ネットショップ担当者フォーラム

「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、ファッションブランド「foufou」事業を買収

2 years 5ヶ月 ago

「北欧、暮らしの道具店」のクラシコムは、ステイト・オブ・マインドが運営するファッションブランド「foufou」事業を買収する。買収価格は3億円。

会社分割によって「foufou」事業をステイト・オブ・マインドが新たに設立する100%子会社に承継。クラシコムが新たに設立する子会社「株式会社foufou」が株式の全てを譲り受ける。資本金は800万円、8月1日付で設立する予定。

写真左からクラシコム取締役 佐藤友子 中央:foufou デザイナー マール・コウサカ氏 右:クラシコム代表取締役社長 青木耕平
写真左からクラシコム取締役の佐藤友子氏、foufouデザイナーのマール・コウサカ氏、クラシコム代表取締役社長の青木耕平氏

株式の譲渡実行日は同日付で、取得価額は3億円、アドバイザリー費用などが約500万円の合計3億500万円。クラシコムは「デューディリジェンスを通じ、(「foufou」事業は)売上高約4億円規模の事業であると判断した」としている。

「foufou」事業は、デザイナーのマール・コウサカ氏が立ち上げたD2Cのファッションブランド。「健康的な消費のために」というコンセプトのもと、コウサカ氏がデザインした洋服やアパレル雑貨を販売するプロダクトブランドとして地位を確立している。

「foufou」の世界観を表現するコンテンツを各種SNSで発信し、ユーザーのエンゲージメントを最大化、購入・リピート化につなげている。このビジネスモデルは、クラシコムのライフカルチャープラットフォーム事業との共通点があるとしている。

「北欧、暮らしの道具店」のクラシコムは、ステイト・オブ・マインドが運営するファッションブランド「foufou」事業を買収する
相乗効果について

ブランドコンセプトは、「健康的な消費のために」。効率的なマーチャンダイジングで、創業から継続して定価販売を実施、ほぼ廃棄ゼロを実現しているという。

瀧川 正実

ANA Xが公式ECモール「ANA Mall」にレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入

2 years 5ヶ月 ago

ANA Xは、公式ECモール「ANA Mall」にレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入した。

各ユーザーに合わせたオススメ商品を表示

「ANA Mall」はANAのマイルが貯まる・使えるインターネットショッピングモールで、ANAグループ直営店のほか、国内有数のショップが出店。日用品、食品、家具、家電、地域特産品、ファッションなど幅広い商品を取り扱っている。

ZETAの「ZETA RECOMMEND」を導入し、会員IDにひも付いた閲覧履歴・購入履歴などの行動データを分析、ユーザーの嗜好やニーズに適した商品提案ができるパーソナライズレコメンドを実現した。

商品詳細ページで「この商品を見ている人はこの商品も見ています」とオススメを表示することにより、他のページを閲覧するきっかけを作り、サイト回遊率の向上、商品閲覧数の増加などにつなげるという。

ANAX ANA Mall ZETA RECOMMEND オススメ表示
購買行動データから各ユーザーに合ったオススメを表示

「ANA Mall」はさまざまショップが出店するモール型ECサイト。商品詳細ページに表示するオススメは「現在閲覧中のショップの商品のみ」に限定する仕様になっている。

ANAX ANA Mall ZETA RECOMMEND 他の商品ページへの導線作り
他の商品ページへの導線を作りサイト回遊率アップにつなげる

「ZETA RECOMMEND」とは

パーソナライズされたレコメンドで潜在ニーズを発掘し、収益とユーザーの満足度向上を支援するマーケティングソリューション。

購買履歴、閲覧履歴、検索履歴などの行動履歴を元にした各ユーザーの特徴づけを行い、リアルタイムにレコメンドを提示する。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA RECOMMEND」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

モール出店者は365日発送する? しない?「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の「Amazon Prime化」が進む【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

2 years 5ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年6月19日~6月25日のニュース

利用者側が便利な「365日配送」。事業者側にとっては負担でしかありません。問題を冷静に整理して考えていくしか解決方法はなさそうです。

「自社の強みをどこに置くのか?」が判断基準

楽天・Yahoo!の「365日配送」、どう対応する?考えるべきことを整理してみた | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog/archives/6018

楽天・Yahoo!の「365日配送」とは何かを整理します。
楽天とYahoo!ショッピングの「365日配送」とは、ものすごく簡単に言うと「Amazon Prime化」。
配送のスピードや品質を向上させると、モール内で有利になる、という話です。

2021年7月にAmazonが「マケプレプライム」の条件に土日出荷を必須化。「Yahoo!ショッピング」の「優良配送」はすでに始まっていて、2022年8月からは検索順位に大きな影響を与えることになりました。そして「楽天市場」も2024年から「配送品質向上制度」をスタートさせようとしています。

2024年といえばトラック運転手の労働時間が規制されるのに、モール出店者はそんなことお構いなしに毎日出荷し続けないといけないのでしょうか?

自分は、具体的に何をどう対応すればいいのか?

ということで、ここからは「いろいろあるけど、まずはこのあたりを踏まえて対策を考えたいよね」という観点を3つほど紹介します。

  1. 休日の出荷対応どうするんだ問題
  2. 休日の問合せ対応どうするんだ問題
  3. 物流委託できない商品どうするんだ問題

問題は3つです。
「土日に出荷と問い合わせ対応をするのか?」「『楽天スーパーロジスティクス(RSL)』などに委託できない場合はどうするのか?」です。個人店で土日出荷などをすると休みがなくなってしまいますし、出荷スタッフがいる場合はシフト制にするなど対応をしないといけませんので、人件費がかかってしまいます。委託すればすっきりさっぱり解決しそうな気もいますが、そもそも委託できないものがありますし、Amazonに出店していると「FBA」と併用するのかといった問題も出てきます。

【A】物流委託に全商品を預けて365日配送に対応する
【B】自分でがんばって毎日出荷する
【C】365日配送する商品としない商品をわける
【D】365日配送に対応しない

最も気になる出荷に関する選択肢は4つ。委託する際は委託先倉庫までの配送料・保管料を考えないといけません。自力配送の選択肢はそもそも出荷が少ない、マンパワーがある場合。対応する商品を分ける場合、出荷自体は楽になるかもしれませんが、在庫管理がかなり煩雑になってミスが出る可能性もあります。検索順位を気にしないのであれば対応しないのもありでしょう。

「365日配送」はモールに出店するとどうしてもつきまとう問題です。特に売り上げをどんどん伸ばしたい場合は必須です。ほどほどの売り上げだったとしても、自社のブランド、マーケティング戦略、経営状態など複数の視点から考えておかないと、大きく売り上げを落とす可能性もあります。

ECは事業なので、目先の作業だけにとらわれないようにしたいですね。

今週の要チェック記事

ヤマト運輸が「メール便」「ネコポス」を順次終了。メール便・小型薄物荷物領域は配送を日本郵便に委託へ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11080

ヤマト「ネコポス」廃止、日本郵便に移管の切実 クール宅急便や郵便ポストの活用でも協業へ | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/680718

値下げをして「ネコポス」でシェアを取りに行ったらそれが負担になって今回の流れに。2024年に向けての動きが激しくなってきそう。

迫る物流危機、「郵便ポスト」トップ企業が狙う“受け取り方革命” | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2306/16/news078.html

こちらは受け取りをスムーズにしようという考え。普及すると時間の削減効果は高いかも。

広告に掲載ない商品の「アップセル」「クロスセル」、通販広告に必要な事項あれば通信販売に、表示がない場合は電話勧誘販売に | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11076

「広告に注記として『電話で他の商品の案内を行う場合があります』」と記載した場合についても規制対象になることも。

自社商品の魅力は自社がいちばん知っている ブランドに合った施策と改修を実現する「EC運営内製化」 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/12625

「他社に丸投げせず社内スタッフで回していくことが重要だ」。同感です。可能な限り勉強すること。

「ヤフーショッピング」、『原則1社1店舗』制限を検討 2店舗目以降は有料化も、目的は不正利用対策 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/9025

ちゃんとやっていた人たちがダメージを受けてしまうという…。不正利用は本当に迷惑です。

ECの現場で使える「ChatGPT」活用法。ネット通販担当者がビジネスシーンで利用するための基礎知識と事例を解説 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11086

どれだけダメ出しをしてもめげないのが「ChatGPT」。しっくりくるまで使い倒しましょう。

通販からECへ、10兆円の成長市場に。売上データとランキングで振り返る通販・EC市場の変遷 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11028

なだらかだったものが2021、22年に急成長。2023年はどうなるのでしょうか。

越境ECの費用、どう考える? | ebiz
https://ec.smrj.go.jp/blog/overseas/t0h4p8000000191i.html

ECは「事業」なのでB/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)はちゃんと考えないといけないですね。

今週の名言

起業家原点となった知られざるギフト。ツイ廃のjigen_1さん | GIFTFUL
https://giftful.jp/articles/7

それは君が挑戦したからだろう、失敗じゃない
困難のたびに強くなっているじゃないか
おめでとう、ビジネスマンの仲間入りだ

膝をついたこともありましたが、この言葉のおかげで、僕はまだ立っている気がします。

「365日配送」にもきちんと対応できれば強くなっていくはず。チャンスだと思えれば良い知恵も出てくるのでは?

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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I-neが男性向けスキンケア市場に参入、男性向けコスメブランド「murphy」を開発

2 years 5ヶ月 ago

I-ne(アイエヌイー)が男性向けスキンケア市場に参入した。

メンズスキンケアブランド「murphy(マーフィー)」を立ち上げた。ワンステップでトータルケアが可能な薬用オールインワンジェル(医薬部外品)で、まずはAmazonで先行発売。6月29日から自社ECサイト、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」販売する。

近年、男性の美容に対する意識が大きく変化し、メンズコスメ市場は年々拡大。TPCマーケティングリサーチの調査によると、2021年のメンズコスメ市場は前年比1.8%増の1463億円。15年間で約1.4倍に拡大しているという。

メンズコスメの市場規模推移 TPCマーケティングリサーチの調査
メンズコスメの市場規模推移

「murphy」は、多忙な男性でも毎日の生活に取り入れやすい手軽な本格ケアを提案する薬用オールインワンジェル。顔のシワ、シミ、肌荒れ予防の3大要因にアプローチするWビタミンの薬用有効成分を配合し、若々しく清潔感のある肌印象に導くという。

1本で9役のワンステップスキンケアが可能。「シワ改善」「シミ予防」「肌荒れ防止」「潤いケア」「洗顔や髭剃り後の保湿ケア」「ハリ」「くすみケア」「オイルコントロール」「肌の引き締め」にアプローチする。

容器にはアルミチューブを採用。アルミチューブの純度は高く、リサイクル技術向上により再資源化できる資材という。空気や水分の逆戻りがしにくく、遮光性にも優れている素材のため、医薬品などにも採用される容器となっている。「murphy」オールインワンジェルの価格は2480円(税込)。

I-ne(アイエヌイー)が男性向けスキンケア市場に参入
「murphy」の容器と使用イメージ

I-neの2022年12月期連結業績は、売上高が前期比24.2%増の352億6400万円、営業利益は同38.5%増の32億3500万円、経常利益は同48.9%増の34億6900万円、当期純利益は同55.8%増となる19億2700万円。

2025年12月期を最終年度とした中期経営計画では、売上高550億円、売上高営業利益率13%をめざす方針を掲げている。ヘアケア系の商材を中心に、美容家電カテゴリー商材、スキンケアブランドの拡充を推進し、増収増益を図るとしている。

ネットショップ担当者フォーラム編集部

「ChatGPT」などのAIでどんなEC機能が出てくる? ビジネスの拡大、サービスの幅が広がる可能性を秘めたECのAI活用 | EC×AIの未来

2 years 5ヶ月 ago
ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」の公式Webメディア『よむよむカラーミー』編集部が"AIとEC"について、ECビジネスに役立つ情報をお届けします【連載3回目】

「ChatGPT」などのAI(人工知能)は、ECビジネスでの活用も期待されています。「今後、AIを活用したどんな新しい機能が登場するのか」「EC事業者はどのようにAIと向き合っていくべきか」などについて、GMOペパボの栗林健太郎(取締役CTO CTO室室長 ペパボ4推進室室長)に聞きました。

AI活用は、ビジネスの拡大、サービスの幅が広がる可能性

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治(以下、花田):EC領域において、どのようなAIを活用した機能が出てくると考えていますか?

