ネットショップ担当者フォーラム

【60歳以上のシニア層のポイ活実態】お得情報の入手先はECなどが57%、もっとも貯めているのは「楽天ポイント」が43%

10ヶ月 2 週間 ago

アイブリッジが60歳以上・89歳以下の男女を対象に実施したポイ活に関するアンケート調査によると、お得な情報の入手先はECなどから送られる通知やメールが最多(57%)で、最も貯めているポイントは「楽天ポイント」で43%だった。

調査期間は2025年1月8日で、有効回答数は1000人。回答数のうち男性は500人、女性は500人。

日常生活でのポイ活(ポイントを貯める活動)を聞いたところ、88.6%がポイ活をしていることが判明。性別の割合は、女性が約91%、男性が約86%だった。性別を問わずポイ活に取り組んでいる人が多い。

日常生活のなかでポイ活をしているか
日常生活のなかでポイ活をしているか

期間限定で獲得ポイントがアップするキャンペーンなどのお得情報の入手先は、ECサイト(ショッピングサイト)、ポイントサイト、実店舗などからの「通知やメール」が最も多く57.34%だった。

「通知やメール」に続くのは「ショッピングサイト」で10.84%。「SNS」(3.16%)や「インターネット広告」(8.24%)は少数派だった。

お得な情報の入手先
お得な情報の入手先

主なポイントの貯め方を聞いたところ、最も多かったのは「アンケート回答」で36.23%。それに続いたのが「ネットショッピング」で24.27%。「実店舗での買い物」は13.77%、「ポイントサイト利用」が11.74%、「クレジットカード・電子マネーの利用」が9.48%だった。

主なポイントの貯め方
主なポイントの貯め方

最もよく貯めているポイントは「楽天ポイント」が43.23%でトップ。「PayPayポイント」が13.21%、「dポイント」が11.85%、「Vポイント」が9.71%、「WAONポイント」が8.24%で続いている。

最もよく貯めているポイント
最もよく貯めているポイント

直近半年間のうち1か月間で平均何円分のポイントを貯めているのか聞いた質問では、「1000円~5000円未満」が31.04%、「500円~1000円未満」が30.93%、「500円未満」が27.43%だった。

1か月間で貯めているポイントの平均
1か月間で貯めているポイントの平均

調査概要

  • 調査期間:2025年1月8日
  • 調査対象:全国60歳以上~89歳以下の男女
  • 調査機関:自社調査
  • 調査ツール:アイブリッジの調査ツール「Freeasy」
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:1000人(男性500人/女性500人)
松原 沙甫

モノタロウ、平日17時までの注文で最短当日出荷の対象地域を北関東と甲信越地域に拡大

10ヶ月 2 週間 ago

工業用資材や事務用品など事業者向けBtoB-ECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは1月27日、平日17時までの注文で当日出荷する対象地域を北関東と甲信越地域に拡大した。対象地域の顧客は、最短で注文した翌日の午前中に購入商品を受け取ることができる。

平日17時までの注文の当日出荷対象地域を拡大する
平日17時までの注文の当日出荷対象地域を拡大する

MonotaROは平日15時までの注文を対象に当日出荷対象商品を出荷してきたが、締め切り時間を17時に延長する地域を増やしている。今回、平日17時までの注文で最短当日出荷の対象地域を北関東と甲信越地域に拡大した。南関東、関西地域はすでに対象地域となっている。

当日出荷対象商品の注文締め切り時間が17時となっている地域

  • 南関東(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県):2024年9月10日から開始
  • 関西(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県):2024年12月3日から開始
  • 北関東(茨城県、群馬県、栃木県)、甲信越(新潟県、長野県、山梨県):2025年1月27日から開始

当日出荷対象商品は、MonotaROの物流倉庫で管理する商品約60万点。2025年には当日出荷地域を、一部地域を除く全国に拡大する予定。対象となる注文方法は「モノタロウ」のほか、大企業向け間接資材(MRO)集中購買サービス「ONE SOURCE Lite」「パンチアウト連携カタログサイト」。

MonotaROは2024年5月、置き配サービスをリニューアルし、同年6月には出荷後の配送日時指定サービスを開始。同年9月には南関東地域、同年12月には関西地域に届ける注文において、当日出荷対象商品の注文締切時間を平日15時から17時に延長した。

松原 沙甫

「3Dセキュア2.0」コンバージョンと顧客体験が低下!? 「3Dセキュア2.0」導入後に出現した課題に、サムソナイトが選択した「Stripe」とは

10ヶ月 2 週間 ago
「Samsonite」と決済プラットフォーム「Stripe」が語る「3Dセキュア2.0」導入後の課題とその解決方法
[Sponsored by: ]

「3Dセキュア」は、ワンタイムパスワードの入力などでクレジットカードの不正利用を防ぐ本人認証サービスで、すべてのECサイトは2025年3月末までに、「3Dセキュア2.0」の導入が義務付けられている。ここで押さえておきたいのが、導入すればそれが「ゴール」「セキュリティ対策は万全」という話ではないこと。導入後、コンバージョンの低下や顧客体験の悪化などに見舞われる可能性があるのだ。

「3Dセキュア2.0」の導入後に想定外の問題と直面した経験と課題を解決に導いたアプローチについて、スーツケースブランド「Samsonite(サムソナイト)」を展開するサムソナイト・ジャパンの友田由紀子氏(サムソナイト事業部 営業本部 ECオペレーション部 ECマネージャー)が、オンライン決済プラットフォーム「Stripe(ストライプ)」を提供するストライプジャパンの安部草平氏(ソリューションアーキテクト)と語った。

「3Dセキュア2.0」導入で起きた予想外の問題

サムソナイトは米国発祥で100年以上続くスーツケースのブランド。現在はユーザーとの結びつきを強化するといった顧客体験を向上するための取り組みをグローバルで進めている。

その流れで日本法人のサムソナイト・ジャパンは自社ECサイトに注力しており、CRMの強化なども含めてDtoCを強力に推進。2023年秋にはプラットフォームをSalesforceに移管すると同時に、オペレーションの内製化を進めていった。

サムソナイト公式ECサイト
サムソナイト公式ECサイト(https://www.samsonite.co.jp/

決済体験を改善するのも顧客体験を向上するための取り組みの一環。サムソナイト・ジャパンでは同じ時期に決済代行業者を変更し、「3Dセキュア2.0」を導入した。導入を決めたのは2025年4月の義務化を見据えたわけではなく、顧客の購入体験を壊すことなく、不正注文から自社ブランドを守るために「3Dセキュア2.0」の導入は当然だと考えたからだ。

しかし、導入後に予想外の問題が発生する。導入して2、3か月後から、カスタマーサポートに「決済が通らない」というユーザーからの問い合わせが増え始めた。決済代行会社に調査を依頼すると「通っていない注文はすべてカードの不正利用なので安心してください」という回答だった。

いったんは安心したものの、お客さまからの問い合わせは増え続け、売り上げが減ってきた。不正利用ならお問い合わせはしないはず。でも何が問題なのかまったくわからなかった。(友田氏)

サムソナイト・ジャパン サムソナイト事業部 営業本部 ECオペレーション部 ECマネージャー 友田由紀子氏
サムソナイト・ジャパン サムソナイト事業部 営業本部 ECオペレーション部 ECマネージャー 友田由紀子氏

「3Dセキュア2.0」を導入すると、一般的にコンバージョン率などが下がるという話は聞いていた。しかし、予想を上回って事態は悪化。2024年1月から3月にかけて売り上げが明確に下降。カスタマーサポート部門からも「決済が通らないお客さまが多く、電話やメールでの問い合わせが増えている。決済の問題を解決してほしい」という声があがった

「3Dセキュア2.0」はクレジットカードの不正利用対策のゴールではない

そんななか、友田氏は2024年5月に行われた「ネットショップ担当者フォーラム」のイベントでストライプジャパンの安部草平氏が登壇した講演を聞き、決済プラットフォーム「Stripe」の存在を知る。

多くのEC事業者が「クレジットカードの不正利用対策=3Dセキュア2.0」という定義をしていて、2025年の制度化に対しても「3Dセキュア2.0」を導入しさえすれば不正対策が万全だと思っている。またすでに「3Dセキュア2.0」を入れているから問題は何もないという事業者もいる。ただ、ここには大きな落とし穴がある。(安部氏)

ストライプジャパン ソリューションアーキテクト 安部草平氏
ストライプジャパン ソリューションアーキテクト 安部草平氏

「3Dセキュア2.0」導入はスタートでしかなく、それだけですべてが解決するわけではない。コンバージョンの低下や、顧客体験を損ねるといった課題が発生し、それを解決するための施策は避けて通れないのだ。

課題の1つがチャージバックだ。クレジットカードが不正に利用され、気付いたクレジットカード保有者が申し立てて不正利用分が返金される仕組みで、サムソナイトで決済の失敗が多発していた背景には、このチャージバックの発生が影響していたと考えられる。

「3Dセキュア2.0」で認証した決済については、カード発行会社がチャージバックの補償を行う。そのため「3Dセキュア2.0」で通った決済でチャージバックが発生すると、その加盟店自体のオーソリの承認をしなくなるということが、実は複数のカード発行会社で起こっているのだ。サムソナイトさんは、このケースに該当したと推測される。(安部)

顧客体験を向上させるために導入した「3Dセキュア2.0」により、問題のない顧客のカード決済も承認されない――。つまり、顧客に大きなフラストレーションを与えることになり、顧客体験が著しく損なわれた状況になっていたのだ。

ダッシュボードで顧客の決済を見える化

この問題を解決するため、ほどなくしてサムソナイト・ジャパンは「Stripe」を導入したが、決め手は何だったのか。

以前の決済代行業者の時は、いまどのような事象、問題が起きているのか一切わからなかった。そのため、対策の手立てがない。しかし、「Stripe」はダッシュボードでペイメントの状況が“見える化”される。状況がわかれば手が打てる。(友田氏)

「Stripe」のダッシュボードでは、決済金額、成功か否かの承認状況、日付などの支払いの詳細などを可視化できる。何か問題があった場合は現場スタッフが確認できるため、解決策のアクションをすぐに考えられることは「Stripe」導入の大きな理由だった。さらに「Stripe」には、売り上げにつながる「Adaptive Acceptance」というオーソリの成功率を上げるための仕組みがあった。

「Stripe」の「Adaptive Acceptance」

「Adaptive Acceptance」は機械学習モデルを使用し、カード発行会社に拒否された支払いをリアルタイムで再試行したり、最適化された再試行メッセージと経路選定の組み合わせを特定したりする取引承認率改善の機械学習ツール。「Adaptive Acceptance」による平均的なオーソリ成功率の向上率は0.5%〜1.5%にものぼる。確認に時間を要さず状況を知ることができ、さらに自動でオーソリ成功率の向上に役立つ機能も備えることができた。

