ネットショップ担当者フォーラム

グローバル売上30億円をめざすI-neの中国法人が米原料メーカーと共同研究室設立【中国市場の取り組みまとめ】

2 years 8ヶ月 ago

I-neの中国子会社「艾恩伊(上海)化粧品有限公司」は、米国大手原料メーカーのTRI-K Industries,Inc.と共同研究室「Hair Research&Innovation Lab」を中国・上海に設立した。TRI-Kと製品を共同開発する。

まずは共同開発したヘアケア製品を、アリババグループが運営する大手ECモール「Tmall(天猫)」、中国のバイトダンス社が運営する中国版Tik Tok「Douyin (抖音)」で7月に発売。こうした取り組みを含め、中国を含むグローバル売上高を2025年12月期までに30億円まで拡大する。

成分、機能性を重視する中国人に合った商品開発

「Tmall」「Douyin」で発売する共同開発製品は、髪のダメージを補修する独自成分「ProteinLock」を配合した「ボタニカルヘアマスク」。「スムース」タイプと「ダメージリペア」タイプの2種類を展開する。

TRI-Kと上海のI-ne子会社が共同開発したヘアケア製品(左)と、共同研究室設立の式典
共同開発したヘアケア製品(画像左)と共同研究室設立の式典

TRI-Kは7つの製造工場と3つの研究センターを保有し、タンパク質開発に関する豊富な知見がある。I-neの主力ブランド「BOTANIST」は植物由来タンパク質をキー成分として配合しており、共同研究室で継続的に成分をアップデート。機能性の高い商品開発につなげる。

中国市場は成分や機能性を重視する生活者が多いため、共同開発で「BOTANIST」の優位性を発揮するとしている。

TRI-Kとの共同研究室を設立。TRI-Kの知見を商品開発に生かす
TRI-Kとの共同研究室を設立。TRI-Kの知見を商品開発に生かす

中国市場を攻略するI-neの取り組み

I-neは2020年7月、上海の現地法人として艾恩伊(上海)化粧品有限公司を設立。「BOTANIST」「YOLU」美容家電ブランド「SALONIA」を販売している。

なかでもナイトケアビューティーブランド「YOLU」は、中国では「おやすみシャンプー」の愛称で認知が広がっており、売り上げは堅調に推移しているという。

「YOLU」は2023年3月から越境ECを「Tmall」「Douyin」で展開。2023年5~6月の「618セール」では、「Douyin」の「輸入シャンプー/トリートメント売上指数ランキング」カテゴリーで売上1位となった。

中国市場での足元の概況(画像はI-neの2023年1-3月期〈第1四半期〉の決算説明資料から編集部がキャプチャ)
中国事業の概況(画像はI-neの2023年1-3月期〈第1四半期〉の決算説明資料から編集部がキャプチャ)

中国市場で「YOLU」の認知が拡大している背景には、次の施策の成功が理由にあげられる。

  • 中国でも「夜間美容」という新たな市場を創出
  • ローカライズしたコミュニケーション戦略
  • 中国国内外のインフルエンサーを戦略的に活用したライブコマース:日本在住の外国人が勧めるシャンプーとして人気が拡大
中国市場でもヒットしている「YOLU」
中国市場でもヒットしている「YOLU」

ヘアケアは売上335億円を計画

I-neは、2025年12月期を最終年度とした中期経営計画では、売上高550億円、売上高営業利益率13%をめざす方針を掲げている。商品ラインアップのなかでも主力となるヘアケア系のカテゴリーは売上高355億円を計画している。

既存ブランド、新規ブランドの両軸で成長を見込む(画像はI-neの2025年12月期を最終年度とした中期経営計画説明資料から編集部がキャプチャ)
既存ブランド、新規ブランドの両軸で成長を見込む(画像はI-neの2025年12月期を最終年度とした中期経営計画説明資料から編集部がキャプチャ)

中国を含むグローバルの売上高は2023年12月期に15億円。それを2025年12月期までに30億円まで拡大する。

グローバル全体で売上高30億円をめざす(画像はI-neの2025年12月期を最終年度とした中期経営計画説明資料から編集部がキャプチャ)
グローバル全体で売上高30億円をめざす(画像はI-neの2025年12月期を最終年度とした中期経営計画説明資料から編集部がキャプチャ)
高野 真維

「Yahoo!ショッピング」のポイント戦略転換など現状まとめ/セイノーグループの新サービス「コニポス」とは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years 8ヶ月 ago
2023年6月30日~2023年7月6日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 「Yahoo!ショッピング」で起きている客離れ。ポイント戦略の転換、出店者の声など現状まとめ

    「PayPayモール」と統合した「ヤフーショッピング」だが、ポイント戦略の転換などで流通額減少に待ったがかからない。今後の方針や、出店者のリアルな声をまとめた

    2023/7/4
  2. ポスト投函できる小荷物を1個120円で配送。セイノーグループが始める通販・EC向けの新サービス「コニポス」とは

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    7月3日までに、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便は、九州向けの荷物の一部の配送に遅れが生じているとアナウンスしている

    2023/7/4
  4. 「残りわずか」「〇人が購入済み」が効果的! EC事業者のための「令和4年度消費者意識基本調査」【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年6月26日~7月2日のニュース

    2023/7/4
     
  5. ジャパネット流「伝え方」の秘訣。創業者の髙田明氏が語る“人に伝えるための極意”

    ジャパネットたかた創業者で現在はA and Live代表取締役を務める髙田明氏が通販ビジネスの「伝えることの大切さ」について講演。通販事業をするなかで見出した“人に伝える際に大事なこと”について語った

    2023/7/3
     
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    経営体制を刷新したDHC。トップダウン型の旧体制を脱し、組織内の横の連携強化、価格訴求の見直しなど、組織改革を進める。会長兼CEOの髙谷氏が詳細を語る

    2023/7/3
     
  7. ショップチャンネルの売上高は1.2%減の1555億円、経常利益は6.7%増の194億円【2023年3月期】

    売上高は近年、横ばいで推移している。2022年3月期は1573億8300万円、2021年3月期は1610億5200万円、2020年3月期は1634億円、2019年3月期は1593億円

    2023/6/30
     
  8. 【テレビ通販大手の2022年度売上】ショップチャンネルは1.2%減の1555億円、QVCは3.8%増の1329億円

    2022年度売上高は、ジュピターショップチャンネルは前期比1.2%減の1555億円、QVCジャパンは同3.8%増の1329億円、ジャパネットホールディングスは同1.1%減の2487億円

    2023/7/3
     
  9. Googleの「Search Central Live Tokyo 2023」から考えるEC事業者がAI活用で意識すべきポイント

    ユウキノイン代表取締役の酒匂雄二氏が、Googleの検索チームが主催する「Search Central Live Tokyo 2023」への参加を通じて感じたことや、EC事業者がAI活用時に注意すべきポイントを解説します

    2023/7/5
     
  10. 宅配便の再配達率は約11.4%(2023年4月)で1年前比約0.3ポイント改善、「物流2024年問題」の改善に向けた数値目標は6%

    国交省が実施している「宅配便再配達実態調査」の調査結果。都市部の再配達率は12.6%、都市近郊部で10.9%、地方で9.6%

    2023/6/30
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    アマゾンの「置き配指定サービス」利用率は約75%

    2 years 8ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは、「置き配指定サービス」の利用率が約75%(2023年7月時点)に達したと公表した。

