ネットショップ担当者フォーラム

ニューバランス、ECサイトで学生・教職員向けプログラムを導入。対象者は10%割引+送料無料

1 year ago

ニューバランスジャパンは自社ECサイト「ニューバランス公式オンラインストア」で、学生と教職員をサポートする「学生・教職員割引プログラム」を導入した。学生や教職員が同プログラムを利用して買い物をする際、対象商品を10%割引かつ送料無料とする。

「学生・教職員割引プログラム」を自社ECサイトに導入した
「学生・教職員割引プログラム」を自社ECサイトに導入した

対象は16歳以上の日本国内の高校、短大、大学、大学院の学生と、短大、大学、大学院の教職員。高校教職員は除く。

対象商品を10%割引かつ送料無料で提供する
対象商品を10%割引かつ送料無料で提供する

同プログラムをユーザーが利用する際の流れは次の通り。

  1. 専用サイトから認証フォームへ情報を入力
  2. 認証完了後にクーポンコードを取得
  3. 購入時、ショッピングカート内のクーポン入力欄にクーポンコードを入力

ユーザーによる認証は申請時から毎年3月31日23:59まで有効とし、新年度(4月1日 0:00)に情報をリセットする。同プログラムの対象者は新年度に再度申請することもできる。

申請は米国SheerIDのサイト内となる。SheerIDは、認証プロセスを通じて割引の対象となる顧客を確認するためにニューバランスジャパンが提携している第三者サービスを提供する事業者。

クーポンコードの使用回数は5回まで、1回の注文につき上限は税込7万円。

大嶋 喜子

トランプ関税で越境ECに与える影響は? 「日本商品を輸入するよりも米国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念」

1 year ago

越境EC支援のワサビは、米国のドナルド・トランプ大統領が発表した新たな相互関税に関する事業者の意見やアンケート結果を公表した。

調査対象はワサビが提供しているEC一元管理システム「WASABI SWITCH」を利用している13社。調査期間は2025年4月3日から4月8日。

相互関税が導入された場合の感想について、海外販売(越境EC)を展開している事業者からは、次のような声があがった。

  • 価格調整やお客さまへの説明が必要となり手間が増える
  • 関税支払い拒否が増えることが懸念される
  • 将来のビジネス環境に不安を感じる
  • 現状を見守るしかない
  • ピンチをチャンスと捉え、次の戦略を考える

相互関税とは、貿易相手国が特定品目に課している関税率が、自国で同じ品目に課す関税率よりも高い場合、その不均衡を是正するために相手国と同等の関税率を課す仕組み。トランプ米大統領は4月2日、日本からアメリカへの輸出品に対して約24%の相互関税を適用すると発表した。

海外販売における関税とは、輸入品に課される税金であり、主に国内産業を保護する目的で導入されている。日本から海外へ商品を輸出する場合、一般的に関税は商品を購入したバイヤーが支払う。

そのため、商品を購入するバイヤーは、日本から商品を購入し配送業者へ関税を支払う際に、従来よりも高い関税が課されるケースが増える可能性がある。その結果、日本の商品を輸入するよりもアメリカ国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念される。

トランプ関税で越境ECに与える影響は? 「日本商品を輸入するよりも米国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念」
関税の仕組み

こうした状況下で日本のEC販売業者がアメリカのEC事業者と競争するには、商品の差別化やオリジナリティの強化がこれまで以上に重要になると予測される。

相互関税がスタートした場合、EC事業者は対応策を次のようにあげている。

  • アメリカ以外の市場にチャレンジしていく
  • 現在はそのまま運営を続けるが、売れる越境ECの比重を変更していく
  • 製品の原産国や輸出入時の分類によって異なるため、今後の動向を注視していく
  • 特に変える予定はない

現在、日本から輸出される800ドル以下の商品についてはデミニミスルールが適用されているため、関税支払いが免除されている。一方で、トランプ大統領の中国へのデミニミスルール停止措置に関する大統領令に署名。米東部時間5月2日午前0時01分からデミニミスルールは適用されなくなる。事業者は市場情報をいち早く収集し、柔軟な対策を講じる必要がある。

宮本和弥

「ファミマオンライン」にクラダシが出品、フードロス削減を軸に訴求

1 year ago

フードロス削減EC「Kuradashi」を手がけるクラダシは4月15日、ファミリーマートが運営するEC「ファミマオンライン」に出品する。

クラダシはフードロス削減をめざし、賞味期限が切迫した食品や季節商品、パッケージの汚れやキズ・自然災害による被害などが原因で、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、「Kuradashi」で販売している。

ファミリーマートもフードロス削減目標を掲げ、「エコ割」の実施や「てまえどり」の推奨など、長持ちする商品の開発、規格外の食材を使用した商品の開発などを展開している。

クラダシとファミリーマートはフードロス削減の取り組みに対して互いに賛同。最初の取り組みとしてファミリーマートが運営するEC「ファミマオンライン」にクラダシが商品の出品を開始する。

第1弾商品は4月、賞味期限が近づいてしまったり、パッケージの印字ミスや少しの傷などでまだ食べられるがフードロスとなってしまう商品を20点以上詰め合わせた「ロスおたすけセット」を税込3980円で販売する。自社ECサイト「Kuradashi」にて定期購入で提供しているセット商品をファミマオンライン限定で、1回から購入できるセットとして用意した。

売り上げの一部は「クラダシ基金」として、地方創生や食育の支援などに活用する。5月以降も「ロスおたすけセット」の継続販売や商品ラインナップの拡充を検討しているとしている。

鳥栖 剛

企業倒産件数が1万件超え。「人手不足」「物価高」が中小企業の経営を直撃【2024年度】

1 year ago

帝国データバンクが実施した企業倒産件数に関する調査によると、2024年度の倒産件数は前年度比13.4%増の1万70件となり、3年連続で前年度を上回った。主な倒産の理由は物価高で、人手不足、追加利上げといった状況も中小企業の経営を直撃していると見られる。調査対象の倒産は負債1000万円以上の法的整理が対象。

2024年4月-2025年3月の倒産動向
2024年4月-2025年3月の倒産動向

2024年度の倒産件数1万70件は、2013年度の1万102件以来、11年ぶりに1万件を超えた。負債5000万円未満の倒産が2000年度以降で最多になるなど、中小零細規模の倒産が増加した。

負債総額は前年度比7.5%減の2兆2525億7200万円。3年連続で2兆円を超えた。

倒産件数と負債総額の推移
倒産件数と負債総額の推移
年度別の倒産件数と負債総額
年度別の倒産件数と負債総額

倒産動向を見ると、「物価高倒産」は同10.5%増の925件。2000年からの集計開始後、初めて900件を超えて過去最多となった。業種別では「建設業」が254件(前年度比27.5%増)で最も多く、続いて「製造業」が180件(同19.5%増)、小売業が165件(同17.8%増)だった。

「物価高倒産」件数推移(左)、業種別内訳(右)
「物価高倒産」件数推移(左)、業種別内訳(右)

企業倒産を単月ベースで見ると、2025年3月は875件発生。517件だった2022年5月から35か月連続で前年同月を上回るなど、戦後最長の連続増加記録を更新している。この状況について帝国データバンクは、「小規模企業を中心に、物価高、賃上げ、人手不足、追加利上げ、価格転嫁難など、コスト増につながる懸念材料が山積するなか、企業倒産は緩やかに増加した」と解説している。

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売り上げが大きく減少した中小企業に対し、実質無利子・無担保で融資した「ゼロゼロ融資」の返済が滞って引き起こされた倒産は680件(同2.7%減)。集計開始後、初めて前年度を下回った。この倒産は、業種別では「建設業」が最も多い143件(同21.0%増)で、続いて「サービス業」が131件(同19.3%増)、「小売業」(同17.8%増)が121件。「不良債権(焦げ付き)」に相当するゼロゼロ融資の喪失総額は推計で約1244億7400万円となった。

「ゼロゼロ融資後倒産」件数の推移(左)、業種別内訳(右)
「ゼロゼロ融資後倒産」件数の推移(左)、業種別内訳(右)

倒産件数は全業種で前年度を上回った。なかでも、「建設業」「製造業」「小売業」「運輸・通信業」「サービス業」「不動産業」の6業種は過去10年で最多。倒産件数が最も多かったのは「サービス業」で、前年度比20.6%増の2638件だった。続いて「小売業」が同12.5%増の2109件、「建設業」が同10.5%増の1932件だった。

「製造業」は7年ぶりに1000件を超えた。原材料価格の高騰が収益圧迫の要因となりやすいことから、製造業のなかでも「繊維工業、繊維製品製造業」の倒産が104件だったという。小売業では、物価高の影響を受けた「飲食店」の倒産が901件となっており、2000年度以降で最も多かった。

業種別の倒産件数と構成比
業種別の倒産件数と構成比

主因別に見ると、「販売不振」が8261件(同17.6%増)で最も多く、全体の82.0%(同2.9ポイント増)を占めた。49件(同11.4%増)の「売掛金回収難」と、16件(同6.7%増)の「不良債権の累積」などを含めた「不況型倒産」の合計は8389件(同17.2%増)。

「設備投資の失敗」は46件(同21.1%増)で、3年連続で前年度を上回った。

倒産主因別の件数と構成比
倒産主因別の件数と構成比

倒産態様別に見ると、破産と特別清算を合わせた「清算型」倒産の合計は9804件(同13.6%増)で全体の97.4%を占めた。民事再生法、会社更生法にのっとった倒産である「再生型」倒産は266件(同6.0%増)だった。

「清算型」の倒産で最も多かったのが「破産」で9435件(同13.2%増)。「特別清算」は369件(同24.2%増)で、2005年度の373件に次いで過去2番目に多かった。

