ネットショップ担当者フォーラム

楽天IT学校、2015年は47都道府県57校で開催 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
2014昨年の25校から倍以上に拡大、有力EC店舗も協力

楽天は5月12日、高校生を対象とした電子商取引授業「楽天IT学校」を2015年に開催する校数を、2014年の25校から倍以上となる57校で実施すると発表した。全国47都道府県で実施する。2015年1月に実施した「楽天IT学校甲子園」が盛り上がったことから、参加したいという高校、協力したいという地元のEC企業が増加。倍以上となる高校で実施することになった。

「楽天IT学校」は2008年から、起業家精神育成と地域活性化を目的に毎年実施している。主に商業高校の生徒を対象として、約1年にわたる出張授業形式で行い、楽天スタッフや地元の人気ショップの店長などが講師を勤める。

授業は、「楽天大学」の講座内容をアレンジした店舗運営ノウハウを授業形式で教えるもの。ホームページ作成による売り場の制作、商品プロデュース、職場訪問、ネットショップにおける販売戦略などを教授。授業の後半では、実際に楽天市場上で販売を行い、実践的に電子商取引を理解する機会を提供する。

来年1月に東京で実施する「楽天新春カンファレンス」内で、実際に実施した取り組みなどをプレゼンする大会(楽天IT学校甲子園)を開催。実際にネットショップを運営する出店者が審査員となり、最も優れた取り組みを行った高校を表彰する予定。

「楽天IT学校は高校生が早めに社会と接することができるいい機会だと考えており、さらに力を入れることにした。今回、初めて47都道府県すべてで実施できるようになったことで、より多くの人に参加してもらえるようになり、楽天IT学校甲子園も盛大になると思う」(広報)としている。

楽天IT学校実施校と講師として参加する店舗名

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オリジナル記事:楽天IT学校、2015年は47都道府県57校で開催 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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組織・業務、人材、情報セキュリティー。オム二チャネル時代の日本企業の課題とは? | 消費から体験へ。オムニチャネル時代を生き抜くために | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
鍵は「安心・安全な製品・サービス」「消費者への経験価値の提供」「ITとマーケティング」。

日本企業の課題

消費財メーカーや小売企業は、消費市場が迎えつつある転換点にどのように対応していけばよいのでしょうか。私たちは、以上で見てきたような消費市場の変化に鑑みて、これからの競争優位の源泉として、

  1. 安心・安全な製品・サービス
  2. 消費者への経験価値の提供
  3. ITとマーケティング

の融合の三つが重要な成功要因となると考えています。

消費財・小売企業共通の成功要因
1安心安全な商品サービス→「安心・安全」を訴求できる製品・商品の開発 ECを安心して利用できる仕組み(例:エスクロー、個人認証技術)
2消費者への経験価値の提供→製品開発、購買経験、ふれあいなど、経験価値の再定義
3ITとマーケティングの融合→消費者行動観察による顧客関係の再構築 CIOとCMOの連携による最適資源配分 サプライチェーンマネジメント

安心・安全な製品・サービスの提供にあたっては、製品レビュー・評価の充実や、企業や製品のブランド力の強化、大手チェーンやECを活用することによる企業や製品に対する信頼性の確保などが考えらえます。また、消費者がECを安心して利用できる仕組みとして、個人間取引でのエスクローサービスや電子決済の個人認証(生体認証、指紋認証など)の強化も必要となります。

消費者への経験価値の提供としては、いかに消費者の「経験価値」「帰属意識」「参画意識」に訴求したブランディングやマーケティング、製品開発活動ができるかが鍵となります。実店舗やソーシャル・ネットワーキング・サービスなどを通じて「人の触れ合い」という価値を提供することも重要なテーマです。

ITとマーケティングの融合に関しては、顧客関係の再構築(消費者行動観察によるカスタマーエンゲージメントの強化)のために、データ予測・分析力を社内に蓄積する必要があります。また、CIOとCMOが連携することで、最適なIT投資配分(従来型とECチャネル間の投資配分など)を実現することが重要な経営課題です。

さらに、サプライチェーンマネジメントの面から、メーカー倉庫・物流拠点・店舗・顧客を結ぶネットワーク構築や、異業態間での在庫情報の共有、ラストワンマイルの構築などにより、チャネル横断的な低コスト・最短のサプライチェーンを構築することが必要です。

こうした中、特に日本企業が取り組むべき課題として、私たちは以下の6つが重要と考えています。まず、組織・業務の観点から、新時代への対応として重要なのは、

①デジタル・モバイルに明るいCMOの設置
②従来型チャネルとECチャネルを超えた、組織設計やサプライチェーン最適化、業績評価制度構築

の2点です。また、人材の育成・確保も重要で、

③接客対応向上のための従業員教育
④データアナリストの育成・獲得

の2点が今後の差別化にとっては重要となります。そしてこれらを支える基盤として、

⑤個人情報保護の業界標準の確立
⑥サイバーセキュリティリスクへの対応

といった情報セキュリティの確保も優先課題です。

なお、これらの多くは、テクノロジーを軸にしていることが注目されます。モバイルテクノロジーの進化に素早く反応し、急速に変化している消費者の心を捉えるためには、メーカーや小売企業も、進化したテクノロジーを取り込み、新たな価値を提供することが不可欠となっているのです。

オム二チャネル時代の日本企業の主な課題

組織・業務

1. デジタルモバイルに明るいCMOの設置
2. 従来型/ECチャネル横断的な組織、サプライチェーン最適化と業績評価制度

人材

3. 接客対応向上のための従業員教育
4. データアナリストの育成・獲得

情報セキュリティ

5. 個人情報保護の業界標準の確立
6. サイバーセキュリティリスクへの対応

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消費から体験へ。オムニチャネル時代を生き抜くために
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新日本有限責任監査法人 消費財セクター

スマホコマースで成功するための近道はネイティブアプリの視点でUI/UXを考えること | スマホ・アプリコマース時代のマーケティング戦略 | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
オーディエンス(ユーザー)をデバイス横断で管理し、デバイス毎のUX戦略を取ることが重要

昨今、PC/ブラウザ中心で活躍していたEC各社が、アプリ市場に続々参入してきていますが、今回はその背景と実態について、ご紹介致します。

ECサイトは、約50%がスマートフォンでの購入の時代へ

代表的なECサイトである「ZOZOTOWN」と「楽天市場」の決算資料を見てみます。

スマートフォン経由での購入が増加し、直近では約50%がスマホ経由での購入となっています。現状のトレンドを踏まえると、2016年には60~70%まで増えるのでは?と推測できます。

特に、若年層はスマホの利用者が多いので、その世代が消費を担う時代が来る頃には、スマホ経由でのシェアは圧倒的になっているでしょう。

EC・小売業種がアプリ市場へ続々参入

どのような企業がスマートフォンアプリ市場に参入してきているか、Google Playの無料ショッピングカテゴリのランキング上位約50位を抽出し(2015年4月時点)、調べてみました。

大きく3つに分類できるます。1つ目は先行的にネイティブアプリファースト戦略を取っている企業群(メルカリ、Frill、LINEモールなど)。

2つ目はPC/ブラウザ市場を主戦場にしていて、クロスデバイス戦略を取るAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの企業群。

3つ目は、アプリを1つの重要なチャネルとして捉え、オムニチャネル戦略を取っているオフライン市場の小売業(ヤマダ電機、洋服の青山、ノジマ、東急ハンズ、ヨドバシカメラ、ビックカメラ)となります。

「世界でモバイルアプリの利用率が年々増加しているなか、伸張率が一番高かったカテゴリは、2012年:ゲーム、2013年:メッセージングアプリ、2014年:ショッピングアプリとなり、アプリの汎用性が広がり、市民権を得てきた」と第1回目の連載で記載しましたが、まさに、ネイティブアプリを重要なチャネルの1つとして、認識してきた証拠と言えるでしょう。

アクティブ率を測る為、主要アプリのレビュー数を比較

Google play無料ショッピングカテゴリのランキング上位(Amazon、メルカリ、楽天市場、Yahoo!ショッピング)の4アプリを比較してみます。通常、インストール数で比較するかと思われるでしょう。インストール数はプロモーションを増やせば、拡大することが可能です。重要なのは、「ユーザーがアクティブであるか否か?」という指標で、Google Playのレビュー数を比較することにより、「ユーザーがどのくらいアクティブに利用しているか?」を、おおよそ比較できます。

当社の保有するデータを活用し、この方法で調べてみました。比較期間は、2015年1月〜4月までの4か月間になります。

レビュー数だけの比較となりますが、クロスデバイス戦略を取るAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングと比べ、スマートフォンファースト戦略を取るメルカリのレビュー数が圧倒的。アクティブなユーザーを保有しているアプリ=「活性化しているアプリ」である事が明白となりました。

実際、メルカリ社が発表した1300万DL突破、月間流通総額30億円想定、売れた商品のうち約20%が1時間以内に取引成立、平均滞在時間43分など、驚愕の数字もうなずけます(参考記事)。

デバイスごとに見せ方を調整することが必要に

PC/ブラウザ視点でネイティブアプリを開発するのと、ネイティブアプリ視点での開発は大きく異なるため、スマートフォン特有のUX(ユーザーエクスペリエンス)が重要となります

たとえば、利用するユーザー、目的、場所、時間、ユーザー行動導線、スクリーンの大きさ、UI/UX、プロモーション戦略などを、PCとネイティブアプリで比較してみても、明らかに別物で、違いは明白です。

メルカリ社に関しては、ネイティブアプリファースト戦略を取ることで、アプリ特有のUXおよび、戦略に絞り込み、成功している代表例と言えるでしょう。

すでにEC事業を展開している企業は、企業特有のIDでしっかりオーディエンス(ユーザー)をデバイス横断で管理した上で、デバイス毎のUX戦略を取る必要があります。

これからEC業界に新規参入する企業であれば、成長市場であるネイティブアプリにフォーカスした戦略を取ることが、成功の近道となると思います。

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スマホ・アプリコマース時代のマーケティング戦略
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杉崎 健史

株式会社メタップス

(株)サイバー・コミュニケーションズを経て、(株)アサツー・ディケィにて、大手クライアントのオンラインオフラインのマーケティング戦略を推進。

(株)デジタルガレージでは、Technorati,Twitter,LinkedIn,Kiipを含む10数社の海外スタートアップ企業とのアライアンス/ローカライズ/ビジネスディベロップメント/マネタイズの日本事業責任者を経て、現在、(株)メタップスにて、事業統括部 Data Alliance戦略チーム 部長として、データマネタイズ及びアライアンス責任者として従事。

杉崎 健史

外部の構築システムやモールと「メイクリピーター」が連携可能に、GMOメイクショップ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
複数ショップで発生した注文データから、顧客・売上分析、マーケティング施策を行うことができるようになる

