ネットショップ担当者フォーラム

あなたのビジネスは大丈夫? 「モンシュシュ」「無印良品」の事例に学ぶ商標権の重要性とリスク管理のポイント | 現役弁理士が解説する通販・ECのための“わかる”「商標権」「意匠権」

9ヶ月 2 週間 ago
ECサイトにおける商標の重要性とリスク管理のポイントを、商標権侵害の事例「モンシュシュ事件」「無印良品の中国事例」から学びましょう。

サイト名やサービス名、ロゴマークなど、ユーザーが見た瞬間に「これはあのブランドだ!」と気づいてくれるブランド力があると、リピート率の向上につながり、長期的な売り上げの醸成につながります。もし、ブランドを想起させるサイト名などが、「他社に模倣された」「他社に商標を登録された」といった場合、どうなるでしょうか? ブランド力を毀損(きそん)させられるリスクが発生しますよね。商標事件「モンシュシュ事件」「無印良品の中国事例」から、EC運営における商標の必要性、リスク管理のポイントを解説します。

1. モンシュシュ(Mon Chou Chou)事件:ブランド名とドメインの商標無断使用

1-1. 事件の概要

「堂島ロール」で知られる洋菓子店Moncher(モンシェール)はかつて、「Mon Chou Chou(モンシュシュ)」という社名でした。ところが、その「Mon Chou Chou」は、神戸の老舗菓子メーカーであるゴンチャロフ製菓が先に商標登録していたのです。

結果的に「商標権侵害」という争いに発展、裁判所はモンシュシュの商標無断使用を認めました。これにより、旧モンシュシュ社は会社名を「モンシェール」に変更せざるを得なくなりました。

また、この争いではドメイン名も問題になりました。ドメイン名は一般的に、商標の使用ではないと考えられており、商標無断使用の対象にはなりません。しかし、旧モンシュシュ社がECサイトや広告で使用していたドメイン「mon-chouchou.com」について裁判所は、「単なるURL」ではなく「商品の出所を示す商標的な使用」とみなし、商標権侵害(無断使用)と認定しました。

これにより、ドメイン名も商標権侵害の対象となる可能性があるということが示されました。

商標を登録していないと発生する問題例
商標を登録していないと発生する問題例(画像は特許庁の「事例から学ぶ商標活用ガイド2024」から編集部がキャプチャ)

1-2. 事件のポイント

早期の商標調査と商標出願(申請)が大切

どんなに商品名やブランド名に愛着があっても、他社が先に商標を登録していれば、その商品名やブランド名を使い続けることはできなくなります

ちなみに、商標登録は、自分が先に使用していても、別の誰かが先に申請すると登録されてしまうことがあります(これを「先の登録」が優先される「先願主義」と呼びます)。

ドメインや社名の使い方も注意

ECサイトではドメインを広告やパッケージに印刷することも多いですが、消費者にとって「ブランド名」と同じくらい認知される可能性があります。

モンシュシュ社の場合、紙袋などにも「mon-chouchou」の文字を入れていたことも商標権侵害の大きな理由となりました。これは、広告機能があり、ECサイトなどで販売している商品の出所を示す機能があるとし、裁判所は商標を侵害していると判断したのです。

モンシュシュ社は、せっかく認知を獲得できた名称を変更しなければいけなくなり、包装紙や看板、ECサイトなどをすべて作り直す必要も生じたと推察されます。他社の商標登録により、ブランド変更を余儀なくされ、大きな損失を被ったという事例です。

2. 無印良品の中国商標問題:海外展開の落とし穴

2-1. 事例の概要

日本で大人気の「無印良品」(運営は良品計画)。中国市場に進出した際、「無印良品」に似た商標(中国語の商標)を別企業が先に取得しており、中国で訴訟になった事件です。この事件でも「先願主義」により、良品計画が中国企業に損害賠償を支払うことになりました

2-2. 事件のポイント

海外での商標

商標は国ごとに商標法があり、国ごとのルールで運用されています(属地主義と言います)。日本の商標法と同じルールもあれば、異なるルールの国もあるので、国ごとに商標について検討することが重要です。

また、中国に限らず、海外では有名ブランドを先に登録しておいて、あとから高額で売りつけようとする「トロール」行為があります(日本でもベストライセンスによるPPAPの商標出願は話題になりました)ので、注意が必要です。

知名度と商標取得は別物

いくら日本で有名でも、「先に登録した人が勝ち」が商標権の一般的ルール(先願主義)です。ECサイトで越境EC販売を検討するなら、ターゲットとなる主要国や主要ドメインの商標登録を視野に入れておきたいところです。

3. EC運営者が押さえておきたい「商標」の基礎と活用

3-1. 商標権とは?

商標権は、商品名やロゴマークといった「ブランド要素」を法的に守るための権利です。

商標権を持っていれば、同じ名前やマークのほか、それに似た(類似した)名前やマークを他社に無断で使用されることを防ぐことができます。ちなみに、文字列や図形だけでなく、音や色、匂いも登録の対象になることがあります。

商標の効果・商標権の効果
商標の効果・商標権の効果(画像は特許庁の「事例から学ぶ商標活用ガイド2024」から編集部がキャプチャ)

3-2. 指定商品・指定役務をチェック

商標権は「指定商品(役務)」というカテゴリとセットで登録されます。これは商標を何に使うかを限定するものです。

たとえばお菓子やアパレル、機械部品など用途が異なれば、同じ名前でも登録が許される場合があります。

モンシュシュ事件では、ゴンチャロフ製菓が「Mon Chou Chou」を「菓子」分野で登録していました。そのため、堂島ロールのような「菓子」分野での名称の使用ができなくなったのです。

3-3. 商標の「守り」と「攻め」

守り(リスク回避)

まず、自社のブランド名が先に他社に登録されていないか調べ、早めに必要な商標を出願しましょう。商標登録ができれば、他社が使用することを止めさせるだけでなく、他社が登録することも防止できます。ドメインやSNSアカウントも含めて商標の調査や出願をしたいところです。

攻め(ビジネス活用)

取得した商標をライセンス展開やコラボ企画に生かすことができます。さらに、商標権の重要性の認識は高まっており、Amazonや楽天市場などの大手プラットフォームでは、模倣品に対する削除依頼や警告などをプラットフォーム内でできるようになっています。

商標権取得までの流れ
商標権取得までの流れ(画像は特許庁の「事例から学ぶ商標活用ガイド2024」から編集部がキャプチャ)

4. トラブルを未然に防ぐためのステップ

ブランド名・ドメイン名の事前調査

次のような国内、海外の商標登録の状況を調べるプラットフォームを活用してください

  • 特許情報プラットフォーム「J-PlatPat
  • WIPO(World Intellectual Property Organization、世界知的所有権機関)の「Global Brand Database

まずは、既に類似の商標が登録されていないかチェックしましょう。いったんブランドが大きく育ってからの変更は、とてつもない時間と費用を要します。

海外も含めた出願

商標登録をすれば、他社の商標の使用を止めさせられるだけでなく、他社が同じ商標登録をできないことになります。このルールは基本的に海外でも同様で、越境ECを検討する場合は、ターゲットとする国で事前に商標登録を検討することをお勧めします

海外での商標保護について、マドプロ出願という方法がある。、英語で作成した1通の出願書類を日本の特許庁に提出することにより、複数の国に一括して出願した効果を得ることができる出願方法
海外での商標保護について、マドプロ出願という方法がある。、英語で作成した1通の出願書類を日本の特許庁に提出することにより、複数の国に一括して出願した効果を得ることができる出願方法(画像は特許庁の「事例から学ぶ商標活用ガイド2024」から編集部がキャプチャ)

継続的なモニタリング

商標を取って終わりではありません。似たような商標が使われていないか、模倣サイトが出ていないか、定期的に確認しましょう。早めの発見は模倣による被害を最小限に抑えることができます。

5. まとめ:ブランド価値を高めるための「商標戦略」

ECサイト運営において、ブランドは最大の資産といっても過言ではありません。ユーザーに「ここで買えば安心」「このブランドだから欲しい」と思ってもらえれば、リピート購入や口コミが自然に増えていきます。

しかし、そんなブランドも、法的な保護が不十分だと、突然の名称変更を強いられたり、海外で自由に使えなかったりといったリスクが発生してしまいます

ECサイトではドメインやサイト名、パッケージ、SNSなどあらゆる接点がブランディングの場となります。それらを適切に保護できるように商標戦略をブランド構築に組み込むことが重要です。ブランドを「守る」だけでなく、ライセンスやコラボなど「攻め」にも生かせば、リスクを抑えつつビジネスチャンスを大きく広げることができます。

「商標調査」「商標登録」といったキーワードを意識しながら、ぜひ自社ブランドを守り、さらに飛躍させるための一歩を踏み出してください。

山本 英彦
株式会社How to Use

2025年度の「賃上げ」は企業の85%が予定。中小企業で賃上げ率「6%以上」は約9%

9ヶ月 2 週間 ago

東京商工リサーチが実施した賃上げに関する企業アンケートによると、2025年度に約85%の企業が賃上げを予定していることがわかった。中小企業で賃上げの引き上げ率「6%以上」を見込む企業は約9%にとどまっている。有効回答は5467社で、調査期間は2025年2月3日~10日。