「再生型」の倒産では、「会社更生法」が13件、「民事再生法」が253件だった。このうち個人が198件、法人が55件だった。

態様別の倒産件数と構成比
態様別の倒産件数と構成比

負債額を事業者の規模別に見ると、「5000万円未満」の倒産が6122件(同16.9%増)で、2000年度以降で最多となり、中小零細規模の倒産が目立った。「100億円以上」は9件(同52.6%減)と2000年度以降で初めて10件を下回った。

資本金を規模別に見ると、「個人+1000万円未満」の倒産が7153件(同16.0%増)で、全体の71.0%を占めた。

資本金規模別の倒産件数と構成比
資本金規模別の倒産件数と構成比

業歴別に見ると、「30年以上」が3210件(同13.2%増)で最も多く、全体の31.9%を占めており、2013年度(3101件)以来11年ぶりに3000件を上回った。このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は152件(同42.1%増)。

業歴10年未満の「新興企業」は3106件(同15.0%増)と、2000年度以降で最多を記録した。内訳は、「3年未満」が385件(同7.2%増)、「5年未満」が714件(同13.2%増)、「10年未満」が2007件(同17.2%増)。

内訳を業種別に見ると、最多は「サービス業」で1035件(同22.9%増)、続いて「小売業」が779件(同18.9%増)、「建設業」が602件(同12.1%増)だった。

業歴別の倒産件数と構成比
業歴別の倒産件数と構成比
大嶋 喜子

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上

1 year ago

フェリシモの2025年2月期決算は、当期純損益が黒字転換した。神戸ポートタワーの運営など新たな事業領域の開発と育成に取り組むと同時に、収益性の強化を進め大幅な増益を達成した。

連結売上高は前期比0.5%減の294億4900万円。営業損益は7000万円の黒字(前期は9億3100万円の赤字)、経常損益は2億2700万円の黒字(前期は6億1200万円の赤字)、当期純損益は1億3600万円の黒字(前期は8億5800万円の赤字)となった。

主力の「定期便事業」売上高は同0.6%減の269億2300万円。「ファッション」ジャンルが前期を上回ったが、「生活雑貨」「手作りキット・レッスン」などのカテゴリーが減少となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
定期便のファッションジャンルは前期を上回った(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

フェリシモの「定期便事業」は、「顧客数」「購入単価」「購入頻度」を主要なKPIとして計測、評価している。2025年2月期について、延べ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客1人あたり購入頻度(回数)が増加した。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
のべ顧客数は減少したが、平均購入単価、顧客一人当り購入頻度(回数)が増加した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

顧客数

社会貢献型プロジェクトや防災提案、新社会人向けメディアの立ち上げなど、新たな層へのアプローチを実施。下半期からは新たな顧客層の開拓、継続 顧客の定着率が改善するなどしたが、通期では延べ顧客数が前期比で4.4%減となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
顧客数は通期で前期比4.4%減に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入単価

「ファッション」カテゴリーの主力ブランドの復調に加え、戦略商品の投入が奏功したことにより、平均購入単価は前期対比で3.7%増となった。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入単価は前期比3.7%増に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

購入頻度

顧客1人あたりの購入頻度(回数)は前期対比で2.1%増。購入頻度の高い顧客の構成比が前期を上回り、顧客との継続的な関係育成の面で良い状態を保つことができたという。

フェリシモの連結売上は微減の294億円、主力の「定期便」は購入頻度・単価が向上
購入頻度も前期比で2.1%増となった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年2月期も大幅増益へ

2026年2月期については「顧客基盤の拡大」と「顧客との継続的な関係育成」を進め、神戸ポートタワー事業やリテールメディア事業など「第2の収益の柱の育成」をさらに加速させて増収・増益をめざす。

今期の売上高の見通しは前期比3.7%増の305億3100万円、営業利益は同94.1%増の1億3700万円、経常利益は同7.3%増の2億4300万円。当期純利益は同31.9%増の1億7900万円としている。

鳥栖 剛

花王が公式オンラインショプ「My Kao Mall」を含む計7サイトにハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入

1 year ago

花王は、公式オンラインショプ「My Kao Mall」を含む花王グループの計7サイトにハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入した。

人気のキーワードの掲出などを実装

花王は、「My Kao Mall」のほかに、花王グループが運営する公式オンラインショップ「est(エスト)」「KANEBO(カネボウ)」「LUNASOL(ルナソル)」「RMK(アールエムケー)」「SUQQU(スック)」「athletia(アスレティア)」に「ZETA HASHTAG」を導入した。

花王は既にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入している。「ZETA HASHTAG」の導入で、製品同士の連携によるシナジー効果を期待しているという。

花王 est
花王グループが運営する公式オンラインショップの1つ「est」(画像は「est」からキャプチャ)

「人気のキーワード」として、「My Kao Mall」でよく検索されているキーワードや最新のトレンドワードをTOPページに掲出する。ユーザーにサイト内の回遊を促し、新たな商品との出会いを創出につなげる。たとえば、「うるおい」「保湿」「医薬部外品」「透明感」「無香料」といったキーワードがよく検索されている場合やトレンドワードだったケースに、そのワードを「人気のキーワード」として掲出する。

花王 「人気のキーワード」を掲出し、セレンディピティな購買体験を創出につなげる
「人気のキーワード」を掲出し、セレンディピティな購買体験の創出につなげる

商品検索結果ページや商品詳細ページに関連キーワードを表示する。ユーザーがハッシュタグ経由で興味のあるページに直感的な操作で素早くアクセスできるようにすることで、サイト内の回遊率、UI向上につなげるという。

花王 ハッシュタグを軸とした直感的なアクションでUI向上につなげる
ハッシュタグを軸とした直感的なアクションでUI向上につなげる

「ZETA HASHTAG」とは

主にECサイトなどWebサイトのなかの説明文やカスタマーレビューのようなテキスト情報をAIで解析し、関連するキーワードを抽出してLP(ランディングページ)を自動生成するソリューション。ECサイトでは、商品の見た目の形状、使い方などに関連するテキストタグを活用して商品検索ができる。

ZETA HASHTAG 特許取得
「ZETA HASHATAG」について(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「EC業界は20年以上経ったから成長しにくい」なんてもう言わない! 売上・利益・幸福度を上げるために今やるべきこと | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

1 year ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年3月15日~4月11日のニュース

「#今日も骨になるまで働きましょう」と、ドラマ「社畜人ヤブー」のごとく今日もバリバリ働く皆さまこんにちは! 個人的には嫌いな人種ではないのですが、人とのギャップに心が折れてしまうことが多いですよね。さて、今の業務は適切でしょうか? 最近いつ、業務やモールの取捨選択、今力を入れるべき場所はどこなのかなどを熟考したでしょうか? 「昔からこのやり方だから」と言って、同じことをずっとやり続けてはいないでしょうか? 技術も進歩しているし、世代も時代も大きく変化しているので、それらを適切かどうか判断することが大切です。これ、私も苦手な業務でした。非常にめんどうくさいですよね! ただ、めんどうくさいことだから”重要”です!

「自分たちが幸せになれる形」をめざして、「力配分の見直し」を行う

EC成熟期で重要なことは「力配分の見直し」。伸びしろを探せば、まだまだ成長できる! | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13648

ですから、必要以上に膨れたEC事業のカオス度合いを減らしてシンプルにし、伸びていく成長分野に投資をしていく。自分たちが幸せに商売できる規模を意識しつつ、事業を育てていく。いわゆる「力配分の見直し」が大切なのではないかと私は考えています。

数年前までECを運営していた者として、非常に共感が持てます。負荷をかけすぎて組織が崩壊する、過去の「なんとなく」の感覚で「できる・できない」を判断する、「昔はこうだった」という話をしてしまう組織や会社ってよく聞く話ですね。今の時代や今の売上規模に合う形にするために、しっかり断捨離することも重要です。

特に「いいなぁ」と思ったことは、「自分たちが幸せになれる形」。これがすごく重要だと思っています。「何の為に売り上げを伸ばしているのか」――これは会社や組織のミッションにもよります。けれど、売り上げを伸ばすためにお互いが不幸になる選択肢を選んでいないでしょうか? 成長過程において成長痛は大事ですが、不必要な負荷がかからないようにするためにも「力配分の見直し」は重要ですね。

自分たちにとっての当たり前だけで「やりつくした」「規模を広げるしかない」と判断するのは、もったいないことかもしれません。

私が規模の拡大よりも力配分にフォーカスしている理由は、伸びしろを埋もれさせているお店があまりに多いと感じているからなのです。

「成熟期」という言い方もありますが、「『成熟期』だと思うから『やりつくした』『規模を広げるしかない』と判断してしまう」と個人的には考えています。15年ほどECに携わっている人間として、「2000年前後から始めたEC事業者が、売り上げが伸びない時に使いたくなる言い訳」だと自分に言い聞かせています。

前回の記事でも書きましたが、業務の整理もこれに値すると思っています。力分配をしっかり行うために、きちんと業務や作業の分析をする。先月の繰り返しになりますが、自分たちを知ることは非常に重要だと思っています。

「マンダラ図」に沿って事業を俯瞰(ふかん)し、不調の根本原因や伸びしろを特定して改善していくと、無理なく自然な形で事業を次のステージに進める取っかかりが見えてくるのです。

これが前半でお伝えした、「大規模な拡大」をがむしゃらに求めるのではなく、注力すべき成長分野に絞り込み「自分たちが幸せに商売できる規模での成長」をめざすことの本筋です。

「マンダラ図」を見て最初に思ったことは、「楽天市場」の「売上アップのサイクル」でした。「売上アップのサイクル」とは、「楽天市場」内で売り上げをアップさせるための重要な考え方ですが、「色々な物事はすべてつながっている」ということ。こういった仕組みをしっかり理解するだけでも、物事が良い方向に進むと思っています。