ショッピングカート提供のGMOメイクショップは5月13日、購入頻度や購入金額などをもとに顧客をセグメントし、ターゲットごとに効果的なメール配信ができる「MakeRepeater(メイクリピーター)」と、14社のECサイト構築サービスでと連携した。複数のショップを運営しているEC企業も「メイクリピーター」を使って各ショップで発生した注文データの管理から、顧客・売上分析、マーケティング施策を行うことができるようになる。

「メイクリピーター」は注文データを自動で読み込み、購入回数、購入金額、購入時期の3つのデータを軸に分析。顧客を10種類にセグメント分けし、顧客のロイヤリティを可視化する「ランク分析」、顧客数や売上の推移を可視化する「推移分析」、顧客セグメントごとの売上比率やその推移を表す「ランク別売上推移」など、5つの分析レポートを自動作成するシステム。

シナリオに沿ってあらかじめメール文面を作成・セットしておくだけで、顧客のセグメントごとにステップメールを無制限で自動配信できる。EC企業からも好評なシステムで、2014年9月のリリースから半年で、導入800店舗を超えている。

連携するECサイト構築システムは「EC-CUBE」やフューチャーショップの「FutureShop2」、Eストアーの「ショップサーブ」のほか、コマース21やecbeingといった大型店舗向けのECサイト構築パッケージにも対応。また、楽天市場やYahoo!ショッピング、アマゾンにも対応する予定としている。

顧客データは店舗ごとにまとめることが可能。たとえば、Aという人が楽天店、アマゾン店、メイクショップ店でそれぞれ購入した場合でも、それぞれ別のユーザーとして登録されることになる。

「まとめてしまうと、どこから購入されているかが見づらくなるほか、まとめてほしいというニーズも今のところから店舗から出ていない。今後、まとめてほしいというニーズあれば検討したい」(プロモーション戦略室)としている。

料金は受注件数に応じた料金体系で、月額1万円から。自動多店舗連携オプションの費用として月額1万円が必要となる。

メイクリピーターと連携する14サービス

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オリジナル記事:外部の構築システムやモールと「メイクリピーター」が連携可能に、GMOメイクショップ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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担当編集者のコメント: 

記事にも書いたように、現状ではそれぞれの店舗で別ユーザーとして登録される仕組みとなっているが、今後、これが統一できるようになると、EC企業にとっては革新的なサービスとなりうる。

特にEC企業にとってニーズが高いのが、モールのユーザーを自社サイトに誘導することだろう。現状では、様々な制限があり、モールから自社サイトに誘導することはしにくくなっている。だが、メイクリピーターで同一ユーザーと認識できるようになれば、例えば、モール店でAという商品を購入したので、Aという商品を購入し多人におすすめの商品をメールでお知らせし、自社サイトに誘導することも可能になる。

楽天では4月からメールの配信がすべて有料化されているため、さらにこうしたニーズは高いものと考えられる。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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収益力を上げるブランドの再構築方法を、2ケタ成長の営業増益を続けるオルビスに学ぶ | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「ポイント制」の導入など顧客との関係再構築や基盤整備に一定のめどをつけ、営業利益はここ数年、2ケタ成長を維持

オルビス全体で海外を含め、5年以内をめどに700億円の規模を目指したいと考えている」。オルビスのブランド再構築が新たなフェーズを迎えている。2007年以降、革新性あるブランドへの回帰を目指し、ブランド再構築を推進。顧客との結びつきを変え、収益性の向上を図ってきた。だが、昨年末に陣頭指揮を執っていた町田恒雄前社長が急逝。主に組織改革を担ってきた阿部新体制のもと新たな局面を迎えている。

営業利益、5年以内に150億目指す

オルビスの業績推移
オルビスの業績推移

これまでのブランド再構築の柱は2つある。「商品価値の向上」と「コミュニケーションの変革」だ。

「商品価値の向上」では昨年2月、これを象徴する新スキンケア「ORBIS=U(オルビスユー)」を発売。“肌に優しい”だけのイメージからの脱却を図り、より“効果感”を追求した。「コミュニケーションの変革」では、「割引価格表示」を廃止。ロイヤリティの高い顧客への特典を厚くする「ポイント制度」も導入した

一方で事業基盤の整備も進めた。製造を担うポーラ化成工業が、国内の製造拠点を集約したことに伴い、オルビスでも主力以外の商品の外部委託を強化し、原価率の低減に着手。現在、外注比率は10%前後に達しており、今後、約700SKUある商品数も顧客との関係性を見つつ、絞り込みを検討する。

海外も昨年8月、苦戦する韓国市場から撤退。13年に進出したシンガポールを中心に今後、マレーシア、インドネシアへの進出を計画する。

顧客との関係再構築や基盤整備に一定のめどをつけたことで、営業利益はここ数年、2ケタ成長を維持ロイヤリティの高い顧客への特典を厚くする「ポイント制度」も導入したしており、今後、さらなる収益性の良化を目指す。

売り上げは、国内で年間3~5%の成長率を維持。海外は20~30%の成長率を目標に、3年以内に30億円の規模を目指す。営業利益は5年以内に150億円の達成を見据える。少子高齢化で国内の化粧品市場がシュリンクする中、いかにして達成するか

「オルビスユー」売上高46億円に

一つは、商品価値のさらなる向上に挑む。

創業来、オルビスは“オイルカット”を切り口に「アクアフォース」や、ニキビケアの「クリア」など今のオルビスを支える主力商品を開発、事業をけん引してきた。が、いつしか強力な商品を企画する力は弱まり、既存商品のリニューアルに依存するようになっていた。“革新性”が薄れていたわけだいつしか強力な商品を企画する力は弱まり、既存商品のリニューアルに依存するよう少子高齢化で国内の化粧品市場がシュリンクする中、いかにして達成するかになっていた。“革新性”が薄れていたわけだ。

その意味で、「オルビスユー」の開発は、外部に向け革新性あるブランドであることを発信すると共に、今のオルビスを支える社員自らが一から新シリーズを開発するという社内の意識改革を進める意義もあった。

「オルビスユー」の前期売上高は約46億円。年間約40億円を売る「アクアフォース」を抜き、トップブランドに成長している。ただ、阿部社長は「何か一つの商品だけでブランドイメージががらりと変えるのは難しい。一つの成功の次に二の矢、三の矢がうまくいって初めて外からの見え方も変わってくる」と、攻めの姿勢を崩さない。その中で“二の矢”として放つのが今年3月に発売した「新クリア」になる。目指すのは、ニキビケア化粧品が宿命的に抱える“顧客継続性”の課題から脱することだ。

従来のニキビケアは“できたら治す”という「対症療法」の域を出ず、加えて競合他社や、ニキビの“治療”を促す皮膚科クリニックの台頭で競争環境も激化している。

「新クリア」は、世界的に著名な学会で最優秀賞を受賞した研究論文の「ニキビは女性特有のホルモンバランスの乱れで周期的にできる」という知見を応用。ニキビができにくい肌環境を整えるという通常のスキンケアとしても価値ある「日常使い」を売りにするとともに、“効果感”も担保。技術的裏打ちのある商品の相次ぐ投入で、“肌に優しい”だけのイメージから脱却する。スキンケア領域のユーザーを取り込むことで間口を広げ、年間20億円ほどの売り上げを25~30億円に伸ばす。

一方、依然として40代以降の女性層に向けて展開するシリーズのテコ入れは課題として残る。“卒業ブランド”として離脱するこれら中高齢層と長いレンジで関係を築いていく。

不得手なマスマーケ、店舗で補う

もう一つが、企業ブランドの強化だ。

オルビスがこれまで頑なにこだわり、強みにしてきたのが“ダイレクトマーケティング”への特化だ。ファンケル、ディーエイチシー(DHC)という御三家の中で唯一、流通戦略を展開せず、テレビCMなどマス広告にも消極的。それゆえ、周囲から聞こえてくる評価の一つに「マスマーケティングが不得手」というものがあった。

ダイレクトに特化するがゆえ、知名度では前2社の後塵を拝している印象が強く、「再生知名率(化粧品会社と聞いて思い浮かぶ社名の回答)」も15%弱(自社調べ)。「認知の『量』ではなく『質』を重視する」(阿部社長)とは言うものの、やや低いと分析する。そもそも、マス広告展開するブランドは、それだけでメジャーで、顧客にある種の安心感も与える。

それでもこだわるのは、「ダイレクトだからこそ、お客様にどういう形を提供できるか、常に直接考えることができる」(同)ため。今後もそのスタンスは崩さない。ただ、この点を店舗事業の強化で補う。

年間5店舗純増120店舗体制に

2000年にスタートした店舗事業は、09年に100店舗体制を構築。以降、108店前後を適正な数と捉え、年間2~3店舗を出店するものの、採算性をみてスクラップアンドビルドを行ってきた。

対するファンケルは165店(昨年12月末時点、健食の専門店である「ファンケルヘルスハウス」を除く)、DHCは200超の直営店を展開。店舗の売れ筋が化粧品であることを踏まえると、化粧品事業の規模が同等のこれら企業に比して少ない。

だが、ブランド再構築の中では、その一環として顧客への“メッセージ性”を強化。昨年1月には、これまでポーラ化成工業で容器デザインなどを行うデザインチームを各事業会社に編入、マーケット寄りに移した。商品やカタログにおけるブランドの世界観や統一感を横串で見るほか、店舗もVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)戦略()の転換や販売員の接客力強化に取り組んでいる。現在、既存店の売上高は前年比5%増と堅調に推移する。

オルビスの改装前の店舗
改装前の店舗
オルビスの改装後の店舗
改装後の店舗

※改装前の店舗㊤と改装後の店舗㊦。以前は入口から見て主力スキンケアが顧客から遠く、柱の影に隠れていた。改装後は顧客の導線を意識。どこからも主力スキンケアが見え、要所にポスターやロゴを配置しブランド認知を図る

これを受け、今後は年間5店舗の出店を計画。可能な限り純増とし、3年後に120店舗体制の構築を視野に入れる。店舗事業の強化で流通戦略の不実施からくる企業ブランドの弱さを補っていく。

◇◇◇

【阿部嘉文社長に聞く】ブランド再構築の評価は

オルビスはいかにブランド再構築に取り組んだのか。商品価値の向上など外から窺えるこれら改革と併せ、進めたのが従業員の意識改革や企業風土の醸成だ。ブランド再構築のこれまでの評価と、その原動力を生んだ組織改革の取り組みを阿部社長に聞いた。

――ブランド再構築の必要性はどこにあった。

「問題はオイルカットというこれまでにない切り口で商品を作り、革新性を売りにしてきたのに、いつの間にかそれが無くなっていたことだ」

――町田前社長とどう役割を分担したのか。

「町田が主に商品戦略やプロモーション、私が組織改革を担当した。お客様から見えるイノベーションを作るのは、従業員のチャレンジ精神や企業風土の醸成など内部のイノベーション。ビジュアルやロゴは後からでも変えられる。ブランドの重要性に気づけば、仕事のやり方も変わり、お客様からの見え方も変わる