2025年度に賃上げを実施するかどうかを聞いたところ、「実施する」と回答した企業は85.2%。2024年度の84.2%を1.0ポイント上回り、東京商工リサーチが調査を開始した2016年度以降で最高を更新する見込み。

賃上げの動向(年度推移)
賃上げの動向(年度推移)

企業規模別では、「実施する」は大企業が92.8%(378社中、351社)と9割を超えたが、中小企業は84.6%(4900社中、4147社)にとどまり、8.2ポイントの差が開いた。

2025年度に賃上げを実施するか
2025年度に賃上げを実施するか

賃上げを「実施する」と回答した企業に対し、賃上げ率(全体)は2024年度と比較してどの程度を予定しているかを聞いたところ、全体で「5%以上」と回答した企業は36.4%(875社)、中小企業で「6%以上」と回答した企業は9.1%(2251社中、205社)だった。

日本労働組合総連合会(連合)は2025年の春闘方針で賃上げ率を、全体で「5%以上」、中小企業は「6%以上」と掲げている。この結果を見ると、中小企業が6%を達成するハードルは高いと見られる。

全体では、レンジ別の最多は「3%以上4%未満」の28.7%(692社)。「5%以上6%未満」が27.4%(659社)、「2%以上3%未満」が15.8%(381社)で続いた。

前年度比の賃上げ率
前年度比の賃上げ率

2025年度に賃上げを「実施する」と回答した企業を対象に、向こう5年先まで見通した場合、毎年の賃上げを実施できそうか聞いたところ、全企業で最も多かったのは「毎年実施できるか不透明」で29.3%(4292社中、1258社)。次点は「おそらく(60%程度)毎年実施できる」で28.8%(1237社)となっている。「毎年実施するのは難しい」と回答した企業は5.3%(228社)だった。

向こう5年先まで見通した場合、毎年の賃上げを実施できそうか
向こう5年先まで見通した場合、毎年の賃上げを実施できそうか

2025年度に賃上げを「実施する」と回答した企業に、賃上げする理由を聞いたところ、最も多かったのは「従業員の離職防止」で78.0%(3,359社)だった。続いて、「物価高への対応」が71.7%(3087社)、「新規採用を円滑にするため」が50.1%(2159社)となっている。「業績向上分の還元」は33.3%(1435社)、「業績見通しの好転」は7.6%(328社)だった。

「新規採用を円滑にするため」は大企業が72.1%(337社中、243社)で、中小企業の48.3%(3966社中、1916社)を23.8ポイント上回った。

賃上げする理由(企業規模別)
賃上げする理由(企業規模別)

「従業員の離職防止」を理由にあげた企業を産業別に見ると、「2024年問題」などでドライバー不足が深刻な運輸業は87.2%(173社中、151社)と突出した。

賃上げする理由(業種別)
賃上げする理由(業種別)

2025年度に賃上げを「実施しない」と回答した企業に理由を聞いたところ、「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰している」が49.5%(350社)で最も多かった。

企業規模別で見ると、「受注の先行きに不安」は、中小企業が45.6%(683社中、312社)で、大企業の17.3%(23社中、4社)を28.3ポイント上回った。「増員を優先」は、大企業が26.0%(6社)で、中小企業の9.8%(67社)を16.2ポイント上回った。

2025年度に賃上げを実施しない理由
2025年度に賃上げを実施しない理由

賃上げ実施状況別に、コスト高騰分の価格転嫁割合を聞いたところ、「価格転嫁できていない」の構成比は、賃上げを実施する企業では17.3%(2365社中、411社)、賃上げを実施しない企業では36.4%(422社中、154社)となっている。

価格を転嫁できた企業の転嫁割合は、賃上げを実施する企業では「1割」が最も多く、26.5%(629社)だった。次いで「5割」が13.0%(309社)となっている。すべて価格転嫁ができた「10割」は5.4%(130社)だった。

賃上げを実施しない企業では、「1割」が30.8%(130社)、次いで「2割」が8.7%(37社)、「5割」が6.6%(28社)となっている。

賃上げ実施企業、賃上げ非実施企業における価格転嫁の割合(前年度比)
賃上げ実施企業、賃上げ非実施企業における価格転嫁の割合(前年度比)

賃上げを実施するうえで必要なことを複数回答で聞いたところ、最多は、「製品・サービス単価の値上げ」の70.5%(5467社中、3,856社)。これに続いて、「製品・サービスの受注拡大」の59.9%(3275社)、「従業員教育による生産性向上」の47.9%(2621社)となっている。

企業規模別では、「従業員教育による生産性向上」が大企業58.8%(420社中、247社)に対し、中小企業47.0%(5047社中、2,374社)で11.8ポイント、「設備投資による生産性向上」が大企業35.4%(149社)に対し、中小企業24.2%(1226社)で11.2ポイントの差がついた。大企業ほど生産性向上で賃上げ原資の捻出をめざす傾向が強い。

賃上げを実施するうえで必要なこと(企業規模別)
賃上げを実施するうえで必要なこと(企業規模別)

小売業では、「製品・サービス単価の値上げ」を回答した企業が最も多く、65.7%(280社中、184社)だった。これに続いて、「製品・サービスの受注拡大」が55.3%(155社)、「従業員教育による生産性向上」が48.2%(135社)だった。

賃上げを実施するうえで必要なこと(産業別)
賃上げを実施するうえで必要なこと(産業別)

調査の回答企業は5467社で、調査期間は2月3日~10日。東京商工リサーチは「定期昇給」「ベースアップ」「賞与(一時金)」「新卒者の初任給の増額」「再雇用者の賃金の増額」を賃上げと定義して調査した。また、資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満を「中小企業」と定義している。

高野 真維

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、ポイントを多く付与するお得な購入日を生成AI活用で提案する機能のβ版を提供

9ヶ月 2 週間 ago

LINEヤフーは「Yahoo!ショッピング」で、ポイントを多く付与するお得な購入日を生成AIで提案する機能のβ版の提供を始めた。

ユーザーが商品画面上に表示される専用ボタンを押すと、直近7日以内でお得な購入日を生成AIが提案する仕組み。グループ横断の会員プログラム「LYPプレミアム」会員であるかどうか、購入を検討している商品カテゴリーに基づいてお得な日を分析し、ユーザー1人ひとりに適したお得な購入日を案内する。

機能のイメージ。生成AIがユーザーごとに提案する
機能のイメージ。生成AIがユーザーごとに提案する

従前も、商品ページ上で購入時のポイント付与率などを表示していたが、今回の機能を活用することで、ユーザーはこれまで以上に効率的にお得な日を逃さず買い物ができるという。

「Yahoo!ショッピング」では、支払い方法などの条件を満たせば、毎日誰でも5%、「LYPプレミアム会員」なら7%の「PayPayポイント(期間限定)」が付与されるキャンペーンや、曜日や季節ごとの限定企画やクーポンの配布などを実施している。

高野 真維

脱・広告依存のマーケティングで、EC売上30%増に成功。「資さんうどん」の通販課課長に聞くEC戦略

9ヶ月 2 週間 ago
「資さんうどん」で知られる資さん。2023年7月に通販課課長に就任した朝長氏は、既存商品の改良、新商品の開発、従前のマーケティングの改善まで、EC販路をさまざまな角度から改革している。これまでの取り組みを朝長氏に聞く

北九州発祥のうどんチェーン店「資(すけ)さんうどん」を運営する資(すけ)さんは、オンラインでは自社ECサイト「資さんストア」や大手ECモールのEC販路を展開している。2024年10月からはすかいらーくグループの傘下となった。「資さんうどん」のファンが多く利用する「資さんストア」では、従前と比べて広告出稿を控えたにもかかわらずEC売上が前年比30%増加しているという。EC事業の指揮をとるのは、マーケティング部 通販課課長の朝長慎也氏。資さんのEC販路で成功につながった転換や、ヒットにつながった商品開発の舞台裏など、数々の取り組みを聞く。

未経験から通販課課長に就任。商品開発、マーケティングの両方で好実績

――資さんの事業規模、EC事業の推移や足元の動きについて教えてほしい。

朝長慎也氏(以下、朝長氏)資さん全体の売上高は152億円で、ECのシェアはまだ1パーセント以下。ECの新規顧客獲得やリピーター育成にはまだまだ伸びしろがあると見ている。

「資さんストア」で取り扱っている商品の一例
「資さんストア」で取り扱っている商品の一例

――EC事業における自身の役割、担当業務は。

朝長氏ECサイトの運営、マーケティングの他、施策立案や商品開発を担っている。ちなみに略歴は、資さんに中途入社。入社以前は、飲食店の店舗スタッフとして長く働いていた。資さんに中途入社するまではECの運用経験は全くなかった。