    注文を受けた商品を全国のフルフィルメントセンターなどから集約し、周辺地域の消費者の玄関先まで届けるラスト・マイル・デリバリーの起点「デリバリーステーション」を2022年に拡充。「置き配指定サービス」の利用可能地域は2021年年比10県増の40都道府県に広がった。

    アマゾンジャパンは、「置き配指定サービス」の利用率が約75%(2023年7月時点)に達した
    「置き配指定サービス」のイメージ

    アマゾンジャパンは2020年3月、注文時の配送オプションだった「置き配指定サービス」を30都道府県(一部地域を除く)において配送方法の初期設定として提供をスタートした。

    「デリバリーステーション」の拡充で「置き配指定サービス」対象エリアを拡大。2023年内には栃木県、群馬県、富山県、山梨県、静岡県、奈良県、岡山県に初となる「デリバリーステーション」を新設し、配送面の拡充を進める。

    瀧川 正実

    アマゾンが置き配、当日・翌日配送を強化。全国11か所にデリバリーステーションを新設

    2 years 8ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは、2023年内に全国11か所へ配送拠点のデリバリーステーションを開設すると発表した。当日配送、翌日配送、置き配指定サービスなど配送サービスを拡充する。

    デリバリーステーションは、注文を受けた商品を全国のフルフィルメントセンターなどから集約し、周辺地域の消費者の玄関先まで届けるラスト・マイル・デリバリーの起点となる場所。

    栃木県、群馬県、富山県、山梨県、静岡県、奈良県、岡山県に初のデリバリーステーションを開設。ほかには、千葉県、神奈川県、兵庫県、福岡県へ新たに設置する。Amazonのデリバリーステーションは日本国内で50か所以上になるという。

    配送拠点の新設で、栃木県、群馬県などの新設地域での「置き配指定サービス」を実現。顧客の利便性、再配達削減につなげる。

    デリバリーステーションでは、黒ナンバーの軽貨物車を持つ個人事業主がアマゾンと直接契約を結び、稼働する時間帯や日数はドライバーが選択する「Amazon Flex」、地域の中小企業にAmazonの商品配送を委託して報酬を支払う新しい独自の配送プログラム「Amazon Hubデリバリー」、Amazonの商品を配送する起業家を支援する次世代の「デリバリーサービスパートナー(DSP)プログラム」を展開し、効率的な配送を提供していく。

    アマゾンジャパンは2022年7月、年内に青森県や沖縄県など全国18か所にデリバリーステーションを新設すると発表。北は青森、南は沖縄まで、700万点以上の商品を翌日に届ける体制を整えた。

    瀧川 正実

    ヤフーの「Yahoo!ショッピング」が定期購入機能を実装。検索面などで新たな購入導線を設ける予定

    2 years 8ヶ月 ago

    ヤフーは、ユーザーが指定した頻度にあわせて商品を定期的に届ける定期購入機能を「Yahoo!ショッピング」に実装した。

    ミネラルウォーター、コンタクトレンズ、ペット用品、サプリメントなどの食品、日用品はリピート購入ニーズが高いものの、過去に購入した再購入する場合、ユーザーは注文履歴から同一商品を探すか再度検索し注文する必要があった。

    定期購入機能の実装でユーザーの購入の手間を省略、リピート購入や顧客体験の向上につなげる。

    出店者は、定期購入に適した日用品などの商品を任意で設定でき、通常とは異なる価格、ポイントの設定も可能。出店者はリピート購入の顧客獲得のほか、売上予測が立てやすくなるため、在庫管理やオペレーションの改善、効率化も実現できる。

    今後、検索面での定期購入訴求、新たな購入導線を設ける予定という。定期購入商品に設定できる専用クーポン機能、ユーザーからの変更機能の拡充なども計画する。

    なお、早期特典として一定期間、定期購入機能の利用手数料を無料とする。終了日は未定。

    ユーザーが定期購入機能を利用する場合、絞り込み機能で定期購入商品のみを検索できる。商品購入時には、商品ページで通常購入、もしくは定期購入かの選択をし、定期購入を希望する際は「配送頻度」と「次回お届け日」を選ぶと、申し込みが完了する。

    ヤフーは、繰り返し購入する日用品などを指定した頻度にあわせて定期的に届ける定期購入機能を「Yahoo!ショッピング」に実装
    画像左が商品詳細ページ、右がカートに入れるボタンタップ後のページ

    2回目以降については、商品お届けの15日前に案内メールをユーザーに送付。購入時に選択した支払方法、お届け予定日の変更、解約など、商品お届け予定日の11日前まで、ユーザー自身で注文履歴から変更できる。

    瀧川 正実

    有機野菜ECの坂ノ途中、パナソニックから出資。人と環境にやさしい食のバリューチェーン構築へ協業

    2 years 8ヶ月 ago

    農産物のECなどを手がける坂ノ途中は6月28日、パナソニックがSBIインベストメントと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド(パナソニックくらしビジョナリーファンド)を引受先とした第三者割当増資を実施した。

    坂ノ途中が掲げる大規模流通に乗らない少量不安定な農産物の価値を見直して消費者へ届ける「バリューチェーンの再構築」を、パナソニックが持つコールドチェーン技術などを活用して、加速、推進する。

    坂ノ途中は「100年先も続く、農業を。」というビジョンを掲げ、環境負荷の小さな農業の広がりをめざして年間数百種類の野菜の流通販売を展開。家庭に届ける野菜のサブスクリプションサービスが売上高の6割を占めている。今後、小売店、飲食店向けBtoB事業の成長も見込んでいる。

    パナソニックは、「食」のインフラに関わる領域として調理家電以外にコールドチェーン事業を展開、業務用冷蔵・冷凍ショーケースなどB2B分野の製品も幅広く手がけている。特に、省エネや自然冷媒技術によるCO2排出量の削減など、環境に配慮したサプライチェーンの構築で強みがある。

    坂ノ途中はパナソニックと協業することで、BtoC事業でのコラボレーションのほか、BtoB分野でのプレゼンス向上や新しい販売方法を開拓できると見込んでいる。

    コールドチェーン技術を持つパナソニックと提携することで、鮮度管理能力の向上、CO2排出量やフードロスの削減などを通じて、サステイナブルな農産物流通の実現にもつなげる。

    瀧川 正実

    ユナイテッドアローズ会員プログラムを刷新、顧客との接点増と関係性強化を狙う新サービス「UAクラブ」とは

    2 years 8ヶ月 ago

    ユナイテッドアローズは2023年夏から秋をめどに、会員向け新プログラム「UAクラブ」を開始する。

    現行の会員向けサービス「ユナイテッドアローズ ハウスカード」を刷新する。「UAクラブ」は、ポイントからマイル&クーポン制度への変更、会員ステージ制度・特典の全ブランド共通化などを実施。お得でわかりやすい買い物体験を提供して顧客との関係性を継続的に深めていく。

    ユナイテッドアローズは2023年夏から秋をめどに、会員向け新プログラム「UAクラブ」を開始する
    「ハウスカード」から「UAクラブ」へ名称変更(画像はUAのサイトからキャプチャ)

    「ユナイテッドアローズ ハウスカード」では、買い上げ金額に対してポイントを付与する仕組みから、マイル&クーポン制度へ切り替える。貯めたマイルはクーポンに交換すると、次回以降の買い物などに利用できる。また、顧客のさまざまなアクションに対してもマイルを付与する。