――革新性を生むため組織を活性化することは難しい問題だと思う。どう取り組んだ。

「これまでのオルビスは、ポーラからの出向者が経営陣を占めていた。そこは若い会社であり、マネジメントの主体をポーラが補っていた面があった。ポーラから役員がくれば“今度は何をするのか”という雰囲気も正直あったと思うし、オルビスを好きで入ってきた社員の夢が叶わない体制は良くない。やはりオルビスはオルビスの生え抜きの人材がきちんと運営し、将来トップに立つことがあるべき姿。着任後、人心の面からも組織を見直し、今ではオルビス出身の社員が経営の中核を占めている※執行役員以上では、12年1月に6人中3人が、今年1月に7人中4人がオルビス出身者になっている)

――革新性を追求する中、それを実行できる社員とそうでない社員がいたと思う。人事面の評価はどう変えたのか。

「評価者側として大きく変えたことは一つ。表面的な部分のみを捉えたマイナス評点をしないことだ。減点主義では、誰もチャレンジしようと思わないし、商品は革新性のない無難なものになる。革新をもたらそうと思えば顧客からさまざまな反応があるが、チャレンジ精神を重視した

――これまでのブランド再構築の評価は。

「リニューアル商品しか作ってこなかった数年の状況を打破し、『オルビスユー』という全く新しいラインを出し、ヒットさせることができたのは一つの成果。ただ、まだ途上にある」

――課題はどこに残す。

「スピード感だ。ブランド再構築といっても一つの商品でイメージを変えるのは難しい。成功が続くことで初めてお客様からの見え方も変わる。従業員にも自信が生まれ、意識が変わる

――昨年導入したポイント制度の評価は。

「『ボリュームディスカウント』が一つの柱という意識は非常に強く、止めることで売り上げが下がる不安から反対論は根強かった。だが、ロイヤリティの高い顧客といかに結びつくか、思想面を含めて議論を重ねた」

――現状の評価は。

「購入履歴の浅い顧客への魅力づけをどう行うかが課題だ。また、現状はほとんど割引の代わりのポイントになっている。制度の狙いは“コミュニケーションツール”として活かすこと。楽しさを提供できる制度にどう変えるか課題になる」

――マス広告をあまり活用せず、流通戦略も展開していない。理由は。

「ダイレクトセリングだからこそお客様に提供できる価値を直接伝えることができる。やみくもな売り上げの成長だけを追求することは考えていない。長く使い続けてくれるお客様を着実に増やし、着実な成長、収益性の確保を図る

――企業ブランド確立の点では、マス広告展開していないことがマイナスに働くのではないか。

「ブランドの認知そのものは低く、何をやっている会社か分からないという弱さはある。その点は顧客とのコミュニケーションの中で理解してもらう努力は必要だと考えている。その意味で店舗事業の強化がこの点を補うことにもなる」

――店舗の収益性が改善した要因は。

「一つは販売員の接客力が向上したこと。店舗には販売ノルマはなく、顧客満足を高めることを基本に、各店のトークマニュアルは日々改善されている。これを自主的に行えるようになった成果が出始めだ。もう一つは、ブランド再構築の中でお客様への“メッセージ性”を強化した。今までは『誠実さ』『お客様目線』を重視するあまり、積極的な接客は“積極的に声をかけることがクレームにならないか”など、ある面で非常に控えめになっていた。伝えるべきはきちんと伝えることが大事だろうと考え接客するようになった結果、既存店舗の効率が着実に向上し、成果につながった」

――マニュアルは店舗間で共有できている。

「その点はまだ課題になっている部分もあるが、各店の取り組みが全体の底上げにつながっている」

オルビスの阿部嘉文社長
阿部嘉文社長
◇◇◇

『新社長の横顔』──人を“活かす”力に注目

ブランド再構築をけん引した町田恒雄前社長の急逝を受け、新社長に就いた。経歴では、ポーラの経営企画室長やホールディングスの総合企画室長を経験。ポーラの訪販の現場、オルビス創業期のメンバーとして、販売第一線で陣頭指揮を執ってきた町田前社長と比べると、受け答えに洗練された印象はあるものの、管理畑との印象が強い。

だが、40代半ばまでポーラの販売会社を経験した。学んだのは、“本部機能の重要性”。「本部で長く机に座っていると数字の計算に陥り、現場の苦労を忘れる。本部が施策を間違えば、販売現場は機能しない」と話す。

2005年から約2年間はポーラのコールセンター所長を務めた。特にクレーム対応は、顧客心理の理解につなげるため、夜まで会話内容を読み込むこともあったという。当時、メール対応の機能が弱く、クレームの種類に合わせて返信のひな形を作った。しかし、「定型文で返すこと自体に気持ちが感じられない」と顧客に叱られ、顧客と会社の考えのギャップを学んだ。

オルビスでは、町田前社長がマーケティングやMDを、阿部社長が経営管理や組織改編など内部管理を担った。「偉そうに言えば二人三脚」という口ぶりは控えめで、強力なリーダーシップを発揮するイメージはない。

だが、取材中、幾度となくオルビスで店舗や通販を担う人材が育ちつつあることに言及。自らはブランド再構築の要となる社員の意識改革に力を注いだ。現在、経営陣はオルビス社員が中核を占め、2トップ体制からチーム制に移行した。今後、オルビス社員の手によるオルビスをつくれるか、阿部社長の人を活かす力が試される。

 

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
オルビス 売上高700億円へ "革新性"二の矢、三の矢で挑む(2015/05/01)

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トクホ審査で安全性が確認できない。「機能性表示食品」制度に新たな問題が浮上 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
届出を受理された商品の成分について、トクホ審査で安全性に疑義が呈され“相克”が問題に

「機能性表示食品」制度に新たな問題が浮上している機能性や安全性の評価を巡り、トクホとの相克が新制度に影響を及ぼす可能性があるためだ。届出を受理された商品の成分について、トクホ審査で安全性に疑義が呈されていたことが明らかになったことで問題が顕在化。また、制度の運用面でも「実質的に審査に近い形で運用されている」との声が聞かれる。だが、新制度は“企業の自己責任”を前提とするもの。根本的に異なる制度だ。

問題となったのは、17日に受理されたリコムの「蹴脂粒」。同じ成分を含む飲料をトクホ申請しており、現在、食品安全委員会が評価。近く「作用機序が医薬品と同じで臓器に影響を及ぼすことが否定できない」との評価書案をまとめる予定だ。

これにリコムは、「医薬品で副作用を起こす投与量を、届出商品の成分量に換算すると、1日に28~80キログラム食べる量に相当」と、問題ないとの認識を示す。一方の消費者庁は届出商品に疑問が生じた場合、「個別案件は答えられないが(一般論として)制度は事後チェックが可能なよう情報開示しており、企業に確認することもあるし、届出撤回を求める指示を行う場合もある」としている。

新制度はトクホと全く異なる制度になる。トクホは、製品の臨床試験で安全性を確認し、これを国が審査する許可制。一方の新制度は、食経験やトクホに準じた製品等の臨床試験で安全性を評価すれば、企業の自己責任で表示してよいものだ。また、そのためにトクホ以上の注意表示も義務付けられている。リコムは、製品で臨床試験を行っており、制度上、必要な要件をクリアしている。

別の問題も浮上している。実質的に許可制に近い運用が一部でみられるとの指摘だ。届出件数は現在、130件。1カ月が経過しようとしているが、受理は11件に留まり、現状のペースではすでに届出した商品の受理が数カ月後になる可能性がある。滞っている要因の大半は単純な書類不備。だが、「機能性に関する追加データの有無の確認や適切なシステマティックレビューを行うための指針である『PRISMA(プリズマ)声明』の再確認を求められた」(届出を行った企業)との声も聞かれる。表現そのものの変更は求めないが、表現に値する根拠が十分か確認するものだ。

前出の企業は「“法律上問題ないが、外部から指摘があるかもしれない”と確認されたが、消費者庁と見解は異なり、根拠と表現にかい離がなく十分であると考え、そのまま再度届出した」(同)とする。プリズマ声明への準拠も「日本健康・栄養食品協会への事前相談で確認した」(同)という。こうした押し問答が、受理までの期間を長引かせているようだ。

指摘されるケースは、例えば「目の調子を整える」といった表現に「『目の調子』全般に関するデータがない」といったもの。新制度は、限られた免疫指標の評価で身体全体の免疫に関する機能があると誤解を招く表現などが禁止されており、こうした表現が対象とみられる。

この状況に、企業からは、「『ガンが治る』など明らかにNGな届出がノーチェックで流通するのは好ましくない」といった声がある。一方、「表示事項やプリズマ声明が問題ないのに再確認を求めるのは止めてもらいたい」「届出時に販売日は確定しており、資料差し替えは販売計画に大きな影響を与える。事前相談の体制を整備してほしい」といった声が聞かれた。

これまで経験のない制度のため慎重な運用も必要。ただ、仮に過度な介入が行われていれば企業はこれに一喜一憂することになり、許可制と変わらない。トクホと異なる設計の意味はなく、企業の自己責任による事前届出制という制度の根底が覆ることになる

【板東長官との一問一答】

「実質審査していない」

4月22日、28日に行われた板東久美子消費者庁長官の記者会見での一問一答。

板東久美子消費者庁長官
板東久美子消費者庁長官

――2週間で8件(17日時点)のペースに対する受け止めは。

「初めての制度で、書類の記載に問題があったりする。制度が軌道に乗れば時間も短縮し、ただちに認められるものも増える。ミスが起こりやすい点を整理して発表し、円滑な運用を工夫する。受理件数は少ないが今後、加速していく」

――表現ぶりを審査に近い形でチェックしていないか。

「例えば『病気に効きます』はいけない」

――治療効果など明らかにNGなものを除き、表現をチェックしているわけではない。

「一定のガイドラインとして示しているものがあるので実質上の審査をしているわけではない」

――安全性の問題が指摘されたものは受理できない。

「制度は事後チェックの制度。安全性に根拠がないとなった場合、販売してはならない。食品安全委員会の審議が途中なので、安全性に根拠がないのか注目している」

――受理後に安全性に根拠がないと分かった場合の対応は。

「個別の話はできない。疑義があった場合、表示自体の問題ではなく、前提となる根拠の問題。届出自体の適否を判断する。撤回を求めることもあるし、機能性表示食品として販売・表示しない形も考えられ、ケースによって異なる」

――受理の適否は消費者庁が判断するのか、事業者が回収など行い撤回するのか。

「届出は一定の要件を満たしているかが成立要件。(安全性の根拠がないなど)前提となる要件が満たされていない場合に届出の撤回を求めていくのが通常のケース」

 

