ネットショップ担当者フォーラム

JP楽天ロジスティクス、神奈川県大和市で「楽天フルフィルメントセンター中央林間」を稼働

4 years 7ヶ月 ago

楽天グループと日本郵便の合弁会社であるJP楽天ロジスティクスはこのほど、「楽天市場」出店店舗向けの総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の物流センターとして、神奈川県大和市の「Rakuten Fulfillment Center Chuorinkan(楽天フルフィルメントセンター中央林間)」を稼働した。

RSLは「楽天市場」出店店舗の商品の保管から出荷までを一括して受託する総合物流サービス。千葉県市川市、流山市、習志野市、大阪府枚方市、兵庫県尼崎市に設置した物流センターで、RSLを提供している。

楽天グループと日本郵便の合弁会社であるJP楽天ロジスティクスはこのほど、「楽天市場」出店店舗向けの総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の物流センターとして、神奈川県大和市の「Rakuten Fulfillment Center Chuorinkan(楽天フルフィルメントセンター中央林間)」を稼働
楽天フルフィルメントセンター中央林間について(画像はIR資料からキャプチャ)

「楽天フルフィルメントセンター中央林間」を開設し、RSLのさらなる処理能力向上を図る。

JP楽天ロジスティクスは2021年7月、楽天グループの物流事業を承継し、「楽天西友ネットスーパー」の物流センターを除く、物流センターの管理・運営を引き継いでいる。

楽天フルフィルメントセンター中央林間の概要

  • 名称:Rakuten Fulfillment Center Chuorinkan
  • 物件名:ニッセイロジスティクスセンター横浜町田(ダイワコーポレーション横浜町田営業所)
  • 所在地:神奈川県大和市中央林間7丁目12番2号
  • 延床面積:約2万8000坪(約9.5万平方メートル)
  • 賃借面積:約1万2000坪(約4.2万平方メートル)
  • 建物階数:地上5階建
瀧川 正実
瀧川 正実

「GoogleではなくAmazonで検索」して購入するネット通販ユーザーは約9割【アマゾン消費の最新情報】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

4 years 7ヶ月 ago
2021年第3四半期に実施した最新調査では、Amazon利用者の88%が、直近の商品購入時にAmazonしか検討しなかったと回答している(Consumer Intelligence Research Partners社)

市場調査会社のConsumer Intelligence Research Partners社よると、消費者の88%は直近の買い物でGoogleなどの検索エンジンや競合サイトを使わずに、Amazonで商品を検索し購入しています。この割合は数年前から上昇傾向にあり、コロナ禍の影響もほとんど受けませんでした。

2年以上のプライム会員、91%が買い物はAmazonしか検討しなかった

企業の成長が数年間に渡って微増な場合、小売事業者はその数字に興奮することはないでしょう。しかし、数値が一貫して高いレベルの顧客ロイヤルティを示していれば、喜ばなければなりません。

Amazonを利用したほとんどの消費者が他の店舗をチェックしないことを示す調査結果は、Amazonにとって喜ばしいデータです。

Consumer Intelligence Research Partners社は2014年以来、Amazonで買い物をしたことがある消費者に、Amazon以外の検索エンジンや競合他社のサイト・店舗を確認したか尋ねています。ここ数年、ほとんどの消費者がAmazonだけで完結していることが、データを通してわかっています。

2021年第3四半期に実施した最新調査では、消費者の88%が直近の商品購入時にAmazonしか検討しなかったと回答。この割合は、2014年第3四半期の82%から着実に上昇しているとCIRPは説明します。

コロナ禍はAmazonのロイヤルティにどれほどの影響を与えたのでしょうか? CIRPの共同設立者兼パートナーであるマイケル・R・レビン氏は、「それほど影響はありませんでした。まるでAmazonが今の状況を予測し、ずっと前から準備を始めていたかのようです」と話します。

検索から購入まで、Amazonのみで買い物を完結させたユーザーの割合
検索から購入まで、Amazonのみで買い物を完結させたユーザーの割合(単位は%、出典:Consumer Intelligence Research Partners)

長期間に渡って「Amazonプライム」に入会している会員が、競合する小売企業を検討する可能性はさらに低くなっています。CIRPによると、最新の調査ではプライム会員歴が2年以上の場合、91%が直近の購入時にAmazonしか検討しなかったと回答非会員の場合でもその数字は85%にのぼります

CIRPは、2021年第2四半期末時点の米国のプライム会員数を1億5300万人と推定し、その数は前年の1億2400万人から大きく増加しています。Amazonは、全世界のプライム会員数が2億人を超えていると報告していますが、米国内の会員数については明らかにしていません。

米国のAmazonプライム会員数推移
米国のAmazonプライム会員数推移(単位:100万)※データ不足の四半期(2021年9月時点のデータ)は除外(出典:Consumer Intelligence Research Partners)

「ショールーミング」するユーザーは減少傾向

CIRPによると、Amazonを利用する消費者のほとんどは、他の大手小売店でも買い物をしています最新の調査では、約90%が過去12か月間にWalmartとTargetで買い物をしたことがあると回答、80%以上がオンラインマーケットプレイスのeBayで買い物をしたことがあると答えています

Amazonで買い物をしなかった場合、どこで買い物をするかという質問に対しては、22%が「Walmart」と答え、最も高い数字でした。そして、「Target」「eBay」「Best Buy」が続きました。

同時に、Amazon利用者の約3分の1は、Amazonで商品が見つからなかった場合、どこでも購入しなかったと答えています

また、この調査では、Amazon利用者の10人に9人近くが、購入前に実店舗では買い物をしていないことがわかりました。このことから、オンラインストアで商品購入する前に実店舗で商品を見る「ショールーミング」は、消費者がWebサイトでの購入に慣れてきた現在では、以前ほど影響を受けなくなってきていることがわかります

CIRPが米国の消費者を対象に調査を開始した2013-14年には、約80%の消費者がAmazon利用前に実店舗で買い物をしなかったと回答していたとレビン氏は言います。その後、この割合は着実に増加しており、コロナ禍が起こる前に増加傾向が定着していたそうです。

CIRPは、Amazonで買い物をしなかった場合、消費者がどこで買い物をしたかについて、いくつかの変化を指摘しています。レビン氏はこう言います。

Walmartは直近の購入先として少しポイントが上昇し、「Target」「eBay」「Best Buy」はいずれもやや減少しています。この傾向はコロナ禍の前から始まっています。

Amazonは、オンライン売上高で北米の大手小売事業者をランキングした『Digital Commerce 360』発行「北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版」で第1位、全世界のマーケットプレイス売上高のランキング「オンラインマーケットプレイス トップ100社 2021版」で第3位となっています。

1000社データベースでは、Walmartが第2位、Best Buyが第5位、Targetが第6位となっています。eBayは、オンラインマーケットプレイスのランキングで5位に入っています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

楽天グループの国内EC流通総額は約3.4兆円で13.6%増、2021年度の目標は5兆円の突破【2021年3Q】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

4 years 7ヶ月 ago
楽天グループは2021年通期国内EC流通総額について、5兆円の突破を目標としている。2020年度(2020年1~12月期)国内EC流通総額は前期比19.9%増の4兆4510億円だった

楽天グループの2021年1-9月期(第3四半期累計)連結業績における国内EC流通総額は3兆4558億円で前年同期比13.6%増だった。出店店舗数は2021年9月末から707店舗増の5万5939店舗。

国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した数値。

2021年7-9月期(第3四半期)の国内EC流通総額は同1兆1781億円で同7.6%増。ショッピングECの流通総額は同8.7%増。ショッピングECは、「楽天市場」、1stパーティー(ファッション、ブックス、楽天24、楽天西友ネットスーパー)、オープンEC(Rebates、楽天ペイ オンライン決済)、ラクマが対象。

楽天グループ 四半期ベースの国内EC流通総額推移
四半期ベースの国内EC流通総額推移(画像はIR資料からキャプチャ)
楽天市場のショッピングECの流通総額、ショッピングEC流通総額
ショッピングECの流通総額など(画像はIR資料からキャプチャ)

「楽天市場」で2021年4-6月期(第2四半期)に購入したユーザーが7-9月期(第3四半期)に商品購入した割合は75%。2020年を通して利用を開始した新規・復活ユーザーが定着し、購入者増加とユーザーあたりの購入頻度も継続的に拡大したとしている。

クロスユースも順調に拡大。 「楽天市場」「Rakuten Fashion」を利用したユーザーは前年同期比30.2%増、 「楽天市場」「楽天西友ネットスーパー」を利用したユーザーは同37.1%増。

 「楽天市場」「Rakuten Fashion」を利用したユーザー、 「楽天市場」「楽天西友ネットスーパー」を利用したユーザー
クロスユースについて(画像はIR資料からキャプチャ)

楽天グループは2021年通期国内EC流通総額について、5兆円の突破を目標としている。2020年度(2020年1~12月期)国内EC流通総額は前期比19.9%増の4兆4510億円だった。

楽天グループの国内EC流通総額の推移
国内EC流通総額の推移(画像はIR資料からキャプチャ)

 

瀧川 正実
瀧川 正実

EC化率35%をめざす資生堂のDX&EC戦略と「ワタシプラス」改善事例

4 years 7ヶ月 ago
資生堂のケーススタディを解説。「ワタシプラス」での満足度の高い買い物体験の実現に向け、ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」導入による課題解決事例
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新たな時代を迎えたビューティー体験。リアルとデジタルが分業するのではなく、融合に向けた事業モデルへとシフトし、変化する顧客ニーズに応える企業が増えている。資生堂は、数々の化粧品ブランドを展開し、店舗からECまで流通の幅が広いメーカーとしてどのように顧客体験を向上させていくのか――。その1つの施策に、デジタルにおける「検索機能」の改善があげられる。資生堂のUI/UX改善を通じた顧客体験の価値を高める取り組みを取材した。

資生堂のUI/UX改善を通じた顧客体験の価値を高める取り組みを取材

デジタル通じた化粧品のCX向上がより重要になる

資生堂は2023年までの中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のなかで、EC(得意先Eコマース、Eコマース専門サイト、自社Eコマースサイトを含む)の売上比率35%の達成を掲げている

図 資生堂のDXにおけるロードマップ
資生堂のDXにおけるロードマップ

2020年に、①メディア戦略部 ②オムニエクスペリエンス推進部 ③デジタル戦略部 ④EC事業部――の4つの部署で構成するデジタルオフィスを新設。各部署が協力、連携しながらデジタル時代における顧客体験のさらなる価値向上に取り組んでいる。

ARを活用したバーチャルメイクでは消費者がデジタル上で疑似的にメイクを再現できたり、肌測定アプリ「肌パシャ」ではスマホのカメラで撮影した肌の画像をもとに肌の状態の測定と美肌作りのサポートをしたりと、さまざまなデジタルコンテンツを活用したコミュニケーションを推進。オンラインカウンセリングやデジタル接客も取り入れ、利便性を高めている。

そして、新型コロナウイルス感染症拡大によって、デジタル活用やEC利用への期待が一気に拡大する。

やはり、化粧体験のベースは「リアル」にある。そこにデジタルでどう情報提供をしてCXを向上させられるかが今後より重要になってくる。特にコロナ禍においては、店頭でテスト品を扱うことに抵抗がある人が増えたため、商品を使用した感触を想像していただくためにどうやって情報を伝えればいいのか、試行錯誤している。

ビューティーコンサルタント(BC)によるライブ配信やZoomによるオンラインカウンセリングの機会を増やすなどして、デジタルでも的確に情報を伝えられるような工夫を施しているところだ。(資生堂ジャパン 山本氏)

資生堂ジャパン株式会社EC事業部 ブランド施策推進グループ グループマネージャー 山本雅文氏
資生堂ジャパン株式会社EC事業部 ブランド施策推進グループ グループマネージャー 山本雅文氏

「WIN 2023 and Beyond」におけるEC部署の役割と戦略

資生堂ジャパンが運営する総合美容サイト「ワタシプラス by SHISEIDO」は、EC機能に加えて、美容に役立つ情報・デジタル上での美容体験コンテンツを提供。「生活者とブランドをつなぐ美のプラットフォーム」を追求している。

単に商品を並べた一般的なECサイトではなく情報コンテンツも豊富に取り揃えるほか、肌測定機能やARなども駆使し、店頭で体験できるサービスをデジタル上で再現するための施策を充実させて他のECサイトとの差別化を図っている。

「ワタシプラス by SHISEIDO」のトップページ
「ワタシプラス by SHISEIDO」のトップページ

「WIN 2023 and Beyond」では、店舗とオンラインが融合したオムニチャネル化により、小売りにおける新たな仕組み作りを推進する事業モデルへの転換を打ち出した。「ワタシプラス」など、これまでもデジタルの活用やオムニチャネルの取り組みを進めてきていたが、山本氏は「まだまだ推進させる余地があることは間違いない」と話す。

現に、「ワタシプラス」はECサイトという印象がまだ強く持たれていると認識しており、リアルの体験に限りなく近づくためのコミュニケーションのブラッシュアップに重点的に取り組んでいるという。またメディアやSNSからの情報発信も、より充実した内容を届けるとともに、よりインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションにしていきたいと考えている。

コロナ禍を機に、他社もお客さまとのコミュニケーションの改善に力を入れ始めるようになり、従来のままではコモディティ化してしまう恐れがあった。当社としてはもう一歩先に行くような顧客体験を設計し、コミュニケーションを進化させるために日々取り組んでいる。(資生堂ジャパン 山本氏)

お客さまの興味を広げながら利便性も確保したUI/UXをめざす

メーカーが運営する総合美容サイトとして、他のサイトと差別化を図る「ワタシプラス」が重視しているのは「購入の際、事前にどういう情報に触れていただき、どんな期待感を持っていただくか」だ。

ワタシプラス by SHISEIDO
「ワタシプラス by SHISEIDO」には、資生堂ブランドを扱う店舗を探す「お店ナビ」、美容情報を発信するコンテンツなどがある

購買環境を用意するだけでなく、商品に興味を持ってサイトに訪れてくれた生活者の期待にしっかりと応えられる商品情報やコンテンツなどの提供は必須という。

そのため、単純に購入までのフローをシンプルにするといったユーザビリティを突き詰めるだけではなく、情報をたくさん見てもらい、気になる情報を回遊できる――こんな視点でUI/UXを組み立てている。それが結果的にコンバージョン率の向上やアップセル、クロスセルなどにつながれば、メーカーが運営するサイトとして理想だという。

提供する情報をパーソナライズ化したり、気になる商品があれば関連する商品や情報をクロスでつなぐことで、お客さまの興味を広げながら使いやすさも融合したUI/UXをめざしている。

