ネットショップ担当者フォーラム

ライダーが作る餃子、ECは「Amazon」と「楽天」の2強に、通販・ECの倒産件数増加――先週のECニュース【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

2 years 8ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年6月12日~6月18日のニュース

売れてくると「ネットで手軽に売ったほうが…」と考えがちですが、「マナブ餃子」さんは今までのつながりを重視して電話やショートメールでの注文のまま。自分がどこを重視するかで商売の方法は変わります。

買ってくれている人を優先に考えた素晴らしい商売

ホームページもカートもない!口コミのみで現役ライダーが作る餃子が年間数万個売れる大ヒットの理由とは? | コマースプラス
https://commerceplus.jp/watanebe/

渡辺 学さん
1997年にプロのモトクロス選手としてデビュー。2012年モトクロス選手を引退した後はエンデューロレースに転向し、歴代タイとなる5回のチャンピオンを獲得。現在も競技活動を続けながら、若手ライダーの指導やトレーニングに力を注ぐ傍ら、マナブ餃子として通販餃子の事業を開始。バイク業界では「食べるとタイムが1秒縮む」と知る人ぞ知る餃子と言われている。

モトクロス選手の記事かと思いきや「マナブ餃子」という餃子の通販の記事です。「食べるとタイムが1秒縮む」かどうかはわからないですが(笑)。

元々中華の料理人だった父から送ってもらった餃子で、選手時代に友人と餃子パーティーをしていたことを思い出したんです。私は小さい頃から当たり前に食べていた餃子ですが、餃子パーティーに参加した友人から、個別に餃子を送ってほしいという要望をもらっていたんです。

もし美味しいと言ってもらえて、ニーズがあるのであれば、商売になるかはわからないけど冷凍で全国配送もできる餃子屋をやってみようと始めたのがきっかけです。

きっかけはお父さんが作っていた餃子。「送ってほしい」と言われて、餃子なら冷凍で配送もできるので現実味を帯びたようです。と書くのは簡単ですが、「やってみよう」と思っても簡単に始められるものではないですよね。なんともいっても本職はライダーですから。

半年間ほど父の感覚をデータとして数値化し、一緒に試行錯誤をしていきました。1回で約600個の餃子を作るのですが、にんにく1グラム単位で調整するのですが、餃子600個に対しての1グラムなので、1つ当たりの餃子でみたら誤差ですよね(笑)

データ化して同じ味が再現できるように修行というか練習されたんですね。料理ができないときは正確な分量で味や作り方を覚えて、そこからは感覚…となりますし。

餃子は自分の味を作ることができるので、新車のバイクや車を売るのとは一味違いますよね。だからこそ、味にハマってくれたお客さんは買い続けてくれるし、ハマらなければ買ってくれないという構図も単純明快です。味があるものは、そこでしか食べれないし、欲しいと思ってくれたら送料がかかっても買ってくれる人がいるんです。

ここは商売の本質というか、売れているショップの皆さんは同じようなことをおっしゃいます。自社の商品にハマってくれれば続くので、そういった商品を作ることが大事だと。

最近はInstagramから新規で注文を頂く機会も増えましたが、基本は知り合い経由でショートメールや電話から注文をもらいます。
(中略)

お客さんの立場だと、ホームページを作って、クレジット払いに対応したり、問い合わせフォームから注文できる方が楽だし、注文数も増えると思うんです。
ただ、それが簡単っていう人と同じぐらい、めんどくさいと感じる人もいるんですよね。そういう人はショートメールで「いつも通り送って」と注文されたりもします。
(中略)

その場で住所を伝える方がお客さんも常連感に加えて、覚えててくれた嬉しさがあると思うんですよ。

受注方法はかなりアナログ。引用文にあるようにデジタルが苦手な人もいますので、そちらで対応できるのであれば問題ないかと思いますし、アナログ対応によって交流が始まってリピートしてくれるということもありますね。必ずしも「ネットだから楽」ということもないので、売り方は冷静に考えたいところです。

スーパーで200円10個入りの餃子が売ってる時代で、わざわざマナブ餃子を買ってくれる人に対して、餃子を100円に値上げをして大手Eコマースに出店することは手段と目的が逆転してしまうと感じるので、そうはしたくない想いが強いですね。

こちらもベースとなる考え方は同じですね。売上拡大をめざして値上げをして…という考えではなくて、あくまでも今買ってくれている人たちが先。経営方針というか考えがビシッと決まっているからブレないですし、その姿勢がお客さんを惹きつけているのかも。

通販といえども“基本は商売”ということを改めて思い出させてくれる記事でした。

今週の要チェック記事

【2023年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/84116

一部拠点を除いたデータで42万1369坪。東京ドーム28個ぐらい。これがAmazonを支えているんですね。

「石に擬態するダンボール」で置き配トラブル対策、288円から | BCN+R
https://www.bcnretail.com/market/detail/20230613_337274.html

かえって目立つかもしれませんが、こういったアイデアは面白いです。

「ChatGPT」をEC事業者はどう使う? 活用できるシーンとその効果+注意すべきポイント | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11024

カスタマーサポートには強力ですよね。使ってみましょう。

ECモール利用実態調査 人気はAmazon・楽天の2強 利用頻度「月に数回」1ヵ月の利用金額「1万円未満」が最多(Appliv TOPICS調べ) | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/36572

皆さんもこんな感じでは? 「au PAYマーケット」では男性比率が高いのが謎。

PayPayフリマ、イベントグッズやカプセルトイなどの“ランダムグッズ”を匿名で交換できる「グッズ交換機能」の提供を開始 “推し活”で広がるファン同士のグッズ交換を安全安心にサポート | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/36557

Twitterで頻繁に見かけますし、やり取りも煩雑になるのでこれはいいアイデア。

ラクマ、販売手数料を6.6%→10%に引き上げ ただし条件次第で4.5%も可能に | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/15/news162.html

合計販売回数か合計販売金額かによって手数料が変わります。使っている方はご確認を。

楽天の三木谷社長、「Rakuten Optimism 2023」で何を語る? 4年ぶりリアル開催! グループ最大級の体験イベント | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/ecnews/39395/

これは参加するとよさそうな。他の店舗の人と情報交換もできますしね。

通販・ECなどの「無店舗小売業」倒産件数が3年ぶり増加した理由とは?東京商工リサーチは「淘汰が始まった」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11058

これは想定していた流れでしょうか。こちら(https://netshop.impress.co.jp/node/11019)でお伝えしたように、カートサービス側も量から質にシフトしています。

「お試し」のつもりが、実際は「定期購入契約」だった…明記されていても見落とす人が多数 | 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230610-OYT1T50087/

本当に無くならないこの問題。どうにかならないでしょうか…。

今週の名言

ビル・ゲイツが「Amazonを使わなくなる」未来を予見!MicrosoftがChatGPTで世界覇権へ | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/324413

パーソナルエージェントを制する者が誰であろうと、それは大きな意味を持つ。なぜなら、あなたは二度と検索サイトには行かず、生産性向上サイトには行かず、アマゾンにも二度と行かなくなるだろうからだ

自分の思い通りに動いてくれる秘書というかお手伝いさんみたいなものが出てくるということです。確かにこれが出てきて、欲しいものや条件だけを伝えて買ってくれるのであれば、Amazonを使わなくなるかもしれませんね。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

この本をAmazonで購入
森野 誠之

売上アップに直結する「EC運用力」の向上に必要な13ポイント。SNS活用、ページ作り、CVR、客単価、バックオフィスの視点で解説 | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

2 years 8ヶ月 ago
EC運用力を高めるために必要な「SNS活用」「ページ作り」「客単価対策」「CVR対策」「バックオフィス」について14個のポイントを解説

EC事業が思うように伸びない原因の1つには「EC事業を成長させるための知識」が不足していることがあげられます。ECの成長に役立つテクノロジーとソリューションの進化に対し、「自社独自のECマーケティングノウハウ」の確立に至るまで「運営サイクル」を回し続けられない事業者も少なくありません。

前回のコラムでは全5回の4回目として「EC運用力」の大項目、「販売スケジュール作り」「商品企画」「集客・認知拡大・広告活用」の3つの中項目と10個の小項目について解説しました。今回は「EC運用力」の残り5つの中項目をご紹介します。

組織や人材の「運営力」
  1. EC事業成長のカギは組織の「運営力」。「EC組織力」向上させるポイントとは?
  2. EC事業の成長にはデジタルを活用したマーケティング力が必要。EC人材力向上の7つのポイントとは?
  3. なぜその商品・店舗が選ばれるのか? EC事業改善に役立つ市場調査とユーザーレビューの確認ポイントとは
  4. 「EC運用力」が身につく10のポイントとは? 発売日のスケジューリング、商品の縦・横展開、ページのABテストなどは押さえるべし!
  5. SNS活用で顧客とのエンゲージメント強化、回遊性を意識したデザイン、信頼性を示す――「EC運用力」向上に必要な13のポイント

全5回の記事では、筆者のECマーケティング人財育成(ECMJ)が手がけるコンサルティング、相談、講演・セミナーでの質問などから、EC事業の「運営サイクル」を強化するために必要な項目を洗い出した「EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート」をベースに、EC事業を伸ばす「組織力」「人材力」「運用力」を解説していきます(チェックシートの詳細はこちら)。このチェックシートは、「EC組織力」「EC人材力」「EC運用力」の大項目、14の中項目、そして41の小項目から成ります(2023年2月時点)。

「EC運用力」は成長するための基礎力

EC運用力は「販売スケジュール作り」「商品企画」「集客・認知拡大・広告活用」「SNS活用」「ページ作り」「客単価対策」「CVR対策」「バックオフィス」の8つの中項目から成ります。

EC運営は土台に「組織と人材」があってこそ成り立つもの。「EC組織力」「EC人材力」の土台が整っていることで、「EC運用力」が生み出す成果が大きく変わります。

EC運用力のチェックポイント
  • SNS活用
    • SNSを活用した定期的な情報発信を行い、お客さまとの接触頻度を上げているか
    • 自社のブランドについて発信してくれているフォロワー(ファン)を把握できているか
    • 定期的なリアルイベントを開催し、フォロワー(ファン)とのエンゲージメント強化ができているか
  • ページ作り
    • ヘッダー、フッター、サイドナビについて、売れ筋商品や関連商品への回遊性を意識してデザインしているか
    • 新商品紹介、「What‘s New」の更新、レビュー掲載など、店舗が動いている“ライブ感”を出しているか
    • スマホ版の商品ページでは、決済情報や配送情報といった店舗情報も網羅的に掲載できているか
  • 客単価対策
    • 「初めてセット」や「スターターパック」を企画し、間接的なまとめ買いを促進しているか
    • 商品購入における送料無料ラインを設定し、買い物カゴの客単価アップを促進しているか
  • CVR対策
    • 累計の販売実績や表彰・ランキング掲載など、お客さまに数値的な実績をページ上で提案しているか
    • 専門家の意見や調査データ結果をページ上で提案し、商品の付加価値を上げることができているか
    • 「正規取扱店」や「優良代理店」など、業界内での立ち位置や信頼性をお客さまに伝えているか
  • バックオフィス
    • カスタマーサポートに寄せられたお客さまの要望や改善項目を、漏れなくマーケティング定例会議で取り上げているか
    • 月1回、商品別の在庫金額データを作成し、在庫対策を検討・実施できているか

SNS活用①:SNSを活用した定期的な情報発信を行い、お客さまとの接触頻度を上げているか

インターネットに情報があふれているなかで、「お客さまの時間」をいかに押さえるかがポイント。SNSで定期的に情報を発信し、お客さまとの接触頻度を上げましょう。前日知った情報を今日にはすでに忘れている時代、継続的な刷り込みが大切です。

SNS活用②:自社のブランドについて発信してくれているフォロワー(ファン)を把握できているか

従来のマーケティングでは、ロイヤルカスタマーといえばショップでの購入回数や購入金額が多いお客さまを指していました。しかし、現在では「購入回数は多くないが、好意的な情報発信をしてくれるお客さま」をロイヤルカスタマーの条件に加えることが大切です。

SNS活用③:定期的なリアルイベントを開催し、フォロワー(ファン)とのエンゲージメント強化ができているか

SNS上のつながりをリアルのイベントでより強固なものにし、さらなるSNS上での交流につなげていく。これが現代のマーケティングの基本です。SNSでのつながりが強いお客さまにリアルの場を提供することで、ブランドへのエンゲージメントを強化することができます。

人材育成 EC運用力 SNS活用 ファンとのエンゲージメント強化 ユーザーとの接触頻度を上げる

ページ作り①:ヘッダー、フッター、サイドナビについて、売れ筋商品や関連商品への回遊性を意識してデザインしているか

ECサイトのヘッダー、フッター、サイドナビにはネットショップにより長く滞在してもらうための工夫が必要になります。売れ筋商品や関連商品の導線など、より良い回遊性を意識してサイトを設計しているかが大切です。

ページ作り②:新商品紹介、「What's New」の更新、レビュー掲載など、店舗が動いている“ライブ感”を出しているか

お客さまからはECサイトのスタッフさんたちが見えません。新商品の紹介や「What's New」の更新が滞ると、お客さまは店舗が動いていないように感じてしまいます。販売実績やレビュー掲載により「人が集まっていること」をお客さまに伝え、店舗が動いている“ライブ感”を感じてもらいましょう。

ページ作り③:スマホ版の商品ページでは、決済情報や配送情報といった店舗情報も網羅的に掲載できているか

10年以上前から、多くのECサイトはスマホからのアクセスの方がパソコンより多い状態です。しかし私たちはEC運営業務をパソコンで行っている、ここが盲点です。あくまでスマホを使うお客さまの視点でページを作れているかがポイントになります。

人材育成 EC運用力 ページ作り 商品への回遊性 ライブ感の演出 スマホページの制作

客単価対策①:「初めてセット」や「スターターパック」を企画し、間接的なまとめ買いを促進しているか

特に商品数が多いショップでは、不慣れなお客さまが「まず何を買えばいいのか」迷ってしまいます。「初めてセット」や「スターターパック」を企画・提案することで、もっとも自信のある商品にお客さまを誘導できるほか、間接的なまとめ買いによる客単価アップにもつながります。

客単価対策②:商品購入における送料無料ラインを設定し、買い物カゴの客単価アップを促進しているか

送料無料ラインはお客さまが「もう一品」を探す理由を作り出してくれます。もちろん、送料無料ラインの設定は利益との関係性で決められるべきですが、設定した場合、現状の客単価と送料無料ラインの「購入金額ギャップを埋める」商品を用意してください。

CVR対策①:累計の販売実績や表彰・ランキング掲載など、お客さまに数値的な実績をページ上で提案しているか

ネットの特性として、実店舗のような「人気(ひとけ)」を感じにくい・わかりにくい点があります。商品の販売実績や表彰履歴などをサイトに掲載することで、お客さまからの信用度を上げることができます。ECサイト、商品ページの両面で有効です。

CVR対策②:専門家の意見や調査データ結果をページ上で提案し、商品の付加価値を上げることができているか

自社発信のデータだけではなく、第三者である専門家の意見や調査データ(いわゆるエビデンス)を商品ページに掲載しましょう。商品の付加価値を上げることが、よりお客さまの購入意欲を刺激してくれるはずです。

CVR対策③:「正規取扱店」や「優良代理店」など、業界内での立ち位置や信頼性をお客さまに伝えているか

特に実店舗がある会社、長く事業を行っている会社に有効な手段が、「業界内での立ち位置」「信頼性」をECサイトでもお客さまに伝えることです。事業の「実体性」をアピールすることで、お客さまの購入ハードルを下げることができます。