「Adaptive Acceptance」によって、オーソリNGだった決済の15%が再試行で成功した

実際に「Stripe」の運用を始めたサムソナイトでは如実に成果が出ており、オーソリ成功率が82%から15ポイント上昇し、97%となったのだ。

「Stripe」導入後の効果

オーソリ成功率が15ポイントも上がったのは本当にすごい結果。カスタマーサポートへの問い合わせも格段に減り、何度もトライしている顧客もわかるようになった。決済失敗の可視化も進み、どのように対応するかカスタマーサポートとの連携も大きく進んだ。「Stripe」でないと通せない注文があり、それが通せるようになったことで売り上げが伸びていった。(友田氏)

運用コストを高めることなく「3Dセキュア2.0」導入で発生した課題を解決

「Stripe」では決済のトランザクションにおいてAIやビッグデータを活用していることが大きな特長だが、なかでも「Rader(レーダー)」という不正検知システムがあり、リスクスコア、信用度、商品、金額、住所などの情報から、その注文を通すか通さないかを判断することができる

「Stripe」のダッシュボードの一例

「Radar」を活用するにあたっては、最初にデータを設定しなければならないが、知見がないのでどうしたら良いのかわからなかった。しかし、「Stripe」のサポートチームが「こういう商材だったらこんな設定が良い」というアドバイスをしてくれたので安心して進められた。(友田氏)

「Rader」は初期設定こそ負荷がかかるが、その後は特に手を加えることはないため、運用の負荷が大きくかからない。それだけでなく、それまでは日本国内で発行されたクレジットカードだけを利用可にしていたが、ダッシュボードでリアルタイムに状況を確認できるため、デビットカードや海外で発行されたクレジットカードも利用可にした。これによる機会損失の減少も効果の1つだ。

「Stripe」はこのほかにも潜在的な課題にも対応した。それがカスタマーサポートとの業務フローの改善だ。以前は顧客からの問い合わせがあって初めて状況を確認していたが、現在は状況がリアルタイムに可視化されているので、注意が必要だと思った注文には、ダッシュボードのタイムラインで、カスタマーサポートのメンバーにメッセージを送ることができる。こうした業務フローの改善を、友田氏は「予期していなかったすばらしい効果」と評価する。

「Stripe」のサポートチームがカスタマーサポートにもダッシュボードの見方や操作についてトレーニングしてくれた。そのおかげでカスタマーサポートのメンバーの決済に関するリテラシーが上がっていった。(友田氏)

決済で売り上げも業務も変わる

サムソナイト・ジャパンの事例は、「3Dセキュア2.0」の導入や決済システムの変更にとどまらず、組織全体の能力向上と顧客満足度向上を同時に達成できた好事例と言える。

海外ではヘッドオブペイメントと言って、決済専門のスタッフが大勢いて、CSというよりは製品チームの一部門として働いている。それはやはり決済をスムーズにすることは収益に大きな影響があるという考え方。欧米では一般的になってきている。(安部氏)

EC事業者はモノを売るのが本来の業務だ。サムソナイト・ジャパンのように日々の業務に影響を与えないようにしながらも、カスタマーサポート部門との連携を通じて顧客体験を改善できたというのは理想的な展開といっていいだろう。

現在のところ「3Dセキュア2.0」は導入することがゴールになってしまっているケースが少なくないが、それだけで終わりではない。コンバージョン率の低下や顧客体験を損ねる事態も発生する可能性がある。それをクリアする手段の1つとして、EC事業者は「Stripe」のような高度な不正対策ソリューションの導入を検討するなど、さまざまな施策を講じていくことが必要になる。

「Stripe」では機械学習をベースにしてリスクを数値化し、導入企業が独自に作成できるルールと組み合わせることで不正を検知する
[Sponsored by: ]
小林 義法

中国発越境ECの「Temu」、日本の事業者を招致するプログラム「Local-to-Local」をスタート

10ヶ月 2 週間 ago

中国PDDホールディングスのECモール「Temu」は1月27日、日本国内の販売事業者を招致するプログラムを開始した。

開始したプログラム「Local-to-Local」は招待制を採用。日本国内で登記され、国内に在庫を持つ販売事業者を対象としている。参加する販売事業者は国内倉庫から迅速な配送を実現、大型商品を含む幅広い商品の販売が可能となるという。「Temu」での販売者は無料で登録が可能。

「Local-to-Local」モデルは現在、米国、メキシコ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、ベルギー、オーストラリア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、スウェーデンなどの市場でも展開している。

「Temu」では新規販売事業者の50%以上が、登録後20日以内に初回販売を実現。事業者は新たなビジネスチャンスをつかみ、消費者への迅速なリーチが可能となっているという。

「Temu」は2022年9月の米国でサービス開始以来、現在では北米、欧州、中東、アフリカ、アジア、オセアニアを含む世界80以上の市場で展開。日本では2023年7月にサービスを始めた。

「Temu」に関しては夢展望、ANAPなどが2024年に出店を始めている。

松原 沙甫

プラザスタイルが公式ECサイト「PLAZA オンラインストア」にハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入

10ヶ月 2 週間 ago

スタイリングライフ・ホールディングスの雑貨小売販売事業であるプラザスタイル カンパニー(プラザスタイル)は、公式ECサイト「PLAZA オンラインストア」にハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入した。

商品詳細ページにハッシュタグを実装

プラザスタイルの公式ECサイト「PLAZA オンラインストア」は、コスメ、ファッション、文具、菓子など世界中からセレクトしたアイテムを販売しており、ユーザーに「HEARTS UP!」な買い物体験の提供をめざしている。

プラザスタイル 公式ECサイト「PLAZAオンラインストア」
公式ECサイト「PLAZA オンラインストア」(画像は「PLAZA オンラインストア」のサイトからキャプチャ)

サイト内のテキストを解析して自動生成したハッシュタグを、TOPページと商品詳細ページに実装。ユーザーが感覚的な操作で商品を探せるようにすることで、サイト内の回遊率向上につなげる。

プラザスタイル PLAZAオンラインストア ZETA HASHTAG ハッシュタグを介した検索で、回遊率向上につなげる
ハッシュタグを介した検索で、回遊率向上につなげる

ハッシュタグにひも付いて量産されるランディングページによって、SEO効果が期待できるという。また、既に導入しているEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」との連携により、ランディングページ内で商品の並び替えが可能となり、CX向上もめざす。

プラザスタイル PLAZAオンラインストア ZETA HASHTAG ハッシュタグにひもづくランディングページによりSEO効果が期待
ハッシュタグにひもづくランディングページによりSEO効果が期待

「ZETA HASHTAG」とは

主にECサイトなどWebサイトのなかの説明文やカスタマーレビューのようなテキスト情報をAIで解析し、関連するキーワードを抽出してLP(ランディングページ)を自動生成するソリューション。ECサイトでは、商品の見た目の形状、使い方などに関連するテキストタグを活用して商品検索ができる。

ZETA HASHTAG 特許取得
「ZETA HASHATAG」について(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

ZETAが、口コミメディアの開発・運営を手がける子会社「VOICE」を設立

10ヶ月 2 週間 ago

ZETAは、口コミメディアの開発・運営を手がける子会社「VOICE株式会社」を3月3日付で設立する。

VOICEは口コミメディアの運営を推進し、デジタルマーケティング領域の多角化と既存事業とのシナジー創出をめざす。事業開始については、事業環境を鑑み、社内協議のうえ決定する予定だ。

会社概要

  • 名称:VOICE株式会社
  • 代表者:代表取締役 山崎 徳之氏
  • 所在地:東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22
  • 設立日:2025年3月3日
  • 事業内容:口コミメディアの開発・運営

現在、デジタルネイティブ世代が主要購買層となっており、ECサイト内の購買体験においてクチコミなどのUGCが中心的な役割を果たすことが多い。ZETAは、これからのECサイトはコマースメディアへと進化し、ユーザーに購買体験を楽しんでもらう取り組みが重要になると予測している。

こうしたなか、ZETAは事業戦略においてコマースメディアへの取り組みを掲げ、さらに自社事業として日本一のクチコミメディアの実現をめざし、その運営に特化した子会社の設立を決めた。

藤田遥

ハンズ(旧東急ハンズ)の公式アプリ「ハンズクラブアプリ」に不正アクセス、12万人超の個人情報が漏えい

10ヶ月 2 週間 ago

ハンズ(旧東急ハンズ)は1月27日、公式アプリ「ハンズクラブアプリ」が第三者による不正アクセスにより、登録されている一部顧客の個人情報12万1886件が漏えいしたと発表した。

漏えいした情報は、氏名・ハンズクラブ会員番号・メールアドレス・ログインパスワード・郵便番号・住所・電話番号・性別・生年月日。クレジットカード情報は含まれていない。

2024年12月2日に「ハンズクラブアプリ」へのログイン回数の異常を確認したため社内調査を開始。同時に「ハンズクラブアプリ」を管理する外部企業に調査を依頼した。

調査の結果、11月27日から不正アクセスが繰り返し行われていたことが12月5日に判明。緊急セキュリティ対策を実施した。漏えいの原因は、「ハンズクラブアプリ」システムに利用しているソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性を突いた第三者による不正アクセスが行われたため。

ハンズは再発防止策として、システムセキュリティ対策の原因となった脆弱性について対策を強化。さらに、新たな不正アクセスがあった場合、早期発見および多層のセキュリティ対策を含めた監視体制を強化している。

監督官庁である個人情報保護委員会には2024年12月12日、2025年1月23日に報告。所轄の警察署にも発覚当初から相談し、今後の捜査にも全面的に協力するとしている。

なお、2022年4月1日施行の改正個人情報保護法により、個人データの漏えいなどについて、個人の権利利益を害する恐れがある際は、個人情報保護委員会への報告、本人への通知が義務化されている。

松原 沙甫

「勝つ」ならば自社主導のマーケティング! ヒントはいつだって自社のなかにある【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

10ヶ月 2 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年1月11日~1月24日のニュース

2025年がスタートしました。EC事業者の皆さんのなかには、2025年の新しい取り組みとして越境ECの強化を掲げている会社さんも多いと思います。今回は越境ECについて、2つの記事をピックしました。

キーポイントを代理店任せにしない

海外EC販路成功の秘訣は「地道なブランディング」「売り上げを焦らない」。プロが語る国内ブランドが取るべき戦略とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13331

日本企業は代理店任せのマーケティングになっている企業が多い印象です。これに対して中国企業の多くは、企業のマーケティング担当者がかなり明確な指標を作っていて、支援会社に対して「この施策は可能か」「こういう戦略をとりたい」と積極的な姿勢でリードします。勝ちにいくなら、自社による自主的な情報収集や企業主導のマーケティングをするべきでしょう。