資さんの既存社員は中途入社の私を快く受け入れてくれた。ただ、ECのノウハウが自分になかったので入社当時は大変だった。その課題を解消するため、EC専門用語の習得といった勉強、実践からマーケティングノウハウを吸収し、現場で積み上げてきた

――EC事業における自身のチャレンジを教えてほしい。

朝長氏既存商品の仕様変更、主力商品のEC向け商品の開発、顧客獲得・売上アップに向けたマーケティング方法を従前のやり方から変えたことだ。

既存商品の仕様変更について、つゆを濃縮つゆに変更した例を説明したい。濃縮に変更したことでつゆのサイズを小さくでき、商品そのもののサイズを縮小。お客さまの家庭で保存いただく際、冷凍庫に占めるスペースの削減、利便性向上、製作リソースの圧縮につながったりしている。

このほか、主要商品である「肉ごぼ天うどん」をEC向けに商品化し、2024年5月から販売をスタート。ECでの広告出稿を取りやめる一方、情報発信を強化して興味を持つユーザーにアプローチする取り組みを始めた。

店舗で人気ナンバー1の「肉ごぼ天うどん」を待望のEC商品化

――「肉ごぼ天うどん」は、店舗「資さんうどん」で人気ナンバー1のメニュー。EC向けの商品を開発するにあたり、店舗に劣らない味を追求するのは苦労があったのではないか。

朝長氏:大変だった。お客さまからは「肉ごぼ天うどん」を「資さんストア」で販売してほしいという期待の声が多くあり、商品化へ向けて開発が重ねてきた。しかし、「ごぼ天」の特徴である食感やサクサク感などの再現が難しく、社内からは「店舗と同じ味わいを再現できない限り商品化は難しい」という意見が多かった。

パートナー企業との協働の末、「資さんうどん」ファンのお客さまが家庭でも「肉ごぼ天うどん」を味わえる商品開発に成功。加熱することで食すことができる冷凍食品としてECでは販売している。ECの「肉ごぼ天うどん」は、うどん麺、ごぼ天、濃縮のうどんつゆ、肉うどんの具を封入した商品。店舗と同様にECでも「肉ごぼ天うどん」が人気NO.1の商品となっている。

家庭で「肉ごぼ天うどん」を作れる冷凍商品をECで販売。「資さんストア」では3人前入り3590円 (税込)、5人前入り4940円 (同)を展開
家庭で「肉ごぼ天うどん」を作れる冷凍商品をECで販売。「資さんストア」では3人前入り3590円 (税込)、5人前入り4940円 (同)を展開

脱・広告依存のマーケティングで前期比30%増の実績

――マーケティング方法の変更とは。

朝長氏広告に頼らないマーケティングをめざすため、プレスリリースやSNSの配信など情報発信を強化した。特にLINEの開封率は高い。LINE公式アカウントのフォロワーは約65万人(2024年9月末現在)。ゆくゆくは通販専用のLINEアカウントを新設する予定だ。

私が通販課課長に就任する以前はあまり行ってこなかったが、ECでのキャンペーンは月に1度のペースで開催。キャンペーンの告知はXの公式アカウントなどで実施している。

資さんが展開しているキャンペーンの一例
資さんが展開しているキャンペーンの一例

従前は、ECの新規獲得は「楽天市場」などECモールへの出稿を主としていた。2023年7月に私が通販課課長に就任してからは、運用を見直し、こうした広告出稿をストップ。SNSなど、広告なしでファンに発信できる施策を強化してきた。2024年8月期のEC売上高は前期比30%増となっている。

店舗で培った経験をEC運営でも発揮

――EC以外の業務経験がECに生きているエピソードを教えてほしい。

朝長氏:ECは店舗と違ってお客さまの顔が見えないことが、店舗経験が長かった自分にとって最初のハードルだった。ECサイトのUI・UX向上においては、店舗での接客経験を思い返しながら、顧客満足度の高いサイト作りをめざしている。

店舗もECも、最も大切なのは接客。ECの商品詳細ページは、店舗に置き換えると接客に該当する。店舗で接客をするときと同じように「わかりやすく、丁寧に」を心がけ、「注文したくなるくらい商品がおいしそうに見えるか」を重視している。同じように考えると、ECにおける購入確定までの工数は、店舗でいうと商品を注文するまでのプロセスに該当する。

松原 沙甫

SEO施策の盲点かも? 今こそ見直したい「4つの内部施策」【2/26講演】

9ヶ月 3 週間 ago
「デジタルマーケターズサミット 2025 Winter」のKA2-8 江沢さんの講演内容をちょい見せします。

デジタルマーケターズサミット 2025 Winter」を2月25日(火)、2月26日(水)に開催します。

全28講演をすべて【無料】で視聴できます。全28講演のなかから、人気講演の江沢さんの講演をちょっと見せ!します。

コンテンツだけがSEOじゃない! 

SEOはコンテンツだけでなく、まずサイトの基盤を整える内部施策やテクニカル施策が非常に重要です。

特に昨今のSEOでは、ユーザー行動が重視されており、ユーザーにとって使いやすいサイトにするためにはサイト構造やカテゴリ、スマホ画面の最適化などが欠かせません。また、インデックス率の向上やJavaScriptなど注意が必要なテクニカル要件もあります。

江沢さんの講演スライド一部抜粋

江沢さんの講演では、SEOの基本となる次の4つの施策に焦点を当て、今の時代にやるべき重要なポイントを紹介してもらいます。講演の中身をちょい見せ!

  • サイト構造: 「キーワードの漏れやカニバリがないか」などのチェックリストを元にしながら、詳細に見ていきます。

  • スマホ画面: ヒートマップやGA4のデータを使いながらユーザーが使いやすいUI設計になっているかの検証をします。

  • カテゴリ設計: キーワード調査やコラムも適切なカテゴリ分類にするのが大事です。

  • テクニカル要件: ページやコンテンツがGoogleに認識されているかの確認をしていきます。

江沢さんの講演スライド一部抜粋

昨今は、Googleの検索エンジンにAIによる要約機能「AI Overview」が追加されています。これに対してもやはりオーガニック検索で評価されるサイトが有利な傾向にあります。「コンテンツSEOを中心にやってきた」という人は、この機会に内部施策の重要性を改めて学んでみませんか? 

四谷

「コンテンツSEOがSEOだ」と言われる昨今の風潮に、「『ちょっと待て!』と言いたい」と思い、江沢さんにSEOの内部施策の講演を依頼しました。

今回、初講演となり資料も新しく作っていただきました!(ありがとうございます泣)

内部施策(テクニカルSEO)は大変だから…と敬遠されがちです。確かに、大変な部分や大掛かりな部分もありますが、担当者が自分で検証できるところもあります。

ゼロクリックも増加してて、PV取るのが大変…と多くの担当者が感じているはずなので、江沢さんの講演を聞いて内部施策にもトライしてみてください。

デジマ関連のセミナーはたくさんあれど、テクニカルSEOの講演をやるのは、Web担だけのはず。ぜひご視聴ください!

江沢さんの講演は、次の通り。ぜひ、ご参加ください。

コンテンツだけがSEOじゃない! 内部施策4つの基本と今やるべきこと
2月26日(水)16:35~17:20
講師:江沢 真紀 氏(アユダンテ株式会社) 

その他のイベント詳細は以下の画像をクリックして確認してください。

Web担当者Forum

ECプラットフォーム「futureshop」とクラウドPOSレジ「スマレジ」が連携、実現舗とECの在庫を一元管理

9ヶ月 3 週間 ago

ECプラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップとクラウドPOSレジシステム「スマレジ」のスマレジは2月21日、実店舗とECの在庫一元管理を実現するためのサービス連携を開始した。

「スマレジ」側(クラウドPOSレジ)の在庫が変動すると在庫数を「futureshop」側(自社EC在庫)に自動反映。「futureshop」側(自社ECサイト)での受注も、スマレジに自動反映する。

ECプラットフォーム「futureshop」とクラウドPOSレジ「スマレジ」が連携、実現舗とECの在庫を一元管理
売上・在庫の一元管理のイメージ

「futureshop」と「スマレジ」を利用する事業者は、実店舗とECの販売・在庫情報をリアルタイムに同期できるようになる。売れ違いによる機会損失、在庫リスクなどを軽減し、効率的な在庫管理を実現する。

「スマレジ」「futureshop」間で新規会員登録を相互に連携、ポイントを合算して利用や獲得を相互に反映することもできる。主な連携機能は次の通り。

サービス利用料金は、アプリの月額利用料金のみ。ミニマムプランで5500、ベーシックプランは8800円、スタンダードは1万3200円。「スマレジ」「futureshop」側での追加費用は発生しない。

ECプラットフォーム「futureshop」とクラウドPOSレジ「スマレジ」が連携、実現舗とECの在庫を一元管理
利用料金プラン

 