バックオフィス①:カスタマーサポートに寄せられたお客さまの要望や改善項目を、漏れなくマーケティング定例会議で取り上げているか

「EC人材力」の項でもあげた通り、お客さまの定性データは次のマーケティングのヒントになります。カスタマーサポートに寄せられる小さな意見や質問が大きな改善施策につながる可能性もあります特に「●●(主にメディア名)で見たのですが……」といった声はマーケティング活動に大きなヒントを与えてくれるはずです。

バックオフィス②:月1回、商品別の在庫金額データを作成し、在庫対策を検討・実施できているか

EC事業成長の課題で切っても切り離せないのが在庫問題です。必ずルーチンとして月1回は商品別の在庫金額データを作成すること。在庫対策を検討・実施し、その成果を翌月の会議で必ず確認してください。定期的な倉庫見学(在庫の目視)も在庫を意識するために有効です。

人材育成 EC運用力 バックオフィス 在庫対策の検討・実施
◇◇◇

今回は「EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート」における「EC運用力」について13個のチェックポイントをご紹介しました。このシリーズは今回で最終回となります。ぜひECマーケティング人財育成のWebサイトから資料請求をしていただき、「自社の運営サイクルレベル」を図るために定期的な進捗をチェックしてみてください。

EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート

EC事業の「運営サイクル」を強化するために必要な項目を洗い出した「EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート」を提供しています。

EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート
石田 麻琴

ヤマト運輸が「メール便」「ネコポス」を順次終了。メール便・小型薄物荷物領域は配送を日本郵便に委託へ

2 years 8ヶ月 ago

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸は「ネコポス」「クロネコDM便」を順次終了する。終了後は、それぞれ新サービスへと刷新し、日本郵便に配送を委託する。ヤマト運輸が日本郵便に配送を委託するのは「メール便領域」「小型薄物荷物領域」。

日本郵便の配送網がヤマトの「メール便」「小型薄物荷物」をカバー

メール便領域

ヤマト運輸が展開している「クロネコDM便」(カタログやパンフレット、チラシを全国へ送ることができる投函サービス)を2024年1月31日に終了する。

その後、日本郵便の「ゆうメール」(1kgまでの冊子、商品カタログなど安い送料で届けることができるサービス)を活用した新サービス「クロネコゆうメール(仮称)」としてヤマト運輸で取り扱いを始める。

ヤマト運輸はクライアント企業などから荷物を預かり、日本郵便の引受地域区分局に差し出し、日本郵便の配送網で届けていく。

「クロネコゆうメール(仮称)」のオペレーションイメージ
「クロネコゆうメール(仮称)」のオペレーションイメージ

小型薄物荷物領域

ヤマト運輸が展開している「ネコポス」(小さな荷物を郵便受けに届けるサービス)は2023年10月から順次終了し、日本郵便の「ゆうパケット」(小さな荷物の発送に適した配送サービス)を活用した新サービス「クロネコゆうメール(仮称)」として取り扱いを始める。

ヤマト運輸がクライアント企業などから荷物を預かり、日本郵便の引受地域区分局に差し出し、日本郵便の配送網で届けていく。

ヤマト運輸および日本郵便は、2024年度末(2025年3月)をめどに、全ての地域で新サービスを利用できるようにする。

「クロネコゆうパケット(仮称)」のオペレーションイメージ
「クロネコゆうパケット(仮称)」のオペレーションイメージ

「2024年問題」を見据えた協業

今回の取り組みは、日本郵政グループとヤマトグループの協業の一環。6月19日に協業に関する基本合意書を締結した。物流業界の「2024年問題」を見据えた措置という。

「2024年問題」とは、運送会社は収入減少によるドライバーの離職や売上減、荷主企業は運賃値上げの可能性などが危惧される問題。働き方改革関連法の施行に伴う「時間外労働時間の上限規制」などが2024年4月から「自動車運転の業務」にも適用されることが要因となっている。

日本郵政グループとヤマトグループが発表した協業の内容は次の通り。

  • 両社の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図る
  • 相互のネットワークやリソースを共同で活用することで、物流業界が抱える以下のような社会課題の解決をめざす
    • 「2024年問題」の緩和への貢献
    • 環境問題(カーボンニュートラル)への貢献
高野 真維

DtoCブランド「ひなたライフ」が語る、Instagramフォロワー数60万人&創業3年で月商1億達成のカギとは

2 years 8ヶ月 ago
顧客が納得し「欲しい」と思えるコンテンツ作りに注力し、成長してきた「ひなたライフ」は、「visumo」でUGCをECサイトやアプリにも活用している。「ひなたライフ」の次の一手とは?
[AD]

DtoCブランドとしてインテリア雑貨の総合通販サイト「Hinata Life(ひなたライフ)」を2017年にスタートし、創業3年で月商1億円という急成長を遂げたひなたライフ。2023年1月時点でSNSフォロワーは60万人超、約1000人のインフルエンサーを抱えており、他社とは似て非なるインフルエンサーマーケティング戦略でビジネスを拡大している。

ひなたライフ代表取締役社長の江戸氏と、同社が導入するビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」を展開するvisumo取締役の井上氏が、コロナ禍でもビジネスを拡大させたソーシャルコマースのサクセスストーリーについて語った。

インテリア業界でDtoC事業を始めたきっかけ

江戸氏は2017年9月にひなたライフを設立、2018年1月にECサイト「Hinata Life」をオープンした。インテリア雑貨を中心に厳選されたメーカー商品やオリジナル商品を販売し、商品の価値訴求やライフスタイル提案を丁寧に行うことでファンを増やしている。

2022年1月に毎日放送(MBS)と資本提携し、同年2月からテレビ通販事業「カチモ」を新たに開始。現在は「Hinata Life」と「カチモ」を主軸に事業を展開している。

ひなたライフの2つの事業「Hinata Life」(左)と「カチモ」(右)
ひなたライフの2つの事業「Hinata Life」(左)と「カチモ」(右)

同社は早い段階からD2C事業を展開しているが、江戸氏はもともとアパレル業界のEC事業を手がけてきたキャリアを持つ。アパレルEC事業について江戸氏は「粗利が低く、流行り廃りが激しくサイクルの早い商材だったため、商売を成り立たせるのが正直難しかった」と話す。

インテリア雑貨市場の調査をしたところ、はやり廃りがそこまでなく、長く使えて長く販売できる商品が多かったので、1つひとつのコンテンツに魂を入れることができると感じた。アパレルで培ったノウハウをインテリア雑貨にシフトしていけば、うまくいくのではないかと思った。(江戸氏)

ひなたライフ 代表取締役社長 江戸英雅氏
ひなたライフ 代表取締役社長 江戸英雅氏

あえて値段の高い商品をラインアップする

現在の「Hinata Life」は、比較的高価格帯の商品を中心に扱っている。インテリア雑貨のなかでも、あえて値段の高い商品を選定・販売するねらいは何だろうか。

価格が安い消耗品はリピートされてよく売れるが、価格が低い分1人の顧客が購入する金額も安くなる。必要なものは価格競争に陥りやすいが、本当に欲しいものは高くても購入する。「必要」以上に「欲しい」というマインドで購入してもらえるような商品を揃え、コンテンツも作っている。(江戸氏)

価格が高めの商品でも、コンテンツで「そのモノの良さ」をきちんと見せることで、顧客に納得して購入してもらえる流れを作っているという。

ひなたライフの商品ラインアップ
ひなたライフの商品ラインアップ

メーカーとのコミュニケーションは「信頼してもらうこと」が重要

今では多数のメーカーとの取引があるひなたライフだが、事業開始当初は仕入れで苦労したという。

最初は「実店舗を持たない、インターネット上のEコマースだけで販売するところには商品を卸せない」と言われて、非常に衝撃を受けたのを覚えている。(江戸氏)

当時、インテリア業界のECはモール出店が中心で、価格を勝手に下げられてしまうこともあり、メーカーは「ブランドを毀損(きそん)される」というイメージを抱いていた。

そこで、「すべての商品において、独自のコンテンツで販売していく」という、他サイトとの差別化ポイントをきちんとメーカーに伝えていったところ、最初は断っていたメーカーも、「面白そうだから話を聞いてみたい」と商談が進むようになり、取り扱いが決まったという。

江戸氏はメーカーとの会話やコミュニケーションのなかで、売り上げや取引金額だけでなく、まずはとにかくコミュニケーションを密にして、信頼関係をきちんと作ることを大事にしてきたという。

まず取引してもらえるかどうかで言うと、自分たちのサイトに対する思いやコンセプトをきちんと理解していただくことは必要。作り手は商品に対するこだわりや確固たる思いがある一方で、「どうやって自分たちの商品を世に出すか」「もっと広めていけるか」に悩んでいるところもある。

商品を売るだけでなく「こんなやり方はどうか」といった提案を含め、双方向のコミュニケーションを取って、メーカーとの関係を築いてきた。(江戸氏)

広告なしでフォロワー数60万人になるまでの集客戦略

それまで特に広告を打ってこなかったひなたライフだが、Googleアナリティクスを見ると、Instagram経由のエンゲージメントが一番高かった。そのため、まずはInstagramに注力してみた。

SNSは、見る人にとって有益な情報をきちんとコンテンツとして作っていくことが大前提だ。その上で量と質を担保する運営をめざした。

ひなたライフのInstagramアカウントとインフルエンサー
ひなたライフのInstagramアカウントとインフルエンサー

当初はスタッフが1日1ポスト投稿し、サイトにも1日1商品をアップする、InstagramとECサイトを連動する形式でスタートした。

Instagram開設から3か月後にフォロワーが1000人まで増加したが、ポストし続けているだけではフォロワーを一気に増やすのは難しいと考え、インテリアのインフルエンサーによる自社商品のPRを試した。

最初は代理店経由でインフルエンサーを集めた。流入数もフォロワー数も増え、商品も購入されたが、なかなかコストが合わなかった。

「自分たちでもできるのではないか?」と思い、実際に自分たちでインテリアや暮らし系のインフルエンサーを検索し、約10人に直接DMを送って声をかけた。最初は1、2人がOKしてくれたら良いと思っていたが、予想外なことに8、9人から「面白そうなのでやってみたい」という回答をもらえた。(江戸氏)

承諾を得られたインフルエンサーに商品をギフティングし、Instagramに投稿してもらったところ、早速消費者からの反応があったという。その後「Hinata Life公式アンバサダー」という名称でインフルエンサーを30人に増やしたことで運営が軌道に乗り、月に1万人から1万5000人ほどフォロワーが増えるようになった。

2018年8月頃にはフォロワーが約5万人になり、Googleアナリティクス上でもInstagramからしっかりと集客できていることが確認できた

EC業界は黒字化させるまでに時間がかかると言われているが、設立から13か月目の2018年9月には自分たちで集客できるようになり、初めて単月黒字化を達成した。

当時は暮らし系のインフルエンサーは企業とのタイアップ・PRがほぼなかったと思う。しかし5年ほど経った現在ではフォロワーもPR・タイアップを見慣れてきているので、UGC的な考えでインフルエンサーや一般のお客さまがポストしてくれた素材をどう自分たちのサービスに展開していくかという、次のフェーズに移っている。(江戸氏)

現在は「visumo」を活用しUGCをECサイトやアプリにコンテンツ展開している。UGCをSNS上の拡散だけにとどめず、オウンドメディアで掲載することでコンテンツがより充実し、買い物をするときの接客にもつながる

また、掲載されることはユーザーとのエンゲージメントを高め、さらにUGCが生まれる好循環を生んでいる

SNS頼りにならない、顧客のコミュニティ化施策

ひなたライフは2020年に公式アプリをスタート。広告費をかけていないにもかかわらず、毎月1.5万人ペースで増えている。公式アプリを始めたのは、ファンときちんとコミュニケーションを取り、LTVを高めていく方向にシフトしたかったからだという。

Instagramのフォロワーは順調に増えていたが、やはりSNSやIT業界はスピードが早い。極端な話、昨日あったサービスが今日あるかわからない世界で、Instagramだけに頼るのは非常にリスクがあると感じていた。(江戸氏)

しかし、多くの消費者がスマホに何十個とアプリを入れているなかで、毎日使うアプリはおそらく数個。できる限り毎日使われるアプリにしたいと作り手は誰もが思うものの、正直、難しい。

アプリを使ってもらえるということは、一定のファンである可能性が非常に高い。自分たちがこれからやっていきたい新しいサービスを考えた時、アプリに主眼を置くことにした。

自分たちのアプリ上のプッシュ通知であれば、いくらでもパーソナライズしてコミュニケーションを取れるということが一番のメリット。アプリのプッシュ通知やトップページからの購入は通常のWebサイトからの購入よりも圧倒的にCVRが高い。(江戸氏)

ひなたライフの公式アプリ
ひなたライフの公式アプリ

リアルの接客をWebで超えるサイト運営をめざす

ひなたライフでは「リアルの接客をWebで超える」という目標を掲げている。同社のサイトやアプリでは、写真や動画を含めてコンテンツを作り込んでいる。

コロナ禍になる前はインテリア商品を実際に触って、質感や大きさを確かめたいというお客さまが多かった。

一方、リアルの接客は接客するスタッフによってどうしてもばらつきが出てしまう。これは恐らく、オフラインで一番の難点だと思う。(江戸氏)

オンラインであれば、商品に対するユーザーのメリット、どんな課題を解決できるのか、どんなシーンで利用できるかなどを徹底的に考えた上で、Webのコンテンツとして最大限表現することにより、接客レベルを保つことができる。

最大限のコンテンツであれば、最大限の接客を維持できる。まずはお客さまに納得してもらい、「欲しい」と思ってもらえるコンテンツを作っていきたいという思いで運営している。(江戸氏)

ひなたライフでは、コンテンツを制作する上でのガイドラインを設けている。まずコンテンツを制作する前に、スタッフが商品のことをよく知ることが大事だという。実際に商品を手に取って、その良さをしっかり知る。

そのなかで「お客さまにとってどんなメリットがあるか」「どんな課題を解決してくれる商品なのか」「どんなシーンで使えるのか」「何とセットにしたらおしゃれになるか」といったことを考え、コンテンツや構成の準備をする。それをもとにカメラマンやライターがコンテンツを作っていくという流れだ。

こうしたガイドラインがあるからこそ、ユーザーがサイトでショッピングを楽しんだり、購入したりするきっかけや動機が生まれていくのだろう。

メーカーが作った商品に魂を吹き込むような形で販売促進しているが、お客さまの理解と接客がきちんとできていることが大事。そういった差別化はできていると創業時から実感している。(江戸氏)

コンテンツにおいて写真はとても重要だが、インテリアはスタジオを使った撮影が難しい。そのため、ひなたライフではスタッフの自宅で撮影することが多いという。自宅をスタジオにしてスタッフがモデルになり、コンテンツを作っている。これは起業した時から変わらない運用スタイルで、創業当時は江戸氏の自宅で撮影していたそうだ。

自宅で撮影した写真を使用した商品ページ
自宅で撮影した写真を使用した商品ページ

インフルエンサーとの新たな施策「MUSE LINK」

2023年4月、ひなたライフは新たに「MUSE LINK(ミューズリンク)」というサービスを開始。「インフルエンサーがPR・タイアップではなく、フォロワーにおすすめしたい、本当にいいと思う商品を忖度(そんたく)なく出品できるプラットフォームになる」と江戸氏は話す。今までSNS上でよくある「この商品は素敵だけど、PRなのか本当のおすすめなのかわからない」といったことが排除されるということだ。