「ヒト・モノ・カネ」もそうですよね。成長したとしても、現場に負荷がかかり過ぎていたらそのうち崩壊してしまいます。今の組織ではどこまで行うのが適切か、会社や組織の成長、売上拡大――これらのバランスをとりながら、しっかり運用していただければと思います。

また、現場は今の売り上げを伸ばすための施策、未来の売り上げを伸ばすための投資をしっかりと見極めた上で断捨離やシステム化を行い、「今のチームでどこまで行けるか」を把握することが重要ですね。

そうすることで「自分たちが幸せに商売できる規模での成長」をめざすことができるのではないかと思っています。勿論、負荷がゼロになると組織自体の戦力が下がってしまうと思うので、その辺りはバランスよく。

要チェック記事

これからの楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングで売れるには より上流のマーケティングが鍵 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/16479

「楽天市場」「amazon.co.jp」「Yahoo!ショッピング」と、3社のざっくりした2025年の動き。各モール共に運営している人も多いはず。各社の挙動や変化にしっかり対応していきたいですね。

【ECの未来】ECと実店舗の相乗効果を生む成功の切り口とは?鶏肉専門店のネットとリアルの活用法! | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/63936

「オリジナルだから何でもできる」と思いがちですが、動画や記事内にある「楽しんでもらう」という部分が非常に重要な気がします。「お客さまに楽しんでもらう」という考え方を大切に。

「モノが届かなくなる」はずだったのに…?物流2024年問題 | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250407/k10014770561000.html

変化があったけれども、まだまだ大変な物流問題。EC事業者として・ビジネスとして色々あるとは思いますが、感謝を忘れないようにしないといけませんね。

Amazon 、プライムデーを史上最長の4日間に。夏セールの主役に返り咲けるか | DIGIDAY
https://digiday.jp/modern-retail/amazon-is-making-prime-day-a-four-day-event-in-2025/

Amazonの「プライムデー」が延長! 商材や商戦などにもよりますが、大きく戦略は変らなくても、たまたま知った勢が増えて今までより大きな山場になりそうですね。

消費者の9割「AIによって購入体験が向上した」。AIエージェントがEC事業者+消費者に与える影響とは? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13715

Shop brand sites directly | amazon
https://www.amazon.com/b?node=204815148011

2025年頭にも書きましたが、徐々にAIが増えてきていますね。どんどんサービスが増えてきて、AIを駆使した業務改善なども今後「力配分の見直し」に影響がありそうです。

今週の唸った・刺さった・二度見した

“If you get tired, learn to rest, not to quit.”「疲れたらやめるのではない、疲れたら休むのだ」 | バンクシー(イギリスの路上芸術家)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/719da276814d973828f51a22140daa56d84da587(参考情報としてYahoo!ニュース「人生に疲れた人へ。バンクシーの名言「疲れたら、やめるのではなく…」英語&和訳(偉人の言葉)」のURLを記載しています)

好きなアーティストの1人にイギリスのバンクシーがいます。元々「Rage Against the Machine」が好きで、自由民権運動家のマルコムXやキング牧師、革命家のチェ・ゲバラが好きになり、彼らの文献を漁るように読んでいました。そういう意味でもバンクシーの思想や思考が好きなのですが、今回はそんな彼が言った(書いた?)と言われているこのフレーズ。

「If you get tired, learn to rest, not to quit.」を「ChatGPT」に意訳してもらうと、「疲れたら、立ち止まっていい。あきらめるんじゃなくて、ひと休みしよう。」という意味だそうです。今日も頑張っているあなたに。疲れたら、深呼吸をしてひと休みひと休み。多少無理をして負荷をかけることも成長には大事ですが、休息も大事なことですね。

今回はゆるっとした、今週の言葉でした。また来月もよろしくお願いします。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

中林慎太郎

スニーカーフリマアプリ「スニダン」、出品機能を刷新。出品時の商品情報を大きく改善

1 year ago

スニーカー、アパレル、トレーディングカードを取り扱うフリマアプリ「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」を運営するSODAは、「スニーカーダンク」の出品機能をリニューアルした。利用者が出品する際の商品情報の入力を簡単にし、ファッションカテゴリでは「スニーカーダンク」に登録がない商品でも出品できる仕様にした(シューズ、エンタメ・ホビーカテゴリーは除く)。

「スニーカーダンク」は、取引の過程で運営側がすべての商品を確認し、正規品を保証する「真贋鑑定」を手がけている。

出品者は従前、「スニーカーダンク」上に登録されている商品情報から該当商品を選択した上で出品する必要があった。リニューアルによって、利用者が簡単かつ便利に商品を出品できるように再設計した。リニューアルのポイントは次の通り。

  • 出品時の画面をリニューアルし、出品ボタンを新たに設置
  • ファッションカテゴリは商品情報を選択せずに出品できる仕様に変更
  • 出品情報の入力画面を1つに統一。従前は商品ジャンルや新品・中古で分かれていた
リニューアルの特長
リニューアルの特長

新しい出品方法は、①ホーム画面下部の「出品」ボタンをタップ ②「出品する」をタップ ③カテゴリ、ブランド、その他必要な商品情報を入力し、出品完了となる。

新しい出品方法の流れ
新しい出品方法の流れ

商品ページ「出品」ボタンからの出品は従前どおり可能となっている。「出品」ボタンをタップした後、商品情報を入力し、出品完了となる。

商品ページからの出品方法
商品ページからの出品方法

SODAによると、「スニーカーダンク」利用者から「より簡単に商品情報を入力したい」「商品を探す手間を省いて出品したい」という声があがっていたという。

SODAは今後、ファッションカテゴリの商品ジャンルを拡大し、より幅広いアイテムを提供する。こうした理由から、出品機能をリニューアルした。

大嶋 喜子

「店舗のファンを街のファンへ」。メーカーズシャツ鎌倉が実店舗とECサイトでふるさと納税を実現、その方法は?

1 year ago

メーカーズシャツ鎌倉は4月16日から、実店舗と自社ECサイトでふるさと納税の受付を始める。オンラインで寄付受付のほか、鎌倉市内の店舗で直接寄付しその場で返礼品を受け取る取り組みをスタートする。

メーカーズシャツ鎌倉の本社は神奈川県鎌倉市。返礼品を提供している神奈川・鎌倉市が、サンカクキカクの店舗型ふるさと納税サービス「ふるさとズ」を導入したことで、今回のふるさと納税寄付受付が実現する。

4月16日から、メーカーズシャツ鎌倉の店舗と公式オンラインショップで寄付の受付を開始する。寄付者には、返礼品として全国24店舗とオンラインショップで即時活用できるデジタルクーポンを発行。デジタルクーポンは、店舗で使用する場合は会計時にバーコードを表示しクーポンとして利用できる。

「店舗のファンを街のファンへ」。メーカーズシャツ鎌倉が実店舗とECサイトでふるさと納税を実現、その方法は?

ECサイトで利用する場合は、注文方法の指定ページ下部、ギフトカード欄にて「カード番号」「PIN番号」「ギフトカードご利用額」を入力して利用できる。デジタルクーポンの有効期限は発行から2年間。

「ふるさとズ」は全国40自治体で利用

サンカクキカクが提供する店舗型ふるさと納税「ふるさとズ」は現地で寄付でき、その場ですぐに返礼品を受け取れるサービス。

「ふるさとズ」は現地で寄附・返礼品受け取りを実現する

オンラインでもオフラインでも好きな店舗で寄付でき、お店のファンが街を応援できるサービスとして「寄付者=店舗のファン=マチのファン」を全国各地に広げていくという。現在は全国40自治体、約260の店や施設で利用されている。

「寄附者=店舗のファン=マチのファン」を全国各地に広げていくという
鳥栖 剛

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ

1 year ago

東武グループの東武マーケティングは5月29日に新たなクレジットカード「東武カード」を発行し、あわせて「東武カード」の公式ホームページを新規開設する。新HPの立ち上げにはecbeingのメディアコマースCMS「UNITE(ユナイト)」を採用した。

現行の東武カードのHPでは、既存会員がキャンペーン応募や明細確認のためにサイトへアクセスすることが多く、運営側ではそれに伴った問い合わせ対応が増えていたという。問い合わせはコールセンターで対応していた。

今回の新HPではコールセンター業務の負荷を軽減するためにもサイト内のFAQページといったコンテンツの情報を充実、点在していた情報を整理することによる一覧性向上・掲載情報の更新頻度向上を実現した。東武グループが企画・運営するECモール「TOBU MALL」もecbeingのECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を採用しており、「東武カード公式HP」も含め東武グループのシナジー創出を期待する。

新しい「東武カード」は、「東武カード(スタンダード)」、保証と高いポイント還元率の「東武カードゴールド」、完全招待制の「東武カードVIP」の3種類を用意。5月29日から申し込み受付を開始する予定。

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ
新しいカードは5月29日から申込受付を開始

新HPの特長として、獲得ポイントのシミュレーション機能をあげた。3種類の新しい「東武カード」別に利用金額を入力することで、獲得ポイントの目安を簡単に確認できるシミュレーションページを用意した。

東武マーケティング、ecbeingのCMS「UNITE(ユナイト)」で新東武カードの公式ホームページ立ち上げ
新サイトのポイントシュミレーションページ

新サイトを構築しているCMS「UNITE(ユナイト)」は、質の高いセキュリティを標準実装した国産CMS。ページ編集機能や分析・マーケティング機能といった標準機能を掛け合わせた多様な施策の実装も可能となっている。テキストエディター付きの専用コンテンツフォーマットを用意し、HTMLの知識がなくてもスピーディーにコンテンツを作成ができる。更新性が高くなるためメンテナンス業務の効率化を図ることにも期待できるとしている。