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
機能性表示食品  "トクホとの相克"が問題に(2015/05/01)

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アマゾン、福岡市内に国内3か所目のカスタマーサービスセンターを開設へ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
札幌、仙台に続いて3か所目で、顧客からのメールといった問い合わせ対応を強化

アマゾンジャパンは5月12日、事業拡大に伴い福岡市内にカスタマーサービスセンターを開設すると発表した。開設は9月を予定している。カスタマーサービスセンターは札幌、仙台に続いて3か所目。顧客からのメールといった問い合わせ対応を強化し、近郊エリアの雇用機会を創出につなげる。

新センターは福岡市博多区の長府博多ビジネスセンター内に開設する予定。全国の顧客から電話、メールによる問い合わせを、365日体制で対応する。

5月から人材の採用活動を開始し、開設初年度は数百人規模の採用を計画している。

カスタマーサービスセンターが入居する仙台市のビル外観

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中川 昌俊

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スマホ比率7割、ユーザーの8割は女性。ファッションECで注目集まる「Qoo10」の戦略 | 2015年のEC市場を占う! 押さえておくべきポイントは? | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「Qoo10」はファッションや美容商材を中心に、売り上げが伸びるECモールとして話題に上がり始めている

ファッションや美容商材を中心に、売り上げが伸びるショッピングモールとしてEC事業者の間で話題に上がり始めている「Qoo10」。2014年の流通額は2013年に比べ30~40%増加しているという。「Qoo10」の特徴や2014年に取り組んできたこと、2015年に進めていくことをジオシス行同会社代表の金孝種(キム・ヒョウジョン)氏に聞いた。

出店者とのコミュニケーション積極化で力を入れるショップ増やした

――2014年に「Qoo10」が力を入れたことは何でしょうか。

2014年は出店者の売り上げを伸ばすことに最も力を入れてきました。正直なところ、2013年までは、楽天やアマゾンにも出店しているショップの多くが、“「Qoo10」にまで手が回らないけど、とりあえず出店している”という状況ででした。「Qoo10」の特徴やシステム、どのように活用すれば実績を上げられるかあまり理解されていませんでした。そのため、プロモーションの仕方や広告枠の活用方法を説明して、売り上げを伸ばすためのノウハウを伝えることに注力したのです。また、店舗対応のスタッフを増やし、出店者と積極的にコミュニケーションをとるようにした。こうした施策で、「Qoo10」に力を入れるショップも増加し、大きく売り上げを伸ばす店舗も徐々に出てきています。

――売り上げを伸ばしているのは、どういうジャンルのショップですか。

女性向けファッションの店舗です。すべてのジャンルの商材で伸ばせれば一番いいのですが、「Qoo10」の規模ではジャンルを絞った打ち出し方をしていかなければ、他の大手モールに負けてしまいます。利用者の70%以上はスマートフォンからの利用で、80%以上は女性。こうしたターゲットに一番相性の良い、女性向けファッションに力を入れて販売してきました。

――ファッションジャンルに絞った打ち出し方とは。

スマホアプリ限定のキャンペーンを展開したり、スマホアプリで購入するとインセンティブが高まるといった施策を行いました。PCのメルマガを見たお客さまにもこうしたキャンペーンをお伝えすることで、アプリ経由で購入してもらえるようにしています。ファッション商品に絞って掲載している「Qstyle」というアプリも展開。このアプリだけの特典を付けるなど、ファッションに興味のあるユーザーにお得感が感じてもらえるようにしています。こういった施策で、より購入頻度の高いお客さまに対し、効果的なキャンペーンを展開しています。

――2014年の「Qoo10」の流通額は。

具体的な数字を出すことはできませんが、2014年は2013年に比べて30~40%伸びています。この数字は他のモールに比べても大きな数値で、ちょうど「Qoo10」が伸び盛りであることを理解できるのではないでしょうか。出店者数も大きく伸びてきています。

女性ファッションに特化したアプリ「Qstyle」

シンガポールなどへのクロスボーダーの取り組みを強化

――2015年の取り組みは。

2014年は大きく流通額を伸ばすことができましたので、2015年はさらにこの動きを加速していきたいと思っています。そのため、2014年に行ってきたことをさらに強化していこうと考えています。具体的には、メディアとの連携を進めていく予定です。すでにSNSの「カカオトーク」と連携したキャンペーンを実施していますが、それ以外にもメディア連携で集客力を高めていこうと考えています。

新たに計画しているのは、クロスボーダーの取り組みです。これは、日本の出店者の商品を自動的に海外で運営している「Qoo10」で販売できるようにすると同時に、海外の商品も日本の「Qoo10」で販売できるようにしていくつもりです。

――連携を始める御社のサイトとは。

当社グループでは現在5カ国7サイトを運営していますが、最初にシンガポールと日本の「Qoo10」を連携する予定です。シンガポールは当社グループの本社がありますし、「Qoo10」が最大のマーケットプレイスとなっています。そのため、日本の商品をシンガポールのサイトで販売し始めると、すぐに結果が出ると考えています。

――クロスボーダー取引は、物流の問題や関税の問題など、仕組みが複雑になります。このあたりのサポートについてはどう考えていますか。

当社グループで物流サービスを行っている会社があり、進出しているそれぞれの国でサービスを展開しています。出店者は日本の物流拠点まで配送すれば、自動的にシンガポールまで届く仕組みになります。シンガポールでは実際にトラックで個人宅に配送するサービスも行っていますので、信頼して利用できます。

アジアを中心にサイトを展開、シンガポールではローカル1位

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2015年のEC市場を占う! 押さえておくべきポイントは?
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BEENOS、インドの価格比較サイト運営会社の第三者割当増資を引き受け | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
これまでもインドのマーケットプレイス運営社や決済企業へ出資している

ECサイト「ネットプライス」などを展開するBEENOSは5月11日、インドで価格比較サイト「Buyhatke.com(バイハッケ)」を展開する、Buyhatke Internet Private Ltd.の第三者割当増資を引き受け、インドを代表する大手グローバルIT企業のインフォシスの共同創業者クリス・ゴパラクリシュナン氏らと共に、総額約1.2億円を出資したと発表した。BEENOSではインドなどEC新興市場への投資を進めており、今回の投資もその一環とみられる。

バイハッケは、価格比較サイト・アプリ「Buyhatke.com」を運営。インド大手ECサイトの「Flipkart(フリップカート)」や「Snapdeal(スナップディール)」、「ShopClues(ショップクルーズ)」など300以上のECサイトから3000万アイテム以上の商品価格を横断的に収集・分析し、価格比較結果を提供している。

インド国内では最大規模の価格比較サイトで、過去の商品価格動向をもとにベストな買い時を提案する機能や、価格が安くなったタイミングでアラートを発する機能、購入時のリアルタイムクーポン検索機能などを提供している。

BEENOSではこれまで、インドのEC企業への投資を進めており、2013年1月に大手マーケットプレイス「ShopClues(ショップクルーズ)」、2013年11月に大手オンライン決済会社「CitrusPay(シトラスペイ)」に出資している。

Buyhatke.comのECサイト

Buyhatke.com

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忙しくなりはじめたら効率化でホスピタリティを維持しよう | マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営 | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
コツ50:忙しくなりはじめたら効率化でホスピタリティを維持しよう

登場キャラクター

パン田君

パン田君 手作り雑貨の通販サイトを運営している。

レッサー君

レッサー君 パン田君の通販サイトのスタッフ。

パン田君「忙しくなってきたな!注文や問い合わせが殺到だ!!即レスしたいのに量が多すぎて追いつかないよ〜 ……なんか似たような質問も多いな あっ! これってもしかして定型文を作れば作業がぐっと楽になるかも さらにひらめいた!HPにFAQを載せておけば買いやすいお店になるし問い合わせも減るぞ!!」
レッサー君「これで仕事が減りますね……」

問い合わせは2種類に分けられる

ネットショップが忙しくなってくると、受注処理・問い合わせ・梱包などの業務も一気に増えてくるものです。今までは丁寧に時間をかけて応対していた問い合わせへの返事も、見落としたり、雑になったり、遅れたりしてしまうことも。せっかくのお客さんからのメッセージをふいにしてしまわないように、問い合わせを「重い」と「軽い」の2に分類しましょう。分類してそれぞれに即した応対をすることで、返信スピードや接客クオリティの向上につながります。

パン田君「これってもしかして定型文を作れば作業がぐっと楽になるかも」
同じような問い合わせも多いもの。定型文やFAQページを作って効率化しよう。

「軽い問い合わせ」は効率化できる

「ラッピングができるか?」「今日注文したらいつ届くか?」など、答えが明快で、簡単に答えられる問い合わせは、「軽い問い合わせ」に分類できます。

このような「軽い問い合わせ」は、仕組み化して効率化できます。今まで問い合わせに返信したメールの文面を、「送信済みフォルダ」で確認してみると、きっと内容が似ているメールが多くあるはずです。それが、「よくある問い合わせとそれへの返信」なので活用しましょう。

まず、問い合わせ内容別にメールを分類し、かつての返信メールをもとに、「返信用のメールテンプレート」と「よくあるお問い合わせ(FAQ)ページ」を作成します。テンプレートを使って返信することで、時間が短縮できますし、FAQのページを充実させ、わかりやすい場所からリンクを張っておくことで、お客さんはこのページを見て自己解決できるので、問い合わせ自体の数をグッと減らすことができます。そうして空いた時間を、「重い問い合わせ」の対応に充てましょう。

「重い問い合わせ」は天の声!

「原料の産地を全部知りたい」「セットの組み替えはできるか?」など、即座に答えることが難しく、調べたり確認してからでないと対応できない問い合わせは、「重い問い合わせ」に分類します。

すぐ答えられない分、どうしても手間や時間がかかってしまうので、つい後回しにしてしまいがちです。でも、実はこういう問い合わせをするお客さんほど、返信を心待ちにしているもの。返信が遅くなると、クレームやトラブルの火種にもなりかねません。今まで築き上げた信用を失うことなく、また、接客力を高めるためには、「軽い問い合わせ」を効率化して生まれた時間を使って迅速に対応することです。対応の早さと正確さに、問い合わせをしてきたユーザーも安心して購入できるはずです。

また、重い問い合わせにじっくり向き合うことで、問い合わせの背景に隠れた問題点にも気付きやすくなります。店側からはわからない、お客さんの目線で見て、はじめて気付くことも多いもの。ナビゲーションや商品ページの情報量など、店舗運営やサイト改善のきっかけにもなります。

ニッチ商品は「重い問い合わせ」でお客さんの心をつかむ

注文家具や仏具・婚礼用品など、一般ユーザーが買い慣れないような商品(ニッチ商品)を扱うお店の問い合わせは、細かいサイズや、自分でも使えるか?といった「重い問い合わせ」の比率が高いので、他店と比べて対応も大変かもしれません。ですが、「問い合わせる」ということは、「商品に興味を持ってアクションを起こしてくれた」ので、見込みがあるという意思表示のようなもの。こういった問い合わせに、懇切丁寧に答え、ときには相談に乗ることで、お客さんの信用を得ることができますし、お客さんがどんな店と自店舗を見比べていてるか、どんな基準で商品を選んでいるかなどの情報も手に入ります。

一度ガッチリ心をつかめば、リピーターになってくれたり、「買うならこの店がいいよ」とクチコミしてくれたりなど、問い合わせからはじまる縁も多いもの。じっくり誠実に対応しましょう。

注文や配送についてだけでなく、ギフトラッピング、お酒の賞味期限や保存方法など、商品についてのFAQも用意している
注文や配送についてだけでなく、ギフトラッピング、お酒の賞味期限や保存方法など、商品についてのFAQも用意している。
あさびらき十一代目 源三屋 http://www.rakuten.ne.jp/gold/asabiraki/
「重い問い合わせ」ほど購入の意思が強いとも言えるね!