「MUSE LINK」インフルエンサー(Cast)の投稿
「MUSE LINK」インフルエンサー(Cast)の投稿

企業が商品を提案するよりも、お客さまやフォロワーとより近い目線を持つインフルエンサーが提案することで、親密感や信頼感がある。(江戸氏)

まずはインテリア系のインフルエンサー15名が参加し、それぞれの得意なカテゴリーでおすすめしたい商品、本当に使って良かった商品をサイトに登録してアップする。インフルエンサーとオリジナルアイテムの開発なども進めている。

ひなたライフとvisumoは、2022年10月頃からこの「MUSE LINK」の取り組みを開始した。「visumoの提供するインフルエンサーがECサイトに直接コンテンツを投稿できる機能がなかったらこの短期間で『MUSE LINK』の立ち上げができなかった」(江戸氏)という。

visumoの井上氏も「昨今、インターネットにおける情報の透明性が問われるなか、『MUSE LINK』は次なるソーシャルコマースの形であり、visumoとしても事業拡大に求められるサービス開発を続け支援していく」と語る。今後の新たな取り組みからも目が離せない。

visumo 取締役 井上 純氏
visumo 取締役 井上 純氏

ひなたライフが選んだvisumoとは

visumoはブランディングや商品訴求を強化するビジュアルデータを一元管理するビジュアルマーケティングプラットフォーム。導入実績は国内600社を超え、Instagram上のUGCを活用する機能やYouTubeなどの動画データをオウンドメディアで活用する機能、スタッフのリソースを活用してコンテンツ投稿を強化する機能など、事業者のWebサイトでのデジタル接客を強化するサービスを提供している。

  1. Instagram上のUGCや公式投稿、アンバサダー投稿などを活用する「visumo social
  2. ECサイトの動画コマースを推進する「visumo video
  3. アンバサダーやスタッフが投稿できる専用ツール「visumo snap
  4. ノーコードで商品ページを充実させる次世代CMS「visumo comment
[AD]
大村 マリ

広告に掲載ない商品の「アップセル」「クロスセル」、通販広告に必要な事項あれば通信販売に、表示がない場合は電話勧誘販売に | 【通販・EC関連の法改正】景品表示法・消費者契約法・特定商取引法の見直し動向

2 years 8ヶ月 ago
電話勧誘販売に該当する販売手法として、消費者から「電話をかけさせる方法」(電話注文を促す広告など)を政令で限定していたが、特定商取引法に関する法律施行令・施行規則改正でその範囲が拡大された

通販の電話受注における「アップセル」「クロスセル」の販売手法を規制する特定商取引法に関する法律施行令・施行規則改正が6月1日に施行された。

新聞、雑誌、ラジオ、テレビショッピング、ECといった広告を通じて注文する消費者に対して、電話受注においてそれらの広告媒体に掲載していない商品の購入を勧めると、電話勧誘販売規制の適用を受けるようになる。

消費者庁は、「特定商取引法ガイド」の「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」に改正法の解釈を追加(Q3)。たとえば、「1回のみのお届け商品の広告に、注記として『電話で定期購入の案内を行います』」「広告に注記として『電話で他の商品の案内を行う場合があります』」と記載した場合についても、通信販売の広告に必要な事項(特商法第11条で求められている事項)の表示がない場合、電話勧誘販売の規制対象になるとした。

消費者庁は、「特定商取引法ガイド」の「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」に改正法の解釈を追加
新たに追加されたQ&A(画像は「特定商取引法ガイド」からキャプチャ)

特商法11条で求めている広告に表示する事項は、販売価格、代金の支払時期や方法、契約の申し込みの撤回または解除に関する事項、申し込み位期間に関する定めがある時はその旨と内容など。

消費者庁は新たに追加した解釈について、「電話勧誘販売の例の1つとして『Q3』を設けた」(消費者庁 取引対策課)としている。

電話勧誘販売の規制対象になる場合、クーリング・オフの適用を受けることになる。また、契約書面などの交付も義務付けられる。なお、消費者の事前の承諾を条件に、書面(契約書面・申込書面・概要書面)の電子化(①電子メール等によって送信②事業者のWebサイトを利用③記録媒体を交付)を認める規定が、改正法で新たに新設されている。

瀧川 正実

売上6割増の実績、キャッシュフロー改善& 広告費を捻出できる「AD YELL」とは? EC業界のけん引役 石川氏と バンカブル社長が語る新たな事業拡大手法

2 years 8ヶ月 ago
「AD YELL(アドエール)」を展開するバンカブルの髙瀬大輔社長、EC業界で実績を上げ続けている石川森生氏(bydesign 取締役社長兼トレンダーズ 社外取締役など)の対談から、成長スピードを加速するための資金調達方法などのヒントをわかりやすくまとめた
[AD]

EC事業者やスタートアップには、宣伝広告で商品やサービスを広く告知し、まず認知を広めて新規顧客を集客することが事業を進めるうえで求められるが、そこに大きな壁が立ちはだかります。“キャッシュ”の課題です。手元資金が潤沢ではない場合、金融機関から広告宣伝費などの運転資金を借り入れできればいいが、実績がないと審査が通りにくい――。こんな悩みを解決するのが、広告費の4分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL(アドエール)」です。

提供元のバンカブル 髙瀬大輔社長と、EC業界で実績を上げ続けて、経営にも携わる石川森生氏(bydesign 取締役社長兼トレンダーズ 社外取締役など)のお二人の経験から、EC事業者が成長段階でぶつかる資金面の壁と、事業成長を加速するためのヒントをお伝えします。

バンカブル 髙瀬大輔社長と、EC業界で実績を上げ続けて、経営にも携わる石川森生氏(bydesign 取締役社長兼トレンダーズ 社外取締役など)

EC企業が最初のフェーズで 必ずぶつかる課題とは

成長のスピードを上げるには、広告宣伝やプロモーションにどれだけ資金を投下できるかが重要なポイントになります。しかし、初期の段階では足元の資金が乏しく、広告に先行投資できていない企業がほとんどです。(石川氏)

bydesign取締役社長兼トレンダーズ社外取締役などを務める石川森生氏
bydesign取締役社長兼トレンダーズ社外取締役などを務める石川森生氏

現在は総合通販大手DINOS CORPORATIONのCECOなども兼務し、これまでSBIナビ(現在はナビプラス)の発足、マガシークのEC責任者、製菓製パン向けECサイト「cotta」のTUKURU社長などベンチャー企業の立ち上げ、経営にも携わった石川氏はこう話す。

昨今、マーケティングの主流になってきているSNS活用では、一定数のコアなファンがいても早期に想定の売上ボリュームへ直結させるのは難しい状況だ。「スピード感を持って認知拡大を図り顧客数を増やすには広告宣伝が必須になります」(石川氏)

その広告費を調達するにはどうすればいいのだろうか? さまざまな資金調達の手段のなかで最も手堅いのは金融機関からの融資だが、広告費の調達を目的にした融資はハードルが高いことが難しいところだ。

調達した資金の使途が広告費の場合は「投資金額がすぐに収益につながらない」ことから、融資不可と判断されやすいのです。運良く借り入れや融資が受けられても、一般的な広告費の支払いサイクルを考えると、キャッシュフローの圧迫は避けられないでしょう。(バンカブル 髙瀬氏)

バンカブル代表取締役社長髙瀬大輔氏
バンカブル 代表取締役社長 髙瀬大輔氏

こう話す髙瀬氏が社長を務めるバンカブルでは、広告費の4分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL」を提供している。「AD YELL」を利用すると、金融機関からの既存借入枠を削ることなく、広告費をバンカブルで立て替え払いによってまかない、4分割での支払いによって、売り上げが立つまでにキャッシュアウトしてしまう懸念を軽減できるという。

「AD YELL」の特徴・メリット

広告費に特化した4分割・後払いサービス。広告宣伝費をバンカブルが立て替え払いをし、事業者は4回に分けてその立替金を支払う仕組み。企業情報や財務情報、広告出稿実績などをオンラインフォームに入力。独自の広告リターン予測モデリングを含む審査で問題がなければ、一定額の資金サポートを開始。

特徴① 広告費を4分割・後払い。 キャッシュフロー改善を支援

利用事業者は広告費100に対し、手数料3.0を加えた合計額である103を利用月の翌月から4か月間に分割して返済する仕組み。一括での支払いによる広告費の支出を抑え、支払いと並行して売り上げを立てる。初期投資を抑制、追加投資も可能に。

特徴② 資金調達より、手間なく広告費を確保

原則、決算書や財務諸表は必要なく審査はオンライン完結。最短3営業日で資金サポート開始
※審査内容によっては決算書のご提出や面談をお願いする場合もあり

特徴③ 借入枠はそのまま、広告費を立替可能

金融機関などからの借入枠を温存したまま、広告投資にアクセルを踏むことができる。

AD YELLの特徴とメリット
「AD YELL」の特徴とメリット

「AD YELL」活用後、 新規会員数が50%増加した事例も

「AD YELL」を利用している企業の利用前後での売上成長率の中央値は62.1%増。ここで、事業成長を遂げているベンナーズの事例を紹介する。

未利用魚(味には関係のない理由で市場に出回らない魚)を、ミールキットや加工品にして販売しているベンナーズ。VCの調達なども受けながら、未利用の魚を活用した商品のサブスクリプションサービスを展開している。

ビジネスモデル上、売り上げが立つ前に広告費が先に出て行ってしまうため、広告費を投資すればするだけ、常にキャッシュフローが圧迫される状況だ。

事業状況を踏まえ、「今」という広告投資をすべきと判断したタイミングを逃したくないことから「AD YELL」を利用。広告の出稿量を増やし、新規会員数が2023年2月時点で当初計画より50%増加した。

ベンナーズ フィシュル 未利用の魚を活用したサブスクリプションサービス
「AD YELL」導入で広告出稿を加速。客数が5割増加したベンナーズのECサイト「Fishlle!(フィシュル)」

石川氏と髙瀬社長の対談~ 企業の成長性を判断し支える 「AD YELL」の優位性とは

――多くのベンチャー企業に携わる石川氏から見て、成長期フェーズにある企業に「AD YELL」はどう映るのか。

石川氏:バンカブルさんは「AD YELL」を必要とする企業の事業理解が深い企業です。VCなどからの資金は人材や設備などビジネスの根幹部分に投じ、広告費は「AD YELL」で立て替えをする――というのをお勧めします。財布が2個になるイメージです。

既存の金融機関は、対象企業の成長性を判断できるまで積極的に融資をしません。バンカブルさんは既存の金融機関の判定基準より手前の成長シグナルをキャッチし、判断します。これは事業会社であるからこそ判断できる大きな強みだと思います。

次のシリーズへの成長に向かう上で広告費という成長資金を「まさに今」確保したい企業に向いていますね。「ユニットエコノミクスが成立していく過程の大事な時期に、アクセルを踏み込んで最短で走り抜けたい」という的確なタイミングで「AD YELL」は背中を押す役割を果たしていると感じます。

「AD YELL」ではどのくらいまでの金額をサポート可能にしているのでしょうか?

髙瀬氏:ミニマムだと月20万円という規模もありますが、月数千万円、1億円といった高額サポートも用意しています。決算情報だけに依存しない「AD YELL」独自の判断基準があるので、金融機関では融資されなくても、我々の審査基準では支援できるというケースもあります

ECスタートアップパッケージ「TUNA」と「AD YELL」が連携。 事業者との伴走を強固に

――バンカブルは、石川氏がファウンダーの一人として立ち上げた「Shopify」を活用したECのスタートアップパッケージ「TUNA」と連携。「AD YELL」と「TUNA」で、スタートアップのEC実施企業の事業拡大をサポートする体制を整えている。

髙瀬氏:「TUNA」は、ECビジネスへの新規参入・自社ECを始める企業さまに対して、ECの土台を“効率的に運用できる内容”でしっかりと構築。バンカブルは「AD YELL」を通じて資金繰りをサポートし、成長のアクセルを踏むお手伝いをします。「TUNA」と「AD YELL」の親和性は極めて高いと感じています。ECビジネスを始めようとする事業者さまには「TUNA」の利用をお勧めしたいです。

石川氏:経験豊富なECの専門家のノウハウを詰め込んで「TUNA」を作っています。「AD YELL」の利用段階になるまでにやっておくべきことは「TUNA」で解決できることが多いため、「AD YELL」とセットにすることで、成長速度のアップが期待できます。

TUNA 「Shopify」を活用したECスタートアップパッケージ AD YELLとも連携している
「Shopify」を活用したECのスタートアップパッケージ「TUNA」。「AD YELL」と提携したオプションサービスも用意している

すでに広告を打ってきた企業も含めて、「AD YELL」を使った売上成長率が62.1%増は驚異的な数字としか言いようがありません。

髙瀬氏:ドーンと広告を入れたことで、認知向上と新規顧客の集客が実現し、売り上げが伸びたというイメージ。成長戦略として一気に攻勢を掛けたいという時に「AD YELL」を利用するケースが多いです。

石川氏:私は、事業を運営・経営するなかでたくさんの苦労を経験し、落とし穴にはまってきました。後に続く人たちが同じ轍(てつ)を踏まなくて済むように、「TUNA」を通じてリスクを減らし、成長スピードを上げていく手伝いをしたいと思っています。「AD YELL」との連携はそのための新しい武器の一つになると確信しています。

髙瀬氏:ECビジネスはチャレンジャブルな世界ですが、そこを応援するサービスが「AD YELL」です。「TUNA」も含めて、思いを同じくする事業者さまと組み、チャレンジするEC事業者さま、スタートアップの皆さまと伴走してEC市場の健全な拡大に貢献していきたいと考えています。

デジタルホールディングス傘下のバンカブルが提供する広告費の分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL(アドエール)」
バンカブルの分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL(アドエール)」の詳細は画像をクリック
注意事項(こちらをクリックしてください)

■サポート手数料について

  • 付帯サービスであるクレジットカードまたは請求書払による広告額100に対し3.0(税込、広告額の分割払金とあわせて4分割または一括でのお支払い)
    ※ECカートシステム等とデータ連携を行う場合は、別途ストアのシステムを提供しているパートナー企業等に対し、データ連携費用が掛かることがございます

■専用クレジットカードについて

  • 月末締め、翌月より各27日口座振替(金融機関休業日は翌営業日)
  • 分割回数:4回(ショッピング分割手数料:なし)または一括 
  • 支払期間:4回払いの場合4か月、一括の場合1か月
  • 使途はご契約法人の事業用広告決済に限定させて頂きます。ADYELLをご契約中のみご利用可能です。 本クレジットは途中解約できません。 利用可能先媒体は、 Google(Youtube含)・Yahoo!・LINE ・Facebook(Instagram含)・Twitter・Tiktok・LinkedIn・CRITEO・INDEED・Apple Search Ads・Pinterest・Amazonとなりますが、 いずれにおいても決済可能であることを保証するものではありません
  • 主な分割返済の例:100万円を4回分割でご利用の場合は以下の通りです ※分割払手数料:0円 ※支払総額:1,000,000円(1,000,000円+0円) ※分割支払金:1,000,000円÷4=250,000円 (なお、分割支払金とあわせ、サポート手数料30,000円(税込)について、7,500円(税込)ずつ4回に分けてお支払い頂きます)
  • その他詳細については弊社ドメイン配下の規約およびサービスサイトをご参照ください

