるが、何が重要か実際にはクエリに依存する。

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Kenichi Suzuki

「vMVPDの衝撃」

8 years 6ヶ月 ago

2020年代の広告マーケティング体制やスキル構築に関するコンサルをするベムとしては、テレビとデジタルの統合指標化、相乗効果の可視化やアロケーションも具体的なエグゼキューションにして実証していく重要なテーマだ。

その中で、この5年くらいでメディアに起こるであろう「衝撃的」な事象を予想し、マス広告宣伝部のデジタル化の方向感も示唆している。

ここでは、デジタルインテリジェンスNYのレポートを中心に、今後起こるであろうテレビのネット化(その中心となる「vMVPD」を解説する。


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ここからはダウンロード版レポートの予告編です。


にわかに日本で沸いてきた、政府による「電波オークション」の導入(電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける)の検討は、偶発的な出来事ではない。米国や欧州ですでに始まっている「電波オークション」も、それを包括する「ネットxテレビ」の融合のトレンド(医療から交通まで他産業を含む)の隆起から、ようやく日本でも重要課題として(再)浮上してきた現れである。

この議論の背景には、既存の利権課題は横に置いて、テレビ変革の第一波としてやってきた現在のOTTストリーミング(※)を超えた、「ネット上のテレビ」の需要が今後ますます拡大流通している事にある。視聴者側の選択肢が増えて広告主、放送局を含めた再編に向う実在シグナルと見て良いだろう。

そのエコシステムが立ち上がるタイミングは「オリンピック前」を目指すことが各ステークホルダーも望む所だ。テレビ業界には既存利権の上に成り立つ旧ビジネスとのカニバリを含む、いよいよ待ったなしの新ビジネスへの移行の「本格的な第二波」がやってきた。(Over-the-top, 従来の放送電波やケーブルTV設備に頼らない、ネット経由の動画番組コンテンツの配信。第一波の代表格がNetflix、Hulu、等)

このOTTストリーミングを含む「テレビのネット化」において、日本にはまだ上陸できてない概念だが米国で急激に注目を浴びている「vMVPDs(virtual Multi Video Platform Distributors:以降vMVPDと記す※)」というテレビ(番組)の放映事業形態がある(図2)。米Googleを筆頭とした大手企業の参入が相次いでおり、このビジネスモデルを把握することは、デジタル上での番組コンテンツを使ったマーケティング・エコシステムを把握する上で重要となるので、現在準備中の「特別レポート」の予告編としてお伝えする。(※発音はそのままヴィ・エム・ヴィー・ピー・ディー、あるいは「バーチャルMVPD」と読む)

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この聞き慣れぬ「vMVPD」の例として、日本では「YouTube TV」が今年7月に米国で始まった事が日経新聞等で報道された。筆者(在ニューヨーク)は今年のテニス「USオープン」の生放送を、この「YouTube TV」を使ってスポーツチャンネルのESPN上で視聴した。テニスのファンでは無い筆者でさえも、ニューヨーク中でマリア・シャラポワが復活出場する事が話題になって知っていた中、「今、試合に出てる!」と街で聞いた時にスポーツバーに駆け込む事なく、その場でオフィシャル映像での試合をスマホ上で見られた(図3)。

上記は些細な事例だが、「テレビがまんま、スマホで見るネット上にある」のだ。これがvMVPD配信とNetflixに代表される他のOTTストリーミングとの大きな違いの1つだ。vMVPDの「YouTube TV」のアプリがあって月間視聴の購読 (35ドル=約4,000円)をしていれば、現在テレビ放映されている主要チャンネルの全番組が、モバイル環境でも(もちろんリビングの70インチスクリーンでも)どこでも見られるのだ(しかも「録画=あとで見る」の設定も可能だ)。本編で說明するが、「YouTube TV」は現YouTubeと全く別サービス、別事業と考えた方が良い。

■vMVPDはOTTストリーミング配信事業の形態の一つ
新興の「vMVPD」概念は動画・番組を配信目線から事業の形態を表す「くくり」の言葉だ。元々「v=virtual」が付かない「MVPD」のくくりで、欧米の「ケーブルテレビ放送事業者」や「衛星テレビ放送事業者」の事を総称していた、その延長概念が「v」MVPDである。

元のMVPDは100チャンネル以上もの番組チャンネルを束ねて(=Multi Video Programming)、自社の放送施設とケーブル回線や衛星電波経由でテレビ受像機に番組を配信するサービス(Distributors)を現していた。このくくりの単語「MVPD」他にも「VOD」のカテゴリーには「SVOD」、「AVOD」、「PPV(EST、TVOD)」と、業界お得意の3文字・4文字のくくり略語がずらりと登場する(本編で詳細仕分け補足する)。

この長年続いた「テレビ放送」事業の形態が、「v」MVPDの登場により放送電波だけでなく、ケーブル回線や衛星電波の放送設備や回線を持たずとも、「通信」の範囲で行き渡ったネット回線上で「バーチャルに」同様の番組配信ビジネスが行えるようになり「v=virtual」を付けてvMVPDと称し、事業拡大してきている。

このvMVPD事業が米国で何を動かしているのか(凄いのか)を紐解くのが本編の趣旨だ。決してバラ色の側面だけではなく、答えの見えないトンネルに突入している側面もある。