新「東武カード」は5年後に発行枚数100万枚へ

「東武カード」では、スタート後から徐々に増加してきた会員数が、顧客層の高齢化と新規顧客層の獲得が進んでいない点を要因に、近年は横ばいまたは減少傾向にあったという。

新しい「東武カード」では、若年層やビジネスパーソンを中心とした新規顧客層の獲得を進めていく。東武グループのシナジーを生かした観光施設や鉄道利用者へのアプローチ強化、高水準のポイント還元率の実現、スマートフォン保険導入といった若年層を取り入れるサービスを充実させる。目標として初年度発行枚数47万5000枚、5年後には100万枚突破を掲げている。

鳥栖 剛

レスポンス率UP、休眠客の掘り起こしに成功したベルーナのチラシ大改革。紙媒体の“セッション時間”を高めた改善策とは | 通販新聞ダイジェスト

1 year ago
ベルーナは折り込みチラシのデザインのリニューアルを進めている。改良版チラシの特長や成果をまとめる

ベルーナが、新聞などの折込チラシ、いわゆる「通常マス」の改革に乗り出した。同社が配布してきた折込チラシの様式は、創業者でもある安野清社長が開発したもので、高いレスポンス率を誇る大きな「武器」となってきた。ところが、時を経るにつれて顧客の反応が悪化。そこで同社では、若手社員の意見を取り入れる形で昨秋より、折込チラシのビジュアルを一新した。果たして「シン・通常マス」の威力は――。

アパレル・雑貨は赤字の立て直しに注力

2024年3月期に赤字転落

同社アパレル・雑貨事業は2024年3月期に赤字転落しており、現在は顧客リストの収集・活用を図っているほか、時代にあった商品力・ビジュアル力を強化することで立て直しを図っている

ベルーナの近年実績と2025年3月期の予測。2024年3月期におけるアパレル・雑貨事業は営業損失29.9億円となった(画像はベルーナのIR資料から追加)
ベルーナの近年実績と2025年3月期の予測。2024年3月期におけるアパレル・雑貨事業は営業損失29.9億円となった(画像はベルーナのIR資料から追加)
収益効率最大化に向けてベルーナが掲げる施策(画像はベルーナのIR資料から追加)
収益効率最大化に向けてベルーナが掲げる施策(画像はベルーナのIR資料から追加)

2025年3月期は回復傾向

ただ、2024年4~12月期のアパレル・雑貨事業は、長引く残暑の影響により秋冬シーズンの序盤においては計画を大きく下回ったものの、中盤以降においてレスポンスが改善。

また、新規顧客の獲得数が前年同期と比べ増加したことなどにより増収増益となった。同事業の売上高は前年同期比0.7%増の592億8000万円、セグメント赤字は9億4200万円となり、前年同期の15億3900万円から赤字幅を大きく縮小させている。

折込チラシの刷新で成果

ビジュアル一新で顧客の反応回復へ

成果が出ている取り組みの一つが、折込チラシの刷新だ。同社のチラシは、安野清社長が開発したもの。たくさんの商品を1枚のチラシに詰め込んだものだが、このスタイルを磨き上げることで、大きな売り上げを作ってきた

安野清社長が開発した従来型の折込チラシ
安野清社長が開発した従来型の折込チラシ

同社の後藤孝之営業推進室長は「まさに『ベルーナならでは』のチラシであり、さまざまな経験やノウハウが詰め込まれている。実のところ、他社にもさんざん真似をされてきたが、この形で実績を作り続けてきたのは当社だけだ」と自負する。

ところが、同社の最大の武器であったチラシも時を経るにつれて、レスポンスが悪化しはじめた。もちろん、チラシ経由の売り上げ減少は新聞の部数減が大きな要因だが、加えて顧客の反応も以前より悪くなっているのが実情。そこで「『チラシのビジュアルを変えたほうがいいのではないか』という声が社内から出てきた」(後藤室長、以下同)という。

改良版のレスポンス率が従来型を上回る

下のチラシが改良版だ。全体的に白基調で見やすさを重視するとともに、掲載商品数も以前より絞っている。また「ネットの声」として、同社通販サイトのレビューから抜粋して掲載した。改良版チラシを発案したのは、制作室に在籍する若手の女性社員。従来型のチラシと改良版のチラシを同時に配布してテストしたが、改良版のレスポンス率の方が高くなっているという。

「実は、チラシに掲載の靴の見せ方を通常チラシの半分のサイズとし、テスト的に配布した際、若手の感性を取り入れたビジュアルに変更した、という経緯がある。その際に非常に良いレスポンス率が出たので、『ビジュアルを変えてみたらどうか』となった」。

ビジュアルに若手の感性を取り入れた改良版のチラシ
ビジュアルに若手の感性を取り入れた改良版のチラシ

折込チラシは、基本的には新規顧客獲得を目的として配布しているため、そこからカタログに誘導して利益の出る顧客に育てる、というのが常道。ところが、改良版チラシは、チラシ単体で利益が出るほど、高いレスポンス率を記録しているという。

もちろん、改良版チラシのレスポンス率に良い数字が出たのは、ビジュアルを刷新した直後という点も大きいため、継続して配布することで効率が落ちてくる可能性は高い。そのため、従来版から完全に置き換えるために、商品の組み合わせや見せ方などをトライアンドエラーしている段階という。「(安野)社長からも『早く全面的に切り替えたらどうか』と言われているが、商品を入れ替えても似たような結果が出るのかを試している」。

これまでのチラシは、現在の視点で見るとビジュアル面で「古めかしさ」が感じられる。そのため、新しいチラシは洗練された印象を消費者に与えたことがレスポンス率に寄与したとみられる

とはいえ、商品の組み合わせや見せ方、さらには商品の手配など「長年培ってきた従来チラシのノウハウがあったからこそ、新しいチラシが生まれた。そういう意味では、とても良い進化形といえる」。

休眠顧客の掘り起こしにも貢献

チラシの改良については昨夏から取り組みを開始し、秋冬には本格的な配布を開始した。同社内では、改良版チラシのことを「シン・エヴァンゲリオン」ならぬ「シン・通常マス」と呼んでいるという。

新規顧客獲得のレスポンス率が良くなっているため、減少し続けていた新規獲得数も底を打ち、反転しはじめた。新規だけではなく、休眠顧客の掘り起こしにも大きな成果が出ている。まさに「シン・通常マス」が起爆剤となっているわけだ。

折込チラシの配布部数そのものは、新聞購読者数の低迷もあり、やはり減少しているという。ただ、2025年3月期は新規獲得や掘り起こしがうまく回転し始めたこともあり、前期に比べてチラシ経由の売り上げは伸びる見込みだ。

新しいチラシはデザインや色使いを刷新しているわけだが、掲載する商品数は減っている。ただ「ネットの世界でいう『セッション時間』が増えたのではないかとみている。いろいろなチラシが配られるなかで、少し見ただけで捨てられてしまうのか、それとも目に留めてくれるのか。改良版チラシの方が見てもらいやすい、ということなのだろう」。

掲載商品1点ごとの売り上げを伸ばす

そのため、掲載商品こそ減っているものの、商品1点ごとの売り上げを伸ばすことでカバー。さらに、発注面でもやりやすくなったという。折込チラシに掲載する商品は、一定量の在庫を確保しないとならないため、在庫のコントロールが非常に重要だ。掲載する商品を絞り込むことで、不良在庫になる恐れが減ったという面もある。

また、本番のチラシを配布する前には、テスト的にチラシを配布しているわけが、掲載予定の商品数が多いとテストのために配布する枚数も増えてしまう。商品数をあらかじめ絞っておけば、配布枚数も減らせるため、それに付随するコストも減らせる。

「昨今の用紙代高騰などを考えると、やはりテストは絞る必要がある。現場からすると、ヒット商品を生み出したいので『数打てば当たる』的な思考になってしまいがちだが、そこは時流に合わせてコストを削減する必要がある」。

チラシ刷新を機に売れるようになる商品も

商品選定の基準に関しては、従来版チラシで売れていたような商品は、改良版でも売れているため、引き続き掲載している。

ただ、年齢よりやや若く見える洋服などは、従来チラシではあまり反応が良くなかったものが、新しいチラシでは売れるようになった。これは、特に改良版チラシの購買層が若くなっているわけではないのだという。後藤室長は「高年齢層の感性も変化しているので、従来版チラシでは目に留めてくれなかったものが、デザインを刷新したことで目を向けてくれるようになった、ということではないか」と推測する。

実は、メインカタログ「BELLUNA」においても、2年ほど前からこれまでよりも若いモデルを起用するようになっており、若いモデルを起用した商品の方がレスポンス率は高くなっているという。「もともと、媒体がターゲットとする年齢よりも、実際に購入する年齢層は一回りほど高くなるものだが、最近はそういった傾向が加速している感がある」。

新チラシは若手の感性が寄与

とはいえ、同社が長年武器としてきたチラシのデザインを大きく刷新することができたのは、やはり若手の感性があってこそ。後藤室長も「ベテランではできなかったこと」と評価。

2026年3月期は、チラシのビジュアルを完全に刷新することになるが、そうなったときにどの程度効率を維持することができるのか。後藤室長は「数字によっては今考えているよりも、多数の部数を配布できるようになるかもしれない」と期待感をにじませる。

値上げを踏まえたMD改革を推進

同社では2024年3月期において、用紙代と印刷費の上昇、さらには急激な円安による仕入れ価格上昇の影響を受け、一部商品の値上げを実施。ただレスポンス率が悪化したことで業績に大きく影響した。

そのため2025年3月期は、一律値上げするのではなく、値上げする商品・据え置く商品を分けて、メリハリを付ける形に変更、レスポンス改善に寄与している。

価格に見合う商品力をめざす

ただ、そうなると当然のことながら利益面でバランスをとるのが難しくなってくる。値上げをしても、価格に見合った商品力をつけるため、MD改革も進めている。後藤室長は「まだ明確な結果が伴っているわけではないが、社長からアドバイスをもらっているのは『今一度顧客指向に立ち返れ』ということ。直接顧客の声を聞く、あるいは顧客と接しているメンバーの気づき生かすべく、取り組んでいる」と明かす。