■立替払について

  • 広告月の月末締め翌月末に立替払、その翌月より各27日口座振替(金融機関休業日は翌営業日)
  • 分割回数:4回(ショッピング分割手数料:なし)または一括
  • 支払期間:4回払いの場合4か月、一括の場合1か月 (立替払日から起算)
  • 使途はご契約法人の事業用広告決済に限定させて頂きます。 ADYELL契約中のみご利用可能です。 原則として本クレジットの途中解約はできません。
  • 本立替払いの対象となる広告代理等契約がなくなった場合は、立替払の申込撤回されたものとみなします
  • 主な分割返済の例:100万円を4回分割でご利用の場合は以下の通りです ※分割払手数料:0円 ※支払総額:1,000,000円(1,000,000円+0円) ※分割支払金:1,000,000円÷4=250,000円 (なお、分割支払金とあわせ、サポート手数料30,000円(税込)について、7,500円(税込)ずつ4回に分けてお支払い頂きます)
  • こちらは立替払の標準的な条件例です、その他詳細については弊社ドメイン配下の規約およびサービスサイトをご参照ください
    ※上記すべて、2023年6月時点の情報となります
[AD]
小林 真由美

ヒマラヤのEC売上は150億円規模、小田新社長「ユニファイド・コマース化を推進していく」

2 years 8ヶ月 ago

ヒマラヤはEC事業の売上高が全体の4分の1を占めるまで成長していることを明らかにした。2022年8月期の売上高は589億1400万円だったことから、EC事業の売上高は約150億円に達していると推測される。

ヒマラヤは2022年8月期を初年度とする3か年の中期経営計画(中計)で、中計最終年度となる2024年8月期に、EC売上高200億円、EC化率25.0%をめざす方針を掲げている。なお、2021年8月期のEC売上高は126億円で、EC化率は20.6%。

中計達成、顧客満足度や企業価値の向上をめざすヒマラヤは、2023年6月実施の取締役会で、新たな代表取締役社長兼CEOの就任を内定した。新経営体制では、創業者として47年にわたってヒマラヤを牽引してきた現代表取締役会長兼社長の小森裕作氏が退任し、現社長室長兼販売本部長の小田学氏が新たに代表取締役社長兼CEOに昇格する。

11月29日実施予定の定時株主総会および取締役会での承認を得て正式に就任する。

2023年6月実施の取締役会で、新たな代表取締役社長兼CEOの就任を内定した。新経営体制では、創業者として47年にわたってヒマラヤを牽引してきた現代表取締役会長兼社長の小森裕作氏が退任し、現社長室長兼販売本部長の小田学氏が新たに代表取締役社長兼CEOに昇格する
社長に就任する予定の小田学氏

小田氏はこのほど、代表就任にあたりコメントを発表した。

創業以来「お客さま第一主義」を掲げるヒマラヤは、全国に広がる店舗網と成長を続けるEC事業を強みとしている。中期経営計画(2022年8月期~2024年8月期)の2年目である当期は、自社アプリのリリースを皮切りに、積極的にデジタル投資を推し進め、リアル店舗とEC事業の融合を加速させるステージに入っている。デジタル技術が世界を包み、オフラインの時間がほぼ存在しない現代社会においては、お客さまに、今以上に好きな時にお買い物を楽しんで頂ける環境作りが大切となる。そうした利便性をさらに高めるため、これからは、オンライン・オフラインの垣根なくお客さまのさまざまな情報を統合し、1人ひとりのお客さまに対してパーソナライズされたサービスや体験を提供する「ユニファイド・コマース化」を推進する。

石居 岳

マーケターも電話対応、顧客ニーズを商品&コンテンツに反映――「熊本馬刺しドットコム」に学ぶ、自社ECサイト成長のポイント | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

2 years 8ヶ月 ago
本場の新鮮な馬刺しを提供したいとスタートした「熊本馬刺しドットコム」。10年間で数億規模となった自社ECの取り組みと新たな成長戦略とは

馬刺し・馬肉の通販で年間売上No.1※を獲得するなど、食品ECで成功している利他フーズ(本社熊本県)。2012年の会社設立から10年で自社ECサイト「熊本馬刺しドットコム」の年間売上高を数億円規模まで伸ばした同社は、これまでどのような施策を打ってきたのでしょうか。「熊本馬刺しドットコム」のビジネスモデルや戦略について、食品通販事業部の田尻慶祐さんと山本綾さんにお話をうかがいました。※2020年度食用の馬刺し・馬肉の通信販売における年間売上高(東京商工リサーチ調べ)

今回のインタビューでは、商品開発や物流、新規顧客獲得の方法、デジタルマーケティングの施策、リピート促進の取り組み、ランディングページの作り方、ECプラットフォームの活用法などを詳しく紹介します。

馬刺し・馬肉の通販売上No.1を獲得するまでに、手間を惜しまず取り組んできたさまざまな施策は、食品ECを手がけている事業者はもちろんのこと、自社ECサイトの売り上げを伸ばしたい事業者必見です。

【このインタビューでは、以下の内容をうかがいました】

  • 馬刺しや馬肉の商品開発と品質管理の取り組み
  • 食品ECの在庫管理と物流の体制
  • 顧客のニーズを吸い上げるコールセンターの体制
  • 自社ECサイトのページ制作のノウハウ
  • 新規顧客を獲得するデジタルマーケティングの施策
  • リピーターを増やすCRMの取り組み
  • ランディングページのクリエイティブの成功事例
  • 売上アップにつながった「futureshop」の機能の活用法

【お話をうかがった方】

利他フーズ 食品通販事業部 部長の田尻慶祐さん(写真右)と、店舗運営チーム リーダーの山本綾さん(写真左)

【聞き手】

フューチャーショップ 取締役 セールス・マーケティング統括 安原貴之

「熊本馬刺しドットコム」とは?

「熊本馬刺しドットコム」は馬刺しや馬肉を中心に、あか牛、牛もつ鍋といった九州の食品を販売しているネットショップです。2012年の会社設立から10年間で、自社ECサイトの年間売上高を数億円規模まで伸ばしました。2020年度には「馬刺し・馬肉通信販売 年間売上No.1」(東京商工リサーチ調べ)を獲得しています。

馬刺し・馬肉のECサイト「熊本馬刺しドットコム」。2012年からECサイト構築プラットフォーム「futureshop」で運営している

2014年にはECモールでの販売も開始。現在は「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」などに出店しています。

自社ECサイトの売上高は通販事業全体の約6割。顧客のおよそ7割は自宅用の注文で、残り約3割はギフトの注文です。個人向けサイトとは別に、飲食店など法人を対象とした業務用ECサイトも運営しています。

食品通販事業部のメンバー(マーケター)は7人。自社ECサイトのチームが3人、ECモールのチームが2人、顧客対応の担当者が1人、そして田尻さんが部署全体を統括しています。

馬刺しの製造方法と鮮度を保つ物流

フューチャーショップ 安原貴之(以下、fs安原):本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。「熊本馬刺しドットコム」さんが「futureshop」を使い始めてから約10年間、自社ECサイトの売上を伸ばすために取り組んできた施策についてお話をお聞かせください。

利他フーズ 田尻慶祐部長(以下、田尻さん)わかりました。よろしくお願いします。

fs安原:まずは、利他フーズさんが馬刺しのECに参入した経緯をお聞かせいただけますか?

田尻さん:創業者である会長の倉崎が、県外で馬刺しを食べた際に、熊本県の馬刺しとの違いにショックを受けて、おいしい馬刺しを全国に届けたいと強く思ったことがきっかけです。

国内で流通している馬刺しのなかには、鮮度があまり良くないものもあるようです。熊本の食文化とも言える馬刺しが、「それほどおいしくないもの」として認知されてしまうのは、熊本県民としてあまりにも悲しい。そういった思いから、新鮮な馬刺しを全国の消費者に届けるために、「熊本馬刺しドットコム」を立ち上げたと聞いています。

fs安原倉崎会長はそれまで、馬刺し業界に携わっていたわけではないのですね。

田尻さんはい。倉崎は利他フーズを創業する以前にサプリメントなどのECを手がけていましたが、馬刺しを扱うのは初めてでした。熊本県内の牧場や屠畜場を回って仕入先を開拓し、冷凍物流のロジスティクスも構築しました。

fs安原:「熊本馬刺しドットコム」で販売している商品は、どのように仕入れているのでしょうか。

田尻さん:熊本県内の提携牧場から仕入れています。また、海外産の馬肉も一部取り扱っています。

fs安原:生ものをECサイトで販売するには、鮮度を保つために流通工程での品質管理が重要になりそうです。

田尻さん:おっしゃる通り、馬刺しは鮮度が命です。

新鮮な馬刺しをお届けするために、屠畜して即座に真空パックへと加工し、マイナス70度の冷風で急速冷凍した上で、冷凍倉庫で保管します。そして、ECサイトで注文が入り次第、冷凍便で出荷します。

需要予測に基づいて毎日必要な分量だけを屠畜し、馬肉の特徴を知り尽くした熟練の職人が、手さばきで丁寧に加工しています。

機械を使って馬肉を一度に大量に加工し、冷凍倉庫で長期間ストックしておけば効率的ですが、それでは新鮮な馬刺しをお客さまに食べていただくことはできません。

馬肉本来のおいしさを実感していただくために、手間やコストをかけてでも、鮮度には徹底的にこだわっています。

鮮度保持や品質管理の取り組みを詳しく紹介するページ「熊本馬刺しドットコムがお約束する5つのこだわり」を自社ECサイト内部に作成し、品質へのこだわりを顧客に伝えている

牧場と連携して在庫管理を徹底、「食品ロス削減推進会議」も毎週実施

fs安原:過剰在庫を防ぐことにも力を注いでいると聞きました。

田尻さん:「食品ロス削減推進会議」を毎週行い、在庫の残数や需要予測に基づいて生産計画を立てます。在庫回転率が下がっている商品があれば、その商品を優先的にECサイトで訴求するなど、生産部門と販売部門が連携して食品の廃棄を防いでいます。

過剰在庫を防ぐことは経営的に重要であるだけでなく、なにより馬の命をいただいているわけですから、食品の廃棄をできる限り減らしていくことは私たちにとって重要なテーマです。

利他フーズ 山本綾リーダー(以下、山本さん)フードロス削減の別の取り組みとして、馬肉を加工する際に出る端肉を使ったドッグフードを2016年に発売しました。ドッグフード専用のECサイト「健康いぬ生活」で販売しています。

馬肉を加工する際に出る端肉を使ったドッグフードを「健康いぬ生活」で販売している

マーケットインで開発した「50gパック」がヒット

fs安原:商品開発には、顧客のニーズや要望を反映しているそうですね。

田尻さん:はい。私たちは創業以来、お客さまの満足度を高めるために、まずはお客さまの気持ちを理解することを第一に考えてきました。商品開発にせよ、サービスを提供するにせよ、お客さまの視点に立つことを常に意識しています。

fs安原:顧客ニーズを反映して商品化した事例をお聞かせいただけますか?

田尻さん:たとえば、馬刺しを50gに小分けにして真空パックにした商品は、お客さまから寄せられた要望を反映して商品化しました。

実は馬刺し業界では、かつては最低100g単位でのパッキングが主流でした。100g以下の真空パックは製造に手間がかかりますし、形をそろえるために端肉が出てしまいコストがかさむためです。

ただ、100g単位では1度に食べきれないというお客さまもいらっしゃったんです。

せっかく新鮮な馬刺しをお届けしても、ご自宅で食べるときに鮮度が落ちてしまっては意味がありません。ですから、弊社は新鮮な馬刺しをお客さまに食べていただくことを優先し、コストをかけてでも50gパックを商品化しました。

fs安原:50gパックを商品化した結果、売れ行きはいかがでしたか?

田尻さん:おかげさまでヒット商品になりました。「お客さまの視点に立って商品を作るべきだ」という弊社の考えが間違っていなかったと確信できた出来事でした。

小分けの50gパックは顧客の声を反映して商品化し、ヒットにつながった(画像出典:「熊本馬刺しドットコム」

顧客からの問い合わせをECサイトのコンテンツにも反映

fs安原:顧客ニーズを把握するために、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

田尻さん:さまざまな取り組みがありますが、一例を挙げると、コールセンターを内製化し、お客さまから寄せられた問い合わせの内容から顧客ニーズを把握しています。

ちなみに、食品通販事業部のマーケター全員が交代で、お客さまからの電話に対応しています。マーケターの感性を研ぎ澄ますためには、お客さまの生の声を聞くことが重要だと考えているためです。

fs安原:お客さまの声を直接聞いて、それを商品開発に活かしているのですね。

田尻さん:はい。マーケットインの発想は、商品開発に限ったものではありません。ECサイトのコンテンツを作る際にも、お客さまから寄せられた意見や要望を参考にしています。

たとえば、馬刺しの食べ方について問い合わせが頻繁に寄せられたことを受け、おいしい食べ方をわかりやすく伝えるコンテンツをECサイトに追加しました。さらに、食べ方の説明書を商品に同梱しています。

自社ECサイトのコンテンツページで馬刺しの食べ方を解説している。さらに、食べ方の説明書を商品に同梱することで、商品本来の魅力を実感してもらえるようにしている

fs安原:お客さまの声を、ECサイトのページ改善にも活かしていると。

田尻さん:はい。お客さまから問い合わせが寄せられるということは、ECサイトのコンテンツが足りていない、もしくはわかりにくい可能性があります。コールセンターに届いた問い合わせや、ECサイトに書き込まれたレビューなどをもとに、お客さまの目線に立って商品開発やネットショップの改善に取り組むことは、創業以来大切にしているスタンスです。

自社ECサイトにおける新規顧客獲得の方法

fs安原:自社ECサイトの新規顧客を獲得するために、どのような施策を打っているのでしょうか。

山本さん:主に、馬刺しやもつ鍋などの「お試しセット」で新規顧客を獲得しています。

専用のランディングページ(LP)を制作し、リスティング広告やSNS広告などで集客した上で、ランディングページ最適化などを行いながらコンバージョン率(CVR)アップに取り組んでいます。

広告媒体はリスティング広告やSNS広告が中心ですが、以前はラジオCMや新聞広告を出稿していたこともあります。

fs安原:新規顧客のターゲット層の性別や年齢を教えていただけますか?

山本さん:自家消費のお客さまは40~50歳の男性がボリュームゾーンです。ご自宅でのお祝い事や、お酒のおつまみとして召し上がる方が比較的多いようです。

また、お中元やお歳暮などのシーズンになるとギフト用の注文が増えますので、ギフトを想定した広告やLPも展開しています。

fs安原:Web広告やSNS広告などの運用は、社内で行っているのでしょうか。

山本さん:広告運用は、グループ会社のRITAマーケティングパートナーズと連携して行っています。

弊社側で広告予算やKPIなどを設定し、それに合わせてLP制作や広告運用などの一部をRITAマーケティングパートナーズにお任せするという役割分担です。

グループ会社のRITAマーケティングパートナーズと連携してデジタル広告を運用している

新規獲得の成功事例は「LP専用サーバ」と「キャッチコピー」

fs安原:新規顧客獲得の成功事例をお聞かせいただけますか?