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏GMOペパボ 取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎(以下、栗林):ECにおいては、私たちはマーケティングを支援する機能が重要だと考えています。テキスト作成、写真撮影、SNS投稿などのスキルは人それぞれ違うので、ECオーナーさんの「思い」をうまく表現できるように、各種支援ツールを開発し、フォローしています。

それを発展させて、「新商品を出す予定だけれど、商品の説明文はどうしたら良いですか?」といった問いかけに的確に答えるような機能があると良さそうだと思っているので、「ChatGPT」を導入して作ってみたいですね。

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:先日、家族が高い電化製品を買おうとした際、事前に「A商品とB商品の違いは何?」と「ChatGPT」に質問していたんです。買い物体験に「ChatGPT」が関わってくることに驚きましたが、相談役として「ChatGPT」は良さそうですね。

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林:商品レコメンドは、クリックするか購入するかといった意思決定を相手に委ねていることになりますので、ユーザーは自分が納得して購入するなら満足できます。リアル店舗において、店側の売りたい商品を店員さんが上手な接客で購入に至ったとしても、お客さん自身は「買わされた」ではなく、「自分で最終的に選んだんだ」と感じることが多いでしょう。それに似た効果が「ChatGPT」にはあると思われるので、ユーザー行動を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:24時間国内外のお客さまに対応する「カスタマーサクセス(AI君)」のような機能も出てきそうですね。「ChatGPT」は複数言語に対応しているので、各言語に対応できる人を雇わなくてもグローバル対応できるのはメリットでしょう。

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林:そうですね。リアル店舗・ECに関わらず、人手があれば実現できる業務はAIで代替できます。また、「ChatGPT」はグローバルサービスなので、英語、スペイン語、中国語など大きな人口圏をカバーし、サービスの幅を何倍にも広げることができると感じています。

まずは恐れずに「ChatGPT」を使ってみてほしい

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:GMOペパボでも、ホームページのソースコードを書いてくれる「ロリポAIアシスタント(β)」や、SNS投稿文・商品説明文を作ってくれる「カラーミーAIアシスタント(β)」のような、AIを取り入れた機能が続々と登場しています。AI時代に私たちはどんなことを求められているでしょうか?

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林新しい価値を創ることはとても重要で、仕事の本質はそこにあると思います。とはいえ、世の中的には「人手が足りない」「コストをかけられない」などの理由から、本質的な部分が後回しになっているのが実情かもしれません。

GMOペパボ カラーミーショップ AI 人工知能 ChatGPT カラーミーAIアシスタント(β)
GMOペパボが提供している「カラーミーAIアシスタント(β)」。SNSで商品を宣伝するためのテキストを自動生成できる(画像は「カラーミーショップ」のサイトからキャプチャ)

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:まだまだ漠然と「AIは怖い」と思っている人が一定数いると思うのですが、AIは怖いものでしょうか?

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林:私自身は仕組みがある程度わかっているので怖いという感覚はなく、むしろAIは便利な道具だと思っています。人類が火を発見したとき「熱くて怖いもの」という感覚だったのが、少しずつ便利さに気付いて日常的に使われるようになり、今は幅広い分野で活用されています。なので、AIに対してもいずれマインドチェンジが起こるかもしれません

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:「ChatGPT」はインターネットやスマホが登場した時よりも、とっつきやすさを感じます。

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林:「Windows 95」やスマホはそれなりの難しさがありましたが、「ChatGPT」は既存のブラウザですぐに利用できます。UIが英語とはいえ、使い方を解説している記事は豊富にあるので、ECを運営している方などはすぐに使いこなせるようになるはずです。

いずれにせよ、今は「ちょっと難しそう」と感じていても、スマホなどのように何年後かには浸透して使いこなせるようになっていると思います。あまり焦ったり心配したりせず、気軽に向き合ってみてください

GMOペパボ EC事業部 ECグループ プリンシパルディレクター 花田靖治氏花田:最後に、「ChatGPT」を使ったことがない人に向けて一言お願いします。

GMOペパボ  取締役CTO(Chief Technical Officer)CTO室室長 ペパボ4推進室室長 栗林健太郎氏栗林:「ChatGPT」は登録すれば誰でも利用できるものなので、まずは恐れずに使ってみてほしいです。

インターネットが普及し始めたのは1995~2000年頃、iPhoneが日本に初上陸したのは2008年、AIのディープラーニングが脚光を浴びるようになったのが2012年、そして「ChatGPT」の台頭が2023年と、ITの世界では約十数年おきに何かが起きています。とすると、次の技術革新が起こるのは10~15年後と考えられます。

私自身はテクノロジー側の人間で、新しいIT技術を試して体感したいので、このチャンスは逃せないなと。皆さんにも黎明期の「ChatGPT」をぜひ体験していただきたいですね。

GMOペパボ カラーミーショップ AI 人工知能 ChatGPT 栗林氏と花田氏
よむよむカラーミー

【オーラルケアEC市場】競争の激化で広告単価が高騰中。“勝ち組”企業がやっている施策、商品開発+市場の課題とは? | 通販新聞ダイジェスト

2 years 5ヶ月 ago
新規参入増加しているオーラルケアのEC市場。その一方で、各社は広告単価の高騰、LTVの引き上げといった課題に直面している。売上高の上位企業を中心に各社の取り組みを解説する

オーラルケアEC市場の競争環境が激化している。参入増加を受け、各社ターゲット層のすそ野を広げる。一方、広告単価の高騰で、LTVの向上が課題として浮上している。

Webを中心とするオーラルケアの売上高上位事業者。ソーシャルテックがけん引する
Webを中心とするオーラルケアの売上高上位事業者。ソーシャルテックがけん引する

ソーシャルテックが市場けん引

市場をけん引するのは、ソーシャルテックだ。口臭ケアサプリ、ホワイトニング歯磨き、マウスウォッシュの3品からなる「ブレスマイル」シリーズを展開。シリーズ売上高は、22年3月期に52億6500万円、前期(23年3月期)は41億6700万円で着地した。

主力の「ブレスマイルウォッシュ」単体の売上高は、22年3月期に34億8000万円、前期は、横ばいの34億2000万円で推移する。

ソーシャルテックが展開する「ブレスマイル」シリーズ(画像は「ブレスマイル」の公式ECサイトから編集部がキャプチャ)
ソーシャルテックが展開する「ブレスマイル」シリーズ(画像は「ブレスマイル」の公式ECサイトから編集部がキャプチャ)

サン・クラルテ製薬は他社に先駆け、マウスウォッシュ「ゴッソトリノ」で市場を切り開いた。配合成分が口腔内のたんぱく質と結びつき、“目に見える実感”がある商品設計は、同社が手がけた。22年4月期の売上高は約12億円(通販新聞推計)。ただ、類似商品の増加から継続率が課題になっている。前期(23年4月期)は、横ばいの11~12億円(同)で着地したとみられる。

このほか、マウスウォッシュでは、フロムココロ(ブランド名・デイリーワン、以下同)、フューメント(ノッシュ)、ハハハラボ(キラハクレンズ)、グロリアス製薬(キヨラブレス)feileB(デンターキンデル)がしのぎを削る。

ホワイトニング訴求の薬用歯磨きを中心に展開する企業は、トラストライン(ミカホワイト)、マーキュリー(オーデント)がある。

ファーマフーズは薬用歯磨ジェルが好調

有力プレーヤーも参入する。ファーマフーズは、今期(23年7月期)から「DRcula(キュラ)」シリーズの展開を本格化。ホワイトニング訴求の薬用歯磨ジェルを中心にマウスウォッシュ、サプリを展開する。

ファーマフーズーマフーズの「DRcula」シリーズ(画像は「DRcula」シリーズのランディングページから編集部がキャプチャ)
ファーマフーズーマフーズの「DRcula」シリーズ(画像は「DRcula」シリーズのランディングページから編集部がキャプチャ)

オーラルケア参入背景は他商品の広告制約?

参入背景には、定期購入をめぐり同社の相談件数が増加するなど特定商取引法をはじめ表示関連法の規制を受け、他商品の広告投資に制約が生じている影響も受けた可能性がある。主力育毛剤も今期は減収で推移しており、新たなブランドの育成を図っている。

上期を終え、シリーズ売上高は8億4900万円と好調に推移する。ホワイトニングジェルが大半を占め、マウスウォッシュは、1~2割程度(通販新聞推計)とみられる。

広告は記事広告とショート動画に2極化

Webの新規獲得は、おおむねニュースメディアやSNSのタイムラインに表示されるインフィード広告(記事広告)SNSやユーチューブのショート動画広告に分かれる。

前者は、商品を理解しLTVの高い良質な顧客が獲得できるメリットがある。後者は、幅広い客層にリーチできる反面、理解が浅く、オファー訴求への反応などLTVが低い特徴がある。

競争激化からショート動画広告の活用も増えている。代理店筋によると、広告露出は、「『キュラ』『ブレスマイル』『オーデント』『デイリーワン』が多い」。

事業者「費用対効果は悪化している」

一方で、広告単価は高騰しており、販売事業者からは、「かつては同梱物を入れなくても継続してくれたが、ショート動画広告で顧客獲得を維持しなければならない状況。費用対効果は悪化している」「ショート動画広告は定期条件などオファー内容をよく確認せず購入に至るケースも多く、定期トラブルも増えている」との声も聞かれる

別商品だが、ハハハラボは22年3月以降、定期購入の表示で適格消費者団体から指摘も受けている(継続中)。

変化する客層への対応が必要になり、複数社がLTVを課題にあげる

市場参入増加、各社の課題はLTV

オーラルケアEC市場は、参入の増加から広告単価が高騰している。多くの企業がLTVを重視した戦略にかじを切る。

市場全体は、政府が毎年の歯科検診を義務付ける「国民皆歯科健診」を打ち出したことで注目された。消費者の歯の健康に対する意識の高まり、コロナ禍のマスク着用を受けた口臭ケアの関心層の増加も追い風になった。有望市場として企業の参入が増えている。

EC市場は、表示規制強化を受け、有力アフィリエイターの多くが「明確な効果」を訴求でき、広告審査を通過しやすい医薬部外品関連の案件に流れたことで活性化した。

当初はサン・クラルテ製薬の「ゴッソトリノ」がけん引。商品は、配合成分が口腔内でたんぱく質を結びつき、“目に見える実感”があることを特徴にする。

ただ、後発の参入企業の多くが同じOEM企業に商品設計や製造を委託したことで、差別化が図りにくくなっている。製造のキャパシティも市場拡大の障害になった。

サン・クラルテ製薬の「ゴッソトリノ」
サン・クラルテ製薬の「ゴッソトリノ」

最近では、「シワ改善」など、他の部外品案件も盛り上がりをみせる。

「ASPがオーラルケア関連の案件を扱うアフィリエイターを集めにくくなっている。企業は、手っ取り早く新規獲得できるショート動画広告などを活用するが、顧客の質が良いとは限らない。商品への理解が浅く、オファーのみで流入している顧客もいるため、継続が課題になっている」(オーラルケア通販事業者)という。

【ソーシャルテック】ヒットシリーズを刷新、24年3月期は売上高38億円を計画

ソーシャルテックは、昨年9月、マウスウォッシュ「ブレスマイルウォッシュ」をリニューアルした。ホワイトニング訴求による差別化を狙い、「タバコのヤニなどを溶解して除去する」と表示できる有効成分「ポリエチレングリコール」を新たに配合。有効成分を2から3に増やした。

リニューアルした「ブレスマイルウォッシュ」(画像は「ブレスマイルウォッシュ」のランディングページから編集部がキャプチャ)
リニューアルした「ブレスマイルウォッシュ」(画像は「ブレスマイルウォッシュ」のランディングページから編集部がキャプチャ)