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マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営
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川村トモエ, 湯鳥ひよ+トレンド・プロ(マンガ)

ロックオン、「EC-CUBE 3」のβ版の提供を開始 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「拡張性」を向上し外部サービスなどとの連携を強化、正式版は6月末に公開予定

ロックオンは5月8日、EC構築オープンソース「EC-CUBE 3」のβ版をリリースした。「EC-CUBE 3」は拡張性を重視し、スマホアプリやリアルのPOSレジ、Iot対応なども視野に入れているのが特徴。6月末に正式版を公開する予定。

新しい開発基盤は、柔軟な拡張性と開発効率の向上を図るため、PHPマイクロフレームワーク「Silex」を採用した。 ユーザーインターフェースを刷新し、管理画面をレスポンシブウェブデザインに変更。タブレットなどでも快適に使えるようにした。

フロント画面では購入フローを大きく見直し、カゴから購入完了までを3ステップに短縮した。

現在、開発やデバッグに協力できる開発コミッターを募集している。また、各地で「EC-CUBE 3」の概要を説明するセミナーも行っている。

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中川 昌俊

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スマホの電子サインで荷物の受取が可能に、佐川急便 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
受領処理をスムーズにするほか、配達時にスマホを使った新たな商品などの提案につなげていく

佐川急便はスマートフォン(スマホ)を利用した「電子サイン」の導入を、4月から一部エリアで開始したと発表した。宅配便業界では初。2017年度までに全国の配達員5万人に配備していく。スマホを活用することで、受領処理をスムーズにするほか、配達時にスマホを使った新たな商品などの提案につなげていく考え。

宅配便の受け取りは従来、伝票への押印かサインが必要だった。新サービスに対応しているエリアでは、スマホの画面に専用のタッチペンでサインすることで荷物を受け取ることができる。複数個の場合も1回のサインで対応可能となる。

「これまで配達日の翌日以降でなければ、配達が完了している荷物の受領印データの確認ができなかったが、「電子サイン」の導入により最短5分で確認が可能となる。

佐川急便はペーパーレス化が促進できるほか、受取伝票をスキャンする手間や紛失するリスクがなくなる。

今後は新商品の新サービスを、スマホ画面を見せながら提案するといったことにも活用していくとしている。

スマホの電子サインで荷物を受け取るイメージ

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担当編集者のコメント: 

スマホを利用した電子サインサービスについては、ユーザーにとって従来と比べ負担が大きくなることはなく、一方で佐川側の受け取り処理がスムーズになることを考えればぜひ進めていくべきことであろうと考えられる。

ただ、今後、検討しているというスマホを利用した新商品や新サービスの提案については、配送インフラである宅配会社の領分を越えてしまっているのではないかと思う。例えば、Aという会社の健康食品を定期購入している人に対して、佐川が提携しているBという会社の健康食品を配送時に提案することも可能だ。結果的に、配送インフラを持っている会社と、その会社と組んだ会社だけが有利になってしまうということにもなりかねない。

また、ユーザーとしても配送時に提案などをされることは期待しておらず、対応に困るというユーザーが増える可能性が高い。結果的に通販・EC市場にとってマイナスとなることは必至だ。

もし、実際に配送時に新サービスを提案するようなサービスが具現化するようであれば、業界として反対意見を挙げていかなければならないと考える。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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アマゾン担当者が語る「Amazon ログイン&ペイメント」。EC企業必見のセミナー開催 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
フューチャーショップはアマゾンの担当者を招き、5~6月に「Amazon ログイン&ペイメント」を説明するセミナーを開催

「Amazon ログイン&ペイメント」のサービス内容を、アマゾン ジャパンの担当者が公の席で公表する。ECプラットフォームとして初めて実装するフューチャーショップは、アマゾン ジャパンの担当者を招き、セミナーを5月と6月に開催。注目が集まる「Amazon ログイン&ペイメント」のサービス内容などが披露される。

登壇するのは、アマゾン ジャパンのセラーサービス事業本部事業開発部 Amazonペイメント セールスマネージャーの鈴木保幸氏。「Amazon ログイン&ペイメント」について説明する。

5月に開くのは、5月13~15日に東京ビッグサイトで開催される「通販ソリューション展」のフューチャーショップのブース内。5月13日は14時20分から14時40分。5月14~15日は、14時30分から14時50分まで。すべて20分間。

6月は、「購買行動の変化を捉え、これからのEC戦略を考えるオムニチャネル化への対応と、その先 ~Amazonログイン&ペイメント導入が自社ECにもたらす価値は?~」と題したセミナーの1セッション。「Amazon.co.jpのお客様を、あなたのお客様に。」と題して、サービス詳細を説明する。開催は6月16日が東京、18日が大阪。

6月のセミナーの第5講座には、「~モール、自社EC、そしてオムニチャネル。これからのEC事業者が目指さなければならないことは何か~」と題したパネルディスカッションも開催。DIYのECを手がける大都の山田岳人社長、Yシャツ通販の柳田織物の柳田敏正社長が対談する。

「Amazon ログイン&ペイメント」のサービス内容が説明されるセミナーは次の通り。

5月13~15日の「通販ソリューション展」

場所:東京ビッグサイト 東14-1
スケジュールhttp://www.future-shop.jp/campaign/ts-expo/2015/spring/

「購買行動の変化を捉え、これからのEC戦略を考えるオムニチャネル化への対応と、その先 ~Amazonログイン&ペイメント導入が自社ECにもたらす価値は?~」

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約8年。まだまだ、日々勉強中。

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「Amazon ログイン&ペイメント」をフューチャーショップが実装へ、ECプラットフォーム初 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「FutureShop2」を利用する1900店舗超のEC企業が「Amazon ログイン&ペイメント」を利用できる環境が整う

EC構築支援のプラットフォーム「FutureShop2」を提供するフューチャーショップが、アマゾン ジャパンが提供を始めた「Amazon ログイン&ペイメント」を実装することがわかった。「FutureShop2」を利用する1900店舗超のEC企業が「Amazon ログイン&ペイメント」を利用できる環境が整う。「Amazon ログイン&ペイメント」を導入するECプラットフォームとしてはフューチャーショップが初めて。

「Amazon ログイン&ペイメント」は、導入した自社ECサイトにおいて、「Amazon.co.jp」のアカウントでログインすることができ、そのアカウントに登録してある配送先住所やクレジットカード情報を決済などに利用できるのが特徴。

導入企業はアドレスや配送先に関する顧客情報を自社で管理することができる。Amazonのアカウントで購入した顧客に対する、メールマーケティングやクーポン、ポイントプログラムなどの販促活動も可能だ。

「FutureShop2」のオプションサービスとして提供する。提供開始日は9月1日。7月1日から申し込みの受付を始める。

「Amazon ログイン&ペイメント」をフューチャーショップが「FutureShop2」に実装

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したカート内の表示イメージ(現在開発中のため、一部変更する場合あり)

フューチャーショップが行った、「FutureShop2」の稼働店舗で月間訪問者数5万人以上のECサイト中10店舗を無作為に抽出した調査によると、商品をカートに入れたものの、決済完了までたどり着かないカート放棄率が平均66.17%を示していた。

「Amazon ログイン&ペイメント」の導入は、「入力の手間を減らし購入時にかかる時間を短縮することが可能となり、コンバージョン率を高めることが期待できる」(フューチャーショップ)としている。

アマゾン ジャパンが5月11日に行った会見では、第1弾導入パートナーとして、夢の街創造委員会が運営する「出前館」の出前サービス、四季が運営する「劇団四季」のチケット販売サービスへの導入が明らかにされていた。

フューチャーショップが「Amazon ログイン&ペイメント」を競合のプラットフォームに先駆けて実装が決まったのは、Amazonが開拓したいEC企業の層とマッチしたからとみられる。

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瀧川 正実

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ほとんど知られていない「Amazon ログイン&ペイメント」導入の仕方とその詳細 | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
ECプラットフォームの「FutureShop2」を提供するフューチャーショップが「Amazon ログイン&ペイメント」を実装する

自社ECサイトで「Amazon.co.jp」のアカウント情報を使って配送先指定やクレジットカード決済などができる「Amazon ログイン&ペイメント」。その導入先として「劇団四季」「出前館」のサービス系サイトが導入パートナーとなったことが5月11日に明らかになったが、中堅・中小企業を含めた他の自社ECサイトも導入できるようになることは知られていない。EC構築支援のプラットフォーム「FutureShop2」を提供するフューチャーショップが「Amazon ログイン&ペイメント」を実装し、9月1日にオプションサービスとして提供を始めるのだ。

「Amazon ログイン&ペイメント」の仕組みと特徴

「Amazon ログイン&ペイメント」は、米国Amazonが先行し、欧州などで提供している「Login and Pay with Amazon(ログイン アンド ペイ ウィズ アマゾン)」の日本版。2013年にアメリカでスタートし、2014年にはイギリス・ドイツ・インドでもサービス提供を始めている。日本は5か国目。

大きな特徴として、「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したECサイトでは、「Amazon.co.jp」のアカウントでログインすることができ、そのアカウントで登録している配送先住所やクレジットカード情報などを利用できることがあげられる。

多くの消費者が利用する「Amazon.co.jp」のアカウントで、「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したECサイトで消費者は商品購入できるようになるということ。カートの離脱率を下げ、コンバージョン率の向上、新規会員登録促進につなげることができるようになる