越境ECに対して、私自身もずっと疑問に思っていたことをキレイコムの上田氏がはっきりと発言してくれました。

ECビジネスが成功するか否かは、運営・運用です。これは国内ECも越境ECもまったく同じ。ECサイトを作ったから売れるわけでも、システムを導入したから売れるわけでもありません。

いかにお客さまに認知してもらい、興味を持ってもらうか。国内とは文化や商習慣が異なるわけですから、自社自ら入りこんで「ツボ」を探さなければいけないわけです。

SNSを活用して海外ユーザーに向けて発信することが大切――ジグザグが語る越境EC成功のポイント | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13312

SNS上で海外ファンからの反応があったら、「なぜお客さんになってくれたのか」「どのようなルートで商品を見つけてくれたのか」をきちんと掘り下げて、海外からの反応をもらいやすい環境作りも大切になる。いろいろな国で少しずつでもファンが増えていくというやり方が大切だ。1つの市場でドカンと当てるのではなく、広くさまざまな国で少しずつファン作りを行う方が今の時代に合っている

マーケティングの原理原則は一緒ですよね。ヒントは常に自社のなかにあります。

「なぜお客さんになってくれたのか」「どのようなルートで商品を見つけてくれたのか」――1つの注文、1つの情報から可能性を掘り下げて施策化し、確率を少しずつ上げていく。

ECと同様、SNSにおいても「商圏のない世界から、ニッチなファンを集約させる」ことが大切です。遠い国や地域に住んでいるたった1人のファンを探しましょう。

要チェック記事

Faber Companyにグループインします | Web > SEO
https://webweb.hatenablog.com/blog/other/faber-company

私なぞ辻さんに遠く及ばないですが、同じような働き方をしてきた人間としてとても共感できる出来事でした。

【ECの未来】サブスク成功法則!パートナー企業との最良の考え方 ファッションレンタル誕生秘話 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/60133

今の若者は服を買う前に「メルカリを見る」んですよね。変えることを前提に行動する。エアクロは時代性にもあっているのだなと思いました。

「生活者の消費マインド予測2025」を公開 | 日清オイリオグループ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000076174.html

海外では「気候変動」が大きなトピックになっています。気候変動により、食べられなくなる食品も出てくるでしょうね。

年会費3〜5万円のクレカ「じわり人気」の納得理由 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/851270

対象ホテルの無料宿泊など、追加料金のいらない特典は良いですよねぇ。これまでのサービスは「20%OFF!」などが多く、使う気にならない。

0円マーケティングで売上7.6億円!落とし物DXサービス「find」の秘密 | 株式会社find|公式note
https://note.com/find_info/n/n476ca2ef629f

すごい。目のつけどころ以上に、課題を解決するための情熱がすごい。「落とし物が必ず見つかる世界」へのエネルギーの源泉は何なのだろうか。

BtoBマーケでYouTubeを活用する!世界へボカンの徳田さんにお聞きしました。 | 毎日堂
https://uneidou.theletter.jp/posts/e9e43510-cd53-11ef-a5cd-310bdbde30fd

現在約400本の動画を発信中。これは相当根気がいりますよね。私も2100本以上コラムを書いていますが、コラムの方がきっと楽です。

今週の名言

「自主的ブラック」のすゝめ。伸びる人の多くがやってること。 | note | 酒匂雄二 / さこっち(Yuh.Sakoh)
https://note.com/sakocchi/n/n06e545a92d49

「すきなものは、すき。」から発想する

(中略)

自分の好きなものを延々と見続けられることこそが、マーケティングの仕組みに自分がハマってる証拠やないか。

そういう自分の好きなものから、なんで自分はコレにハマっているんやろう?そのきっかけは?何が好きなんやろう?と発想したらマーケティングの一歩にならん?!

実は、10日ほど前に帯状疱疹になりました。しかも顔面に。あれ、治るのゆっくりなんですよねー。薬を飲んでもまったく良くならない。寝ても起きてても常に顔が痛い。そして目も痛い。

お医者さんに言われたのですが、「年明けから仕事大変でしたか?」と。知らず知らずのうちに「好き」とか「楽しい」よりも、「頑張る」を大切にしていたのかも。腫れ続ける自分の顔を見ながら、週末ずっと考えていました。

まずは「すき」から始める! 2025年は「すき」を大切にしていきたいと思います。あと免疫力!!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

石田 麻琴

イー・ロジット、gf.P(旧オットージャパン)のノースモール事業(旧Otto)を買収

10ヶ月 2 週間 ago

EC向けの物流代行やコンサルティング事業を手がけるイー・ロジットは、gf.P(旧ノース・モール)から、レディースファッションを中心としたアパレル・雑貨などのカタログ・通販サイトを運営する「ノースモール(旧Otto)事業」を買収する。

イー・ロジットがgf.Pから事業を買収する「ノースモール」(画像は「ノースモール」ECサイトから編集部がキャプチャ)
イー・ロジットがgf.Pから事業を買収する「ノースモール」(画像は「ノースモール」ECサイトから編集部がキャプチャ)

2月1日にgf.Pからノースモール事業を譲り受ける予定。3PL事業を中心としたBtoB事業を展開しているイー・ロジットが、BtoC領域のECサイトを自社で展開するのは今回が初めて。

カタログ通販、ECといった消費者に直接アプローチできるチャネルを有する「ノースモール事業」と、イー・ロジットが培ってきたフルフィルメントサービス、EC関連コンサルティング事業とのシナジーによって、付加価値の高いサービスの創出をめざす。

イー・ロジットはノースモール事業の買収後、カタログ通販を含め、既存の「ノースモール」のサービスを継続運営する方針。新たなサービスの開発に着手、取り扱い商品のバリエーション拡大、商品開発を強化し、事業展開を進める。イー・ロジット全体のEC事業の成長を加速させ、次年度(2026年3月期)の業績への寄与につなげる。

「ノースモール」は以前、「Otto(オットー)」の名称で展開していた。リニューアルを機に「ノースモール」に刷新。雑貨、インテリア、ファッション、化粧品、食品やスイーツなど幅広い商品を取り扱っている。

gf.Pの沿革

gf.Pはジーエフホールディングスの100%子会社。アパレル、ファッショングッズ、ライフスタイル雑貨などの通信販売事業を展開している。

gf.Pは1986年9月、住商オットーメールオーダーとして設立。1993年12月には米EDDIE BAUERとの合弁でエディー・バウアー・ジャパンを設立。2007年12月、商号をオットージャパンに、2020年8月にはノース・モールへ変更した。さらに2022年12月、商号をgf.Pに変更した。

松原 沙甫

【消費マインド予測2025】2025年のキーワードは「潜在的好奇心」「生活習慣との掛け算」「選択と工夫」

10ヶ月 2 週間 ago

日清オイリオグループの「生活科学研究課」は、2025年の生活者の食生活に関する消費マインド予測を発表した。2025年の、生活者の食生活に関する消費マインドのキーワードは「潜在的好奇心」「生活習慣との掛け算」「選択と工夫」と予測。自分らしい食生活の追求、体作りや体力アップをめざす、食材・食品の調達・調理方法を適宜選ぶ――といった消費マインドに向かうと見ている。

生活者の食生活に関する消費マインドとして予測されている3つのキーワード
生活者の食生活に関する消費マインドとして予測されている3つのキーワード

「生活科学研究課」が抽出した、2025年の3つのキーワードの詳細は次の通り。

潜在的好奇心

生活者は個々人の体験や知識が刺激となって引き出される興味・関心を基に、自分流のカスタマイズで食を楽しむと予測している。

「生活科学研究課」の調査によると、生活者の多くは食事について、栄養補給や空腹を満たすためだけでなく、コミュニケーションやレクリエーションの場にもなる楽しみと考えており、誕生日や良いことがあった時に少し特別な食事を取り入れたいと考えていることがわかった。

また、自らの経験、そこから得た知見を生かしてさまざまな価値と家計とのバランスを取り、自分らしい食生活を追求する方向に進むと予測。SNSから情報を得ている人が全年代で増加していることからも、自分に合った情報を参考にする傾向が強まっていると分析している。

健康に良いと紹介されたメニューの情報源(上)と、後世に残したい料理(下)/キーワード「潜在的好奇心」に関連する生活者の意識
健康に良いと紹介されたメニューの情報源(上)と、後世に残したい料理(下)/キーワード「潜在的好奇心」に関連する生活者の意識

生活習慣との掛け算

生活者は自身の生活スタイルのなかで、普段の食事と生活習慣を掛け合わせ、年齢や性別などの固定観念にとらわれずに好きなことができる、体作りや体力向上をめざすと予測している。

生活者の約8割は複数の食材で栄養バランスを整えたいと考えたり、約6割はおいしさを大切にしていることなどがわかった。食事を健康目的だけでとるのではなく、楽しんでいる様子もうかがえる。

「生活科学研究課」によると、食事の際の健康意識は60代以下のすべての年代で減少しているものの、健康全般への意識の変化においては、十分な休養や規則正しい生活など、食以外に対する意識が向上する人も見られているという。

食事に関連する普段の意識/キーワード「生活習慣との掛け算」に関連する生活者の意識
食事に関連する普段の意識/キーワード「生活習慣との掛け算」に関連する生活者の意識

選択と工夫

生活者は気候変動による商品やサービスの変化、地球環境に配慮した社会の取り組みなどを柔軟に受け入れ、食材・食品の調達・調理方法を適宜選択し、工夫しながら、いつもの食スタイルの維持をめざすと予測している。

普段購入している食材が店頭で手に入りにくくなった、または入らなくなった経験の有無/キーワード「選択と工夫」に関連する生活者の意識
普段購入している食材が店頭で手に入りにくくなった、または入らなくなった経験の有無/キーワード「選択と工夫」に関連する生活者の意識
松原 沙甫

「フォロワー数が多い人を起用すれば良い」時代は終わり。EC事業者がインフルエンサーマーケティングで成功するための鉄則とは?