ワタシプラスのUXとしては、求められるものが大きく2つあると考えている。1つ目は、目的を持ってサイトを訪れたお客さまが、目的とする商品や情報に素早くたどり着ける仕組みを作ること。これは、ECの基本機能として大前提と捉えている。

2つ目は、「インサイト」を捉えた情報提供による新しい出会いの創出だ。適切なタイミング・場所でお客さまのインサイトに寄り添った付加情報を提供することで、「こういう商品・情報欲しかった!」という出会いを創出していくことも、追及していきたいと考えている。(資生堂インタラクティブビューティー 宇井氏)

資生堂インタラクティブビューティー株式会社 DX本部 オムニエクスペリエンス推進部 CRM運営G 宇井ありさ氏

ストレスを感じさせないサイト作りは絶対条件だが、一直線の導線だけを求めてしまうとセレンディピティ(偶然の出会いや幸運な発見)が起こりにくくなる。化粧品専門店やデパートの売り場などで新商品や知らないブランドを見つけたときに興味やワクワク感が沸き起こるように、複数のブランドを取り扱う「ワタシプラス」でも、そういう瞬間を創出したいという。

満足度の高い買い物体験の実現に向けた課題の解決

「ワタシプラス」は2012年のサイト開設当初から、スクラッチ開発で構築したサイト内検索を利用していた。そのため、検索結果の順位や表示場所を変更するだけでも一定の手間とコスト、時間がかかっていた。また、商品やコンテンツが拡大するにつれ、売れ筋順や肌悩み別、商品の機能別などさまざまな軸や順序で絞り込めるような消費者の選びやすさを考慮したより柔軟性の高い検索機能の必要性が増してきた。そこで、サイト改修の際に検索機能の改善にも着手することとなった。

再度スクラッチで構築する選択肢もあったが、検索機能を随時ブラッシュアップしPDCAサイクルをスピーディーに回していく上でも、検索は検索として機能分離した方が有効と判断。資生堂のデータベースに蓄積した豊富なデータの中から、APIによってデータの入出力を行い、検索結果を柔軟に改善できる検索エンジンを検討した。その結果、ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の導入を決めた

EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の概要

スクラッチ開発で運用していた検索機能では、「化粧水が先に表示されて、次に乳液を表示して……」といった形で、カタログのように順序が固定的だったが、売れ筋順や価格帯などさまざまな軸でソートできる柔軟性を持たせたいと思っていた。また、それぞれの商品の売り上げ情報やお客さまの購買情報なども考慮して、検索結果や順序に反映することが理想の検索だと考えていた。(資生堂ジャパン 山本氏)

「ワタシプラス」に導入した「ZETA SEARCH」は、ZETAが提供する導入実績多数のEC商品検索 ・サイト内検索エンジン、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン、OMO・ DXソリューションを含む「ZETA CXシリーズ」(https://zetacx.com/)の1サービス

化粧品ならではの検索課題に柔軟に対応

検索機能を構築する上で、化粧品の構造はかなり特殊な部類だ。一例に、色の違いがある。1つの商品で同じ価格でも、複数の色が存在するものを検索結果にどう表示するかを考えなければならない。サイトによっては1色1色を全て別ジャンルとして扱い検索結果に表示するケースが見られるが、たとえば「マキアージュのこのラインのルージュが欲しい」というお客さまには、全8色あれば8色あることがわかるようにすることがベストなため、商品のコード体系も複雑になっている。

ほかにも、「クレンジング」「洗顔」といった商品カテゴリで検索するお客さまもいれば、「シミ」「しわ」のような肌悩みで検索するお客さまも存在する。商品が持つ情報とお客さまの要望を複雑な条件で組み合わせて検索結果を最適化したいという要望に対し、全ての要望を受けきれるほど柔軟な検索エンジンは当時それほど見当たらなかったという。山本氏は、カスタマイズによって「ワタシプラス」が実現したいあらゆる要望に柔軟な対応をしてくれたとZETAを評価する

資生堂ジャパンさまは「こういう探し方ができるようにしたい」という考えが確立されており、そのためのデータの持ち方がしっかりされていていた。相談を受けるなかで、「この探し方はできません」とならないように、そして要望の取りこぼしがないように、今まで蓄積・管理されてきたデータを検索機能に生かし切ろうと意識して機能に反映してきた。(ZETA 出張氏)

ZETA株式会社 執行役員副社長 博士(情報科学) 出張純也氏

ZETAはお客さまの検索行動を考えたとき、ナビゲーションを開いて検索をしていくお客さまは減っていくと想定。特にスマートフォン経由の閲覧・購入が増えている今、キーワードによる検索をスムーズかつ充実させることが重要と捉え、「ワタシプラス」がこれまでに作り上げてきた検索軸をキーワード検索に生かす工夫も施したという。

お客さま目線で便利でわかりやすい絞り込みや検索結果表示ができるようにしたかった。たとえば、カテゴリの絞り込みにおいては「スキンケア」の中に化粧水や乳液、美容液など複数の美類が存在する中で、どの美類を上位に表示すればお客さまにとってより探しやすく使いやすいサイトだと感じられるか――こういったユーザビリティは常に課題だった。

商品情報、検索履歴、購買情報などの膨大なデータを読み込んで随時対応できる仕組みになったことで、大幅に改善できたと思う。(資生堂インタラクティブビューティー 宇井氏)

絞り込み検索のイメージ
絞り込み検索のイメージ

「ZETA SEARCH」で検索機能が向上、絞り込み経由のCVRもアップ

「ワタシプラス」は2019年にサイトの大規模改修を実施。検索だけでなく、商品詳細ページに至るまでの全体的な改修を実施した。改修に向け、2018年からZETAとともに検索機能の改善に向けた取り組みを始め、2019年7月には「ZETA SEARCH」を実装した。

キーワード検索の表記ゆれ調整や、サジェスト機能(検索キーワード入力途中に関連するキーワードを予測して表示する機能)で期間限定商品の表示にも対応。このほか、商品名だけでなく「シミ」「しわ」といった化粧品特有の悩みを軸としたキーワードによる検索結果表示も実現した。絞り込み検索では、在庫の有無、キャンペーン商品、限定品などを表示したほか、各パーツから悩み別でも絞り込めるようにした。

また、新商品の上位表示、お気に入り登録しているブランドの優先表示にも対応し、ユーザビリティを高めている。

「ワタシプラス」では、多数の商品から目的に合った商品を絞りやすいように「絞り込みモジュール」を導入している。オンラインショップ内のブランド検索では、下の画像の左側にある絞り込み機能のフロント部分を「ZETA SEARCH」で対応。絞り込み経由のコンバージョン率が従来に比べて大幅に向上するなどの効果をもたらしている

絞り込みモジュール(赤枠)
絞り込みモジュール(赤枠)

オンラインショップでは、検索メニューの「ブランド検索」と「カテゴリ検索」のそれぞれで表示結果のパターンの組み合わせを決めており、以下の画像の通り、絞り込みをした先のページで項目が変わるような仕様にしている。

「化粧品」「シミ」のキーワードで検索した場合
「化粧品」「シミ」のキーワードで検索した場合、画像のように「カテゴリ」「ブランド」で絞り込みできる

「ワタシプラス」では、ECサイトの商品検索に加え、「お店ナビ」や「美容の情報」の情報検索も強化。オンラインショップで販売していない商品・ブランドについて検索するお客さまも多くいるため、そういった場合に「どこで買えるのか」「どんな商品なのか」など、商品・ブランドにたどり着きやすい導線を充実させ、“資生堂全体としての愛用者育成”につなげている

店舗が探せる「お店ナビ」の検索機能も充実
店舗が探せる「お店ナビ」の検索機能も充実

継続的な運用改善でCX向上をサポート

ZETAは導入前の打ち合わせ段階から、自社で気付けていなかった課題までレポートしてくれた。それがより良い改善につながった」と振り返る山本氏。

たとえば、「メイク」と検索した際、古い記事が上位に表示されていたため改善の提案をするなど、細かな箇所にまで目を行き渡らせた提案型のサポートや専任エンジニアがデータ最適化やロジックチューニングなどを行う充実の運用支援がZETAの特徴のようだ。

実際に「ZETA SEARCH」の実装が始まってからも、従来のスクラッチ開発で構築していた検索システムに比べて柔軟性が大幅に拡大。顧客体験が向上しているだけでなく、必要なリソースやメンテナンスなどの作業負荷を増さずに運用できている点に大きなメリットを感じている。

また、「ZETA SEARCH」の検索ログやお客さまの行動履歴データにより、PDCAサイクルをスピーディーに回して顧客体験向上に向けたブラッシュアップがよりしやすくなったという。

サポート、開発に携わったZETA株式会社 セールスグループ マネージャー 市川敬貴氏(写真左)とエンジニアリングG ユニット長 大橋勘太郎氏(写真右)

「検索」の領域を超えた顧客体験の提供に期待

今後はさらに検索機能を活用したアクションやコンテンツ検索にも力を入れていきたいと考えている。

コンテンツも含めたサイト全体の検索機能の拡充にも着手する計画だ。

たとえば、「エリクシール」と検索したときに、エリクシールの商品が検索結果に表示されるだけでなく、エリクシールに関連するコンテンツなどもそれぞれのお客さまに合った形で表示される状態を目指している。現状、コンテンツは検索項目のリストになっていない状態だが、これを整理してリスト化すればデータベースの活用の幅も広がると考えられる。

このほか、これまでに多数制作してきたLPに掲載している特典を効果的に消費者に伝えていくためにも、情報の検索性を高めていきたいとしている。

単純に「検索エンジン」としてだけを考えれば、「ZETA SEARCH」以外にもツールはたくさんある。しかし、さまざまな情報を整理したリストを作成し、そこから欲しい情報を引っ張ってこられるところに「ZETA SEARCH」の魅力があった

UI/UXの観点で考えると、1つの回答だけを提示するのではなく、リストを並べて提示することが最適な場合もあるだろう。検索エンジンは、何かの情報を投げて、それに対しての回答が返すものだが、これは決して純粋な検索機能としての活用幅だけではないと思っている。お客さまのアクションに対して満足度の高い反応を返すことをめざす上でも、柔軟なツールの使い方ができるのではないかと期待している。(資生堂ジャパン 山本氏)

検索機能を使いやすくする取り組みは当然重視しつつも、「検索」の領域を超えたサービス向上を実現。顧客体験を高めていく取り組みで、ZETAとの協力を深めていく

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朝比美帆
朝比美帆

「Shopify Plus」でしか実現できない4つの機能。大規模ECサイトを立ち上げたい企業は必見 | デジタルコマース注目TOPIX presented by 電通デジタル

4 years 7ヶ月 ago
「Shopify」の最上位プラン「Shopify Plus」は何が違うのか? 大規模ECに欠かせない機能を紹介(連載6回)

コロナ禍をきっかけに導入数が増えている「Shopify」。今回は「Shopify」の上位版である「Shopify Plus」について解説します。自社のEC事業やECサイトに「Shopify Plus」がフィットしているのかどうかわからないという声も多く耳にします。「Shopify Plus」の提案や構築をしている立場から、どのような要件、機能を求めている場合に「Shopify Plus」を選ぶべきかを解説します。

「Shopify」には「Basic」「Standard」「Premium」「Shopify Plus」という4つのプランがあります。まず知っていただきたいのは、以下の機能はどのプランでも実装しているという点です。

  • 商品管理機能
  • 注文管理機能
  • 顧客管理機能
  • テンプレート編集機能
  • カート機能

「Shopify」にはユーザーがECサイトを使うための機能と、EC担当者がECサイトを運営するための機能がすべて備わっており、契約するとすぐにすべてを使用できます。

もちろんプランごとの違いもあります。プラン選びの際にポイントとなる項目と月額料金を表にまとめました。

Shopifyの4プラン比較表
月額費用スタッフアカウント構築可能なサイト数ロケーション
Basic29ドル2アカウント1サイトのみ4か所の倉庫/店舗まで
Standard79ドル5アカウント1サイトのみ5か所の倉庫/店舗まで
Premium299ドル15アカウント1サイトのみ8か所の倉庫/店舗まで
Shopify Plus2,000ドル(※1無制限10サイトまで(※220か所の倉庫/店舗まで
※1 「Shopify Plus」のライセンス料は月商80万ドル以上の場合は売上の0.25%
※2 1つのライセンス内でのサイトの追加構築は、同一ブランドや同一サイトなどでの多言語展開やB2Bの場合のみ

月額費用などのコストも大切ですが、ECサイト運用の際には担当者の人数、EC事業の目標や将来的な拡大計画、在庫を保管する倉庫の数、店頭受け取りのための店舗数というような、事業の仕組みや運用を含めた総合的な観点からプランを選ぶことが重要です。

大規模ECサイト構築には欠かせない4つのポイント

4つのプランのうち「Shopify Plus」は他のプランと比べて使える機能が多くなり、ECサイトの拡張性が高まります。そのため、特に大規模ECサイトの構築を検討する企業から注目されています。

ここからは「Shopify Plus」導入の決め手となる重要な機能とサービスを、4つに絞って解説します。ここで取りあげる機能は「Shopify Plus」でしか実現できない機能のため、1つでも実装したい機能として当てはまった場合は「Shopify Plus」の導入をおすすめします

1. SSO(シングルサインオン)が実装できる

「Shopify Plus」導入の一番の決め手と言っても過言ではないのが「SSO(シングルサインオン)」です。SSOとは1つのIDとパスワードを入力して、複数のWebサービスやアプリケーションに追加認証なしでログインできる仕組みです。

「Shopify Plus」では「Multipass API」というSSOを実現するためのAPIの使用が許可されています。この機能を使うことで、既存のECサイトやサービスで運用している会員のアカウントを使って、Shopifyで新しく立ち上げたECサイトにログインできたり、TwitterやLINEアカウントを使ったソーシャルログイン機能を取り入れたりすることが可能となります。SSOを取り入れることで享受できるメリットとしては、

  • サイトごとでの新規会員登録やパスワード管理の手間が不要なため、ユーザー体験の向上が見込める
  • 顧客IDの統合により、より精度の高いデータマーケティングが実現できる
  • 会員情報の一元管理によって、会員情報の管理業務に関する運用業務を軽減できる

といったものがあげられます。

なお、SSOにおいてよく見落としがちなポイントとして「Shopify Plus」には会員情報の管理や認証するための基盤はないため、別途調達しなければならないという点です。会員管理や認証するための基盤がすでにある場合は、連携することでSSOの仕組みを追加できますが、それらがない場合はツールの導入や開発が必要ですのでご注意ください。

2. チェックアウトページをカスタマイズできる

「Shopify Plus」では配送先住所や決済情報を入力し、購入を完了させるために重要な「チェックアウトページ」のカスタマイズが可能です。また、住所入力や決済設定以外のコンテンツをチェックアウトページに自由に追加できます。たとえば、下記のようなカスタマイズが可能です。

