ネットショップ担当者フォーラム

ファッションEC「fifth」事業をGSIクレオスがCODESHAREから買収

2 years 6ヶ月 ago

繊維や工業製品を輸出入するGSIクレオスは、CODESHARE(コードシェア)が展開するファッションEC事業「fifth」を買収した。

EC事業を手がける新設子会社のSHARE(シェア)を通じて、2023年4月1日に「fifth(フィフス)」事業を譲り受けた。新たにファストファッションECサイト「fifth」の運営を開始し、アパレルEC事業に本格参入した。

CODESHAREはECビジネスとECソリューションを展開するアパレルEC企業で、「fifth」は2013年4月に開設。売上高は初年度(2014年1月期)に約4億円で、次年度(2015年1月期)に約14億円と急成長を遂げた経緯がある。

「fifth」を中心としたファストファッションサイトの会員は約290万人。ファッション感度の高い女性をターゲットにロープライスなトレンドアイテムを提供してきた。

繊維や工業製品を輸出入するGSIクレオスは、CODESHARE(コードシェア)が展開するファッションEC事業「fifth」を買収した
「fifth」のサイトイメージ

SNSの活用とインフルエンサーマーケティングを強みとする「fifth」業はGSIクレオスグループの今後のEC事業拡大に寄与すると判断。SHAREを通じた買収でアパレルEC事業への本格参入を決めた。

GSIクレオスは近年、素材力や企画力を活かした自社ブランドを展開。ECやTV通販などのダイレクトマーケティングに力を入れている。

GSIクレオスグループの祖業は繊維事業商社。商品開発力・調達力、CODESHAREから引き継いだECビジネスのノウハウを融合し、「fifth」を女性のライフスタイルを応援する提案型総合ファッションサイトへと発展させる。3年後には売上高30億円をめざす。

今後は、「もっと自由に、もっと楽しく、ファッションを届けたい」をコンセプトに、「fifth」ブランドをリブランディングするという。また、ECサイトを媒体とした広告事業、ECサイトで蓄積したデータを活用した取引先への提案など、新たなビジネス展開の可能性も模索する。

瀧川 正実

送料無料表示やスピード配送の見直しも? 「物流2024年問題」が通販・EC事業者に与える影響とは | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

2 years 6ヶ月 ago
「送料無料」表示が禁止になる? 物流2024年問題が目前にせまるなか、政府が発表した「物流革新に向けた政策パッケージ」などを交えて具体的に解説します

トラックドライバーの時間外労働に対する規制強化に伴い、運送業界の人手不足が深刻化し、物流が停滞すると懸念されている「2024年問題」が目前に迫っています。

政府はこの問題に対処するため、さまざまな対策を盛り込んだ「物流革新に向けた政策パッケージ」を2023年6月2日に公表しました。荷待ち時間の削減や運賃の適正化など、荷主に新たな義務を課すことを検討しているほか、「送料無料」の表示を規制する可能性にも言及。政府は次の通常国会での法制化や、業界団体による自主行動基準の策定などを通じて、対策を具体化する方針です。

「物流革新に向けた政策パッケージ」の内容を解説するとともに、「2024年問題」がEC業界に与える影響を考察します。

物流の「2024年問題」で輸送力が14%不足

物流の「2024年問題」とは、働き方改革関連法案によってトラックドライバーの時間外労働が規制されることに伴う問題です。

2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働時間の上限は年間960時間に制限されます。トラックドライバー1人あたりの労働時間が減るため、対策を講じなければ、2024年度には国内の輸送力が14%不足すると政府は試算しています。

運送業界は慢性的な人手不足と言われています。2023年4月における「自動車運転従事者」の有効求人倍率は2.43で、全業種平均の1.32を大きく上回りました。(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について」

EC市場の拡大などで宅配便の取扱個数が今後も増え続けることが予想されるなか、「2024年問題」によってトラックドライバーの人手不足が一層深刻化すると考えられています。

「2024年問題」への対策を講じなかった場合、国内の輸送力は2024年に14%不足し、2030年には34%不足すると政府は試算している(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

配送業界で大手同士の協業進む

「2024年問題」を目前に控え、配送業界ではさまざまな改革が進んでいます。2023年6月には、ヤマトホールディングスと日本郵政が協業を発表。「2024年問題」の緩和への貢献などを目的に、ヤマト運輸が「クロネコDM便」などのメール便、「ネコポス」などの小型荷物の配送を日本郵便に委託すると発表しました。

配送業界や物流業界では今後、こうした協業が広がる可能性があります。共同配送などによって配送効率の向上が期待できる一方で、配送会社の寡占化が進むと荷主に対する交渉力が強くなり、運賃の値上げを打診しやすくなることが懸念されます。

ヤマトホールディングスと日本郵政は、ヤマト運輸のメール便や小型荷物の配送を日本郵便が担うと発表した(出典:2023年6月19日 ヤマトホールディングス株式会社「日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について」

政府が公表した「物流革新に向けた政策パッケージ」とは?

政府は「2024年問題」への対策を検討するため、省庁をまたいだ会議「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を2023年3月に設置しました。

同会議は6月2日、2023年度中に実施すべき対策をまとめた「物流改革に向けた政策パッケージ」を公表。具体的な対策として①商慣行の見直し ②物流の効率化 ③荷主・消費者の行動変容――という3つの項目に分け、合計24個の施策を列挙しました。

「物流改革に向けた政策パッケージ」の具体的な施策は次の通りです。なお、太字で記載した施策は、次の通常国会での法制化を含めて確実に実施するとしています。

①商慣行の見直し

【概要】物流の適正化や生産性向上を図るために、荷主企業と物流事業者(運送・倉庫など)の双方において非効率な商慣行を見直す。

【具体的な施策】

  1. 荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減(荷待ち、荷役時間の削減等)に向けた規制的措置等の導入
  2. 納品期限(3分の1ルール、短いリードタイム)、物流コスト込み取引価格等の見直し
  3. 物流産業における多重下請構造の是正に向けた規制的措置等の導入
  4. 荷主・元請の監視の強化、結果の公表、継続的なフォロー及びそのための体制強化(トラックGメン(仮称))
  5. 物流の担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等の取組み
  6. トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底

②物流の効率化

【概要】物流のGX(グリーン・トランスフォーメーション)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、標準化などを通じて、新技術も活用しながらハード・ソフトの両面で物流を効率化する。

【具体的な施策】

  1. 即効性のある設備投資の促進(バース予約システム、フォークリフト導入、自動化・機械化等)
  2. 「物流GX」の推進(鉄道・内航海運の輸送力増強等によるモーダルシフト、車両・船舶・ 物流施設・港湾等の脱炭素化等)
  3. 「物流DX」の推進(自動運転、ドローン物流、自動配送ロボット、港湾AIターミナル、サイバーポート、フィジカルインターネット等)
  4. 「物流標準化」の推進(パレットやコンテナの規格統一化等)
  5. 道路・港湾等の物流拠点(中継輸送含む)に係る機能強化・土地利用最適化や物流ネットワークの形成支援
  6. 高速道路のトラック速度規制(80km/h)の引上げ
  7. 労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現
  8. 特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上
  9. ダブル連結トラックの導入促進
  10. 貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し
  11. 地域物流等における共同輸配送の促進
  12. 軽トラック事業の適正運営や輸送の安全確保に向けた荷主・元請事業者等を通じた取組強化
  13. 女性や若者等の多様な人材の活用・育成

③荷主・消費者の行動変容

【概要】荷主企業や消費者の意識改革と行動変容を促すため、広報活動にとどまらず、新たな仕組みの導入を含めて取り組む。

【具体的な施策】

  1. 荷主の経営者層の意識改革・行動変容を促す規制的措置等の導入
  2. 荷主・物流事業者の物流改善を評価・公表する仕組みの創設
  3. 消費者の意識改革・行動変容を促す取組み
  4. 再配達削減に向けた取組み(再配達率「半減」に向けた対策含む)
  5. 物流に係る広報の推進

次期通常国会での法制化も見据え、確実に実施する施策

前章で列挙した24個の施策のうち、通販事業者やEC事業者を含む荷主に直接影響するのは「①商慣行の見直し」と「③荷主・消費者の行動変容」だと考えられます。

そのなかでも、次の通常国会での法制化を含めて確実に実施するとしている項目への対策は、荷主にとって優先度が高い課題です。

該当する4つの施策について、「物流改革に向けた政策パッケージ」の内容を解説します。

なお、すべての施策について詳しく知りたい方は、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」の第2回(2023年6月2日開催)の「配布資料」をご覧ください。

荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減(荷待ち、荷役時間の削減等)に向けた規制的措置等の導入

政府はトラックドライバーの労働時間を削減するために、「荷物を出す企業」と「荷主を受け取る企業」の双方に、物流業務の改善を促すとしています。

運送契約に含まれる荷待ち時間(荷物の積み下ろしを行う際に、トラックドライバーが待機する時間)や荷役(荷物の積み下ろしや、倉庫への搬入といった作業)などの範囲を明確化し、トラックドライバーが正当な対価を受け取れるようにすることも明記しました。取り組みが不十分な事業者には、勧告や命令などを行うとしています。

なお、政府は荷主企業や物流事業者が取り組むべき施策の目安となるガイドラインを作成する方針です。その上で、業界団体などに対して、業界別・分野別の「自主行動計画」の作成を要請するとしています。

ガイドラインや自主行動基準は、EC事業者にも適用される可能性があります。今後の動向に注意が必要でしょう。

1回の運行あたりの荷待ち・荷役の時間は平均3時間を超えており、トラックドライバーの長時間労働を解消するには荷待ち・荷役の削減が重要になっている(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

以下の文章は、政府が公表した「物流改革に向けた政策パッケージ」の原文です。やや長い文章ですが、目を通してみて下さい。

【引用】待機時間、荷役時間の削減等を通じてトラックドライバーの労働時間を削減するとともに、納品回数の減少等を通じた総輸送需要の抑制や物量の平準化により効率的な物流を実現するため、発荷主企業、物流事業者、着荷主企業が連携・協働して、改善を図る必要がある。このため、事業規模や貨物特性といった事情を勘案しつつ、それぞれの事業者に対して、物流負荷の軽減に向けた計画作成や実施状況の報告を求めるとともに、取組みが不十分な事業者に対して、勧告、命令等を行う規制的措置等の導入等に向けて取り組む。

この規制的措置の導入を前提として、物流の適正化・生産性向上に向けて荷主企業・物流事業者が取り組むべき事項(ガイドライン)を示し、これに則して大手の荷主企業・物流事業者が業界・分野別に「自主行動計画」を作成し、今年度中に前倒しで実施することを図るとともに、運送契約に含まれる荷待ち・荷役等の範囲を明確化し、正当な対価の収受を促進する。

(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

物流産業における多重下請構造の是正に向けた規制的措置等の導入

荷物を運んでいるトラックドライバーに適正な賃金が支払われるように、トラックドライバーの台帳作成を運送事業者に義務付けるなど、新たな規制の導入が検討されています。

また、トラック事業に関する安全規制の見直しを図るとともに、悪質な事業者が利益を得るといったモラルハザードが生じないよう、国による監査体制を充実させ、悪質事業者に対する監査を強力に実施することも明記されました。