10ヶ月 2 週間 ago
インフルエンサーを起用したプロモーションは「誰を起用するか」「どのように投稿してもらうか」「どのようなターゲット層に向けて、どのような商品をプロモーションするか」など選別する項目が多く、効果をあげる戦略を描くのは難しい。インフルエンサーマーケティングのプロに具体的なノウハウを聞く

プロモーション施策の1つとして注目されることが多いインフルエンサーマーケティング。しかし、消費者のネットリテラシーが年々高まっていることもあり、「狙った効果が出ない」と悩む企業も少なくない。インフルエンサーマーケティングの支援事業を展開するA(エース)の出嶋翔氏(最高執行責任者/Chief Operating Officer)、白潟愛氏(SNS Marketing Division Manager)に、インフルエンサーマーケティングを成功に導くポイント、国内EC事業の成功事例を聞いた。

「人気がありそうな人を起用すればいい」時代は終わった

――近年の国内インフルエンサーマーケティングの概況を教えてください。

出嶋翔氏(以下、出嶋氏):国内でインフルエンサーマーケティングが台頭した2017年頃は、「インフルエンサーが投稿すれば売れる」という時代でした。

しかし、消費者のネットリテラシーが高まってきた結果、「インフルエンサーは、紹介している商品が本当に好きなわけではなく、PR案件として投稿している。それならインフルエンサーが商品を紹介しているだけだから購入しなくてもいいかな」という空気感が漂ってきています。

そうした空気感の影響か、PR案件でインフルエンサーを起用する事業者側の意識も変わりつつあります。従前は「とにかくフォロワー数が多い人を起用したい」といったフォロワー数絶対主義の価値観でしたが、それが薄れつつあるのです。

A(エース) 最高執行責任者/Chief Operating Officer 出嶋 翔 氏
A(エース) 最高執行責任者/Chief Operating Officer 出嶋 翔 氏

 出嶋氏理由は、インフルエンサーの定義や質が曖昧になっているから。フォロワーや「いいね」を買う人も多くいますし、実際の著名度やフォロワー数とは関係なく自身で「インフルエンサー」と名乗る人も現れています。これに加えて、コロナ禍の経済悪化や広告単価の上昇といった外的要因によって、広告予算を削らざるを得ない状況も生まれています。

「インフルエンサーマーケティング」の価値が実際よりも低く見られている風潮もあります。実際には、ほかの施策よりも劣るわけではありません。自社ブランドに合う効果的なインフルエンサーマーケティングを展開した結果、売上アップ、認知拡大といった成果を十分にあげている事例も多くあります

――インフルエンサーマーケティングならではの特長はどのように考えていますか。

白潟愛氏(以下、白潟氏)インフルエンサーを通して情報を伝えることによって、「信頼度が高い情報」「好感度が高い情報」として消費者に受け取ってもらえること。ブランドの公式サイトなど、ほかのチャネルよりも見込み顧客の興味関心を高めたり、売り上げにつなげやすいという特長があります。

ECサイトを運営する企業の多くが達成したいと考えることは「EC・店舗ともに売り上げを伸ばしたい」「ブランドの認知を拡大したい」「公式SNSのフォロワー数を増やしたい」。インフルエンサーマーケティングは「事業者が抱くどのような課題も解決できる万能薬」ではありませんが、ターゲットとする顧客のペルソナを明確に定め、そのターゲットにリーチできるインフルエンサーを起用して最適なプロモーションを展開することは、顧客獲得に大きく寄与することがあります。

A(エース) SNS Marketing Division Manager 白潟 愛 氏
A(エース) SNS Marketing Division Manager 白潟愛氏

国内EC事業者のインフルエンサーマーケティング成功事例

――国内EC事業者の成功事例を教えてください。具体的にどのような施策を展開したところ、どのような成果につながったのですか。

白潟氏:エースが支援した国内アパレルECのインフルエンサーマーケティングの成功事例を3つピックアップしてお話します。

1つ目はベルーナさん。ファッションブランドの1つ「GeeRA(ジーラ)」はECモールに出店しており、各商品ページへの訪問者数をKPIの1つに設定しています。インフルエンサーマーケティングを始めたある年の夏シーズンは、注力したアイテムが、狙い通りにECモールのカテゴリーランキングで1位を獲得。さらに総合ランキングでも1位になりました。

その影響で、前年比で上位商品の売り上げは倍増。ECモールに出店していた「ジーラ」ショップ全体の売り上げは前年比20%増になりました。さらに、その年の秋冬シーズンでも複数のカテゴリーで狙っていたアイテムをランクインさせることができ、夏シーズンよりもさらに高い成長率を記録したのです。

ベルーナが展開する20~30代女性向けのアパレルブランド「ジーラ」の公式ECサイトトップページ
ベルーナが展開する20~30代女性向けのアパレルブランド「ジーラ」の公式ECサイトトップページ

白潟氏:「ジ―ラ」は20~30代女性向けのブランド。カタログ通販からECに販売チャネルをシフトし、公式アカウントの運用、インフルエンサーマーケティングに注力しています。

インフルエンサーの起用には、ただ「フォロワー数が多い」といった数字だけではなく、「『ジ―ラ』の服を着てフォロワーにどのような好影響を与えるか」「投稿を見た人が真似したいと思えるか」を総合的に判断。さらに、「ジ―ラ」スタッフのアカウントも創設し、ブランドではなく「人」のファンになってもらう施策も展開しました。

公式アカウントでは、最初は広告を使わず、今いるフォロワーに有益な情報を伝え、エンゲージメントを高めることに力を入れました。毎月1000人のペースでフォロワー数が増えるようになり、アカウントが育ってきたところで広告運用を開始。このタイミングでインフルエンサーマーケティングを始めました。こうした取り組みが実を結び、フォロワー数拡大につながりました。

「ジ―ラ」スタッフのアカウントの一例
「ジ―ラ」スタッフのアカウントの一例

出嶋氏:2つ目、3つ目の事例は、事業者名は匿名で「a社」「b社」とします。a社は、プロモーションを強化する商品の売上アップを目標に、複数のインフルエンサーと組んでマーケティングを行いました。

a社が意識したのは、各インフルエンサーが得意とする「文脈」。つまり、PRしやすい商品、言葉選びなどに合わせて短尺動画や静止画などを用いつつ、インフルエンサー1人ひとりの個性を生かした訴求をすること。この施策が成功し、広告の費用対効果を示すROASは300%を超えました。ROASの基準値は100%で、数値が高いほど広告の費用対効果が高いことを意味します。

b社はインフルエンサーの選定に特にこだわりました。b社が展開するブランドでは子ども向けのアイテムも扱っていることから、インフルエンサーを選ぶ際、フォロワーの興味関心軸の上位に「子ども服」や、自社ブランドに類似した属性のブランドが入っているか――といった視点で、フォロワーの属性を細かくチェックしました。

その上でa社と同様、個々のインフルエンサーにとってPRが得意なアイテムを選んでコーディネートを組んでもらうといった工夫を織り交ぜたところ、インフルエンサーの施策前と比較して2週間で売り上げが3倍にアップした商品がありました。

売れていない商品をプロモーション商材に選ぶのはNG。インフルエンサーの強みは既存の人気商品にブーストをかけること

――成功事例を踏まえて、インフルエンサーマーケティングをこれから展開しようとするEC事業者に喚起したいことは。

出嶋氏:インフルエンサーマーケティングを展開する際、最も重要なのはインフルエンサーの選定だと考えています。しかし、それ以前の段階で事業者側がまず意識するべきことは、売れていない商品をプロモーション商材に選ばないことです。

インフルエンサーが得意なのは、扱う商品のうち一定数売れている商品の人気にブーストをかけること。現時点であまり人気がない商品を売ろうとしても効果につながりにくいという傾向があります。

「ほかの商品よりも初動の売り上げが良い」「お気に入りに保存している人が多い」など、一定の人気がある商品を選ぶのがおすすめです。そのうえで、このあと紹介する「インフルエンサーマーケティングの勝ちパターン」を意識していくと、成功率が上がると考えます。

インフルエンサーマーケティングの勝ちパターン

自社に最適なインフルエンサーを選ぶための3つのポイント

――売上アップ、認知拡大など、自社の目標達成のために最適なインフルエンサーを見つけるポイントは。

白潟氏:一言で言うと、「フォロワー数よりもフォロワーの質を見る」ことです。エースでは、提供するインフルエンサー分析ツール「Astream」を活用して、クライアントとなるEC事業者が起用する候補となるインフルエンサーを抽出し、それぞれのインフルエンサーのフォロワーの特性を徹底的にチェックします。

出嶋氏:具体的には、次の3点がポイントです。1つ目は、EC事業者がプロモーションを強化したいブランドや商品のターゲットに刺さりやすいインフルエンサーであるかどうか

これを評価するには、そのインフルエンサーのフォロワーについて、次の項目をチェックする必要があります。

  • 居住エリア
  • 年齢層
  • SNSをアクティブに利用しているかどうか
  • 興味関心の軸がブランドや商材とマッチしているかどうか

これらがEC事業者のターゲット像に一致していると、インフルエンサーマーケティングを実施する際、見込み顧客に情報が届きやすくなります。

2つ目は、影響力を持つインフルエンサーかどうか。そのインフルエンサーの投稿に「いいね」やコメントがどのくらいあるか、ポジティブな反応が多く返ってきているか――といったエンゲージメント率を見ることで判断できます。エンゲージメント率が高いほど、熱量の高いファンがついていると言えます。

3つ目は、インフルエンサーが自身のフォロワー数を維持できているかどうか。直近6か月を目安に、インフルエンサーのフォロワー数の推移をチェックし、フォロワー数が減っていないか、新たに獲得したフォロワーからフォローを解除されず、キープできているかを確認しましょう。

インフルエンサーの得意な表現を生かし、消費者に“PR投稿の嫌悪感”を感じさせない

――選定したインフルエンサーにはどのような投稿をしてもらうと効果的か。

白潟氏:インフルエンサーからのPR投稿に対して、投稿を見た人に「PR投稿への嫌悪感」をなるべく抱かせないことが重要だと考えています。「どうせPR案件」と思われないように、個々のインフルエンサーの個性に合わせて、フォロワーの特性に寄り添った投稿をするほうが、結果的にフォロワーに刺さりやすいのです。エースでも、この視点を持つEC事業者のほうが、成果につながりやすい傾向が見られています。

たとえば、インフルエンサー「あかちゃす」さんは、共感しやすいテーマにHowTo要素を加えたストーリーに仕立てた投稿が特長です。たとえば「本命チョコの渡し方」とうたった恋愛系の動画投稿など。動画のなかで、家庭や学校での会話シーンを交えながら、自然に商品やテクニックを紹介しています。その結果、広告であるとわかっていても視聴者は夢中になってしまうのです。

弊社が某シャンプーブランドのPR投稿として依頼した際、「好きな人との勉強会」をテーマにした動画は154万回再生を記録しました。フォロワーに対するリーチ率が平均20~30%とされるなか、驚異的な1200%のリーチ率を達成しています。

インフルエンサー「あかちゃす」さんの投稿の一例。「好きな人との勉強会」をテーマに、ストーリー仕立てで某シャンプーブランドのPR投稿を行った

白潟氏:エースでは、訴求ポイントを絞り、個々のインフルエンサーが得意とする表現に沿った訴求を意識することをおすすめしています。インフルエンサーにPRを依頼する事業者からすると「あれも、これも全部伝えたい」となるのですが、そうすると「単なるCM」になってしまう。