  • 名前のカナ項目やアンケートなど、独自の入力項目の追加
  • クロスセルやアップセルを目的としたレコメンド商品の表示
  • 商品受取までのフローなど、利用方法に関するコンテンツの追加

ただし、チェックアウトページは個人情報やクレジットカード情報を扱う大変重要なページです。また、年に数回アップデートがあり、その際にカスタマイズに影響が出てしまう場合もあるため、高度なカスタマイズは推奨されていません。カスタマイズは最小限にとどめておいた方が良いでしょう。

3. 20か所のロケーションが登録できる

「Shopify」では在庫を保管する倉庫や商品を受け取る店舗を「ロケーション」として登録する機能があります。「Shopify Plus」ではこのロケーションを20か所まで登録できます。通常のユーザーへの直送の場合、倉庫が20か所もあることはほとんどありませんが、恩恵を受けるのが店頭受取を実施している場合です。

「Shopify」では倉庫からユーザー宅への直送だけではなく、店頭受取の手配も基本機能で実現できます。もちろん1店舗でも店頭受取でビジネスを立ち上げることもできますが、複数店舗を持つマーチャントの場合、ユーザーが商品を受け取りやすい店舗を自分自身で選べるため、買い物の利便性を向上させることができます。

この仕組みを使うことで、例えば、多店舗展開の飲食店が限定ランチBOXの予約販売をShopify上で行い、ユーザーが家から一番近くの店舗に取りに行く、というようなユースケースも考えられるでしょう。

このロケーション数ですが「Shopify Plus」では最大20か所までという上限がありますが、外部にロケーションマスタを保持することで倉庫数や店舗数を増やすことも可能ですので、20か所では足りないという方は、ぜひこの方法で検討してみてください。

4. 充実したサポートを受けられる

こちらは機能とは関係ありませんが、ECサイトの立ち上げや運用を行っていく上で大変有り難いのがサポート制度です。「Shopify Plus」ではストアの公開前と公開後のそれぞれのフェーズに合わせてShopifyからマーチャント専属のサポートメンバーをアサインできます。特に、ストア構築時にはローンチエンジニアがアサインされるため、技術的な質問や悩みを一緒に解決してくれる強い味方となってくれます(一定条件あり)。

また、英語のみの対応ではあるのですが、通常のShopifyサポートとは別に「Shopify Plus」の専用のサポート窓口もあり、24時間365日問い合わせを受け付けてくれるのもとても安心です。

解説した4つのポイントはユーザー体験の向上やECサイト立ち上げ後のデータの利活用といった、EC事業での売上向上のための仕組み作りに必要な機能であり、大規模ECサイト構築には欠かせません。4つのポイント以外にも、

  • 1ライセンスで10ストアまで追加可能(多言語サイトやB2Bサイト等、同一ストアもしくは同一ブランドでの展開に限る)
  • Shopify Plus専用アプリ
  • B2B専用の販売チャネル
  • 各種APIの上限値の向上と高速化

といった「Shopipy Plus」専用の機能がありますので、ビジネスモデルやサイト上で実現したい機能や要件に合わせてカスタマイズが可能です。

「Shopify Plus」導入時の意外な注意点

ここからは「Shopify Plus」の導入を決めた場合の注意点を紹介します。検討されているマーチャントは比較的規模の大きなEC事業である場合が多いため、それに伴い事前に検討すべきポイントがあります。

1. 外部サーバーを使ったアプリの導入

Shopify自体のセキュリティはとても厳重なもので安心して利用できますが、機能をアドオンするアプリには少し注意が必要です。Shopifyアプリはインストールだけで簡単に機能をアドオンできて大変便利なのですが、アプリのほとんどは外部サーバーにアプリケーションを置き、そこと通信をしながら機能を実現しています。アプリによっては外部にデータベースを持ち、そこにエンドユーザーの個人情報を保存しているものもあります。

自社のセキュリティ方針によっては、使用するインフラやアプリケーションのすべてがセキュリティチェックの対象となる場合があるかと思います。それを踏まえるとアプリ導入ができず、開発コストがかさんでしまうという事態に直面する可能性がありますので、この点はぜひ事前に検討することをおすすめします。

2. ページ公開時の承認機能がない

Shopifyおよび「Shopify Plus」にはページ公開における承認機能がありません。そのため、もし他のCMS(コンテンツ管理システム)などで組織内での承認フローを採用しており、Shopifyを使ったECサイトでも同じフローを実現したい場合は、この点において運用方法の検討が必要となります。

ただし、Shopifyおよび「Shopify Plus」ではページや商品情報のプレビュー機能が基本機能として備えられていますので、プレビュー機能を事前確認に利用する使い方も可能です。

◇◇◇

「Shopify Plus」には「Shopify Plus」でしか使えない専用の機能が多くあります。それらを使うことでECサイトやバックオフィスの拡張性が高まり、既存のツールやシステムと組み合わせることによって、大規模ECサイトの立ち上げも実現可能です。また、ECサイトの立ち上げだけではなく、立ち上げ後のマーケティング施策やEC運用の効率化に役立つ機能もあるため、「Shopify Plus」はEC事業の拡大に寄与すると言えるでしょう。

この記事が「Shopify Plus」の導入を検討中の方のヒントになれば幸いです。

金本 珠枝
金本 珠枝

ダイエーが新たなデジタル施策、ECサイトの刷新&POS連動の食事管理アプリを全店展開

4 years 7ヶ月 ago

ダイエーはネットと実店舗において、便利で快適に買い物ができる新たなデジタル施策を導入する。ECサイトの刷新など新たなデジタル施策を推進する。

自社が保有する「商品」「アプリなどの会員基盤」「店舗網」を活用。鮮度や物量の問題で店舗で販売することが難しい価値ある商品をEC限定で販売する「EC事業」の確立に取り組んでいる。

その一環として11月18日、自社のECサイトを大幅に刷新。使い勝手の大幅な改善に加え、店頭での商品受け取り、ライブコマースなどの機能を追加する。ダイエーがECサイトを大幅刷新するのは14年ぶり。

自社ECサイトの名称は「ダイエーオンラインマルシェ」。ECサイトの刷新で、セキュリティの強化や使いやすさの改善、クーポンなどのプロモーション機能を追加する。

ダイエーはネットと実店舗において、便利で快適に買い物ができる新たなデジタル施策を導入する
刷新するECサイトのイメージ

店舗作りでは「おいしく食べて“ココロとカラダ”健康に」をコンセプトに掲げるダイエー。その一環として、POSデータとの連動で買い物データを自動的に取り込み、栄養素に変換して最適な食生活を提案するスマホ用アプリ「SIRUシル+タス」(シルタスが開発)を活用した健康管理サービスを展開している。

現在31店舗とネットスーパーで利用できるが、それを11月24日から利用可能店舗を全195店舗に拡大する。

ダイエーは今年度、自社公式アプリの機能強化、多様な決済方法の導入、レジ待ち時間の短縮につながる精算手段の導入、ネットスーパーの店舗数拡大などを進めてきた。自社公式アプリのダウンロード(DL)数は200万DLを超えた。

ダイエーは9月、水揚げされた鮮魚をECサイトで注文を受けた当日に配送、最短で買い付け翌日に商品を届ける取り組みを開始。「EC事業」の新たな取り組みとして位置付けている。

島根大田市場に駐在しているダイエーのバイヤーが、市場で買い付けた新鮮な魚を、その日の午後に出荷。名称は「島根大田市場直送 鮮度が自慢!バイヤー厳選おまかせセット」。旬の鮮魚をさばくことなく丸のまま、最短で買い付け翌日に顧客に届ける。日本海の鮮度抜群の魚を自宅で食べることが可能になる。ダイエーは価値ある商品を値ごろ価格で顧客の食卓に届けている。

石居 岳
石居 岳

アダストリアが公式ECサイト「.st」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入

4 years 7ヶ月 ago

アダストリアは、公式ECサイト「.st(ドットエスティ)」にZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入し、レビュー投稿・表示機能を実装した。

レビュー並び替え&絞り込みで購入検討中ユーザーに有益な情報を提供

アダストリアは2020年11月25日、「.st」のスマートフォンアプリに「ZETA VOICE」の一部機能であるQ&A機能を導入。今回、ECサイトとスマートフォンアプリにレビュー投稿・表示機能も実装した。

実装により、約200万件ものレビュー(2021年10月15日時点)を「新しい順/トップ評価」で並び替えて閲覧することができる。また、「星の数」「サイズ感」「性別」「年代」「身長」「体重」「サイズ」「カラー」「画像有無」「靴のサイズ」などから詳細に絞り込むことが可能になった。

そのため、レビューによってより商品のリアルなイメージを持ちやすくなり、購入検討中のユーザーにとって有益な情報となる。

アダストリア .st ZETA ZETA VOICE 検索機能
「.st」のレビュー表示(画像は「.st」サイトからキャプチャ)

「.st」ユーザーのレビューへの関心が高く、「レビューの絞り込みができるのが便利」「自分の身長、体重を基準にレビューを検索して考えられるため、使い勝手がますます良くなった」との意見が寄せられており、ブランド、メーカーにとってもユーザーの声を知る機会につながっているという。

「ZETA VOICE」とは

サイト自体や提供する商品・サービスに対して、複数の評価軸を用いた多面な評価によるレビューコンテンツをサイトに実装できるエンジン。点数による評価やフリーコメント、スタッフレスポンスなどの機能を有するほか、投稿レビューデータの分析、A/Bテストでの活用ができる。

ZETA VOICE 主な機能
「ZETA VOICE」の主な機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥
藤田遥

チャットコマースとは?バルクオムやH&Mに学ぶ活用事例、活用するメリットなどを解説 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 7ヶ月 ago
チャットコマースとは、チャットツールを活用して購買体験をサポートするサービス。導入する際には、目的やどのような問題を解決したいのか、ユーザーにどのような価値を提供したいかなどを明確にしましょう

チャットコマースとは、チャットツールを活用して購買体験をサポートするサービスです。商品に関する問い合わせや企業と個人とのコミュニケーション手段として導入している企業が増加しています。

すでにアパレルショップやコスメショップ、飲食店など、幅広い業種での導入がみられ、業界的にも発展していくことが予測されています。

本記事では、チャットコマースの概要から注目されている理由、導入のメリット、活用事例を紹介します。

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チャットコマース(会話型コマース)とは

チャットコマースとは、チャットアプリを活用して商品の注文や問い合わせに対応できるサービスのことです。海外では「CC(Conversational Commerce)」と表記されます。さらに詳しくチャットコマースの特徴や注目されている背景を紹介します。

チャットコマースの特徴

チャットコマースはLINEやFacebookメッセンジャーなどのチャットツールを活用し、企業や店舗がユーザーとのつながりを持つことが可能です。

チャット機能なら顧客といつでもどこでもコミュニケーションが図れるようになり、顧客の疑問点や細やかなヒアリングによってユーザーを深く理解できます。

そのため、顧客それぞれに最適な接客や提案ができるようになり、効率的でありながら良質なサービスを提供できます。

他にも、AI機能を持つチャットボットを導入すれば、24時間のカスタマーサポートなどが実現します。チャットボットで解決できない疑問に対しては電話対応につなげるなど、問い合わせの負担を軽減できるでしょう。

チャットツールの普及、そして購買窓口へ

チャットコマースがビジネスで活用されはじめたのは、チャットボットの発展とチャットツールの普及が関係しています。

チャットボットの機能は2016年にFacebookとLINEがメッセンジャーのAPIをオープン化したことで発展しました。APIとはチャットボットの機能を共有する仕組みのことです。

これにより、顧客が入力した文章から自動で返答を選択する機能など、柔軟な対応ができるチャットボットへと成長しています。

また、チャットツールは日常的なコミュニケーションツールとして浸透しており、多くの消費者はチャットでのやりとりへの抵抗が低いです。

このような背景によってチャットから購入への抵抗感が弱まっていき、チャットコマースが急速に注目されるようになっています。

チャットコマースの市場規模

チャットボットの先進国のアメリカでは2016年からチャットボットが注目されはじめ、2011年に登場された「Siri(シリ)」によって音声でのAIとの対話への利便性を認識しました。

その後、FacebookやGoogle、マイクロソフト、Amazonなどの大企業がチャットボット製品の開発を積極的に行い、現在のような柔軟な対応ができるチャットボットが誕生しました。

また、矢野経済研究の対話型AIシステム市場に関する調査によると、2022年の対話型AIシステム市場は132億円になると予測されています。チャットコマースを含めたAIによる対話サービスは今後も発展するでしょう。

チャットコマースの導入メリット

ここではチャットコマースを導入した際に得られるメリットを解説します。

1. ユーザーそれぞれに合った提案が可能に

チャットは個々の顧客とコミュニケーションがとれるので、顧客のことを深く理解したうえで最適なサービスを提供できます。

接客の好感度はブランドのイメージにも影響を与えるため、チャットによる「自分だけの提案」は良質な接客サービスという印象を与えられるメリットがあります。

また、チャットを通して信頼関係を築き、将来的にファンへと成長する可能性も持っています。

2. ユーザーが問い合わせしやすい

LINEやFacebookメッセンジャーのように、チャットによるコミュニケーションの取り方は一般的となり、2021年1月時点で国内LINEユーザー数は約8,600万人に到達しています。

チャットという存在は多くのユーザーにとって親しみやすいツールであり、電話でのコミュニケーションよりもハードルが低いです。

3. カスタマーサポート業務の負担を軽減

2008年をピークに少子高齢化に拍車がかかり、生産人口が減少しています。電話対応や問い合わせ窓口のようなサービスにおいても、対応スタッフが不足しています。

このような人手不足問題に対してチャットコマースは解決できる可能性があります。また、チャットボットなら24時間対応できるので、問い合わせ業務の負担を軽減できます。

4. ユーザーの不安をすぐに解消できる

チャットコマースなら、顧客が何か商品やサービスに疑問があった場合に、すぐにチャットで解決できます。EC販売において購入前に疑問点をなくすことは重要であり、購買の意思決定に大きく影響を与えます。

疑問点を解消していくことで購入意欲を高め、ユーザーは納得して購入へと進むでしょう。

5. チャットのみで決済まで完了できる

チャットコマースの中にはチャットでのやりとりから直接商品の購入と支払いを完了できるサービスがあります。

最近ではByteRoad株式会社がリリースした「BeSHOP(ビショップ)」という、LINE公式アカウントにネットショップ機能を導入し、LINEチャットのみで販売から決済までができるサービスがあります。

すでにLINEユーザーであれば友達追加のみで開始でき、最速の購買体験を提供できます。また、登録済みのユーザーに対してリピートの促進としても活用できる魅力があります。