瀧川 正実

通販・ECの行政処分、4案件中3件が最終確認画面における表示義務違反【消費者庁の特商法執行状況】

9ヶ月 3 週間 ago

消費者庁が2024年5月から12月末までの8か月間を対象期間として公表した、特定商取引法の執行状況、処分内容によると、通販分野では行政処分(指示、業務停止命令および業務禁止命令)を4案件実施している。そのうち3案件については、いわゆる最終確認画面における表示義務違反を含む事案となっている。

行政処分を受けた4つの事業者とその事案は次の通り。最終確認画面における表示義務違反を犯したのは、SUNSIRI(サンシリ)、Happy Life Bio(ハッピーライフバイオ)、VERIFY(ベリファイ)となっている。

SUNSIRI

行政処分の対象となったのは「ケシミシワ」と称する美容クリーム。2024年5月22日から7月2日までの期間、効能について広告した際、しみやしわが消すことができるような表示を行っていた。根拠を示す資料の提出を求めたところ、合理的な根拠を示す資料とは認められなかった。

さらに、定期継続の解除に関する事項において、最終確認画面における表示を行っていなかった。

消費者庁は指示、業務停止命令3か月、代表取締役に業務禁止命令3か月を命じた。

Happy Life Bio

行政処分の対象となったのは「ハダキララ」と称する美容液。2024年5月22日から7月9日、「ハダキララ」の販売条件について広告した際、効能・効果の合理的根拠を示す資料の提出を求めたが、提出された資料は根拠を示すものとは認められなかった。

さらに、チャットボットページ上で定期購入契約の申し込みを受けた際、映像面の画面において売買契約の解除に関する一部事項しか表示していなかった。

消費者庁は、指示、業務停止命令9か月、代表取締役に業務禁止命令9か月を命じた。

マーキュリー

行政処分の対象となったのは「o-dent Clear White」(オーデントクリアホワイト)と称する薬用歯磨き。2024年1月13日から3月26日、2024年2月27日から7月9日までの期間、「o-dent Clear White」の販売条件を広告した際、効能に関する合理的根拠の提出を求めたところ、マーキュリーは資料を提出しなかった。消費者庁は、指示、業務停止命令3か月、代表取締役に業務禁止命令3か月を命じた。

VERIFY

行政処分の対象となったのは、「白雪若肌 スノースキン ラグジュアリークリーム」と称する美容クリーム。2024年7月23~29日までの期間、この美容クリームの効能について広告した際、効能・効果について合理的根拠を示す資料の提出を求めたところ、提出された資料は合理的根拠を示す資料とは認められなかった。また、販売条件について広告したとき、定期購入契約ではないかのような表示を行っていた。

さらに、チャットボットページ上で本件定期購入契約の特定申込みを受けた際、映像面で契約に基づく表示や契約解除の方法を明示していなかった。

消費者庁は、指示、業務停止命令6か月、代表取締役に業務禁止命令6か月を命じた。

行政指導は6案件。うち3案件は連絡の取れない電話番号を表記

消費者庁は2024年5月から12月末までの8か月間で、行政指導も6案件実施。このうち、電話で解約を受け付けているにもかかわらず、広告に確実に連絡が取れる電話番号を表示していなかった事業者に対する行政指導は3案件だった。

契約の申込み前の最終画面である旨の明記を提唱

2022年6月1日から施行されている改正特定商取引法では、「申し込み直前の画面に注文内容を表示」「注文内容や契約の申し込み手続きに関して、消費者を誤認させる表示の禁止」「申し込みの撤回や解約をさまたげる不実告知(嘘)の禁止」などが義務づけている。

消費者庁は、ECサイトの最終申込画面に「分量」「販売価格・対価」といった各契約事項を表示する義務を課す条項などの運用に関する「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」を通販事業者向けに公開している。

消費者庁が提唱する最終確認画面の一例(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)
消費者庁が提唱する最終確認画面の一例(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)
松原 沙甫

黒字転換をめざす千趣会の再生計画とは? 現状の経営課題+通販事業の抜本改革+新規事業の取り組みまとめ

9ヶ月 3 週間 ago

千趣会は2025年12月期から2027年12月期までの3年間を対象とした再生計画を発表した。2022年12月期から3期連続の営業赤字を計上している千趣会は、2026年12月期の営業黒字転換。2027年12月期には売上高500億円、16億円の営業黒字を計画する。

黒字転換をめざす千趣会の再生計画とは? 現状の経営課題+通販事業の抜本改革+新規事業の取り組みまとめ
再生計画の概要(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

現在抱えている経営課題は「不明瞭なターゲットとトレンド対応の弱いMD」「通販事業の強みを生かした事業拡大が不十分」「通販事業以外の収益基盤の不存在」。これに対して、通販事業の抜本改革、通販アセットを活用したビジネス拡大、新たな収益源の開発――といったアプローチで再建を進める。

黒字転換をめざす千趣会の再生計画とは? 現状の経営課題+通販事業の抜本改革+新規事業の取り組みまとめ
全社戦略(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

主力事業の通販事業「ベルメゾン」の抜本的な改革

幅広い世代をターゲットに多様な商品を展開してきたが「ベルメゾン」。近年は顧客のニーズが多様化、トレンドの変化が加速したことにより、新規顧客獲得コストの増加、売り上げの伸び悩みを抱えていた。

これまで1ブランド・マルチターゲットで展開してきた「ベルメゾン」を、世代別に3つの事業ドメインに再編。具体的には、「With Family(子育て世代)」「Around 50(団塊ジュニア世代)」「Grand Generation(シニア世代)」に分類。それぞれの世代に特化した商品開発、マーケティングを展開していく。

世代ニーズに合わせた商品や提案、マーケティングを実施し、最新トレンドを捉えた新商品の投入、新鮮で共感性の高い売り場作りを進める。

黒字転換をめざす千趣会の再生計画とは? 現状の経営課題+通販事業の抜本改革+新規事業の取り組みまとめ
通販事業の構造改革(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

特に注力するのが「Around 50(団塊ジュニア世代)」だ。「ベルメゾン」の売り上げを支える最大のボリュームゾーンであるこの世代に対しより深くフォーカスし、顧客ロイヤリティを高め収益拡大につなげる。

さらに、ECモールとの販売強化も進める。30歳代〜40歳代向け商品群を強化し、外部ECモールでも競争力のあるブランドへと育成することで、新たな顧客層を獲得していく。

コスト構造の見直しも重要な課題。世代別に最適なチャネル戦略を展開することで、注文獲得比を効率化。カタログのラインナップや配布方法を見直し、コールセンターや物流センターの合理化を進めることで、経費削減を実現する。

通販アセットを活用したビジネスの拡大

通販のアセットを活用したビジネスの強化・拡大も進める。

「ベルメゾン」で培った顧客基盤を生かした広告事業を強化する。「ベルメゾン」のターゲット層に合わせた広告メニューの見直しや新たな広告サービスモデルの開発を進めることで、広告収入の増加を図る。

また、株主優待事務局サービスの営業および運用の強化、継続的な物流受託先開拓といった「法人向けサービス」、既存の得意先との協業強化による「ギフト」の拡大なども進める。

新たな収益源の開発

子育て支援事業、エシカル推進事業、海外事業を強化する。

子育て支援事業では、通販事業と保育園などを掛け合わせたサービスを展開。各園の施設長と連携し、園児獲得活動、保護者、子育ての支援といった観点からさまざまなサービスを開発し、導入していく。

エシカル推進事業では、リユース事業を強化。古物商の許可を取得し、買取商品の再販を自社で内製化するほか、「kimawari宅配買取サービス」の有料版を開発し、循環型社会の実現に貢献していく。

海外事業では、中国以外への販売地域拡大と取り扱いジャンルの拡大を推進。千趣会商品のライセンス販売事業を海外展開するほか、日本発のIP商品の企画コラボを海外展開するなど、グローバル市場でのプレゼンスを高めていく。

◇◇◇

千趣会が2月13日に発表した2024年12月期連結業績によると、売上高は前期比7.4%減の456億円、当期純損失は39億5800万円(前期は47億8200万円の損失)だった。最終損失は3年連続。ただ、損益面は改善しており、2024年12月期の最終損失は前期と比べて11億2400万円縮小した。

2022年12月期に「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に重要な疑義を生じさせるような状況」が存在しているとして、決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象等」の注記を記載。2024年12月期もゴーイングコンサーンの注記が継続している。

瀧川 正実

利用しているQRコード決済上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」/千趣会とJR東日本が資本業務提携を解消【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

9ヶ月 3 週間 ago
2025年2月14日~2025年2月20日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 利用しているQRコード決済の上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」。普段利用している支払い方法トップは「現金」

    MMD研究所が実施した「2025年1月決済・金融サービスの利用動向調査」によると、普段利用している支払い方法の上位は「現金」「クレジットカード」「QR・バーコード決済」だった