ただ、ホワイトニング訴求は、部外品承認を得なくても「ブラッシングによる」と表示することで一定程度可能であり、思ったように差別化を打ち出せていない

顧客の約6割を女性が占めることから、クロスセル提案を強化するシリーズの歯磨き粉は、女性にも親しみやすいデザインに変えた。顧客コミュニケーションの改善や、顧客セグメント分析を通じたCRMも強化。今期(24年3月期)は、シリーズで38億円の売り上げを見込む。

【サン・クラルテ製薬】マウスウォッシュとの併用商品発売+モール強化

サン・クラルテ製薬は昨年10月、クロスセル商品として口臭ケアを目的にしたタブレットタイプの「Uruoiki(ウルオイキ)」を発売。ドライマウス対策、口臭ケアで訴求し、マウスウォッシュとの併用を提案する。

ECモールの活用も強化。モール内のセールも積極的に活用しており、「継続率に徐々に効果がでている」(同社)とする。双方向のコミュニケーションを意識したCRMの構築を進め、今期は(24年4月期)は「ゴッソトリノ」単体で15億円の売り上げをめざす。

このほか、オーラルケアの広告案件を手掛ける代理店によると、マウスウォッシュブランド「ノッシュ」を展開するFUMENT(フューメント)は、ユーチューバーのてんちむのイメージキャラクター起用で、「新規獲得が回復傾向にある」という。

FUMENTの「ノッシュ」はユーチューバーのてんちむを起用
FUMENTの「ノッシュ」はユーチューバーのてんちむを起用

低価格競争で広告単価上昇。負のスパイラルから脱却なるか

各社一様に初回割引価格による展開など価格訴求が目立つ。アフィリエイターの獲得効率を意識し、魅力的なオファー提案で競合案件に移ることを防ぐ。一方、これにより低価格競争に陥り、広告単価も上昇している

展開事業者からは、「今後は、オフライン広告の併用、商品理解を意識した記事広告、SEO対策で堅実に顧客獲得を進めるところが増えるのでは」「効率が合わず広告を休止する企業も出てくると思う」などの見方が聞かれる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

スクロール360とKDDIエボルバが業務提携。「EC・通販トータルサポートサービス」を7月から提供開始

2 years 5ヶ月 ago

スクロール360とKDDIエボルバは業務提携し、EC・通販事業者向けの物流・受注・EC運営の代行などの「EC・通販トータルサポートサービス」を7月から提供する。

「EC・通販トータルサポートサービス」とは

KDDIエボルバが持つBPO・コンタクトセンターのノウハウと知見、AI(人工知能)やPRAなどのIT技術、スクロール360のリソース・システムによる次世代CRM物流を生かしたサービスを提供。EC・通販事業者とユーザーとの顧客接点強化、EC体験価値と顧客ロイヤリティ向上を支援する。

「EC・通販トータルサポートサービス」では、スクロール360が提供しているECサイト構築・運営、物流、請求、決済処理、問い合わせ対応、返品対応などのEC・通販に関連する業務に加え、カスタマーサポート領域を包括的に提供する。

スクロール360 KDDIエボルバ 業務提携 EC・通販トータルサポートサービスのイメージ図
「EC・通販トータルサポートサービス」のイメージ図

在庫管理、品質、業務効率、コストなどEC・通販事業の運営・新規参入にかかる課題解決や、カスタマーサポート領域までを一気通貫で提供、新規顧客とリピーター獲得だけでなくLTV(顧客生涯価値)向上に向けた顧客コミュニケーションを強化、EC・通販事業者の売り上げを支えると共に、さらなる利益拡大に貢献していくという。

藤田遥

「メタバース」の基礎と活用方法を日産自動車+アダストリアの事例、Roblox+VRChat+クラスターなどのサービスに学ぶ | メタバース事業に挑戦中の大手EC企業担当者に聞く! 新たな形のファンマーケティングで成功する秘訣

2 years 5ヶ月 ago
本連載は、メタバース事業を推進しているアダストリアの広告宣伝部 メタバースプロジェクトマネージャーの島田淳史が、メタバースを運営するための基礎的な知識から、実践的なノウハウまで解説する【第1回】

ビジネスシーンで当たり前のように使われるようになった「メタバース」。企業による利活用例も増えてきた。メタバースの取り組みを加速しているアダストリアでメタバース部門の責任者を務める筆者(広告宣伝部 メタバースプロジェクトマネージャー 島田淳史)が、基礎知識、代表的なサービス、活用事例を解説する。

「メタバース」とは

「メタバース」は、「超越した」という意味の「メタ」、宇宙を意味する「ユニバース」を合わせた造語。米国のSF作家ニール・スティーヴンスン氏の小説「スノウ・クラッシュ」で使用され、世に広まった。

月日は流れ、2021年にフェイスブックが「メタ」に社名を変更。「3DCGで作られた、複数の人がアクセスできるオンライン空間」というイメージとともに、「メタバース」というワードの知名度は一気に拡大した。勘違いする人が多いが、メタ社が提供するサービス名(=固有名詞)ではない。

メタバースの利便性について話すメタのマーク・ザッカーバーグ会長兼CEO(動画はメタの公式YouTubeアカウントより)

加えて、「メタバース」には明確な定義はない。個人や事業者が「3DCGで作られた、複数の人がアクセスできるオンライン空間」の実現をめざしている試行錯誤を続けているのが現状だ。

そんな「メタバース」の一例としては、次のようなものがあげられる。

  • Webブラウザ上で閲覧できる、簡素なCG空間
  • ハイスペックなPCがないとアクセスできない、ハイクオリティなCG空間
  • VR(仮想現実)機器の使用を前提として設計されたバーチャル空間
  • 「ファイナルファンタジー14」や「あつまれ どうぶつの森」のようなオンライン対応ゲーム

本人の顔や姿を出さずにCGのキャラクターでダンス、ゲーム、ライブ配信などを行う「VTuber(バーチャルYouTuber)」と似た要素はいくつかあるが、基本的には別物とされている。

メタバースユーザーの多くは「VTuber」のような「デジタルアバターを身にまとう人」だが、必ずしも「VTuber」ではないので注意したい。

代表的なサービスで学ぶ「メタバース」

ここで「メタバース」の代表サービスを紹介したい。

米国のRobloxが運営する「Roblox(ロブロックス)」

「Roblox」のイメージ(画像は「Roblox」の公式サイトからキャプチャ)
「Roblox」のイメージ(画像は「Roblox」の公式サイトからキャプチャ)

「Roblox」は世界的な人気を誇るオンラインゲームプラットフォーム。2022年時点で、全世界のデイリーユーザー数は5600万人に達しているとのことで、いわゆる「Z世代」と呼ばれる10代ユーザーが多いプラットフォーム

「Roblox」のプレイイメージ(動画はRobloxの公式YouTubeアカウントから引用)

ユーザーが自由にコンテンツを制作・公開できるのが特徴で、ゲームや居心地のよい空間まで、さまざまなコンテンツを体験できる。このうち、訪問数が10億回超のコンテンツが70件を超えている

着用できるアバターも多種多様。クリエイターが創り出したアバター用のファッションアイテムもプラットフォーム内ストアで購入することが可能だ。

クリエイターはこうしたアイテムやコンテンツを制作することでゲーム内通貨「RoBux」を蓄積。「RoBux」を現金に換金し、新たな収益源にしている。

こうした世界最大級のユーザーアクセスと、プラットフォーム内経済の存在から、NIKE(ナイキ)、GUCCI(グッチ)、Spotify、Walmart (ウォルマート)など世界中の名だたる企業が「Roblox」へ進出し、コンテンツ公開やイベントを開催している。

日本でも、セガが公認の「ソニック」のゲームを公開したり、本田技研工業が製品体験のできる公式コンテンツを公開している。

韓国ネイバーの子会社NAVER Zが提供する「ZEPETO(ゼペット)」

「ZEPETO」のイメージ(画像は「ZEPETO」のダウンロードサイトからキャプチャ)
「ZEPETO」のイメージ(画像は「ZEPETO」のダウンロードサイトからキャプチャ)

世界的に人気なスマートフォンアプリの1つ。3Dアバターの着せ替えを楽しめるアプリだったが、その後バーチャル空間へアクセスできるメタバースアプリへ発展した。

アジア圏を中心に人気を集めており、2023年1月時点で全世界4億人のユーザーが存在するという。アバターファッションに強く、さまざまなアイテムを購入してアバターに着用できるシステムが備わっている。

Z世代のユーザーが多く集まる(画像はNAVER Z Corporationのリリース資料からキャプチャ)
Z世代のユーザーが多く集まる(画像はNAVER Z Corporationのリリース資料からキャプチャ)

「Z世代」の集まるプラットフォームとして企業が注目しており、ラルフローレン、ブルガリ、ソフトバンクなどが進出。特にソフトバンクは、公式ワールドにてチャットボットとショップクルーによる接客も展開している。

米国のVRChat Inc.が運営するソーシャルVR「VRChat(VRチャット)」

「VRChat」(画像は「VRChat」の公式サイト)
「VRChat」(画像は「VRChat」の公式サイト)

VRに対応したメタバースのなかで特に著名なサービス。名称に“VR”とあるが、PCでもアクセスできる。また、VRヘッドセット「Meta Quest 2」からもアクセス可能だ(一部の体験コンテンツに差異はある)。2023年秋にはスマートフォンへの対応も予定している。

「VRChat」のプレイイメージ(動画は「VRChat」の公式YouTubeアカウントから引用)

ユーザーが「ワールド(仮想空間)」やアバターを自由に制作・アップロードできるのが特徴。VR機器を併用すると、高い表現力と自由度を世界を体験できる。そのため、ハイレベルなクリエイターやパフォーマーが多く集まり、熱狂的なユーザーコミュニティも醸成されている。

日本国内でも「VTuber」文化と合わせて人気の出てきたプラットフォームで、海外ユーザーをしのぐほどのクリエイターやパフォーマーを多く輩出している。

そんな熱量の高さに引かれて、日産自動車やモスバーガー、ホビージャパンといった企業がぞくぞくと進出している。

日本企業のクラスターが運営する「cluster(クラスター)」

日本発の「cluster」(画像は「cluster」を運営するクラスターのリリース資料からキャプチャ)
日本発の「cluster」(画像は「cluster」を運営するクラスターのリリース資料からキャプチャ)

数少ない日本産のメタバースプラットフォーム。VRイベントプラットフォームから出発したため「イベント機能」が存在、バーチャルイベントの開催地としてさまざまなユーザーや組織が利用している。

「cluster」のサービス紹介ムービー(動画はクラスターの公式YouTubeアカウントから引用)

「VRChat」と同様にユーザーが「ワールド(仮想空間)」やアバターを自由にアップロードできる。大きな特徴は「ハードルの低さ」。ワールドもアバターも、プラットフォーム内でパーツを組み上げるようにその場で作り出すことができる。有名どころは大阪府が「バーチャル大阪」を展開している。

直近では、アバター向けアクセサリーのストア機能も実装され、プラットフォーム内の経済圏が生まれつつある

国内企業による運営であること、イベントの開催機能など、企業によるメタバース活用の場として採択しやすい条件がそろっているメタバースと言える。

また、PCやVRヘッドセットに加え、スマートフォンにも対応しているため、利用しやすいサービスと言える。

先進企業の事例に学ぶメタバース活用

コマース業界においてメタバースはどのように活用できるのだろうか? すでに先行してメタバース事業を展開している2社の事例から、メタバース活用の効果から期待できることを解説していく。

事例① アパレルとアバターを両軸とするアダストリア

アパレルECサイト「.st(ドットエスティ)」を運営するアダストリアは2022年10月から、「VRChat」での事業展開をスタートした。

主な展開内容は、ユーザーが利用できるアバター向け3Dモデル「枡花 蒼(ますはな あお)」「一色 晴(いっしき ひより)」の制作・販売。この3Dモデルは、アダストリアが展開する実在のアパレルブランドの衣服を身につけているのが特徴となっている。

また、3Dモデルが着ている衣装データは単品でも販売され、既存の販売3Dモデルにユーザーが“着せる”こともできる。

3Dモデル「枡花 蒼」(右)と「一色 晴」
3Dモデル「枡花 蒼」(右)と「一色 晴」

アダストリアが有する「アパレル」商材を、アバターが着用できる「メタバースファッション」に転換させたケースと言える。

さらに、衣服にマッチするアバターも同時展開することで、「VRChat」のアバター市場にも参入することに成功。「.st」でリアルで販売している洋服を、メタバースの世界でもアバターに着させることができるため、“自分のアバターとリアルな自分がおそろいのコーディネートをする”というユーザー体験を提供できている。