多重下請構造によってトラックドライバーが搾取されることを防ぎ、トラックドライバーの賃金水準などを改善する意図が強くにじむ内容になっています。

具体的な規制の内容については現時点では不明ですが、荷主に対しても規制がかかる可能性がありますので、行政の動きを注視しておく必要があるでしょう。

こちらの施策についても「物流改革に向けた政策パッケージ」の原文を引用します。

【引用】多重下請構造にあるトラック事業において、実運送事業者の適正な運賃の確保による賃金水準の向上等を実現するため、元請事業者等が実運送事業者を把握できるよう、台帳作成等に係る規制的措置の導入等に向けて取り組む。この規制的措置の導入を前提として、上記①と同様、ガイドラインの提示や自主行動計画の作成等により、今年度中に大手の荷主企業・元請運送事業者が前倒しで実施することを図る。また、トラック事業に係る必要な安全規制の見直しを図るとともに、悪質な事業者が利益を得るといったモラルハザードを生じさせないよう、法令遵守への意識が低く、悪質な法令違反が常態化していると認められるトラック事業者に対し、強力かつ重点的に改善を促す観点から、適正化実施機関が行う巡回指導の強化に伴い、国の監査体制を充実させ、悪質事業者に対する監査を強力に実施する。

(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

物流の担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等の取組み(送料無料表示の規制など)

荷主企業に起因する長時間の荷待ちや、運賃・料金の不当な据え置きといった問題を解消するため、政府は既存の法律の厳格な運用や新たなルール作りによって、荷主に対する働きかけを強化するとしています。

また、通販などにおいて「送料無料」の表示を規制する可能性も示されました。荷物の運賃が消費者向けの送料に適正に反映されるべきという観点から、消費者の意識改革を目的とした施策です。

景品表示法を所管している消費者庁の河野太郎内閣府特命担当大臣は、2023年6月6日の記者会見で、「送料無料」という文言の扱いについて「運賃がかからないという(消費者の)誤解につながらないように、見直しに取り組んでいきたい」と明言しました。

規制の導入に向けて、「送料無料」という表現が使われている理由や、「送料無料」の表示を規制した場合の影響などを把握するために、「運送事業者や荷主事業者に対するヒアリングを始めていく」と説明。「なるべく早く方向性を打ち出したい」と今後の方針を語りました。

通販やECで「送料無料」という表現が使えなくなると、販売戦略に大きな影響が出ることは間違いありません。今後の動向に注意が必要です。

こちらの施策についても、「物流改革に向けた政策パッケージ」に盛り込まれた文章を引用しますので、ご一読ください。

【引用】トラック事業、内航海運業及び倉庫業に係る燃料等の価格上昇分を反映した適正な運賃・料金収受に関する周知及び法令に基づく働きかけ等を実施する。また、トラック事業者をはじめとする物流事業者は荷主企業に対する交渉力が弱く、コストに見合った適正な運賃・料金が収受できていないことから、取引環境の適正化を強力に推進する。また、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点から、「送料無料」表示の見直しに取り組む。

労務費を含めた、適切な価格転嫁の実現を図るため、下請Gメンによるヒアリング結果を踏まえた自主行動計画の改定・徹底や、価格交渉促進月間の結果に基づく情報公開と指導・助言などに、関係省庁でより一層連携して取り組む。特に、トラック運送業については、依然として荷主企業起因の長時間の荷待ちや、運賃・料金の不当な据え置き等が十分に解消されていないことを踏まえ、トラック法に基づく荷主企業等への「働きかけ」「要請」及び「標準的な運賃」の制度について、延長等所要の対応を検討する必要がある。また、適正運賃の収受を確保するため、契約の電子化・書面化を図る規制的措置の導入等に向けて取り組む。

労働条件の改善と取引環境の適正化を図るため、国土交通省、公正取引委員会、経済産業省、農林水産省、厚生労働省等の関係省庁でより一層緊密に連携し、トラック法に基づく荷主企業等への「働きかけ」「要請」等を徹底する。上記④及び⑤に掲げた適正な運賃収受・価格転嫁の円滑化やトラック法に基づく荷主企業等への要請の強化、情報公開等の措置の具体的内容について、今年中に成案を得る。

(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

荷主の経営者層の意識改革・行動変容を促す規制的措置等の導入

荷主企業の経営層の意識改革を促すため、荷主企業が物流管理責任者(役員クラス)を配置する新たなルールが検討されています。仮に、すべての荷主企業に物流管理責任者の配置が義務付けられれば、ECの組織作りにも影響するでしょう。

物流危機に問題意識を持っている企業は84.5%だが、対策に取り組んでいる企業は54.3%に留まっており、対策を促す仕組み作りが必要とされている(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

【引用】経営者層の意識改革により荷主企業における全社的な物流改善への取組みを促進するため、荷主企業の役員クラスに物流管理の責任者を配置することを義務づけるなどの規制的措置等の導入に向けて取り組む。

(出典:令和5年6月2日 我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議「物流革新に向けた政策パッケージ」のポイント(案)

「物流革新に向けた政策パッケージ」の今後のスケジュール

政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」の実行スケジュールも定めています。「速やかに実施」「2023年末まで」「2024年初」という3段階で進めていく方針です。

①「速やかに実施」する施策

○規制的措置の導入を前提とした「ガイドライン」の作成・公表

規制的措置の導入や、自主行動計画の作成を前提として、荷主企業や物流事業者が取り組むべき事項に関するガイドラインを政府が作成し、公表する方針です。

ガイドラインを荷主企業や物流事業者などに広く周知するとともに、業界団体などに対して、業種別・分野別の「自主行動計画」を年内目途に作成するよう要請するとしています。

②「2023年末まで」に実施する施策

○トラック輸送に係る契約内容の見直しに向けた「標準運送約款」や「標準的な運賃」の改正

トラック法にもとづく「標準的な運賃」の水準を見直すとともに、運送契約に含まれる荷待ち・荷役や、附帯業務など輸送以外のサービスについて、範囲の明確化や標準的な水準などを示す方針です。

また、荷待ち・荷役に関する費用や、下請けに発注する際の手数料などの明確化・有料化も促すとしています。

トラックドライバーのコストを荷主企業や元請事業者に適正に転嫁できるよう、2023年中に「標準運送約款」の見直しを図ることも明記しました。

荷主企業などへの要請の強化や、適正な取引を促進するための情報公開などについても、具体的な内容について成案を得るとしています。

○再配達「半減」に向けた対策

再配達率が現在の12%から6%へ半減するように、緊急的な施策を具体化する方針です。

○2024年度に向けた業界・分野別の自主行動計画の作成・公表

業界団体などに対して、物流の適正化や生産性向上に関する「自主行動計画」を作成するよう要請し、政府は年内目途にそれらを公表する方針です。

○2030年度に向けた政府の中長期計画の策定・公表

モーダルシフト(トラックで行っている輸送を、鉄道や船舶による輸送に変えることで、環境負荷を抑えること)に必要となるハード整備をはじめ、各種施策について、2024年度予算案の編成過程において、政府としての中長期計画を策定・公表することで、民間企業による計画的な投資を可能にするとしています。

③「2024年初」に実施する施策

○通常国会での法制化も含めた規制的措置の具体化

荷主企業と物流事業者の間における物流負荷の軽減、物流産業における多重下請構造の是正、荷主企業の経営者層の意識改革・行動変容などに向けた規制的措置について、2024年の通常国会への法案提出を視野に入れ、具体化するとしています。

2024年問題でEC事業者に求められる対応

「2024年問題」が目前に迫るなか、EC事業者にはどのような対応が求められるのでしょうか。

まず、「物流革新に向けた政策パッケージ」に盛り込まれた施策が法制化されたり、ガイドラインが公表されたりした場合には、それらのルールを遵守する必要があります。

具体的なルールについてはガイドラインや自主行動基準の公表を待つ必要がありますが、たとえば、物流を自社で行っている企業はトラックドライバーの荷待ち時間の短縮を求められるかもしれません。物流を外部に委託している場合であっても、荷主として何らかの義務を負う可能性もあります。また、「送料無料」という表現が規制された場合には、販売戦略の見直しも必要になるでしょう。

運賃の上昇で物流全体の見直しが必要に

「2024年問題」の影響で、路線便や宅配便の運賃が今後さらに上昇する可能性もあります。

トラックドライバーの人手不足が深刻化すれば、運送会社は賃金アップなどの待遇改善を行わなければトラックドライバーを確保できません。トラックドライバーの人件費が上がれば運送会社にとってはコストアップになりますから、価格転嫁によって路線便や宅配便の運賃が上昇する可能性があるでしょう。

足元ではインフレが進行しており、ガソリン価格の上昇なども相まって、運賃が上昇しやすい状況にあります。

今後のEC業界では、運賃の値上がりをECサイトの販売価格に転嫁するか、他の方法でコストを吸収することが必要になると考えられます。

そういった流れのなかで、物流全体を見直すことでコストダウンを図ることが、これまで以上に重要になるのではないでしょうか。

物流コストは「保管費(倉庫の賃料など)」「作業費(倉庫での荷役費)」「運賃」などに分かれます。「運賃」が上がるのであれば、「保管費」「作業費」にも目を向け、物流全体でのコストダウンを考えなくてはいけません。

たとえば、在庫回転率が悪い商品を廃番にし、保管スペースを減らして倉庫の賃料を下げる。あるいは、シーズンごとの物量の波動に合わせて、倉庫の保管スペースを柔軟に拡張・縮小する。また、梱包に使用する段ボールのサイズを見直し、ワンサイズ下の運賃が適用されるようにする。

こうした業務改善を積み重ねることで、物流コストを削減していくことが重要になるでしょう。

「スピード配送」や「送料無料」を続けるべきか

運送業界の人手不足が深刻化すると、EC業界で一般的になっている「翌日お届け」といったスピード配送を行いにくくなるかもしれません。

また、「送料無料」の表示が法律によって規制されるか否かに関わらず、配送会社の運賃の値上げによって、送料をEC事業者が負担すること自体が難しくなる可能性もあります。

スピード配送や送料無料を売りにしたサービス競争を今後も続けるべきか。EC業界全体の課題になるでしょう。

EC物流の専門家に相談する

EC物流の見直しに取り組む際は、物流の専門家から助言を受けることで、自分達では気付けなかった改善策が見えてくるかもしれません。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

ヤフーのショッピング事業取扱高は8%減で「想定内での着地」。「Yahoo!ショッピング」の粗利率は22ポイント改善

2 years 7ヶ月 ago

Zホールディングスが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、国内ショッピングの取扱高(Yahoo!ショッピング、LINEギフト、ZOZOTOWN、LOHACOなど)は前年同期比8.0%減の3780億円だった。

「Yahoo!ショッピング」のポイント還元投資抑制などが影響したと見られるが、ショッピングについては「想定内での着地」と言う。伸び率は2022年1-3月期(第4四半期)の13.3%減から減少幅が縮小。加えて、収益性も大幅に改善している。

ショッピングモール事業へのポイント還元投資はいったん抑制し、コストコントロールの範囲内で取扱高の成長に取り組むとした「Yahoo!ショッピング」。第1四半期の粗利率は前年同期比22.0ポイントの改善したという。

ヤフーは「2020年代前半に国内物販EC取扱高No.1」というeコマース取扱高に関する経営目標を変更。従来の「ポイント・販促中心」から、「グループアセットを最大限活用することに注力し、成長と収益性のバランスを両立」に変えている。

コマース事業の損益計算書を見ると、販売管理費は同8.2%減の846億2100万円。販売促進費・広告宣伝費は143億円で同42.7%減っている。その影響もあり、調整後EBITDAは465億6100万円で同24.2%増えた。