    2025/2/17
  2. 千趣会とJR東日本、資本業務提携を解消

    千趣会とJR東日本の資本業務提携の解消は、経営環境の激変などを踏まえ、それぞれが独自の成長戦略を柔軟に推進できるようにするためとしている。

    2025/2/18
  3. 【2/18~24の大雪予報】ヤマト運輸、一部地域で荷物の配送に遅延が生じる可能性

    ヤマト運輸は荷物の配送について、「日数の余裕をもってご利用くださいますようお願い申し上げます」とアナウンスしている。

    2025/2/18
  4. 【楽天グループの2024年国内Eまとめ】流通総額は1.5%減の5兆9550億円。4四半期連続のマイナス成長から4Qでプラス転換

    楽天グループは、2025年以降の国内EC流通総額について、1ケタ半ばから後半をめざし、10兆円の目標達成に向けて成長を加速するとしている。

    2025/2/17
     
  5. 大雪による予防的通行止めで東日本⇔西日本間を発着する荷物の配送に遅延

    ヤマト運輸は、「今後の天候・道路状況次第では通行止めの可能性があり、お荷物のお届けに遅れが生じる場合がある」とアナウンスしている。

    2025/2/20
     
  6. 佐川急便の不在荷物を郵便局で受け取れるサービスを全国展開

    日本郵便と佐川急便は2023年から、東京都、中国エリア、四国エリア、九州エリアの一部エリアで受け取り拠点の共同化を展開してきた。それを全国に拡大する。

    2025/2/19
     
  7. 千趣会、3年連続の最終損失。通販事業の苦戦が続き売上高は7年で半減以上の規模に

    1000億円台を維持していたのは2017年12月期まで(1012億7900万円)。主力の通販事業の売上高はこの7年で5割以上減っている。

    2025/2/18
     
  8. 「ECは小コストで運営できる?」答えはNO! 売り上げを伸ばすための「認知&投資」が大事な理由と運用のヒントとは【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年1月18日~2月14日のニュース

    2025/2/18
     
  9. EC注文のキャンセル率は平均5.6%。“キャンセル落ち”ユーザーの約7割が再購入した事例もあるキャンセル対策、やってますか?

    日本でのECビジネスにおけるキャンセル比率の統計データは少ないが、海外では「配送に1週間以上かかる場合は38%が注文をキャンセルする」「配送に4~5日かかる場合は15%が注文をキャンセルする」といった調査結果もある。

    2025/2/14
     
  10. パルのアパレルブランド「DISCOAT」に学ぶ社内報の波及効果。「スタッフのモチベーション」「接客ノウハウ」の向上を実現する社内報作りとは

    マニュアルを作るばかりが人材の育成につながるとは限らない――。パルのアパレルブランド「DISCOAT」では、社内報を作成し、顧客の声や他店のスタッフの取り組みを紹介している。トップダウン型のマニュアルではなくても、社内報を通じて自然とスタッフのスキルアップや士気向上につながっている

    2025/2/17
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

「発送までに時間がかかる」と感じた4割が買い物を中止、その5割のユーザーが他のECサイトで商品を購入

9ヶ月 3 週間 ago

NEXERとバリューテクノロジーが共同で実施した「通販サイトの発送までの時間」についてのアンケート調査によると、約4割の回答者が発送までに時間がかかるという理由で商品購入をやめたことがあることがわかった。約半数が他のECサイトで購入している。

調査対象者は事前調査で「ECサイトを普段から利用している」と回答した全国の男女で回答数は819人。調査期間は2025年2月5日~10日。

ECサイトで買い物しようとした際、想定より発送までに時間がかかるという理由で買うのをやめた経験を聞いたところ、39.4%が「ある」と回答した。「ない」は60.6%。

想定より発送までに時間がかかるため、購入をやめた経験
想定より発送までに時間がかかるため、購入をやめた経験

「買うのを止めたことがある」と回答したユーザーにその後の行動を聞くと、約半数の50.2%が「他のECサイトで購入した」と回答。その理由は「早く届いてほしかった」、他のECサイトの方が販売価格が高くても「欲しいものは多少高くてもほしい」という意見があった。「買わなかった」は30.0%、「実店舗で買った」は17.6%だった。

購入をやめたあとに、とった行動
購入をやめたあとに、とった行動

発送までにかかる時間で絞り込みができたら便利だと思うか聞いたところ、「とても思う」(28.3%)、「やや思う」(44.7%)を合わせると73%が便利だと思うと回答している。回答者からは「急ぎで頼みたい時に便利」「楽に買い物できる」といった意見が寄せられた。

「あまり思わない」は22.3%、「まったく思わない」は4.6%だった。

発送までにかかる時間で絞り込みができたら便利だと思うか
発送までにかかる時間で絞り込みができたら便利だと思うか

商品が早く届くなら割高でもECサイトで購入するか聞いたところ、20.5%が「商品が早く届くなら割高でもECサイトで購入する」と回答。理由は「値段より速さを重視するから」「買いに行く手間が省けるから」などがあがった。

商品が早く届くとしても、割高ならECサイトで購入しないと答えたのは79.5%。その理由は「なるべくお得に買いたいから」「値段が高くなるならあきらめる」などだった。

商品が早く届くなら割高でもECサイトで購入するか
商品が早く届くなら割高でもECサイトで購入するか

調査概要

  • 調査手法:インターネットでのアンケート
  • 調査対象者:事前調査で「ECサイトを普段から利用している」と回答した全国の男女
  • 有効回答:819サンプル
  • 調査期間:2025年2月5日 ~2月10日
高野 真維

オフィス通販のカウネット、アウトレットを刷新。CX向上+環境配慮活動を推進

9ヶ月 3 週間 ago

コクヨグループ傘下のカウネットは、アウトレットのECサイト「カウネット アウトレットモール」をリニューアルした。CX(顧客体験価値)のさらなる向上と環境配慮活動の推進をめざす。

CX向上と環境配慮を狙いとして刷新したカウネットの「アウトレットモール」(画像はサイトから編集部がキャプチャ)
CX向上と環境配慮を狙いとして刷新したカウネットの「アウトレットモール」(画像はサイトから編集部がキャプチャ)

「カウネット アウトレットモール」は法人も個人も利用できるECサイト。文房具からオフィス用品まで幅広く展開している。

リニューアルでは、顧客視点でのわかりやすさ・選びやすさに重点を置き、サイト上におけるカテゴリ別の商品整理、「PICK UPアイテム」コーナーの新設など、利便性を高める複数の機能を実装。CXのさらなる向上、省資源・廃棄物削減をめざした環境配慮の取り組みを推進する。

昨今、法人顧客による環境配慮活動への関心が高まっており、ECサイトの在り方についても多くの意見が寄せられているという。これらの取り組みを推進するため、ECサイトのリニューアルを実施した。

リニューアルにおける主なポイントは次の通り。

カテゴリ別の商品整理

商品検索の利便性向上を目的に、毎月サイト上に追加されるアウトレット対象商品を5つのカテゴリ(生活用品・事務用品・OA用品・家具・その他)で体系的に整理。併せて「PICK UPアイテム」コーナーを新設し、注目商品の魅力をわかりやすく訴求する構成へと刷新した。

「わけあり商品」と「アウトレット商品」掲載ページの統合

顧客から従前、サイト上における「わけあり商品」と「アウトレット商品」の違いがわかりにくいという声があったことを踏まえ、両コーナーの入口を統合し、よりわかりやすい導線を整備した。

カテゴリ別の商品整理を実施。「わけあり商品」にもアクセスしやすくした(画像は「カウネット アウトレットモール」から編集部がキャプチャ)
カテゴリ別の商品整理を実施。「わけあり商品」にもアクセスしやすくした(画像は「カウネット アウトレットモール」から編集部がキャプチャ)

WebサイトURLの固定化

従前は、週単位でWebサイトURLが変更される仕様となっており、一時的に顧客がサービスを利用できない状況があったが、URLの固定化により、常時安定したアクセスが可能となった。

高野 真維

わかさ生活X運用担当者が退職、今後はGMOサインのXを運用へ

9ヶ月 3 週間 ago

わかさ生活が運営する公式Xの「わかさ生活 広報部」は2月19日、運用担当者が退職し、運用を後任へ引き継ぐと発表した。後任への運用は引き継ぎは2月24日という。

現在のX運用担当者は今後、GMOグループのGMOグローバルサイン・ホールディングスのX運用に携わるとしている。担当するのは電子契約サービス「GMO_Sign」のX運用。

X運用担当者は新卒でわかさ生活に入社。1万人未満だったXフォロワー数を、約5年で17万超に広げた。

世界第4位を含む計6度のXトレンド入り。テレビや新聞、Webメディアへの出演などで、わかさ生活に大きなパブリシティ効果をもたらせた。

転職を決めた理由は「まだ自分の知らない新しい環境でNo.1めざして頑張りたい」という思い。自らの意思で転職を決めたという。

瀧川 正実

大雪による予防的通行止めで東日本⇔西日本間を発着する荷物の配送に遅延

9ヶ月 3 週間 ago

名神高速道路・北陸自動車道・新名神高速道路など中部地域の主要高速道路、併走する国道を含めて「予防的通行止め」が実施されたことを受け、ヤマト運輸は2月19日、東日本と西日本間を発着する一部荷物の配送に遅れが生じていると発表した。