    たとえば、商品のお気に入り登録、レビュー投稿、ショッピングバッグの辞退といったアクションでもマイルが貯まるようにする。マイルを貯まりやすくすることによってお得感を創出、顧客との接点増加につなげ継続的な関係性強化を実現する。

    ユナイテッドアローズは2023年夏から秋をめどに、会員向け新プログラム「UAクラブ」を開始する ポイントからマイル&クーポン制度へ変更
    ポイントからマイル&クーポン制度へ変更(画像はUAのサイトからキャプチャ)

    これまで、ブランドごとの年間買い上げ金額に応じて設定していた会員ランク条件とエクストラサービスを廃止、全ブランド共通の会員ステージと特典制度に変更する。

    全ストアブランド共通の5段階のステージに変更。1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)に獲得したマイル数に応じて、ステージごとにさまざまな特典やサービスを用意する。

    ユナイテッドアローズは2023年夏から秋をめどに、会員向け新プログラム「UAクラブ」を開始する 新しい会員ステージ
    新しい会員ステージ(画像はUAのサイトからキャプチャ)

    ユナイテッドアローズは5月、長期ビジョンとその実現に向けた中期経営計画を発表。主要戦略の1つ「UA DIGITAL戦略」の「OMOの推進」施策として、今回の会員向けプログラムのリニューアルに取り組む。顧客との接点を増やし、深い関係性を築いていくのが目的だ。

    瀧川 正実

    GoogleのAIを活用したバーチャル試着ツールとは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    2 years 8ヶ月 ago
    Googleが開発した、AIを活用したバーチャル試着ツールが専門家たちに注目されています。返品率ダウン、顧客セグメントの向上といった観点から小売事業者の助けになりそうです

    アパレル商材をEコマースで購入するとき、ネックになるのが試着できないことです。これを解決するため、バーチャル試着サービスを展開するブランドや事業者が増えています。Googleはこのほど、AIを活用したバーチャル試着ツールを開発し、提供を始めました。このツールは、Eコマースの返品を減らし、小売事業者がターゲットを絞り込むのに有効なデータを提供してくれる可能性があると専門家たちは考えています。

    記事のポイント
    • Googleは、生成AIを使ってバーチャル上で服を試着できるツールを発表
    • Googleのバーチャル試着ツールはすでにH&M、Everlane、Anthropologie、Loftが活用している
    • Eコマースの専門家は、AIを活用してコンバージョンを増やし、返品を減らすことで、小売事業者の収益を伸ばすことができると説明している

    Googleが開発したバーチャル試着ツールとは

    Googleは2023年6月に、アパレル商材をバーチャル試着できる新たなAIツールを発表しました。一部の専門家は、これは「Eコマースに大きな変化をもたらす可能性がある」と指摘しています。

    Googleショッピングのプロダクト担当シニアディレクターであるリリアン・リンコン氏は、このAIツールについて次のようにコメントしています。

    この試着ツールは、生成AIを使用し、さまざまなポーズをとった実際のモデルに、洋服のたるみ、体への密着、伸び、シワや影の発生を反映させています。(リンコン氏)

    Googleショッピングが発表した生成AIモデルのイメージ(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)
    Googleショッピングが発表した生成AIモデルのイメージ(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)

    米国のEC専門紙『Digital Commerce 360』が発行する「北米EC事業 トップ1000社 レポート 2023年版」にランクインしている企業のうち、いくつかのブランドはすでにGoogleのAIツールを活用しています。

    消費者は、米国のアパレルメーカーAnthropologie(アンソロポロジー、Urban Outfitters傘下の企業)、アパレルメーカーEverlane(エバーレーン)、スウェーデンのアパレルメーカーH&M、Loft(ロフト、Ascena Retail Group傘下企業)の服はすでに、オンライン上で試着することが可能です。Googleによると、今後さらに多くのブランドが追加される予定です。

    アパレルブランドのトップスが実際のモデルで表示される(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)
    アパレルブランドのトップスが実際のモデルで表示される(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)

    商品の返品数減少に期待

    バーチャル試着ツールは、返品を大幅に減らす可能性があります。Eコマース企業の成長を支援するHeur(本社英国)のクリス・レイブンCEOは「返品が減れば、Eコマース小売事業者のコスト削減につながるかもしれない」と言います。 

    ブランドにとってコスト削減や時間の確保につながるだけでなく、アパレル業界が気候変動に与える悪影響を減らすことにもつながるでしょう。(レイブン氏)

    レイブン氏がこのように話す理由は、返品された商品の廃棄が少なくなり、配送コストも下がり、二酸化炭素の排出量ダウンにつながるからです。

    紳士服の小売業を営むOtero(編注:2023年7月現在は閉業)は、米Perfitly(パーフィットリー)社が提供すAI試着ツールを使って事業を拡大。ユーザーは自分の体型に基づいたアバターを作成し、カートに入れる前にオンライン上で試着できるようにしていました。

    Oteroのスティーブ・ヴィラヌエヴァ創業者兼CEOは、「Oteroの返品率は業界標準を大きく下回る3%」と説明。ヴィラヌエヴァ氏が「とんでもなく低い」と話す返品率は、Perfitlyの試着ツールの精度の高さが理由だと話していました。

    OteroとPerfitlyが、ユーザーへの質問、オンライン試着のアバターを微調整するのに伴い、返品率に多少の変動はあったそうですが、それでも9%を超えることはなく、常に2~3%で推移していたそうです。

    生成AIによるレコメンド効果

    AIを活用したGoogleのバーチャル試着ツールは、顧客の好みに基づいた商品を提案することができます。リンコン氏はこの機能を、店舗で働く店員が、色、スタイル、柄、価格を考慮して消費者に商品を提案することと同じだと言います。

    今のところ、この機能は女性用のブラウスにしか使えないそうですが、販売できる商品が在庫のある商品に限られる実店舗とは異なり、オンラインではブランド横断的に商品を勧めることが可能です。

    Googleのバーチャル試着ツールはブランドを横断してユーザのー好みの商品を提案する(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)
    Googleのバーチャル試着ツールはブランドを横断してユーザのー好みの商品を提案する(画像はGoogleの公式ブログから編集部がキャプチャ)

    AIを活用したテクノロジーは、一過性の流行に過ぎないとは思えません。ブランドが現在の情勢に合わせて成長するためには、こうした新しいテクノロジーに寄り添い、活用しなければなりません。(SilkFred エマ・ワトキンソンCEO)

    英国のアパレル小売事業者SilkFredのエマ・ワトキンソンCEOはこう説明し、顧客に商品を提案する同様のサービスを開始する準備を進めていることを明かしました。

    デジタル戦略コンサルティング会社BDOのマネージング・ディレクター兼クライアント・エグゼクティブであるロバート・ブラウン氏は「Googleの生成AIツールは、1対1で顧客に合わせたアドバイスを提供するという『究極の武器』を小売事業者に与える」と説明します。

    AIは消費者の好みやニーズに関する膨大なデータを収集し、小売事業者はそれを将来のコンバージョンにつなげることができる。(ブラウン氏)

    こうして収集した消費者のデータは、事業者のロイヤルティプログラムや会員プログラムの改善にも利用できるでしょう。

    BDO マネージング・ディレクター兼クライアント・エグゼクティブ ロバート・ブラウン氏(画像はBDOのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
    BDO マネージング・ディレクター兼クライアント・エグゼクティブ ロバート・ブラウン氏(画像はBDOのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