<参照>
PR TIMES:LINEでチャットコマース!LINEトーク上にECサイトが構築できるクラウドサービス「BeSHOP」をリリース!|ByteRoad株式会社のプレスリリース

チャットコマースの活用事例

ここでは、チャットコマースを活用している企業やサービスを紹介します。それぞれチャットのメリットをうまく活用し、ユーザーの利便性を大切にしています。

事例1. 株式会社BULK HOMME(バルクオム)

トップページ
▲バルクオムのトップページ:株式会社BULK HOMME(バルクオム)

メンズのスキンケア商品を扱う株式会社BULK HOMME(バルクオム)はチャットコマースの株式会社Zeals(ジールス)を活用し、各顧客の要望に合わせた商品を提案しています。

チャットでは、顧客の肌の悩みや理想などのヒアリングを大切にし、最適な商品を提案することでCPA(アクションあたりの費用)は257%まで改善されました。

これまで購入まで踏み切らなかった顧客に対しても、チャットでのデータを参考にプッシュ通知をすることでおよそ40%がコンバージョンに寄与した実績を持ちます。

事例2. H&M

H&Mのトップページ
▲H&Mのトップページ:H&M公式サイト

世界的なアパレルブランドH&Mの海外店舗ではチャットコマースのツールを導入し、オンラインでの接客サービスの向上を図っています。

チャットを通してユーザーの好みをヒアリングし、スタイリングのヒントやアドバイスを提供します。

H&Mのチャットコマースは絵文字や親しみやすい会話表現が使われるので、友達感覚でコミュニケーションをとっているかのような楽しみも提供しています。

事例3. ピザハット(アメリカ)

ピザハットのチャットコマース
▲ピザハットのチャットコマース:ピザハットの公式サイト

アメリカでは2016年からFacebookメッセンジャーとTwitterによるチャットコマースをはじめています。チャットでは注文ができるだけでなく、よくある質問への回答や最新情報などを提供しています。

また、お気に入り機能も搭載しているため、チャットコマース上での注文をさらに簡略化させています。

チャットコマースは購買体験の質も高める

ユーザーにとってチャットコマースには「時間を問わず必要な情報を入手できる」「決済までスムーズに進められる」などの魅力があります。

一方、販売者側には「問い合わせ対応の負担を軽減できる」「オンライン上でも良質な接客を提供できる」などのメリットがあります。

チャットコマースを導入する際には、目的やどのような問題を解決したいのか、ユーザーにどのような価値を提供したいかなどを明確にしましょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
口コミラボ

マンションのオートロックを配送業者が解除できるAmazonの「Key for Business」、10都道府県800棟以上のマンションに拡大

4 years 7ヶ月 ago

アマゾンジャパンは11月11日、オートロック付きマンションでAmazonの商品をスムーズに配達できる配送サービス「Key for Business(キー・フォー・ビジネス)」の展開地域を拡大したと発表した。

日本の「Key for Business」は2021年3月にスタート。マンションのオーナーまたは管理会社の承認をあらかじめ受けている場合、Amazonから委託された配送業者や配送ドライバーが専用の配送アプリからマンションのオートロックを解除し、配達先の顧客が不在でも玄関等への置き配が可能となる。

「Key for Business」は当初、大東建託パートナーズや綜合警備保障(ALSOK)をはじめとする認定パートナーと協力し、東京、神奈川、大阪、愛知、福岡の200棟のマンションへ導入した。

導入以降、顧客から好評で、Apaman Property(アパマン プロパティ)や東急不動産ホールディングスグループなどの管理物件にもサービスを拡大。10都府県、800棟以上のマンションで「Key for Business」が利用できるようになった。対象地域は、北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡。

Amazonは注文時の配送オプションである「置き配指定サービス」を、30都道府県(一部地域を除く)で配送方法の初期設定として提供している。

オートロック付きのマンションでは、顧客が不在の場合、配送ドライバーはマンションに立ち入ることができず、玄関など顧客の希望場所へ置き配ができなかった。また、宅配ボックスが満杯で受け取れない、商品を宅配ボックスから部屋まで運ばなければならないといった不便さがあった。「Key for Business」はこうした課題を解決できる方法の1つとして期待される。

「Key for Business」を使った配送イメージ

「Key for Business」はマンションのエントランスのドア、またはオートロックの装置と「Key for Business」デバイスを接続。配送ドライバーは専用の配送アプリから、オートロックを解除できる仕組み。導入するマンションに配送するAmazonの荷物を持ったドライバーが到着すると、ロックの解除ができる。配送ドライバーがマンションに入館し、玄関への配達が完了するとロック解除の期限が切れる。それ以降は同じ日でもマンションに入館できなくなる。

石居 岳
石居 岳

ecbeingが中国向けソーシャルEC支援をスタート、クロスシーとの業務提携で実現

4 years 7ヶ月 ago

ecbeingは中国向けネットマーケティングのクロスシーと業務提携し、中国のソーシャルECに関する支援業務を始める。ECサイト構築パッケージ「ecbeing」を利用しているEC事業者の中国向け販売戦略や課題に応じた中国ソーシャル越境ECへの進出、出店、運用、商品プロモーションといった支援を行う。

中国のEC市場とソーシャルECの状況

中国のEC流通規模は約200兆円、EC化率は30%で、日本国内のEC流通総額と比較して約16倍、EC化率は約4倍。また、中国では国内のEC利用だけでなく、海外から商品を購入する越境利用率が42%と高い状況になっている。

ecbeing クロスシー 世界の国別EC市場規模
世界の国別EC市場規模(出典:経済産業省 令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業)
ecbeing クロスシー 国別EC(越境)利用動向
国別EC(越境)利用動向(出典:経済産業省 令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業)

近年、中国ではSNS上でECを行うソーシャルECが急成長しており、月間アクティブユーザー数トップの「WeChat(ウィーチャット)」だけでも、流通額は日本国内のEC流通総額を超える約26兆円に達している。

2019年からECをスタートしたショート動画・ライブアプリの「Douyin(ドウイン)」と合わせると、2つのアプリだけで流通額は約34兆円もの規模。中国EC市場に大きな変化をもたらしているという。

ecbeing クロスシー WeChatとDouyinのEC流通額
2019年と2020年のWeChatとDouyinのEC流通額

店舗構築や消費者対応などにも対応

今回の提携で、「ecbeing」導入企業に対して中国向けソーシャル越境EC支援を手がける。初期費用を抑えて次の対応が可能となる。

  • 10億人を超えるユーザー数を誇る「WeChat」上のミニプログラムで越境ECサービスを簡単に実現(SaaSで提供)
  • ユーザー数6億人の「Douyin」、ユーザー数3億人の「RED(小紅書)」での越境ECにも対応
  • 店舗構築や消費者対応などのフルフィルメント対応
  • 中国語や商習慣理解も不要、商品情報の提供と商品の出荷のみで越境ECが可能
ecbeing クロスシー REDでのインフルエンサーによるライブコマース WeChatミニプログラムでのECサイト
「RED(小紅書)」でのインフルエンサーによるライブコマース(左)と「WeChat」ミニプログラムでのECサイト(右)

商品マスタや在庫情報は「ecbeing」の情報を今後活用する予定で、クロスシーと連携することで、越境EC商品の管理を一元化する。クロスシーがリレーションを図っている在日中国人300名以上のインフルエンサー、在日クリエイターを活用した日本から中国のSNSへのスピーディーなコンテンツ制作、情報発信など、ソーシャルECならではのプロモーションを予定している。

藤田遥
藤田遥

自社ECで売上を伸ばす秘訣とは? 成功している5社に聞いた【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 7ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年11月8日〜14日のニュース
ネッ担まとめ

自社ECサイトで成功している5社のインタビュー記事がありました。どうしても集客に目が行きがちですが、実際は細かい改善の積み重ねとお客様との関係性の構築がポイントのようです。

自社ECサイトで売上を伸ばす秘訣が大公開!

自社ECを伸ばした5社が「重視していること」とは?受賞ショップにインタビュー | futureshop
https://www.future-shop.jp/magazine/award-interview

フューチャーショップが主催する「第13回 ネットショップグランプリ」を受賞されたショップの皆さんが、売上を伸ばすコツなどについてコメントされていました。とても参考になりますので、ショップとコメントを紹介します。

紀州 有田みかん 早和果樹園公式通販サイト
https://sowakajuen.com/

自社ECサイトはECモールとは違い「コツコツ感」が大事です。少しでも時間があればサイトを更新し、何かのネタがあればメルマガを打つ。集客、接客、追客の施策をコツコツと継続していたら、ネットショップグランプリを受賞できるほど、思わぬ高みに登っていた。そんな感覚です。時間はかかるけれど、労力をかけた分だけ成果が返ってくるのが自社ECサイトの良いところ。これから自社ECに取り組む人は、腐らずにコツコツと前を向いて進んでいけば、いつか良い景色が見えると思います(秋竹社長)

「労力をかけた分だけ成果が返ってくる」。まさにこれです。自社ECはモールと違って急に仕組みややり方が変わることはありません。自分たちでやったことが積み重なっていきますので、どれだけそこに時間をかけることができたのかがポイントになってきます。ちょっとだけやって売れないと思うのではなくて、売れるためにどうするかをずっと考えていきましょう。

PAJAMAYA IZUMI
https://www.pajamaya.com/

自社ECサイトをリニューアルしてから、売り上げがじわじわ、じわじわと伸び続けています。ECモールと違い、自社ECサイトの売り上げは急激には伸びません。大切なのは、お客さまのために必要な施策を続けること。時間がかかっても諦めずに続けていれば、いつか、広告に頼らなくてもお客さまが来店してくださるお店を作ることができると思います(熊坂泉さん)

こちらも同じ意味のコメントですね。自社ECで急激に売上が伸びるのはメディアに取り上げられたときくらいで、通常はじわじわと増えていくことが多いです。

「お客さまのために必要な施策」は間違いやすいので注意です。お客さまに要望などを聞くと「送料が高い」とか「商品がないと」いう回答が増える傾向がありますが、実際はそうではなく、「もっと商品のことを詳しく教えてほしい」とか「気軽に聞ける環境を作ってほしい」というケースがあります。本当の要望を教えてもらえるようなコミュニケーションを取っていきたいですね。

クロシェオンラインショップ
https://www.cloche.shop/

弊社のように実店舗中心の企業がEC事業を伸ばすには、店舗スタッフとECサイトの連携は欠かせません。しかし、店舗スタッフに対して、ライブコマースやSNS投稿などをただお願いするだけでは上手くいかないと思います。実店舗の仕事が忙しくて手が回らない場合もあるでしょうし、SNSの投稿に苦手意識を持っている人もいるからです。重要なのは、新しい働き方を促す環境を整えること。オンライン接客ツールの導入や、人事評価制度の見直しを含めて、店舗スタッフがオンラインでも活躍しやすい環境を作ることが必要だと考えています(村岡さん)

「ただお願いするだけでは上手くいかない」。これもよく聞く問題です。スタッフの皆さんはやりたくないわけではないけどやり方がわからないとか、評価につながらないとか、他の仕事がたくさんあるとか、上手くいかない理由があるわけです。やらせる前に環境を整えてやりやすくすることからですよね。特にSNSなどすぐに効果が出ないものは結果だけにフォーカスしてしまうとうまくいかないので、長い目で見ることも大切です。

ご利用料金・コース紹介|クラフトビール定期便「ひらけ!よなよな月の生活」ビールのサブスク | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」
https://yonasato.com/ec/nenkan_beer_course/

何かのきっかけで会社や商品のことを知ってくださった方が、自社ECサイトを訪れて会員登録していただけるのが理想です。そのために自社ECサイトのコンテンツを拡充し、さまざまなサービスを提供しています。ただし、会員登録してくださったすべてのお客さまに、その場で商品を買っていただこうとは思っていません。まずはお客さまとのつながりを持ち、何かのきっかけがあったときに、実店舗であれECサイトであれ、商品を買っていただける関係性を維持しておくことが重要だと思っています(望月さん)

「関係性を維持」するのはとっても重要ですよね。データしか見ていないとすぐに買ってほしくなりますし、買わせようとしてしまいますのでどんどん関係性が希薄になっていきます。それはモールに任せておけばいいので、自社ECではすぐに買ってくれなくても自分たちのことを覚えてくれている人を増やした方がうまくいきます。覚えてもらうには情報発信。商品にまったく関係ないようなことを発信しても問題ないので、何かあった時に思い出してもらえるようにしておきましょう。

ナッツ・ドライフルーツの通販サイト小島屋
https://www.kojima-ya.com/

ECモールで売り上げを伸ばすには、広告やポイント、安売りなどの施策をひたすら実行するのが王道です。一方で自社ECサイトは、広告や安売りを仕掛けたからといってお客さんが来てくれるとは限りません。自社ECで必要なことは、「何をどう売るのか」「お客さんをどのように集めるのか」といった戦略を立てること。そのために、例えば3C分析などをしっかり行って、自社のポジショニングやターゲットを明確に定めることが売り上げを伸ばすポイントだと思います(小島さん)

「広告や安売りを仕掛けたからといってお客さんが来てくれるとは限りません」。そうなのです。モールは買いたい人が来ているから広告を見ると来てくれますが、自社ECの広告を見る人は買う気がない場合も多いですし、安売り自体にも気付いてくれないことも多いです。買いたい人がどこにいるのか、競合と比較して差別化ポイントはあるのか、購入したいようなページになっているのかなどなど、お客さんの周囲をよく見て施策を考えないといけないですよね。

まとめると、

  • 努力の積み重ねが結果として返ってくるので、結果が出るまでコツコツ続けることが大切
  • 細かく多くの施策を動かすことになるので、スタッフの評価や環境を整えて動きやすくしておく
  • 買う気がある人だけにリーチできるわけではないので、自社のことを気にしてくれる人を維持しておく

「ECをどうにかする」のではなく「良い人間関係を築いていく」と考えるとうまくいきそうですね。「そんな抽象的なことを言われても困る!」という人向けの記事も紹介しておきます。

「独自の広告最適化システム」「永続的な顧客との関係構築」――利益率29%を達成する北の達人コーポレーションの経営の秘訣に迫る | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9198

独自の広告運用の仕組みを構築して利益を上げている北の達人さんの事例です。資金力があってバンバン広告が打てて、競合よりも値下げしてもやっていけるところは少ないので、この記事はとっても参考になります。

20億円以下の規模のマーケットだと、大手企業にとっては小さすぎて参入するには効率が悪い。しかし、品質面で優位性の高い商品を展開できれば、顧客の支持は得られる。北の達人コーポレーションは、こうして競争の起こらないマーケットを自ら作り上げ、売上高100億円をめざしてきた

独自のやり方で売上が伸びてくると競合が参入してきて、さらに市場ができてくると大手にも参入されて値下げで根こそぎ持っていかれてしまう。ECにはよくある話なので小さい市場でこっそりやるのが生き残る秘訣です。