Zホールディングスが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、国内ショッピングの取扱高(Yahoo!ショッピング、LINEギフト、ZOZOTOWN、LOHACOなど)は前年同期比8.0%減の3780億円だった コマース事業の損益計算書
コマース事業の損益計算書(画像はIR資料からキャプチャ)

「Yahoo!ショッピング」では新規ユーザー向け販促やアプリ利用の促進、優良配送ストア優先表示施策の継続実施などでサービス面を強化。第1四半期における新規顧客の翌月継続率は同19.0%増、優良配送比率は同47.9%増だったという。

Zホールディングスが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、国内ショッピングの取扱高(Yahoo!ショッピング、LINEギフト、ZOZOTOWN、LOHACOなど)は前年同期比8.0%減の3780億円だった コマース事業の収益性改善と施策
コマース事業の収益性改善と施策(画像はIR資料からキャプチャ)

国内物販系取扱高、落ち込みは「底打ち」

eコマース取扱高は前年同期比0.7%減の9825億円で、2022年1-3月期(第4四半期)の同3.3%減から改善。国内物販系は同1.9%減の7177億円で、2022年1-3月期(第4四半期)の同7.8%減から縮小し、「国内物販系取扱高は底打ち」(ZHD)と言う。

Zホールディングスが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、国内ショッピングの取扱高(Yahoo!ショッピング、LINEギフト、ZOZOTOWN、LOHACOなど)は前年同期比8.0%減の3780億円だった 全社 eコマース取扱高と成長率
全社 eコマース取扱高と成長率(画像はIR資料からキャプチャ)

なお、国内サービス系が同8.8%増の1428億円、国内デジタル系が同0.9%減の452億円、海外ECの取扱高は同5.3%減となる766億円だった。ショッピングとリユース、トラベルなどのサービスを合計した国内eコマース取扱高は、同1.8%減の7691億円。

Zホールディングスが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、国内ショッピングの取扱高(Yahoo!ショッピング、LINEギフト、ZOZOTOWN、LOHACOなど)は前年同期比8.0%減の3780億円だった 国内eコマース取扱高
国内eコマース取扱高(画像はIR資料からキャプチャ)

Zホールディングスは2023年10月1日に、LINEやヤフー、Z Entertainment、Zデータといった子会社を合併。合併後の社名はLINEヤフーに変更する。新会社は2ケタ増益を維持しつつ、2024年以降のコア事業の再成長を最重要課題と位置付ける。

ヤフー、LINEの合併で、ヤフー会員5498万人とLINE会員9500万人のIDを連携。将来的にはIDの統合も視野に入れている。

LINEと「Yahoo!JAPAN」のID連携は2023年10月開始予定。連携後の会員はグループ横断の会員プログラム「LYPプレミアム」としてスタート、2023年11月にはプレミアム会員特典をアップグレードする。2024年中にはPayPayとのID連携も計画している。

瀧川 正実

送料、配送業者の選定、破損・汚損対策、禁制品の確認――国際配送で気を付けるべき4つのポイント | プロが解説! 越境EC運用ノウハウ

2 years 7ヶ月 ago
越境ECを行う上で重要な「国際配送」。梱包の工夫、送料コストの抑え方、配送業者の選び方など気を付けるべきポイントを解説します【連載1回目】

コロナ禍、歴史的な円安を経て、海外販路を積極的に拡大するために越境ECを始める企業数は大きく増えました。海外の越境ECモールへの出店、「Buyee(バイイー)」のような海外向け代理購入サービスの利用、越境ECサイト構築サービスを活用した自社サイト運営など、取り組みは多岐に渡ります。ただ、自社で越境EC対応を始めた企業のなかには、手探りで運用しているケースは少なくありません。ここでは、自社商品を海外に配送する上で重要なポイントを解説します。

プロが解説! 越境EC運用ノウハウ
  1. 送料、配送業者の選定、破損・汚損対策、禁制品の確認――国際配送で気を付けるべき4つのポイント

この連載では、長年海外向け代理購入サービス「Buyee(バイイー)」の配送、決済手段の追加、サイト機能の追加といった運用面を主導してきた筆者が、「越境ECの配送」「カスタマーサポート」「決済」について解説します。

国際配送のポイントは「破損対策」「禁制品の確認」

国際配送の留意点は、荷物の汚損・破損、紛失リスクの高さがあげられます。いくら発送前に責任を持って商品を丁寧に扱っても、配送業者に商品を託した後は商品の扱いをコントロールすることができません。

また、国際配送では、配送業者だけでなく税関や空港など、日本国内以上にさまざまな人の手で荷物が扱われます。その過程で、荷物は日本の丁寧かつ高品質な配送サービスに慣れた私たちからは驚くような過酷な状況にさらされる可能性があります。

そこで、梱包の段階でさまざまなリスクをできるだけ減らすことが重要となります。たとえば、破損対策では、緩衝材や箱の素材を工夫し、国際配送に耐えられる梱包にすると良いでしょう。「Buyee」でも、商品の品目が多い時や破損の危険性が高い商品に対しては、専用容器を用意するなどの対応を行っています。

一方、梱包を厳重にするほど重量が増増え、送料が高くなります。容積・重量をなるべく抑え、配送料を安くするための工夫も必要です。たとえば、衣類などは箱で梱包せず、防水性・耐久性のある袋などを利用し、配送コストを抑えるといった対応が考えられます。

越境EC 国際配送 破損・汚損対策 梱包の工夫 配送コストの削減 BEENOS Buyee

自社商品が禁制品でないか確認する

2つ目の留意点は、国によって配送できない禁制品が存在すること。国ごとに禁制品の対象は異なるため、自社の取扱商品が該当しないか把握しておく必要があります。

たとえばハンコ、ベルト類、バッグ、靴、ギターなどでは、ワシントン条約で国際取引が規制されている象牙や特定の皮革・植物が使用されていないか確認しておきましょう。特にこうした素材が規制されていなかった頃のアンティーク品、ヴィンテージ品を扱う場合には注意が必要です。

日本国内では問題なく取引されていても、国によっては禁制品の場合もあります。たとえば女性の写真集、特定の生産地の陶器、ゲームに登場する武器を模したおもちゃなども問題になるケースがあります。

こうした細かい規制に対し、すべての国の禁制品を確認することは現実的ではないでしょう。まずは、自社のECサイトにおいて購入者が多い国の禁制品をあらかじめ政府のWebサイトなどで確認しておき、海外発送時に注意すると良いでしょう。さらに細かいモノについては、事前に配送先のユーザーに禁制品かどうかを確認してもらうといった対策も考えられます。

越境EC 国際配送 禁制品 輸出できないもの BEENOS Buyee
万国共通の禁制品の一部(画像は「Buyee」サイトから編集部がキャプチャ)

手続きの違い、書類作成作業の負荷など考慮する

こうした配送に伴う留意点以外にも、国内と海外では手続き上の違いもあげられます。国際配送では通関のためにインボイスが必要になります。また、航空機に載せられない商品もあるため、品目のチェックが必要で国内配送よりも煩雑になります。

海外からの注文が増えてきた場合、手動で行う作業が増え、負担が大きくなってきます。そのため、海外配送の物量がある程度見込める場合は、書類作成作業がスムーズになるようにシステム対応をしておくことが理想的です。配送業者によっては、システム連携のメニューが用意されていることもあります。

海外ユーザーの懸念点は「送料」「配送業者の選定」

国際便の運行回復が進む一方、ウクライナ情勢の影響などにより空輸コストが増加しています。また、温室効果ガス削減の世界的な取り組みも大きな影響を与えています。

航空各社はサービス料金を値上げすることで、環境負荷の低い設備への投資を強化したり、持続可能な航空燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel:サフ)の導入を進めたりしています。温室効果ガス削減は各企業が連携して解決すべき重要な課題であり、こうした取り組みが送料に影響を与えることは避けられません。

一方で、海外ユーザーが越境ECを利用する上で最も気にしているのが「送料」です。少し古いデータですが、「Buyee」がユーザーに行ったアンケートでは、商品を購入する際に最も気にすることは「送料」という結果が出ています。

越境EC 国際配送 日本の商品購入時に気にすること 送料 アンケート調査 BEENOS Buyee
2021年7月に「Buyee」ユーザーへ行ったアンケートより

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」の過去データでも、配送において「購入前における配送料金の情報提示」「一定額以上の配送料金の無料化」をとても重視している割合が高く、越境ECを利用する海外ユーザーが国際配送料を非常に重要視していることがわかります。

越境ECでは購入したい商品があっても、送料がネックで購入をためらうユーザーは少なくありません。購入の機会損失を減らすためにも、送料の課題には向き合う必要があるでしょう。

「Buyee」では、物流事業者の選定・組み合わせで、さまざまな国際配送サービスを開発し、この課題に向き合っています。たとえば、2023年5月には米国向けに軽量帯の荷物がお得になる「Buyee Economy Air」を開始しました。 

送料の値下げは自社でコストを負担する、配送業者と交渉を行うなど、複合的な要因によるものなので簡単には実現できないかもしれません。

しかし、たとえば海外ユーザーが「到着までに時間がかかっても問題ない」と判断できるような商品であれば、船便を選べるようにすると送料を抑えることにつながります

直接的な送料の値下げが難しい場合でも、配送手段の選択肢を複数用意することで、結果的に「送料を安く抑えたい」というユーザーのニーズに応えられるのではないでしょうか。

自社に合う配送業者を選定する

日本から海外に商品を発送する場合、一般的に信頼性などの観点から日本郵便を選ぶ人が多いかもしれません。

しかし「配送コストを抑える」という観点から見て、複数の配送業者から自社にベストな業者を検討することも必要です。配送業者を選ぶ上で、配送業者によって配送できる商品に違いがある国によっては中古品が運べないということがポイントになります。

配送業者独自で配送のクオリティチェックを行っているか、といった点も参考になります。先述したように、商品を発送するまでは自社で商品の扱いに責任を持てますが、発送後は配送業者のクオリティに左右されるためです。

また、先ほど紹介したアンケート結果から「購入前に配送料金の情報を明示すること」も重要視されていることがわかります。特に国際配送の場合、ユーザーの安心感のためにも送料・関税を含めトータルでいくらコストがかかるのかを明示することは重要です。

なるべくコストを抑えられる配送業者の選定、ECサイト側で購入前にトータル金額を明示する、配送手段を選べるようにするなどで、国際配送に対するユーザーの不安を解消し、購入の後押しにつなげることができるでしょう。

ユーザビリティ向上を実現した、台湾の事例

配送におけるユーザビリティ向上事例として、ローカルの習慣に対応した配送手段をご紹介します。

台湾では、ECで購入した商品の受け取り方法として、コンビニ受け取りが主流です。そこで、国際配送でもコンビニ受け取りができるサービスを開発しました。この配送方法は台湾ユーザーのライフスタイルに合わせた配送方法の提供だけでなく、ユーザーの自宅まで運ぶ「ラストワンマイル」の配送費がかからないため、結果として送料負担の軽減にもつながりました。

こうした配送方法のローカライズも、利便性とコスト両方の観点からユーザビリティ向上の手段の1つと言えるでしょう。

コロナ禍、ウクライナ情勢、SDGs――世界情勢の影響を考慮した対応策を講じる

新型コロナウィルスの感染拡大により、国際物流が大きく混乱したことはまだ記憶に新しいでしょう。世界的な外出自粛を背景にEC利用が飛躍的に増加した一方で、国際便の減少による輸送スペース不足が続く状態でした。日本から海外への越境ECにおいては、「海外からの需要が増えていても発送ができない」という状況だったといえます。