    テクノロジーの活用にハードルを感じるユーザーも

    AIの発展はEコマース企業の売り上げを押し上げることにつながるかもしれませんが、マイナスの影響も考えられます。

    レイブン氏は「多くのユーザーが新しいテクノロジーを活用することにちゅうちょし、ブランドから顧客が離れてしまう可能性があります」と言います。潜在的な顧客のなかには、怖気づいて新しい技術を学ぼうとしない人もいるかもしれない、というのが彼の主張です。

    Oteroも最初は同じ問題に直面しました。「Perfitlyのバーチャル試着ツールを導入した当初は、利用する顧客はそれほど多くなかった」とヴィラヌエヴァ氏は語っていました。 ヴィラヌエヴァ氏によると、アバターを最初の入口とすることが、ユーザーに複雑だと思わせないための鍵だったそうです。

    データを悪用すれば、消費者の信頼を失う可能性があります。顧客について知れば知るほど、それを悪用する人が出てくる可能性が高まるからです。(ブラウン氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    Hameeがコンセプトストア「iFace Lab(アイフェイスラボ)」を東京・原宿にオープン

    2 years 8ヶ月 ago

    Hameeは、モバイルアクセサリーブランド「iFace(アイフェイス)」のコンセプトストア「iFace Lab(アイフェイスラボ)」を8月4日に東京・原宿キャットストリート沿いにオープンする。

    ロイヤルティ向上、ブランド体験機会の創出をめざす

    「iFace」は2012年に日本で発売し、国内販売個数は2021年に350万個以上、累計販売数2000万個を突破した。発売から11年目となる2023年を新たなスタートとし、「iFace Lab」をオープンする。

    外国人観光客も多く、若者が新しいトレンドを発信する原宿を出店場所として選び、次世代のカルチャーを提案するコンセプトストアを作ることで、ロイヤルティ向上、ブランド体験機会の創出を目的としているという。

    また、さまざまな施策を通じて原宿に集まる若者たちと共創し、情報発信や話題化によるトレンド形成、インバウンド需要を見越したモバイルアクセサリー業界の活性化や市場拡大に貢献していきたい考えだ。

    Z世代をターゲットにコラボレーションやカスタマイズなどの施策を展開しながら、インバウンドによる海外からの旅行客を取り込むことで、2億円の売り上げをめざす。

    ユニークな企画を実施する実験的なスペースをめざす

    「iFace Lab」では、モバイルアクセサリー製品のカスタマイズスペース、iFace製品、コラボ商品を中心に販売する。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア スマホケース ストラップ 店舗イメージ
    「iFace Lab」の店舗イメージ

    「iFace Lab」の特徴は次の5つ。

    ① 「iFace Lab」限定、スマホケース&ストラップのカスタマイズ

    「iFace」のスマートフォンケース「Reflection」シリーズ対応のインナーシートに、テキスト入力、スタンプ、背景の選択などのカスタマイズが行える。テキストはフォント・色・斜体・太字を選択可能。カスタマイズしたシートは店舗で注文し約30分で完成するため、当日受け取れる。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア インナーシート カスタマイズ
    「Reflection」シリーズ対応のインナーシートのカスタマイズ例。価格は1100円(税込)。対応機種はPhone14/14Pro/14ProMax、iPhone13/13Pro、iPhone12/12Pro、iPhoneSE3、iPhone8、iPhone7

    また、ストラップをカスタマイズできるスペースを設置。ワイヤーキーリングに好きなパーツを組み合わせて、自分だけのストラップをカスタマイズできる。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア ストラップのカスタマイズ例
    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア ストラップのカスタマイズ例
    ストラップのカスタマイズ例

    ② クリエイターなどとのコラボ企画、第1弾は「サウナボーイ」

    クリエイターやコンテンツとのコラボレーション企画を実施。製品開発、イベントなどさまざまなコラボを展開する予定。

    オープン時の企画はサウナアパレルブランド「サウナボーイ」とのコラボで、スマホケースなどコラボ製品を店舗限定で販売する。コラボ製品のデザインについては今後「iFace Lab」の公式Instagramで随時発表予定。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア コラボ商品 サウナボーイ
    「サウナボーイ」は、サウナをテーマにしたアパレルやグッズを展開しているアパレルブランド

    ③ 漢字、和柄など外国人観光客を意識した製品ラインアップ

    ジャパニーズコンテンツとして、インナーシートに漢字を入れるカスタマイズサービスや、アクリルアーティストのKAE氏とコラボしたアクセサリー販売を店舗限定で行う。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア 漢字 和柄 外国人観光客を意識したラインアップ
    漢字や和柄などのデザインを取り入れたアクセサリーの一例

    ④ 「iFace」ブランドの世界観を反映した外観と店内

    「iFace Lab」の看板を大きく設置し、店内が見えるように全面ガラス張りの外観になっている。店内は、インダストリアルな空間のなかにカラフルな什器や収納器具を設置することで多様性を表現。壁面には「iFace」のスマホケースを使用したアートを作成し、フォトスポットを設置している。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア 外観のイメージ
    外観のイメージ図
    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア 店内のイメージ
    店内のイメージ図

    ⑤ 「iFace」を中心とした商品ラインアップ

    スマホケース、インナーシート、「AirPods」ケース、「AirTag」ケースなど、「iFace」を中心にさまざまなモバイルアクセサリー製品を取り扱う。また、店舗限定製品も販売する。

    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア スマホケース
    販売するスマホケース例
    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア AirPodsケースの一例
    「AirPods」ケースの一例
    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア インナーシートの一例
    インナーシートの一例
    Hamee iFace iFace Lab 原宿 コンセプトストア AirTagケースの一例
    「AirTag」ケースの一例
    藤田遥

    Amazon、「プライムデー」でアイスタイルと初コラボ。「特設ページ」での商品紹介、原宿の旗艦店で商品体験など

    2 years 8ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは、資本業務提携先のアイスタイルと初めてのコラボレーション企画を実施する。

    7月11日0時から12日23時59分までの48時間にわたって開催するAmazonプライム会員限定のセール「プライムデー」で、「特設ページ」を通じた美容部員などによる商品紹介、アイスタイルが運営する旗艦店で商品を体験する機会を展開する。
    「プライムデー」でAmazonとアイスタイルが初めてコラボレーションする
    「プライムデー」でAmazonとアイスタイルが初めてコラボレーションする

    アイスタイルとAmazonとのコラボレーション企画は次の通り。

    • Amazon.co.jp内の「Amazon Beauty」特設ページ:6月30日~7月12日
    • 原宿の「@cosme」の旗艦店「@cosme TOKYO(アットコスメトーキョー)」でのイベント:7月5日~7月12日
    原宿の「@cosme」旗艦店での「プライムデー」コラボイメージ
    原宿の「@cosme」旗艦店での「プライムデー」コラボイメージ

    特設ページ:商品紹介動画、ライブ配信ほか

    特設ページでは商品の魅力を紹介する。「プライムデー」で特別価格になる一部の商品を、Amazonのユーザーによる口コミ、人気インフルエンサー「ありちゃん」や「ももち(牛江桃子)」による商品紹介動画の配信、「@cosme」の人気美容部員によるライブ配信などを通じて紹介していく。