インフルエンサーマーケティングの市場規模は、毎年約20%増で拡大していますが、一方でインフルエンサーの数はあまり変わっていません。つまり、1人のインフルエンサーが請け負うPR案件量が増えています。消費者はPR投稿を目にする機会が増え、その結果、PR投稿そのものへの嫌悪感につながってしまいやすい状況です。これは業界全体の課題ですし、事業者は嫌悪感を抱かせないマーケティングを意識することが必要です。

高野 真維
小林 香織

政府・与党が越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しへ。課税価格1万円以下の少額輸入貨物の免税制度の在り方を検討

10ヶ月 2 週間 ago

政府・与党は、少額輸入貨物の免税制度の見直しに着手する方針だ。与党が2024年12月に公表した「令和7年度税制改正大綱」に「国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化」という項目を盛り込んだ。海外からの少額輸入貨物の消費課税の在り方を検討していく。

現在、海外から輸入する課税価格1万円以下の少額物品(一部除く)は、納税者と税関双方の事務負担の軽減を図る目的で、関税と消費税、地方消費税が免税されている。

この状況を踏まえて政府・与党は、「適正な課税や国内外の事業者間の競争上の公平性の確保に課題が生じている」と説明。事業者間の公平性や通関実務への影響などを考慮した上で、海外からの少額輸入貨物の消費課税の在り方を検討していくという。

近年、日本の消費マーケットではシンガポールに本社を置くSHEIN Groupが運営する「SHEIN(シーイン)」、中国発の越境ECプラットフォーム「Temu(テム)」が台頭。アリババグループ傘下で国際EC事業を担うAlibaba International Digital Commerce Group(アリババ インターナショナル)も2024年、日本市場向けの越境ECアプリ「TAO(タオ)」をリリースした。

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が公表した資料によると、中国から輸入した小口貨物は2023年に15億2500万ドルで前年比86.1%増、2024年1-6月は9億4500万ドルで前年同期比27.2%増。日本の事業者からは、「SHEIN」「Temu」といった海外の越境ECサービスが、関税の減免などにより価格競争上の優位性でユーザーを獲得しているという指摘があがっている。

瀧川 正実

Amazonが注文から最短6時間で商品を届ける当日配送サービスを開始。食品や日用品などをスピード配送する「エクスプレスマート」とは?

10ヶ月 2 週間 ago

アマゾンジャパンは1月24日、食品や飲料、日用品などの日用必需品を最短6時間で届ける当日配送サービス「エクスプレスマート(Express Mart)」を関東の一部エリアで始めた。

「エクスプレスマート」は、食品・飲料・日用品などの幅広いカテゴリーから、数万点の商品をお得な価格と人気のサイズで取りそろえ、注文から最短6時間で配送する新サービス。

注文締切時間までに注文した商品の配送は、通常のAmazonの配送時間(7時~22時30分)に加えて、注文当日の深夜まで(23時59分まで)、翌日の朝(翌朝4時30分~8時00分)に対応する。

この「当日配送」はプライム会員特典の「お急ぎ便」「当日お急ぎ便」とは異なり、日本国内の特定地域および「エクスプレスマート」の商品を対象とした配送オプションと位置付ける。「お急ぎ便」同様に「置き配」にも対応する。

アマゾンジャパンは1月24日、食品や飲料、日用品などの日用必需品を最短6時間で配送する新しいサービス「エクスプレスマート(Express Mart))」を関東の一部エリアで始めた
「エクスプレスマート」での「当日配送」 選択画面イメージ
​​​​

「エクスプレスマート」の商品だけを購入する場合、消費者は「当日配送」のみの利用になる。「エクスプレスマート」対象外の商品を同時購入するケースは、「当日配送」以外の配送オプションも利用できるという。「当日配送」の送料はプライム会員が200円、非会員は610円。プライム会員の場合、無料配送の対象となるために必要な最低注文金額を上回れば送料をAmazonが負担する。

また、「エクスプレスマート」対象商品を購入する場合、注文確定の画面に「本日&翌朝配送」と表示する。

「エクスプレスマート」でのお買い物は、簡単かつスピーディです。お客さまは「エクスプレスマート」のページ内で「食品・飲料」「日用品」など商品カテゴリーを選択し、いち早くお探しの商品へたどりつくことができます。さらに商品詳細ページへ行かなくても、専用ページ上から商品を選んで直接カートに入れることができます。これにより、実際の店舗で棚から商品を選ぶような感覚でお買い物をお楽しみいただけます。(アマゾンジャパン)

スタート時点の対象エリアは東京都の板橋区、江戸川区、江東区。埼玉県の戸田市、蕨市。今後、品ぞろえと対象地域の拡大を予定している。

松原 沙甫

朝日新聞社が通販事業「朝日新聞モール」をグループ会社のライトアップショッピングクラブに集約する理由

10ヶ月 2 週間 ago

朝日新聞社は3月31日付で、通販事業「朝日新聞モール」をグループの通販会社であるライトアップショッピングクラブ(LUSC)に事業譲渡し、運営を移管する。

朝日新聞社とLUSCが手がける通販事業の主要顧客は65歳以上のシニア層が中心。朝日新聞グループの通販事業はLUSCを中核会社に位置付けている。そのため、朝日新聞社の通販事業をLUSCに集約、新たな商品やサービスを開発し、通販ビジネスを強化していく。

朝日新聞社は3月31日付で、通販事業「朝日新聞モール」をグループの通販会社であるライトアップショッピングクラブ(LUSC)に事業譲渡し、運営を移管する
朝日新聞社の「朝日新聞モール」(画像は編集部が「朝日新聞モール」からキャプチャ)

朝日新聞は2022年、ECサイト「朝日新聞SHOP」を刷新し、グループ企業が出店してさまざまな商品を販売する「朝日新聞モール」としてリニューアル。「朝日新聞SHOP」で取り扱っている商品に加え、自社運営するグルメ通販サイトも開設した。

同年9月には、通販サイト「にっぽん津々浦々」を運営しているスペースアイランドを買収。スペースアイランドは2010年9月の設立。「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」などの大手ECモールを中心に食品や飲料、酒、調味料、キッチン雑貨などを取り扱っていた。

2024年には衣料品や雑貨などを取り扱う老舗通販事業者のLUSCを、TBSホールディングスが51%の株式を保有するTBSのグループ企業であるスタイリングライフ・ホールディングスから買収。朝日新聞社はLUSCの全株式を47億16万円で取得して完全子会社化した。

LUSCが持つ商品情報を新聞読者など朝日新聞社の顧客に紙面やWebメディア、メールなどで展開。朝日新聞グループが持つ商品やサービス情報をLUSCの顧客に届け、両社が持つコミュニティを通じて新たな商品やサービスを連携して開発するとしていた。

朝日新聞社は、衣料品や雑貨などを取り扱う老舗通販事業者のライトアップショッピングクラブ(LUSC)を買収
「ライトアップショッピングクラブ」の通販カタログ

LUSCは1971年、CBS・ソニーレコードの100%出資で、CBS・ソニーファミリークラブとして設立。音楽レコードや輸入雑貨商品を取り扱い、独自の世界観を持つ通販事業者として富裕層顧客を中心に通販事業を展開してきた。1994年には社名をソニー・ファミリークラブに変更。2006年、グループ再編に伴い、スタイリングライフ・ホールディングスの子会社となり現社名に変更した。

松原 沙甫

売れる理由を一番知っているのはお客さま、CVR評価時の注意点、情報管理の徹底――「EC事業の内製化」をめざすために必要なことを振り返り! | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

10ヶ月 2 週間 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載12回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。今回は2024年に学んだ11回のテーマについておさらいします。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果として売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

2024年に学んだ「EC事業の内製化」について振り返ろう!

ネッタヌネッタヌ

石田さん、こんにちは! 明けましておめでとうございます!

石田

ネッタヌさま、明けましておめでとうございます。2025年もどうぞよろしくお願いします(ペコリ)

ネッタヌネッタヌ

え、いきなり丁寧すぎる。石田さん、どうしたんだろう??

石田

ネッタヌさまは2025年の干支ですので、謹んでお話させていただきます(ペコリ)

ネッタヌネッタヌ

いや、石田さん、2025年の干支は「巳」ですよ!

石田

あ、間違えた! てっきり「狸」かと思ってたわ!

ネッタヌネッタヌ

(絶対、わざと間違えたでしょ!)

石田

さて、ネッタヌ君。ネッタヌ君との「EC事業の内製化」をテーマにした連載も1年が経ったんだよ。2024年の1月15日スタートだから、ちょうど1年。

ネッタヌネッタヌ

もう1年経ったんですか!? どの話も内容が濃かったし、年末年始のお休みも長かったから、ネッタヌ、忘れちゃいましたよ。

石田

(なんか言い訳している気がするな)。じゃあ、今回は2025年最初の連載ということで、この1年のテーマを振り返ってみよう!

ネッタヌネッタヌ

石田さんが各回のポイントをまとめた「理解度チェック」の資料を作ってくれたので、ぜひお問い合わせくださいね。

11回の重要なポイントとは?

石田

第1回の連載では、「EC事業の内製化」をめざすにあたって、EC事業を行う経営者やEC担当者が「ECのマーケティングが『腹落ち』していることが大切だ」という話をした。

ネッタヌネッタヌ

社内のEC事業に関わる皆さんに「共通言語」がないと、「EC事業の内製化」は上手く進まないってことですよね。

石田

その通り。だからこそ、ECのマーケティングを判断するための「考え方」をメンバーが理解することが大切なんだよね。まずは「売り上げが伸びる状態」として、2つの状態を紹介したね。

ネッタヌネッタヌ

新しいお客さまが増える」と「既存のお客さまがもっと購入してくれる」だった!

第2回:客単価=顧客層を理解する

石田

第2回のテーマは「売上の公式の『真実』」。とくに「客単価」の考え方について紹介したんだよね。

ネッタヌネッタヌ

石田さんが、いきなり「真実」なんて言葉を出すから怖かったぁ。でも、「客単価を2倍にして、売り上げを2倍にする」って考え方が簡単には成り立たない理由はわかりやすかった。

石田

私がネットショップ運営者をしていたときの具体的な事例を紹介したね。客単価というのは「=顧客層」だから、客単価を倍にするためには、倍の単価を支払うお客さまを探さなきゃいけないんだよね。

第3回:「CVRが高い=良いネットショップ」ではない

ネッタヌネッタヌ

第3回のテーマは、コンバージョン率(CVR)でしたね。ネッタヌは、ずっとコンバージョン率が高いネットショップほど良いネットショップだと思っていたから、目からウロコでした。

石田

コンバージョン率はあくまで「割り算」で計算されるものだから、分母と分子の関係で上下に大きく動くんだよね。だから判断に注意が必要だ。同じように直帰率あたりも「低ければ低いほど良い」というものではない。えてして、大規模なサイトほど直帰率は高くなる。

ネッタヌネッタヌ

サイトのセッションに一見さんの割合が高くなるからですね!