レビューなど顧客の声を積極活用

さらに後藤室長は「当社は『顧客の声を取り入れてサービスを改善する』という点では非常にうまくいっているが、『顧客の声を商品に取り入れる』という点では、他社と比較すると競争優位性を発揮できていない」と指摘。そのため、今後は通販サイトにおけるレビューとアパレル店舗における接客員の声を積極的に活用。自社運営のコールセンターとの連携も今まで以上に強化する。

すでに、ネットのレビューを踏まえたMDはスタートしており、コールセンターに寄せられる声については、現在収集している段階という。早ければ、2026年3月期下半期から、MD改革の成果が出てくる見込みだ。後藤室長は「当社の根幹は商品力。アパレル・雑貨事業が赤字に陥るという、今まで経験したことのない状況だからこそ、小売りとしてのあるべき姿』を目指し、当たり前のことは当たり前にやっていくべきだろう」と話す。

アパレル・雑貨は黒字化が急務

とはいえ、大局的にみると今後紙媒体を使った通販の市場は、今後一層シュリンクしてしまうのは避けられない。一方で、現時点では紙媒体が好きな人は一定以上いるのも事実。後藤室長も「カタログファンを大切にしていきたいという思いは強い。今回、折込チラシのビジュアルを変えたことでレスポンス率が反転したように、まだまだ戦える余地はある」と断言。

その上で「日本の社会全体で高齢化が進み、地方では買い物難民が増える中、当社の紙媒体を中心とした通販のインフラは、社会的にも非常に重要早期に事業の黒字化を達成し、営業利益率も3%の水準まで戻すことが大事になってくる」と今後の展望を語る。

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通販新聞

イオン社長が語る現状の消費環境+価格戦略+トランプ関税の影響

1 year ago

イオンの吉田昭夫社長は、現在の消費環境、それを踏まえての戦略、トランプ関税などについて、4月11日に実施した2025年2月期決算説明会の質疑応答のなかで言及した。

消費環境は二極化

吉田社長は小売市場の消費環境において「二極化」が進んでいると指摘。「日常のベーシックな部分は節約、特別な『ハレ』の場にはしっかりお金を使う購買行動を感じる」と評した。その上で生活者の低価格志向への対応として「イオンビッグ」などディスカウント業態の店舗拡大、専用のPB商材の開発に注力していくとした。

また、「価格だけで判断される商品と、クリスマスや正月といったハレ型商材では売れ方が大きく異なる。お客さまの目線に立った品ぞろえが必要」(吉田社長)とも話した。

スケーラビリティで原価低減に努め利益も確保へ

PB開発強化などによる利益確保の考え方について、「スケーラビリティを活用することで原価を下げることができる」(吉田社長)と言及。たとえば箱入りの商品にラベルを付けない、トラックの積載効率を高めるなど、サプライチェーン全体でのコスト削減に取り組むとした。ある程度ロットが固まることで取引先の協力を得るなどし、原価を下げて利益確保を図る考えを示し、「単に値下げするだけではいけない」(同)とコメントしている。

PBは商品開発力や提案力も重視

PB戦略には低価格商品だけではなく、商品開発力や提案力も重要であると指摘。「PBは顧客の声を反映することが最も大切。現場で聞いた要望をすぐに商品に反映し、売場に並べて反響を確認するという短いサイクルでの対応が可能」(吉田社長)であり、利益を生み出すことができるとPBのメリットについて解説した。

その例として2024年11月に立ち上げた、Z世代向けプロジェクトであるオリジナルブランド「NIRMATA(ニルマータ)」について説明。オリジナル靴下を販売し、成果を得たという。「違う世代の感覚からは『売れないかもしれない』と感じた商品が予想に反して売れた。Z世代の嗜好をうまく捉えた結果で、PB構成比を高めるポイントになる。NBとのトレードオフだけでは不十分で、PBの価値をどう高めるかが重要だと感じている」(同)と述べた。

24年11月に立ち上げたオリジナルブランド「NIRMATA(ニルマータ)」がヒット

生産性の改善などについても説明した。2024年10月、事業会社に対して生産性向上のKPIを設定。「経費構造や荒利率の改善だけでは厳しいという世の中のトレンドを踏まえた取り組みを行い、実際にそのKPIを達成することができた」(吉田社長)。トップバリュを活用したリピーター獲得施策も打ち出し、成果が出つつあるという。

トランプ関税「景気後退の懸念感じる」

米国のトランプ政権による関税の影響について、吉田社長は「現時点で明確な答えは出せない」としながらも「景気後退への懸念を感じた」(同)と話した。「愛知・豊田など米国向け輸出が多い地域は景気が良く、店舗の売上も好調。今後は売上が下がるのではないかという不安もある。小売業としてはしっかりと考えておくべき課題だと捉えている」(同)とした。

鳥栖 剛

電通デジタル、AI活用のマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」を大型アップデート。マーケ支援活動の効率化・利便性向上などをめざす

1 year ago

電通デジタルは、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」の大型アップデートを実施したと発表した。「∞AI」の各ソリューションの本格運用を社内で開始し、企業のデジタルマーケティング活動支援の高度化、効率化、利便性向上の実現をめざすという。

4つのソリューションを開発

大型アップデートでは、デジタルマーケティングにおけるデータ分析のエージェント型ソリューション「∞AI Marketing Hub(ムゲンエーアイ マーケティング ハブ)」で4つのソリューションを開発。また、広告表現にAIを活用するソリューション「∞AI Ads(ムゲンエーアイ アズ)」で、画像・動画生成、効果予測の精度向上、フローの対話化といったアップデートを実施した。

電通デジタル ∞AIブランドの全体図
「∞AI」ブランドの全体図

これまで「∞AI」では、「∞AI Ads」、顧客接点の対話化・リッチ化を図る「∞AI Chat」「∞AI Contents」、各AIソリューションを支える基盤である「∞AI Marketing Hub」を展開してきた。「∞AI Marketing Hub」における4つのソリューション開発で、データ分析・利活用、その後のデジタルマーケティング施策立案に貢献していくという。開発したソリューションの特長などは次の通り。

① ∞AI Customer Data Hub(ムゲンエーアイ カスタマー データ ハブ)

企業が保有するファーストパーティデータ、AIチャットで取得した対話、各種調査から得られるデータに加えて、電通デジタルの各種マーケティングデータなどを、マーケター、AIにとって使いやすい形に自動的に統合・構造化し、顧客1人ひとりのカルテをリアルタイムで生成する。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Customer Data Hub」について
「∞AI Customer Data Hub」について

② ∞AI Customer Twin(ムゲンエーアイ カスタマー ツイン)

「∞AI Customer Data Hub」に蓄積・統合したデータを基に、顧客1人ひとりの心理・行動特性を忠実に再現した仮想顧客AI(カスタマーツイン)を生成する。担当者がAIエージェントを通じて、仮想顧客との対話型インタビューや調査を実施できる。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Customer Twin」について
「∞AI Customer Twin」について

③ ∞AI MC Planning(ムゲンエーアイ マーケティングコミュニケーション プランニング)

広告配信におけるメディアプランニング、広告コピーの企画・効果予測などのマーケティングコミュニケーション(MC)施策における一連のプロセスを、AIエージェントとの対話形式により一気通貫で行える。「∞AI Customer Data Hub」「∞AI Customer Twin」と連携することで、顧客1人ひとりの特性を踏まえパーソナライズしたメディアコミュニケーションプランをリアルタイムに提示する。

④ ∞AI CX Planning(ムゲンエーアイ カスタマーエクスペリエンス プランニング)

顧客体験(CX)の改善を目的とした、カスタマージャーニー設計や対話型AIチャットを活用した新規事業・サービスのアイデア創出、既存事業の高度化などのアイデア創出のプロセスをAIエージェントとの対話形式で実現するソリューション。

電通デジタル ∞AI 「∞AI MC Planning」「∞AI CX Planning」で行えること
「∞AI MC Planning」「∞AI CX Planning」で行えること

画像、動画生成、効果予測機能をアップデートした「∞AI Ads」

AI活用でデジタル広告の制作プロセスを効率化する「∞AI Ads」について、電通デジタルの山本覚氏(CAIO(Cheif AI Officer)、最高AI責任者 兼 執行役員)は「2022年のサービス開始以来、2024年までに127社に導入され、導入企業における平均広告効果改善率は154%になる」と説明。「∞AI Ads」では、画像、動画生成、効果予測においてAIエージェント技術を融合したアップデートを実施した。

① マルチモーダル生成AIの搭載

従来まで活用してきた機械学習に加えて、マルチモーダル生成AI(テキスト、音声、画像、動画など2つ以上の異なる種類のデータから情報を収集し、統合して処理する生成AI)を搭載。効果の予測・改善サジェストの精度の大幅な向上につながるという。

一般常識やマーケティング手法などを学習しているマルチモーダル生成AIを活用することで、企業が保有しているデータを加えるだけで対話形式の高精度な予測を出力できるという。

② 対話形式でのプランニング・施策実施

「∞AI MC Planning」で出力した広告配信におけるメディアプランニング、広告コピーの企画・効果予測の施策案を基に、実際に配信するクリエイティブの生成、その効果予測・改善などのPDCAサイクルを対話形式で実現する。

電通デジタル ∞AI 「∞AI Ads」で作成した広告例
「∞AI Ads」で作成した広告例(画像は電通デジタルのサイトからキャプチャ)