リアルの自分(左)と同じコーディネートをメタバース上でもできる
リアルの自分(左)と同じコーディネートをメタバース上でもできる

制作にあたっては人気のクリエイターを起用しているのも特徴。アダストリアではその後も、一般応募可能な衣装コンテストやフォトコンテスト、ユーザーイベントへの参加などを実施し、「VRChat」ユーザーへの訴求にも注力している。

「VRChat」などのメタバースは、ユーザー間で形成されているコミュニティの熱量が強く、ユーザーの信頼を得ることは極めて重要と言える。

事例②「自由な空間」を生かした日産自動車のメタバース展開

国内でいち早くメタバースに進出し、現在も継続している企業の代表格として日産自動車があげられる

2021年に「VRChat」上に公式の仮想空間をオープン。環境問題を学ぶツアー、新車発表会、社内デザイナーのトークショー、電気自動車について学べるゲームなどを展開している。

日産がメタバースで展開するバーチャルギャラリー(画像は日産自動車の公式サイトからキャプチャ)
日産がメタバースで展開するバーチャルギャラリー(画像は日産自動車の公式サイトからキャプチャ)

日産自動車の「メタバース」展開の特徴は、「物理的制約のない空間」というメタバースの特性をうまく活用していること。

たとえば、環境ツアーでは「北極の氷が溶けるとどうなるか」を目の前で“実演”し、口頭説明だけでは理解しにくいことを効果的に伝えている。こうした体験型コンテンツは、とりわけVRとセットで高い訴求力を発揮する

日産自動車による新型軽電気自動車の「VRお披露目会」中継(動画は日産自動車の公式YouTubeアカウントから引用)

また、新型EV「日産サクラ」の発表時には、運転体験ができる空間をオープンし、ユーザーが自由に試乗できる機会を作った。全世界どこからでも、車の運転イメージや内装のチェックができる「オンライン試乗体験」となり、これをきっかけに「日産サクラ」を購入した人も現れたという。

こうした数々の施策を、日産自動車は「VRChat」のユーザーコミュニティやクリエイターと密に連携して展開している。

いまや日産自動車は国内「VRChat」コミュニティとして認知されており、メタバース進出のモデルケースの1つとして注目すべきだろう。

このほか、日産自動車は独自プラットフォームを開発し、「メタバース空間上での車両販売」の実証実験も進めている

メタバース市場参入で企業が得られるメリットとは?

メタバースでは、従来のインターネットにプラスして「空間の提供」と「身体性を伴ったコミュニケーション」が可能となる。

Webページと異なり、三次元的な空間はスケール感や奥行きを表現しやすく、そこを探索する体験は、ただ「見る」だけよりも体験の質は濃密になる。そして、その空間でアバターを介して、身振り手振りを交えながら行う会話は、現実のコミュニケーションと同等の情報量を持つ。

EC業界においては、顧客との対話は顧客獲得とブランドの育成に大きく寄与するはず。必要以上の情報が伝わらないテキストコミュニケーションと比較して、メタバース空間での対話コミュニケーションは、顧客側にとっても質の良い体験をもたらす。こうした「良質な体験」は、ブランドイメージの強化につながるだろう

メタバースは、多くのプラットフォームにおいてマネタイズの仕組みが未熟なこともあり、企業のメタバース進出には金銭的リターンを期待しにくいのが現状だ。

しかし、質の良い体験提供と高いアクセス性などにより、新たな顧客層の発掘と、良質なブランドイメージの醸成が期待できる。さらに、クリエイターやインフルエンサーと協働することで、企業主導では実現できないような驚くべき施策も、速度感をもって生み出すことが可能だ。

なお、こうした施策を実現するには、プラットフォームやコミュニティへの理解が不可欠となる。“そこにいる人々”の存在を無視した事業展開は支持を得られないばかりか、企業イメージに悪評がつく可能性もあるからだ。

メタバース進出にあたっては、まずは担当者自らがメタバースの“住人”になる勢いでメタバースを体験し、場と人をよく理解することが肝要と言える。

島田 淳史

PayPayの他社クレジットカード利用、8月1日の停止を2025年1月に延長

2 years 5ヶ月 ago

PayPayは6月22日、「PayPay」の支払いで「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外の他社クレジットカードを利用できなくする措置の期日を延期すると発表した。

従来は8月1日に利用を停止するとしていたが、2025年1月に見直す。

PayPayは5月1日、「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外の他社クレジットカードの利用停止について公表。7月初旬にクレジットカードの新規登録を停止し、8月1日以降は利用をできなくするとしていた。

PayPayは6月22日、「PayPay」での支払時に「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外のクレジットカードを利用した決済ができなくなる期日を延期すると発表した
他社クレカ利用停止のお知らせ(画像はPayPayのWebサイトからキャプチャ)

PayPayは次のようにコメントを発表している。

全てのユーザーに便利でお得な「PayPayあと払い」や残高払いで「PayPay」を利用いただきたい、高度な不正利用対策を講じた「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」を利用いただきたいと考えたが、一部のユーザーを困惑させる結果となったことを反省している。

2025年1月までの1年半、ユーザーの意見も取り入れ、「PayPay」「PayPayカード」を利用するユーザーにとって最高の体験を提供するため、サービスを徹底的に磨き込む期間にするとしている。

瀧川 正実

新たに誕生する「Vポイント」経済圏とは/ヤマト運輸が「メール便」「ネコポス」を順次終了【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years 5ヶ月 ago
2023年6月16日~2023年6月22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 新たに誕生する「Vポイント」経済圏とは? Tポイント+VポイントをCCCグループと三井住友グループが統合へ

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    メール便領域は「クロネコゆうメール(仮称)」、小型薄物荷物領域は「クロネコゆうメール(仮称)」に刷新。配送面を日本郵便に委託する

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    1976年創業のヒマラヤは現在全国に約100店舗を展開。EC事業の規模はは全社売上高の4分の1程度に達しているという

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    話題を集めている生成AIの「ChatGPT」。ECビジネスのシーンで活用する方法などを、現役中小企業診断士が解説【第1回】

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    電話勧誘販売に該当する販売手法として、消費者から「電話をかけさせる方法」(電話注文を促す広告など)を政令で限定していたが、特定商取引法に関する法律施行令・施行規則改正でその範囲が拡大された

    2023/6/19
     
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    ムラサキスポーツはサーフィン・スノーボード・スケートボードなどのアクションスポーツアイテム、ファッション全般の品ぞろえを拡充し、アクションスポーツに関する情報の充実に注力していくという

    2023/6/21
     
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    2023/6/22
     
  9. キューサイが刷新する新しいメンバーシッププログラム「キューサイウェルエイジングクラブ」とは

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    2023/6/16
     
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    SNS誘導だけに依存しないリピートユーザーの獲得、商品ページ・コラム・動画・ポッドキャストなど多様なコンテンツをシームレスに移動できる独自プラットフォームを構築するためアプリを展開している

    2023/6/22
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

EC事業者の「ChatGPT」活用を支援。ECの運営に完全特化した「ChatGPT サポートパッケージ」とは

2 years 5ヶ月 ago

EC向けの人材マッチングサービス「ECのプロ」を運営しているWUUZY(ウージー)は、EC事業者向けに「ChatGPT サポートパッケージ」の提供を始めた。「ECのプロ」に登録している「ChatGPT」に精通した人材が、「ChatGPT」をEC事業者が使いこなせるようにサポートする。

EC事業者にプロが伴走、2か月で活用化めざす

「ChatGPT」に精通している人材がクライアント企業のチームに参加し、「ChatGPT」の社内活用や業務効率化を支援する。チャットやZoomを通じてコミュニケーションできる状態を構築し、クライアント企業に伴走。2か月で社内の「ChatGPT」完全活用化をめざす。

クライアント企業のチームに専門家が参加し、「ChatGPT」の活用をサポートする
クライアント企業のチームに専門家が参加し、「ChatGPT」の活用をサポートする

「ECのプロ」には、「ChatGPT」に精通している人材が100人以上在籍しているという。クライアント企業に対して、ウージーが「ECの専門的知見」と「ChatGPT」の活用経験が豊富なプロをマッチングする。

ECと「ChatGPT」両方に精通したプロをマッチングする
ECと「ChatGPT」両方に精通したプロをマッチングする

ウージーは、次のような悩みや課題をもつEC事業者に「ChatGPT サポートパッケージ」の利用を勧めている。

  • 「ChatGPT」を法人で利用するにあたり、セキュリティを強化したい
  • 「ChatGPT」をゼロからすべて教えてほしい
  • EC事業で「ChatGPT」をどう活用すれば良いかを教えてほしい
  • 社内のスタッフ全員が使えるようになってほしい
  • 「ChatGPT」以外のAIツールも併せて教えてほしい

すべてのEC事業者が「ChatGPT」を使いこなし、より事業を成長させて欲しいと願い、「ChatGPT サポートパッケージ」の提供を始める。

WUUZY 代表取締役 竹中星矢氏
WUUZY 代表取締役 竹中星矢氏

リリースの背景

ウージーがEC事業者を対象とした「ChatGPT活用ウェビナー」を2023年5月に実施したところ、約1000社のEC事業者から申し込みがあり、EC市場の「ChatGPT」活用ニーズの高さを感じたという。

「ECのプロ」に登録しているECの専門家とワークショップを繰り返し行い、EC事業者に最適な「ChatGPT」の活用方法を体系化した。

パッケージの料金・期間

  • 料金:月額25万円 ※「ECのプロ」サービス利用料やプロの稼働報酬などすべて含む
  • 期間:2か月
高野 真維

Amazonの2023年「プライムデー」は7/11+12。「パーソナライズ表示」「先行セール」「ポップアップカフェ出店」などを実施

2 years 5ヶ月 ago

アマゾンジャパンはAmazonプライム会員限定のセール「プライムデー」を、7月11日0時から12日23時59分までの48時間にわたって開催すると発表した。開始2日前からの「先行セール」、「プライムデー」ページのパーソナライズ表示、無料で利用できる期間限定のポップアップカフェ出店といった初の取り組みも実施する。

2023年の「プライムデー」は7月11日・12日に開催する
2023年の「プライムデー」は7月11日・12日に開催する

2023年の「プライムデー」は、日本、アメリカ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、エジプト、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、サウジアラビア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、トルコ、アラブ首長国連邦、イギリス、インドの合計25か国で実施する。

「先行セール」「パーソナライズ」など2023年プライムデーの特徴

プライムデー先行セール

「プライムデー」開始2日前の7月9日0時から、一部商品を対象とした「プライムデー先行セール」を実施する。

先行セールでは、家電、ファッション、日用品といった人気カテゴリーの一部商品を特別価格で販売する。先行セールの対象商品はプライムデー当日も販売予定としているが、在庫がなくなり次第終了する。

「プライムデー」は期間限定セールのため、気が付いたらセールが終了していたというお客さまもいる。先行セールはこうしたお客さまの買い逃しを防ぐ目的がある。

アマゾンジャパン プライム・マーケティング事業統括本部長 鈴木浩司氏
アマゾンジャパン プライム・マーケティング事業統括本部長 鈴木浩司氏

Amazon上で展開しているネットスーパーサービスも、「プライムデー」に先んじてセールを実施する。Amazonフレッシュに加え、Amazon上のライフ、バロー、成城石井の各ネットスーパーで、6月21日から事前セールを行う。

「プライムデー」のページを顧客ごとにパーソナライズ表示

2023年の「プライムデー」のページでは、これまでの注文履歴をベースにセグメントしたセール商品を表示。また、ページ内のコンテンツの内容もカスタマイズする。「プライムデー」で顧客1人ひとりに提案商品やコンテンツをセグメント表示する取り組みは今回が初めて。

個々の顧客にとって欲しい商品や、必要な商品の買い逃し防止をサポートする目的。たとえば、アウトドア商品を過去に購入・閲覧した顧客には、アウトドアカテゴリーのセール商品がより見つけやすくなるようパーソナライズする。