山本さん:LPをECサイトとは別のサーバで運用し、ECサイト側の影響を受けないように分離した結果、LPの表示スピードが上がって離脱や直帰が減り、CVRの向上につながりました

「futureshop」のオプション機能「CMSオプション」で借りたサーバにLPを設置しています。LPのドメインはECサイトと共通ですが、サーバを分けることで、ページの表示速度を高速化することに成功しました。

fs安原:「futureshop」の機能を上手く活用していただけて何よりです。

初回限定のお試しセットのランディングページ(スマホサイトのスクリーンショット)。LPのサーバをECサイトのサーバと別にすることで、LPの表示速度が上がり、CVR向上につながった

山本さん:最近の成功事例でもう1つ、もつ鍋のLPに「もう失敗しない」というキャッチコピーを入れたところ、CVRが向上しました。

おいしい牛もつを自信を持ってお届けするというニュアンスに加え、「熊本馬刺しドットコム」の牛もつは下処理の必要がないため、「調理でも失敗しない」というメリットを訴求したことが奏功しました。

fs安原:キャッチコピー1つで売り上げが伸びるのはECの醍醐味ですね。

山本さん:そうですね。また、新規獲得に限りませんが、「送料無料セット」を発売したことも販売件数の増加につながっています。以前は送料がかかっていた商品を送料無料に変更したところ、売上個数が大幅に増えてトータルでの収益向上につながりました。

F2転換とリピート率アップの成功事例

fs安原:新規のお客さまに2回目以降も買っていただくために、どのような施策を打っているのでしょうか。

田尻さん:ステップメール、クーポン、ダイレクトメール、かご落ちメール、ECサイトでのレコメンド、入荷のお知らせなど、さまざまな施策を打っています。飲食店さま向けには休眠顧客への架電も行うこともあります。

fs安原:リピート促進で成果が出た施策の事例をお聞かせいただけますか?

田尻さん:カゴ落ちメールはCVR向上に効果が出ています。弊社の場合、カゴ落ちの「3時間後」と「24時間後」にメールを送信すると特に効果が高いです。

カゴ落ちメールは「futureshop」の「カートリカバリー」を使っているのですが、さまざまな送信タイミングを試して、弊社にとっての最適なタイミングを見つけました。

山本さん:お客さまの購入状況に合わせたステップメールもF2転換に効果がありました。LINEアカウントに友だち登録したお客さまに対しては、LINE限定のお得な商品をご案内することもあります。

fs安原:カゴ落ちメールの送信タイミングをテストするなど、手間を惜しまずにPDCAサイクルを回していることが、「熊本馬刺しドットコム」の売り上げが伸びている理由の1つなのでしょうね。

「futureshop」のレポート・分析機能をデジタルマーケティングに活用

fs安原:デジタルマーケティングを行う際に、「futureshop」の機能は役に立っているでしょうか。

田尻さん:もちろん、大いに活用しています。先ほど例に挙げたカートリカバリーやレコメンド、入荷通知、LINE配信といった機能のほかにも、クーポンやレビューなどさまざまな機能を使っています。

山本さん:「futureshop」に最近追加された「レポート・分析機能」も、とても役に立っています。

たとえば、新規顧客の属性や地域分布、流入媒体などを分析することで、広告媒体の選定やクリエイティブ改善のヒントを見つけることができます。

田尻さん:「futureshop」に分析ツールが実装されたことは、本当にありがたいです。馬刺しのEC業界は近年、競合が増えており、ライバルとの競争に勝つにはコンテンツの精緻なセグメント配信が求められるようになりました。セグメント配信のベースとなるECサイトの分析は、これまで以上に重要になっています。

実は「futureshop」にレポート・分析機能が実装される以前に、分析ツールの導入を検討したことがあったんです。しかし、どれもオーバースペックでコストが合わず、また、ツールが増えることで管理が大変になるなど、課題もあって導入に踏み切ることができませんでした。

そういったなかで、「futureshop」にレポート・分析機能が実装されたことは大変ありがたかったです。

fs安原:田尻さんがおっしゃった通り、分析ツールを導入したくてもコストなどの問題で導入に踏み切れないという店舗さまの声は、以前から耳にしていました。

そういった課題を解決するために、店舗さまにとって使い勝手の良いレポート・分析機能を「futureshop」に実装したという経緯がありますので、ご満足いただけて大変嬉しいです。

山本さん:「fuureshop」にレポート・分析機能が実装されたことで、数字をもとに、ECサイトのどこを優先的に改善すべきなのか分析しやすくなりました。EC事業を限られた人数で運営していく上で、分析作業に多くのリソースを割くことは正直難しいです。そういった意味でも、重要な数値を簡単にチェックできるレポート・分析機能はとても役に立っています。

「futureshop」のセミナーや勉強会を人材育成に活用

田尻さん:フューチャーショップさんはマニュアルやサポートだけでなく、勉強会やセミナーも充実しているのが良いですよね。

「futureshop」の使い方について、私がメンバーに教えなくても、メンバーが自発的に勉強できる環境が整っているので助かっています。フューチャーショップさんのセミナーや勉強会などは、弊社の人材育成にも活用させていただいています。

fs安原:店舗さま向けのセミナーや勉強会など、EC担当者さんが自走できるようにサポートする取り組みは、弊社が昔から力入れてきたことの1つです。

売り上げを伸ばしている店舗さまに共通しているのは、必要な施策を自分たちで考え、手を動かしているということ。自社ECサイトの運営の一部を外部パートナーに委託することは、決して悪いことではありません。ただし、外部パートナーに丸投げするのではなく、自分たちで手を動かしてノウハウを溜めていくことが、持続的な成長には不可欠だと思います。

ECサイトの運営を内製化するには、ECそのものの知識を身につけるとともに、「futureshop」の使い方も熟知していただくことが重要です。

ですから、弊社は勉強会などを通じて「futureshop」の設定方法や機能の使い方をお伝えしてきました。「futureshop」を使うと何ができるのか。やりたいことを実現するには、どの機能を使えば良いのか。現場の方々に実践的な知見を身につけていただく機会を、今後も提供していきます。

自社ECサイトの成長戦略は「九州の食品を全国に発信」

fs安原:今後の戦略についてうかがいます。先ほど、馬刺しEC業界は競合が増えているというお話もありましたが、ライバルとの競争を勝ち抜き、自社ECサイトの売り上げをさらに伸ばしていくために、どのような成長戦略を描いているのでしょうか。

田尻さん:弊社は馬刺し・馬肉の専門店として、通販売上No.1を獲得することができました。これからは、馬刺し・馬肉にとどまらず、九州の他の食材も取り扱っていきたいと考えています。

すでにもつ鍋や、あか牛などを販売していますが、今後は海産物なども検討中です。九州には、おいしい食材がまだまだたくさんあります。それを私たちがECサイトで発信し、全国のお客さまに知っていただくことが、「熊本馬刺しドットコム」の成長にもつながると考えています。

fs安原:馬刺しや馬肉を軸に、九州の食品を扱うネットショップとして、さらなる飛躍が期待されますね。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

取材を終えて(「futureshop」編集部より)

「熊本馬刺しドットコム」の売り上げが伸びている背景には、顧客目線での商品開発と、10年間地道に続けてきたサービス改善の取り組みがありました。

お客さまの声を聞き、ニーズに応えること。そして、カゴ落ちメールの効果的な配信タイミングを把握するためにPDCAサイクルを回すなど、泥臭い施策にも手間を惜しまず取り組んできたことが、馬刺し・馬肉の通販売上No.1という大きな実績につながったのでしょう。

今回は食品ECの成功事例を詳しく紹介しました。食品ECを手がけている企業はもちろん、食品以外の企業にとっても、自社ECサイトを改善する際の参考になったのではないでしょうか。ぜひ皆さんが運営しているネットショップの売上アップに活かしてください。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

コマースメディア&ロジレス&クラダシが登壇するオフラインイベント「Shopify Plus Meetup」【7/6開催】

2 years 8ヶ月 ago

Shopifyは7月6日(木)、ECのバックオフィス業務にフォーカスしたオフラインイベント「Shopify Plus Meetup」を開催する。

▼「Shopify Plus Meetup」(7/6開催)

セミナー Shopify Plus Meetup オフラインセミナー 物流 コマースメディア ロジレス クラダシ

セミナーには、コマースメディアの井澤孝宏氏、受注管理システム(OMS/WMS)を提供するロジレスの足立直之氏が登壇し、運用事例を紹介する。

また、ゲストとしてクラダシの河村晃平氏を招き、「売上拡大機における運営の変化について」をテーマにしたパネルディスカッションを行う。

EC事業者、もしくはこれからEC事業を検討している企業のみ参加できる。

こんな方にオススメ

  • 「Shopify Plus」を検討しているマーチャント
  • 「Shopify」を利用していて、更に運用改善をしたいマーチャント

 

●セミナープログラム

  • 18:30~18:05 オープニング
  • 18:35~18:50 「Shopify Plus」の紹介
    (登壇者:徳満泰彰氏(Shopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長))
  • 18:50~19:10 ロジレス&コマースメディアの運用事例紹介
    (登壇者:足立直之氏(ロジレス CEO)、井澤孝宏氏(コマースメディア CEO) )
  • 19:10~19:50 パネルディスカッション:売上拡大機における運営の変化について(特別ゲスト:河村晃平氏(クラダシ 取締役執行役員CEO))
  • 19:50~20:00 質疑応答
  • 20:00~20:30 懇親会
  • 20:25~20:30 クロージング

開催概要

  • イベント名:Shopify Plus Meetup
  • 日時:7月6日(木)18:30~20:30
  • 会場:WeWork アイスバーグ(東京都渋谷区神宮前6-12-18 The Iceberg 1F)
  • 参加費:無料(事前申し込み必要)
  • 主催:Shopify
  • 詳細と申し込みhttps://shopify-logiless-commercemedia.splashthat.com/
藤田遥

ヨドバシカメラが「Makuake」発の商品をECサイト・実店舗で販売/日本郵便「ゆうパック」の基本運賃を平均約10%値上げ【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years 8ヶ月 ago
2023年6月9日~2023年6月15日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヨドバシカメラ、「Makuake」発の人気商品をECサイト・実店舗で販売

    マクアケと協業して実現した。ヨドバシカメラのユーザーは、ECサイトと実店舗を通じて、「Makuake」プロジェクト実行者の思いや商品開発のストーリーなどを把握した上で商品を購入できるようになる

    2023/6/13
  2. 日本郵便が「ゆうパック」の基本運賃を平均約10%値上げ

    「ゆうパック」運賃の改定率などが公表されたことで、日本郵便は法人向け単価の値上げ交渉に入ると見られる

    2023/6/12
  3. ホームセンターのDCM、通常配送と送料無料ラインを値上げ

    燃料価格、物価、人件費などのコスト上昇などに関連した宅配運賃や資材価格の高騰が理由

    2023/6/13
  4. 通販・ECなどの「無店舗小売業」倒産件数が3年ぶり増加した理由とは?東京商工リサーチは「淘汰が始まった」

    コロナ禍で身近な存在になった無店舗販売(EC、TVショッピング、産地直送など)で、市場の成長鈍化に伴い淘汰が始まったと、東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」は指摘している

    2023/6/14
     
  5. クレカの不正利用によるチャージバックを防ぐには? 最新の状況・データ、EC事業者に求められる今後の対策まとめ

    経産省のEC市場調査「電子商取引に関する市場調査」を担当したデジタルコマース総合研究所の本谷知彦氏が、EC業界を分析していきます。今回はクレジットカード決済の不正利用について【第1回】

    2023/6/14
     
  6. 【シニアのEC利用率】高齢世帯は2割超。65~74歳は約4割、75歳以上は25%

    新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった2020年に大きくネットショッピングの利用率が上昇。高齢者が世帯主の世帯では、2021年以降も利用率は上昇を続けている

    2023/6/15
     
  7. 対話型AIサービス「ChatGPT」の利用経験は1割。利用経験率が高い職業は「管理職」「経営者・役員」「学生」

    MMD研究所が実施した「ChatGPTに関する調査」によると、ほぼ毎日「ChatGPT」を利用する人の割合は23.7%

    2023/6/9
     
  8. 問い合わせを3割削減でCS業務効率化と顧客満足度の向上を実現したシェア買いアプリ「カウシェ」の改善施策

    「商品の追跡」「配送予定日の表示」「配送情報に関する通知」を行える専用ツールを導入。顧客接点の創造、顧客体験の向上を実現している

    2023/6/9
     
  9. 三井ショッピングパークのECモール「&mall」、UGCを軸にしたコミュニティ機能を搭載

    リアルなUGCの醸成、ファンとブランドが一体となるようなオンライン・オフラインを巻き込む独自のコミュニティを形成するとしている

    2023/6/9
     
  10. ディノスが“売れる”物作りを担うデザイナーの育成を目的に長岡造形大学と産学連携プロジェクト

    社会で即戦力として活躍できるプロダクトデザイナー人材を育成し、地域とつながり、未来につながる持続可能な物作りをめざす

    2023/6/12
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    キューサイが刷新する新しいメンバーシッププログラム「キューサイウェルエイジングクラブ」とは

    2 years 8ヶ月 ago

    キューサイはメンバーシッププログラムを7月1日に刷新する。会員ステージとポイント利用方法を改定する一方で、定期購入でのポイント還元率アップ、定期商品点数に応じたポイント還元などのサービスを6月末で終了する。

    メンバーシッププログラムの名称を7月に「キューサイウェルエイジングクラブ」へと変更。ステージ制度、ポイントサービスも刷新する。

    会員ステージは過去1年間の購入合計金額に応じて設定しているが、そのステージ判定の購入金額合計期間を2年間へ延長。「長く続けていただいているお客さまほど、よりステージが上がりやすくする」(キューサイ)

    また、上位の第5ステージ・VIPステージでは、ステージ更新を月1回から年1回へ変更。上位のステージを維持しやすくする。

    キューサイはメンバーシッププログラムを7月1日に刷新する。会員ステージとポイント利用方法を改定する一方で、定期購入でのポイント還元率アップ、定期商品点数に応じたポイント還元などのサービスを6月末で終了
    会員ステージの変更内容

    購入合計金額に応じて付与しているポイントについて、100ポイントずつの利用単位から1ポイント単位へと変える。

    キューサイはメンバーシッププログラムを7月1日に刷新する。会員ステージとポイント利用方法を改定する一方で、定期購入でのポイント還元率アップ、定期商品点数に応じたポイント還元などのサービスを6月末で終了
    ポイント制度の変更内容

    一方で、定期購入でのポイント還元率アップ、定期商品点数に応じたポイント還元、実購入期間6か月までのステージ維持(定期コースの休みなど)は6月末で終了。ポイント交換商品カタログでの商品交換は2023年8月末にサービス提供をやめる。

    瀧川 正実

    自社ECとアフィリエイトで広告のサプリに効果なし、No.1表示で景表法違反(優良誤認)。ペット用品EC会社に措置命令の内容とは

    2 years 8ヶ月 ago

    ペット用サプリメント「アイズワン」が白内障治療に効果があると誤認させる表示で販売したとして消費者庁は6月14日、販売元のバウムクーヘンに対し、景品表示法に違反(優良誤認)したとして措置命令を行った。

    バウムクーヘンは自社ECサイトで、目が白濁している犬のイラストと共に商品の容器包装の画像に加え、「クリアで綺麗な 透き通った気分に!」など商品を犬に摂取させると白濁した瞳が改善する効果が得られるかのような広告を表示していた。

    ペット用サプリメント「アイズワン」が白内障治療に効果があると誤認させる表示で販売したとして消費者庁は6月14日、販売元のバウムクーヘンに対し、景品表示法に違反(優良誤認)したとして措置命令を行った
    広告表示の例

    また、自社ECサイトでは、「皆様に選ばれて7冠達成!」「No.1日本トレンドリサーチ初めてでも安心の愛犬のアイケアサプリ」「No.1 日本トレンドリサーチ 愛犬のアイケアサプリ口コミ人気」などと広告を掲載。「品質満足度」「口コミ人気」「友人にすすめたい」など7項目において、1位を獲得した商品のように標ぼうした。

    ただ、このNo.1表示については、会員全員を対象に行われたもので、客観的な調査方法で調査したものではなかったと消費者庁は判断。合理的な根拠を示すものであるとは認めないとした。

    アフィリエイトサイトの広告表示も問題視した。アフィリエイトサイト「愛犬と満喫ライフ」では、「アイズワンを使い始めて目の濁りが少なくなった」「獣医さんから目が良くなっていると褒められた」「目が濁り出してから散歩を嫌がっていた愛犬が散歩に行くようになった」「私が白内 障のワンちゃんにオススメしているのはアイズワンです」などと掲載。商品を犬に摂取させることで白内障が治る効果が得られるかのような表示をした。

    バウムクーヘンは今回の件について次のようにコメントしている。

    販売する健康補助食品である「アイズワン」のウェブサイトの一部広告表示において、お客さまをはじめとする関係者の皆様にご迷惑をおかけする事態になりましたことを、心より深くお詫び申し上げます。今後は本件を真摯に受け止め、再発防止に向けて景品表示法など関係する法令についての教育を徹底するとともに、広告などのガイドラインの見直しおよびチェック・管理体制の強化を行ってまいります。

    ペット用サプリメント「アイズワン」が白内障治療に効果があると誤認させる表示で販売したとして消費者庁は6月14日、販売元のバウムクーヘンに対し、景品表示法に違反(優良誤認)したとして措置命令を行った
    バウムクーヘンのお知らせ(画像は編集部がWebサイトからキャプチャ)

     

    景品表示法とは?