「Amazon ログイン&ペイメント」
「Amazon ログイン&ペイメント」のイメージ

ビジネスシーンに関する「Amazon ログイン&ペイメント」の紹介動画

消費者向けの「Amazon ログイン&ペイメント」の紹介動画

【「Amazonログイン&ペイメント」に関するサイト】

利用者情報は自社ECサイト側で通常通り管理することが可能

この仕組みをECプラットフォームとしては日本で初めて実装するのがフューチャーショップ。EC構築支援のプラットフォーム「FutureShop2」を利用する1900店超の店舗が、オプションとして利用できるようになる。サービス提供は9月1日を予定しており、先行して7月1日から利用の受け付けを始める。

「Amazon ログイン&ペイメント」の外部提供に合わせたシステムをフューチャーショップが開発。「FutureShop2」のプラットフォームを利用して構築したECサイトにおいて、「Amazon.co.jp」のIDとパスワード情報を使って消費者がログインし、その情報を外部企業(買い物をしている自社ECサイト)への提供を許可することで、会員情報やアドレス帳に登録された届け先リストなどを呼び出すことができるようにする。

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したカート内のイメージ
「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したカート内の表示イメージ(現在開発中のため、一部変更する場合あり)

フューチャーショップの星野裕子社長は導入メリットを次の3点にまとめた。

導入メリット

  • Amazonアカウントでログインできるので新たなアカウントを作成したり、パスワードを覚える必要がない
  • Amazonアカウントで登録された会員情報および送付先情報(アドレス帳)を活用できるので購入時に必要な情報入力が圧倒的に少なくなる
  • Amazonの決済システムを利用できる(クレジットカード番号入力の必要なし)

この導入メリットが自社ECサイトにどのような効果をもたらすのか? それは、注文完了での時間が圧倒的に短縮し、カート放棄率の改善、コンバージョン率の向上が期待できるようになると考えられる。

消費者は「Amazonログイン&ペイメント」導入店舗において、Amazonの登録情報を使ってサイトにログインできるようになる。ログインしたまま、そのECサイトで決済できるようになることは自社ECサイトにとり、利便性の向上につながる。

「Amazonログイン&ペイメント」はログインにとどまらずそのまま決済まで行うことが可能。一見簡単なように見えるこの仕組みだが、OpenIDでのログインだけでは実現することは難しいとされる。他の事業者のOpenIDなどが提供できない“ネット上の買い物に関する情報”、つまり、小売事業者であるAmazonだからこそ保持している送付先住所といった個人情報情報を、外部企業は活用できるように設計しているためだ。

また、「Amazon.co.jp」が提供するペイメントサービスを利用することは、セキュアな環境の担保、初回購入時のユーザーの不安を取り除くことになるので、信頼性・安心感の提供につながる。個人情報の入力の手間がなくなることは、初回購入時の不安の取り除きなどに寄与する可能性が高い。

「Amazonログイン&ペイメント」を使った顧客情報は従来通り、自社ECサイトの顧客情報として活用できるのも特徴だ。「Amazonログイン&ペイメント」を利用して会員登録や決済をした会員情報および購入情報は、自社ECサイト側で通常どおり管理することが可能。メールマーケティングやクーポン、ポイントプログラムなどの販促活動に利用できる。フューチャーショップの星野裕子社長は次のように説明する。

購入手続き以降の画面遷移や決済手続きフェーズで、他サイトに移動するサービスはこれまでにもありました。

しかし、今回の実装では導入している自社ECサイトから他サイトに移動することなく手続きが完了し、シームレスな環境が用意できることも特長的。

さらに、「Amazonログイン&ペイメント」経由で登録した会員情報や購入情報は、自社ECサイト側で通常通り管理でき、販促活動に活用できる。店舗側にとっても、消費者側にとってもいいことずくめです。

「Amazonログイン&ペイメント」は、すでに開始されているアメリカなどでは、導入効果としてコンバージョン率が34%アップした事例や、顧客単価が30%向上した事例がある。

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入したパートナー企業の、導入前後の数か月でのコンバージョンレート(カートに商品を入れた後の成約率)比較を見てみる。

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した企業のコンバージョン改善事例
「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した企業のコンバージョン改善事例

インテリア雑貨などの「cymax」では、3人に2人が、「Amazonアカウント」のID・パスワード、住所情報を利用して会員登録しているという。

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した「cymax」の導入事例
「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した「cymax」の導入事例

ちなみに、フューチャーショップが「Amazon ログイン&ペイメント」を競合のプラットフォームに先駆けて導入できたのは、Amazonが開拓したいEC企業の層とマッチしたからとみられる。

独自ドメインサイトが抱える課題を解消できる“自社EC革命”の始まり

フューチャーショップは、「FutureShop2」の稼働店舗で月間訪問者数5万人以上のECサイト中10店舗を無作為に抽出し調査を行ったところ、商品をカートに入れたものの、決済完了までたどり着かないカート放棄率が平均66.17%を示していた。

その理由として星野社長があげたのが次の2点。

  1. 購入手続き画面に進んだ後、注文者の情報や送付先情報の入力の煩雑さで購買意欲が削がれてしまう
  2. 決済時のクレジットカード情報入力時の不安

上記2点に加え、スマートフォンでの購入率が30%を超えるECサイトも多く、住所などの入力時の手間によるカート放棄率は、自社ECサイトを運営する企業にとって大きな課題となっていた

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入するメリットの一部
「Amazon ログイン&ペイメント」を導入するメリットの一部

「Amazon ログイン&ペイメント」はこうした自社ECサイトが抱える課題の解決につながる有効なソリューションとなりそう。「出前館」などのように直接自社のECサイトに導入するには、新たな開発などが必要となる。カート部分を実装のために開発し直すといったことが発生するためだ。

こうしたことは、開発者を抱えていない企業にとりコストも労力もかかるため、すぐに対応することは難しい。だが、フューチャーショップのような「Amazon ログイン&ペイメント」を実装したプラットフォームを利用すれば、中小企業でも簡単に利用できるようになる。

1900店舗超のEC実施企業が「Amazon ログイン&ペイメント」を利用できる状況になるフューチャーショップの星野社長は「Amazonのこのサービスは、EC業界に大きな変革をもたらすようになると思った」と説明。次のような想いを述べている。

すでにEコマース自体はコモディティ化しています。というより、世の中はコモディティだらけといっても過言ではないでしょう。商品の機能的価値で優位性を保ち、利益を生み続けることは正直難しい時代。一時はいいかもしれないが、すぐに競合が出現し、瞬く間に機能的な優位性は失われ、広告などのマーケティングコストは肥大化する割には価格競争で利益を確保しにくくなっています。

皮肉にも、インターネットという、まさに、Eコマースが存在する土台によって、より一層サイクルが速まったとも言えます。競合との差別化という相対的な価値ではなく、お客さまにとっての絶対的な存在意義から選ばれるショップにならなければ、疲弊していく可能性が高くなっていくでしょう。

それに対応するには、やはりモール出店だけではなく、自社の理念やブランドを表現する自社Eコマースが必要です。これからは、「モノを売る」ことから「コトを売る」「体験を売る」「アイデンティティを売る」という、もう一段階上のステージで、新しいEコマースの世界が広がっていくと感じています。オムニチャネルもその手段の1つだと考えています。

この先どんどん、人々にとってネットショッピングというものが特別なものではなくなっていくでしょう。「雑誌を見てスマホで調べる」「友達が持っているモノをスマホで調べる」「テレビを見ていて気になるモノをスマホで調べる」「SNSでのクチコミをみてサイトにアクセスする」……など、衝動的でエモーショナルな瞬間を作り出すことさえできれば、いつでもその瞬間に商品にたどり着いてもらえるのが今の時代です。

しかし、その瞬間に消費者を商品購入へつなげることは、自社ECサイトには大きな壁がありました。それは、消費者が買い物意欲最高潮の最中、煩雑な購入手続きである個人情報等の入力作業が発生し、「楽しくて心地よいショッピング体験」の邪魔をしてしまっていたのです。そこで興ざめしてしまい、テンションを維持できなくなり、カート放棄になってしまうケースが多かったのです。

しかし、その壁を「Amazon ログイン&ペイメント」で取り除くことができるようになるでしょう。これこそ、自社ECサイトは、もう一段階上のステージで、新しいEコマースの世界を提供できる大きな一歩になると考えています。自社ECサイトが盛り上がることで、EC企業側がもっと主体的にEC市場を牽引していく時代になるはずです

「Amazon ログイン&ペイメント」の導入は、オムニチャネルを進めるEC企業を後押しする効果もありそうだ。

たとえば、フューチャーショップのユーザーであるDIY商材のECを手がける株式会社大都さまは、実店舗(体験型DIYショップDIY FACTORY)にある商品を試すことができるサービスを展開しています。来店者に対し、ドリルなどの大きく重い商品は、その場でネットでの購入をお薦めしています。

しかし、ユーザーは情報登録などが手間となり、購入に至らないケースがあると聞いています。しかし、「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した「FutureShop2」では、初回の購入時でも最短3クリックで商品購入ができるようになります(ログイン&情報提供に関する許諾&注文確定クリック)。オムニチャネル戦略を加速するお手伝いができる強力なツールになるはずです

◇◇◇

「Amazon ログイン&ペイメント」に関するセミナーのお知らせ

フューチャーショップは「Amazon ログイン&ペイメント」の詳細を、5月13~15日に東京ビッグサイトで開催される「通販ソリューション展」で紹介する予定。Amazonの担当者を招き、ミニセミナーを開催する。

場所:東京ビッグサイト 東14-1
スケジュールhttp://www.future-shop.jp/campaign/ts-expo/2015/spring/

6月16日は東京、18日は大阪で、「購買行動の変化を捉え、これからのEC戦略を考えるオムニチャネル化への対応と、その先 ~Amazonログイン&ペイメント導入が自社ECにもたらす価値は?~」と題したセミナーも行う。

■東京
日時:2015年6月16日(火)
場所:東京都中央区(会場:コングレスクエア日本橋)

■大阪
日時:2015年6月18日(木)
場所:大阪府大阪市(グランフロント大阪ナレッジキャピタル カンファレンス)
詳細http://www.future-shop.jp/campaign/FsSeminar_2015/20150616.html

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オリジナル記事:ほとんど知られていない「Amazon ログイン&ペイメント」導入の仕方とその詳細 | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム
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単発記事
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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約8年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

業務量オーバー、仕組み不足、過剰在庫…ネット通販に潜む落とし穴 | スクロール360の「物流本」 ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
ネット通販でよくある失敗例 ②

業務量オーバーによる失敗

以上は製造業にしろ小売業にしろ、規模の大きな企業でよくある失敗パターンだ。一方、仮想モールに出店している個人商店などの場合は、別の失敗パターンがみられる。

現在、「楽天市場」に出店しているショップは約4万2000店舗といわれている。そのほとんどは零細な個人商店であり、月に1000件以上の出荷をしているのは約5%、2000店ほどである。