これに加え、さまざまな特典やサービスもそれぞれの顧客の利用状況に応じて表示する。

「憧れのアイテム」と「日用品のまとめ買い」の特集コーナーを設置

2023年「プライムデー」のテーマは「憧れのアイテムから、日用品のまとめ買いまで、ビッグセールで。」。それに合わせて、「憧れのアイテム」と「日用品のまとめ買い」の特集コーナーを「プライムデー」のページ内に設置する。

「プライムデー」期間の主なキャンペーン

ポイントアップキャンペーン

6月21日~7月12日のエントリー期間中にエントリーし、先行セールを含む7月9日~7月12日までの買い物対象期間中に合計1万円(税込)以上注文した顧客を対象に、Amazonポイントを最大15%(=最大1万ポイント)還元する。

今回のポイントアップキャンペーンにおけるAmazonポイントの還元率は、プライム会員なら3%増、Amazonのクレジットカード「Amazon Mastercard」での買い物で4%増、Amazonショッピングアプリでの買い物で0.5%増、Amazonデバイスの購入で7.5%増となる。

ポイントアップキャンペーン
ポイントアップキャンペーン

プライムスタンプラリー

「プライムスタンプラリー」では、6月21日~7月19日のキャンペーン期間中にAmazonプライムの各対象サービスを利用するなどして、スタンプを集めたプライム会員の顧客のなかから抽選で、音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」の12か月無料体験などを贈呈する。

このほか、一定の条件を満たすプライム会員に抽選で、Amazonポイントの進呈や、アーティストのライブへの招待も行う。

対象者にさまざまな特典を付与するスタンプラリー
対象者にさまざまな特典を付与するスタンプラリー

中小販売事業者のビジネス支援

「日本の中小企業 応援セール」を6月21日から7月12日まで実施。中小規模の販売事業者が販売する対象商品を顧客がお得に購入できるクーポンを提供する。「プライムデー」当日はプライム会員限定セールの開催や、中小規模の販売事業者が手がけるAmazon限定商品の販売も予定している。

中小規模の販売事業者を応援する
中小規模の販売事業者を応援する

Webムービー+初の無料ポップアップストア

無料ポップアップカフェを期間限定出店

無料で利用できるポップアップカフェ「Prime Day Cafe (プライムデー カフェ)」を、「プライムデー」直前の7月7日~9日の3日間限定で、渋谷PARCOで開催する。「プライムデー」および「Amazonプライム」の魅力を体験できる場と位置付ける。

ポップアップストアのイメージ
ポップアップストアのイメージ

このカフェでは、「プライムデー」にちなんだオリジナルのドリンクまたはスイーツを、1人1品無料で提供する。来店した顧客は「プライムデー」のセール商品を実際に見たり、最新のAmazonデバイスを体験できる。

公式YouTubeでWebムービーを放送

「プライムデー」を盛り上げる特別企画として、女優の戸田恵梨香氏、モデルの滝沢眞規子氏、タレントの藤森慎吾氏が出演するWebムービー「“欲しい”が見つかるプライムデー」を6月21日にアマゾンジャパン公式YouTubeチャンネルで公開した。

Webムービーに出演している戸田恵梨香氏(左)、滝沢眞規子氏(中央)、藤森慎吾氏
Webムービーに出演している戸田恵梨香氏(左)、滝沢眞規子氏(中央)、藤森慎吾氏
「プライムデー」記者発表会に登壇した戸田恵梨香氏(中央)
「プライムデー」記者発表会に登壇した戸田恵梨香氏(中央)

「プライムデー」の記者発表会に登壇した戸田恵梨香氏は、「必ず皆さんの欲しいものが見つかる『プライムデー』になると思います。私と一緒に『プライムデー』を楽しみましょう」と話した。

高野 真維

ファッションレンタルECの「airCloset」、「月額料金まとめ払い」を全プランに適用+「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始

2 years 6ヶ月 ago

エアークローゼットは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」で、数か月分の月額料金をまとめて支払える「月額料金まとめ払い」を全プランに適用した。また、過去にレンタルしたアイテムの色違いを購入できる「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始した。

「月額料金まとめ払い」を全プランに適用

2016年に提供を開始した「月額料金まとめ払い」は、数か月分の月額料金をまとめて支払いできるサービス。これまで「レギュラープラン」のみ対象だったが、2023年春から「ライトプラン」「ライトプラスプラン」への適用を開始した。

エアークローゼット airCloset 月額料金まとめ払い 全プランに適用
「ライトプラン」「ライトプラスプラン」にも適用

3か月・6か月・12か月の3パターンで展開しており、12か月プランは1か月分の月額費用分が割引となる。1か月プランで申し込み中でも、途中で「月額料金まとめ払い」に変更できる。

エアークローゼット airCloset 月額料金まとめ払い 各プランの利用費用
各プランの利用費用(画像は「airCloset」サイトからキャプチャ)

ユーザーからの要望で過去アイテムの色違いを購入できるように

「airCloset」では、手元にある「今回のアイテム」もしくは過去に届いて一度返却したアイテムが購入できる。

2020年には「今回のアイテム」の色違いを購入できる機能を提供している。「過去のアイテムでも色違いを購入したい」というユーザーの要望を受け、「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始した。

エアークローゼット airCloset 過去アイテムの色違い購入機能
過去に届いたアイテムの色違いを購入できる「過去アイテムの色違い購入機能」
藤田遥

ベルーナが総合通販サイト「ベルーナオンラインストア」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入

2 years 6ヶ月 ago

ベルーナは、総合通販サイト「ベルーナオンラインストア」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入した。

商品評価の可視化、Q&A機能を実装

アパレル商品の購入で重要な要素となる「サイズ感」をグラフで表示し、視覚的にもよりわかりやすいレビュー情報を提供する。

また、レビュー投稿者のパーソナルデータを表示することで、サイトに訪れたユーザーが自分の体型に近い人のレビューを参考にして、購入を検討できるようにした。

ベルーナ ベルーナオンラインストア ZETA VOICE サイズ感をグラフで表示
サイズ感をグラフで表示し商品の評価を可視化

Q&A機能の実装により、購入を検討しているユーザーから寄せらせた商品単位の質問に対して、スタッフと購入済みユーザーから回答できるようになった。

また、Q&Aのやり取りはサイト上に公開されるため、ユーザーの購入判断を後押しすることが期待できるという。

ベルーナ ベルーナオンラインストア ZETA VOICE Q&A機能の実装
スタッフとユーザーの双方向から回答できるQ&A機能を実装

「ZETA VOICE」とは

サイト自体や提供する商品・サービスに対して、複数の評価軸を用いた多面な評価によるレビューコンテンツをサイトに実装できるエンジン。点数による評価やフリーコメント、スタッフレスポンスなどの機能を有するほか、投稿レビューデータの分析、A/Bテストでの活用ができる。

ZETA VOICE 主な機能
「ZETA VOICE」の機能の一部(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

アプリDL数300万突破のクラシコム「北欧、暮らしの道具店」。その背景は?

2 years 6ヶ月 ago

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破した。

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破
アプリDL数の推移

スマホアプリのDL数拡大は売上高にも寄与。アプリ提供前の2019年7月期売上高は27億4000万円だったが、アプリ提供後の2021年7月期の年間売上高は約1.7倍増の45億3000万円、2022年7月期の売上高は51億円に拡大している。

スマホアプリ経由のEC売上高は2021年3月度の100万DL時点で44%、2022年6月度の200万DL時点で59%、2023年5月度の約300万DL時点で65%に拡大している。

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破 EC売上推移
アプリ経由のEC売上の割合

スマホアプリの重要性が高まっていることを踏まえ、2023年2月にマーケティングチームを発足。主にスマホアプリに関連した数値分析や広告出稿などを行い、専任スタッフを含め3人が在籍する。DL後のユーザー体験や主要アクション率などの効果分析と検証を進めることができるようになったという。

2023年4月にテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」でクラシコムの特集が放送され、同月内の月間DL数は過去最高の12万DLに達した。放送直後にDLされたアプリユーザーの初回購入転換率は通常の2倍だったという。

テレビ放送の影響で、スマホアプリだけではなく、Instagram、YouTubeなどのエンゲージメントチャネルでもフォロワーが増加、売り上げも継続的に伸びている。マスメディアの影響力で、エンゲージアカウント数は約560万人に、累計会員数は約51万人に達した。

クラシコムはこれまで、日常的に接触頻度が上がるSNS、スマホアプリ、Webを通したエンゲージメントチャネルの獲得に注力してきた。今回、マスメディア露出によるビジネス面への相乗効果を実感。マスメディアとWeb上のエンゲージメントチャネルを連携することで、中長期的に事業成長を支える資産になると見ている。

クラシコムのビジネスモデル
クラシコムのビジネスモデル

 

石居 岳

米サブスクEC企業の事例に学ぶリピート率・客単価向上につながるコミュニケーション施策・効果的なマーケティング手法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years 6ヶ月 ago
犬用商品のサブスクリプションサービスを展開する米国事業者の成功事例から、アップセルやクロスセルにつながる具体的なマーケティング施策を紹介します

サブスクリプションサービスを展開する事業者にとって、継続率の向上は重要な課題です。犬用のグッズや食品をサブスクリプションで販売するBarkは、長期にわたって継続購入してもらうため、アップセルやクロスセルの施策を模索しています。顧客とのコミュニケーション、効果的なマーケティングを検証する方法などから、Barkの成功事例を解説します。

記事のポイント
  • Barkは、犬向けの歯みがきおやつ「Durable Dental Chew」の発売にあたり、2023年1月に2種類のEメールキャンペーンをテスト。それぞれ16%と30%、コンバージョンアップを実現
  • Barkは、2022年7月にSMSを開始。テキストメッセージを受信している顧客は17万5000人となっており、この人数は四半期ごとに35%ずつ増加している

アップセル、クロスセルにつながる顧客コミュニケーションに課題

Barkのエド・ワロガ氏(ライフサイクルマーケティングおよびEコマース担当副社長)は「顧客を長期的に維持する方法を試すと同時に、定期購入ボックスを注文する顧客向けには、さらに商品を追加するように促している」と話します。

これまで、「顧客1人ひとりのニーズに応えられるようなコミュニケーションを効率的に行う必要がある」という課題がありました。

Bark ライフサイクルマーケティング Eコマース担当副社長 エド・ワロガ氏
Bark ライフサイクルマーケティング Eコマース担当副社長 エド・ワロガ氏

Barkは、犬用のおもちゃとおやつをそれぞれ2個ずつ同梱して毎月届ける「Bark Box」事業を、2012年に開始しました。2020年には、犬のおもちゃとおやつ以外にデンタル商品を提供するなど、商品を年々拡大しています。

Barkのサブスクリプションサービス「Bark Box」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
Barkのサブスクリプションサービス「Bark Box」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

アップセルとクロスセルを増やすために、消費者へのマーケティングは何が最適かを検討するため、米国のソフトウェア開発事業者Simonが提供するマーケティングツール「Simon Data」を導入しました。「Simon Data」によって、比較テストを検証し、マーケティングキャンペーンの効果を確認することができるようになりました。

平均受注額向上を実現した施策とは

2022年度第4四半期(2023年1-3月期)にBarkの平均受注額は2ドル増加しました。「アップセルとクロスセルの成功がこの増加分に貢献した」とワロガ氏は言います。

アップセル、クロスセルの大きな要因は、犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」のコンバージョンを向上させることができたことがあげられます。「Bark Bright」は、犬の歯のケアのための歯磨き粉やおやつといった商品です。(ワロガ氏)

Barkが展開する犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
Barkが展開する犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

サブスクリプション販売を展開する事業者にとって、顧客の生涯価値(LTV)を維持・構築することは重要です。Barkはどのように継続率を伸ばし、平均受注額のアップを実現したのか。具体策を見ていきましょう。

顧客グループで異なる反応、だからこそ「A/Bテスト」による検証は重要

Barkは2023年1月、「Bark Bright」がラインアップする商品の1つである犬向けの歯みがきおやつ「Durable Dental Chew」の発売に向けて、2種類のEメールキャンペーンをテストしました。