第4回:自社ECサイトに「興味がありそうな」ユーザーを集める

石田

第4回から「集客」のテーマに入っていったよね。ただし、闇雲にセッションを集めるのではなく、できるだけ自社のECサイトに「興味がありそうな」お客さまを集める必要がある。

ネッタヌネッタヌ

石田さん、「エンゲージメント」っていう言葉を使っていましたよね。

石田

そう。ネットショップの数が飽和状態、そしてこの多様性の時代に、マスに向かって集客を当てるのは中小企業にとって負担が大きすぎる。できる限りエンゲージメントの高い「可能性がある」お客さまに絞ってアプローチした方が良いよね。

第5回:集客戦略で大切なことは「自社を知る」

ネッタヌネッタヌ

第5回は「集客戦略の設計について」でしたよね。これはよく覚えています。新規集客って、ネットショップの運営における永遠の課題ですもんねぇ。

石田

うんうん。ネットショップ担当者フォーラムの編集長からも、「新規集客の話は絶対に書いてください」って言われていたからね。ここを外さずにECのマーケティングについては語れない。

ネッタヌネッタヌ

「EC事業の内製化」をめざすためにも、ですよね。どうしても外注さんに頼りがちなところですから。

石田

大切なのは「自社のことを知る」ことなんだよね。具体的には「なぜお客さまがこのネットショップを知ってくれたのか」「なぜお客さまがこのネットショップを選んでくれたのか」。この2つの情報をまずは徹底的に集めることだね。多くの会社の場合、これらの情報を集める「仕組み」から構築することが必要だと思う。

第6回:ユーザーの生の声をどう自社の集客に生かすか

ネッタヌネッタヌ

第6回は「集めた情報をどうやって自社の集客に生かしていくか」、という話だったと記憶しています。石田さんは「選択動機」なんて言葉を使われていましたよね。

石田

情報を生かすためには、自分たちが行ってきたアプローチ(実践策)とその成果(の一部が情報)を整理するとわかりやすい。自分たちがそこまで頑張っていないのに、お客さまが「選択動機」としてあげてくれることが、本当は強化すべきところかもしれないんだよね。

ネッタヌネッタヌ

お客さまの生の声から「利用目的」や「用途」「課題解決」を探していく、というのも重要なポイントですよね。

石田

お客さまがネットショップで商品を買うのは必ず何かの「理由」があるからね。この「理由」をおさえたい。そうすれば次のマーケティングの仮説の「解像度」が上がると思うよ。

第7回:情報管理を徹底する

ネッタヌネッタヌ

第7回もよく覚えています! 石田さんの実体験から「情報管理」の大切さを学んだ気がします。

石田

後発の中小EC事業者がのし上がっていくためには、基本的に「情報管理」を徹底するしかないんだよ。過去と現在は、先行者のEC事業者だったり、大手のEC事業者だったりには当然負けている。「未来」にいち早くキャッチアップすることで、「明日の勝ち」を取りにいかなきゃいけないんだ。

ネッタヌネッタヌ

その「未来」の匂いこそ、「情報管理」のなかに埋まっているってことですね。

石田

嗅ぎ分けるのは大変だけど、嗅いで嗅いで「未来」を見つけるしかない!

第8回:「売れた理由」「アクセスした理由」はユーザーが一番知っている

ネッタヌネッタヌ

第8回も、石田さんの実体験からのお話だったんですよね。

石田

引き続き、テーマは「情報管理」だったよね。第8回のケースでは、お客さまが「なぜキャラクターグッズが売れているのか」を教えてくれた。そこからグッズの単独生産や、他商品への横展開に広げていった話だったね。

ネッタヌネッタヌ

たしかに当たり前ですけれど、「売れた理由」や「アクセスした理由」は、購入した・アクセスした人自身(=お客さま)が一番知っているんですよね。

石田

「情報管理」全般に言えることだけど、ネットショップのマーケティングは最重要である「商品企画」「集客」含め、お客さまから教えてもらえることがすごく多いんだよ。お客さまの言葉に疑問を持つ習慣をつけないとだね

第9回:ネットショップは「広告戦略」が必要になる

ネッタヌネッタヌ

第9回はなんだっけ~?? つい最近のテーマだけれど、忘れちゃいました。

石田

第9回は「広告戦略」の話をしたんだよね。広告戦略は運用改善を繰り返すことができ、コストで成果を予測しやすい再現性の高い施策なんだよね。だからEC事業の拡大を狙うならば、最終的にはどのネットショップも広告戦略が必要になる。

ネッタヌネッタヌ

広告代理店さんが知り得ない自社の情報をきちんと提供することも大切なんですよね!

第10回:結果からさかのぼってアプローチ法を決める「逆算のマーケティング」

石田

第10回も同じく広告戦略がテーマなんだけれど、ECのマーケティングの特徴でもある「逆算のマーケティング」を軸に話を進めたね。

ネッタヌネッタヌ

新規顧客を獲得するのではなくて、「リピート顧客」を獲得するってところですよね!

石田

そうそう。「リピート顧客」を獲得するには、すでにリピートしているお客さまの傾向を分析するのが得策。結果からさかのぼって集客アプローチを決める方法こそ、「逆算のマーケティング」だよね。

ネッタヌネッタヌ

第4回の「集客」のコラムでもキーワードで出た、「エンゲージメント」とも近しいところがありますね。

第11回:ユーザーは買い物時にさまざまなショップを比較する

石田

そして前回が第11回。テーマは「比較」だったね。

ネッタヌネッタヌ

これはすごくわかりやすかった。ネッタヌもネットショッピングするとき、いろいろなショップを比較しまくるもん(笑)

石田

いち消費者としては完全にそうなんだけれど、事業者側になると「うちの商品は良い商品なんだから、絶対に売れるはずだ!!」になっちゃうんだよね。冷静に「自社の勝ちポイントはどこなのか」を考えていきたいよね。

次回のテーマは「EC事業に本気で取り組む価値」について

ネッタヌネッタヌ

石田さん、2024年の全11回の振り返りが終わりました~。

石田

ハァハァ……一気に話したから疲れた……。今回のために各回のポイントをまとめた「理解度チェック」の資料を作成したので、ぜひページ下部のリンク先からお問い合わせいただければうれしいです。頑張ったので、ぜひ(バタッ!)

ネッタヌネッタヌ

石田さ~~~ん、石田さぁぁぁん、大丈夫ですかぁぁ~。次回のテーマはどうしましょうか?

石田

(ネッタヌよ、こんなときに……)EC事業に「本気で取り組む価値」について、話そうと思う……。

ネッタヌネッタヌ

2025年もよろしくお願いします!!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

この連載の理解度チェックを行えるホワイトペーパーを無料で配布しています。「EC事業の内製化」をめざすためにお役立て下さい!
>>お問い合わせはこちら

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

石田 麻琴

Amazonの「マーケットプレイスアワード2024」、最優秀賞は「AnkerDirect」「タンスのゲン」「REYS」「TENTIAL」

10ヶ月 2 週間 ago

アマゾンジャパンは、Amazonのマーケットプレイスで活躍した販売事業者を表彰する「Amazon.co.jp マーケットプレイスアワード2024」で、モバイル充電ブランドの「AnkerDirect」(アンカーダイレクト)、家具販売の「タンスのゲン」、プロテイン販売の「REYS【公式オンラインストア】」、リカバリーウェア販売の「TENTIAL 公式オンラインストア」を「最優秀賞」に選出した。「AnkerDirect」の最優秀賞の受賞は3年連続となる。

最優秀賞の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp マーケットプレイスアワード2024」特設サイトから編集部がキャプチャ)
最優秀賞の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp マーケットプレイスアワード2024」特設サイトから編集部がキャプチャ)

アワードでは顧客満足度、売り上げ、Amazonが提供する各種サービスの活用状況などを指標に、合計10部門から販売事業者170社と10の自治体を選出した。

「最優秀賞」では、家電&オフィス用品、ライフ&レジャー、消費財、ファッションの4ジャンルにおいて、最も成功した販売事業者を表彰。このほか、Amazonは「カテゴリー賞」「Day One賞」「FBA賞」などを選出した。

カテゴリー賞

「カテゴリー賞」は、最優秀賞の4ジャンルを、家電・カメラ・AV機器、食品・飲料、アパレルなど、より細かく分類した11部門において、特に成功した販売事業者に贈る賞。

  • アウトドア・レジャー部門:「プロサイクルPROVROS」
  • ウィメンズアパレル部門:「nissen(ニッセン)」
  • お酒部門:「お酒の専門店リカマン」
  • 家具・インテリア部門:「インテリアのゲキカグ」
  • カー・バイク部門:「TIRE SHOP 4U」
  • カメラ・AV部門:「Marshall公式ストア」
  • ガーデン・DIY部門:「BRIM(ブリム)」
  • キッズアパレル部門:「arisana」
  • キッチン部門:「VeSync JP」
  • 健康・美容家電部門:「【公式ストア】株式会社MTG BEAUTY」
  • コスメ部門「VT COSMETIC JAPAN公式」
  • 食品・飲料部門「LIFEDRINK オンラインストア」
  • シューズ部門:「bope【公式オンラインストア】」
  • 寝具部門:「ヒツジのいらない枕公式睡眠研究所」
  • ジュエリー部門:「From da Phactory(フロム ダ ファクトリー)」
  • スポーツ・フィットネス部門:「YouTen」
  • スマホ・タブレット部門:「NimasoDirect」
  • 生活家電部門:「トゥーコネクト」
  • 時計部門:「銀座紗古夢堂」
  • ドラッグストア部門:「クイックコンタクト」
  • パソコン・オフィス用品部門:「ドスパラ公式ストア【パソコン専門店】」
  • バッグ・スーツケース部門:「WEGO公式」
  • ヘアケア・ボディケア部門:「[公式]【BOTANIST/SALONIA/YOLU メーカーオフィシャルサイト】アンドハビット」
  • ベビー・ペット部門:「ケラッタ株式会社」
  • 防災関連商品部門:「HACONOオンライン」
  • メンズアパレル部門:「ナノ・ユニバース」
  • Amazon整備済み品部門:「にこスマ」 (伊藤忠商事グループの株式会社Belong)