こうしたショップは経営規模こそ小さいが、基本的に事業主が自らサイトをつくり、メルマガを配信し、問い合わせがあればメールですぐ返事も出している。「マーケティング」は手づくり的なやり方だが、日々いろいろ創意工夫しており、楽天側のサポートもあるのでさほど困ってはいない。

問題は、受注数が増えてきた際の在庫管理やピッキング、出荷などの物流業務だ。一般に1日50件、月に1000件の出荷数になると、自社(事業主一人)だけでは処理しきれなくなる。家族やパートを動員することも可能だが、件数が増えるにつれて問い合わせやミスも増え、効率が悪くなる。それでも無理をしてこなしているうちに、事業主が怪我や病気で倒れたり、連休明けに受注が集中したりしてついにパンク。出荷停止、一時販売中止といった事態に陥ってしまう。

1日50件、月1000件は、物流業務をアウトソーシングし、自社は商品化計画(マーチャンダイジング)や販売促進(プロモーション)などの「マーケティング」に専念するタイミングなのである。

商品が壊れやすいので丁寧な梱包が必要な場合や複数ある商品から何通りかのセットをつくらないといけない場合、あるいは時計のように出荷前に秒針を合わせなければならないといった特殊なケースでは、1日50件、月1000件よりもっと少ない段階からアウトソーシングを検討したほうがいい。

仕組み化の不足による失敗

ショップの成長にともない物流がネックになるのは、業務量の問題だけではない。キャンペーンなどで通常とは異なる形で商品が動くときの対応力が問題になることも多い。

たとえば、出店しているモールのイベントセールへ参加することにして目玉商品を大量に買い付けたが、受注管理システム上のセール用商品名とメーカーから入荷してきた商品名が一致せず、倉庫での検収業務が混乱して出荷の大幅な遅れとなることがある。

事前に両方の商品名を統一しておけばいいのだが、メーカーに出荷伝票などの商品名を自社向けのみ変えるよう依頼することはまず無理だ。自社の受注管理システム上の商品名を変更するしかないが、そうするとモール内の検索順位が下がってしまう。

そこまで気が付いていればまだいいほうで、実際には商品が入ってきてから不一致に気づく。慌てて2名がはりつき、段ボール箱をひとつずつ開けて、中の商品と自社サイトの商品写真を見比べて確認し始める。これではせっかくの販売機会を逃してしまう。

物流のサービスレベルが不安定だとトラブルになることもある。あるショップは、サイト上では「受注から2日以内に発送」としていたが、早く届けたほうが喜ばれるだろうとスタッフ総出で当日発送に励んでいた。しかし、年末に受注が集中した途端、1週間ほどかかるケースも出てきて、いままで翌日着が当たり前と思っていたリピート客から「遅い!」とクレームの嵐。せっかくの上得意が一斉に離れてしまった。

自社での物流業務はどうしても自己流、無手勝流になりがちだ。注文数が少ないうちは、倉庫や事務所に商品をとりあえず並べ、注文があれば記憶を頼りにピッキングして発送するのでも問題ない。

あるショップでは、ベテラン担当者が棚を熟知しており、出荷数が1日100件を超えても商品名を聞いただけで「それはあそこの棚」「これはこっちの棚」と瞬時に理解し処理していた。社長は「これでやっているんです。すごいでしょう」とおっしゃるのだが、もしその担当者が病気で長期間休んだり、何かの都合で退職したらどうするのだろう。また、出荷量が2〜3倍になったとき、もう一人同じような担当者がいないと処理できないことは明らかだ。

これらの失敗はすべて、ネット通販が成長していくある段階で、物流業務の仕組み化、ルール化が必要なことを示している。物流のアウトソーシングは、そうした仕組み化、ルール化という意味も持っているのである。

過剰在庫という失敗

過剰在庫が発生してしまうのも、「マーケティング」と「フルフィルメント」の両方にまたがる失敗パターンだ。

化粧品や健康食品のネット通販の場合、同じ商品を継続して販売しているので、在庫の残りが一定量まで減ったら新たな仕入れを行う。こうすれば過剰在庫はほとんど発生しない。

これに対し、商品点数が多く、流行による商品の入れ替わりも多いアパレルや雑貨のネット通販の場合、しばしば過剰在庫が生まれる。

過剰在庫がなぜ発生するかといえば、事前の見込みほど注文がなかったか、適正在庫より発注が多すぎたかのいずれかだ。そして、実際によくあるのは後者である。

商品を買い付けるバイヤー(特に専任スタッフ)としては、欠品による売上の機会損失を嫌う。大きなブームになっている商品ほど「このチャンスを逃したくない」という気持ちが働き、大量に買い付けがちだ。ところがブームが去った途端、急に売上が落ち、大量の在庫が残ってしまうのである。もともと売れていない商品の在庫より、こうした売れ筋商品が不良在庫になるほうがインパクトは大きい。

もうひとつよくあるのは、仕入れにあたって60個注文しようと思ったところ、100個まとめて仕入れてくれたら単価を下げるという条件提示をメーカーやベンダーから受け、それに乗ってしまうケースだ。実際には60個しか売れないのに100個仕入れてしまって40個余る。それを繰り返しているうち、在庫がだんだん増えていってしまうのだ。

経営的には、100個仕入れて40個余らせ3割値引いて処理するより、原価が多少高くても60個の適正在庫を仕入れて売り切るほうがいい。こまめに発注すると1回あたりの単価は多少上がるかもしれないが、無駄な倉庫スペースや値引き処分などの手間暇が省け、その分、売れ筋商品に集中できる。トータルでみた効率は確実に高いはずだ。

こうした過剰在庫の問題で相談を受けたとき、私たちがよくアドバイスするのはバイヤーの業績評価の基準を見直すことである。売上と粗利だけで評価するのではなく、「残在庫」という指標を加えるのだ。

スクロールの場合、バイヤーの評価基準には期末の在庫金額の予算が入っている。アパレル商品であれば、来年も売れる在庫と来年になったら売れない在庫に分け、期末に次シーズンに持ち越す商品は評価減処理、持ち越せない商品は在庫処分をする。一定のルールを決め、バイヤーに目標を与えることで、バイヤーは過剰発注に敏感になる。

売上が順調に伸びているときは、在庫を積み残してもバランスシート上あまり気にならないが、売上がストップもしくはダウンした時に、在庫は大きな重荷になる。キャッシュが寝てしまい、さらに利益を生まない倉庫代が毎月のしかかってくるからだ。

在庫の問題は、売上と粗利だけチェックしているとつい見逃してしまう。在庫処理による損失や倉敷料などもきちんと計算に入れないといけない。そういう意味でも、「マーケティング」と「フルフィルメント」の連動が大事なのである。

▼ 続きは本で!▼

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スクロール360の「物流本」 ダイジェスト
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高山 隆司

株式会社スクロール

高山 隆司(たかやま・りゅうじ)

株式会社スクロール360 取締役

1981年株式会社スクロール(旧社名株式会社ムトウ)に入社後、新規通販事業の立上げ、販売企画、INET戦略策定を経て、2008年に株式会社スクロール360の設立に参画。以来、多くの企業の通販事業の立上げ、EC戦略策定、物流立上げを経験。現在、スクロール360では300社のEC通販企業のサポートを行なっている。

高山 隆司

アマゾンで歴代ノートの人気投票し「ジャポニカ学習帳」を復刻。ショウワノートのネット活用 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
専用ページでユーザーから投票を募り、投票数の多い学習帳を復刻して、7月上旬をメドにアマゾンで先行販売

文具の製造販売を行うショウワノートは4月28日、アマゾンジャパンと連携し、同社が販売する子供向け学習ノート「ジャポニカ学習帳」の表紙デザインの人気投票を開始した。アマゾン運営の通販サイト内の専用ページでユーザーから投票を募り、投票数の多い学習帳を復刻して、7月上旬をメドにアマゾンで先行販売する。子供時代に「ジャポニカ学習帳」を使って勉強した世代である40代以下の層から注目されそうだ。

「ジャポニカ学習帳」は1970年に発売された子供用学習ノートで世界の珍しい動植物の写真を表紙に採用したり、「学習百科」と呼ばれる読み物を掲載する試みなどで子供たちの支持を集め、累計販売数12億冊以上を誇るロングセラーとなっている。アマゾンでの人気投票は発売後、今年で45周年を迎えたことから企画されたもの。アマゾンの通販サイト内の「文房具・オフィス用品ストア」上で1970年代、80年代、90年代、2000年代に発売した全1100冊の学習帳の中から、ショウワノート側がそれぞれの年代で事前に選んだ各20冊合計80冊について、それぞれ表紙デザインや読み物などを確認できる専用ページ「歴代ジャポニカ学習帳人気投票」(画像)を設置、人気投票を6月15日まで受け付ける。

ショウワノートが「ジャポニカ学習帳」の復刻版をアマゾンの人気投票で

各年代で最多得票数を得た4冊とシリーズ初期に発売した表紙デザインにひまわりを採用した学習帳の合計5冊を復刻し、5冊セットで限定1000をアマゾンで先行販売する。なお、復刻するのは表紙および裏表紙のデザインで、「読み物や罫線など(ノートの中身まで)の復刻はしない」(ショウワノート・島哲雄取締役)。価格は検討中とするが、1000円前後で販売する模様。一般文具店などでの販売は「検討中だが視野に入れている」(同)としている。

今回の試みについて「『ジャポニカ学習帳』が45周年を迎えた。当時の親しみ深いデザインの復刻ノートをお届けして楽しい思い出を思い出し、喜んで頂きたいと考えた。日本有数の集客力があり、幅広い層のお客様が訪れるアマゾンで(投票を)受け付けることで多くの人々に簡単に参加して頂きたい」(同)とした。得票数を集めそうな表紙デザインについては、“気持ち悪い”という声に配慮して2年前から表紙写真の採用を中止した「虫」が表紙のものが「人気があるのではと社内では話している」(同)とする。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
ショウワノート 「ジャポニカ学習帳」を復刻、アマゾンで歴代ノートの人気投票(2015/05/01)

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悪徳レビュー業者は許さない! 楽天検索は質の高いレビュー重視へ | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago

ネットショップ担当者が読んでおくべき2015年4月27日〜5月10日のニュース

今週の要チェックはモール関連カート関連です。楽天検索の仕組みがちょっと変わるようですね。質を重視するとのことですが、どうなるのでしょうか。また、楽天もGMOペパボ(カラーミー)もリアルイベントに力を入れてきています。売れているショップはモールもどんどん応援してくれますのでうまく活用したいところです。

※記事の難易度を、低い難易度:低から高い難易度:高まで、3段階で示しています。

EC全般

  • COMITAS、先行予約発注型のアパレルECサイト「DREAM ORDER」をオープン | ECのミカタ
    https://ecnomikata.com/ecnews/detail.php?id=5155