    不当表示や不当景品から消費者の利益を保護するための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」。景品表示法は、商品・サービスの品質、内容、価格などを偽って表示を行うことを規制。また、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限している。

    不当表示は大きく分けて3つの種類がある。

    • 優良誤認表示(商品・サービスの品質、規格、その他の内容についての不当表示)
    • 有利誤認表示(商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示)
    • その他 誤認される恐れのある表示(一般消費者に誤認される恐れがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示)

    バウムクーヘンのケースは優良誤認に該当。商品・サービス品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、主張する内容が客観的に実証されていない「No.1」表示などの比較広告によって一般消費者に誤認を与えるような行為が優良誤認表示に当たる。

    消費者庁では、各種資料をまとめた景品表示法用コーナー、「不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック」(PDFが開きます)などで、景品表示法に関するさまざまな情報を提供している。

    石居 岳

    アスクルがSNSキャンペーン「もらうだけで地球に貢献!サステナブルBOXプレゼント第1弾」を開始

    2 years 8ヶ月 ago

    アスクルは6月14日から、SNSキャンペーン「もらうだけで地球に貢献!サステナブルBOXプレゼント第1弾」を開始した。

    わけあり商品のセットを抽選でプレゼント

    「もらうだけで地球に貢献!サステナブルBOXプレゼント第1弾」は、ASKUL公式Twitterにおいて実施する、環境月間に合わせたキャンペーン企画。6月14日から7日間限定で行う。

    「ASKUL」のサイトでは、外装箱の一部に汚れ、凹み、傷などが生じた商品や、賞味期限までの日数が短い商品などを「わけあり商品」として販売している。キャンペーンでは、「わけあり商品」のなかからオリジナル商品(飲料以外の食品は対象外)を詰め合わせたものを抽選で5人にプレゼントする。

    アスクル ASKUL サステナブルBOXプレゼント キャンペーン わけあり商品
    アスクルがSNSで実施するキャンペーン「もらうだけで地球に貢献!サステナブルBOXプレゼント第1弾」

    キャンペーン期間、参加方法は次の通り。

    実施期間

    • 2023年6月14日(水) 12時00分~ 6月21日(水) 23時59分

    参加方法

    • 「ASKUL」の公式twitterアカウント(@askul_com)をフォローする
    • キャンペーン投稿をオリジナルハッシュタグをつけて引用リツイートする

    プレゼント商品、商品の状態

    • サステナブルBOX(オリジナル商品詰め合わせ)

    以下のいずれかまたは複数に該当する未使用品。

    1. アスクル倉庫での取扱時に、外装箱の一部に汚れ、凹み、傷などが生じた商品
    2. ユーザー都合などによりアスクルに返品された商品で、外装箱の一部に汚れ、凹み、傷などが生じた商品
    3. 賞味期限までの日数が短い商品(賞味期限は商品ごとに記載)

    アスクルは、「キャンペーンを通じて、商品の廃棄削減やフードロス削減のアクションにつながるアスクルの『わけあり商品』について、“もっとお客さまに知っていただきたい”という想いから実施する」とコメントした。

    アスクル ASKUL サステナブルBOXプレゼント キャンペーン わけあり商品
    「ASKUL」で販売しているわけあり商品の一例(画像は「ASKUL」サイトからキャプチャ)
    藤田遥

    配送コストを削減する方法は? 米国のデータや企業事例に学ぶ送料無料の実態&改善アプローチ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    2 years 8ヶ月 ago
    送料無料は消費者にとって魅力的ですが、小売事業者にとってはコストの捻出に悩むところです。アウトソーシング、配送コストの効率化、倉庫そのものの改善など、各社の取り組み事例を紹介します

    送料をEC事業者側が負担する「送料無料」は、オンライン通販利用者のニーズが高いサービスです。一方、配送料の高騰や収益性確保の観点から、事業者にとっては、送料無料はコストのやりくりに苦労するポイントです。送料無料を求める消費者のニーズに応えつつ、物流コストを少しでも抑えるために、各社はさまざまな施策を講じています。米国の小売事業者の、物流コスト削減の取り組みや成功事例を解説します。

    送料の高騰、直面する配送コスト削減の課題

    小売事業者は送料無料のニーズに応えるため、パッケージの変更、配送業者との交渉、配送スケジュールの変更、フルフィルメントのサードパーティー・ロジスティクス(3PL)への委託など、より収益性の高い配送方法を模索する必要があります。 

    送料は無料ではありません。誰かが送料を負担しているのです。多くの場合、送料を負担しているのは小売事業者です。米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が発行した「北米EC事業 トップ1000社データベース」によると、77.2%の小売事業者が、最低購入金額の設定などを条件に送料を事業者側で負担しています。

    その理由は単純です。小売事業者は、「送料無料」を求める消費者のニーズを満たそうとしているからです。

    しかし、コロナ禍とそれに続くサプライチェーンの危機で、小売企業は送料無料を提供することがいかにコストがかかることかを痛感。燃料費が高騰し、倉庫のスペースや配送ドライバーの確保も難しくなっています。こうした要因が配送料の高騰にもつながっているのです。

    このような場合、多くの事業者は配送コストを減らすことに目を向けますが、具体的にはどのようにすれば削減できるのかという問題に直面します。

    サードパーティやマーケットプレイスに配送を委託すべきなのでしょうか? それとも、配送を自社で行うことにメリットがあるのでしょうか? 出荷スケジュールや梱包の種類を変えることで、コストに違いが出るのでしょうか? 配送業者と交渉する余地はあるのでしょうか?

    コスト削減策① 米国流のアプローチでコストカット+配送効率化

    軽量な素材を使い、余分なスペースを設けず、効率的に箱詰めする

    そんな課題に答える方法の1つが、物流のエキスパートを雇うことです。それが米国の小売事業者Steeped, Inc.のやり方でした。Steeped, Inc.は、袋ごと堆肥化できるコーヒーバッグ「Steeped Coffee」を販売する企業です。

    Steeped, Inc.が消費者向けに直販サイトを運営するベンチャー企業だったころは、自社によるフルフィルメントで十分でした。しかし、2022年までには、米国の食品スーパーマーケットチェーンWhole Foods、Targetなどをクライアントとする卸売業、米国のAirbnb, Inc.が運営する宿泊サービス「Airbnb」のホスト、その他のホスピタリティプロバイダー向けのBtoBサービス、Amazonマーケットプレイスでの店舗運営、Shopifyによる消費者への直接販売事業も行うまでに拡大しました。

    Steeped, Inc.が販売するコーヒーバッグ「Steeped Coffee」(画像はSteeped, Inc.からの公式通販サイトから編集部がキャプチャ)
    Steeped, Inc.が販売するコーヒーバッグ「Steeped Coffee」(画像はSteeped, Inc.からの公式通販サイトから編集部がキャプチャ)

    そんな事業拡大中の2022年7月にオペレーション担当副社長として入社したのがウェイド・ウィッカス氏でした。

    直販と卸売の配送が複雑に絡み合うようになった時期に、ウィッカス氏は自身のポッドキャスト「Supply Chain Secret Sauce」で、「複雑さや顧客構成にかかわらず、コスト削減へのアプローチはほぼ同じである」と物流改善のアドバイスを提言していました。

    そして、『Digital Commerce 360』の取材に対しては「まずは基本から始めるべき」と話します。

    私が注目するのは、商品の梱包だけでなく、発送するときに使う箱です。パッケージの重量に対する占有面積を測る「DIM重量」を減らすことができれば、送料無料企画の実施など、価格戦略の観点からも有利になります。(ウィッカス氏)

    米国の貨物運送事業者UPS、FedEx、米国郵便公社はいずれも、DIM重量と荷物の実重量を比較し、どちらか高い方を小売事業者に請求します。そのため、軽量な素材を使い、余分なスペースを設けず、できるだけ効率的に箱詰めすることが、一般的に輸送コストの削減につながります。

    トラック運送会社に荷物を預ける「ゾーンスキッピング」の活用

    配送業者の料金は荷物を運ぶ地域によって異なります。

    発送するときの箱を最適化することが第一。その後、配送料金を最適化する必要があります。通常、配送料金は特定の地域、サービス、配送方法に対して設定されているからです。(ウィッカス氏)

    物量が多い事業者は、同じ地域に向かう荷物がトラック1台分になるまで、小売事業者がトラック運送会社に荷物を預けておく「Zone-Skipping(ゾーンスキッピング)」を活用することでレートを最適化できます

    「ゾーンスキッピング」で小売事業者が荷物を預けたトラックは、運送会社の地域別仕分けセンターを迂回しながら長距離移動します。トラックが目的地の「ゾーン」に到着すると、荷物は降ろされ、ラストマイル配送のために仕分けされます。その結果、荷物1個あたりの輸送コストを下げることができるのです。

    ウィッカス氏は、自社の荷物の何割がゾーンスキッピングを利用しているのか、また、ゾーンスキッピングを利用することでどれだけのコスト削減ができるのかについて詳細を明かしていません。

    しかし、すべての小売事業者に対して、利用可能なオプションについて配送事業者と話し合うことを強く勧めています。

    割引サービスの積極的な利用

    ウィッカス氏は「配送業者と話し合うことが、送料を下げる最も簡単な方法であることが多い」と指摘します。ただ、大手配送会社はEコマース向けの出荷に割引価格を提供しているものの、すべての配送業者が割引価格での配送に積極的なわけではありません

    Eコマース用の割引レートを、そのまま教えてくれることはあまりないので、必ず自社からお願いする必要があります。(ウィッカス氏)

    同様に、米国郵便公社がEコマース向けに提供している価格割引に気づいていない小売事業者は少なくありません。

    米国郵便公社は2022年5月、「USPS Connect eCommerce」サービスを全米の事業者に開放しました。オンラインマーケットプレイスや配送プラットフォームが米国郵便公社と直接連携することで、EC事業者が配送を割引価格で利用できるサービスです。このサービスは、従来はテキサス州の事業者のみが利用可能でした。

    米国郵便公社が提供する「USPS Connect eCommerce」サービス(画像は米国郵便公社のサイトから編集部がキャプチャ)
    米国郵便公社が提供する「USPS Connect eCommerce」サービス(画像は米国郵便公社のサイトから編集部がキャプチャ)

    しかし、「USPS Connect eCommerce」を利用することを事業者側から言い出さない限り、そのような割引を受けることはできません。(ウィッカス氏)

    コスト削減策② 発送日時を固定、在庫を最適化

    物流の基本的な部分をコストダウンするには、倉庫そのものを改善しなければなりません。

    1970年代、ある自動車メーカーはジャストインタイム(編注:「必要なものを」「必要なときに」「必要なだけ」生産することで経費を減らして効率化すること)の生産方式を採用し、倉庫に商品(=自動車)を保管する時間を短縮することで、保管にかかる人件費や倉庫の利用コストを削減しました。

    小売業では、無駄を少なくできるジャストインタイムでの生産方式は、配送コストを削減する斬新な方法と言えます。

    たとえば、オンラインで腕時計を定期販売している米国の小売事業者Wrist Mafia。定期購入は毎月、3か月ごと、2年ごと、1年ごとの4種類を展開しており、ジョニー・ブラウン創業者兼CEOは『Digital Commerce 360』のインタビューで、「請求と発送は、基本的にすべての顧客に対して毎月15日に実施している」と、発送日を固定していることを明らかにしました。「そのため、在庫を抱える心配がなく、倉庫の保管料もかからない」とブラウン氏は言います。

    WristMafiaの定期購入ページ(画像はWrist Mafiaの公式ECサイトから編集部がキャプチャ)
    WristMafiaの定期購入ページ(画像はWrist Mafiaの公式ECサイトから編集部がキャプチャ)

    商品は発送日の1週間以内に入荷し、すぐに出荷します。同時に、商品の請求に関する問題があるユーザー、新たな顧客による注文などに備えて、一定数の在庫を用意しています。だからと言って、倉庫に時計の在庫がたくさんある状態ではないので、余分なコストを抑えることができるのです。(ブラウン氏)

    コスト削減策③ アウトソーシングと物流ロボットの活用

    UPSがEコマース事業者500社を対象に実施した調査によると、 「複数のマーケットプレイスや配送業者の出荷を管理し、一貫したポジティブな出荷体験を確保するのは難しい 」と27%が回答しています。

    物流量が小売事業者の社内スタッフのキャパシティを超え、運用チームが梱包を最適化や配送料金の交渉に乗り出し、商品が倉庫に留まる時間が短くなったときが、専門知識の追加を検討するタイミングになるでしょう。

    前出のSteeped, Inc.にとって、2023年1月がそのタイミングでした。

    私たちの事業規模、めざす方向性、成長スピードを考えると、物流を外部に委託する必要がありました。(ウィッカス氏)

    ウィッカス氏は、ケースピッキングや箱詰めなどが可能な高度なロボット技術を持ち、Steeped, Inc.が保有する顧客全体を対象に最大限のコストカットを実現できる3PLを見つけることを目的に、提案依頼書(RFP)を作成。同時に、ロボットを効率的に使った時の効率化の最大値も調べました。

    というのも、ロボットを使えば使うほど、フルフィルメントにかかるコストが改善するからです。(ウィッカス氏)

    最終的に、Steeped, Inc.は「完全自律型フルフィルメント」と呼ばれるサービスを提供する米国の3PL事業者Nimble.aiと契約を結びました。

    Nimble.aiが提供する「完全自律型フルフィルメント」(動画はSteeped, Inc.の公式サイトより)