「Buyee」でも、当時主力の配送方法だった「EMS(国際スピード郵便)」の配送が停止し、それに変わる配送手段として船便も検討していました。しかし通常の配送方法より時間がかかり、場合によっては商品到着まで数か月かかることもあります。膨大な種類の商品を扱い、商品をなるべく早く手に入れたいユーザーのことを考えると、ユーザビリティの観点からも他の手段を検討する必要がありました。

そこで、自社で国際航空機を保有している国際配送会社との契約を締結。さらに、国・地域によっては「ラストワンマイル」を結ぶために現地業者と新たに契約することで、航空機の減便による影響が少ない配送手段の確保に努めました。

コロナ禍に限らず、国際配送は世界情勢による影響を大きく受けるため、それまで利用していた配送手段が使用できなくなる可能性もあります。そうした場合に備えて、複数の配送手段を持っておくことや、通常時には配送手段・配送会社を1つだけ利用していたとしても、非常時に備えて複数の選択肢を持っておくことが重要になってきています。

西尾 里美

年間700トン以上のCO2排出量を削減する大日本印刷の環境配慮型「ラベル伝票」、通販・物流・宅配業者に提供開始

2 years 7ヶ月 ago

大日本印刷は、宅配・通信販売・物流の事業者などに提供している「ラベル伝票」を、CO2排出量を削減する環境配慮型の「ラベル伝票」に切り替えていく。

製造工程で有機溶剤を使わない剥離(はくり)紙に切り替えることでCO2を削減するラベル伝票を開発した。環境配慮型ラベル伝票への切り替えを進めることで、2025年時点で年間700トン以上のCO2排出量の削減が期待できるという。

段ボールに貼った、ラベル伝票のイメージ
段ボールに貼った、ラベル伝票のイメージ
ラベル伝票から剥離紙をはがすイメージ
ラベル伝票から剥離紙をはがすイメージ

ラベル伝票のように、異なる用紙を複数の層に重ねて貼り合わせる製品は、一般的に反りやゆがみが発生しやすいという課題があった。材料の構成や工程を工夫することで、従来品と同等の品質で環境配慮型のラベル伝票を製造できるようになったという。

今後は大日本印刷グループで製造する大半のラベル伝票を環境配慮型に切り替えていく。このほか、ラベル伝票以外の製品でも、環境配慮型の製品への切り替えを検討する。

EC利用拡大に伴いラベル伝票も増加。CO2削減は喫緊の課題

昨今のデジタル化、コロナ禍の巣ごもり需要などが理由でECの利用が拡大。配送量の増加に伴い、荷物に貼付するラベル伝票も増加している。従来は剥離紙の製造工程で有機溶剤が使われていたため、剥離紙の製造時に揮発(きはつ)した有機溶剤を回収して燃焼処理する工程でCO2が排出されていた。

大日本印刷は環境問題への対応を重要な経営課題の1つとしている。特に「脱炭素社会」の実現に向けて、2050年度(2051年3月期)までに自社拠点での事業活動に伴うCO2などの温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。

高野 真維

【機能性表示食品で初】にさくらフォレスト措置命令を下した背景+変わる消費者庁の調査体制 | 通販新聞ダイジェスト

2 years 7ヶ月 ago
消費者庁はさくらフォレストが展開する機能性表示食品に対し、景表法の優良誤認があるとして措置命令を下した。機能性表示食品の届出表示そのものを不当表示と判断した消費者庁。この処分は業界内で混乱と反発を招いている

消費者庁は6月30日、さくらフォレストの機能性表示食品に、景品表示法に基づく措置命令(優良誤認)を下した。届出の「科学的根拠」に踏み込み違反とした。初の事例。制度を所管する食品表示企画課の所掌を侵し、表示対策課が断行した処分は、混乱と反発を招いている。

消費者庁の主張は「根拠に合理性欠く」

処分は、機能性表示食品の根拠に踏み込んだ点でこれまでの処分と異なる。過去に機能性表示食品を対象にした処分は、「葛の花事件」(17年)の1件。「広告」の届出表示からの逸脱が対象だった。

今回、厳密に届出表示の逸脱から問題になった広告表示は、血圧低下をめぐる「グーンと下げる」のみ。それ以外は、届出表示の裏づけとなる根拠が合理性を欠くとの判断から、届出表示そのものを不当表示と判断した。

さくらフォレストの措置命令をめぐる行政対応
さくらフォレストの措置命令をめぐる行政対応

対象は、「きなり匠」「きなり極」の2商品。「きなり匠」は、中性脂肪低下(機能性関与成分・DHA/EPA)、血圧低下(同・モノグルコシルヘスペリジン)、LDLコレステロールの酸化抑制(同・オリーブ由来ヒドロキシチロソール)を、「きなり極」は中性脂肪低下(同・DHA/EPA)を表示していた。

措置命令の対象となった「きなり匠」(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)
措置命令の対象となった「きなり匠」(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)
同じく措置命令の対象となった「きなり極」(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)
同じく措置命令の対象となった「きなり極」(画像は消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)

SRと届出表示不一致を問題視。さくらは機能性の届出撤回

消費者庁の合理的根拠の提出要求(不実証広告規制)を受け、さくらフォレストは、DHA・EPAで30報を超える論文など根拠資料を提出。モノグルコシルヘスペリジンでは、トクホの許可論文も提出している。だが、消費者庁は、研究レビュー(SR)と届出表示の不一致を問題視。根拠と認めず「優良誤認」と判断した。

「きなり」2商品は、DHA・EPAを4~500ミリグラム配合(総量)していた。一方、提出論文の多くは、その倍近い量で検証したものが大半を占めた。医薬品、トクホも成分量は、860~1800ミリグラム(同)配合するものが中心。

一部論文は少量で機能を示す評価もあったが、同量で機能を否定するものも同程度あり、「SRは肯定・否定の両側面から評価する必要があるが、適切な評価と認められない」(田中誠ヘルスケア表示指導室長/取材時点)とした。

モノグルコシルヘスペリジンは、減塩しょうゆを対象に提出論文を評価。論文は、「成分+減塩」による効果を確認したものであり、「成分単独の使用の効果を裏付けるものではない」(同)とした。ヒドロキシチロソールは、摂取群とプラセボ群の有意差の評価手法を不適切と判断した。

さくらフォレストは、「処分は仕方がない。真摯(しんし)に受け止める」(西尾和剛取締役)とコメント。同日、届出を撤回した。

同種のSR製品88件、表示の根拠を再検証へ

制度を所管する食品表示企画課は、処分を受け、(1)2商品と同一の根拠(SR)を使用したもの (2)DHA・EPAは、とくに「きなり」の配合などを下回るもの――をメルクマール(編注:指標のこと)に、同種の届出を行う事業者に対し、根拠に基づく表示かを確認。7月17日を期限に回答を求めている。

さくらフォレストの違反事実
さくらフォレストの違反事実

対象数は、DHA・EPAは31件、モノグルコシルヘスペリジンは12件、オリーブ由来ヒドロキシチロソールは47件(2成分の重複4件を含む)の計88件。

今後の対応は、「確認を求め、回答に応じて個別案件による」(食品表示企画課・蟹江誠保健表示室長/取材時点)と話す。加えて、業界団体に届出の再検証を通知した。

「合理性欠く」と判断する理由は不透明

「根拠」に踏み込み、他の届出企業を巻き込んだ今回の処分は反発を招いている。

消費者庁は、処分にあたり、不実証広告規制を適用している。規制は、企業に表示の裏づけとなる合理的根拠の提出を求め、これを認めない場合、優良誤認とみなすことができる“みなし規定”。

だが、機能性表示食品は、そもそも届出の根拠が事前に提出・公開される建付けだ。「あえて規制を適用して否定する意味がわからない。根拠の問題に踏み込み、“根拠がなかった”と説明するための適用」(業界関係者)との指摘がある。消費者庁は、根拠が合理性を欠く理由を「評価の一部」(田中室長)として詳細を明らかにしないが、説明責任を尽くすべきだろう。

「事後チェック指針」は機能せず

機能性表示食品は、「葛の花事件」、処方薬と同一の表現から複数社の届出撤回に至った「歩行能力の改善問題」など、制度育成の障害となる諸問題を解消するため、20年に「事後チェック指針」を策定した。

業界と協調的に届出の根拠の疑義、広告上の問題に対処し、景表法上のリスクを避ける調整が図られた。ただ、今回、さくらフォレストが調査以前に指導はなかったとみられる

外部から一体に見える消費者庁だが、実際は、各省庁からの出向で構成する寄合所帯。公正取引委員会の出向を中心にする表示対策課、農林水産省からの出向を中心とする食品表示企画課の連携も密ではない。

届出根拠の精査など「事後チェック指針」の運用は、食表課傘下の保健表示室の所掌。ヘルスケア表示指導室は、疑義のある根拠について有識者に意見を求めるセカンドオピニオン事業などを担う。「根拠」の問題は制度を所管する保健表示室が食表法で対応するのが筋だが、表対課がこれを侵し処分に至っている

措置の公平性が不均衡になる懸念も

さくらフォレストは中核商品に打撃

措置の公平性の問題も生じる可能性がある。

さくらフォレストは、景表法による措置命令の公表、今後、課徴金調査も受ける。同社の売上高は、63億円(22年3月期、民間調査機関調べ)。取り扱う約40品目のうち、「きなり」は、「新規獲得に使う商品の一つ」(同社)。中核商品であり、「半分までいかないが、相当量を販売していた。半分近く占めるのでは」(OEM関係者)という者もいる。

届出表示そのものを対象にしているため、違反表示は「容器包装=販売期間」におよぶ。表示期間は、「きなり匠」が約1年半、「きなり極」は少なくとも約3年。課徴金が課されれば億単位が予想される。根拠を否定する処分の影響は甚大だ。

「不公平感が強い」「指導で済んだのでは」――。措置に疑念の声

一方、同種の届出製品に想定される他社への措置は、行政指導のほか、食表法に基づく撤回の指示・命令。業界関係者からは、「単独での処分公表と課徴金、かたや指導、撤回ではあまりに影響が違う」「不公平感が強い」「指導で済んでいた案件ではないか」との声がある。

発売以降、国民生活センターのPIO―NETに寄せられた2商品の相談も約4年で「取引関連」が32件、効果に関する苦情は4件だった。

課徴金は、事業者が「相当の注意」を払っていれば免責される。指標は、表示管理体制の整備。表示管理責任者の配置や表示根拠の確認などがある。免責されるかも今後のポイントになる。

◇◇◇

制度を所管する食表課保健表示室は、処分に「非常に遺憾。届出者は関係通知をよく理解して届出してもらう。絶えず見直すことを周知したい」と話すが、本来、「事後チェック指針」が適切に運用されていれば避けられた処分。消費者庁内の連携不足からくる怠慢が招いた処分ではないか。

消費者庁・田中誠室長が離任。10年にわたり影響力

消費者庁表示対策課・ヘルスケア表示指導室の田中誠室長が7月1日付で同職を離任した。公務員の異動が一般的に2年周期とされるなか、約10年にわたり同課に籍を置き、事件調査で影響力を行使してきた。

田中 誠 氏
田中 誠 氏

「トクホの初勧告かな」。ライオンに対する健康増進法での初の勧告を、最も思い出深い事件にあげる。事件は16年。通販を拡大していたライオンは以降、勢いを削がれ、今年5月、日清食品に機能性表示食品事業の譲渡を発表した。