    「@cosme」原宿旗艦店:商品展示、タッチアップ、割引価格での販売ほか

    店内では「Amazon Beauty」の特設ページにて紹介している全商品を「@cosme ベストコスメタワー」エリアなどで展示する。

    「@cosme ベストコスメタワー」(左)と「TESTER BAR」
    「@cosme ベストコスメタワー」(左)と「TESTER BAR」

    「TESTER BAR」エリアでは来店者が商品を試すことができる。このほか、一部商品のサンプルセットを1万人限定で配布する。ユーザーはこれらの商品を「プライムデー」の期間中、Amazonにて特別価格で購入できる。

    Amazonは2022年、アイスタイルと資本業務提携を締結。アイスタイルが米Amazonに対して25億円の新株予約権付社債(発行会社の株式を一定の価格で取得できる権利が付与された社債)と115億3823万円の新株予約権を発行すると発表した。

    高野 真維

    Googleの「Search Central Live Tokyo 2023」から考えるEC事業者がAI活用で意識すべきポイント | 酒匂氏が語る「コンテンツSEO」の極意

    2 years 8ヶ月 ago
    ユウキノイン代表取締役の酒匂雄二氏が、Googleの検索チームが主催する「Search Central Live Tokyo 2023」への参加を通じて感じたことや、EC事業者がAI活用時に注意すべきポイントを解説します

    Googleの検索チームは、Webサイト運用担当者やデジタルマーケターなどSEO担当者向けカンファレンス「Search Central Live Tokyo 2023」を6月16日に開催しました。過去にも「Webmaster Conference」「Google Dance」の名称で行われており、筆者も幾度も参加。2018年の「Google Dance Osaka」ではライトニングトーク(LT)と呼ばれるトークセッションに登壇した経験があります。今回は「Search Central Live」の注目ポイント「AI(人工知能)」について、ECビジネス視点での活用方法を解説します。

    予想通り、多く登場したキーワード「AI」

    セッションや質問で幾度となく「AI」という言葉が飛び交いました。ここでは細かく触れませんが、関係者・参加者がハッシュタグ「#SearchCentralLive」でツイートしていますので、Twitterで確認してみて下さい。登壇内容、会場のようすを垣間見ることができます。

    「Search Central Live」でGoogleに寄せられたAIに関する質問には、次のようなものがありました。

    • AIを使った高品質なコンテンツを作るにはどうしたら良いか?
    • SEO専門家はAIをどう活用すべきか?

    SEO担当者には気になる内容ばかり。こうした質問内容については、これまでGoogleセントラルブログでも言及されています。会場ででも繰り返し回答していましたが、Googleの検索チームは改めて、

    • AIはハルシネーション(幻覚)を起こす
    • AIでコンテンツを作成することが悪というわけではない
    • AIはそれが事実かどうかをチェックしているわけではない
    • 最終的には人の目でチェックすることが大事

    という見解を述べていました。

    生成AIが登場しても、SEOはなくならないのではないか

    最近は「ChatGPT」がニュース番組やワイドショーでも取り上げられるようになりました。

    また、2023年5月10日(米時間)に行われたGoogleの年次開発者イベント「Google I/O」でGoogleは、「AIが生成する回答を検索結果の上部に掲載する機能」である「SGE(Search Generative Experience)」を発表。こうしたことを受け、筆者には日頃の質問や登壇依頼で「このことについて言及してほしい」という要望が寄せられるようになりました。

    「SEOに使えるの?」「コンテンツマーケは楽になる?」などが多く、特に「SGE」のデモ映像が出回ってからは「SEOは時代遅れなのか?」という質問も増えました。

    その度に、自分なりの生成AIとの付き合い方について「現時点ではこう思う」という話をしてきました。

    ここ数年の世情・市況の変化は目まぐるしく、1か月でAIが生成する答えも激変していくため、どうしても“現時点では”という表現が多くなりがちです。

    野村総合研究所の調査結果では、世界の「ChatGPT」のトラフィックで日本は3位というデータがあり、他国と比較しても多くの人が関心を寄せていることがわかります。

    Google Search Central Live カンファレンス SEO AI 日本のChatGPT利用動向
    日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点)」(野村総合研究所)から編集部がキャプチャし追加

    では、やはりAIによってSEOも駆逐されていくのでしょうか? 多くのEC事業者・企業の支援をするなかで、筆者は「決してそんなことはない」と感じることの方が増えてきました

    EC事業者が押さえておくべきAIのポイント

    それでは、こうしたGoogleの見解や、AIを取り巻く環境の変化などを踏まえ、EC・通販事業者のAI活用に触れていきます。

    まず押さえておきたいポイントは、「ChatGPT」や「Bard」を使ってコンテンツを生成する、SEOに使うという上で質を左右するのがプロンプトと呼ばれる指示文だということ。

    単に「◯◯を販売しているECサイトの検索順位を上げたいので、タイトルタグを提案して」と入力しても、ありきたりの文章しか提案してもらえません。

    しかし、「当店は20代から30代の女性ユーザーが多く、ビジネスシーンでも使えるスマホケースの品揃えに自信がある」というような一文を入力するだけで、より表現が豊かな結果を出力してくれます。

    一見すると良さそうなものが抽出されるので、そのままECサイトに反映したいところです。しかし、当社のクライアントで「人の目でチェック」してみると、ある問題に行き着きました。

    出力された結果をクライアント企業内でヒアリングしたところ、「これはうちのお店っぽくない」「うちのお客さんには違和感を持たれるかも」「ブランドの良さが打ち消されている気がする」と、違和感を覚える人が続出したのです。

    この傾向は、実店舗があり接客経験が豊富な人がいるお店ほど顕著でした。「AIはうちのお店のことをわかってない」と言うのです。

    当然ですが、AIはそのお店に来店したり、サイトにアクセスして買い物をしようとしたり、店頭でスタッフに接客してもらったりしたわけではないからです。

    AIに足りない「経験」の部分を人の手で補う

    前回の記事で触れた、Googleの「検索品質評価ガイドライン」に追加された新しい概念「E-E-A-T」の1つ、「Experience=経験」がAIにはありません

    そして、検索順位の上位に来ても、魅力的なタイトルでなければクリック率は上がりません。仮に上位に表示されてクリックされても、ページ内容とユーザーの意図にズレが生じ、コンバージョンにつながらないという課題も起きてくるのです。

    こうした状況を改善していく際に、「E-E-A-T」の重要性が実感できるのではないでしょうか。

    「E-E-A-T」とは

    • Expertise(専門性)=その商品やサービスの専門家の専門知識
    • Experience(経験)=商品やサービスの利用経験、接客の経験数
    • Authoritativeness(権威性)=そのブランドのオーナー、店長、カリスマ店員
    • Trust(信頼性)=品質、接客、梱包などのレビューや口コミなどによる安心感

    上記に当てはまるスタッフ、専門家にチェックや監修依頼をして、タイトルやディスクリプションを改善してみると、順位の変化が小さくても「Googleアナリティクス」のデータではエンゲージメント率、クリック、スクロールでカウントされるイベント数が上がったサイトもありました

    支援しているECサイトで特に顕著だったのはアパレルショップです。スタッフにファンがついており、「Aさんと体型が近いから」「Bさんの着こなしが好き」「Cさんのような女性に憧れる」といった理由も大きな購買動機となっているのです。

    こうして見ると、「E-E-A-T」という概念はよくできていると感じます。「Search Central Live」で行われたGoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏のキーセッションでも、

    「Write for your users, not Search.」=検索のためでなく、ユーザーのためにコンテンツを作成します

    という話がありました。ECサイトで買い物をするのはGoogleでも検索エンジンでもなく人ですので、とても納得のいく内容です。

    AIを使ってアイデア出し、表現のブラッシュアップする

    そこで、今取り組んでいるコンテンツ生成でのAIの使い方としては「壁打ち相手」「アイデア出し」「棚卸し」です。

    ゼロからAIに委ねるのではなく、自分で考えた草案などを打ち込みます。そこから、

    「◯◯、■■、△△というワードを盛り込んで5つ提案してください」

    「✕✕というワードは使用しない」

    「“!”を使用せず、落ち着いたトーンでさらに5つ」

    「(生成された)候補の1と3が良いので、それを元にもう5つ」

    というようにブレストしながら、お店のブランドイメージやユーザー層に合わせてタイトルタグ、メタディスクリプションに磨きをかけていく方法です。

    この方法を行うことで「こんな言い回しは思いつかなかった」「うちには似合わないけど、こういう言い方をしているお店もあるかも」といった気付きが生まれ、コンテンツを作成していく際の言葉の引き出しも増えていくのではないでしょうか。

    ハルシネーション(幻覚・嘘)には気を付けよう

    AIツールを使う上で注意しなければならないのは、「ハルシネーション(幻覚・嘘)」です。

    「ChatGPT」が話題になり始めた頃、自分の名前を入れて「漫画家と表示された」「作曲家になった」というSNSでの投稿を多く目撃しましたが、そうしたことがハルシネーションの一種です。

    筆者のクライアントでも、「ChatGPT」を使ったところ、本来は3店舗にもかかわらず7店舗の住所を示す回答もありました。

    誤った生成回答を真に受けて店舗数調査を回答しては、事故につながりかねません。「ChatGPT」の普及を受けて「リサーチャーの仕事がなくなる」という声も見受けられましたが、人の目でチェックする重要性を感じています

    クライアントには製薬企業もいますが、医薬品やサプリメントなどは薬機法に抵触する表現も数多く確認されており、現時点では専門家のチェックなしで公開するには危うすぎる内容を生成していました。

    実際、サプリメント系のECサイトでは「ChatGPT」によってコンテンツを量産し、検索順位が著しく悪化したという相談も寄せられ始めています。

    下図のサイトは検索順位の下落具合が非常にわかりやすいです。主力商品の検索で20位あたりから上がり下がりを繰り返し、一時は89位まで下落しました。

    その後、人力でページ修正を加えたことで以前よりも順位は回復、14位まで上昇しました。現在もこの近辺で安定しています。

    Google Search Central Live カンファレンス SEO AI 検索順位を大幅に落とし、人力で回復した推移
    AI生成コンテンツで検索順位を大幅に落とし、その後人力で回復した事例

    Google検索品質評価ガイドラインでは、「YMYL(Your Money or Your Life)」ジャンルとして、お金と健康に関わるコンテンツの評価も厳格化しており、ハルシネーションによる検索評価の低下などには一層の注意を払う必要があります

    以上のことからも、誰もがAI生成で楽ができるのではなく、「取り扱い商材・サービスに正しい知識を持っている人が便利に使えるもの」と考えて付き合っていくことが重要ではないでしょうか。

    こんなお店にこそAI生成ツールを活用してほしい

    筆者は行政機関の相談員を務めていますが、そこでよく相談を受けるのが「長い年月家族でECを運営しているが、サイトは開店時に作成してもらったまま手つかず。誰もタグを触れない」というもの。

    ある面談でふと思い立ち、「ChatGPT」で「リンク付きの画像を挿入したいので、HTMLを書いて」と実演してみせたところ、その結果に相談者が目を丸くしたことがありました。

    Google Search Central Live カンファレンス SEO AI ChatGPTを活用したhtmlタグの生成事例
    相談窓口で実演した「ChatGPT」を活用したHTMLタグの生成事例

    コードの生成は「ChatGPT」の得意分野と言えます。回遊性を高めるための画像付きリンク、ちょっとした商品の説明画像の挿入はもちろん、構造化データの書き出しなど、ECサイトによくある小さな穴を防ぐためのことは簡単にできます。

    こうしたタグはプロンプトが成熟してなくても十分に書き出せます。実際、非エンジニアの新卒入社の人が、プルダウンメニューや構造化データを生成し、自社ECサイトの利便性向上に勤しんでいるクライアント企業もいます。

    「GPT-4(OpenAIが提供する大規模言語モデル。テキストだけでなく写真、音声を入力情報として利用できる)」の利用料は月額20ドル、2023年6月時点のレートで約2800円。ツールとしては少額な部類ですし、これで幾らかでも売り上げが変わっていくのなら利用してみる価値はあるかもしれません。

    ◇◇◇

    AIツールは、導入したら何もかもが夢のように叶う「四次元ポケット」のようなものではありません。長所と短所の特徴を把握し、任せられる分野を見つけていくことが、人とAIが共存・共栄するより良い未来につながるのではないでしょうか。

    酒匂 雄二

    バニッシュ・スタンダードが「STAFF START」をリニューアル。写真と動画を組み合わせて投稿できる「SNAP PLAY」機能を実装

    2 years 8ヶ月 ago

    バニッシュ・スタンダードは、スタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」のメイン機能「コーディネート投稿」をリニューアルし、「SNAP PLAY」の提供を7月24日から始める。

    「SNAP PLAY」機能とは

    「SNAP PLAY」機能は、写真と動画を組み合わせて自社ECサイトやSNSなどに投稿できる機能。「コーディネート投稿」機能と同様に写真と商品情報をひも付け、文章やハッシュタグで商品情報を伝える機能を搭載。新たに同一投稿内に動画を選択できるようにした。

    バニッシュ・スタンダード STAFF START コーディネート投稿リニューアル SNAP PLAY
    「コーディネート投稿」機能をリニューアルした「SNAP PLAY」機能

    「SNAP PLAY」は次の効果が期待できるという。

    • 接客表現力の向上:動画によって動き、音、細部のデザインなど静止画だけでは伝えきれない情報を伝えることができるため、スタッフのセンスや知識の表現の幅が広がる。
    • CVR向上:「コーディネート投稿」経由での直接売り上げのCVRは1.35%なのに対し、動画投稿経由の直接売り上げのCVRは2.74%と約2倍(STAFF START調べ)。そのため、静止画と動画を組み合わせることで、CVR向上が期待できる。
    • 投稿効率の向上:静止画に10秒ほどの動画を付けるだけでも、情報量や表現の幅が広がる。また、動画だけで情報を伝え切るよりも、静止画があることで投稿時間の短縮につながり、効率的な投稿が可能になる。
    藤田遥

    【ChatGPT活用術】AI活用のデメリットとその対応策とは? ポイントは「モニタリング」「セキュリティ対策」「ユーザー教育」 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    2 years 8ヶ月 ago
    「ChatGPT」をEC事業で安全かつ有効に活用するには? 活用のリスクから、リスクごとの対応策まで1つひとつ解説する

    皆さん、「ChatGPT」が世間を騒がせていますね。ニュースによれば、AIによって、多くの仕事がなくなったりするとかしないとか。AIは、今後は切っても切り離せない技術になりそうです。自分の作業を軽減できるスキルが無料で使えるのであれば、使わない手はないですよね。

    「ChatGPT」はAIの応用技術の一つで、EC事業者が顧客との対話やサポートに活用することができるんですよ。もちろん便利なツールを使う前には、メリットを理解するのはもちろんですが、デメリットや注意点、危険性を理解し、適切な対応策を講じることが重要です。本記事では「ChatGPT」のデメリットについてわかりやすく解説し、EC事業者が安全かつ効果的に活用するための対策をご紹介します。