出稿している広告を詳細に管理し、デイリーでデータを算出、採算の合わない広告は停止させてチューニングしてから再出稿するという作業を日々実施している。木下氏が創業時から確立してきた広告を最適化させる手法を独自システムとして開発し、広告運用はすべて内製化している。

広告運用の方法も独自です。大企業は売り上げが伸びればいいですが、そうでない場合は利益が重視されますよね。利益が出ていれば事業は継続できますから。ですので、広告でも「1年間のLTVをもとに広告投資判断を行って利益重視型マーケティング」を行っているとのこと。広告代理店とはちょっと変わった動きですよね。

北の達人コーポレーション フラクタ 独自の報告最適化システムを開発、利益の最大化を図っている
独自の広告最適化システムを開発し、利益の最大化を図っている(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)
北の達人コーポレーション フラクタ 最適上限CPOの算出方法
「新規の獲得件数×顧客1人あたりの利益」でCPOの額ごとに利益額を算出すれば、「最適上限CPO」がわかる(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

広告運用に慣れていない人にはわかりづらい図と用語ですが、これが理解できないと利益の出る広告運用はできないので、時間をかけて理解しておきたいところです。何となく広告を出して注文が取れなくて「広告はダメだ」という人が世の中にはとっても多いですが、こちらもコツコツと努力していくと結果が出るはずです。ちなみに北の達人さんは「資本金1万円からスタートした会社」ですので、読んでいる皆さんの方が恵まれた環境かと思います。

単品系通販サイトでやるべきSEO施策② 行動分析ツール「Microsoft Clarity」で サイトの問題点を見つけ出そう | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9177

こちらはページ改善の記事。詳細は割愛しますが、ヒートマップツールを使って商品ページを改善する方法が書かれています。最終的な注文は集客もありますが商品ページの作りも大きく影響しますので、一連の流れで改善していきましょう。

また、集客施策とページ改善の連携が取れないとちぐはぐな動きになって足の引っ張り合いになることも多いので、よく情報を交換しながらお互いの数字をチェックしてきましょう。

EC全般

これからのECには「美しい運営体制」が必要だ。コンサルタントに聞く、「攻め」と「守り」を両立するEC運営 | ECトレンド
https://new.akind.center/archives/15775

売れてくると問題になるのが出荷など。自分たちのキャパを知って集客を。

Shopifyがコロナ禍のブラックフライデー・サイバーマンデーにおける日本の消費者の購買傾向に関する独自調査を発表 | Shopify Japanのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000034630.html

要するに安く売る・買う口実があればいいということですね。

1日で約15兆円を売ったアリババ+京東(JD)の中国「独身の日」取扱高まとめ【2021年】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9245

まったく実感のない数字になってきましたがすごい伸びです。

【Stripe調査】日本の大手ECサイトの97%が決済フォームの設計で5つ以上の基本的な問題点を抱える | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/10762

カードのエラーが即表示されないのは問題。買う側も買えたかどうかがわかりませんからね。

~越境EC 流通総額No.1 BEENOSグループの購買データから、2021年の世界の消費動向を分析~ BEENOSが「越境EC世界ヒットランキング2021」を発表 | BEENOS株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000324.000035599.html

日本にいながら海外の商品が簡単に手に入るショッピングサイトセカイモンから「海外商品を多く買っている県民ランキング2021」を発表! | BEENOSのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000323.000035599.html

越境EC関連のデータを2つ。自分たちが扱っている商品が実は海外で売れているかも?

ヨドバシカメラのECサイトが顧客満足度の高いECサイトで8年連続1位 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9223

すべての評価項目でヨドバシが1位!

ECがダメなら自販機?シェアキッチン運営の平塚さんがたどり着いたコロナ禍の「食品」販売戦略 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/10303

ECも自販機もお客さんとの接点と考えれば同じようなことができますよね。

今週の名言

私が会社員時代に聞いたなかでいちばん印象に残っていて、いまも大事にしている言葉をご紹介します。

「すぐする、すぐ済む」

です。

これはほんとに効きます。ほんとにすぐ済みますし、一歩進むだけで、先が見えることもあるあるです。

最小の努力で最大の結果を出すための「3つのキーワード」 | 岡健作/スタディーハッカー代表取締役 | note
https://note.com/oka_kgs/n/n187ac0fdf6a0

いろんな施策も改善もこの意識で。やらないとどんどんたまっていくのでやる気がなくなっていきます。

筆者出版情報

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森野 誠之
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”通販王”保阪尚希氏が語るヒット商品誕生の秘訣、マネージャー思考への切り替え方など全60講演のECイベント【11/17の見どころ】

4 years 7ヶ月 ago
当日登録できます!すべての講演を無料で視聴できる ECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋」を11月15日(月)~17日(水)の3日間にわたって開催中

資生堂ジャパン、千趣会、アユダンテ、パイオニア、DMM.com、ブックオフコーポレーション、Facebook Japan、ヤッホーブルーイング、JX通信社といった有名企業、俳優・タレントとしても知られる保阪尚希さんが成功事例などを語る「ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋」を11月15日(月)・16日(火)・17日(水)の3日間で開催しています。

「EC×オムニチャネル」「SEO×広告の新たな打ち手」「共感を生むマーケティング」「ネット広告の現実」「ヒット商品&ロングセラーを生む秘訣」などEC事業者に役立つテーマを用意。Zoomを利用したオンラインイベントで、60講演をすべて【無料】で視聴できます。17日の講演のなかから、編集部おすすめの講演をご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

見どころ⑰ ”通販王”保阪尚希氏が語るヒット商品&ロングセラーを生む方法

年商10億円の“通販王”保阪尚希氏に学ぶヒット商品&ロングセラーを生む秘訣
17:10~17:55 KB3-7 クロージング講演

ネットショップ担当者フォーラム2021秋 千趣会
「保阪流」公式サイト https://hosakaryu.com/より

『どん底から1日1億円の売り上げを出す方法』(ワニブックス)の著者であり、通販向けの商品開発などを行う保阪尚希氏。俳優業から近年の活動の場は通販チャンネル。自ら開発した商品はテレビショッピングで1日1億円以上を売り上げ、電子レンジ用のスチーム鍋「ラ・クッカー」は超ロングセラー商品に、コロナ禍でも「ストレッチハーツ」などの健康器具が大ヒットしています。

商品企画のほか、ECサイト「保阪流」で健康食品や健康器具のネット通販を行う“通販王”保阪氏が、ヒット商品・ロングセラー商品を生み出す秘訣などをお話します。

保阪尚希氏
俳優・タレント・通販コンサルティング・健康料理研究家 保阪尚希 氏
俳優・タレント・健康料理研究家・通販コンサルティングなど幅広く活躍しているなか、テレビ通販の驚異的な売り上げを上げることから通販王と呼ばれるようになる。保阪流の掲げる「死ぬまで健康」をテーマにした身体のメンテナンスグッズ、ストレッチグッズを開発し現在もヒットを飛ばし続ける。
ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

見どころ⑱ 「自分でやった方が早い」から抜け出す、マネージャー思考への切り替え方とは?

自分でやった方が早い病から抜け出す。マネージャー思考への切り替え方
17:10~17:55 KC3-7 クロージング講演

ネットショップ担当者フォーラム2021秋 Bake
パイオニア公式サイト https://jpn.pioneer/ja/より

プレイヤー中心だった仕事内容から、キャリアを積んだり昇進したりすると、マネジメントや管理職の仕事が増えていきます。プレイヤーだった時の感覚が抜けきらず「自分で仕事をやった方が早い」と思って自分で仕事を進めてしまうことはありませんか?

部下も育たなければ、自分の仕事が増えるばかりで良いことは一切ないのに、なぜか抜け出せない。本セッションでは、マネージャーとして仕事をしていくために、身につけておきたい思考方法をパイオニアの井上慎也氏とDMM.comの武井慎吾氏が語ります。

パイオニア NP事業本部 CMO 井上慎也氏
パイオニア株式会社 NP事業本部 CMO 井上 慎也氏
1978年生まれ。大阪大学大学院を卒業後、2004年にP&G Japan入社。ヘアケアカテゴリーを中心としたオンラインマーケティングを担当。2008年から外資製薬企業のイーライリリーにてeBusiness変革業務に従事。2010年よりアドビ システムズ株式会社にて、クリエイティブ・ソリューション事業のデジタルマーケティング全般の統括・促進と企業ブランディング活動を担当。2018年3月よりKDDI株式会社にてデジタルマーケティングと全社コミュニケーションの改革に取り組む。2021年4月からは現職のパイオニア株式会社 NP事業本部 CMOとして新規事業の立ち上げとマーケティング組織の構築に取り組む。
DMM.com マーケティング本部マーケティング部 部長 武井慎吾氏
合同会社DMM.com マーケティング本部マーケティング部 部長 武井慎吾 氏
2010年、株式会社アイレップに入社。主にナショナルクライアントに対し、ダイレクト・ブランディング双方のマーケティング支援に従事。その後HR業界を経て、2016年にDMM.comに入社。Webプロモーション機能をインハウスで完遂するトレーディングデスクチームの立ち上げ・責任者を担う。現在は、DMM.comグループが展開する50を超える事業に対し、収益貢献をミッションとするマーケティング部の部門長として、評価制度・教育制度設計など、組織マネジメントに注力中。
ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

この他にも、午後には下記の講演があります。

  • 16:10~16:50(B3-6)
    レビューの有無で平均CVRは2倍も違う!お客の声を売上アップにつなげる秘訣 ~レビューの収集10倍増!CVRの向上、接客、商品企画活用を事例ベースで解説~(株式会社ecbeing)
  • 16:10~16:50(C3-6)
    パフォーマンス改善、ブランド/SEOの向上、コスト削減、セキュリティ強化、より良いショッピング体験の提供、知らなきゃ損するECサイト構築の秘訣教えます!(Fastly株式会社、インフラレッド合同会社)
ネットショップ担当者フォーラム編集部

オイシックス・ラ・大地と赤ちゃん本舗、売上100億円めざす協業の検討を開始

4 years 7ヶ月 ago

オイシックス・ラ・大地と「アカチャンホンポ」を展開する赤ちゃん本舗は、2022年春のサービス開始を前提とした協業の検討を始めた。

オイシックス・ラ・大地が運営する食品宅配サービス「Oisix」と「アカチャンホンポ」は、子育てファミリー層の顧客を多く抱えており、ビジネスにおける親和性が非常に大きいと判断。5年後に約100億円規模の事業への成長をめざし、さまざまな取り組みを行っていく。

オイシックス・ラ・大地と「アカチャンホンポ」を展開する赤ちゃん本舗は、2022年春のサービス開始を前提とした協業の検討を始めた
ビジネスの親和性が高いと判断した2社

第1弾として、オイシックス・ラ・大地のECサイト「Oisix」内で、アカチャンホンポと共同で企画・開発した商品やサービスを提供する「Oisix withアカチャンホンポ」の展開を始める予定。

アカチャンホンポの顧客に向けては、店頭とWebサイトで「Oisix with アカチャンホンポ」はのサービスを提供。具体的には下記のような取り組みを予定している。

  • 子育てファミリー向けに離乳食やおやつ、ミールキットなどのオリジナル商品を共同開発
  • 子育てファミリーに特化したサービスとして、 「Oisix with アカチャンホンポ」サービスでの買い物提案に加え、アカチャンホンポのオリジナル商品提案やクーポン配布等を行い、子育てファミリーの食と暮らしを総合的にサポート
  • アカチャンホンポ店舗での、「Oisix with アカチャンホンポ」サービスの紹介

オイシックス・ラ・大地が運営する「Oisix」は現在33万3850人(2021年6月末時点)が利用j。ミールキット商品「Kit Oisix」を中心に育児に忙しい世帯や共働き世帯に好評を得ている。赤ちゃん本舗は全国に121店舗を展開(2021年10月末時点)、年間300万人との接点を持つ。

オイシックス・ラ・大地と赤ちゃん本舗はサービス連携に関する協議の機会を経て、両社のアセットを活用したサービス展開を前提とした協業を検討する。

石居 岳
石居 岳

千趣会とJR東日本がめざす新たな顧客価値、「SEO×広告」施策など全60講演のECイベント【11/17の見どころ】

4 years 7ヶ月 ago
本日からスタート!全60講演すべて無料で視聴できる ECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋」を11月15日(月)~17日(水)の3日間にわたって開催

資生堂ジャパン、千趣会、アユダンテ、パイオニア、ブックオフコーポレーション、Facebook Japan、ヤッホーブルーイング、ユナイテッドアローズ、DINOS CORPORATIONといった有名企業、俳優・タレントとしても知られる保阪尚希さんが成功事例などを語る「ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋」を本日11月15日(月)から16日(火)・17日(水)の3日間で開催します。

「EC×オムニチャネル」「SEO×広告の新たな打ち手」「共感を生むマーケティング」「ネット広告の現実」「ヒット商品&ロングセラーを生む秘訣」などEC事業者に役立つテーマを用意。Zoomを利用したオンラインイベントで、60講演をすべて【無料】で視聴できます。60講演のなかから編集部おすすめの講演をご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

見どころ⑮ 「リアル+ネット+カタログ」でLTV向上&新たな顧客価値の提供をめざす千趣会とJR東日本の挑戦とは

超リアル企業「JR東日本」と老舗通販「千趣会」が挑む変革の軌跡とこれから
~それぞれの課題を抱える2社の資本提携の背景、将来に向けた布石と変革~
14:05~14:50 KB3-4 ゼネラルセッション

ネットショップ担当者フォーラム2021秋 千趣会
千趣会 公式サイト https://www.senshukai.co.jp/main/top/index.htmlより

JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革2027」で「ヒトの生活における『豊かさ』を起点とした社会への新たな価値の提供」を掲げ、データベースを起点とした脱「鉄道」ビジネスの構築をめざしています。その一端を担う企業として資本提携したのが千趣会です。

JR東日本と千趣会は相互の経営資源を活用してコマース事業を展開し、リアル+ネット+カタログなどの融合により、新たな「くらしづくり」を進めることでLTVの向上と新たな顧客価値の提供をめざします。JR東日本が千趣会に出資した背景、狙い、千趣会が手がけていくことを踏まえ、JR東日本と千趣会が描く戦略、未来を千趣会の佐野太氏がお話します。

千趣会 取締役 ベルメゾン事業本部副本部長 OMO推進担当 佐野太氏
株式会社千趣会 取締役 ベルメゾン事業本部副本部長 OMO推進担当 佐野太 氏
東日本旅客鉄道(JR東日本)の事業創造本部で千趣会への出資を主導。現在は千趣会の取締役に就任し、ベルメゾン事業本部副本部長 OMO推進担当を務める。
ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