以降も機能性表示食品の初処分となった「葛の花事件」(17年)、認知機能関連の機能性表示食品に対する一斉監視(22年)など大型事件を手がけた。最後の置き土産が、さくらフォレストの処分だ。

事件による業界の動揺を背景に、「事後チェック指針」「切り出し表示」の業界自主基準への反映など、規制強化も求めた。長期期間の在職は組織において職務の専門性を高める一方、裁量行政のリスクをはらむ。一人の行政官の思想信条が、業界に影響を及ぼすことこそ、裁量行政そのものだろう。

今後は、消費者教育推進課食品ロス削減推進室長専任として、食品ロス削減法の改正作業にあたる。

業界に対しては、「機能性のエビデンスは努力されている。一方、根拠に問題がなくとも広告には配慮が必要。これは制度の育成が進んでも変わらない」との言葉を残す。離任にあたり、「公正競争規約の策定が道半ばという思い。トクホも規約策定以後は1件の指導・処分もない。ルール化されればリスクはぐっと減る」と提言する。

後任は、今年4月、食品表示対策室長に就任した農水省出身の綾戸隆英氏が兼任する。

◇◇◇

一難去ってまた一難となるか。もう一つ、業界に影響を与えそうな人事が7月3日付、同庁食品表示企画課保健表示室・蟹江誠室長の離任だ。

後任は、厚労省の今川正紀氏。昨年、同省新開発食品保健対策室長として、機能性表示食品を含む「いわゆる健康食品」について、因果関係が不明確なままで健康被害情報を公表すると政策を仕掛けた人物だ。かつて、消費者庁で食品表示法の策定に携わったこともある。

着任後、初めて担当するのが、田中氏が置き土産として残したさくらフォレスト関連の届出製品の再検証。届出企業に根拠の確認を求め、食表法に基づく撤回の指導等を判断する。健康被害情報の公表をはじめ、安全性管理を軸にした健食の制度化に意欲を持つ。今後どのような判断が飛び出すか注視する必要がありそうだ。

同種SR88件の根拠「確認」、届出撤回の可能性も

同様のSRを行う企業を巻き込み燃え広がる「根拠」に踏み込む処分は、業界に混乱を招いている。制度自体が大きく揺らいでいると言えよう。制度を所管する消費者庁食品表示企画課の担当官(課長補佐)に、88件に対する今後の対応を聞いた。

――――調査の理由は。

「機能性表示食品は、『根拠がある』ことを前提に自己責任で表示できるもの。根拠がないことが明らかになったので確認している」

――――どのような確認を行っているか。

「『表示の根拠を十分説明できているか』という確認を行っている」

届出の段階では「1つひとつ見ていない」

――――制度は食表課が所管する。届出の段階で根拠は確認していないのか。

「制度は、事業者責任が前提。1つひとつの論文まで見ているわけではない」

――――届出から公表まで時間を要しているのはかねてからの課題だ。確認していないのであれば、時間をかける必要もない。

「内容確認はそれなりに時間がかかる。SRの記載内容と届出表示の齟齬(そご)がないかを確認している。たとえば血圧関連の根拠で中性脂肪の表示を行っていては問題なので形式的に確認している」

――――届出が不備事項の指摘で受理されないことがある。形式的な確認であれば、記載漏れがなければ受理すればよいのではないか。

「SRと届出表示が正しければ受理する。一定の根拠は見るが、詳細までわからない」

――――処分は、食表課が受理したものを表示対策課(以下、表対課)が問題視し、処分を受けて食表課が企業に確認する構図だ。職分に踏み込み、食表課が窓口に見える。

「見えてしまうということはあるかもしれないが、それぞれの所掌がある。制度は一定の根拠があれば届出できる。表対課は、表示を調査する。今回は、その内容が根拠にまで及んでしまったため当課が対応することになった」

――――食表課の保健表示室は、「事後チェック指針」の運用を担う。処分に至らないための指針ではないのか。

「一義的に届出者が注意してもらう必要がある。問題ないようにしてもらいたい」

撤回の指示は「あり得る」

――――確認後の法律上の措置の可能性は。

「食品表示法上は、撤回の『指示』、これに従わない場合の『命令』がある。いずれも公表される。命令に従わない場合は、300万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役という罰則がある」

――――撤回の指示はあり得るか。

「そうなる」

――――指導は。

「やり取りを行うなかで企業側が気づかれて自ら撤回するかもしれない」

――――根拠を問題視する点は同じだが、景表法の処分と措置の影響が大きく異なる点はどう考えている。

「法律が異なる。食表法の範ちゅうで確認、対処するのが限界といえばそうなる」

――――対応が異なるのも仕方がないと。

「そうなる」

――――根拠に問題が見つかった際に表対課と連携して対応しないのか。

「別になる。88件に対応して従わないからといって景表法違反にはならない。これと別に景表法に基づく調査がされれば、判断されることもある」

――――情報提供など緊密な連携はとらない。

「広告関連の情報提供があれば担当課が異なるので伝えることはあるが、今回の対象は根拠。当課としても今回の商品以外に調査しているかはわからない」

――――互いの動向は関知しない。

「というより関知できない」

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通販新聞

【台風6号の配送への影響】ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便は沖縄・鹿児島の一部地域宛て荷物の預かりを停止

2 years 7ヶ月 ago

大型で強い台風6号の影響で、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便は8月3日までに、沖縄県全域と鹿児島県の一部地域宛ての荷物の預かりを停止したと発表している。

ヤマト運輸

荷物の預かりを停止している地域

  • 全国から沖縄県全域、沖縄県全域から全国
  • 全国から鹿児島県の島しょ部

配送に遅れが生じている地域

  • 全国から沖縄県全域

佐川急便

荷物の預かりを停止している地域

  • 全国から沖縄県全域、沖縄県全域から全国
  • 全国から奄美市(奄美大島)・大島郡(徳之島・沖永良部・与論島・喜界島)・西之表市・熊毛郡・鹿児島郡

配送を停止している地域

  • 沖縄県の石垣市・宮古島市・八重山郡・宮古郡
  • 鹿児島県の大島郡(徳之島・沖永良部・与論島・喜界島)

配送に遅れが生じている地域

  • 沖縄県の那覇市・浦添市・宜野湾市・沖縄市・うるま市・名護市・糸満市・豊見城市・南城市・中頭郡・国頭郡・島尻郡
  • 鹿児島県の奄美市(奄美大島)・西之表市・熊毛郡・鹿児島郡

日本郵便

荷物の預かりを停止している地域

  • 全国から沖縄県全域、沖縄県全域から全国
  • 全国から鹿児島県の奄美市全域と大島郡全域
  • 鹿児島県の奄美市全域と大島郡全域から全国

配送に遅れが生じている地域

  • 全国から沖縄県全域、沖縄県全域から全国
  • 全国から鹿児島県の西之表市・熊毛郡(種子島、屋久島)、奄美市・大島郡
  • 鹿児島県の西之表市・熊毛郡(種子島、屋久島)、奄美市・大島郡から全国
瀧川 正実

ヤフー社長でeコマース革命旗振り役の小澤社長が退任、「LINEヤフー」では顧問に

2 years 7ヶ月 ago

Zホールディングスは9月30日付で、ZHD取締役でヤフーの「eコマース革命」を推進した現社長の小澤隆生氏が退任すると発表した。小澤氏は、ZHD、ヤフー、LINEが10月1日付で合併し発足する「LINEヤフー」の顧問に就く。

ヤフーは2022年4月1日付で、新たな代表取締役社長CEO(最高経営責任者)に小澤隆生専務が就任すると発表
退任する小澤氏

小澤氏は2012年にヤフーへ入社。2013年10月、ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長(当時)として出店料や手数料などを無料にする「eコマース革命」を導入。アスクルやZOZOの連結子会社化などを実現し、ヤフーのショッピング事業に関する事業構造変革を進めてきた。

ヤフーの社長に就任したのは2022年4月1日。「新生ヤフーでは、『!(びっくり)』や『おもしろさ』にもこだわりたいと考えています。情報技術を通じて、人々や社会の課題を解決する良いサービスや、日本をもっと便利にする良いサービスの提供に加えて、『!』や『おもしろい』と思ってもらえるユーザー体験を提供し、さらなるヤフーの成長を実現してまいります」と抱負を語っていた。

瀧川 正実

佐川急便が始めた海外向けECをトータルサポートする「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」とは

2 years 7ヶ月 ago

佐川急便は、海外向けECに課題を抱えている事業者に対して、海外向けビジネスをトータルでサポートする「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」の提供を開始した。

「海外通販まるごとサポート」専用のシステムは、複数の海外モールやカートとAPI連携することで、受注管理から出荷処理までの業務を1つの専用システムで完結できる。

海外向けECでは、モールやシステムごとにさまざまな管理が必要となり、多くの煩雑な作業の発生、業務の非効率化が課題にあがっている。これを、API自動連携によって、「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」専用システム内で一元管理する。

マーケティング面では、市場調査や販促施策、出品先の国・モールの紹介、出品までのプロセスなどの提案・サポートを提供。倉庫での在庫保管・管理から国際輸送までを提案・サポートを手がける。

佐川急便は、海外向けECに課題を抱えている事業者に対して、海外向けビジネスをトータルでサポートする「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」の提供を開始した
「SAGAWAの海外通販まるごとサポート」について

経済産業省調査によると、世界の越境EC市場は2026年に4兆8200億米国ドルに達すると予測されている。海外向けECを新たに始める事業者の課題には、最適な商材や販売国、海外モール、国際輸送手段などの選定などがある。

また、拡販をめざす海外向けEC実施事業者の課題には、新たな販路の開拓、モールごとの在庫管理、出荷手続きなどの煩雑な作業があげられる。

佐川急便は、海外販売やマーケティングなどに精通している複数のパートナー企業と連携し、海外に向けた商品輸送のほか、マーケティングサポートや販路紹介などトータルでサポートしていく。

瀧川 正実

大塚商会が愛知県に「中部物流センター」を開設/ドコモ「dポイント」「d払い」加盟店を拡大【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

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2023年7月28日~2023年8月3日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
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    現在の中部物流センターから最新の大型物流センター「中部物流センター」へ移転。中部圏における新たな物流拠点として物流ネットワーク体制を強化する

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    NTTドコモは、実店舗やECでポイントがたまる・使える「dポイント加盟店(街のお店)」「d払い加盟店(街のお店)」「d払い加盟店(ネット)」を拡大している

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    販売価格の調整は、仕入先の出荷価格値上げへの対応策

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  5. まさに魔法!「Shopify Magic」がEC事業者の悩みをスッキリ解決してくれるかも【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年7月24日~7月30日のニュース

    2023/8/1
     
  6. EC物流のプロが解説、宅配クライシスの再来「2024年物流問題」+通販業界に与える影響

    【エキスパートが教えるEC物流最前線:前編】EC物流支援のスクロール360の高山取締役が、2024問題に関連する諸問題をやさしく解説。物流事業に精通する有識者へのインタビューも交えつつ、EC事業者が検討するべき施策まで指南する

    2023/7/31
     
  7. 「売れるハッシュタグ」を自動生成するAIツールとは?

    awooは、通販サイトの回遊率や購入率アップにつながるAI活用を提案。cookie情報や個人情報がなくても実現できるという、AIが作る効果的なハッシュタグの活用法とは。

    2023/8/1
     
  8. ネット広告の不当表示対応を強化する東京都が「東京デジタルCATS」発足、小池都知事「悪質事業者への対策のギアを一段と上げる」

    東京都は不当なインターネット上の広告を調査するための助言員チームを発足。助言員のアフィリエイト協議会・笠井代表理事やECネットワーク・原田理事のコメントをまとめた