なお、名神高速、北陸道、 東海環状道(大野神戸IC~養老IC間)、新名神高速などの予防的通行止めは、2月19日16時までに解除されている。る。

荷物の配送に遅れが生じる可能性が高い区間は次の通り。

  • 北海道 ⇒ 関西・中国・四国地方
  • 東北・関東・甲信越・北陸・中部地方 ⇒ 関西・中国・四国・九州地方
  • 関西・中国・四国地方 ⇒ 北海道・東北・関東・甲信越・北陸・中部地方
  • 九州地方 ⇒ 東北・関東・甲信越・北陸・中部地方
  • 新潟県 ⇔ 東北・関東地方発着分

ヤマト運輸は、「今後の天候・道路状況次第では通行止めの可能性があり、お荷物のお届けに遅れが生じる場合がある」とアナウンスしている。

瀧川 正実

世界最大のEC事業者は、Amazon、Walmart? それともアリババグループ? データで見る世界のEC市場 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9ヶ月 3 週間 ago
ECの巨人として君臨しているAmazonですが、Walmart、Alibabaとグローバルで比較すると、必ずしもそうとは言えない事実が浮かび上がります。2024年の実績とともに解説します

米国においてAmazonが最大のEC事業者であることは揺るぎない事実ものですが、WalmartやAlibabaのグローバル展開と比較すると、まだAmazonにも成長余地があることがわかります。Walmart、Alibabaとの比較を通じて、Amazonが遅れをとっている分野を掘り下げます。

米国では最大も「世界最大」のEC事業者ではないAmazon

Amazonは米国最大のオンライン小売事業者であることは間違いありません。AmazonのEC売上高を見るとその事実は明らかです。しかし、これらの数字を主要分野でAmazonとWalmartを、グローバルでAmazonとAlibaba Groupを比較すると興味深い事実がわかります。

Amazonの競合企業であるWalmartとAlibabaの2社と比較すると、ECの巨人であるAmazonがリードしている分野と、まだ遅れをとっている分野が浮き彫りになるのです。

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』の2つのデータベースにおけるAmazonのランキングを見てみましょう。

「Amazon.com」は、「北米EC事業トップ2000社」で1位にランクイン(編注:『Digital Commerce 360』が、北米のオンライン小売事業者を対象に、年間のEC売上高で順位付けしたもの)。AmazonはWalmartよりも上位に位置し、Walmartは2位にランクインしています。

ところが、『Digital Commerce 360』の「グローバルオンラインマーケットプレイス」のランキング調査では、Amazonは3位にランクインしています。1位はTaobao、2位はTmallです。「グローバルオンラインマーケットプレイス」のランキングは、第三者総商品販売額(GMV)で世界トップ100社のグローバルマーケットプレイスをランク付けしています。

米国ではAmazonが2位のWalmartを突き放しトップシェア

米国および北米におけるオンライン小売事業者のなかで、AmazonとWalmartの間には大きな差があります。

『Digital Commerce 360』は、Amazonの2024年のEC売上高(編注:製品売上高と第三者販売売上などから『Digital Commerce 360』が推計)を4486億4,000ドルと推定。Walmartは1232億ドルでAmazonの3分の1未満でした。

間違いなくAmazonもWalmartも、競合他社よりもはるかに優れていますが、Amazonがいまだに圧倒的なリードを握っています。

Amazonは別の重要な指標でもWalmartを凌駕しています。Amazonの2024年10-12月期(純第4四半期)決算で、売上高は前年同期比10%増の1878億ドルでした。Walmartが2月20日に第4四半期の決算発表を控えていますが、一部のアナリストはWalmartの四半期売上高がAmazonの売上高を下回るのは今回が初めてになると予想しています。

このことは、小売業においてECが重要な役割を果たしていることや、Amazonが提供しているクラウドサービス「AWS」や広告を含む、EC以外の収益源によるAmazonの成功を浮き彫りにしているとも言えます。

四半期ごとのAmazonとWalmartの売上高推移(単位:10億ドル)
四半期ごとのAmazonとWalmartの売上高推移(単位:10億ドル)

AmazonはECビジネスにおいて、価格競争力を維持する方法を確立しているようです。Amazonは2024年連結業績の決算発表会で、アンディ・ジャシーCEOが「Amazonは2024年のホリデー商戦で、Walmart、Best Buy、Targetを含む競合他社よりも低価格での販売を顧客に8年連続で提供した」と説明しています。

Amazonに立ちはだかるAlibaba Group

「当社はグローバルで見ても最大手のEC事業者」であるというAmazonの主張には落とし穴があります。この主張を正当なものとするには、EC事業に加えてBtoBサービスを展開する企業、特にAlibaba Groupを除外する必要があるからです。

中国に拠点を置くAlibabaは2024年11月、すべての国内およびグローバル向けのEC事業をAlibaba E-Commerce Business Groupという1つの企業に統合すると発表しました。個々の部門には、BtoBマーケットプレイス「Alibaba.com」や、世界最大級の2つのECプラットフォーム「Taobao.com」と「Tmall.com」が含まれています。

『Digital Commerce 360』は、2024年のTaobaoとTmallの合計第三者総商品販売額(GMV)を約1兆4,800億ドルと推定しています。

Amazonは「2024年に総売上高が前年比11%増の6,380億ドルに達した」と連結業績で発表していますが、Alibabaは依然として世界的に強い地位を保持しています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ベースフード、米国での販売事業をスタート。米Amazon、大手スーパーECのWalmart、Krogerで商品展開

9ヶ月 3 週間 ago

完全栄養食のD2Cブランド「BASE FOOD」を展開するベースフードは2月26日から、米国の「Amazon.com」、大手スーパーマーケットチェーンが運営するECサイト「Walmart.com」「Kroger.com」で商品販売を開始する。

販売する商品は「BASE Cookies Cocoa」と「BASE Cookies Coconut」。米国版「BASE Cookies」シリーズとして展開する。

「BASE Cookies Cocoa」
「BASE Cookies Cocoa」
「BASE Cookies Coconut」
「BASE Cookies Coconut」

既存の商品を米国市場に合わせて改良した。たんぱく質、食物繊維、21種類のビタミン・ミネラルなど24種類の栄養素が摂取できる全粒粉ベースのクッキーとなっている。内容量は1袋あたり35gで、価格は1袋あたり4.2ドル。

米国ではコロナ禍以降から健康への意識が高まり、「Better-For-You」(健康にいい商品・サービス)の市場が急速に拡大している。

Amazonが運営する「Amazon.com」、Walmartの「Walmart.com」、Krogerの「Kroger.com」といったECチャネルでの販売を通じ、「かんたん・おいしい・からだにいい」をコンセプトとした「BASE FOOD」商品を展開し、米国消費者の健康促進ニーズを開拓する。

なお、ベースフードは2018年8月に米国での商品販売を目的に米国法人BASE FOOD,U.S., Inc.を設立。その後、コロナ禍で事業の継続が困難と考え、2020年5月に現地法人を精算・事業撤退していた。

ベースフードは2022年11月15日、東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場。2024年2月期(通期)の連結業績は、売上高が前期比50.9%増の148億円7400万円、営業損失は9億200万円(前期は9億7000万円の損失)、経常損失は8億9100万円(前期は9億9500万円)、純損失は同8億5600万円(前期は10億800万円の純損失)。

海外事業は2023年2月期に香港、2023年5月からは中国、2024年1月からは台湾、シンガポールにも進出している。2024年2月期の海外事業全体の売上高は前期比13.5倍の1億3487万円だった。

高野 真維

「柔軟な働き方と成長機会を両立させる新たな選択肢を提供したい」。アイスタイルがエンジニアのキャリア支援構築支援会社に投資した理由

9ヶ月 3 週間 ago

アイスタイルは、前アイスタイルCTO(最高技術責任者)の松田進也氏が代表取締役を務め、エンジニアのキャリア構築支援を手がけるMIOへ出資したと発表した。「柔軟な働き方と成長機会を両立させる新たな選択肢を提供したい」と考たという。出資額は明らかにしていない。

また、アイスタイルで上級執行役員兼テクノロジー&クリエイティブ開発センターのセンター長を務める近藤俊太郎氏がMIOの外部取締役に就任した。

(左から)MIOの取締役 大芝義信氏、代表取締役 井上幹郎氏、代表取締役 松田進也氏、外部取締役 近藤俊太郎氏

アイスタイルは、エンジニアがアイスタイル在籍中、アルムナイ(卒業生)となった後も自分らしいキャリアを選んで働き続けられる「未来型のキャリアパス」のあり方を検討してきた。柔軟な働き方と成長機会を両立させる新たな選択肢を提供したい――という考えの下、エンジニアの多様な働き方の実現に取り組むMIOへの出資および業務提携に至った。

背景には、コロナ禍を経て働く場所・雇用形態・キャリアパスなどさまざまな面で「働き方の多様化」が進んでいることがあげられる。たとえば、リモートワークの浸透、副業やフリーランス(業務委託)として自ら案件を受注する働き方、プロジェクトや組織をマネジメントする「マネジメント型」・自身のスキルを追求する「スペシャリスト型」といった多様なキャリア形成などだ。