テキストで指示した内容で広告を生成する。作成したバナーの広告効果を測定し、改善サジェストもテキスト形式で出力するなど対話形式で広告生成を行える。AI自身が生成したモノを学習していくので、説明文も詳細になっていく。学習する内容は企業間を跨がないようになっている。(山本氏)

電通デジタル CAIO(Cheif AI Officer):最高AI責任者 兼 執行役員の山本覚氏
電通デジタル CAIO(Cheif AI Officer)、最高AI責任者 兼 執行役員の山本覚氏

今回の大型アップデートを通じて、山本氏は「今後は電通グループ企業のAIと連携しながら稼働していくだろう。他のエージェントとコラボする未来もくると思っている」と話す。

その先のマーケティングは、データと人の間にAIが入ってくれることで、人が直接データに触れる機会が減るようになり、調査、戦略、コミュニケーション施策、営業・顧客サポートなどさまざまな領域で、人はAIとだけ会話をするようになるのではないか。人がすべきことは、論点を設定する、意思決定などがメインになると考えている。マーケターは今まで以上に人間の心に向き合っていく、「人はどうしたら喜んでくれるのか」「どんな場面で感動するか」などを考えることが重要になるのではないか。(山本氏)

藤田遥

福岡の物流会社「西京物流サービス」、「ロジザードZERO」で出荷ミスほぼゼロ、クラウドカメラ連携で業務効率化を実現

1 year ago

福岡県に拠点を置く物流会社の西京物流サービスは、ロジザードが提供するクラウド型倉庫管理システム(WMS)「ロジザードZERO」を導入し、出荷ミスの大幅な削減と業務効率の向上を実現した。

西京物流サービスは、食品・サプリメント・雑貨・アパレルなどさまざまな商材を取り扱い、EC対応、ケース単位の発送、チャーター便の手配など多様な物流ニーズに対応している物流代行企業。

「ロジザードZERO」導入以前は「現場作業の標準化」と「ヒューマンエラーの防止」が課題にあがっていた。「ロジザードZERO」の導入により、バーコードをハンディターミナルで読み取る作業で、正確性と確実性を担保しながら業務の標準化と効率化を実現。​その結果、在庫数の不一致はほとんど発生しなくなったという。

さらに、エッジAIカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」と「ロジザードZERO」を連携した「出荷検品 クラウド録画連携オプション」を活用。出荷作業の映像記録と確認ができるようになり、ミスやトラブルの早期発見と迅速対応できるようになった。​特に包装資材や同梱物に細かい指定がある荷主に対して、作業手順を証明できるようになり、信頼構築につながっているという。 ​

福岡の物流会社「西京物流サービス」、「ロジザードZERO」で出荷ミスほぼゼロ、クラウドカメラ連携で業務効率化を実現
物流改善の現場

クラウドカメラによる作業状況の可視化は、現場巡回の効率化や作業進捗の遠隔確認にも効果を発揮、人的負荷の軽減にも寄与している。​今後は「EC万引き」対策など、セキュリティ強化の観点でも「Safie One」との連携活用を拡大していく方針。 ​

西京物流サービスの田中秀典氏(統括部長)は、次のようにコメントしている。

WMSの導入は、荷主との信頼関係構築にとても有効。「ロジザードZERO」は直感的に誰もがすぐに使えて導入のハードルが低い。一定の規模感がある事業者にはぜひ利用して欲しい。

宮本和弥

【ソーシャルログインの導入・利用状況2024】導入組み合わせトップは「LINEログイン単体」がトップ

1 year ago

フィードフォースグループ傘下のソーシャルPLUSは、「ソーシャルログイン利用状況調査2024」の結果を発表した。導入の組み合わせは「LINEログインのみ」が最も多く、137サイトだった。

調査対象はソーシャルログイン・LINEのCRM活用サービス「ソーシャルPLUS」を導入し、2024年12月時点でソーシャルログイン機能を提供している336サイト。調査期間は2024年1月1日~12月31日。

「ソーシャルPLUS」が対応しているソーシャルログイン6種「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Apple」「X(旧Twitter)」「Facebook」のうち、導入の組み合わせで最も多かったのは「LINEログインのみ」で、137サイトだった(2023年調査比で13サイト増)。

ソーシャルログイン導入組み合わせランキング(2024年)

2021年の調査開始以降、「LINEログインのみ」の導入サイトは右肩上がりに増えている。

LINEログインのみを導入するサイト数の変遷
LINEログインのみを導入するサイト数の変遷

LINEログインのみを導入する企業が増えている理由について、「LINEログインは他のソーシャルログインとは異なり、LINE公式アカウントとの連携強化に活用できる。LINEを通じた便利なユーザー体験や円滑なコミュニケーションが可能となり、企業とユーザー双方にメリットをもたらす」(ソーシャルPLUS)と解説している。

企業がLINEログインのみを導入するメリットには、「LINEは日本人口の約8割以上をカバーしているため、LINEログインを導入するだけでも多くのユーザーにソーシャルログイン機能を提供できる」「LINE上でユーザーとの接点を確保し、LINE公式アカウントを活用したパーソナライズドコミュニケーションが可能になる」などがある。

「LINEログインのみ」を導入したサイトの業種別内訳は、上位は「人材」「アパレル」が同率1位で15%、「食品/飲料/健康食品」が14%、「美容/化粧品」が13%の順となっている。

LINEログインのみを導入しているサイトの業種別内訳

2番目に多かったソーシャルログインの導入の組み合わせは、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」だった。このうち、最も利用されたソーシャルログインは「LINE」で70%。続いて「Google」が15%、「Yahoo! JAPAN」が13%となった。

「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況
「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「X」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況

3番目に多かったソーシャルログインの導入の組み合わせは「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Facebook」。利用が多かったソーシャルログインは「LINE」が68%、「Google」が22%、「Yahoo! JAPAN」が9%だった。

「LINE」「Yahoo! JAPAN」「Google」「Facebook」ログインを導入しているサイトにおける、ソーシャルログインの利用状況

デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合は、「スマートフォン」が最も多く全体の97%を占め、「PC・タブレット」は3%だった。

デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合(2024年1月~2024年12月)
デバイス別のソーシャルログイン利用回数の割合(2024年1月~2024年12月)

スマートフォンでの利用回数の割合は、最多は「LINEログイン」で88%、続いて「Yahoo! JAPAN」が4%、「Google」が3%、「Apple」が2%、「X」が2%、「Facebook」が1%だった。

スマートフォンでのソーシャルログイン利用回数の割合
スマートフォンでのソーシャルログイン利用回数の割合

調査概要

  • 調査期間:2024年1月1日~12月31日
  • 調査対象サイト:「ソーシャルPLUS」を導入しており、2024年12月時点でソーシャルログイン機能を提供している全サイト(336サイト)。一般消費者向けのECサイトや求人サイトが中心
  • 調査主体:ソーシャルPLUS
大嶋 喜子

ライフコーポレーションの2025年2月期ネットスーパー売上は24%増の248億円

1 year ago

ライフコーポレーションの2025年2月期EC売上高は、前期比約24%増の248億円だった。EC売上高はライフネットスーパーおよびAmazon上のネットスーパーの合計金額。

ライフコーポレーションの2025年2月期ネットスーパー売上は24%増の248億円
2025年2月期の売上高は前期比約24%増の248億円に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

新規拠点の開設、店舗ごとの出荷量拡大が売上増に寄与。自社ネットスーパーは、出店エリアの大部分を配送エリアとしてカバー完了したとしている。

ライフコーポレーションはネットスーパーを強化しており、2031年2月期までにEC売上高1000億円の目標を掲げている。

2023年度からスタートしている4か年の第七次中期経営計画では、データやテクノロジーを活用した施策のほかネットスーパーを強化。「ネットスーパー戦略」と「カード戦略」に特化して、競合他社との差別化を図るとともに、自社の強みとして成長させるとしている。

中期経営計画の主要テーマとして「人への投資」「同質化競走からの脱却」「持続可能で豊かな社会の実現」を掲示。「同質化競走からの脱却」では、ライフでしか購入できない商品を自社の供給網で安定的に供給。魅力的なリアル店舗とネットのどちらでも手に入る環境を提供し、デジタルとデータを活用して顧客1人ひとりに「ちょうどいい」提案をめざすとしている。

鳥栖 剛

販売は「比較されている自覚」から始まる。「価格以外の比較基準」に敏感になることが選ばれることの近道 | 『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』ダイジェスト

1 year ago
『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(坂本悟史/コマースデザイン 著 インプレス 刊)ダイジェスト(第1回)

EC販売の構造について解説します。まず、自分が買い物をする時のことを思い出してみてください。目についたものや、検索で一番最初に出てきた商品を買うでしょうか? 違うはずです。あれこれ見比べて選んでいますよね。自店舗の商品も同じ様に「見比べられている」ことを理解しましょう。

現代の商売は「比較されている」

今やあらゆる商売が、ネット上のプラットフォームで比較されています。Amazonや楽天市場、UberEats、食べログやじゃらんnetなど、「比較しながら探せる便利なサービス」が身の回りにたくさんありますよね。

お客さんは、スマホでサクサクと商品やサービスを調べ、一番「安い順」や「早い順」や「人気順」で並べ替えて選んでいます。ハウスクリーニングや引越し業者なども簡単に比較できる時代です。

このようにプラットフォームが発達した結果、現代のあらゆる事業者は「徹底的な比較」にさらされているのです。商売は本質的に比較されるものですが、その比較が買い手にとっては「圧倒的に簡単」で、売り手にとっては「圧倒的にシビア」になっています。

よって、我々事業者が、お客さんに選んでもらうためには、たくさんの他社と比較されて「選ばれる」ことが必要不可欠なのです。特にECモールでは顕著ですが、本店(独自ドメイン店)でも、Google検索結果や検索画面での広告で比較されているので、状況は同じことです。ほとんどの商売は、「比較」から逃れられません。

「比較される」と「価格競争になる」のか?