    2023/7/31
     
  9. 「楽天市場」のクーポンシステム利用料、無料キャンペーンを2024年3月末で終了

    「楽天市場」出店店舗向けの戦略共有会(2023年8月2日実施)で発表。ーポン機能の強化に向けた取り組みを行っており、安定的なシステム稼働に向けた投資が必要となったため、無料キャンペーンの終了を決めた

    2023/8/3
     
  10. カクヤスグループが従業員の基本給を月額7%アップ、新卒入社者の初任給は最大7%引き上げを実施へ

    人材への積極的な投資を行うことで、従業員の満足度向上、人材の定着、優秀な人材の獲得につなげる

    2023/8/2
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    Hamee、自社ECサイトにカスタムオーダー機能を導入できる「CustoMee(カスタミィ)」のベータ版を提供

    2 years 7ヶ月 ago

    Hameeは、自社ECサイトにカスタムオーダー機能を無料で導入できる「CustoMee(カスタミィ)」を開発した。ECサイト、実店舗、イベントなどを手がける事業者向けに、ベータ版を8月4日から提供する。

    「CustoMee(カスタミィ)」とは

    ECサイトや実店舗、イベントに導入できるカスタムオーダーのサービス。ベースとなる商品に、ユーザーがイラストや画像などを選んでカスタマイズできる。カスタマイズした画像はデジタル印刷し、オリジナル品として消費者に販売できるようになる。

    1点から注文可能で、ベースの商品は導入企業の商品または「カスタミィ」が提供するOEM商品から選べる。

    Hamee ハミィ CustoMee カスタミィ カスタマイズサービス
    カスタマイズサービス「CustoMee(カスタミィ)」について

    ECサイトでは、カスタムオーダー機能を最短5分で導入することが可能。導入費用、基本利用料はかからず、カスタマイズ販売の売り上げに対する手数料を、Hameeが導入企業から徴収する。

    実店舗では、店舗内で製造してその場で渡す、または工場で製造して後日渡すことができる。イベントの場合、その場でユーザーにカスタムオーダー体験から商品提供までを完結することもできるという。

    まずは、8月4日に東京都・原宿にオープン予定の実店舗「iFace Lab(アイフェイスラボ)」でサービスを導入する。「自分がデザインした商品を購入できる」という購買体験をユーザーに提供していく。

    ベータ版提供に合わせて、先行利用企業の受付を開始した。導入前に「カスタミィ」を体験したい企業は、「アイフェイスラボ」での体験も可能。

    Hamee ハミィ CustoMee カスタミィ カスタマイズサービス ベータ版の受付開始
    サービスのベータ版の申込みを開始した

    Hameeは、サービス導入で次のようなメリットが得られると説明する。

    • ユーザーに好きなモノを好きなデザインで作れる購買体験を提供できる
    • 最小ロットの制約なく、商品ラインアップを拡充できる
    • どのようなデザインが売れるのか、実売数の情報を得られる
    • 売れるモノを売れる分だけ作れる
    藤田遥

    千趣会が「ベルメゾン」ユーザーに宅配クリーニングサービス「せんたく便」を提供

    2 years 7ヶ月 ago

    通販ブランド「ベルメゾン」の千趣会は、ECサイトの「ベルメゾン」を利用する顧客向けに提供している宅配クリーニングサービスにおいて、ヨシハラシステムズとの提携を始めた。

    ベルメゾン 千趣会 ベルメゾンネット せんたく便 クリーニング 宅配

    提供する宅配クリーニングは、重い洋服や布団を店舗に持ち込まず、「ベルメゾン」上で完結できる。「ベルメゾン」上で必要情報を入力して注文すると、洋服や布団をヤマト運輸が集荷する。

    宅配クリーニングサービスを手がけるヨシハラシステムズが持つネットワークを通じ、工場でクリーニングを実施。後日、ユーザーの自宅へ商品を届ける。この仕組みは、ヨシハラシステムズの宅配クリーニング専用クラウド管理システムを活用するネットワークを通じて提供する。

    千趣会は「せんたく便」との提携で、使用中・使用後のサービスも組み合わせた価値を指す「使用価値」を顧客に提供したい考え。

    千趣会はECサイト「ベルメゾンネット」で宅配クリーニングサービスを提供している(画像は「ベルメゾンネット」から編集部がキャプチャ)
    千趣会はECサイト「ベルメゾンネット」で宅配クリーニングサービスを提供している(画像は「ベルメゾンネット」から編集部がキャプチャ)
    高野 真維

    DM三井製糖が食のD2C企業「マッスルデリ」を買収、拡大するアクティブシニア市場を開拓

    2 years 7ヶ月 ago

    DM三井製糖ホールディングスの連結子会社で国内製糖メーカー最大手のDM三井製糖は、食のD2C事業を手がけるMuscle Deli(マッスルデリ)の株式を取得し、連結子会社化したと発表した。

    DM三井製糖の素材・研究開発力、マッスルデリのスピード感やマーケティング力を掛け合わせ、ライフ・エナジー事業(LE事業)のバリューチェーン強化。タンパク質など機能性素材を用いた総合的なフードサービス領域を開拓する。

    LE事業は、DM三井製糖が事業拡大を進めている重要事業領域。素材から食品事業を含むサービス分野まで消費者のライフスタイルに適した商品を提案している。

    DM三井製糖ホールディングスの連結子会社で国内製糖メーカー最大手のDM三井製糖は、食のD2C事業を手がけるMuscle Deli(マッスルデリ)の株式を取得し、連結子会社化した
    LE事業の成長戦略

    マッスルデリが展開する冷凍宅配弁当事業は成長領域で、DM三井製糖にとって消費者接点となるフードサービス領域における事業拡大の核になると位置付ける。

    今後、DM三井製糖はマッスルデリと新商品の開発、新規事業の立ち上げを通じて、拡大するアクティブシニア市場を開拓するとしている。

    DM三井製糖ホールディングスの連結子会社で国内製糖メーカー最大手のDM三井製糖は、食のD2C事業を手がけるMuscle Deli(マッスルデリ)の株式を取得し、連結子会社化した
    資本提携について

    マッスルデリは2016年の創業。ボディメイクやダイエットに取り組むユーザー向けに、タンパク質など最適な栄養バランスの食を届るサブスクリプションサービス「Muscle Deli」ブランドを展開。2022年には1人ひとりの目的や好みに合わせた食事を届ける「YOUR MEAL」ブランドを始めている。

    瀧川 正実

    ZETA、リテールメディア広告エンジン「ZETA AD」にハッシュタグ連動広告機能を搭載

    2 years 7ヶ月 ago

    ZETAは、リテールメディア広告エンジン「ZETA AD」に「ハッシュタグ連動広告機能」を搭載した。

    ハッシュタグ検索に対応

    「ZETA AD」の新メニューとしてハッシュタグへの対応を開始。ECサイト内のハッシュタグをクリックして表示された検索結果一覧に広告を掲載できるようにした。

    ZETA ZETA AD ハッシュタグ連動広告機能 ハッシュタグ検索に対応
    「ZETA AD」が新機能としてハッシュタグ検索に対応

    ハッシュタグは、商品説明やUGCのテキストを解析して自動生成するホットなキーワード。これをきっかけにページへ流入したユーザーに対してダイレクトにアピールできる「ハッシュタグ連動広告機能」は、より高いPR効果を生み出すことが期待できるという。

    機能を利用するためには、ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入する必要がある。

    ZETAは2015年6月から「ZETA AD」を提供しており、2019年4月にプロモーションサーチに対応するなど機能を強化している。

    「ZETA AD」とは

    検索クエリを分析することで消費者心理を捉えた広告を実現するマーケティングソリューション。

    「サイト内検索クエリ」を分析して広告を最適化することで、リアルタイムでユーザーニーズに合う広告を掲出する。EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」やそれ以外のサイト内検索エンジンにも連携が可能。

    ZETA AD サイト内広告エンジン
    「ZETA AD」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
    藤田遥

    メルマガのブロックで配信成功率・開封率の低下に陥ったEC企業の打開策+エンゲージメントUPのメールマーケティング事例 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    2 years 7ヶ月 ago
    米国のレディースアパレル事業者の事例から、Eメールの配信成功率が突然低下してしまったときの原因、対策まで詳しく解説します

    米国でレディースアパレルの小売業を手がけるJ.Jill(ジェイ・ジル)のメールマーケティングに関する事例をお伝えします。J.Jillは、Eコマースの販売促進につながる重要なEメールの配信成功率が低下したため、早急に対応しなければならないという課題を抱えていました。どのような施策を打ち、この危機を脱したのでしょうか。開封率アップにつながった取り組みを含めて解説します。

    記事のポイント
    • Eメールシステムの移行後、J.JillのEメールにおける消費者エンゲージメントは99.7%から96.8%に低下
    • GoogleやYahooのスパムブロックから解除されるために、最も熱心な顧客にメールを送り、IPアドレスの「ウォームアップ」を実施した

    IPアドレスが突如、ブロックされた理由とは

    米国のEC専門誌『デジタルコマース360』が発行する「北米EC事業 トップ1000社データベース 2023年版」で245位にランクインされているJ.Jill。Eメールの運用・戦略担当シニアマネージャーを務めるマイケル・カブラル氏は「Eメール関連の指標にはすべてに目光らせていますが、EメールからWebサイトにアクセスするトラフィックは最も注視しています」と話します。

    J.Jillは2022年7月に3回目のメールシステム移行を実施した後、メールの配信成功率が低下しました。カブラル氏によると、何らかの原因によって7月4日にメールIPアドレスがブロックされたことが理由だそうです。これにより、J.Jillのメール配信における消費者エンゲージメントは、従来の99.7%から96.8%に下がりました

    それほど大きな数字ではないように見えますが、メールからECサイトへの訪問数が多いJ.Jillにとってはかなりの打撃と言えます。

    J.Jill Eメール運用・戦略担当シニアマネージャー マイケル・カブラル氏
    J.Jill Eメール運用・戦略担当シニアマネージャー マイケル・カブラル氏

    EメールはJ.Jillのオンライン販売の“非常に大きな部分”を担っている」とカブラル氏は付け加えています。

    受信者にとって迷惑メールと思われない工夫とは

    J.JillからのEメールにあまり興味がない場合、消費者の受信ボックスをJ.JillからのEメールであふれさせたくないですし、迷惑メールボタンを押してほしくありません。消費者の手によって迷惑メールに分類されるより、そもそも受信しないように設定してもらった方が良いのです。(カブラル氏)

    特定の送信者から受信したメールを迷惑メールに分類する人が多い場合、その送信メールアドレスは、自動でブラックリストに登録されます。ブラックリストとは、スパム、すなわち迷惑メールを送信しているとみなされたIPアドレスの集まりです。

    ブラックリストに登録されたメールアドレスは、ブロックされるか、受信者のメールボックスのスパムフォルダに自動で分類されるようになります。

    この仕組みを踏まえると、消費者がEメールをクリックすればするほど、消費者は多くのEメールを小売事業者から受け取ることになります。一方、受信拒否などインタラクションが少なくなれば、その消費者にJ.Jillが送るEメールの数は少なくなります。

    迷惑メールに分類されると事業者の不利益につながりやすい
    迷惑メールに分類されると事業者の不利益につながりやすい

    J.Jillは、データの品質保持とメールマーケティングプラットフォームを運営するValidity社が提供するツール「Everest」を使い、どういったEメールが承認され、問題がないかを確認したそうです。

    カブラル氏とValidityのアカウントマネージャーは、J.Jillが全てのメールアドレス登録者に向けて、あたかも全員が定期的にメールを開封する熱心なファンであるかのように想定してEメールを送っていることを突き止めました。それはなぜか?