    ウィッカス氏は、Steeped, Inc.がNimble.aiのサービスに対して支払う金額については明らかにしていませんが、この変更によってフルフィルメントコストを従来比でおよそ30%削減できると見込んでいます。

    物流・配送コストを削減するアプローチ方法

    フルフィルメントをアウトソーシングする

    フルフィルメントサービスをアウトソーシングする理由はさまざまです。まず第1に、3PLやその他の物流ベンダーが、アウトソーシングによってコスト削減効果があると約束していることがあげられます。しかし、特に小規模な小売事業者にとっては、考慮すべき点があります。

    たとえば、中小規模の加盟店において、少人数のスタッフでフルフィルメントを行うことはハイリスクです。販売、梱包、発送など、すべての作業を少人数のスタッフで行っている場合、1人の作業員が体調を崩すだけで、配送スケジュールが狂ってしまうからです。

    主要都市、高速道路、空港の近くにある複数の倉庫に商品を保管でき、拠点を多く持つマーケットプレイスや3PLを利用すれば、迅速な配送が可能になります。フルフィルメントを自社で行う小規模な小売事業者では、このようなマーケットプレイスや3PLによる配送スピードには到底かないません。

    マーケットプレイスのフルフィルを使わないという選択肢

    一部の小売事業者は、配送コスト削減に向けてマーケットプレイスが提供するフルフィルメントサービスを利用しないという選択をしました。

    米Amazonで「Kawach」というブランド名の充電式ヘッドランプを販売しているロハン・タンブラハリ氏は、「フルフィルメントコストを削減する1つの方法として、マーケットプレイスのフルフィルメントを利用しないという選択をしている」と『Digital Commerce 360』のインタビューで話しています。

    Amazonを利用するタンブラハリ氏は、Amazonの物流代行サービス「フルフィルメントby Amazon(FBA)」を利用しないことを選択したそうです。

    商品を小売事業者の倉庫からAmazonの倉庫へ配送し、消費者の手元へ運ぶための手間やコストをかける必要がありません。結果として、その方がコストがかからないのです。(タンブラハリ氏)

    Amazonの会計ミスで失ったお金を販売店が回収するサービスを提供するDimeTydの創業者兼社長でもあるタンブラハリ氏。フルフィルメントと売り場をを切り離すことで、商品破損のリスクも下がると言います。

    ちなみに、自社倉庫から直接消費者に発送すれば、注文に対する利益率が6~10%アップします。(タンブラハリ氏)

    もちろん、FBAを利用しないリスクは発生します。FBAを利用する事業者は競合他社と差別化でき、「Buy Box」(Amazonの商品詳細ページの右側にある、消費者が「今すぐ購入」と書かれた明るい黄色のボックスをクリックするだけで商品をカートに追加できるセクション)を獲得できる可能性が高まります。

    また、FBAに参加することで、Amazonの「プライム会員」向けの配送を提供することもできます。FBAを利用しないと、こうした特典を受けることができなくなるのです。

    「送料無料」をやめる

    小売事業者が送料を削減する最もわかりやすい方法は、一番選びにくい方法でもあります。それは、送料無料の提供をやめることです。

    Amazonは、有料のプライム会員に対して、会員特典として無料かつ迅速な配送を提供することで、消費者が「プライム会員になればどこでも配送料が無料になる」と思うように仕向けました。そして、多くの小売事業者は、Amazonに追随する以外に選択肢はないと判断しました。

    Amazonは有料会員「プライム会員」向けに無料かつ迅速な配送を提供する(画像はAmazonのプライム会員加入向けページから編集部がキャプチャ)
    Amazonは有料会員「プライム会員」向けに無料かつ迅速な配送を提供する(画像はAmazonのプライム会員加入向けページから編集部がキャプチャ)

    そう判断するには、十分な理由があります。2022年1月に『Digital Commerce 360』が実施した調査(オンライン通販利用者1108人が対象)によると、「送料無料なら消費者がオンラインで購入する可能性が高くなる」と76%が回答しました。送料無料は、オンライン通販を利用する動機に最も多くあげられた要因でした。

    さらに、『Digital Commerce 360』と調査会社Bizrate Insightsが2022年8月に行った調査(オンライン通販利用者1116人が対象)では、オンライン小売事業者を選ぶ理由の上位3つのうちの1つとして、70%が「送料無料の有無」をあげています。また、女性は男性よりも「送料無料であることが購入につながった」と回答する割合が高くなりました。

    『Digital Commerce 360』によると、トップ1000社データベース内の企業において、期間限定企画などを含めて送料を実施している企業の割合は、2021年の73.8%から2022年には77.2%に上昇しました。本格的なコロナ禍になる直前の年だった2019年は70.1%でした。

    視点を変えれば、上位の小売企業のうち、送料を消費者に請求する企業の割合は4分の1以下です。

    無料ラインの金額、中央値、実施割合などデータで見る送料無料の実態

    送料無料は、商品が比較的高価、かつ軽量で、輸送コストがかからないカテゴリーで多く実施されています。

    たとえば、ジュエリーカテゴリーでは、EC売上トップ1000社の小売事業者の97.6%が送料無料を提供しています。

    しかし、送料無料ラインとする最低購入金額の中央値は99ドルで、送料無料の閾(しきい)値のなかではトップクラスに位置します。また、ジュエリーカテゴリーの小売事業者は、顧客が返品する送料を無料にしている割合が最も高く59.5%です。

    アパレル・アクセサリーのカテゴリーでは、84.7%が送料無料、39.7%が返品時の送料を無料としています。送料無料ラインの購入金額は、花/ギフトのカテゴリーが最も低く30ドル、次いで健康/美容カテゴリーで45ドルです。

    トップ1000社の小売事業者の47.3%が送料無料にするための最低購入金額を定めています。その最低額は近年、顕著に上がってきています。送料無料とするために必要な購入額の中央値は、2019年は50ドルだったのに対し、2021年には75ドルに上がりました。

    大手だけでなく中堅も送料無料を意識

    『Digital Commerce 360』の2022年度版「Next 1000データベース」(オンライン売上高ランキング1001位から2000位までの小売事業者をリストアップしたもの)によると、送料無料を提供している中堅規模の小売事業者の割合は73.6%で、送料無料を提供しているトップ1000社の割合よりもわずかに下回っただけでした。

    送料無料は小売事業者にとってコスト負担が大きいサービス。しかし、多くの事業者は消費者ニーズに応えて送料無料をうたうしかないと考えています。そのため、小売事業者にとって、少しでも配送費用を削減する方法を見つけることは非常に重要なのです。 Steeped, Inc.は、米国内で49ドル以上の注文をした顧客に対して送料を無料としており、この試みは今後も続ける予定です。

    Steeped, Inc.の公式ECサイトでは、送料無料ラインとなる49ドルまで、顧客があといくら購入する必要があるかを表示している(画像はSteeped, Inc.の公式ECサイトから編集部がキャプチャ)
    Steeped, Inc.の公式ECサイトでは、送料無料ラインとなる49ドルまで、顧客があといくら購入する必要があるかを表示している(画像はSteeped, Inc.の公式ECサイトから編集部がキャプチャ)

    送料無料を継続することで私たちは顧客に認知され、愛されるブランドを育てています。顧客にブランドを知ってもらうために、この簡単でシンプルなサービスを続けるつもりです。一方で、フルフィルメント側のコストは削減しています。そうすることでコスト面のバランスが取れていくでしょう。(ウィッカス氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    【シニアのEC利用率】高齢世帯は2割超。65~74歳は約4割、75歳以上は25%

    2 years 8ヶ月 ago

    消費者庁が公表した「消費者意識基本調査」(2022年度)によると、高齢者が世帯主の世帯で、ネットショッピングの利用率が増加していることがわかった。

    総務省の「家計消費状況調査」(2人以上の世帯)から算出したネットショッピング利用世帯の割合(世帯主年齢層別)を見てみると、2018~2022年までの5年間で65歳から74歳の世帯は25.8%から39.9%に、75歳以上は14.9%から25.6%にそれぞれ増加した。全体は39.2%から52.7%に増加している。

    消費者庁が公表した「消費者意識基本調査」(2022年度)によると、高齢者が世帯主の世帯で、ネットショッピングの利用率が増加している ネットショッピング利用世帯の割合(世帯主年齢層別)
    ネットショッピング利用世帯の割合(世帯主年齢層別)

    「普段、パソコンやスマートフォン等でインターネットをどの程度利用しているか」を聞いた調査では、65歳から74歳まででは「利用している」(ほとんど毎日利用している、毎日ではないが定期的に利用している、時々利用しているの合計)と回答した割合は約6割、75歳以上では約3割だった。

    消費者庁が公表した「消費者意識基本調査」(2022年度)によると、高齢者が世帯主の世帯で、ネットショッピングの利用率が増加している
    インターネットの利用について

    インターネット利用者に「利用しているもの」を聞いたところ、「商品・サービスの予約や購入」が65-74歳で53.2%、75歳以上で44.9%だった。全体では74.6%。

    「オークションやフリマサイトでの購入、売却」は全体が22.7%。65-74歳で9.9%、75歳以上で4.9%。

    なお、最も高い利用率は「情報収集(検索、閲覧)」。65歳から74歳までが89.3%、75歳以上が84.3%。

    消費者庁が公表した「消費者意識基本調査」(2022年度)によると、高齢者が世帯主の世帯で、ネットショッピングの利用率が増加している
    インターネットで利用するサービスについて
    石居 岳

    【ECモール利用実態】1位はAmazon、2位は楽天、3位はヤフー。利用するモール、頻度や金額、年代・性別など調査まとめ

    2 years 8ヶ月 ago

    消費者向け情報サイト「Appliv TOPICS」を運営するナイルが実施したECモールに関するアンケート調査(対象は男女1979人)によると、頻繁に利用するECモールは「Amazon」が最多、「ZOZOTOWN」「Qoo10」はユーザーの女性比率が高いことがわかった。

    調査結果のポイント

    • 年に1回以上利用するECモールは「Amazon」「楽天」が2強
    • 最も頻繁に利用するECモール、回答者の約半数が「Amazon」
    • ユーザーの男女比率は「Amazon」「楽天」「Yahoo!ショッピング」ではほぼ半々。「ZOZOTOWN」「Qoo10」は女性比率が高い
    • 若い世代ほど「楽天」より「Amazon」を利用する傾向
    • 10代の「ZOZOTOWN」「Qoo10」利用割合が大きい
    • ECモールの利用頻度は「月に数回」、1か月の利用金額は「1万円未満」が最多

    よく利用するECモール、約7割が「Amazon」

    年に1回以上利用するECモール(オンライン上のショッピングモール)を聞いた質問では、「Amazon」(1431人)が最多で、「楽天」(1208人)が2位。3位の「Yahoo!ショッピング」(690人)を大きく引き離している。

    ファッションやコスメが中心の「ZOZOTOWN」(285人)「Qoo10」(236人)を選んだユーザーは、いずれも全体の1割強にとどまった。

    年に1回以上利用するECモール(複数回答可)
    年に1回以上利用するECモール(複数回答可)

    年に1回以上利用しているECモールのなかで最も頻繁に利用するECモールは、1位が「Amazon」(49.63%)で全体の半数を占めた。次いで「楽天」(32.41%)「Yahoo!ショッピング」(9.85%)だった。

    最も頻繁に利用するECモール
    最も頻繁に利用するECモール

    ECモールの利用頻度と1か月の利用金額

    ECモールを「年に1回以上利用している」と回答した1777人に、最も頻繁に利用しているECモールの利用頻度を聞いたところ、最も多かったのは「月に数回」(30.39%)、次いで「数か月に1回」(24.37%)。

    月に1回以上利用しているユーザーは合計で72.49%。週に1回以上利用しているユーザーは22.91%。

    ECモールの利用頻度
    ECモールの利用頻度

    ECモールを「月に1回以上利用している」回答者1288人に、最も頻繁に利用しているECモールで1か月に使う金額を聞いたところ、最多は「1万円未満」(44.18%)、次いで「1万円~3万円未満」(31.60%)となった。

    3万円以上使うユーザーは全体の約20%で、5万円以上使う人は回答者のうち1割に満たない。

    ECモールで1か月に使う金額
    ECモールで1か月に使う金額

    男女比率で見たECモール利用

    各ECモールを「利用している」と回答したユーザーの男女比率は、「Amazon」「楽天」「Yahoo!ショッピング」ではほぼ半々。ただし「Amazon」「Yahoo!ショッピング」は男性が、「楽天」は女性がわずかに高い。

    「Qoo10」「ZOZOTOWN」「メルカリShops」は女性の比率が圧倒的に高い。特に「Qoo10」は7割以上が女性となっている。逆に、「au PAYマーケット」は約6割を男性が占めている。

    ECモール利用者の男女比率
    ECモール利用者の男女比率

    世代別で見るECモール利用

    ECモールを「1年に1回以上利用している」と回答したユーザーを年代別で見ると、30代以上では「Amazon」「楽天」の割合はほぼ同じだが、20代以下は「Amazon」の割合が「楽天」を上回った。10代は特に「Amazon」の利用率が高い。10代は「Amazon」が41.74%、「楽天」が16.35%だった。

    また、「Yahoo!ショッピング」は年代が上がるほど利用率が高くなっている。50代以上では20%を超えている。

    「ZOZOTOWN」「Qoo10」は年代が下がるほど利用率が高く、10代では利用率が「Yahoo!ショッピング」と並んでいる。

    年代別のECモール利用者比率
    年代別のECモール利用者比率

    調査概要

    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2023年6月1日~6月8日
    • 調査委託先:ジャストシステム
    • 調査対象:15~69歳の男女
    • サンプル数:1979人
      年齢】15~19歳:330人、20~29歳:331人、30~39歳:330人、40~49歳:328人、50~59歳:330人、60~69歳:330人
      性別】男性:989人、女性:990人
    高野 真維

    クレカの不正利用によるチャージバックを防ぐには? 最新の状況・データ、EC事業者に求められる今後の対策まとめ

    2 years 8ヶ月 ago
    経産省のEC市場調査「電子商取引に関する市場調査」を担当したデジタルコマース総合研究所の本谷知彦氏が、EC業界を分析していきます。今回はクレジットカード決済の不正利用について【第1回】

    クレジットカード決済の不正利用被害が増え続けている。EC事業者にとっては、チャージバックによるクレジットカード会社への返金、商品未返送による損失といった損害に直結する大きな問題である。不正利用被害に関する最新状況やデータ、行政の対策、今後求められる対策などをまとめてみた。

    クレジットカード不正利用被害額が拡大中

    一般社団法人日本クレジットカード協会が発表したクレジットカード不正利用被害額によると、2022年のクレジットカード不正利用被害額は436億7000万円だった。2021年が330億1000万円であったため、1年間で約100億円増加している

    さかのぼること2014年、その被害額は114億5000万円だったので、8年で3.8倍に拡大した計算になる。長期トレンドとしてクレジットカード不正利用被害は拡大しているのだ。

    日本クレジットカード協会はクレジットカード不正利用被害額を「番号盗用」「偽造」「その他」に区別して公開しているが、このなかで最も被害額が大きいのが「番号盗用」。2022年の被害額は411億7000万円で、全体の94%を占めている。

    一方、「偽造」は2014年の19億5000万円から、2022年は1億7000万円にまで減少している。クレジットカードの偽造対策が奏功している証左だろう。

    クレジットカード不正利用被害額の暦年推移(単位:億円、出所:クレジットカード不正利用被害の発生状況(一般社団法人日本クレジット協会のデータ))
    クレジットカード不正利用被害額の暦年推移(単位:億円、図はクレジットカード不正利用被害の発生状況(一般社団法人日本クレジット協会のデータ)をもとに著者作成)