見どころ⑯ EC担当者要チェック!「SEO×広告」の新たな打ち手をアユダンテが解説

EC担当者必見! 「SEO×広告」の新しい打ち手とは?
~認知から購入までの4フェーズでの最善策を解説~
14:05~14:50 KC3-4 ゼネラルセッション

ネットショップ担当者フォーラム2021秋 Bake
アユダンテ公式サイト https://ayudante.jp/より

近年SEMは複雑化し、SEOと広告単独での持続的な効果をめざすことは難しくなってきています。またスマホ特有の検索行動を考えると、双方によってユーザーとのタッチポイントを増やすことが重要だとアユダンテは考えています。

本セッションではECサイトを対象に、購入までの4つの態度変容(見る/知る→検索(ライト)→検索(ディープ)→購入)と、それぞれにおける最善の打ち手、例えばSEOでカテゴリや商品DBを整備して広告活用する、双方にメリットのあるパフォーマンス向上を行うなど具体的な例を交えて、アユダンテの江沢真紀氏と河野芽久美氏が解説します。

アユダンテ SEOチーム SEOコンサルタント 江沢真紀氏
アユダンテ株式会社 SEOチーム SEOコンサルタント 江沢真紀 氏
アユダンテの創業メンバー、SEOは2001年から。大手通販サイトを中心に手掛けたSEOプロジェクトは100サイト以上。新しいサービスの開発や教育なども担当。
アユダンテ SEMチーム SEMシニアコンサルタント 河野芽久美氏
アユダンテ株式会社 SEMチーム SEMシニアコンサルタント 河野芽久美 氏
自動車雑誌のライター、課金コンテンツ制作を経て広告運用の道へ。2015年にアユダンテに入社。お客さまの広告運用やインハウス支援だけでなく、チーム内部のファイナンスを含む業務効率化、職務環境改善にも取り組む。広告の、直接的なコンバージョン以外の影響を分析・考察することが面白いと感じている今日この頃。2002年頃から生活必需品の大半をネットでまかなっている大の通販愛好家。
ネットショップ担当者フォーラム 2021秋

この他にも、午後には下記の講演があります。

  • 15:10~15:50(B3-5)
    レノボ・ジャパンの新たな顧客接点 ~成長を加速するD2C・サブスクサービス事例~(株式会社インターファクトリー、レノボ・ジャパン合同会社)
  • 15:10~15:50(C3-5)
    CVR300%アップの決め手とは? - 大手アパレルの成功事例から学ぶ、CX改善とパーソナライズ戦略(シルバーエッグ・テクノロジー株式会社)

明日はまた別のオススメ講演をお伝えします!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

アナログな生産現場の業務改革。ラクスルが挑んだ受注側、発注側双方にメリットを生む仕組み作り | 印刷通販ラクスルのDX戦略

4 years 7ヶ月 ago
印刷業界における作業の非効率や用紙のロス。ラクスルが取り組んだ現場の業務改善とは?(連載第2回)

ラクスルは印刷機の非稼働時間をシェアするプラットフォームを確立し、業界全体の生産性の向上や新たな収益基盤の創出に貢献しています。しかし、印刷の生産現場はアナログな商慣習が根強く、テクノロジーを生かした効率化や自動化が遅れているのも事実です。今回はそんな印刷業界で、ラクスルがデジタル化によってどのように取引を効率化させてきたのかについて解説します。

印刷業界における供給と需要の不均衡

取引の効率化について触れる前に、印刷業界におけるサプライ(供給)とデマンド(需要)の問題について説明します。

印刷業界は長らく、大口注文による大量ロット(大量生産)を中心に基本的な生産体制を構築してきました。つまり、大量生産が前提となっていて、小ロットや短納期のニーズに応えるのは構造的に難しい状況だったのです。

大企業の場合、印刷物の制作を含む販促活動やプロモーションは、半年から1年程度の準備期間をかけるため、印刷会社にとっても需要の計画を立てやすいわけです。一方、中小企業は時世に合わせて施策を打つケースが多いため、都度、短納期の発注が主となっています。

サプライ側である印刷会社にとって、同じ売り上げを作ろうとした場合、片や単価20万円、片や単価1万円となり、利益の低い小ロットの発注は断らざるを得ない状況でした。一方で、印刷物を発注するデマンド側の企業にとっても、ある程度規模の大きな企業しか、商業印刷をリーズナブルに利用できないという課題がありました。

中小企業も商売ですから、サービスやプロダクトの認知度を高めるために、大企業と同様の販促活動をしたいと考えています。こういった背景から、中小企業のニーズとして「小ロットから注文できる商業印刷」は必ずあると考えていました。

そこでラクスルは、立ち上げ初期の段階で小ロットの生産オペレーションを行なっている印刷会社を探しました。我々が目指す中長期的なビジョンや、中小企業が持つ商業印刷のニーズを伝え、共感してもらえる印刷会社に参画いただく形で提携先を広げていきました。

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パートナーと“伴走”しながら工場オペレーションを刷新

しかし、小ロットで競争力あるQCD(品質、コスト、納期)で行える印刷会社は、全国に数える程しかなく、加えて、ラクスルの事業が急成長したことで、すぐに拡張の限界を迎え、新たな提携先が必要でした。

こうして次にラクスルが取り組んだのが、「生産現場のオペレーション改善」です。今までの大量生産前提で組まれてきた工場オペレーションを変革し、中小企業の需要に応えられるよう、パートナー企業と伴走しながら仕組みづくりを行いました。

オペレーションの変革を担ったのは、トヨタ自動車をはじめとした国内の有名製造業出身の人材や、印刷機メーカー、印刷会社出身の人材でした。異業種で培ったノウハウや省力化のプロセスなどをもとに、印刷機の配置やモノ・ヒトの移動導線の整備、ビデオ録画、ストップウォッチの導入など、細部にわたるまで徹底的に見直しを図り、業務の効率化を目指しました

机上の議論だけでなく何度もパートナー先へと出向き、現場担当者や経営層とディスカッションを重ね、

「工程数のここをこう減らして」

「ここは10歩じゃなく5歩で行けるようにするとさらに生産効率が上がる」

というように、具体的な指示や改善点を指摘し、一歩ずつ前へ進めてきました。

印刷工程の効率化を実現するためのテクノロジー

さらに、オペレーションの改善と合わせて取り組んだのがテクノロジーの活用です。ラクスル独自でシステム構築やアルゴリズムの開発を行い、既存の印刷工程の効率化を目指しました。

一般的な印刷の仕組み(上部)と、ラクスルの仕組み(下部)のイメージ図
一般的な印刷の仕組み(左)とラクスルの仕組み(右)の概念図

一般的な印刷場合、例えばA4サイズ6000部のチラシ注文を受けた際はそのデザインを8個、同じ用紙に並べて一気に印刷し、最後にA4サイズにカットします。つまり、750枚の用紙から6000部の印刷物ができるわけです。

印刷機は規格で定められた仕上がり寸法に沿って印刷を行うため、A4ならA4のサイズをまとめて印刷するのが基本です。そのため、発注部数によってはかなりのロスが出ることも問題でした

ラクスルではこうした課題を解決するために、複数のお客さまからの別々の注文をまとめて処理することで、作業の細分化を防いでいます。お客さまは少部数のチラシを低コストで制作でき、印刷会社は用紙のロスを削減できます。双方メリットを享受できるのです。

当然ながら、A4以外にもA3サイズなどの注文もあるわけですし、同じ数量の注文がいつそろうのかということも考慮する必要があります。さまざまなサイズをどう並べ、いかに無駄のない印刷を実現するのか。そしていつ発注しどこで作るかなど、需要と供給のバランスを独自のアルゴリズムによって最適化することで、取引の効率化を実現させることができました。

詳しくは次回に触れますが、取引の効率化とともにDTPプロセス(デザインデータを加工・修正して印刷に適したデータに修正するプロセス)の自動化も、テクノロジーを活用した取り組みです。1注文当たり最低5分はかかり、これまで属人的であったDTPのプロセス自体を自動化することで、DTPチェックのために人を増やす必要がなくなり、納期短縮と原価削減につながっています。

生産性が改善すれば経営全体にも好影響が

以上のように、パートナー企業の生産現場に入り込み、一緒になってオペレーションの改善や生産体制の効率化を推進してきたことで、現場の意識変革にもつながりました。「ネット印刷」という新しいニーズが認知され、それに応えられるよう、業務の生産性改善を1つずつ考えることで、既存の業界慣習にとらわれた現場担当者の思い込みも次第に払拭できたのです。

こうして現場のオペレーションが改善し、クリーンな経営になってくると、企業の中にはスマートファクトリーの構想を掲げたり、上場を目指したりと新たな目標を立てる事例も出てきています。つまり、ラクスルが業界の取引や業務の非効率化をなくすために、パートナーと伴走しながら尽力したことで、パートナーの企業経営全体にも好影響をもたらしたと言えるでしょう。

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どの事業においても必ず「取引」があります。経営者や担当者の中には社内の非効率な取引を気にしている方も多いかもしれません。そういった方々に今回の内容が1つの参考になれば幸いです。

本質的な効率化を実現するためにはかなり泥臭く、現場と向き合う姿勢が大切になってきます。ただ業務効率化を図るツールを入れても付け焼刃にしかならないでしょう。自社とパートナーとの関係性を深め、対話を通じて解決策を一緒になって見出していくこと。正義が一方にしかないということはあり得ないという前提に立ち、お互いがプロフェッショナルであることへのリスペクトの念を持ち続けることが非常に重要になってきます。

理想と現実、理論と現場を何度も行き来し、創意工夫を繰り返すことでしか、本当の意味での取引の効率化は実現しません。ラクスルとしてもパートナー企業がより儲かる仕組みを作れないか、もっと効率化できることはないかなど、常に変わっていく気概を強く持って日々業務に取り組んでいます。

◇◇◇

次回は業務の効率化へ向けたプロダクト開発の具体的な取り組みについて掘り下げていきます。

高城 雄大
高城 雄大

知名度ゼロのフェイスマスク「LuLuLun(ルルルン)」が全国ブランドに育った軌跡&自社EC強化施策の事例を解説

4 years 7ヶ月 ago
フェイスマスクブランド「LuLuLun(ルルルン)」を展開するグライド・エンタープライズ。展開するブランドサイトと自社ECを統合するためECシステムを刷新、選んだパートナーは「ecforce(イーシーフォース)」だった。新たなシステムで「ルルルン」のブランディング強化をめざす取り組みを解説
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グライド・エンタープライズが展開するフェイスマスクブランド「LuLuLun(ルルルン)」が10周年を迎えた。東日本大震災をきっかけに誕生した「ルルルン」は、自社ECを軸に成長を遂げ、店頭販売で全国的な認知度を獲得。このほどブランドサイトとECサイトの統合に取り組み、顧客体験向上の取り組みなども進めている。「ルルルン」立ち上げの背景から成長の軌跡、多様化する消費者ニーズや時代の変化に対応するための課題解決のアプローチなどを取材した。

東日本大震災を機に誕生した「ルルルン」

フェイスマスクブランド「LuLuLun(ルルルン)」を展開するのは2009年創業のグライド・エンタープライズ。当初は広告代理店として企業のPR業務を手がける一方、広告測定やノウハウ蓄積の目的から自社で化粧品や雑貨などをそろえる総合通販サイトを運営していた。

フェイスマスクブランドで圧倒的な知名度を誇る「LuLuLun(ルルルン)」
フェイスマスクブランドで圧倒的な知名度を誇る「LuLuLun(ルルルン)」

グライド・エンタープライズが広告代理事業からフェイスマスクの販売に大きく舵を切ることになったきっかけは東日本大震災。話は2011年にさかのぼる。

当時、震災の影響を受けた多くの企業が広告費を削減、その影響でグライド・エンタープライズの経営も大きな打撃を受けた。イベントの相次ぐ中止、広告予算の縮小――。本業が厳しいなか、総合通販サイトで展開していた化粧品の売り上げだけは落ちていなかった。マーケティング本部広報・PRチームの土谷有希氏はこう振り返る。

そうした状況を受けて、どんな状況でも女性にとって大切なモノ、気持ちを明るくするアイテムが化粧品ではないかと気づきました。(土谷氏)

グライド・エンタープライズのマーケティング本部広報・PRチームの土谷有希氏
マーケティング本部広報・PRチームの土谷有希氏

「震災前は当たり前に過ごしていた毎日がとても貴重なものだった」と感じ、同時に「特別じゃない日なんてない」ということにも気づかされたという。

当時は一般的にフェイスマスクというと「スペシャルケア」と認知されていた。つまり、例外的な場合に限って使用する商品だったのだ。それに対し、グライド・エンタープライズはスペシャルケアを脱却し、「毎日使いのフェイスマスク」をめざすことに1枚38円で32枚以上の大容量のフェイスマスクを販売し、より多くの人に高品質なフェイスマスクを使ってもらいたいと考えた

ちなみに、この「特別じゃない日なんてない」というのはブランドのコンセプトの基礎となっている。

こうして誕生したフェイスマスクブランド「ルルルン」。従前は仕入れ商品で展開していたが、それを転換。自社オリジナルアイテムとしての扱いを始めた。

ブランド名はオノマトペ(擬音語・擬態語を象徴的に表した語)を意識し、気分がごきげんな時になんとなく「ルンルン」と鼻歌を口ずさむ感じから名付けたそう。

震災が会社の経営に大きな打撃を与えるなか、その打開策として「運営していたECサイトの中の一商品に光明を見出して開発を進めていきました」(土谷氏)というわけだ。

大容量フェイスマスクの潜在ニーズを開拓

「ルルルン」を立ち上げ、まずは自社ECで販売した。大手同業他社のように大きな予算をかけることができないなか、見込み客にリーチしながら売り上げを増やしていく最適な方法が、ECサイトの運用だったという

販売にあたっては広告代理業で培ったノウハウなどを武器にマーケティングを仕掛けた。ECサイトはスタートからすぐに売り上げを伸ばした。特に、芸能人のブログに紹介されたことで人気に火がついた

新規の顧客を獲得して商品を使っていただき、口コミを投稿していただいて、その口コミがさらに新規のお客さまを連れてくるという良い循環が生まれました。(土谷氏)

グライド・エンタープライズのマーケティング本部広報・PRチームの土谷有希氏

同時に、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」といった仮想モールにも出店、Webの領域で販路を拡大していった。2020年には仮想モールの販路を広げ、「Qoo10」にも出店している。

自社ECと仮想モールというWeb上での販売で順調に売り上げが拡大。2011年からは試験的に生活雑貨店の「PLAZA」で商品を展開したところ、さらに認知が広がった。ECサイト、PLAZAでの展開によって認知度がさらに向上、その後、ドラッグストアを中心に全国の店頭で商品を販売するようになる