    「Apple社のiOSアップデートでメールのプリキャッシュの仕組みを変更したため、メールが開封されなくても、メールが開封されたと誤認されることが発生していました」とカブラル氏は言います。プリキャッシュとは、ソフトウェアが消費者のWebブラウザデータを事前に保存またはキャッシュすることで、消費者に電子メールをより速く配信できるようにする仕組みです。

    「良い」IPアドレスを築くためのウォームアップとは

    2021年初頭、AppleのiOS 14のアップデートにより、ユーザーはWeb上のアクティブトラッキングをオプトアウトできるようになりました。これにより、企業のマーケティング担当者はWebユーザーを追跡し、その分析結果を踏まえてパーソナライズした広告やキャンペーンを作成することが難しくなりました。

    J.Jillは過去にメールを開封した受信者にメールを送りました。しかし、「AppleのiOS 14へのアップデートにより、メールが開封されたかどうかを正確に把握することができなかった」とカブラル氏は振り返ります。

    J.Jillなどの小売企業が新しいメールマーケティングベンダーを活用したEメール配信に移行した場合、小売企業は「良い評価」を得るIPアドレスを築き上げなければならないとカブラル氏は気付きました。

    そのため、J.JillはEメールのIPアドレスの「ウォームアップ」を実施しました。「ウォームアップ」は、専用IPアドレスで送信するEメールの量を、数週間かけて徐々に増やしていくことを意味しており、カブラル氏によると、これによって「良い評価を得る」ことができるそうです。

    良い評価を得るためには、自社のIPアドレスが信頼できる送信元であることを示すために、メールを受信した消費者がメールを開封したり閉じたりする必要があります。(カブラル氏)

    メールの大手キャリアGmailとYahooは、受信者がスパムメッセージを受信していないことを確認するため、EメールのIPアドレスを監視しています。ブラックリストに載るのを避けるため、カブラル氏はまず最もエンゲージメントの高い顧客にメールを送りました。

    J.Jillの顧客がメールをクリックし、メールを開封すると、IPブロックは解除されたとカブラルは言います。「クリックしたり、メールを開いたりする人がどんどん増えていきました」(カブラル氏)

    開封率の高いメールを送るために

    Eメールが意図した読者に届くようになった今、カブラル氏は「J.Jillは値引きよりも商品の“新しさ”をアピールすることをより重視して訴求している」と言います。それがメールを受信する顧客にとって有益な情報なのだそうです。

    カブラル氏はEメールの開封率を追跡しているので、開封率の高いメールにするには何が適切なのかを理解しています。

    J.Jillは受信する人の視点に立ったメールマーケティングを実施している
    J.Jillは受信する人の視点に立ったメールマーケティングを実施している

    一番の人気は、新商品、あるいは新入荷の商品を知らせる内容で、開封率が高い傾向にあります。J.Jillはその傾向を踏まえたEメールの配信をしています。(カブラル氏)

    同一商品は訴求内容に変化をつける

    カブラル氏はこう言います。「同商品について訴求するときは、Eメールを一度送信したあと、2週間後にもう一度送ります。そうすることで、顧客の購買意欲を持続させることができると考えています」

    J.Jillの顧客のなかには、J.JillからのEメールが届かない場合、なぜ自分に届かないのかをカスタマーサービスにメールで問い合わせることもあるそうです。

    J.Jillのお客さまは、お送りしているEメールをとても熱心にチェックしてくれていると思います。(カブラル氏)

    また、新商品や売れ筋商品の入荷が遅れた場合、J.Jillはその旨をメールで顧客に知らせています。入荷が遅れている商品をチェックした顧客には、その商品の在庫が入荷された時点でそれを知らせるメールも送っています。

    先述の通り、iOSの変更以来、J.JillではWebサイトの訪問者数は減少しているそうです。その一方で、ユーザーによるWebサイトの滞在時間は長くなっています

    J.Jillの熱心なファンはまだWebサイトに来てくれています。その証拠に、Webサイトの売り上げは以前よりもアップしています。(カブラル氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    「楽天市場」のクーポンシステム利用料、無料キャンペーンを2024年3月末で終了

    2 years 7ヶ月 ago

    楽天グループは、「楽天市場」出店店舗向けの「戦略共有会」において、「RaCoupon(ラ・クーポン)」のクーポンシステム利用料の無料キャンペーンを2024年3月末で終了すると発表した。

    「ラ・クーポン」開始時からクーポンシステムの利用は無料で展開していた。無料キャンペーンは2024年3月末で終了となり、2024年4月から利用量に応じて料金を徴収する。見直し後の料金体系などの詳細は、8月末頃に「サポートニュース」で詳細を配信する予定。

    無料キャンペーン終了の大きな要因は、クーポン利用の受注件数の急拡大があげられる。利用数が増加するにつれて、クーポンサービスを支える費用が増大。クーポン機能の強化に向けた取り組みを行っており、安定的なシステム稼働に向けた投資が必要となったため、無料キャンペーンの終了を決めた。

    クーポンの利用状況が拡大

    「楽天市場」におけるクーポン利用状況を見ると、クーポン発行店舗数の年平均増加率は8.8%、クーポン利用購買割合の年平均成長率は14.7%と増加している(いずれも2018年から2022年の推移)。また、クーポン利用の受注件数も、2013年から10年で約20倍に急拡大している。

    クーポンは、値引き金額を最大99%まで設定でき、「○○個以上で利用可能」などのまとめ買い促進、最短5分から設定できる有効期限など、販促キャンペーン設計の自由度が比較的高いことから店舗の支持を得ていた。

    また、クーポン対象の商品ページでのポップアップ表示でユーザーにクーポンを見付けてもらいやすいこと、店舗メルマガ・バナーなどでの告知、検索結果へのクーポン表示など、ユーザーとのコミュニケーションとしての役割を果たしていた部分もあった。

    ユーザーとしても“今だけ”“自分だけ”といったお得感を感じられることにつながっていることも、クーポンが支持される理由という。

    楽天グループ 楽天市場 ラ・クーポン クーポンシステムの無料キャンペーン終了
    楽天グループで利用できるクーポンサービス「RaCoupon(ラ・クーポン)」(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)

    2024年にクーポン機能を強化

    クーポン機能は店舗、ユーザーから支持を得ているため、機能強化を進める。出店店舗からの要望を受け、ユーザー基本属性・購入履歴に基づいてセグメントができるユーザーセグメント機能の拡充、上限設定商品数の拡大、クーポン発行後の表示範囲の変更を可能にするといった機能強化を行う予定だ。

    また、クーポンキュレーションメディア「わくわくクーポンランド」を「楽天市場」ユーザー向けへの露出強化を予定しており、ユーザーがクーポンを見つけやすい環境を整備していく。

    楽天グループ 楽天市場 ラ・クーポン クーポンシステムの無料キャンペーン終了 わくわくクーポンランド
    クーポンメディアのイメージ
    藤田遥

    「無理のない高LTV」をめざす。 老舗企業の富澤商店が仕掛ける“日本人の特性にあった次世代ソーシャルコマース”とは?

    2 years 7ヶ月 ago
    富澤商店は、特許AI技術を持つAIQと業務提携し「次世代ソーシャルコマース事業」を開始した。創業103年の老舗企業がAI技術を駆使して構築する新しい購買体験の全体像と、PoC(Proof Of Concept:概念実証)から得られた考察を聞く

    富澤商店はデジタルシフトとデジタルコミュニケーションの変化に対応し、Cookieの終焉、LTV向上、SNSでの体験価値向上などさまざまなマーケティング課題に挑戦している。ソーシャルメディアによる人と人の「興味・関心」のつながりから、LTVの高い潜在・顕在顧客を獲得する取り組みを、スマイルエックス代表・大西理氏の進行のもと、富澤商店 マーケティング部の岩井一紘氏と、ソーシャル・メディア・マーケティング支援を手がけるAIQ(アイキュー) 代表取締役社長の渡辺求氏が語る。※記事の内容、肩書きは2022年11月の講演時点のものです

    創業103年の富澤商店と特許AI技術のAIQが業務提携

    日本最大級の製菓・製パン材料、器具専門店である富澤商店は、1919年に東京都町田市で乾物屋としてスタートした。今では全体のSKUが約9000、特にお菓子やパン作りの材料がメインで、小麦粉だけでも約350種類もの商材を取り扱っているなど、他店にはない品ぞろえを誇っている。コロナ禍の「おうち需要」の拡大を背景にECの売り上げが急伸。成長領域として「ECを今後どう伸ばしていくかが課題」(岩井氏)。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース
    順調に拡大を続ける富澤商店だが、次の100年を見据えた改革を進めている

    一方、業務提携を締結したAIQは、AIによるコンテンツとユーザーを最適化するソーシャルメディアマーケティングの支援を行っている。得てして担当者のセンスに頼りがちになるマーケティングだが、AIQは独自の特許AI技術を活用し、データドリブンで「再現性」を持たせることを強みとしている。共同事業では3つの特許AI技術を活用し、コミュニティ・コマース・プラットフォーム「Moribus Community & Commerce」を提供している。

    業務提携の狙いとは?

    ECの強化にあたり、まずSNS領域から取り掛かった。

    富澤商店はもともと100年企業としてブランドの潜在的認知度と信頼度が高く、一度利用されるとロングテールで簡単に離れない顧客が多い。特にSNSのフォロワーは“料理を作る楽しさによる共感”でつながっており、富澤商店に対するロイヤリティは高い。

    自社SNSを強化した結果、フォロワー数は約1年で大幅に増加。UGC数や言及数の推移からも同社の事業とSNS領域との親和性の高さを確認できた。

    順調に拡大を続ける富澤商店だが、次の100年を見据えた改革を進めている SNSでの取組をいかにEC売上につなげるか
    SNSでの取り組みをいかにEC売り上げにつなげるかが課題

    こうした特長を生かし、新規顧客との出会いや既存顧客との接点を強化、ECの購買につなげるべくソーシャルコマース事業に着目。ソーシャルメディアマーケティング支援サービスを提供するAIQとの業務提携に至った。

    現状のソーシャルコマースの問題点

    近年日本でも注目されているソーシャルコマース(あるいはライブコマース)だが、大西氏は「いろいろな企業がチャレンジしているものの、なかなかうまくいっていないのが実態」と話す。

    その背景には、モノを売ることが前面に出てしまっており、広告色のない生の声が尊重される日本人の国民性には合わないという点がある。

    共同事業ではこの点を踏まえ、日本人の特性に合った新しい購買体験をめざした。

    スマイルエックス 大西理代表
    スマイルエックス 大西理代表

    富澤商店が提供する新しい購買体験

    富澤商店のカスタマージャーニーは下の図の通り。左から「買う」「作る」「SNSへ投稿する」それを見た人が「自分事として行動」し購買につながる。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース インタレストグラフからプライベートグラフへ
    インタレストグラフからプライベートグラフへ

    共同事業ではこの流れのさらなる活性化を狙うが、同時に重視したのは「必要なものを自然に買える状態を作ること」だ。

    お客さまに「要らないものを買ってしまった」と思われた瞬間、次は買われなくなってしまう。そうではなく、何かに悩みやあるいは課題を持っている方が「富澤商店」で課題解決をして、そのまますんなりと買い物ができれば、長くお客さまに利用いただける「無理のない高LTV」が実現できると考えた。(岩井氏)