Day One賞

「Day One賞」は、過去1年以内にAmazonで販売を開始し、初年度から、顧客満足度、品ぞろえ、売り上げなどの観点で最も活躍した販売事業者に贈る賞。

  • 資生堂の出店店舗「資生堂ジャパン」
  • お香や清掃用品などを扱う「ZOO to COMPANY」
  • マットレス販売の「NELL(ネル)」
  • 美容家電を販売する「【公式】Brighte Online Store」
  • プロテイン販売の「verifyst」
  • 補正下着を取り扱う「【公式】ラディアンヌ」

FBA賞

顧客満足度や売り上げなどを評価項目に、商品の在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用して事業を成長させている販売事業者に贈る賞。

  • マットレス販売の「Koala Sleep Japan」
  • 食品、飲料、日用品などを取り扱う「コロポックル商会」
  • 食品、飲料、日用品などを取り扱う「ティーズマルシェ」
  • デジタルデバイスやガジェットなどを取り扱う「バッファローダイレクト」
  • プロテインやサプリメントなどを取り扱う「VITAS公式ストア」

Amazonはこれまで、「Amazon.co.jp 販売事業者アワード」の名称でアワードを実施していた。2024年12月に「Amazonふるさと納税」を開始したことに伴い、2024年度は新たに「Amazonふるさと納税 自治体賞」を新設。アワードの名称は「Amazon.co.jpマーケットプレイスアワード」に変更した。

B2B賞

Amazonビジネス(法人・個人事業主向けEコマース)を利用し、B2Bビジネスにおいて事業を成長させている販売事業者に贈る賞。

  • 【公式】 マウスコンピューター

海外販売賞

米国Amazon.comなど世界のAmazonで販売し、世界に事業を拡大している販売事業者に贈る賞。

  • Elecom

Amazonサービス活用賞

AmazonのAWS、Amazon Pay、Amazonビジネスを活用し、事業を拡大している販売事業者に贈る賞。

  • coen

Amazonふるさと納税 自治体賞

FBAやAmazon限定返礼品などを活用して多数の返礼品を寄付者に提供し、地域の魅力を全国に広めた自治体に贈る賞。

  • 北海道浜中町
  • 岩手県花巻市
  • 秋田県秋田市
  • 岐阜県可児市
  • 大阪府泉佐野市
  • 愛媛県愛南町
  • 熊本県水上村
  • 鹿児島県鹿屋市
  • 北海道白糠町
  • 神奈川県川崎市

ご当地の魅力 発信賞

地場に根付いたご当地の魅力ある商品を、Amazonを通じて日本全国の消費者に届けている中小規模の販売事業者に贈る賞。

  • 【静岡県】大五うなぎ工房
  • 【兵庫県】白鷺ニット工業株式会社
  • 【広島県】制服のフジ
  • 【福岡県】かねふく 公式ストア
  • 【沖縄県】宮古島の雪塩
松原 沙甫

アルバイト従業員へのカスタマーハラスメントの実態は? 45%の企業で「カスハラを受けた」、36%が「対策をしていない」

10ヶ月 2 週間 ago

マイナビがアルバイト採用業務に携わった会社役員・自営業の会社員を対象に実施した「アルバイト従業員へのカスタマーハラスメント実態調査」で、回答者の45%が「カスハラを受けた」と答えた。対策状況を聞いた質問には36%が「対策をしていない」と回答した。調査時期は2024年11月25日~12月4日で、有効回答数は1500人。

直近1年以内に、自社のアルバイト従業員が顧客からハラスメント疑惑のある被害を受けたか聞いたところ、45.7%が「何らかの被害があった」と回答した。

業種別で調べたところ、最も多かったのは「販売・接客(パチンコ・カラオケ・ネットカフェ)」で77.7%。次点が「販売・接客(コンビニ・スーパー)」70.3%。この次に、「ホールキッチン・調理補助(飲食・フード)」「販売・接客(その他小売・サービス)」がそれぞれ55.7%だった。

カスタマーハラスメント被害の有無(左)、業種別の被害状況(右)
カスタマーハラスメント被害の有無(左)、業種別の被害状況(右)

アルバイトが顧客から受けた被害内容では、「大きな怒鳴り声を上げられた」が36.3%で最多。「理不尽な要望を繰り返し問い合わせられた」は32.1%、「SNSに悪い口コミを書くなど、ブランドイメージを下げるような脅しをされた」は23.3%となっている。

直近1年間で受けた被害の内容(業種別)
直近1年間で受けた被害の内容(業種別)

企業のカスハラ対策を聞いたところ、「特になし」が最多で36.7%。対策している企業が実施している取り組みは、トップが「会社としてカスタマーハラスメントに対する基本方針を策定する」(29.7%)。「カスタマーハラスメント対応マニュアルを作り、周知する」(25.5%)、「正社員に対し、カスタマーハラスメント対応の研修を行う」(24.3%)が続いた。

カスタマーハラスメントの防止や対策のための取り組み
カスタマーハラスメントの防止や対策のための取り組み

カスハラ被害のあった企業と、被害がなかった企業の離職状況を確認したところ、カスハラ被害があった企業では「早期離職した人がいた」が34.2%で、カスハラ被害がなかった企業の22.7%よりも11.5ポイント高かった。

「早期離職した人はいなかった」と回答したのは、カスハラ被害ありの企業で50.6%、カスハラ被害なしの企業で62.0%となっている。

アルバイト従業員の1か月以内の早期離職率(カスタマーハラスメントの被害有無別)
アルバイト従業員の1か月以内の早期離職率(カスタマーハラスメントの被害有無別)

マイナビの調査担当者は今回の調査結果から、「企業がハラスメント対策を整備することは、従業員の定着率向上はもちろん、ブランドイメージ向上など、企業にとってのメリットにもつながることが考えられる」と分析している。

調査概要

  • 調査期間:2024年11月25日~12月4日
  • 調査方法:Web上のアンケートフォームより入力
  • 調査対象:直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業含む)
  • 調査機関:自社調べ
  • 有効回答数:1500人(各業種100人ずつ)
松原 沙甫

ECサイトで売れる商品画像とは? 商品ジャンル別の撮影のコツ+編集のポイントを解説! | 今日から試せるネットショップ運営ノウハウ powered by カラーミーショップ

10ヶ月 2 週間 ago
商品を手に取ることができないネットショップにおいて、商品画像は重要な要素です。ユーザーの購買意欲をかき立てる商品画像の撮影方法や編集のポイントをご紹介します

ネットショップの商品画像は、商品の売り上げを左右する要素です。そこで、この記事では「売れる商品写真とはどのようなものか」という基本や撮影・編集のポイントなどを解説します。また、商品ジャンル別に撮影するコツやおすすめの加工ツールも紹介しています。

よむよむカラーミー ツクルくん ツクルくん

魅力的な商品画像は僕でも作れるかな?

よむよむカラーミー カラミちゃん カラミちゃん

コツを押さえて撮影したり、売れる商品画像のポイントを学んだりすればもちろんツクルくんでも作れますよ!

商品画像はなぜ重要?

商品画像は、ネットショップにおいて購入を左右する要素の1つです。実店舗とは違いネットショップでは、実際に商品を手に取って見ることができません。

そのためショップを訪れたユーザーは商品画像を通して、商品の見た目や色、形、質感、機能などを理解し、購入するかどうかを判断するのです。

商品画像で商品の魅力を伝えることは、顧客の購買意欲を高め、購買行動を促進する上で欠かせない要素といえるでしょう。

つまり商品画像にこだわることは、売り上げに直結するのです。

ネットショップの売れる商品画像の特徴

ネットショップの商品画像は、実店舗において購入を促す販売員のような役割を果たします。そして、ユーザーの心をつかむ魅力的な写真には、以下の3つの特徴があるとされています。

  • ディティールがわかる
  • サイズ感がわかる
  • 用途がわかる

繰り返しになりますがECサイトでは、ユーザーは実際に商品に触れたり、試着したりすることができません。そのため、商品画像を通して視覚的にどのような商品なのかを伝えることが重要になります。

まず大切なのが商品のディテールです。洋服を販売する場合であれば、全体的な洋服のシルエットだけでなく、生地の質感、ポケットの有無、ファスナーやボタンのデザインなど細かい部分まで画像で伝えます。

さらに着用した際に身長や体形別にどのようなサイズ感なのか、どのようなシーン(用途)におすすめなのかコーディネートの参考になる画像などがあると、ユーザーはより具体的に商品をイメージすることができます。

このように、売れる商品画像とは、単に商品の外観を写したものではなく、ユーザーの購買意欲を高めるためのポイントを押さえている写真といえます。

ネットショップで売れる商品画像の撮影時に押さえるべき3要素

ここからは、商品画像としての写真を撮影する際に押さえておきたい3つの要素について解説します。意識することで、誰もが魅力的に感じるような写真が撮影できるでしょう。

魅力的な商品

まずは何より、商品が魅力的であることが大前提です。高い撮影技術や高性能なカメラを駆使したとしても、被写体となる商品そのものに魅力がなければ、思ったように商品が購入されない可能性があります。

もし、あまり魅力を感じない商品をよく見せるために撮影したとしても、ユーザーの手元に商品が届いた際、期待とのギャップを感じさせてしまい、口コミで低評価になったり返品になったりするかもしれません

すると結果的に、ショップやブランドの評価低下につながる恐れがあります。

商品そのものの魅力は、マーケティングにおいても非常に重要です。商品写真だけでなく、商品そのものの魅力を高めることが、顧客満足度向上やブランドの成長をうながすでしょう。

商品画像の構図

構図とは画像における商品の配置の仕方のことです。魅力的で見やすい構図の商品画像は、ユーザーの目を引きつけ、購買意欲を高める効果があります。

一口に構図といっても手法がいくつかあり、商品によって最適な構図は異なります。たとえばアクセサリーなど小さい商品は、商品を写真の真ん中に置く「日の丸構図」でアップにすることで、商品の全体を見せることができます。

商品に合った構図を選択することで、商品の魅力をより際立たせるような写真が撮れるでしょう。

ライティング(光の使い方)

商品撮影において、ライティング(光の使い方)も写真のクオリティを大きく左右する要素の1つです。商品撮影では大きく分けて、自然光と人工照明の2つがあります。

自然光は、照明機材をそろえる必要がなく、自然でやわらかい印象を与える写真が撮影できますが、撮影時間や天候に左右されやすいです。

人工照明は、時間や天候を気にせず安定した光での撮影が可能ですが、照明機材を使いこなす必要があります。

どのようなライティングにするかで、クールな印象か柔らかい印象か商品画像のイメージも大きく異なります。さまざまな光で商品を撮影して、最適なライティングを見つけましょう。