Barkのコアサービスである「Bark Box」を定期的に購入している顧客層に商品案内のメールを配信。同時に、「Super Chewers(スーパーチューワー)」と呼ばれる丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客にもメールを配信しました。

A/Bテストは「各グループで数十万人、 50:50の割合で均等にテストした」(ワロガ氏)と言います。

より丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客「Super Chewers」向けのサイトページ(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
より丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客「Super Chewers」向けのサイトページ(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

A/Bテストは別名で「スプリットテスト」とも呼ばれ、顧客の一定割合を対象に2種類のメールキャンペーンを実施し、どちらがより多くの開封やクリックを得られるかを検証することができるテストです。また、画像や文言を変えてテストし、反応が良い方を比較することもできます。

A/Bテストの結果、「Bark Box」の顧客は単体での告知に反応しやすいことがわかりました。また、単体告知のコンバージョン率は、「Super Chewers」購入客よりも「Bark Box」購買者の方が16ポイント高かったのです。

一方、「Super Chewers」の顧客は、商品のコレクション(ラインアップ)を強調したマーケティングに反応する傾向がありました。コレクション告知の場合、このコンバージョン率は「Bark Box」購入客よりも30ポイント高くなりました。

これは意外な結果でしたが、だからこそこういったテストをして顧客の反応を確かめる必要があるのです。(ワロガ氏)

「Super Chewers」は、ほかの顧客よりも特殊な商品を購入しているため、新商品と、従来購入している丈夫な犬用のおもちゃを比べているからこその結果であるとBarkは考えています。

SMSによる通知は販促だと感じにくい

ワロガ氏によると、「Bark Box」を利用する顧客は毎月200万人にのぼると言います。Barkは毎月送付する「Bark Box」に追加で同封できる商品を顧客に案内しています。案内方法には、SMSでプッシュ通知を送ることも含まれています。

プッシュ通知を積極的に行っています。SMSは、熱心な顧客とコミュニケーションできる機会だと捉えています。顧客接点にSMSを活用すれば、顧客は企業からの販促通知のように感じることはありません。(ワロガ氏)

Barkは「Simon Data」を利用して、2022年7月に顧客向けのSMSを開始しました。現在、テキストメッセージの受信をオプトインしているユーザーは17万5000人。Barkによれば、この人数は四半期ごとに平均35%ずつ増加しているそうです。

SMSを受信する人の数は堅調に増加している
SMSを受信する人の数は堅調に増加している

顧客がBarkのSMSに返信した場合はBarkの社員が対応します。カスタマーケアチームが直接やりとりをしています。(ワロガ氏)

SMSの登録者には、商品の在庫状況などのお知らせが届きます。そのなかには、発送前に「Bark Box」に追加できる限定おやつやフード用トッピング、おもちゃに関する案内も含まれています。

また、顧客はSMSを通じて、注文した商品の出荷確認やアカウントの更新なども通知で受けとることができます。また、顧客にはメキシコのお祝い「シンコ・デ・マヨ」や、毎年5月4日の「スター・ウォーズの日」など、タイムリーなメッセージも配信します。

最も顧客の反応が大きかったSMSテキストの1つは、顧客に「次の『Bark Box』に商品を追加できるのは、今から24時間以内」だと知らせた内容だったそうです。

アプリ経由の顧客エンゲージメントも

また、Barkはアプリを使って消費者とエンゲージすることに取り組んでいます。

Barkのアプリから直接、通知するというテストをしたいと思っています。顧客の大半は、スマホなどのデジタルデバイスでBarkのアプリを活用しています。(ワロガ氏)

デジタルマーケの中核はメール

ワロガ氏によると、Barkのサブスクリプションサービスを利用する顧客は通常、6か月または12か月のいずれかで購買期間を選択するそうです。Barkはデータを精査し、どの顧客が最も離脱の危険性が高いかを特定すると言います。

Barkを改めて想起させるために、離脱しそうな顧客に対してメールでのコミュニケーションを展開しています。(ワロガ氏)

このようなメールには、購入履歴やお気に入り商品も記載するそうです。また、パーソナライズしたメッセージの内容に加え、インセンティブを付けることもあります。「これにより、Barkは定期購入の更新率を好調に保つことができている」とワロガ氏は言います。

Barkのデジタルマーケティングツールの中核をなすのは、やはりEメールです。

Eメールは、顧客に向けたマーケティングテストの繰り返しを最も早く行うことができる方法の1つです。メールのため、告知するためのスペースにも少し余裕があります。しかし、販促チャネルとしてEメールだけが優れているわけではありません。(ワロガ氏)

きちんとパーソナライズされたコミュニケーションは、顧客のロイヤルティを高めます。Barkが試したテストのなかには、ロイヤルティの向上に焦点を当て、Barkのブランド価値を顧客に再認識させる狙いを持つものもありました。

「的を絞った、パーソナライズした会話を心がければ、顧客は反応を示してくれる」とワロガ氏は言います。

北米ECトップ1000社では、サブスク実施企業は減少傾向

米国のEC専門紙『Digital Commerce 360』発行の「北米EC事業 トップ1000社データベース」にランクインしている小売事業者のうち、2022年にサブスクリプションサービスを提供したのは5.6%でした。この数字は2021年の6.5%から減少しています。

ただし、この割合はカテゴリーによって異なります。トップ1000社のうち、食品・飲料小売カテゴリーの事業者は、36.1%が2022年にサブスクリプションモデルを導入。前年の27.8%から増加しています。

また、健康・美容カテゴリーの小売事業者は28%が2022年にサブスクリプションを導入。Barkのような専門小売事業者は10.1%でした。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

通販からECへ、10兆円の成長市場に。売上データとランキングで振り返る通販・EC市場の変遷

2 years 6ヶ月 ago
黎明期の80年代は1兆円に満たなかった通販市場はいまや10兆円規規模に成長している。過去40年間の売上高調査から、市場をけん引してきた事業者などこれまでの変遷をまとめた

通販新聞社が実施している「通販・通教売上高ランキング調査」の結果によると、「通販新聞」創刊時の1983年度に5743億円だった調査対象企業の合計売上高は22年度に10兆4535億円と10兆円台へと拡大している。40年間で18倍の規模まで伸びたことになる。

マス媒体やカタログでの販売を中心に成長を続けていた通販市場だが、2000年代に入りECが市場をけん引し始めると急成長し、さらに20年からはコロナ禍という特殊事情により一層の伸長を見せた。市場の成長を40年間におけるランキング調査からたどる。

過去40年間の通販売上高の推移
過去40年間の通販売上高の推移

1984年からスタート「通販売上高ランキング」

通販売上高ランキングは、84年1月発行の「通販新聞」新年特集号で上位60社を対象に初めて掲載。その後、参入企業の増加などからランキング企業数を増やし、11年以降の調査は上位300社まで拡大している。さらに生協の宅配、旅行や保険といった役務の通販を除くなど通販事業による実績だけを算出するようにし、回数を重ねるごとにより実態に即した通販の市場規模を捉えられるように調査を行っている。

【1983年度~】DINOSを筆頭に千趣会、ムトウ(現スクロール)、高島屋、ニッセンなどが初期の市場をけん引

83年度の第1回調査は、フジサンケイリビングサービス(現DINOS CORPORATION)が1位で、売上高は547億円。同社以外に千趣会やムトウ(現スクロール)、高島屋、ニッセン、三越、セシール、日本通信教育連盟、ハイセンス(現フェリシモ)なども上位30位入りし、以降、しばらく通販市場をけん引するプレイヤーが勢ぞろいした。

【1986年度~】セシール、ベネッセが次々とトップに躍進

86年度以降はセシールがトップを占めるようになる。同社の86年度の売上高は1038億円と、調査開始4年目で1000億円プレイヤーが誕生した。セシールは決算月を変更した89年度を除いて97年度まで1位の座を守った。

通販企業上位30社の合計売上高推移
通販企業上位30社の合計売上高推移

セシールが1位を続けた時期は、同社と共に千趣会、ベネッセコーポレーション、ニッセンでベスト4を形成する年度が多い。そして88年度以降しばらく1位を維持したのがベネッセで、同社は05年度に初の2000億円突破企業となった。

【2009年度~】ミレニアム・イヤーに参入、アマゾンジャパンが頭角を現す

08年度までの11年にわたり1位だったベネッセを追い抜き、09年度に1位となったのがアマゾンジャパン。ミレニアム・イヤーの00年に日本市場へ参入してから9年目でトップの座を獲得。以降、22年度まで1位を維持するアマゾンだが、07年度から22年度までの調査では増収率が1桁となったことがなく、2桁増収を続けている。売上高は17年度に1兆円を超え、21年度には2兆円を超えた。

売上上位10社と売上高

2011年と2019年の売上上位10社と売上高(推定値含む/単位:百万円)
※通販新聞社が2011年12月発表した「第57回通販・通教売上高ランキング」と、2019年7月発表の「第72回通販・通教売上高ランキング」をもとに編集部で作成し追加

コロナ禍で成長した企業は? リアル回帰、鍵は“顧客体験向上”

10年代はアマゾン一強という様相が強まったが、一方で20年、21年のコロナ禍にあった2年で同社以外に躍進した企業も見られる。ビックカメラは20年度に37.0%の増収、ヨドバシカメラが21年度に60.3%の増収など大幅に伸長した。

コロナに関しては5月8日に5類感染症に移行し、リアル回帰の動きが顕著になりつつある。22年度以降、コロナ特需の反動も見られようになっている。

一方で、コロナ禍を通じ通販・ECの利便性を享受した利用者は増え、利用層の裾野は確実に広がっているだけに、顧客体験を向上することなどが今後の市場成長には欠かせない

通販新聞 2021年ネット販売実施企業の売上高ランキング 上位30社
EC売上ランキング2022年版(ネット販売実施企業の売上高ランキング上位30社、画像は「【EC売上ランキング2022年版】1位はアマゾン、2位はヨドバシ、3位はZOZO」からネッ担編集部が追加)
通販新聞

「ChatGPT」など生成AIを活用・検討している企業は6割超。回答者から「新たに有益な相談役が加わった感覚」の声

2 years 6ヶ月 ago

帝国データバンクが実施した「ChatGPT」など生成AI(人工知能)の活用状況に関するアンケート調査によると、「自社の業務で活用している」「活用を検討する」と前向きに捉えている企業は6割超に達している。一方、4割弱は活用意向はあるものの、自社の業務での具体的な使い方や活用場面が想定できていない。

生成AIの活用状況
生成AIの活用状況

生成AIを「活用・検討」している企業は6割超

生成AIを「業務で活用している」と回答した企業の割合は9.1%。内訳は「利用に関する社内ルールあり」(1.2%)「社内ルール等はない」(7.8%)。

「業務での活用を検討」している企業は52.0%。内訳は「活用を具体的に検討していく」(14.2%)「現時点では活用イメージが湧かない」(37.8%)。

生成AIを「活用・検討」している企業の割合は6割を超えている。

生成AIの活用状況の詳細な内訳
生成AIの活用状況の詳細な内訳

「業務での活用を検討していない」企業は23.3%。内訳は「今後も活用するつもりはない」(17.7%)「業務での利用が認められていない」(5.6%)。「知らない」(4.3%)「わからない」(11.4%)という回答もあった。

「活用を検討しているが、現時点では活用イメージが湧かない」という企業の割合は4割弱。回答企業からは「業務とのつながりがイメージできない」「使用したいが、使い方がよくわからない。詳しい社員もいないのでしばらくは静観するしかない」といった声があった。

企業規模に比例して生成AI活用の割合が高まる

企業の規模別に見てみると、「業務で活用している」は「大企業」が13.1%、「中小企業」が8.5%、「小規模企業」が7.7%。

利用に関する社内ルールがある企業は、「大企業」は3.4%、「中小企業」は0.9%、「小規模企業」は0.4%。

「業務での活用を検討していない」という企業で、会社から業務での利用を認められていない企業でも、「大企業」(11.4%)が最も高く、「中小企業」(4.7%)「小規模企業」(4.3%)と続いた。