アイスタイルでは今後、アルムナイネットワークを活性化していく方針という。

高野 真維

モノタロウ、建機レンタルサービスを開始

9ヶ月 3 週間 ago

間接資材のECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは、追加の契約手続きなしで建設機械(建機)のレンタルができる「建機レンタルサービス」を2月18日から始めた。レンタルする建機は全国で手配できる。

MonotaROが2月18日からスタートした建機レンタルサービス
MonotaROが2月18日からスタートした建機レンタルサービス

建機の新品購入には通常、数百万円〜数千万円と高額な費用やメンテナンスが発生するが、レンタルを利用することで、必要な時に機材を手軽に使え、煩雑なメンテナンス作業も不要になる。こうしたコスト面・運用面でのメリットから、建機レンタルの需要が年々高まっているという。

MonotaROは建機レンタルに関する現場の課題を把握するため、「モノタロウ」会員を対象にアンケートを実施。その結果、次のような意見が多く寄せられた。

  • 初めてレンタルする際、適切な機材の選定が難しい
  • 必要な機材が見つからない、または手配に時間がかかる
  • 営業所が遠く、引き取りに人手を割けない

こうした課題を解決し、顧客の生産性向上に貢献するために、MonotaROは他の商品購入と合わせてワンストップで建機を手配できる「建機レンタルサービス」の提供を開始した。サービスの特長は次の通り。

「モノタロウ」専⽤フォームで問い合わせ可能

ユーザーは、注文前に専⽤フォームに必要な情報を記⼊・送信することで、見積りを依頼できる。製品の選定について専⾨スタッフに相談もできる。

約1100機種約81万点の取り扱い商品

油圧ショベル、発電機、コンプレッサー、電動工具、通信・計測機器、イベント用品など幅広い商品を取り扱う。

全国の現場に配送。返却時もMonotaROが顧客の現場に向かい回収

顧客はレンタルする建機の受け渡しを、全国500以上の営業所でできる。建機の受け渡しのためにレンタル会社に足を運ぶ必要はないため、現場と営業所の距離を気にする必要はない。

※対象は「モノタロウ」法人会員。MonotaROが提供する顧客専用サイト「モノタロウ ONE SOURCE Lite」、⼤企業向け購買連携システムを利⽤している顧客は対象外。

顧客による利用の流れは次の通り。

  1. 専用フォームに入力、送信
  2. レンタル内容の決定。レンタル商品は対象カテゴリのカタログから選択
  3. MonotaROが発行する見積書の確認
  4. 注文
  5. MonotaROからの商品納品後、レンタル開始
建機をレンタルするまでの流れ
建機をレンタルするまでの流れ

なお、レンタル料は1か月単位での支払い。サービスの利用対象は法人の顧客のみ。レンタル期間は1日単位で対応する。

高野 真維

楽天、LINEヤフー、ZOZOのAI活用事例。「工数7割減」「流通総額77%増」「ROAS1.5倍」「画像加工は1分に短縮」などの成果 | 通販新聞ダイジェスト

9ヶ月 3 週間 ago
国内大手ECモール運営企業のAI活用事例から、実際に成果をあげている事例をまとめる

AI(人工知能)のECへの活用が進んでいる。仮想モール各社はAIを活用して出店者への集客や業務の効率化などを支援する取り組みを本格化しており、すでに一定の成果をあげているようだ。楽天、LINEヤフー、ZOZOのAI活用の現状を見ていく。

「楽天市場」出店者のAI活用進む

楽天グループでは、仮想モール「楽天市場」出店者向けのイベント「楽天新春カンファレンス2025」において、AIを活用した店舗オペレーション支援の成果などを公表した。

「楽天市場」出店店舗によるAIの活用事例
「楽天市場」出店店舗によるAIの活用事例

パーソナライズ広告に強み。おすすめウィジェットでの購入は59%増

楽天市場におけるAI活用事例としては、ユーザーの意図を理解した上で、より関連性の高い結果を表示させる「セマンティック検索」を導入。これにより「検索結果ゼロ」になることが最大98.5%なくなり、流通総額引き上げ効果は最大で5.3%にのぼる

また、レコメンドに関しては、楽天市場アプリサイトにある、パーソナライズ化されたおすすめウィジェットでの購入が59%増えている。

さらに、AIを使って、よりパーソナライズ化された広告を表示するようにしたことで、楽天市場トップページに掲載された広告からの売り上げは4%の引き上げ効果が出ている。

同社の三木谷浩史社長は「『ブラシ』で検索した場合、普段は革製品を買う男性なら靴用ブラシを、普段は美容商品を買う女性ならヘアブラシを表示する。『ワンピース』でも、冬に着るものと夏に着るものは違うので、検索結果を変える。将来的には、沖縄に住む人と北海道に住む人が検索した場合の結果も分けていきたい」(同)と今後の展望を語る。

「10分かかっていた画像加工が1分に短縮」「ROAS1.5倍」など手ごたえ多数

同社では今年3月、AIを活用した店舗運営支援ツール「RMS AIアシスタント β版」を、出店者向け店舗運営システム「RMS」において提供を開始。すでに3万以上の店舗が利用しているという。

「雑貨ショップドットコム」では、商品画像加工支援AIを活用。これまで1商品10分かかっていたものが1分に短縮されたことで、 新規に登録できる商品が大幅に増加。流通拡大につながっている。

店舗カルテAIを活用している「ワインショップソムリエ」では、報告資料の作成時間が1時間から10分へと減少。浮いた50分を他の業務に充当することができた。

「樽の味」では、商品画像に対するフィードバックにAIを活用している。「最初に目に留まった商品はどれか」「最終的にどの商品をクリックしたか」など、AIとの対話を重ねることで広告画像の品質が大幅に改善広告パフォーマンス(ROAS)が1.5倍向上した。

「Smart Light」では、「楽天スーパーセール」の過去実績をAIで分析。注力すべき商品を選び、販促などのマーケティング業務強化を起こったことで、昨年9月と12月のスーパーセール期間中実績を比較した場合、流通総額は77%増販売件数は76%増となった。

モバイルでも法人向け生成AIサービスを展開

楽天モバイルでは1月29日、法人顧客向け生成AIサービス「Rakuten AI for Business」の提供を開始した。ユーザーの質問に対し、AIがチャット形式で返答。言葉の理解とタスク処理能力が特徴で、文書化や翻訳だけではなく、アイデア出しや分析、リサーチも可能だ。

三木谷社長は「通常の『ChatGPT』は、個人情報や企業秘密が外部に出してしまう可能性があるが、当社のサービスなら問題ない。そして、より事業に特化したものになっており、営業活動、事務・マーケティングの効率化に使ってもらいたい」と述べた。

ZOZO、業務効率化+売上アップに貢献

ZOZO(ゾゾ)はAI・自動化技術を活用し、業務効率化に伴うコスト低減で成果が出始めているほか、パーソナライズ化や計測技術のサービス化で「ゾゾタウン」の売り上げ拡大につなげる。

AI活用で業務時間を大幅削減

業務効率化に向けては、専任のチームが全部署の業務内容などをヒアリング。AIで業務効率を改善できそうな数十のテーマを設定し、課題解決のためのツールなどを開発している。

たとえば、「ゾゾタウン」に投稿されるアイテムレビューの内容に、ガイドライン違反がないかを生成AIを活用してパトロールするツールを開発。従来の目視でのチェック業務時間、チェック件数をそれぞれ7割弱削減できた。

また、「ゾゾタウン」の出店ブランドの仕様で「その他カテゴリー」に分類されているアイテムを適正なカテゴリーに振り分ける業務でも、商品名と説明文をAIに読ませることで最適なカテゴリーに自動で振り分けるツールを開発。同業務にかかる時間を月間17.6時間削減した。ゾゾによると商品をカテゴリーで検索をするユーザーも多く、振り分け業務が売り上げに大きく影響するという。

「その他カテゴリー」のアイテムを自動で分類する
「その他カテゴリー」のアイテムを自動で分類する

加えて、カスタマーサポートセンターに届いた問い合わせ一覧のCSVデータをもとに、生成系AIが分類と集計を行い、問い合わせ内容の傾向分析を行うBIツールを開発。クイックな現状分析が実現し、業務改善に充てられる工数が増えた。

パーソナライズ化推進によりリテンション率改善

売り上げ獲得に向けたパーソナライズ化については、「ゾゾタウン」のホーム画面で、来訪者が同じ30代女性であっても閲覧履歴や購入履歴などに即して表示するコンテンツの内容と順序を変更。たとえばAさんには手頃な子供服を訴求する一方、Bさんにはトレンドアイテムを提案するなどしている。

ホーム画面を見て「私に合ったサイトではない」と思われてしまうと定着率に影響するため、この数年、ゾゾではユーザー1人ひとりのパーソナライズ化に力を注ぎ、リテンション率が改善しているという。