店舗での販売はECに比べて売り上げが大きいことが魅力だが、リアルの出店はグライド・エンタープライズにとって別の意味合いもあった。「ルルルン」は「誰でもきれいになれる日常」を提供したいという想いがある。だが、ECサイトではリーチできる層に限界があるより多くの人に使ってもらうには、全国展開の店舗で販売することは外せなかったのだ。

グライド・エンタープライズによると、自社ECと店頭販売では客層に大きな違いはないという。接点がWebであれリアルであれ、顧客が欲しいと思ったタイミングでどこでも買えるブランドであり続けることをグライド・エンタープライズは重要視している

このように震災をきっかけに大容量フェイスマスクの市場がなかったところに商品を展開、潜在ニーズを掘り起こした。「ルルルン」は、日本中で購入されるブランドに成長していった。

潜在ニーズの掘り起こしに成功した「ルルルン」
潜在ニーズの掘り起こしに成功した「ルルルン」

土産物として認知度アップ

「ルルルン」の認知度を全国で高める上で鍵となるのが、ご当地フェイスマスクの「旅するルルルン」だ。

「旅するルルルン」はその地域ならではの原料にこだわった地域限定で展開している商品で、空港や地域の土産物屋などを販売チャネルとしている旅先で「旅するルルルン」を購入し、それを友人や知人、家族に渡すことでさらにブランドの認知を高めるという戦略だ。

箱根のバラを原料で使用した「箱根ルルルン(やさしいバラの香り)」、箱根のアジサイを原料で使用した「箱根ルルルン(しっとりアジサイの香り)」
箱根のバラを原料で使用した「箱根ルルルン(やさしいバラの香り)」、箱根のアジサイを原料で使用した「箱根ルルルン(しっとりアジサイの香り)」

この「旅するルルルン」では、自社だけの利益ではなく、商品開発に協力してもらった地域の人にも利益を還元できるような仕組み作りをしている

美容成分やパッケージなどは地元の店舗や問屋と共同で開発。こうした取り組みにより、現在では国内で26商品、海外(ハワイ)を併せると28商品をラインナップしている。

旅行先で購入いただいた商品をお土産として友達や家族に渡していただくという画期的なマーケティングとして、「ルルルン」というブランド認知に欠かせないシリーズになっています。(土谷氏)

北海道、東北、関東、山梨、長野、関西、瀬戸内、小豆島、九州、沖縄、ハワイで地域限定「ルルルン」を展開している
北海道、東北、関東、山梨、長野、関西、瀬戸内、小豆島、九州、沖縄、ハワイで地域限定「ルルルン」を展開している

優良顧客の育成へ定期購入を導入

順調に事業拡大を遂げ、全国で販売を行う「ルルルン」だが、スタート時の販路である自社ECは今でも重要な位置づけを占める。

グライド・エンタープライズの方針としては、ECと実店舗のどちらも伸ばしていくことをめざしている。そのため、新規獲得のための宣伝から、広告宣伝費の回収までを一気通貫できるのがECサイトの強みだという。

たとえば、たまたまランディングページ(LP)やバナーを見たお客さまが、街を歩いていてお店で「ルルルン」を売っていたら購入する。そのように欲しいと思ってもらえるクリエイティブを世に出していきたいです。Webで宣伝した際に、ECで買ってもらうのか店で買ってもらうのかは、どちらでもいいのです。あくまでお客さまが好きなタイミングで買ってもらうことが大事だと感じています。(土谷氏)

基本的に「ルルルン」はセールを行わない。商品のリニューアル時に型落ちしたものをアウトレット価格で売ることはあるが、現行品を割安で販売することはない。

こうした販売方針を掲げるなかで、顧客が商品を割安で購入する方法が1つだけ存在する。それが定期購入だ。

毎月の定期購入であれば、商品が定価よりも10%安く手に入る。また、通常の通販では3500円(税込)以上の購入で送料無料になるが、定期購入は常に送料無料。

定期購入の位置づけは、「いつも買ってもらっているお客さまに一番便利であるという信念のもと、定期通販を採用している」(同)とのことで、ロイヤルカスタマーの創出を狙ったサービスとして数年前に開始した。

「ルルルン」のECサイト
定期購入のメリットがわかるECサイトのデザイン

“聞いてくれる姿勢”に惹かれて導入したECシステム

このようにウェブとリアルの双方の販路を活用してブランドの拡販を図っているグライド・エンタープライズだが、このほど「ルルルン」のECサイトのシステムを変更した。

システム刷新の背景として、「ルルルン」はそれまでブランドサイトとECサイトがわかれており、ユーザーが商品名を検索してブランドサイトに移行してなかなか購入できないといった不便さがあった。そこでブランドサイトとECサイトを統合しようと考えたのだ。

グライド・エンタープライズでは新たにカートシステムを選定する上で、以下の点を考慮したという。

マーケティング手法や世の中の流行の移り変わり、さらには販売手法の変化など、ECサイトの運営をしていると常に新しい機能や集計方法が求められます。それを最速で実現できるように二人三脚で改善努力をしていただける企業というのが絶対条件でした。(土谷氏)

そして、グライド・エンタープライズが新たなシステムとして選んだのが、SUPER STUDIOが展開する「ecforce」だった。

「ecforce」はスタートアップから年商数百億を超える大規模ショップまでのEコマースサイトの構築・運用業務を支援するECプラットフォーム。「ecforce」を導入しているショップ数は500ショップを超えている。(21年10月時点)

テレビCMも展開している「ecforce」

システムベンダーを選ぶにあたって、「ブランド公式としてのEC機能」と「LPを駆使した定期通販の獲得施策」を同一システム上で実現できるカートシステムの選択肢がなかった。

そんな状況で、「ecforce」は月間20~30個ものシステム改善・追加を行っており、その点が他社より優れていると判断。「運用の効率化とお客さまの利便性を考慮して統合を計画した際に、『ecforce』が最適という判断に至りました」(同)

「ecforce」の特徴的な機能
「ecforce」の特徴的な機能

「ecforce」をパートナーに決めた理由は機能面だけではない。合わせて評価したのが、クライアントの要望を最速で具体化できるように二人三脚で進めようとする改善努力への姿勢だ。

機能に加えて、こちらが「こうやりたい」「こんなことを実現したい」と話したときに応えてくれる体制があると感じました。今回のカートシステムの移行ではそれが一番重要なポイントとなったんです。結局は人がやっているので、パッケージを入れて終わりではなく、細かい施策や希望を聞いてくれる姿勢があるかどうかで全然違います単にパッケージを導入するだけではなく、コミュニケーションをとりながら、ともにプロジェクトを進めていけると感じました。(土谷氏)

グライド・エンタープライズでは最終的に「ecforce」側の“聞いてくれる姿勢”に惹かれて、「ルルルン」のECサイトを託すことにした。他にも定期通販で「初回購入のお客さまにはこのフェイスマスクをサンプルとして同梱する」といったように、定期回数ごとに同梱物を設定できることも「ecforce」の魅力的な機能の1つだったという

「ブランド公式としてのEC機能」「LPを駆使した定期通販の獲得施策」を「ecforce」で実現した結果、ブランドサイトとECサイトの統合によりスタッフの工数など各種コストが従前比で50%削減。そして、コスト削減だけではなく、ECビジネスで最重要視される買い物体験の向上にもつながった。

従前のユーザー目線では、「購入しようと思ってアクセスしたのにECサイトではなかった」など、混乱を招きかねない状態でした。サイトの統合により、使いやすくなったため顧客体験が向上したと感じています。(土谷氏)

「ecforce」を導入し、ブランドサイトとECサイトを統合した
「ecforce」を導入し、ブランドサイトとECサイトを統合した

「ecforce」を使いこなしてCRMを強化へ

「ルルルン」はブランドを立ち上げて10周年となる。

このタイミングで、今までの「フェイスマスクのルルルン」から、「スキンケアブランドのルルルン」へとブランドチェンジする

以前から他のアイテムも取りそろえていたが、2021年からは、フェイスマスクもそれ以外も含めてコスメブラントとして打ち出したのだ。フェイスマスク以外の商品のシェア獲得も強化していく。土谷氏はこう言う。

フェイスマスク以外にもいろいろなスキンケア商品を販売しています。他のアイテムについても、基本は「ルルルン」と同じ思想。他社ブランドもあると思いますが、「ルルルン」のファンに、「ルルルン」が思う正解の商品はこれだよと提案していきます

めざすのは、スキンケアブランドの「ルルルン」作り

こうした方針のもと、ブランディングの観点からも自社ECは戦略上、重要なチャネルとなる。

今後は自社ECを通じてCRM領域を強化していく計画。まずは「ecforce」とSMC(Salesforce Marketing Cloud)を連動させた施策を試している。

たとえば、ブランドイメージを壊さない範囲で、継続率を上げるための取り組みに着手したところだ。その施策をどこまでやるのが可能か、あるいはどこまでやると顧客に敬遠されるかなどをテスト。合わせて、フェイスマスクのみを購入している顧客に他の商品をアップセルするような提案にも着手している。

また、ECサイト「ルルルン」でEC専売商品の展開も検討しているという。

また、カートシステムを「ecforce」に切り替えてまだ間もないこともあり、多くあるecforceの機能を使いこなせてはいないという。今後、「ecforce」の機能活用で、コスト面や購買体験といった部分の最適化を進めていく意向だ。

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キヨハラサトル
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ミウラタクヤ商店の三浦卓也氏、Shopifyなど登壇の無料ECイベント「はじめるネットショップONLINE EXPO 2021」【11/19開催】

4 years 7ヶ月 ago

ECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」の日本法人であるShopify Japanは、11月19日(金)に行われる無料のECイベント「はじめるネットショップONLINE EXPO 2021」(主催はAmazon Pay)に登壇すると発表した。

Shopify Japan登壇の「はじめるネットショップONLINE EXPO 2021」

Shopify Japanの講演には、ミウラタクヤ商店の三浦卓也氏、フラッグシップの塩澤耕平氏、Shopify Japanの石田浩平氏が登壇。ECを始める際の注意点、売り上げを伸ばすための施策をディスカッションする。

Shopify Japanのセミナーは、11月19日(金)16:30~17:00。テーマは「Shopifyの紹介と事例とともにECの始め方、売上の伸ばし方について解説」。

shopify Japanのセミナーはこちらから

2021年で2回目の開催となる「はじめるネットショップONLINE EXPO 2021」。ECに関するセミナーを全15講演を用意し、EC業界のトップランナー、ネットショップ運営のプロフェッショナルであるカートプロバイダー、Eコマースエージェンシー、ネットショップオーナーが登壇する。

こんな事業者にオススメ

  • EC業界の最新トレンドや、今後の動向を把握したい
  • ネットショップを始めるにあたり、いろいろ情報収集したい
  • ネットショップを軌道に乗せるため、効果的な運営方法を知りたい
  • 実際にネットショップを運営している方の生の声を聞きたい

イベント概要

  • 開催日時:2021年11月19日(金)11:00~18:00
  • 主催:Amazon Pay
  • 会場:Zoomでオンライン配信(URLは申し込み後に送信)
  • 参加費:無料(事前登録制)
  • 詳細と申し込みhttps://pay.amazon.co.jp/event/expo2021
瀧川 正実

1日で約15兆円を売ったアリババ+京東(JD)の中国「独身の日」取扱高まとめ【2021年】

4 years 7ヶ月 ago
ECプラットフォーム最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)、「JD.com」運営の直販EC最大手「JD.com」を運営する京東集団のGMV(取扱高)は、両社ともに過去最高を記録した

中国で行われたネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)キャンペーン。ECプラットフォーム最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)と、「JD.com」運営の直販EC最大手「JD.com」を運営する京東集団の2社合計の2021年取扱高(GMV)は、前年比15.6%増の8894億元だった。

1元17.5円で換算すると、日本円ベースのGMVは15兆5645億円。

アリババグループと京東集団の独身の日におけるGMVの推移
アリババグループと京東集団の独身の日におけるGMVの推移

アリババグループのGMVは9.4兆円

アリババグループの2021年におけるGMVは、前年比8.5%増の5403億人民元で過去最高を記録。日本円換算の取扱高は9兆4552億円。キャンペーン期間は11月1日から11日までの11日間。

2021年の「天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル」には29万ブランドが参加。9億人超の消費者に向けて、1400万種以上の割引商品を展開したという。

2021年も2021年の運用方法を踏襲。11月1日から3日までの3日間を第1弾キャンペーンとして展開してその期間内の受注は3日までに、第2弾は11月11日に決済した。

2021年の「独身の日」は過去最高のGMVを記録した
2021年の「独身の日」は過去最高のGMVを記録した(画像はアリババグループの「alizila」よりキャプチャ)

京東集団のGMVは6.1兆円

京東集団のGMVは前年比28.6%増の3491億人民元で過去最高を記録。日本円換算の取扱高は6兆1092億円。

プロモーション期間は10月31日午後8時から11日間。31ブランドのGMVが10億元を突破、Appleは100億元を超えたという。

過去最高のGMVを記録した京東集団
過去最高のGMVを記録した京東集団
瀧川 正実
瀧川 正実

創業6年で越境EC売上40億円、菓子のサブスク「ICHIGO」近本社長に聞く成長の秘訣

4 years 7ヶ月 ago
菓子の越境ECサイト「TOKYO TREAT」「Sakuraco」などを運営するICHIGOは、海外向けECの専業企業。創業6年で40億円規模に達する越境EC事業の成長の秘訣(ひけつ)とは?