商品撮影に必要なアイテム

カメラ以外で、商品を際立たせるような写真を撮影する際に必要なアイテムをご紹介します。基本的なアイテムなので、持っておくと今後の撮影で役立ちます。

照明器具

先ほど、照明の種類には自然光と人工照明の2つがあるとお伝えしました。自然光にこだわりたい人もいるかもしれませんが、自然光は天候や時間に左右されてしまい、撮影時間も限られてしまいます。

そのため、照明器具を使っての撮影も行えるほうが望ましいでしょう。

照明器具は、蛍光灯やストロボ(フラッシュ)などいろいろありますが、LEDライトは種類も豊富で初心者でも扱いやすいとされているのでおすすめです。

背景紙

背景紙を使うと商品に注目を集めやすくなったり、商品の魅力を引き出せたりといったメリットがあります。

高級感を演出したい場合は黒や濃いグレーなどシックな色、ナチュラルな雰囲気を出したい場合はベージュや薄いグリーンといった自然な雰囲気の色など、背景紙は商品のジャンルやブランドイメージによって使い分けましょう。

レフ板

レフ板とは、商品に光を反射させるための板のことです。レフ板を使うと、「写真が明るくなる」「影が薄くなる」「画像の立体感を出せる」などのメリットがあります。

写真が明るくなることで商品の質感をよりリアルに表現できたり、立体感が出るため商品の魅力をより引き立てられたりします。

レフ板は色や大きさによって反射する光の量や質が異なるため、撮影する商品や状況に合わせて使い分けることがポイントです。

商品画像の編集・加工を行うポイント

商品撮影した後は、より良い写真にするために編集や加工を行いましょう。ここでは画像を編集・加工するポイントをご紹介します。

画像のサイズ調整(リサイズ)

撮影した写真は画像のサイズが大きすぎるため、そのままECサイトに掲載してしまうと画像が重すぎるせいで、商品ページの表示速度も遅くなってしまいます。そのため、適正なサイズへの変更(リサイズ)が必要です。

また、ECモールなどでは掲載する商品画像のサイズが決められているので、規定のサイズにしなければなりません。

リサイズは商品画像作りにおいて必ず必要な作業といえます。

トリミング

トリミングとは、写真の一部を切り抜く編集作業のことです。

リサイズは縦横比を変えずに画像のサイズを変更することですが、トリミングは写真を切り抜く作業なので、横長の写真の一部を切り抜いて縦長の画像を作ることなどもできます。

商品撮影の際に背景に余計なものが写り込んでしまった場合など、不要な部分をカットすることで、スッキリとした見やすい画像になります。

明るさや色味

写真が暗いと商品のディティールがよくわからず、ユーザーが購入するのを諦めてしまう原因にもなります。また、写真の色味がバラバラだとECサイトの統一感が失われ、ブランドイメージが低下してしまう恐れがあります。

そのため、明るさや色味を調整することはECサイトや商品を魅力的に見せるために大切です。

オンラインで使える無料の画像編集ソフトなどを使えば、画像の色味や明るさ、彩度などを初心者でも簡単に編集できます。

最適な明るさや色味は、商品やブランドイメージによって異なるため、色々なパターンを試して、最適な設定を見つけましょう。

ジャンル別に紹介! 売れる商品画像の作り方のコツ

どのような商品なのかによって、魅力的な商品画像の作り方は異なります。ここでは、商品のジャンルごとに作り方のコツをご紹介します。

ファッション・アパレル系

洋服やバッグなどはある程度の大きさがあるアイテムのため、商品全体をバランス良くフレームに収めるには、商品から離れて撮影しなければなりません。

そこでもし予算に余裕があれば、撮影機材や背景が充実しているレンタルスタジオの利用がおすすめです。

予算が無い場合は、公園や街中など、無料で利用できる場所を探してみましょう。自然光を生かした明るい写真が撮影できます。

また、衣類の自然なシワは商品の風合いとして残しても良いですが、畳みジワのように目立つシワは、アイロンやスチーマーを使って事前に取り除いておきます。

雑貨・アクセサリー系

雑貨やアクセサリーなどは小さいので、余白部分に小道具などを置けば写真の雰囲気を簡単に変えられるというメリットがあります。一方で、小物を使い過ぎて写真全体が煩雑になってしまう可能性もあります。

そのため商品ページ内の統一感を意識しつつ、余白を生かしたシンプルな写真と、小物を効果的に使った賑やかな写真をバランスよく配置することで、メリハリのある商品ページになるでしょう。

なお使用する背景色を2~3色程度に絞ると、商品が引き立ち、洗練された印象を与えることができます。

食品系

食品系は、美味しそうに見えるような商品画像にすることが、購入意欲を高めるために最も重要です。

温かい料理は湯気まで撮影したり、野菜や果物なら水滴を加えてみずみずしさを演出したりすることで、食品の魅力を写真で伝えやすくなります。

さらに、盛り付け方や器、背景にもこだわることでより一層、美味しく感じるような食品の商品画像になるでしょう。

なお調味料の場合は、商品自体をどう撮るかよりも、どのような料理に使えるのかを画像で伝えるのがポイントです。

ネットショップの売れる商品画像を作れるアプリ・ツール

商品画像を簡単に加工できるツールやAIを使って商品画像を作成するツールなど、商品画像を作るのに役立つツールをご紹介します。

Canva

ソフトをダウンロードせず、オンラインで使える画像作成ツールが「Canva」です。直観的に操作できテンプレートも豊富なので、デザイナーとしての知識がなくても簡単にバナーやチラシなどを作成できます。

画像の編集ももちろん可能です。スマートフォンアプリのように、手軽に写真の明るさや彩度などを調整したり、サイズの変更ができたりします。

まとめ

ネットショップにおける商品画像は、商品の魅力を伝え、購買意欲を高めるための重要な要素です。売れる商品画像にするには、魅力的な商品、商品画像の構図、光の使い方(ライティング)にこだわることがポイントです。

また、写真を撮影したらサイズや明るさ、色味などを編集することでより魅力的な商品画像になります。

画像の編集や加工ツールはさまざまな種類があるので、まずは試してみて自社に合ったものを探してみましょう。

この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

よむよむカラーミー

ヤマト運輸が始める、海外赴任や外国人材受け入れ業務をワンストップで支援する新サービス「グローバル人事コンシェルジュ」とは

10ヶ月 3 週間 ago

ヤマト運輸と、海外・国内の業務渡航に関するソリューションコンサルティングや海外人事サポート事業などを手がけるトッパントラベルサービスは2月3日から、海外赴任や外国人材受け入れに伴う引越・赴任者の人事手続きなどをワンストップで支援する「グローバル人事コンシェルジュ」を提供する。

「グローバル人事コンシェルジュ」が提供するのは、「引越・家具保管サービス」「渡航前オリエンテーション」「査証取得サポート」「健康診断・予防接種・ヘルスケア手配」「航空券手配」「語学研修先手配」「駐在員保険手続」「外国人出入国関連業務」「生活サポート(口座開設・ライフライン・ハウジング)」など。

サービス提供エリアは、関東近郊県・愛知県・大阪府・福岡県で、2025年度中に日本全国への展開を予定している。

ヤマト運輸と、海外・国内の業務渡航に関するソリューションコンサルティングや海外人事サポート事業などを手がけるトッパントラベルサービスは2月3日から、海外赴任や外国人材受け入れに伴う引越・赴任者の人事手続きなどをワンストップで支援する「グローバル人事コンシェルジュ」を提供する
「グローバル人事コンシェルジュ」のイメージ

企業のグローバル化により、海外赴任者の増加や赴任先の多様化、外国人材の受け入れ拡大が進んでいる。一方で、国によって異なる社員の海外赴任・外国人材受け入れの手続きなど人事担当者の業務が複雑化しているという。

また、海外への引越や人事手続きなど、業務ごとに異なる手配先の選定・やり取りも人事担当者の業務負担となっており、企業が効率的かつ安定的に海外赴任や外国人材を受け入れる体制を構築するニーズが高まっている。

ヤマト運輸は1981年から本格的に海外引越業務を開始。専門スタッフによる高品質な作業や日本全国の自社輸送網、31か国・66都市のグローバルネットワークを強みとして世界各国向けにサービスを提供している。

トッパントラベルはTOPPANホールディングスのグループ会社として、1961年の創業当時から、数多くの日系企業と外資系企業の出張サポートとコンサルティング業務を展開。2006年には「海外人事サポート業務」を開始し、海外赴任サポートや外国人材受け入れ体制構築などメーカーを中心に多くの企業の人事担当者をサポートしている。

両社の強みを生かして、海外の人事業務担当者が抱える業務を1つの窓口で包括的に支援する「グローバル人事コンシェルジュ」の提供を開始することにした。

松原 沙甫

「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」出店ストアからの問い合わせに生成AIが回答する「ストアクリエイターPro AIチャット」とは

10ヶ月 3 週間 ago

LINEヤフーは1月22日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」に出店しているストアからの問い合わせに対し、生成AIを活用して回答するチャットボット「ストアクリエイターPro AIチャット」の提供を開始した。

「ストアクリエイターPro AIチャット」は、出店ストア向け管理システム「ストアクリエイターPro」におけるストア運営ツール(ストアクリエイターPro・ストアエディタ)の使い方について、ツールマニュアルの情報を基にAIが問い合わせに回答するチャットボット。

出店ストアは、サポートコンテンツとして提供されている「ツールマニュアル」「よくある質問」に記載されている内容を、「ヘルプデスク」に問い合わせずに解決できるようになる。これにより、出店者のストア運営の効率化をサポートする。

LINEヤフーは1月22日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」に出店しているストアからの問い合わせに対し、生成AIを活用して回答するチャットボット「ストアクリエイターPro AIチャット」の提供を開始した
「ストアクリエイターPro AIチャット」の回答イメージ

「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」はこれまで、商品の登録方法やエラー発生時の解決方法などの不明点が発生した場合、出店ストアからの問い合わせを受け付ける「ヘルプデスク」を設け、オペレーターがチャットや電話などで対応してきた。

また、「ツールマニュアル」にはストア構築やページの編集など、さまざまなカテゴリーがあり、出店ストアからのニーズを考慮して日々情報を拡充していることから、探している情報にたどり着くまでに時間がかかる点が課題となっていた。

LINEヤフーはこの日々寄せられる問い合わせ内容を分析。約30%は「ツールマニュアル」「よくある質問」ページを参照することで解決できることが判明したという。「ストアクリエイターPro AIチャット」の提供によって、問い合わせ件数は約30%削減を見込む。

「ヘルプデスク」は今後、「ストアクリエイターPro AIチャット」で解決できない問い合わせに対して回答するなど、サポート品質の強化をめざす。

松原 沙甫
確認済み
1 分 42 秒 ago
ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る