■vMVPDは、NetflixなどのOTTストリーミングサービスと何が違うのか
ビデオ・ストリーミングやVOD (Video On Demand)の流通を通じ「テレビ x ネット」の融合が掲げられて久しいが、これまでの「ネット上のテレビ」は一長一短の機能ばかりであったのを感じるだろう。

例えばOTTストリーミングの最有力である「Netflix」のオリジナル・コンテンツの品揃えは素晴らしいが、民放のバラエティー&ドラマ番組が見られる訳ではないし、生のニュースもスポーツもほとんど無い。この状況は程度の差はあれど、「Amazon Prime Video」も「Hulu」も同様であり、「d-TV」や「Abema TV」に至っては「現行のテレビ環境」とはまったく別のニッチ・コンテンツを流す。

民放が寄り添って開始したTVerは極端に一部の番組に限られている事と、上記同様に生のニュースやスポーツや映画は一切無い。(元々、TVerの設立の経緯はネット上でのテレビ番組の違法配信が増加したことから、これらを撲滅する「対抗手段」として無料サービスを開始していた。)

一方で、欧米のvMVPDが地殻を動かしたのは「テレビ放映の全番組が放映時間帯の生で見られる上に」、「ネット環境でモバイルデバイスで見られて」、なおかつ「録画視聴(後で見る)でイッキ見も可能になっている」サービスが、「月額費用がMVPD配信よりも安価で(約35-45ドル、4000円前後)」で見られるのだ(チャンネル数は約40-50程度)。

このビジネスが成り立つためには、vMVPD事業者は「現テレビ局」から番組コンテンツをネットに解放する同意(仕入れ契約)を得る必要がある。

知っておきたいのは米国ではすでに2年前からこの「同意」にテレビ各局が踏み切り、自社のコンテンツ(番組)のネット流通先を増やし、副次的な収入を得ている事だ。減りゆく既存テレビ放映の視聴数に対し、ネット経由の視聴数を増加させるため、その(分散)流通先の増加がビジネス課題になっている。

そして今年は前出Googleが「YouTube TV」ブランドでvMVPD事業者としてコンテンツ買い付けに参入を果たし、Googleより先に参入済のテレコム企業2強の一角であるAT&Tが「DirecTV Now」として参入しており、そしてもう一方のテレコムのVerizonも今年中に参入するいうのが米国の状況だ(図3)。

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こうなると放送電波の利権を借りてビジネスを行っていた旧来の「テレビ局」は放送事業主という立場ではなくなり、コンテンツ提供者というニッチ位置に下がる(上がる)。そして「新」放映事業者としては、Googleやテレコム企業が担うイメージである。

さらにこの領域に、「FAANG企業(Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google)」の残りの企業が参入する事が予想されている(Googleが先発した)。利権に守られてきた(欧米の)電波帯がオークションによって再配分されたのは、電波の「放送局」による利用価値よりも、モバイル環境の激増に比例したテレコム&ネット電波の利用価値にシフトしている(需要が増大している)という、テクノロジーの移り変わりの力関係が影響する。

これまで日本語で言われてきた「(地上波放送の)ネット同時送信」の「同時」とか、あるいは「融合」の意味は、電波放送が主体で「ネット放映も、同時に」流れ融合するという主従関係であった。ところが近年は前出電波オークションに代表されるように、電波も放送利用からネット利用へ政府がシフトした事に続き、vMVPDの登場によりついに「ネット側」に主役が逆転しようとしている。

一方で視聴者は既にすっかり「ビデオのストリーミング配信慣れ」しており、「6秒ビデオ」も「1時間ドラマの10話イッキ見」にも慣れて来たが、「リーンバック姿勢」や「同時、ライブ」で見られるこれまでのテレビの様な「ながらコンテンツ」や「同時視聴魅力」が実はネット上では「まだ顕在化していない」需要として存在する。

さらに視聴者は今後「スタンダード・プレミアム(ブロードバンド経由)」の位置づけで月額有料視聴を好む層と、「有象無象の広告付き無料放送(地上波)」に甘んじる層と二種類に分岐していく。当然、広告主のマーケティング費用は有料視聴のプレミアム層を好み、「その他大勢」へのマーケティング予算が地上波放送向け(無料視聴)に仕分けされる。欧米では政府のネットに対する規制の変化も伴い、巨大資本がこのプレミアム分野に流れ込んでいるのだ。

このネット上での旧来の「テレビ」の出現(=vMVPDの出現)インパクトは、2014年頃以降の「Netflix」の登場より大きい変化だ。Netflix自体すらもが現状の事業をvMVPD化にシフトさせると予想される程である。既存の米国(欧米)の全ての(現)テレビ事業体はvMVPD事業へのシフトに向けて、(現)テレビ事業資産のカニバリを覚悟の上で、大再編に動き出しているのだ。

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ベムはあるシナリオをもって、日本での「テレビのネット化」(同時配信事業開始)によるインパクトをクライアントに説明している。

「アメリカと違って日本ではまだまだテレビが強いから・・・」という議論を根底から崩すであろうこの「vMVPDの衝撃」は、デジタルインテリジェンスからホワイトペーパーとして出します。

ご期待ください。

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