「情報漏えいリスクが懸念されており、グループ全体で使用禁止になっている」など、規模の大きい企業やグループを中心に利用ルールが定められているケースが多い一方で、利用を認められていないケースも少なくないようだ。

「企業規模別」業務で活用を検討している企業の生成AI活用ルールの有無(左)と、検討していない企業の生成AIを活用しない理由
「企業規模別」業務で活用を検討している企業の生成AI活用ルールの有無(左)と、検討していない企業の生成AIを活用しない理由

「活用あり」「活用したい」生成AIは「ChatGPT」がトップ

生成AIを活用・検討している企業に、「活用したことがある、または活用したい生成AI」について聞いたところ、「ChatGPT」などを含む「文章・コード生成AI(総合型)」(93.1%)が最多。「画像生成AI」(14.3%)「音声・音楽・動画生成AI」(7.4%)が続いた。

「活用したことがある」または「活用したい」生成AIの分類
「活用したことがある」または「活用したい」生成AIの分類

「文章・コード生成AI」を見ると、「ChatGPT」(87.9%)、「Bard」(27.2%)「Smartling」(4.7%)と続いた。

「文章・コード生成AI」のうち、「活用したことがある」または「活用したい」生成AI
「文章・コード生成AI」のうち、「活用したことがある」または「活用したい」生成AI

回答者からは「利用の制限はデメリット」「有益な人物が加わった感覚」などの声

アンケートに回答した企業からのコメントは次の通り(一部を抜粋)。

業務で活用している

  • 小規模な会社のため、ルールの策定はせずに対応できている。社内のアイデア出しやビジネスチャットにおける雑談相手、教育用途ではそのままの状態で十分実用になる。個人情報や非公開情報を入力しないなど一般的な注意事項を守れば、社内での利用を厳しく制限するのはデメリットの方が大きい (不動産)
  • アイデアに困ったときのヒントとして利用。社外秘情報や個人情報を含む質問は行わない(機械・器具卸売)
  • 自分が相談する人脈のなかに、新たに有益な人物が加わったという感覚(不動産)

業務での活用を検討している

  • 「ChatGPT」を試しに利用しているレベル。文書作成やアイデア出しのたたき台としては使えそうな感触を得ている(専門サービス)

  • まずは社内のFAQ的な部分から活用してみたい(金融)
  • 生成AIによってエンジニアをはじめとする社員の能力が低下するのではないかという懸念点がある(情報サービス)

業務での活用を検討していない

  • 生成AIで得た情報が正確なものであるか、公序良俗に反してはいないかなどを確認する必要があり、信頼できるレベルにはないと思っている(建設)

調査概要

  • 調査対象:有効回答企業数は1380社(インターネット調査)
  • 調査期間:2023年6月12日~15日
  • 調査機関:帝国データバンク
高野 真維

ムラサキスポーツのECサイト刷新のポイントは「OMO」。エンドレスアイル、店舗受け取りなど展開

2 years 6ヶ月 ago

ムラサキスポーツは6月23日、自社ECサイト「ムラサキスポーツオンラインストア」をリニューアルし、グランドオープンする。

ECサイトリニューアルのポイントはOMO。オンラインストアと全国展開している約150店舗をシームレスにつなぐことで、利用者の利便性と買い物体験の向上をめざす。

リニューアル後のECサイトでは、実店舗の在庫確認から店舗での商品取り置きをオンライン上で行えるようにするほか、オンラインで購入した商品の店舗受け取りを提供する。店舗での受け取り時には専門スタッフが商品を説明するという。店舗受け取りは送料無料。

直営店舗で消費者が求める商品の在庫切れ、サイズ・カラーバリエーションが欠品している場合、売り場に設置している接客用端末からECサイトで在庫を確認・注文できる「エンドレスアイル」を全店舗で導入する。

その他、店舗スタッフのスタイリング機能、ムラサキスポーツ契約選手のブログ機能、アクションスポーツアイテムを含め、アイテムページを並べて比較検討できる機能、サーフボードのカタログサイトや初心者には難しいサーフボードリッター計算機能など、商品購入以外のコンテンツを充実。アクションスポーツの総合サイトをめざす。

2023年秋には新機能の追加を予定している。

石居 岳

ゲスト購入者の利用2.6倍、新規購入金額1.5倍に拡大! ナラカミーチェジャパンが自社ECで成功した「Amazon Pay」の活用事例

2 years 6ヶ月 ago
自社ECの強化を進めるナラカミーチェジャパンが「Amazon Pay」を活用することで、売り上げ拡大だけでなく、ゲスト購入者の獲得、高単価商品の販売、会員登録の促進といったさまざまな成果を出している、具体的な取り組み事例を解説する
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高価格帯のシャツやブラウスを販売するナラカミーチェジャパンは、自社ECサイトの離脱率改善とコンバージョン率向上を目的にしたサイト改善で、ゲスト購入者の利用促進や新規会員獲得を実現した。この改善効果を引き出したのがAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」の活用だ。ここでは、ナラカミーチェジャパンの事業概要と、サイト改善を成功に導いた「Amazon Pay」の特徴を解説し、さらに、ナラカミーチェジャパンの末吉聖人氏(執行役員CSO販売本部本部長)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業部 カントリーマネージャー)による対談から、「Amazon Pay」の活用法や導入効果などを紹介する。

ナラカミーチェジャパンの末吉聖人氏(執行役員CSO販売本部本部長)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業部 カントリーマネージャー)による対談

自社ECとモールでMDを変えるEC戦略

RIZAPグループのナラカミーチェジャパンは、ビジネスシャツやブラウスを中心にイタリアから仕入れた衣料品を販売している。直営店や百貨店への出店など合計25店の実店舗を展開するほか、ECでは、自社EC、仮想モールへの出店など合計8店舗を運営している。現在のEC化率は30%台。

EC売上は、注力している自社ECがEC全体の約7割を占めており、残り3割がECモール売上。コロナ禍では自社EC売上が前年比40%増程度で増加したという。

ナラカミーチェジャパンは自社ECとECモールでMD戦略を変え、自社ECの強化につなげている。自社ECではイタリアの高価格帯のこだわりのアイテム、自社EC限定商品を展開する一方、ECモールではモールに適したアイテムを強化。価格競争力を重視して、アウトレット商品のラインアップも強化している。こうしたEC戦略で、それぞれ異なるニーズの顧客を獲得している

自社ECサイトの課題は決済時のページ遷移数

ナラカミーチェジャパンが自社ECサイトを運営する上で抱えていた課題は、決済時に商品をカートに入れてから画面を3回遷移しなければ決済が完了しないこと。これを2回に減らすことで購入時のストレスを減らし、離脱の抑制、コンバージョン率の向上につなげようと考えた。

「ページ遷移が増えると離脱率が高くなるだけでなく、サーバーの負荷も高くなります。移動数は絶対に減らした方がいい。そこは多くの企業が同じ考えを持っているはずです。カート内の遷移ページ数を減らすことで、売り上げと顧客体験が大きく変わると考えました」と語る末吉氏が、この課題を解決するために採用したアプローチが、Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」の導入だった。

ナラカミーチェジャパン 執行役員CSO 販売本部本部長 末吉聖人氏
ナラカミーチェジャパン 執行役員CSO 販売本部本部長 末吉聖人氏

「『Amazonアカウント』を使い自社ECサイトで買い物ができる」「住所や支払い情報の入力が不要」「『Amazonアカウント』へのログインと注文確定の数クリックで決済が完了する」――顧客の利便性向上につながり、決済までのページ移動数を減らすという目標も実現できる「Amazon Pay」の導入は、ナラカミーチェジャパンのECサイトが抱えていたさまざまな課題を解決していくことになる。

やはりページの遷移数が増えれば増えるほど、コンバージョン率が下がっていくのは間違いありません。「カート離脱率を改善したい」「CVRを高めたい」「顧客の利便性を向上したい」――。EC事業者が抱えるこのような課題を数クリックで決済が完了する「Amazon Pay」を、さまざまな事業者さまがマーケティングツールとして導入されています。(井野川氏)

アマゾンジャパン AmazonPay事業部 カントリーマネージャー 井野川拓也氏
アマゾンジャパン AmazonPay事業部 カントリーマネージャー 井野川拓也氏

「Amazon Pay」の特徴・強み

Amazonアカウントに登録した住所情報と支払い情報を利用して自社ECサイトで商品を購入ができるID決済サービス。「もはやマーケティングツール」とEC事業者が「Amazon Pay」を支持する機能や特徴は次の通り。

  • 支払い機能
    • Amazonアカウントを使って、Amazon以外のECサイトで買い物できる
    • 住所や支払い情報を入力せずに買い物できる
    • Amazonアカウントへのログインと注文確定の数クリックで決済が完了できる
    • 「Amazonギフトカード」や「あと払い(ペイディ)」を使って、クレジットカードがなくても支払い可能
    • 「Amazon Pay」も通常の与信保持期間は30日。再オーソリ機能を実装し、再度与信を取り直すことにより180日まで延ばすことができる。さらに180日を過ぎる商品を取り扱っている場合には別途設定によって最大13か月まで延長可能
    • 「Amazon Pay」では、不正利用防止の観点から、決済時に審査を実施。Dynamic Authorizationおよび非同期オーソリを利用することで、審査に時間を要する場合でも、注文機会ロスを最小限にできる
      ※単体での実装は不可。すでに「Amazon Pay」を導入済みの事業者を対象とする
  • セキュリティ
    • アカウントやクレジットカードの不正利用を24時間365日監視する不正検知システムを採用
    • Amazonアカウントへのログイン時に2段階認証を採用するなど厳格な情報管理を実施
    • チャージバックが発生した取引に関して、要件を満たしている場合に、事業者への入金額を保障する支払保証ポリシー。事業者向けの支払保証ポリシー(参照:https://pay.amazon.co.jp/help/201212410)と購入者向けのAmazon マーケットプレイス保証を用意している(参照:https://pay.amazon.co.jp/help/201751470?ld=APJPLPADirect
  • マーケティング効果
    • 「Amazonギフトカード」で支払うと、支払い額の最大1%を「Amazonギフトカード」で購入者に還元するプログラムを用意(還元額はAmazonが負担)
    • 商品をカゴに入れたまま購入していないユーザーに対してメールで再アプローチする際、メールの文面に「Amazon Pay」ボタンを配置し、「Amazon Pay」を利用しているユーザーであればそのまま直接購入できるメール型機能(メールによる再アプローチ機能)も実装可能
    • ECサイトで会員登録をせずに購入に進んだユーザーに対して、入力フォーム画面で「Amazon Pay」の利用を勧めるポップアップを表示する「Web接客型Amazon Pay
      ※「Web接客型」「支払い救済型」「メール型Amazon Pay」は単体での実装は不可。すでに「Amazon Pay」を導入済みの事業者を対象とする。また、「メール型Amazon Pay」は別途審査あり
  • 利用料金
    • 初期費用・月額費用・トランザクション料は不要で決済手数料のみのシンプルな価格体系
    • 決済手数料は3.9%。デジタル商材は4.5%

ナラカミーチェ末吉氏とAmazon井野川氏の対談~「Amazon Pay」でゲスト購入が増加

「Amazon Pay」導入で、ナラカミーチェジャパンの自社ECサイトはどのように変わっていったのか。末吉氏と井野川氏の対談から、ナラカミーチェジャパンが抱えていた課題を「Amazon Pay」がどのように解決していったのか、「6つの導入効果」の切り口で見ていく。

「Amazon Pay」を使う人はリピート購入しやすいという傾向が見えてきた

末吉氏:ナラカミーチェジャパンは2017年に「Amazon Pay」を導入しました。現在、自社ECの決済のうち「Amazon Pay」が利用されている割合は20%。クレジットカードに次いで2番目に利用される決済手段になっています。

井野川氏:「Amazon Pay」を導入している他の事業者さまも、20~30%程度の利用割合というところを多く聞きます。初めて購入するショップでも情報入力の手間が省けるので、新規顧客獲得に効果が期待できるという特長があります。会員登録する手間を省略できるので、ゲスト購入を選択するお客さまにも「Amazon Pay」は選ばれています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 実装位置前後の購入ページ 視認性向上
「Amazon Pay」実装位置改善後の購入ページ。「Amazon Pay」ボタンの視認性が上がり、ログインのしやすさにつながったと考えられる