たくさんのお店と比較されると、大変な競争になる……それで疲弊する……と思いますよね。みんなが同じようなものを売っているなら、安くてお得なほうが選ばれるはずだ、と思いますよね。しかし、必ずしもそうとは限りません。

実際のところ、お客さんの比較基準は「価格だけではない」からです。例えば先日、筆者が軽作業を依頼した便利屋さんと話した際、「最初は料金が安いほうが売れるかなと思ったけれど、案外『自分の全力の笑顔写真』などを載せているほうが、ちゃんとお客さんが来てくれる」と言っていました。確かに、やみくもに最安を選ぶのは、「安かろう悪かろう」かもしれないというリスクを感じることもあります。

この方は、人となりをアピールし、信頼してもらいLINEでつながって、声をかけやすくすることでリピートを獲得しているそうです(筆者もリピートしています)。他にも、女性向けに特化したサービスで差別化している事業者さんもいるそうです。

このように、利用者によって比較基準は「価格以外」にもたくさんあるのです。それもそのはず、人間は一人一人違う生活事情や価値観や好みやライフスタイルを持っているからです。つまり、「価格以外の比較基準」に敏感になることが、選ばれることへの近道と言えます。

もちろん価格競争できる商品やお店は価格競争路線でもよいのですが、「安い商品は不安を感じさせやすい」ことも事実です。このような場合、「安さの秘密は契約農家さんからの直接仕入れ。プロ愛用の店だから、この価格でレストラン品質」などと安くできる理由を訴求すると、安さ以外の魅力も追加されます。武器が増えるので、安さがウリの皆さんも「比較基準の多様性」には敏感になってください。

お客さんの比較基準は実は様々

お客さんがサービスを選ぶ際の判断基準は、価格や早さだけでなく、個包装(小分けで小さいからちょうどいい)、バリエーション(他にない色だった、タイトなのが良い、締め付けないのが良い)、対象(高齢者でも使いやすい)などなど、実に様々な比較ポイントがあるものです。

だからこそ、私たち事業者には徹底的に見比べられながらも、コスパだけで徹底比較される「非合理な価格競争」には巻き込まれず、別の角度から魅力を打ち出せる余地があるのです。「誰しもが思いつく、分かりやすい比較基準」に閉じず、「一部の人だけが重視する特殊な比較基準」にフォーカスできると、競争回避ができます。

そして、ECは全国から(あるいは世界から)お客さんが集まりますから、実店舗では考えられないほどニッチな比較基準を持つ人も、本当に多いのです。最近では、AIによって、ユーザーの好みの基準に合わせて「おすすめ順」で提案されることも増えました。ニッチな好みとニッチな商品は案外出会いやすくなっています。

一朝一夕にできることではありませんが、「見比べられている」というシビアな状況認識を持ちながらも、「なんとか別軸を見つけて競争を回避する」ことで、平和な商売を目指すことができます。

EC市場は「懐が広い」

お客さんは「自分の目的」に合わせて、お店や商品を選びます。「うちの子供の誕生日だから、かわいくて、ちょっとサプライズ感のあるケーキがいいな」というお客さんなら、そういった商品が選ばれます。逆に大人の誕生日には、また違ったケーキが選ばれるでしょう。

コマースデザイン 売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 EC市場は懐が広い

市場とはマッチングです。つまり、勝つか負けるかの「店同士の競争」ではなく、「それぞれの商品が、それぞれ最適なお客さんと結ばれる」関係を成立させることなのです。

だから、自分の商品の特徴を「〇〇したい人にオススメ」とアピールすれば十分です。そのために、自分の商品の良さを知り、「自分と相性の良いお客さん」にアピールすることが大切です。

EC市場はどんどん大きくなっており、日本国内で2022年には年間23兆円規模と、ずっと右肩上がりを続けています。これが意味することは、「巨大市場にやってくるお客さんの全体数がどんどん増えているので、ニッチな商品でもマッチング成立しやすい」ということです。

事実、筆者は、2000年代に楽天社員としてECコンサルタントをしていた頃、乾物の「かんぴょう」を売るネットショップを担当したことがありますが、その頃は1円も売れませんでした。でも現在では、たくさんのレビューがついて、よく売れています。わざわざECでかんぴょうを取り寄せたい人は全国にわずかしかいないと思いますが、全国からお店に集まってくるので、まとまった売上になるわけですね。

競争が激しいようで、意外とチャンスもあるというECの経済構造が伝わりましたか。EC市場の懐は広いので、小規模事業や後発であっても、うまく工夫すれば事業を成立させることができます。

ただし、その大前提となるのが「比較されている」という自覚です。社内の都合ばかり考えず、自分の世界に閉じこもらず、他社と自社の商品が「見比べられている」現場に目を向けましょう。特に、検索結果画面で、隣にいるライバルと自分を謙虚に比べてください。そうすることで、自分が何をすべきかが見えてきます。

法則2から、具体的な施策を紹介していきます。

坂本氏坂本氏

ワンポイント

面白いことに、ネットでは売れ筋の商品が実店舗と違うことが少なくありません。とある靴屋さんは、実店舗ではコンバースがよく売れるのに、ネットでは「安全靴(工事現場で使う靴)」が売れていました。なぜなら、コンバースは商圏の広いネットでは競争が激しすぎましたが、安全靴はネットでは他店に品揃えがなかったのでよく売れたわけです。ちなみに、このエピソードを教えてくれた靴屋さんは、ニッチな靴の販売をスタート地点として、今では、色々な靴が売れる有名ネット靴屋さんになりました。

この記事は『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。

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コマースデザイン株式会社

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業「LYST社」を約230億円で買収

1 year ago

ZOZOは4月9日、欧米を中心に人気を集めるファッションショッピングプラットフォーム「Lyst」を運営する英国企業LYST LTDの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。約231億円(2025年3月末時点の1ドル150円で換算)で取得する。

LYSTはアフィリエイト型ファッションプラットフォームを展開

LYST社はショッピングプラットフォーム「LYST」を運営。2024年3月期業績は売上高が5014万6000ポンド(1ポンド187円で約93億7700万円)、営業利益は44万4000ポンド(同約8300万円)、純資産は409万4000ポンド(同約7億6600万円)、総資産は2245万9000ポンド(同約42億円)。

主要展開エリアはアメリカ、イギリス、ドイツなど。「LYST」は2万7000以上のブランド商品情報を集約し、独自のレコメンドAIでユーザーと最適な商品をマッチングする在庫レス型のショッピングプラットフォーム。いわゆるアフィリエイトサイトで、取引が成立するとASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を通じてパートナーから成果報酬型の手数料を得るビジネスモデルを採用している。

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業LYST社を約230億円で買収
LYSTはアフィリエイト型のビジネスモデルで展開(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

提携パートナー数は550超、取り扱いSKU数は9700万。年間のユニークユーザーは1億6000万人、年間購入者数は220万人、平均注文単価は日本円で6万3000円(2025年3月末時点1ドル150円として)。

ZOZOは海外戦略の進化へ

ZOZOはLYST社を子会社化することで、海外展開で未開拓となっていたEC・メディア領域へ進出する。

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業LYST社を約230億円で買収
LYSTの取得で未開拓だった海外EC・メディア領域に進出する(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ZOZOはLYST社との類似点に、テクノロジーを基盤にブランド主導の在庫を持たないEC・メディアプラットフォームという点をあげる。

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業LYST社を約230億円で買収
ブランド主導の在庫を持たないプラットフォームという点で共通(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

地理的なカバレッジや技術背景は理想的な補完関係にあるとし、運用面ではシステム基盤の共有や管理業務の統合などスケールメリットの追求を見据え、シナジー創出を期待する。

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業LYST社を約230億円で買収
システム基盤の共用・管理業務の統合などスケールメリットの追求を行う(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ZOZOではLYST社を海外展開の基盤として据える一方、今後も積極的に新規事業・M&Aを通じた非連続的な成長をめざすとした。

ZOZO、欧州のファッションECプラットフォーム企業LYST社を約230億円で買収
ZOZOはLYSTを海外展開の基盤として据える考え(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

TikTokのEC機能「TikTok Shop(ティックトックショップ)」とは? 日本での実装に備えて、効果を出すポイントや始め方を押さえておこう! | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

1 year ago
ショートムービーを投稿できる動画プラットフォーム「TikTok」。一部の国・地域ではEC機能が搭載されており、話題を集めています

TikTokはショートムービーを投稿できる動画プラットフォームです。国内外問わず、多くの人が利用しており、一部の国ではEC機能が搭載されています。動画やライブ配信を活用し、さまざまな商品が販売されており、話題を集めています。本記事では、TikTokのEC機能について詳しく紹介します。TikTokのEC機能や販売チャネルを拡大したい人は、ぜひ最後までご覧ください。

TikTokのEC機能とは? 日本で利用できる?