海外向けに菓子のサブスクリプションECを展開する越境ECサイトを運営するICHIGOは、2022年7月期に越境EC売上高が40億円を突破する見通し。創業は2015年。メルマガ購読者を合わせた顧客数は約180万人となり、越境EC専業企業として右肩上がりの成長を続ける。海外ユーザーをどのように獲得し、継続客に育てているのか? 運営会社であるICHIGOの近本あゆみ社長に話を聞いた。

「日本の文化や体験を届ける」ことに商機を見いだす

ICHIGOは「日本の文化や体験を届ける」を理念に、日本のお菓子や雑貨を詰め込んだボックスを、世界150の国と地域へサブスクリプションサービス型で届けている。

創業は2015年で、サブスクリプションサービスが日本では一般的でなかった時期。近本社長は海外で「Netflix(ネットフリックス)」「Spotify」といったサブスクサービスが台頭していることに着目、海外からの訪日外国人が増えていることも踏まえて、海外へ向けてサブスクリプションで商品を販売する事業の立ち上げを決意する。

なぜ海外だったのか? 近本社長が起業した時期はすでに日本国内のEC市場は競争が激化していた。一方の海外向け市場では訪日外国人の増加によるインバウンド市場が拡大。日本の食や文化に興味・関心を持つ外国人が増える状況を踏まえると、「海外向け市場はこれから伸びるだろう」(近本社長)と判断した。

ICHIGOの近本あゆみ社長
ICHIGOの近本あゆみ社長

菓子にフォーカスしたのは、海外ユーザーから見ると日本のスナック菓子といった食文化がユニークで洗練されていると感じたため。中小メーカーなどの協力を得て、「日本のことを知ってもらう」「日本を知ってもるきっかけ」「日本の魅力を伝える」、そして理念に掲げている「日本の文化や体験を届ける」ための商品を開発する。

メインのサブスクリプションサービスは、スナックやジュースを詰め込んだ「TOKYO TREAT」、日本の伝統的な菓子をオリジナルボックスに詰めた「Sakuraco」。

「TOKYO TREAT」について

「ICHIGO」の看板サービスで、月額約3200円から(3か月、6か月、12か月、毎月から選択可能)利用できる。バイヤーチームが1か月以上かけて商品候補の選定を行い、月のテーマに合わせたスナックやジュースを詰め込む。「TOKYO TREAT」のサービスコンセプトに適しているか、希少性があるかといった社内基準をクリアした商品を選んでいるという。

累計140万箱、菓子の数は2400万個以上を世界のユーザーに配送。提携するメーカーは20社を超えている。

「TOKYO TREAT」は菓子やジュースを定期販売する

「Sakuraco」について

日本の伝統的な菓子をオリジナルボックスに詰めて定期便で届けする定期購入サービス。月額約3200円から(1か月、3か月、6か月、12か月から選択可能)ボックスに入れる商品は毎月テーマごとに変える。日本のユニークで洗練された食文化、小さな菓子メーカーの魅力を海外に伝えることをミッションとした商品。日本の地域活性と小規模メーカーの世界進出をめざす海外向け菓子サブスクと位置付けている。毎月の出荷個数は1万個以上。

「Sakuraco」は和菓子やフルーツなどを定期販売する

 近本社長登壇情報

11月15日(月)、オンラインで開催される「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」に、ICHIGO 近本あゆみ社長が登壇します! テーマは「6年で売上40億円の越境サブスク、日本のお菓子と文化で海外ユーザーの心をつかむ極意~海外向けECのマーケティング、運用、組織作りをICHIGOの事例に学ぶ~」。ぜひご視聴ください!

イベントについての詳細、事前登録はこちらから
ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋の事前登録はこちらからから!

ECは「日本の文化や体験を届ける」ための1つの手段、ゲームアプリも展開

日本の良さを海外に届けることをミッションにしているため、ECにはこだわっていない。日本の文化、良い商品、そして日本に興味を持ってもらう。そういったサービス、商品を届けるための手段がECだった。

このように話す近本社長の理念を体現するEC以外のサービスもある。クレーンゲームアプリ「TokyoCatch」だ。

クレーンゲームをオンラインで操作し、景品を手に入れるというオンラインゲームアプリで、ICHIGOが自社開発している

日本オンラインクレーンゲーム事業者協会(JOCA)によると、日本で初めてクレーンゲームマシンが製品化されたのは1960年代。現在では、ネットワークを介してリアルなクレーンゲームマシンを操作する新しいエンタテインメントとして“オンラインクレーンゲーム”が日本で生まれたという。

ICHIGOでは、ECの在庫を置き発送業務などを行う物流倉庫に専用のクレーンを設置。海外ユーザーがアプリを通じて操作、獲得した景品はその物流倉庫から配送する。

海外向けECのリソースを、オンラインゲームアプリ事業にも活用しているのだ。

「TokyoCatch」のイメージ動画

人気の“体験を売るサブスク”、それを支えるマーケティングと組織体制

ICHIGOのサブスクECは菓子だけではなく、和菓子の楽しみ方を体験できる皿やグラスといったグッズ、和菓子屋の紹介や取材を冊子にした同梱物も提供商品と合わせて日本文化が楽しめる、いわゆる“体験を売るサブスク”として人気が集まっているという。

新型コロナウィルス感染症拡大によって、事業者側にとってはインバウンド消費の低減、外国人にとっては訪日する機会が減った。一般的には逆風となる状況をICHIGOは追い風にし、行き場を失った菓子メーカーの販路拡大、日本の文化や菓子を楽しみたい外国人ユーザーのニーズを捉えた

売り上げはコロナ禍に入って急拡大。2022年7月期に越境EC売上高が40億円を突破する見通しという。ICHIGOはどのように越境EC売上を拡大したのか。

SNSマーケティングが中心、マーケターは全員外国人

成長のきっかけは、海外のYouTuberにICHIGOを紹介してもらったこと。2015年からYouTubeを活用したプロモーションを積極的に展開。ある海外YouTuberがICHIGOのYouTubeを閲覧し商品を購入し、それを自身のYouTubeで紹介したのだ。

それをきっかけにスペインなど多くの国の顧客が増加。いまでは、顧客数は無料のメルマガと合わせて約180万人にまで成長している。

ICHIGOの「TOKYO TREAT」「Sakuraco」など6サービスのSNSフォロワーは合計120万人以上。YouTube、Twitter、Instagram、Facebookなど駆使して日本の菓子や文化を紹介しているが、SNSは購買につなげるためだけではなく、ユーザーとのコミュニケーションの場としての位置付けという。

たとえばSNSを活用したライブ配信。自社の簡易スタジオから、ライブ配信上でクイズを出題、正解者の中から抽選でボックスをプレゼントする視聴者との双方向のコミュニケーション企画などを行う。人気の配信コンテンツは「雑貨の紹介」。大きさや使い方は写真のみでは伝わりにくいため、リアルな情報を届けることができるSNSのライブ配信はファン形成の一端を担っている。

SNS活用の優先順位はYouTube、Facebook、Instagram、Twitter。ユーザーの9割近くが欧米に居住しているため、朝5時からライブ配信を行うこともあるという。

こうしたコミュニケーションが奏功し、「競合に比べると解約率は低く、継続率が高いサービスとなっている」(近本社長)

こうしたマーケティングを担うスタッフは全員外国人。「日本人が1人も行っていないのが競合や他の日本企業と異なる点」(近本社長)。日本人が好きな写真や動画のスタイルがあるように、住んでいる国や地域などによって好みやスタイルが異なる。「外国人へマーケティングするには、日本人がやるよりも外国人マーケターが行う方がマッチしている」(近本社長)

なお、投稿は時間をスケジューリングし、すべてのブランドで1日2投稿までと決めている。SNSの運用では、「特別なことはやっていない。基本に忠実」(近本社長)と言う。

ICHIGO風「カルチャーマップ」で組織の土台作り

ICHIGOの社員は7割が外国人。顧客に近い味覚や感性を持つ外国人がICHIGOのサービスを支えている。その外国人が「ONE TEAM」となって働くための環境作りには余念がない。

外国人スタッフの出身は約10か国で、それぞれ文化などの背景が異なる。「そのため、事業を円滑に進めるためには、ICHIGOのカルチャー、制度を作り浸透させることが重要」(近本社長)と考えた。

考え方の違いなどを学ぶための「ICHIGOのカルチャーマップ」を作成。世界中でベストセラーとなった『異文化理解力』の著者であるエリン・メイヤー氏が、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において67か国の文化の相対的位置づけを示した分布モデル「カルチャーマップ」を基に、ICHIGO用に仕上げた。

「カルチャーマップ」をベースにスタッフ間の相互理解などを進めた上で、働き方は会社法に則した就業規則、事業の進め方は日本の文化に則するようにしたという。

カルチャーマップについて(ICHIGO提供)
カルチャーマップについて(ICHIGO提供)

また、業務は基本的にはすべて内製で進めている。食品メーカーから商品を仕入れて販売するモデルのため、「薄利多売。アウトソーシングすると人件費がかさんでしまう」(近本社長)

ただ、サブスクリプションというビジネスモデルは、注文や物流業務の増減といった波動が少ないため、安定的に業務を回すことができる。アウトソーシングよりも、梱包(こんぽう)作業などの物流業務などもすべて社内のスタッフが行っているという。

日本人だけで海外に売ろうとすると無理が出てくる

新型コロナウィルス感染症拡大によって、海外市場に目を向ける事業者が増えている。日本貿易振興機構(ジェトロ)が、海外ビジネスに関心の高い日本企業約1万3000社を対象に行った「2020年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、ECの活用実績がある企業のうち、海外販売でECを活用している企業は65.0%、海外販売のうち、日本国内から海外向けの越境ECを活用している企業の割合は45.5%にのぼる。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が、海外ビジネスに関心の高い日本企業約1万3000社を対象に行った「2020年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」 ECの利用状況
ECの利用状況(画像は「2020年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」から編集部がキャプチャ)

ただ、EC販売額のうち、海外向けが占める割合(ECによる海外向け販売額/ECによる販売額)は1%未満(48.1%)が最多で、「1~10%未満」は23.1%。まだまだ、海外向け販売で実績のある企業は決して多いとは言えない。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が、海外ビジネスに関心の高い日本企業約1万3000社を対象に行った「2020年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」 規模別のEC販売額に占める海外向けの割合
規模別のEC販売額に占める海外向けの割合(画像は「2020年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」から編集部がキャプチャ)

こうした状況を踏まえ、海外向けECで成功するには「組織のグローバル化が重要になる。日本人だけで海外に売ろうとすると無理が出てくる」と近本社長は指摘する。

では、海外向けECで売り上げを伸ばすにはどうすればいいのか。近本社長はこう日本の事業者にアドバイスする。

外資企業が日本でビジネスを展開する際、日本人を雇ったり、外国人がネイティブレベルで日本語を話したり、日本人を理解しようとする。そこまでしないと現地の人の心をつかむことは難しい。私はもともと、英語は得意ではなかった。だが、海外向け専業でビジネスを展開するには、英語でコミュニケーションを取らなければならなかった。最初は翻訳ソフトを駆使し、話したり、メールを書いたりした。海外向けビジネスを行う際、言語の壁、文化の問題などが出てくる。言語であればテクノロジーの活用、文化の問題は外国人を採用したり、まずはそういった壁を少しずつ取り除いていってほしい。

 近本社長登壇情報

11月15日(月)、オンラインで開催される「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」に、ICHIGO 近本あゆみ社長が登壇します! テーマは「6年で売上40億円の越境サブスク、日本のお菓子と文化で海外ユーザーの心をつかむ極意~海外向けECのマーケティング、運用、組織作りをICHIGOの事例に学ぶ~」。ぜひご視聴ください!

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瀧川 正実
瀧川 正実

JR東日本と千趣会が協業したディズニーグッズ専門店「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON」が東京駅にオープン

4 years 7ヶ月 ago

千趣会は東日本旅客鉄道(JR東日本)との協業サービスの一環として、「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON(ディズニーファンタジーショップ バイ ベルメゾン)」の常設店舗を、東京駅の京葉線地下八重洲口改札内に10月29日にオープンした。東京で初のベルメゾン ディズニーグッズ専門の常設店舗となる。

編集部からのお知らせ

11月15日(月)~17日(水)に開催するオンラインイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2021 秋」(インプレス主催)に、千趣会 取締役 ベルメゾン事業本部副本部長 OMO推進担当の佐野太氏が11月17日(金)に登壇。「超リアル企業『JR東日本』と老舗通販『千趣会』が挑む変革の軌跡とこれから~それぞれの課題を抱える2社の資本提携の背景、将来に向けた布石と変革~」をテーマにリアル+ネット+カタログなどの融合によりLTVの向上と新たな顧客価値の提供について語ります。視聴は無料です。ぜひお申し込みください。

ネットショップ担当者フォーラム2021秋
※画像をクリックするとイベントページにジャンプします

東京で初のベルメゾン ディズニーグッズ専門店

千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾンの正面
10月29日にオープンした「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON(ディズニーファンタジーショップ バイ ベルメゾン)」。入り口は家の形になっている。(ⓒDisney ⓒDisney/Pixar ⓒDisney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.)

店舗は「いつでもそばにディズニーのある暮らしを」をコンセプトに、生活雑貨やレディース、キッズアパレル商品のほか、家具から雑貨までをトータルコーディネートしたベッドルームやキッチンルームを展示している。

千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン ベッドルームの展示
店舗内に展示しているベッドルーム(ⓒDisney ⓒDisney/Pixar ⓒDisney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.)
千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン キッチン雑貨
取り扱っているキッチン雑貨(ⓒDisney ⓒDisney/Pixar ⓒDisney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.)
千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン ルームウェア
ルームウェアなどアパレル商品も多数取り扱っている(ⓒDisney ⓒDisney/Pixar ⓒDisney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.)
千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン フィッティングルーム
店舗内にはフィッティングルームも設置している

インテリア商品の開発を得意とするベルメゾンの強みを生かした家具の品揃えで、ベルメゾンでしか手に入らないオリジナルアイテムを扱っている。また、ベルメゾン限定デザインパッケージのお菓子なども12月ごろに販売を開始予定。

気になった商品はオンラインで購入できる

OMOモデルの店舗として、大型家具など持ち帰りできない商品や店頭で気になった商品は、手持ちのスマートフォンから専用ウェブアプリ「JRE MALL MY LISTY SHOPPING」を使い、商品についたタグのバーコードをスキャンし、アプリ上の「マイリスト」に保存しておくことで、ユーザーの好きなタイミングで「ベルメゾン JRE MALL店」で購入ができる。

千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン 商品のバーコード読み込み
商品のバーコードを専用ウェブアプリ「JRE MALL MY LISTY SHOPPING」でスキャン&マイリストに保存すれば、店舗から出た後でも商品が購入できる(ⓒDisney ⓒDisney/Pixar ⓒDisney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.)

専用ウェブアプリ「JRE MALL MY LISTY SHOPPING」とは

店頭で見たり試したりした商品の情報を、スマートフォン上で自分だけの「マイリスト」に保存することで、好きなときにJR東日本が運営する通販サイト「JRE MALL」で商品を購入できるWebアプリケーション。

千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン
専用ウェブアプリ「JRE MALL MY LISTY SHOPPING」(画像は「JRE MALL MY LISTY SHOPPING」サイトからキャプチャ)
千趣会 JR東日本 ベルメゾン ディズニーショップ ディズニーファンタジーショップバイベルメゾン 店舗内の案内
店舗内にも「JRE MALL MY LIST SHOPPING」の案内があり、アプリをダウンロードできる

駅やエキナカという生活動線場に多くの人が行き交うオフラインの場と、オンラインである「JRE MALL」とをシームレスにつなぐ連携システムとして、ユーザーの利便性向上を目的に開発された。

また、アプリケーションを介してユーザーのニーズを把握することで、より、ユーザーに寄り添ったサービスの提供と快適な買い物体験に実現をめざすという。

藤田遥
藤田遥
確認済み
51 分 30 秒 ago
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