末吉氏:ナラカミーチェジャパンの自社ECでは、ゲスト購入の利用が顕著です。2023年1~3月を見ると、ゲスト購入者が「Amazon Pay」を利用した件数は、前年同月比で1月は146%増、2月は273%増、3月は127%増で、1~3月累計では160%増で推移しました。

「新規購入」「リピート」「ゲスト購入」に分けて見ていますが、ゲスト購入のほか、「Amazon Pay」を使ったリピート数は1~3月で70%増、新規購入も同53%増でした。LTVも3か月間で同10%増と好調に推移しています。「新規購入」「ゲスト購入」に対する効果は想定していましたが、「Amazon Pay」を使う人はリピート購入しやすいという傾向が見えてきたのは驚きでした。

「Amazon Pay」経由の売り上げも好調に伸びています。2022年4~12月を見ると、「Amazon Pay」経由売上はすべての月で前年同月比プラス成長を達成しました。クレジットカードも前年実績を上回っていましたが、「Amazon Pay」はそれよりも高い伸び率を記録しています。

「Amazon Pay」導入効果①

  • 「Amazon Pay」を使って「新規購入」「ゲスト購入」する顧客が多い。また、「リピート」購入しやすいという傾向も見えてきた

高単価商品の購入も「Amazon Pay」で。利用者には60代の顧客も

末吉氏:「Amazon Pay」の利用者は顧客単価も高い傾向にあります。ナラカミーチェジャパンの商品は、たとえばブラウスだと2万円から2万円台後半の価格。そのような高価格商品も、お客さまは「Amazon Pay」で購入しています。

「Amazon Pay」利用者には60代のお客さまも多く、私たちが思っていた以上に「Amazon Pay」は幅広い年齢層で使われており、比較的高齢層にも決済に「Amazon Pay」が使われているのはうれしい発見でした。

井野川氏:自社ECサイトで買い物する際に「Amazon Pay」「Amazon」のマークが自社ECに掲載されていることでお客さまに安心感を与えることができ、商品が欲しいときに買いやすくなるのではないかという声は導入事業者さまから多く寄せられています。

「Amazon Pay」導入効果②

  • 高齢者の顧客が「Amazon Pay」を使って購入も。「Amazon Pay」「Amazon」のマークが安心感を与える
AmazonPay ナラカミーチェジャパン 対談 AmazonPay導入効果

直近の会員数は15%増。会員登録につながる仕組みとは

井野川氏:「Amazon Pay」を利用する事業者さまに評価いただいているポイントとして、ゲスト購入だけでなく、「そのままAmazonアカウントの情報を活用して会員登録にまでつながる」という点があります。注文確定画面に会員登録やメルマガ購読の登録ボタンを配置すれば、Amazonアカウントの情報を利用して新規会員登録を促進することができ、その結果、会員獲得数が伸びたというお声をいただいていますが、ナラカミーチェさまではいかがでしたか?

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 登録ボタン設置で新規会員登録を推進
注文確定画面で「会員登録する」「メルマガ」の登録ボタンを設置して新規会員登録を促進

末吉氏:「Amazon Pay」で注文を確定する際、お客さまの同意があれば顧客情報をマーケティングに活用できるのは、ありがたい機能です。その機能のおかげもあり、自社ECサイトにおける月次ベースの会員数は、直近では前年同月比15%増で伸長。2023年3月はセールを強化して広告費も投下したので、会員数の伸びがさらに高くなりました。「Amazon Pay」による決済金額を見ると、3月度は新規購入で前年同月比1.5倍を記録しています。

「Amazon Pay」導入効果③

  • 「Amazon Pay」を使った決済の注文確定画面に会員登録やメルマガ購読の登録ボタンを配置し、会員登録の増加に成功

「Amazonギフトカード」残高で決済すると購入額最大1%を「Amazonギフトカード」で還元

井野川氏:2021年から「Amazon Pay」では、「Amazonギフトカード」の残高で決済すると、購入額の最大1%を「Amazonギフトカード」で還元するプログラムを実施しています(還元率はAmazonプライム会員には1%、通常会員には0.5%)。事前登録などは必要なく自動的にギフトカード残高に還元する仕組みです。この還元プログラムの還元費用はすべて「Amazon Pay」が負担しており、販売事業者さまの負担はゼロの施策となっています。

末吉氏:「Amazonギフトカード」残高で支払いできるのはとても便利ですよね。「Amazonギフトカード」還元プログラムに関するバナーをご提供いただけるため、ナラカミーチェジャパンでは、過去に「Amazon Pay」を利用して購入した既存顧客を抽出し、「Amazonギフトカード」の残高を「Amazon Pay」での買い物時に使えることで、より利用しやすくなったことをアピールするような案内を送ったりしています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 バナーを自動的に更新 キャンペーンの訴求
バナーはAmazon側が自動で更新するため、バナー掲載に関する手間がなく最新のキャンペーンの訴求が可能に

「Amazon Pay」導入効果④

  • 「Amazon Pay」主催の還元プログラムがあり、事業者は費用負担ゼロで販促に活用することができる

不正取引対策に有効な「Amazon Pay」

末吉氏:2022年10月頃から不正注文が増加し、数百万円規模にのぼりました。ただ、10~11月時点では購入者の名前が明らかにおかしく、不正な注文であることが事前にわかったため防ぐことができました。しかし、12月に入ると実在しそうな人物の名前で不正注文が入るようになり、手口は巧妙化してきましたが、対策にかけるリソースと時間にも限界があるのが現実でした。

こうした状況下、世界水準のシステムで不正取引を検知し、事業者側の不正取引対策の手間やコスト、時間などを大幅に削減できる「Amazon Pay」を導入したことのメリットを感じることができました。「Amazon Pay」の決済の割合が増えたことにより、不正取引に関する確認作業などを軽減することができているんです。

井野川氏:Amazonにとって、セキュリティは最優先される事項で、大規模な投資を継続して行っています。クレジットカード決済に関する独自の不正検出ルールに加え、Amazonアカウントやカードの不正利用を24時間365日監視する世界水準の不正検知システムを採用しています。

グローバル化する不正取引に対しては、米国やヨーロッパ、インド、中国、南米などさまざまな国で事業を展開している強みを生かし、情報をいち早くキャッチして対応しています。また、「Amazon Pay」を利用すれば、セキュリティのメリットである、クレジットカード情報の非保持化を実現できます。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果

末吉氏:自社ECサイトにおける手の込んだ不正取引を1件1件確認していくことは非現実的なんです。世界水準のシステムで不正取引を検知する「Amazon Pay」の決済割合が増えていくと、チャージバックによる損失の軽減に役立てることができると感じています。また、購入者に対してはAmazonが購入者に対して保証している「Amazonマーケットプレイス保証※」の対象であることから、お客さまにとって安心・安全に買い物ができると思わせてくれる決済手段ですよね。

※「Amazonマーケットプレイス保証」とは、Amazonにおいて顧客に販売事業者の出品商品を安心して購入してもらうために、購入商品のコンディションや配送を保証するもので、一定の条件を満たす場合、配送料を含めた購入総額のうち、最大30万円まで保証を受けられる制度。「Amazon Pay」を利用した購入においても、同等の保証対象となる(ただし、一部の条件の場合は対象外となる)。

井野川氏:「Amazon Pay」で発生した不正取引には、Amazonが一定の条件のもとでお客さま、事業者さまそれぞれの損害を補填(ほてん)する仕組みがあります。Amazonアカウントから連携された配送先住所への取引であれば、万一チャージバックが発生した場合でも、必要な手続きを経ることで支払保証ポリシーの対象になり、事業者さまの取引リスクの軽減につながります。

「Amazon Pay」導入効果⑤

  • 「Amazon Pay」は世界水準のシステムで不正取引を検知するため、事業者側の不正取引に関する確認作業などを軽減できる
  • 「Amazon Pay」経由の注文は、クレジットカード情報の非保持化を実現できる
  • 「Amazon Pay」はAmazonマーケットプレイス保証の対象。「Amazon Pay」で発生したチャージバックは、Amazonが一定の条件のもとで事業者への対象取引の入金を保証する

Amazon Payの新バージョン「CV2」への移行がもたらしたさまざまな効果

井野川氏:以前のバージョンはウィジェットとして住所情報・クレジット情報をサイト内に埋め込む実装が必要でしたが、「Amazon Pay」の新バージョン「CV2」では、「Amazon Pay」が実装されている事業者さまのサイトでは、Amazon側で表示するページ上で「配送先住所」も、「支払い方法」を、確認(または変更)するという購入フローに統一されました。

また、「Amazon Pay」のUIに関するエラーメッセージも、統一した内容をご案内し、購入者の方がどのサイトで購入した際にも同じUXを提供しています。これらの結果として購入者の買いやすさにつながり、ひいては、事業者さまの売り上げをしっかりと担保できるようになります。

末吉氏:ナラカミーチェジャパンではすでにCV2への移行を終えました。以前は「Amazon Pay」ボタンのサイズは4種類からの選択でしたが、CV2では事業者側で自由にサイズの変更が可能になりました。以前はカート画面内の「Amazon Pay」決済ボタンを目立たせることができませんでしたが、CV2によって目立つ形で表示できるようになり、「Amazon Pay」の利用が大きく伸びた一因だと感じています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 CV2実装前の購入ページ
AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 CV2実装後の購入ページ
「Amazon Pay」実装前のナラカミーチェジャパンの自社ECサイトの購入ページ(上)と実装後のページ(下)。「Amazon Pay」ボタンの視認性が高まり利便性が向上

CV2移行に伴って、「Amazon Pay」利用促進につながるバナーを設置しました。このバナーは、Amazon側で表示されるコンテンツが管理されているので、新たなキャンペーンが開始されれば自動的にバナーも表示内容が切り替わるので運用の手間がないのも魅力的です。

また、「Amazon Pay」利用者に向けたメルマガも強化しました。メールの開封率は他のメルマガに比べてとても高い結果が出ています。今後もイベントやキャンペーンなどを展開する際には、メルマガを通じてしっかりと訴求し成果につなげていきたいと考えています。

「Amazon Pay」導入効果⑥

  • CV2実装により、UIの統一感が生まれ、顧客は直感的にわかりやすく・使いやすく・買いやすくなった
  • カート内に「Amazon Pay」利用促進を告知するバナーを実装。自動的に変わるため、運用に手間がかからない

新規顧客獲得や販売機会ロスの軽減をかなえる「再オーソリ機能」「Web接客機能」

井野川氏:CV2は再与信作業を自動で行う「再オーソリ機能」も備えています。再オーソリの期間は通常30日間ですが、ナラカミーチェジャパンさまが利用されているECプラットフォーム「ecbeing」では、「再オーソリ機能」を標準搭載しているので、注文から発送まで30日以上の期間がある予約商品でも「Amazon Pay」が利用できます。この機能によって、新規顧客の獲得や販売機会のロス・軽減などが期待できます。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 再オーソリ機能実装による与信期間延長のイメージ
再オーソリ機能実装による与信期間延長のイメージ

末吉氏:この機能が使えるようになったことで、予約注文の際に、お客さまが予約を取りやすくなるため、ナラカミーチェジャパンとしても先の売り上げを見通しやすくなるのは大きな利点になります。現在、「再オーソリ機能」の導入について検討しているところです。

井野川氏:このほか、「Amazon Pay」には「Web接客型Amazon Pay」という導入方法もご提案しています。たとえば、購入者が住所などの情報入力ページに遷移した際に、入力内容の多さから離脱しようとするのを防ぐために、ポップアップ画面でAmazonアカウントの情報を使って簡単にエントリーフォームを埋めて、すぐに購入ができる旨を伝える。これが「Web接客型Amazon Pay」です。

事業者さまのなかには、この機能を活用することで、2割から3割程度のお客さまの離脱を防げたという結果も出ています。「Amazon Pay」のさまざまな機能を組み合わせて、自社ECの事業成長に役立てていただきたいです。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 Web接客型「AmazonPay」のイメージ
Web接客型「Amazon Pay」のイメージ
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キヨハラサトル
吉田 浩章
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40 分 52 秒 ago
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