TikTokには、アプリ内で商品を販売できるEC機能が搭載されています。動画やライブ配信から直接購入でき、ライブコマースのような使い方ができます。閲覧数や売り上げを確認できる機能がついているのも特徴です。

中国、インドネシア、マレーシアなどでは利用できますが、2024年10月時点で日本国内では実装されていません。しかし、複数のECサイトとTikTokの連携が開始されており、近いうちに日本でもEC機能が実装される可能性があります。

TikTokとECサイトとの連携について

2024年10月時点では、日本国内で「TikTok Shop」は利用できませんが、自社ECサイトを母体として、TikTokをマーケティングチャネルとして活用することは可能です。

TikTokの利用者は年々増えており、幅広いユーザーが使用しているため、積極的に活用するのがおすすめです。ここからは、TikTokとECサイトの連携について紹介します。

TikTok広告の活用

「TikTok for Business」を利用することで、TikTokに広告を掲載し、ECサイトへ誘導することができます。「TikTok for Business」は、運用型広告プラットフォームです。広告用のアカウントを作成し、広告動画をアップロードします。広告目的や予算、配信期間などを設定できるのが特徴です。

ビジネスアカウントに設定して商品リンクを貼る

TikTokアカウントをビジネスアカウントに設定すると、外部リンクが貼れるようになります。広告動画からすぐにECサイトへ誘導できるので、購入までのステップがスムーズになります。

ユーザーがわざわざ調べてサイトに移動する必要がないため、集客力の高いメディアから購入までの新たな導線ができることはメリットといえるでしょう。

TikTokを活用したEC運用のポイント

TikTokを活用したEC運用を成功させるには、ただむやみに動画投稿やライブ配信を行えば良いわけではありません。EC運用を成功させるには、下記のポイントが大切です。

  • インフルエンサーを起用する
  • ターゲットを絞って動画作成やライブ配信を行う
  • TikTokオーガニック感がある広告を活用する

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

インフルエンサーを起用する

TikTokを活用したEC運用を行う際は、インフルエンサーを起用するのがおすすめです。インフルエンサーとは、SNSや動画サイトにて影響力を持つ人を指します。

知名度の高いインフルエンサーを動画や広告に起用すると、より多くの人に商品を知ってもらいやすくなります。インフルエンサーのファンは「この人がおすすめするなら買ってみよう」となり、商品の周知だけでなく、売り上げ向上も期待できるのがメリットです。

動画や広告に起用するインフルエンサーを選ぶ際は、商品のターゲットと属性が似ている人がおすすめです。たとえば、プロテインなら筋トレ情報を発信している人、コスメならターゲットに合わせた女性インフルエンサーなどがあげられます。

ターゲットを絞って動画作成やライブ配信を行う

動画作成やライブ配信を行う際は、売りたい商品のターゲット層に合わせた企画を行いましょう。広告を配信する場合は、「ターゲティング」と呼ばれる機能を使うのがおすすめです。

ターゲティング機能は、主に4つの種類に分けられます。

機能特徴
デモグラフィック年齢・性別・地域・言語の項目を設定できる
ユーザーリストカスタムオーディエンス:今まで接触したことがあるユーザーに対して動画を配信する機能

類似オーディエンス:カスタムオーディエンスを基に類似したユーザーにも広告配信をする機能

興味&行動ユーザーのアプリ内での行動をもとに興味関心をターゲティングできる機能
デバイスユーザーが使っているデバイス(iOSやAndroidなど)の条件を指定してターゲティングできる機能

このようなターゲティング機能を活用し、自社の商品やサービスに合ったターゲット層にアプローチすることが大切です。

TikTokオーガニック感がある広告を活用する

TikTokでは、ユーザーが見て「面白い」「欲しくなる」など興味関心を惹きつけられる動画や配信を行うことが大切です。TikTokユーザーによる素人感があるオーガニック投稿は好まれやすい傾向にあります。

また拡散やクリックされやすい動画の特徴として、最初の6秒間の視聴率が高いとCTRが高くなる傾向にあります。CTRとは、ユーザーが表示されたコンテンツをクリックした割合の指標です。

他にもTikTokの動画作成において大切なポイントは、下記の通りです。

  • 縦型フォーマット
  • 人が実際に話しているナレーション
  • 動画の始めから人物を登場させる
  • 商品の価格を表示する
  • 数量限定・期間限定など限定要素を組み込む

「TikTok Shop」の種類

「TikTok Shop」には、下記の3種類があります。

  • LIVE Shopping
  • Shoppable Videos
  • Product Showcase

日本ではまだ実装されていませんが、ECサイトとの連携も始まっており、近いうちに実装される可能性も十分にあります。実装された際には素早く利用できるよう、「TikTok Shop」の種類について詳しく理解しておきましょう。

LIVE Shopping

1つ目は、LIVE Shoppingです。LIVE Shoppingは、ライブ配信を活用して顧客に商品の販売を促進できる機能です。商品の魅力や使い方を説明しながら、リアルタイムに顧客からの質問や要望に答えられます。動画よりもユーザーのニーズに合わせて紹介できるのがメリットです。

LIVE Shoppingで紹介した商品は、配信画面に表示されている商品ページまたはショッピングアイコンをタップすると購入できます。

Shoppable Videos

Shoppable videosは、商品の紹介動画を投稿し、顧客の販売を促進する販売方法です。ユーザーのニーズを汲み取り、わかりやすい動画を作成することで、接客をせずとも商品やサービスを販売することが可能です。動画を表示させるターゲットを絞り込んで配信することで、より効率的に売り上げを伸ばせるでしょう。

LIVE Shoppingと同様に、ショッピングアイコンをタップすることで、簡単に商品を購入できます。

Product Showcase

Product showcaseは、自身のアカウントページにショッピングタブを設定できる機能です。イメージとしては、アカウントページがECサイトのようになり、そこから商品を購入できるようになります。自社商品以外もショッピングタブを設けられるため、アフィリエイターが企業の商品を紹介することも可能です。

商品のターゲット層に合ったインフルエンサーに紹介してもらうことで、自社ページだけで運用するよりも効率的に売り上げ向上をめざせるでしょう。

「TikTok Shop」に期待できる効果

「TikTok Shop」機能を上手く活用すると、自社ECサイトやECモールのみの運用よりも多くの効果を期待できます。「TikTok Shop」に期待できる主な効果としては、下記があげられます。

  • 音声や映像を使うことで、より商品を購入してもらいやすい
  • 動画広告にショッピングページを表示させておけば、接客せずに購入してもらいやすい
  • 商品やサービスの魅力をわかりやすく伝えられる

「TikTok Shop」の魅力は、音声や映像を使える点です。テキストや画像のみの紹介よりも、使い方や魅力が伝わりやすく、購入してもらいやすくなります。

「TikTok Shop」を始める手順

「TikTok Shop」はまだ日本では実装されていませんが、実装された際には素早く利用できるよう、始め方の手順を知っておきましょう。

  1. Seller Centerにアクセスし、TikTokショップアカウントを作成する
  2. ショップに商品を追加する(オンラインストアと同期することも可能)
  3. TikTokアカウントをリンクする

販売促進や集客のために広告を出す場合には、「TikTok for Business」の広告アカウント作成が必要です。あらかじめ作成しておくことをおすすめします。

まとめ

2024年10月時点では、日本版TikTokにEC機能は搭載されていません。ただし、TikTokのEC機能は使えないものの、TikTok広告を活用したり、ビジネスアカウントに商品リンクを貼ったりしたりとECサイトの販促に活用することは可能です。

また、いくつかのECサイトではTikTokとの連携が開始されているため、近々実装される可能性も十分にあります。実装されたときに備え、「TikTok Shop」の始め方を知っておくと良いでしょう。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革、その取り組みとは?

1 year ago

紳士服などを展開するタカキューが、事業再生に向けてECビジネスの大改革に着手する。EC専用新ブランドを投下するほか、EC物流の最適化を図っていく。

タカキューでは2022年2月期会計年度末に債務超過に陥り、上場廃止基準に係る猶予期間入り銘柄となっていた。2025年2月期会計年度末に純資産が10億7500百万円となり、上場維持基準(純資産基準)に適合する見込みに。事業再生へ向けて「2025年我社は変わる」をスローガンに掲げ、EC施策の強化など再成長に向けた取り組みを進めていく。

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革
「ECが変わる」も掲げEC強化を図っていく(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

今秋からEC専用ブランド「DRAW」をスタート

タカキューは商品設計、廉価な価格帯で同質化した各ブランドを再定義する。ターゲットペルソナ・価格帯・テイストを明確に区別し、ブランドをポートフォリオ化。そのなかで、EC専用の新規ブランドも追加する。

計画するEC専用新ブランドの名称は「DRAW」。2025年春夏シーズンから広告し、秋冬シーズンに新規展開する予定。顧客層の拡大も狙いZ世代を中心としたメンズ・レディース・ジェンダーレスなカテゴリーで展開する。ファッション好きをターゲットに向けたカジュアルスタイルとした。

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革
EC専用ブランドを今秋から展開予定(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

配送回数が多かったEC物流を改革

再成長に向けた実施施策に、EC物流の最適化を掲げた。従前はEC物流が最適化されていなかったため、物流センター・EC倉庫・実店舗の間で二重三重の配送が発生。店舗在庫から配送する場合、顧客に商品が届くまで配送が2〜4回発生するケースがあったという。EC商品については今後、EC倉庫からの直送に切り替え、配送費の大幅削減をめざす。2025年6月には完全移行する予定だ。

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革
EC物流も25年6月に新体制へ移行させる(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

表示アルゴリズム変更などECサイト改善にも着手

ECサイト関連ではサイト改善などにも着手する。すでにECサイトの商品表示アルゴリズムの変更を実施。カテゴリーページの商品並び順を「新着順」から「おすすめ順(売上高の高い順)」に変更したところ、翌週には主要4品種で売り上げが前年比47%%増、全体で同20%増を達成したという。

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革
商品表示アルゴリズムを変更し成果を出した(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

レビュー機能も充実させる。自社サイトに購入した商品の評価、コメント機能をリリース。レビューを増やすことで購入率の増加を図る。

「我社は変わる」。紳士服などのタカキューが事業再生に向けてECビジネスを大改革
レビュー機能を拡充し購入率の増加を図る(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

SEO対策も強化する。Hタグの構成を変更し検索結果の改善につなげたほか、訴求するキーワードからの記事を月2本/年24本作成するなどコンテンツを充実させる。

全体施策として、会員制度の変更を実施。値引割引を大幅に減らす一方で、ポイント制度を充実させる。頻発していたセール期間を縮小しするなど、大幅に変更するという。

鳥栖 剛
確認済み
33 分 49 秒 ago
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