    予約発注を先行して行い、一定数を超えると生産する完全受注システムのため、“サイズ・カラー”欠けの心配がないなど、エンドユーザーは、欲しい商品を必ず手に入れることができるといったメリットがある。また、日本国内のアパレル縫製工場には、余剰な生産能力を埋め、稼働率向上を図れるなど、同システムにより新たな収益を得るチャンスが生まれる。

    アパレルの場合、売れるものはあっという間に品切れになって売れないものはずっと残ったりしますよね。こういった受注生産の仕組みがあればこのあたりが解消されそうです。ただ、売れるものに偏る可能性もあるので選択肢が減ってしまうのは嫌ですね。

  • 登録に数千人待ち 月額制ファッションレンタルairCloset人気の秘密とは | 週アスPLUS
    http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/330/330651/

    無名のスタイリストには、経験を積み、知名度を上げる場として使ってほしいです。スタイリスト、ファッションブランド、我々事業者、お客様の四者がうまく連携して、いいサイクルが生まれるとうれしい。

    ファッションレンタルばかりがクローズアップされていますが、その裏側でコーディネートしているスタイリストさんにとっても経験を積むチャンスがあります。

モール関連

  • 「Yahoo!ショッピング」の1~3月期の流通額、0.8%減の961億円に | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/1608

    ヤフーは5月1日、2015年3月期業績を発表し、同年1~3月期における「Yahoo!ショッピング」の流通額が前年同期比で、マイナスになったと発表した。

    (中略)

    「Yahoo!ショッピング」のストア数は3月末時点で28万2537店舗で、2014年12月と比べ3万8641店舗増加。

    昨年の1~3月期は消費税前の駆け込みの影響ですね。出店数は増えているようですし、Yahoo!の検索結果にもたくさん出てきますので流通額も増えていそうな感じです。

  • 楽天が重点的に取り組む2015年の施策は「楽フェス」「楽天BOX」「クロスボーダー」の強化 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/1600

    ユーザー評価の高い店舗さんほど検索結果を含め、露出のナビゲーションを強化する取り組みを行っていきます。この仕組みは従来のような、良いユーザーレビューを数多く集めればよいというわけではなく、レビューの内容までしっかり文字解析を行い、質の高いレビューがたくさん集まっていることを重視するようにします。こうすることで、たとえばレビュー業者などが書いたレビューは、同じような文言で数多くのレビューを掲載する傾向があるので、対象から外すことができます。

    同じような文言にならないようにレビューを作ってしまえばいいわけですから、もうちょっと工夫してもいいのかなと思います。個人的には楽天の検索は使いづらいので、Googleで検索して商品が決まったら楽天で安いものを探すという流れです。

カート関連

  • GMOペパボ、人気ショップが集まる「にっぽんネットショップ祭」を5月17日に開催 | Shopping Tribe
    http://shopping-tribe.com/news/18135/

    「にっぽんネットショップ祭」は、カラーミーショップに出店する全国の人気ショップが集まる1日限定のリアルイベント。メインエリアでは、47都道府県のネットショップ63店舗が集まり、選りすぐりの雑貨や食品を販売する「おみやマーケット」を展開。

    ショッピングモールもASPのカートも人気店はどんどんプッシュしてくれますね。こうしたイベントに参加して人気店の秘密を探りに行きましょう。

SEO関連

  • 検索アナリティクス レポートで精度の向上したデータをご覧になれます | Google ウェブマスター向け公式ブログ
    http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2015/05/new-search-analytics.html

    今までの検索クエリも3か月は利用可能です。検索アナリティクスは999件までしか取得できないので、大規模サイト運営者にはダメージが大きそう。徐々に解消されるでしょうか……。

リスティング広告関連

  • 2015年版Googleアドワーズ新機能9個発表。 | 滝井秀典ブログ
    http://www.h-takii.com/archives/adwords2015.html

    アップデートされた9個

    スマホ広告
    1. Automotive ads(自動車広告)
    2. Hotel ads(ホテル広告)
    3. 比較広告の強化

    自動化
    4. 自動入札の強化
    5. Dynamic Search Ads(動的検索広告)の強化
    6. バナーの自動サイズ変更機能

    計測
    7. アトリビューション強化
    8. クロスデバイスコンバージョンの強化
    9. 来店者の計測

    リスティング広告を外部に委託している場合でも、この動きは知っておきましょう。正しい知識があれば活用できますし、騙されることもありません。

売上アップのヒント

  • 盗難防止に「鳥のうんちシール」 盗む気失わせる発想、開発者に聞く | withnews
    http://withnews.jp/article/...

    「自転車のサドルに鳥のフンが付いていたら盗もうという気が失せるのではないか」という発想から作られた盗難防止グッズで、開発したのは大学院2年生。

    まさに逆転の発想。アイデアは急に出てくるものでもないのでいつも考えておくことですね。

  • あのセブンの上を行く「最強コンビニ」とは? | 東洋経済オンライン
    http://toyokeizai.net/articles/-/68523

    「お客様のリクエストがあれば、採算度外視で全力で応える」

    お客様のリクエストに全力で答えればお客様からも反応があるはず。自社都合を前面に出してしまうとやっぱり上手くいきません。

ネット通販業界の最新情報は、こちらも要チェック!

ショップチャンネル、ZOZOTOWN、ブランデリ‎のユーザーはどこから来る? ファッションEC流入元調査 | ネットショップ担当者フォーラム2015年4月17日~23日の週間人気記事ランキング

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ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ
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森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

自社ECサイトでアマゾンのログイン&決済機能が使える「Amazon ログイン&ペイメント」をリリース、アマゾンジャパン | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
2013年にアメリカでスタートし、2014年にはイギリス・ドイツ・インドでもサービス提供を始めており、日本は5か国目

アマゾン ジャパンは5月11日、自社ECサイトを運営する外部企業に対し、「Amazon.co.jp」のアカウント情報を使ってログインや配送先指定、クレジットカード決済などができる「Amazon ログイン&ペイメント」の提供を始めると発表した。

「Amazon ログイン&ペイメント」は、米国アマゾンが先行して北米や欧州で提供している「Login and Pay with Amazon(ログイン アンド ペイ ウィズ アマゾン)」の日本版。2013年にアメリカでスタートし、2014年にはイギリス・ドイツ・インドでもサービス提供を始めている。日本は5か国目。

「Amazon ログイン&ペイメント」の最大の特徴は、導入した自社ECサイトにおいて、「Amazon.co.jp」のアカウントでログインすることができ、そのアカウントに登録してある配送先住所やクレジットカード情報を利用できること。導入企業はアドレスなどの顧客情報を自社で管理することができる。クレジットカード情報は導入企業に提供しない。

先行して導入している海外では数千社が導入しているという。アマゾン ジャパンは導入企業から一定の手数料を徴収するビジネスモデルだが、決済手数料は非公開。自社ECサイトを運営する企業に幅広く提供していく意向だが、導入についてはアマゾン ジャパンの審査を経る必要がある。

アマゾン ジャパンは導入したECサイトの消費者メリットを次のように説明している。

  • 事業者サイト内の注文時における利便性を向上し、カート画面からの注文成約率を改善
  • 事業者サイト内の新規会員登録時の利便性向上による新規会員獲得への貢献
  • Amazonのセキュリティシステムが不正な取引を監視しているため、セキュリティコストの削減が可能

「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した海外EC企業の導入効果も説明した。

「Amazon ログイン&ペイメント」の米国での導入効果

「Amazon ログイン&ペイメント」の導入効果

インテリア雑貨などの「cymax」では、3人に2人が、「Amazonアカウント」のID・パスワード、住所情報を利用して会員登録しているという。

「Amazon ログイン&ペイメント」の第1弾導入パートナーとして、夢の街創造委員会が運営する「出前館」の出前サービス、四季が運営する「劇団四季」のチケット販売サービスが発表された。

アマゾン ジャパンによると、「『Amazonログイン&ペイメント』を利用するショッピングサイトやサービスの拡大を図り、チケット販売や予約サービス、フードデリバリーなど『Amazon.co.jp』上で提供できないものを提供していく」としている。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約8年。まだまだ、日々勉強中。

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takikawa

アマゾンジャパンがイベント時のギフト商品の拡販を強化、専門部署も新設 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
一部、商品の開発にも踏み込んで、他社では購入できないアマゾン限定ギフトの品ぞろえなどを進めている

今年はイベント時でのギフト需要の獲得をより注力していく」。アマゾンジャパンが年間の各種イベント時のギフト商品の拡販を強化している。今年に入り、専門部署を立ち上げ、仮想モールの出店者への働きかけを強め、競争力のあるギフト商品の出品を促しているほか、一部、商品の開発にも踏み込んで、他社では購入できないアマゾン限定ギフトの品ぞろえなどを進めている。年間の各種イベントで発生するギフト需要を取り込み、流通総額拡大に寄与させたい考え。

同社では今年からアマゾン内で商品を販売する出品者開拓や支援を行うセラーサービス事業本部内に“クリスマス”など年間の様々なイベントの際のギフト商品の販売強化のため、専門部署の催事販促課を立ち上げた。同部署を中心に「出店者とタッグを組んでギフト商品の出品数拡充のほか、商品開発にも踏み込んでいく」(催事販促課アカウントマネージャーの北島三郎氏)としており、ギフト商品の拡販に本腰を入れていく。

直近のイベントである5月10日の「母の日」では、例年の売れ筋である菓子と花のセット商品や近年需要が増している高級ギフトへの対応を強化すべく、今年は日比谷花壇と銀座文明堂の花とカステラをセットにした「特選五三カステラと花束のセット」(出品・日比谷花壇=価格5400円)や「母の日 さくらんぼギフトプレゼント秀品Mサイズ250グラムバラ詰ギフト箱入」(出品・フルーツライン=価格3500円)などを取りそろえたほか、ユニークな商品として湯を注ぐと“花が咲く”ことで人気の工芸茶「カーネーションの花が咲く工芸茶3粒&縦型ティーポット」(出品・ティートサイト=価格3420円)や、母の日ギフトとして人気のプリザーブドフラワーなども拡充させた。これら母の日ギフトは4月10日に設置した専用ページ「花の日ギフト特集2015」(画像)で販売する。

アマゾンがイベント時のギフト商品の拡販を強化
イベント時のギフト商品の拡販を強化

「母の日」の次のイベントである6月21日の「父の日」に向けては売れ筋の酒や食品の品ぞろえを強化。顧客の声を活かして開発を支援したアマゾン限定販売の地ビールとウインナーのセット「感謝ビール+ウインナーセット」(出品・サンクトガーレン=価格3600円)や酒ビンに父親の名前やメッセージなどの文字が彫れる「名入れ芋焼酎 藍色の華 720ml 27度」(出品・アートテック=価格6480円)などを販売、需要取り込みを進めていく。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
アマゾンジャパン ギフト商品の拡販を強化、"母の日"の商品も拡充(2015/05/01)

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