    番号盗用による被害拡大の背景はフィッシング被害

    「番号盗用」の被害額が突出して多いのフィッシング被害が大きいと見られる。

    一般社団法人 JPCERTコーディネーションセンターが事務局のフィッシング対策協議会が毎月公表しているフィッシング報告件数データを暦年で集計すると、右肩上がりでフィッシング被害が急拡大している

    特に2020年以降の伸びが著しい。コロナ禍の巣ごもり消費でEC利用が増えたため、悪意の第三者の標的に……これがフィッシング被害の拡大につながったと考えるのが自然だろう。

    フィッシング報告件数の経年推移(出所:フィッシング報告件数(フィッシング対策協議会)のデータをもとに著者作成)
    フィッシング報告件数の経年推移(図はフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会)のデータをもとに著者作成)

    国内被害の比率が年々上昇

    「番号盗用」による被害額について、一般社団法人日本クレジットカード協会は国内被害額と海外被害額を分けて公開している。2022年の被害額の国内・海外比率はそれぞれ76.4%、23.6%で、国内被害の比率が高い

    また2014年からの経年推移をグラフ化すると、年々国内被害の比率が高まっていることがわかる。つまり被害額の面で国内が大幅に増加していることを意味する。なお、2018年から国内比率が高っていることから、この上昇トレンドは単にコロナが理由となっているわけではないと言える。

    近年、リアルへの人流が回復している。しかし、EC市場規模が前年割れになることは想像できない。従って「番号盗用」による国内のクレジットカード被害は今後も増える可能性が高いのではないだろうか。

    クレジットカード番号盗用の被害額の国内/海外比率(出所:クレジットカード不正利用被害の発生状況(一般社団法人日本クレジット協会)のデータをもとに著者作成)
    クレジットカード番号盗用の被害額の国内/海外比率(図はクレジットカード不正利用被害の発生状況(一般社団法人日本クレジット協会)のデータをもとに著者作成)

    これまでの状況をまとめると次のようにまとめることができる。

    • 長期トレンドとしてクレジットカード不正利用被害は拡大傾向
    • そのなかでも番号盗用による被害額が全体の94%を占めるほど甚大
    • 背景にはフィッシング被害の増加が考えられる
    • 番号盗用被害は国内比率が高い

    クレジットカード・セキュリティガイドラインの改定

    このような状況に対し、これまでに手が打たれていないわけではない。一般社団法人日本クレジット協会が事務局を務める「クレジット取引セキュリティ対策協議会」では、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」を策定している。

    2023年3月の本会議で改訂版である「クレジットカード・セキュリティガイドライン4.0版」を公開。①クレジットカード情報保護対策②不正利用対策③消費者及び事業者などへの周知・啓発――といった内容別に改定が行われた。

    たとえば、②の不正利用対策では、「原則、全てのEC加盟店は、2025年3月末までにEMV3-Dセキュアの導入を求める」「イシュアーは、EMV 3-Dセキュアの本人認証方法として『静的パスワード』から『動的パスワード』などの認証方法への移行環境を整え、2025年3月末までに自社カード会員が『動的パスワード』などの認証方法へ登録・移行するよう取り組む」などを盛り込んだ。

    EC加盟店に求める不正利用対策(画像は「クレジットカード・セキュリティガイドライン[4.0版](改訂ポイント))
    EC加盟店に求める不正利用対策(画像は「クレジットカード・セキュリティガイドライン[4.0版](改訂ポイント)」からキャプチャ)

    クレジットカード会社を主体に経済産業省等もオブザーバーを務める同協議会ではこのように積極的な対策を実施している。一方、被害は増え続けているのが現状であるため、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」も今後、さらに対策が盛り込まれてくると考えられる

    急増するECサイトでのクレジットカード決済の不正利用への対策はさらに求められるようになるであろう。

    そのためにも、EC事業者は「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の確認、求められる対策、そして今後の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の動向をチェックしておきたい。

    本谷 知彦

    通販・ECなどの「無店舗小売業」倒産件数が3年ぶり増加した理由とは?東京商工リサーチは「淘汰が始まった」

    2 years 8ヶ月 ago

    東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2022年度の「無店舗小売業」の倒産件数(負債1000万円以上)は前年度比10.2%増の86件で、3年ぶりに前年度を上回った。2008年度以降では、2019年度の99件に次いで2番目の多さだったという。

    東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2022年度の「無店舗小売業」の倒産件数(負債1000万円以上)は前年度比10.2%増の86件で、3年ぶりに前年度を上回った 無店舗小売業の倒産に関する年度推移
    無店舗小売業の倒産に関する年度推移

    「無店舗小売業」はEC、TVショッピング、産地直送などの販売形態。

    「新型コロナウイルス」関連倒産は25件で、前年度(14件)の1.7倍に増加。業種別は、「各種商品小売」が1件(前年度比90.0%減)で3年連続、「衣服・身の回り品」が17件(同5.5%減)で2年連続、「機械器具小売」が3件(同40.0%減)で2年ぶりに前年度を下回った。

    一方、「飲食料品小売」が13件(同62.5%増)で、4年ぶりに前年度を上回った。大手量販店などが実店舗に加え、ネット販売にも進出して競合が激化。小規模・零細規模の事業者の淘汰が進んでいる。

    倒産の原因別は、最も多かったのが「販売不振」の55件で前年度比5.1%減、構成比は63.9%。「既往のシワ寄せ」は2件(前年度8件)。「不況型」倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は前年度比12.1%減の58件で、構成比は67.4%(前年度84.6%)。EC市場の規模拡大により同業者との競合は厳しく、販売不振に陥り事業継続が困難となるケースが多くなっている。

    東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2022年度の「無店舗小売業」の倒産件数(負債1000万円以上)は前年度比10.2%増の86件で、3年ぶりに前年度を上回った 無店舗小売業の倒産原因
    無店舗小売業の倒産原因

    資本金別では、「1000万円未満」が前年度比14.0%減の73件(前年度64件)。構成比は84.8%(前年度82.0%)で、2018年度(同82.4%)を超え、2008年度以降の15年間で最高となった。

    東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2022年度の「無店舗小売業」の倒産件数(負債1000万円以上)は前年度比10.2%増の86件で、3年ぶりに前年度を上回った 負債額別倒産状況
    負債額別倒産状況

    従業員数別は、「10人未満」が前年度比15.0%増の84件(前年度73件)で、構成比は97.6%(前年度93.5%)。「10人以上20人未満」が同33.3%減の2件。「50人以上300人未満」が3年連続、「300人以上」は2008年度から、それぞれ発生していない。

    東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2022年度の「無店舗小売業」の倒産件数(負債1000万円以上)は前年度比10.2%増の86件で、3年ぶりに前年度を上回った 従業員数別倒産状況
    従業員数別倒産状況

     

    石居 岳

    「ChatGPT」をEC事業者はどう使う? 活用できるシーンとその効果+注意すべきポイント | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    2 years 8ヶ月 ago
    話題のAIチャットボット「ChatGPT」をEC事業者はどう使うべき? 運用にあたっての注意点とともに、効果的に活用できるポイントを紹介する

    現代のEC業界の競争において、効果的な顧客対応は欠かせません。最近ではIT技術の進化により、「ChatGPT」と呼ばれる自然言語処理モデルを活用したAIチャットボットが注目を集めています。

    「ChatGPT」を利用することで、得られるメリットとは? EC事業者向けに「ChatGPT」の活用シーンを見ながら具体的なメリットと導入後の注意点を解説します!

    ECタイムズ 「ChatGPT」のECでの活用事例 AIチャットボットがもたらす効果的な顧客対応

    EC事業者が「ChatGPT」を活用できる場面とは?

    ①カスタマーサポートの自動化

    多くの顧客からの問い合わせに対応するためには多くの人材を必要としますよね。しかし、「ChatGPT」を活用することで、顧客サポートの自動化が可能になるんです。

    「ChatGPT」を組み込んだAIチャットボットは、顧客の問い合わせに迅速かつ正確に応答し、基本的な質問に対して即座に解答することができます。

    これにより、顧客サポートの負荷は軽減し、人材のコスト削減にもつなげることができます。

    ②パーソナライズされた商品提案+リピート買いの促進

    「ChatGPT」は大量のデータを学習し、顧客との対話を通じて個々のニーズや好みを把握することができます。

    この機能を活用することで、顧客に対してパーソナライズされた商品やサービスの提案を行うことができます。さらに「ChatGPT」は顧客の過去の購買履歴や嗜好を考慮し、最適な製品や特典を提案することで、リピート購買を促進することができます。

    パーソナライズした商品の提案やリピーター育成にも役立てることができる
    パーソナライズした商品の提案やリピーター育成にも役立てることができる

    ③エンゲージメントの向上

    「ChatGPT」は単なる応答ツールだけでなく、顧客との対話を通じて販売促進を行うことで、エンゲージメントの向上にも貢献します。

    たとえば、特別なキャンペーンやセール情報を顧客に提供したり、限定オファーやクーポンコードを配布したりすることができます。

    顧客はAIチャットボットとの対話を通じて、個別にカスタマイズされた情報を受け取ることで、充実した顧客体験を得ることができます。

    ④顧客とのコミュニケーション強化

    「ChatGPT」を複数のチャネルに展開することで、顧客とのコミュニケーションを強化することができます。

    AIチャットボットをWebサイトやモバイルアプリ、ソーシャルメディアのメッセージングプラットフォームなどに統合することで、顧客は好みのチャネルから質問や問い合わせを行うことができます。

    さらに、「ChatGPT」は24時間対応のサポートを提供できるため、顧客の緊急な問題や質問に即座に対応することができます。

    いつでも顧客対応できるなど、AIチャットボットならではの利便性は多い
    いつでも顧客対応できるなど、AIチャットボットならではの利便性は多い

    ⑤顧客データの収集、獲得

    「ChatGPT」は顧客との対話を通じて多くのデータを収集し、分析することができます。このデータを活用して顧客のニーズや傾向を把握し、マーケットインテリジェンスを獲得することができ、新商品の開発や販売戦略の改善などに役立ちます。

    また、顧客からのフィードバックやクレームを収集することで、サービスの品質向上や問題解決にもつながります。

    「ChatGPT」活用前に備えておくべきこと

    (1)トレーニングデータを十分に収集すること

    「ChatGPT」のパフォーマンスは、トレーニングデータの品質と量に大きく依存します。そのため、業界固有のデータや顧客の対話データを収集し、適切に前処理を行うことが必要です。

    また、多様な顧客ニーズや問い合わせに対応するため、幅広いトピックや用語をカバーするトレーニングデータの収集も重要です。

    データの蓄積量が「ChatGPT」運用の際のパフォーマンスに大きく影響する
    データの蓄積量が「ChatGPT」運用の際のパフォーマンスに大きく影響する

    (2)自社の商品や顧客の特性に合わせたカスタマイズをしておく

    「ChatGPT」は柔軟性があるため、要件に合わせて独自にモデルをカスタマイズすることができます。

    たとえば、特定の商品カテゴリやブランドに関する知識を組み込んだり、特定の文脈やトーンに合わせた応答を設定したりすることが可能です。

    モデルのカスタマイズにより、顧客に対してより個別化された体験を提供することができます。

    (3)完全な自動化は避けよう

    「ChatGPT」は強力なツールですが、完全な自動化に頼ることは避けるべきでしょう。

    AIチャットボットと人の手によるサポートを組み合わせることで、顧客にとってより良い体験を提供することができます。

    特に、複雑な問い合わせや感情的な要素を含む場合には、人間の介入が必要となります。適切なタイミングで人の手に切り替えることで、問題解決や顧客満足度の向上につながります

    いざ運用! 押さえておくべきポイントとは

    「ChatGPT」を活用する上でのベストプラクティスの中で、押さえておくべきポイントをご紹介します!

    まずはテスト。運用後は改善を積み重ね

    「ChatGPT」を導入する前に、パイロットテストやベータテストを行い、ユーザーのフィードバックを収集しましょう。

    初期段階では誤った応答や不適切な回答を生成する可能性があるため、ユーザーからのフィードバックを通じて改善していくことが重要です。

    顧客のプライバシーとセキュリティを厳守

    顧客のプライバシーとデータセキュリティを守るために十分な注意を払う必要があります。適切なデータ保護措置を講じ、顧客情報の取り扱いについての法的な規制に従うようにしましょう。

    顧客情報の漏えい防止などセキュリティ対策は厳密に
    顧客情報の漏えい防止などセキュリティ対策は厳密に

    顧客満足度アップの鍵はリアルタイムなモデルの更新

    「ChatGPT」の学習データやモデルは常に進化しているため、定期的に学習データを更新し、モデルの改善や追加トレーニングを行うことが重要です。

    新たな商品やサービス、トレンドに対応するために、モデルを最新の状態に保つことが顧客満足度の向上につながります。

    ◇◇◇

    今回は、EC事業での「ChatGPT」の活用例とポイントについてご紹介しました。「ChatGPT」を活用することで、効果的な顧客対応やマーケティングの改善、売り上げの向上など、さまざまなメリットがあります。個々のニーズや要件に合わせて導入し、適切なトレーニングと管理を行うことが成功の鍵となりそうです!

    ECタイムズ

    ECの受注処理を効率アップさせる秘訣とは? 出荷の自動化ノウハウを学べるセミナー【6/22開催】

    2 years 8ヶ月 ago

    コマースメディアとロジレスは6月22日(木)、EC通販事業者向けに「ECモール10店舗運営、月間4万件の受注処理を社員1人で回す!? ECの受注処理~出荷の自動化ノウハウ 大暴露セミナー」をオフラインで開催する。

    ▼「ECモール10店舗運営、月間4万件の受注処理を社員1人で回す!? ECの受注処理~出荷の自動化ノウハウ 大暴露セミナー」(6/22開催)

    セミナー  コマースメディア ロジレス EC モール

    バックヤード自動化実現の秘訣を学べるセミナー。クラシカルエルフ 取締役 執行役員の小野塚謙介氏、コマースメディア 代表取締役社長の井澤孝宏氏、ロジレスのCo-Founder/代表取締役CEOの足立直之氏が登壇し、「バックヤード自動化実現の秘訣」についてパネルディスカッション形式のセミナーを実施する。

    実践して良かったこと、失敗したこと、自動化までのステップなどを中心に、実践者ならではの目線でディスカッションするという。

    第二部では、希望者が参加できる「EC交流会」の開催を予定している。

    開催概要

    • イベント名:ECモール10店舗運営、月間4万件の受注処理を社員1人で回す!? ECの受注処理~出荷の自動化ノウハウ 大暴露セミナー
    • 日時:2023年6月22日(木)
      第一部(セミナー):18:30~20:00
      第二部(EC交流会):20:30~22:30
    • 会場
      第一部:東京都渋谷区恵比寿南1-20-15 アトリウム恵比寿南一丁目ビル2階
      第二部:シロノニワ(東京都渋谷区恵比寿南1丁目6-1 アトレ恵比寿西館 8F)
    • 参加費
      第一部:無料
      第二部:5500円
    • 定員:30名(申込多数の場合は抽選)
    • 主催:コマースメディア、ロジレス
    • 詳細と申し込み: https://www.logiless.com/seminar/7039/
    高野 真維
    確認済み
    29 分 28 秒 ago
    ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る