    ECタイムズ ChatGPT AI

    偏った情報や誤った回答を減らす

    そもそも、「ChatGPT」は大量のデータから学習し、人間のような回答を生成することができます。リスクとして情報が偏ったり、誤った回答を提供する可能性があるということを認識する必要があるでしょう。全てが正しいとは言いきれません。

    これは、学習データに偏りや誤りがあった場合や、文章を正確に把握できなかった場合に起こります。対策としては、以下のやり方があるので、解説していきましょう。

    1. クオリティコントロール
    2. 監視とフィードバックループ

    対応策① クオリティコントロール

    「ChatGPT」のトレーニングデータには注意が必要です。高品質でバランスの取れたデータセットを使用し、適切な文章でのインプットをおこないます。データセット自体が、他の媒体や有償のコンテンツの場合には、著作権侵害になる恐れがあります。正確性が高く、かつ著作権侵害のないデータセットを使用するようにしましょう。

    対応策② 監視とフィードアップループ

    運用中に「ChatGPT」の回答を監視し、誤った情報や回答が出た場合には修正やフィードバックを行います。誤った情報が出る前提でチェック機能を用意する必要があります。

    たとえば、物産などの金額が間違っていたとき、住所などが間違っていたときに修正をする必要があります。継続的なモニタリングの仕組みを組織として準備していきましょう。

    「ChatGPT」の活用には継続率なモニタリングが必要となる
    「ChatGPT」の活用には継続率なモニタリングが必要となる

    悪意ある利用やセキュリティ上のリスクを下げる

    「ChatGPT」は、利用者が与えた情報や入力に基づいて回答を生成します。しかし、これにより悪意ある利用やセキュリティ上のリスクが発生する可能性もあります。

    情報漏えいや悪質行為に備えたセキュリティ対策が求められる
    情報漏えいや悪質行為に備えたセキュリティ対策が求められる

    たとえば、個人情報の漏えいや悪質な行為への利用などがあげられます。対策は以下の3つです。丁寧に解説します。

    1. データの保護とセキュリティ対策
    2. 利用ポリシーの策定
    3. ユーザーコントロールの提供

    セキュリティ対策① データ保護と暗号化・アクセス制御

    クライアント情報や個人情報を「ChatGPT」とのやり取りで適切に保護するために、適切なセキュリティ対策を講じましょう。暗号化やアクセス制御などのセキュリティ手段を適用します。大きな組織には必ず、セキュリティを管理する組織があります。セキュリティ管理する部署から、暗号化やアクセス制御などのセキュリティ手段を確認していきましょう。

    セキュリティ対策② 利用ポリシーの策定

    「ChatGPT」の利用に関する明確なポリシーを策定し、社内や利用者に周知徹底しましょう。これには適切な利用範囲や禁止事項、プライバシーポリシーなどが含まれます。

    たとえば、社内で管理している顧客の名前や売上実績など、顧客データを入力してはいけません。学習されたデータは、他のユーザーにも使われる可能性もあり、顧客情報の漏えいにつながる可能性があるからです。「ChatGPT」の利用ルールを決めて、顧客情報の漏えいなどのリスクを抑える必要があります。

    セキュリティ対策③ ユーザーコントロールの提供

    利用者が「ChatGPT」とのやり取りにおいて自身の情報の管理や設定を行えるような仕組みを提供しましょう。ユーザーコントロールができるようシステム部門が調整する必要があります。

    たとえば、個人情報の削除やデータの収集を制限するオプションを提供することが有効です。「ChatGPT」のリスクをわかったうえで、システムやルールを構築していきましょう。

    ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上と教育

    「ChatGPT」の利用は、EC事業者の顧客エクスペリエンスの向上に貢献できますが、デメリットもあることを理解する必要があります。以下の対応策があります。

    1. フィードバックと報告管理
    2. 利用者教育と期待管理

    UXの向上・教育施策① フィードバックと報告管理

    利用者が「ChatGPT」との対話中に問題や不満が生じた場合に、評価やコメントをするフィードバックチャネルや報告する仕組みやスタッフが対応する専用ラインを提供しましょう。人間の機微に触れる内容は、AIでは認識が難しく、トラブルになることもあるからです。

    たとえば、利用者が感情的になってしまい、「ChatGPT」では解決できなかったときは、スタッフのチャットなど、直接連絡できるラインを常に確保することで、顧客の満足度を下げることなく、対応できます。これにより、問題解決やサポートへの円滑な移行ができます。

    UXの向上・教育施策② 利用者教育と期待管理

    「ChatGPT」の制約や限界を利用者に理解してもらうために、適切な教育や情報提供を行いましょう。定期的な教育をすることで、「ChatGPT」におけるITリテラシーが高まり、健全な利用方法ができるようになります。

    「ChatGPT」の健全な利用に向けて、ユーザーに対する教育も欠かせない
    「ChatGPT」の健全な利用に向けて、ユーザーに対する教育も欠かせない

    テクノロジーは、進化を続けますので、要所要所でのトレーニングをすることで、問題点やリスクを把握しながら、AIを使用できます。進化するテクノロジーを利用することで、単純作業から開放され、より価値の高い業務に時間をかけられます。「ChatGPT」がAIであることや限定された能力があることを明示し、現実的な期待を持って利用してもらいます。

    ◇◇◇

    いかがでしたでしょうか? 「ChatGPT」はEC事業者にとって有用なツールでありながら、デメリットや注意点も存在することがわかりました。専門家などからデータの品質管理、セキュリティ対策、利用ポリシーの策定、ユーザーエクスペリエンスの向上と教育などの対応策を講じることが重要ですね。

    EC事業者は「ChatGPT」を効果的かつ安全に活用するために、継続的なモニタリングや改善を行いながら、利用者とのコミュニケーションをおこなっていくことも考えましょう。

    スムーズなコミュニケーションができれば、スタッフの作業時間も減らすことができますね。もちろん、人の機微が必要な対応は、人ができるように常にラインを確保する必要がありますね。

    ECタイムズ

    【Amazonプライム利用調査】加入率は44%で、20代の加入割合は5割以上

    2 years 8ヶ月 ago

    消費者向け情報サイト「Appliv TOPICS」を運営するナイルが実施したAmazonの有料会員制度「Amazonプライム」に関するアンケート調査(対象は1641人)によると、加入者は約4割強で、加入した時期は5年以上前のユーザーが最多だった。

    調査結果のポイント

    • 「Amazon」プライムの加入率は約44.5%。加入率は下の年代ほど高い
    • 「Amazonプライム」に加入した時期は「5年より前」が30.41%、「3年以内」が23.97%
    • 加入者が最も日常的に使う特典は動画配信サービスの「プライム・ビデオ」。若い世代ほど配送特典よりも「プライム・ビデオ」を利用
    • 7割以上が「プライム特典を活用できている」と実感

    「Amazonプライム」の加入率は約44.5%。20代では過半数超え

    「Amazonプライム」に加入しているかどうかを聞いた質問には、「現在加入している」(44.49%)が最も多く、「過去に加入していた」(11.94%)「加入していない」(40.46%)が続いた。