    富澤商店 マーケティング部 部長 岩井一紘氏
    富澤商店 マーケティング部 部長 岩井一紘氏

    そのためには商品の価値がきちんと顧客に伝わり、理解してもらえることが必要。その点、たとえば「こういうお菓子を作るのにどの小麦粉がいいか? という問いに、350種類もある小麦粉の知識をもとに明確に答えられる、『小麦粉のことならなんでも聞いてくれ』というスタッフが当社にはいる」(岩井氏)といい、こうしたスタッフの存在は大きな強みとして活用できる。

    知識豊富なスタッフが実店舗と同じように双方向コミュニケーション(接客)を通じて顧客の買い物課題を解決し、顧客の好きな時にスムーズに買い物ができる環境を構築する。この新しい購買体験により高LTV顧客を獲得し、販売へとつなげる基盤確立をめざした。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース SNSから販売につなげる SNS上の影響力の強化
    SNSから販売につなげる⇔SNS上の影響力の強化

    次世代ソーシャルコマース共同事業への取り組み

    新しい購買体験を実現する次世代ソーシャルコマース共同事業の全体像は次の通り。

    SNSから「販売につなげる」

    「Moribus Community & Commerce」にはSNSでつながっている人たちのデータが蓄積され、顧客同士のコミュニケーション、スタッフの投稿や双方向のコミュニケーション(接客行為)による買い物課題の解決などを通し、顧客の目線を「興味・関心」から「実際に買いたい(欲しい)」につなげていく。さらにEC機能を同じ場に置き、好きな時に「すぐ買える」シームレスな購買を可能とした

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース コミュニティでの双方向コミュニケーション 購買データから潜在顧客の発掘
    コミュニティでの双方向コミュニケーション→EC→購買データから潜在顧客の発掘

    注意すべき点は「このコミュニティに価値観や嗜好が異なる人が入ると、コミュニケーションが活性化しなくなる」(渡辺氏)こと。そのためソーシャルデータを分析し、富澤商店のコミュニティに親和性の高い顧客候補、潜在顧客をソーシャルメディアから洗い出してコミュニティにつなげることが重要になる。

    さらに購入者については、いつ、どういうコミュニケーションの結果、購入に至ったのかをトレースできる。「ECの顧客基盤とソーシャルアカウントは意外と連動していないので、これができるのは我々にとっても悲願」(渡辺氏)。

    AIQ 代表取締役社長 渡辺求氏
    AIQ 代表取締役社長 渡辺求氏

    富澤商店のSNSの影響力の強化

    公式アカウントに加えて、富澤商店の強みである知識豊富な「スタッフ」や、同社の熱心なファンである「アンバサダー」のアカウントの発信力を強化し、それらのアカウントを通じて潜在顧客を発掘、「Moribus Community & Commerce」につなげる。

    AIQの技術の活用

    この事業を構築するにあたり、AIQが保有する3つの特許AI技術が使われている。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース 3つのAI技術
    SNSとソーシャル・コマース・プラットフォームをつなぐ3つのAI技術

    特許AI技術「プロファイリングAI」

    「Moribus Community & Commerce」で使われている特許AI技術「プロファイリングAI」は、属性や最近の投稿、どのような人とつながっているかなど、そのアカウントが発信した画像やテキストなどのさまざまな情報を複合的に解析し、富澤商店に親和性の高い顧客、顧客候補を洗い出す技術である。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース プロファイリングAI分析の解析情報
    プロファイリングAI分析の解析情報
    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース プロファイリングAI分析 アカウント毎に可視化
    分析した結果をアカウントごとに可視化

    また、アカウントを時系列で追いかけることでライフスタイルやライフステージの変化がわかる。たとえば子供が生まれるとお菓子を作る機会が増える傾向にあるので、富澤商店のユーザー像に近づいてくる。そのタイミングを逃さないように、手前から接点を持つことで意図せず富澤商店のユーザーになる人も捕捉することができる

    SNS上のコミュニケーションで“欲しい”は醸成でき、購入に至るのか

    「Moribus Community & Commerce」のPoC(Proof of Concept:概念実証)は、お菓子やパン作りが好きな富澤商店のアンバサダーである「ファミリー」と、同社のスタッフの計40名が参加し、1か月間実施した。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース PoCの概要
    PoCの概要

    PoCで検証したかった項目は次の2点だ。

    1. SNS上のコミュニケーションで“欲しいが醸成”されるか?
    2. 欲しい気持ちを持ったまま“購入”に至るか?

    「PoCに際して障壁になるのでは?」と想定していたことは、結果として見受けられなかった。その理由として「参加者がアンバサダーとスタッフというそもそもの関係性や、さらにAIによってコミュニティに親和性の高い組み合わせが成されていたためではないか」と渡辺氏は語る。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース 障壁になると想定していた事項
    障壁になると想定していた事項

    また、コミュニティの投稿数、トーク数、スタンプ数のログデータからコミュニケーションの活性化が見受けられ、アンケート結果を見ても好評価が得られたと考えている。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース コミュニケーションの活性化
    コミュニケーションの活性化
    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース 参加アンケートの結果
    参加アンケートの結果

    PoCを通して得られた考察は次の通り。

    1. 最初に誰を巻き込むか、コミュニティへの参加者の選定が非常に重要。それにはセンス、感性ではなく、データ分析の結果に応じてソーシャルメディアから顧客候補を見つけてくることが必要
    2. 欲しい気持ちを醸成するには、コミュニケーションの頻度だけでなく、スタッフがどういうタイミングで、どういう言葉をかけたか、という点が重要

    ソーシャルコマースを強化していく上でのポイント

    改めて「接客」の重要性が認識された。一般的なレコメンド機能ではまだ人が持つ知識や経験値は補完できない。また、人が持っている膨大な知識はコミュニケーションのなかでこそ、より的確に活用されるものである。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース ソーシャルコマースでの接客
    ソーシャルコマースでの接客

    その意味で接客を担うスタッフの育成は重要課題である。たとえば、接客行為は店舗スタッフであれば問題なく行えると考えたが、「ソーシャル上で接客するのは意外と難しい」という声があがった。

    また、SNSの特性上、時間を問わない業務となるため会社として労務環境や、出てきた数字をどう評価につなげるか、といった整備が必要となる。

    富澤商店 AIQ スマイルエックス オムニチャネル OMO ソーシャルコマース ソーシャルコマースでの強化ポイント
    ソーシャルコマースでの強化ポイント(人材・組織)

    こうした課題に対するポイントは次の3点だ。

    1. デジタルでの接客に慣れているスタッフ(主に20代、30代といった若手)と、商品知識が豊富な経験値の高いスタッフとの共存を図っていくこと
    2. 成功事例を積み重ねることで活躍人材を可視化すること
    3. 社内だけでなく、アンバサダーなど社外人材の活躍を図っていくこと

    老舗企業の「ヒト」×AI企業の「技術」のハイブリッド

    ちまたで言われるソーシャルコマースは、イコール「ライブコマース」的なイメージがあり、インフルエンサーの力で集客しその場で欲しいと思ったものを瞬時に買わせる、というような流れがあるが、この売り方は日本人の特性には合わないのではないか?

    対して富澤商店のめざす「無理のない高LTVを実現する」というコンセプトは一線を画す。AI技術により買い物の導線を変え、知識豊富なスタッフと顧客の双方向コミュニケーションを通して「納得ずく」で買ってもらう次世代ソーシャルコマース。老舗企業の「ヒト」と最先端AI企業の「技術」のハイブリッドによって生み出される新しい購買体験に今後も注目だ。

    大谷 秀吾

    カクヤスグループが従業員の基本給を月額7%アップ、新卒入社者の初任給は最大7%引き上げを実施へ

    2 years 7ヶ月 ago

    カクヤスグループは、平均で月額7%のベースアップ(ベア)を実施すると発表した。対象はグループ3社の従業員で、実施期間は2023年10月から。

    カクヤスグループは、グループ3社の従業員を対象に平均で月額7%のベースアップ(ベア)を実施すると発表
    カクヤスグループのベアや人事制度改定のお知らせ(画像はリリースからキャプチャ)

    あわせて新卒の初任給も引き上げる。2024年4月にグループ3社へ入社する新卒入社者の初任給を最大7アップする。

    従業員満足度の向上と定着、優秀な人材の獲得を目的としている。

    人事評価制度も見直す。「等級」「賃金」「評価制度」を見直し、若手や中堅層のモチベーション維持、成長実感を高める制度にする。

    多様な働き方の推進として、定年を65歳まで引き上げる。個人のライフスタイルに合わせ、60歳以降は定年年齢を選択できる仕組みを採用する。

    瀧川 正実

    「カクヤスネットショッピング」の一部商品の販売価格を平均11.7%値上げ

    2 years 7ヶ月 ago

    カクヤスは8月1日から、ECサイト「カクヤスネットショッピング」で扱う一部商品の販売価格を値上げした。

    仕入先の出荷価格値上げへの対応策で、値上げは平均11.7%。対象商品は一部のアルコール飲料、つまみ類の食品など35商品。

    瀧川 正実

    ZOZOの商品取扱高は1319億円で3.1%増、「Yahoo!ショッピング」店は3.4%増の116億円【2023年1Q】

    2 years 7ヶ月 ago

    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績によると、商品取扱高は前年同期比3.1%増の1319億2000万円だった。

    商品取扱高の事業別内訳は、ZOZOTOWN事業が前年同期比7.2%増の1082億7000万円。内容は、受託販売が同6.6%増の1032億2000万円、買取・製造販売は同24.7%増の12億1000万円、USED販売が同17.5%増の38億3000万円。

    「Yahoo!ショッピング」の商品取扱高は同3.4%増の116億円、BtoB事業は同6.4%増の34億4000万円、その他は85億9000万円だった。

    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績 四半期ごとの商品取扱高の推移
    四半期ごとの商品取扱高の推移(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)

    平均出荷単価は同6.2%増となる8177円、平均商品単価は同4.9%増の3726円となっている。

    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績 平均出荷単価の推移
    平均出荷単価の推移(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)
    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績 平均商品単価の推移
    平均商品単価の推移(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)

    「ZOZOTOWN」に出店しているショップ数は2023年4-6月期が1562件で、前四半期(2023年1-3月期)と比べて2件の増加だった。内訳は受託販売が28件、買取・製造販売は1536件。

    2018年に開始したリテールメディアの広告事業は拡大傾向。2023年4-6月期の売上高は21億7900万円で前年同期比24.4%増。新しい広告のテスト運用も初めて位いる。

    2023年4-6月期連結業績は、売上高が同7.7%増の458億7100万円、営業利益が同10.8%増の158億6200万円、経常利益は同11.5%増の159億4300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同12.5%増の112億400万円だった。

    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績
    2023年4-6月期連結業績の概要(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)

    今期(2024年3月期)の連結業績予想は、商品取扱高が前期比6.7%増の5808億円、売上高は同9.4%増の2007億円、営業利益は同6.3%増の600億円、経常利益は同5.8&増の600億円、親会社株主に帰属する純利益は同6.3%増となる420億円を予想している。

    ZOZOが発表した2023年4-6月期(第1四半期)連結業績 通期連結業績予想
    通期連結業績予想(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)
    瀧川 正実
    確認済み
    32 分 46 秒 ago
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