天気に合わせたレコメンド表示も対応

また、「ゾゾタウン」ではウェザーニュースの高精度な気象データと連携し、ユーザーの現在地の天気・気温に応じたアイテムをレコメンドする取り組みも始めた。ファッションアイテムは天候によって需要が異なる特性を活かし、コントロールしにくい天候不順にも対応していく。

ユーザーに合うコンテンツや商品提案を提供

ファッションコーディネートアプリ「ウェア」では、昨年5月のリニューアルに合わせて「好みのジャンル傾向」が分かる診断コンテンツを開始。ジャンル診断の結果に応じたコーディネート画像などのコンテンツを表示する。さらに、クリックされた画像を学習してよりユーザー好みのコンテンツにチューニングする。

ゾゾは計測技術のサービス化も進めており、最近では足の計測用マット「ゾゾマット」のキッズ向けを開発し、キッズシューズのレコメンドをスタートした。従来の大人用の「ゾゾマット」とは異なり、子どもの足の成長曲線を加味して「このサイズのシューズは、今は少し大きいけど1年間履けます」といった提案をできるようにした。

LINEヤフー、「AIタックル室」起点にAI活用推進

LINEヤフーは運営する仮想モール「Yahoo!ショッピング」で昨年4月に立ち上げた「Yahoo!ショッピング」でのAIの利活用を推進する11人からなる専門部隊「AIタックル室」が中心となり、ショッピング事業の利便性向上や効率化に有効なAIを活用した新たな機能・サービスを「Yahoo!ショッピング」内に実装し始めている

ページ作成の工数が7割減

たとえば昨年11月から「Yahoo!ショッピング」で掲載を始めた趣味や習い事、スポーツなど新しいことを開始する際に必要となることや商品など確認でき、探しやすくするためのコンテンツ「入門セットナビ」

趣味や習い事に関する100種類のガイドページを掲載し、各ページでそれぞれのテーマに関する楽しみ方や便利アイテムといった基本情報とともに関連商品の提案を行うページで、各ガイドページをすべて生成AIが作成

記事のベースとなる情報は生成AIが整え、最終チェックや校正を目視で行うことで、これまでのように人の手で行うページ作成よりも工数が約7割削減できるようになった。

ニーズを察知し、タイムリーにページを作成

生成AIによるページ作成ノウハウを生かして米不足の時に店頭にはないが、出店者は在庫しており、「ネット上には米があります」とアピールする特集ページを作成する際などに「これまでであれば同様の特集ページを人の手で作成する場合は時間がかかり、ニーズを検知しても時間がかかるからと何もやらなかったり、タイムリーに訴求できなかったが生成AIで2時間程度で特集ページを作ることができ、その結果、多くのユーザーに閲覧され、関連商品の購入にもつながった。瞬間風速を捉えられたことで通常の特集ページより10倍以上の成果が出たものもあった」(コマースカンパニーショッピング統括本部プロダクション2部本部本部長兼AIタックル室室長の市丸数明氏)という。

広告担当者の特集ページ作成に貢献

生成AIの活用は通常の特集ページの作成にも用いられ始めており、広告出稿先としての出店者への導線作りとしても機能しているようだ。

「売上拡大のために広告を出したいと思っているストアさんは多いがリソース不足で広告を掲載する特集ページが足りていなかった。生成AIを使うことによってエンジニアでなく広告企画のスタッフが特集ページを作れるようになった」(市丸室長)とし、たとえば1月から「Yahoo!ショッピング」で掲載を始めたワインの楽しき方や選び方などをまとめた特集ページ「初心者に贈るワイン特集ガイド」はこれまでページ作りを行ってこなかった広告担当者がテーマを設定して生成AIが作成した。

AIを活用して作成した特集ページの一例
AIを活用して作成した特集ページの一例

「初心者向けワイン特集」と生成AIに指示することでページ作り自体は3分程度ででき、調整や内容確認を含めて2時間程度で作成できたという。同等のものを人の手で作成すると情報集めや調査など含めて1週間程度はかかるよう。今後、広告企画を含めた特集ページの多くは生成AIで作成したものに切り替えていく方針のようだ。

類似商品をAIが自動提案

このほかのAI活用としては「Yahoo!ショッピング」でユーザーレビューの内容をもとに生成AIが類似商品をレコメンドする機能を昨年11月から実装。たとえばある服の購入を検討している際、当該商品について洗濯後に「縮みやすい」などという内容でその商品自体の平均評価より低い評価のレビューがついていた場合、「縮まない」といった「縮み」という観点でよりポジティブな評価なレビューがついている類似商品を「気になる点が解消されている似た商品」として生成AIが商品詳細ページ上で提案するもの。

1月には「Yahoo!ショッピング」とネット競売「Yahoo!オークション」の出店者の問い合わせに、生成AIを活用したチャットボット「ストアクリエイターPro AIチャット」が対応する取り組みも開始した。出店者の管理画面上で販売商品の背景を生成AIを用いて簡単に変えることができる機能なども昨年末にテスト的に導入している。

今後も「Yahoo!ショッピング」ではAIを活用した新サービスの導入していく方針で「ユーザー、出店者が『Yahoo!ショッピング』が使いやすくなったと実感頂けるような生成AIを活用した新たな仕組みを2025年度中には開始したい」(市丸室長)としている。

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法人向け商材、メルマガで4割が購入。読むか読まないかは「件名で判断」が4割

9ヶ月 3 週間 ago

ラクスが実施した調査によると、法人向けの商材では43.4%がメルマガをきっかけに商品購入などをした経験があることがわかった。また、メルマガを読むかどうかの判断は、「件名で読むか読まないか判断する」と回答した人が最も多く40.0%となっている。

調査対象は20~69歳の男女で、有効回答数は500件。調査期間は2024年12月。

メルマガをきっかけにBtoB商材の購入、資料請求、商談をしたことがあるかを聞いたところ、43.4%の人が「したことがある」と回答した。

BtoB商材のメルマガをきっかけとした商品の購入などの経験
BtoB商材のメルマガをきっかけとした商品の購入などの経験

SNSがきっかけでBtoB商材の購入・資料請求・商談などをしたことがあるかについて、「ある」と回答した人は33.5%。メルマガの方が10ポイントほど高かった。

SNSがきっかけでBtoB商材を購入などした経験
SNSがきっかけでBtoB商材を購入などした経験

メルマガで紹介された商品・サービスの購入や資料請求などをしたきっかけを聞いたところ、最も多い回答が「新しい商品・サービスが紹介されていて気になったから」で63.3%。次点は「キャンペーンやセールで通常の価格よりも安かったから」で61.5%となった。

メルマガで紹介された商品/サービスの購入や資料請求をしたきっかけ(複数回答)
メルマガで紹介された商品/サービスの購入や資料請求をしたきっかけ(複数回答)

会社アドレスのメールをチェックする時間帯は、「平日9~10時台」が34.4%で最も多かった。次いで「平日の17~18時台」が29.2%だった。

会社アドレスのメールをチェックする時間帯(複数回答)
会社アドレスのメールをチェックする時間帯(複数回答)

メルマガを読むかどうかの判断は「件名で読むか読まないか判断する」と回答した人が最も多く40.0%。「気づいたものは読むようにする」が33.6%で続いた。

メルマガを開封するかしないかの判断(複数回答)
メルマガを開封するかしないかの判断(複数回答)

調査概要

  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国
  • 調査対象:20~69歳の男女
  • 有効回答数:500件
  • 調査期間:2024年12月
高野 真維

青山商事、バーチャル試着サービスをアップデート。2点のアイテムの組み合わせが可能に

9ヶ月 3 週間 ago

青山商事は、バーチャル試着サービスを1度に2つのアイテムを組み合わせることができる仕様にアップデートした。アウターとインナーなど異なる2点を自由に組み合わせて、顧客がよりリアルな試着体験をできるようにした。

2点のアイテムを組み合わせたバーチャル試着ができるようになった
2点のアイテムを組み合わせたバーチャル試着ができるようになった

青山商事は2023年9月、専用アプリ不要でスマートフォンで気軽に試着を体験できるバーチャル試着サービスを導入。2024年11月には、運営するレンタルサービス「hare:kari(ハレカリ)」の一部商品にも導入するなど、対象アイテムを拡充してきた。

バーチャル試着サービスを導入している理由は、気軽に商品購入できるネット通販の利用者が増加する一方で、「オンラインだと自分に似合うか不安」といった顧客の不安を解消するため。リアル店舗ではチャレンジしにくい色合いのアイテムでも、バーチャルなら誰にも見られることなく試着できるため好評という。

従前は1アイテムのみでの試着にとどまっていたため、複数のアイテムを組み合わせることの多いビジネスウエアでは課題になっていた。

このほか、あらかじめ撮影した自分の写真にも洋服を試着できるようにした。移動中やカメラが使えない時でも、ユーザーが気軽にバーチャル試着を利用できるようにする狙い。気になる商品は、いつでもどこでも試着が可能となり、オンラインショッピングの利便性向上につなげる。

高野 真維
確認済み
39 分 27 秒 ago
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