    「Amazonプライム」の加入状況
    「Amazonプライム」の加入状況

    年代別で見ると、若い世代ほど「Amazonプライム」の加入率が高い。20代では「現在加入している」が55.15%だった。

    年代別の「Amazonプライム」加入状況
    年代別の「Amazonプライム」加入状況

    「現在加入している」と回答した730人に加入時期を聞いたところ、「5年より前」(30.41%)が最多。「1週間以内」から「1年以内」は合計で23.98%、「3年以内」は23.97%だった。

    「Amazonプライム」の加入時期
    「Amazonプライム」の加入時期

    年代が上がるほど「配送料無料」特典を多く利用

    日常的に利用している「Amazonプライム」の特典を聞いたところ、「プライム・ビデオ」(83.84%)が最多、次いで「配送料無料・配送特典」(75.62%)だった。

    この2つの特典の利用が突出して高く、その他の特典の利用率は3割以下。音楽聴き放題の「Amazon Music Prime」は28.49%、専門チャンネルで動画を楽しめる「Prime Video チャンネル」は21.10%、プライム会員限定の「先行タイムセール」は16.16%だった。

    日常的に利用している「Amazonプライム」の特典
    日常的に利用している「Amazonプライム」の特典

    年代別の各プライム特典の利用率では、「プライム・ビデオ」はどの年代も80%台。「配送料無料・配送特典」の利用率は、60代で90.60%、それよりも下の年代では80%以下となっている。

    年代別に見た、日常的に利用している「Amazonプライム」の特典
    年代別に見た、日常的に利用している「Amazonプライム」の特典

    フォトストレージ「Amazon Photos」、書籍の読み放題サービス「Prime Reading」などを含む、「その他特典」の利用率は50代、60代では低い。これに対して、40代以下のユーザーは「Amazonプライム」の多様な特典を効果的に活用している傾向が見られる。

    特典を「活用できている」と感じている人は7割超

    「Amazonプライム」の利用者に、「Amazonプライム」を活用できていると思うかを聞いたところ、「どちらかと言うと活用している」(45.34%)が最も多かった。「とても活用している」(31.10%)と合わせると76.44%が「Amazonプライム」を活用できていると感じているようだ。

    自分が「Amazonプライム」を活用できていると思うかの調査
    自分が「Amazonプライム」を活用できていると思うかの調査

    年代別で見てみると、「とても活用している」が20代は47.25%。年代が上がるごとに下がっていき、60代は12.82%だった。

    「どちらかと言うと活用している」の割合は60代が最も高く59.83%。「とても活用している」「どちらかと言うと活用している」の合計は、50代が65.87%で最も低かった。

    年代別に見た、「Amazonプライム」を活用できていると思うかの調査
    年代別に見た、「Amazonプライム」を活用できていると思うかの調査

    調査概要

    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2023年6月8日~6月15日
    • 調査委託先:ジャストシステム
    • 調査対象:20~69歳の男女
    • サンプル数:1641人
      年齢】15~19歳:330人、20~29歳:331人、30~39歳:326人、40~49歳:324人、50~59歳:330人
      性別】男性:821人、女性:820人
    高野 真維

    【九州の大雨】ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の九州向け荷物の一部で配送遅延が発生

    2 years 8ヶ月 ago

    九州地方の大雨による影響で、大手配送キャリアは7月3日までに、九州向けの荷物の配送に遅れが生じていると公表した。通販・EC会社は該当地域宛ての荷物に関し、配送遅延が生じる可能性についてのアナウンスなどが求められる。

    ヤマト運輸

    JR貨物列車の遅れなどにより、全国から九州宛ての荷物の一部に遅延が生じている。

    特に、全国から滋賀県、京都府の一部宛ての荷物に大幅な遅れが生じているという。

    佐川急便

    貨物列車の遅れ、運休の影響で、「全国から九州地方向け」「九州地方から全国向け」の荷物の一部に遅延が生じている。

    日本郵便

    福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県で配達する「郵便物」「ゆうパック」などの一部の配送に遅れが発生している。今後の天候状況で、その他地域でも遅れが生じる場合があるという

    瀧川 正実

    再春館製薬所が「LINEギフト」に出店、ドモホルンリンクルなどを販売

    2 years 8ヶ月 ago

    再春館製薬所は6月28日、「LINE」を通じて友だちにギフトを贈れるサービス「LINEギフト」に出店、主力ブランドの基礎化粧品「ドモホルンリンクル」、漢方から発想した新ブランド「Lashiku(ラシク)」の販売を開始した。

    「LINEギフト」は、LINEアプリの「トーク」を通じて、LINE上で簡単にギフトを贈ることができるサービス。、誕生日やクリスマスなどのシーンで、相手の住所を知らなくても気軽にギフト(eギフトと配送ギフトの2種類)を贈ることできる。

    「LINEギフト」の累計利用者数は2022年10月時点で2600万人。贈り手と受け手の利用ユーザーは20代が38%、女性が6割を占める。

    「LINEギフト」のユーザー属性
    「LINEギフト」について(画像はZホールディングスが公表したIR資料からキャプチャ)

    再春館製薬所は、「LINEギフト」限定の「ドモホルンリンクル」のスターターセット(約1週間分)、単品商品は特にファンの多い「保湿液」「保護乳液」などを販売する。

    LINEギフト限定品のなかには、特製の今治フェイスタオル、シートマスクなどのオリジナル品が付くセットも用意した。

    再春館製薬所は電話を中心とした通信販売で事業をスタート。自社ECサイトの開設、チャット、LINEなどのオンライン対応を進め、現在は全体売上の50%以上がオンライン経由になっているという。

    瀧川 正実

    「残りわずか」「〇人が購入済み」が効果的! EC事業者のための「令和4年度消費者意識基本調査」【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    2 years 8ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年6月26日~7月2日のニュース

    消費者庁から「令和4年度消費者意識基本調査」が公開されました。ボリュームが多いので要約記事を読んでポイントだけ把握しておきましょう。

    誠実な対応をするお店で買いたいという傾向

    「令和4年度消費者意識基本調査」から考える、消費者のECサイトに対する本音 | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/37208?utm_source=pocket_saves

    本記事では、その調査項目のうち、『(2)「インターネットや SNS の利用」について』の「調査結果の概要」から、EC事業者にとって役立つ情報を抜粋して解説します。

    「消費者意識基本調査(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/)」は消費者庁が毎年行っているもので、日頃の消費生活での意識や行動、消費者事故・トラブルの経験などを聞き、消費者問題の現状や求められる政策ニーズなどを把握することを目的にしています。令和4年度のデータが発表されましたので、ECに関係するものだけを見ていきましょう。

    インターネットでの商品・サービスの予約や購入をどの程度しているかという質問には、回答が多い順に以下のようになっています。

    1. 月に2~3回程度:32.2%
    2. 月に1回程度:24.0%
    3. 数か月に1回程度:22.4%

    私の場合は「Amazon」でホイホイ買い物をしてしまうわけですが、調査結果では月に2~3回が最多となっています。まとめ買いをしたり、セールのタイミングで買ったりしているのかもしれません。

    インターネットでの商品・サービスの予約や購入で気を付けていることについて、15項目の質問には、「当てはまる(『とても当てはまる』+『どちらかというと当てはまる』)」の割合が高い順に以下のようになりました。

    1. 口コミや評価を判断材料にする:84.6%
    2. 大幅に安く販売されている場合は注意する:82.0%
    3. 複数のサイトから情報を集め、信頼できるか確認する:79.0%

    やはり口コミは参考になるようです。逆に口コミがないと心配になる人も多いのでは? あとは怪しげなものに関しては慎重になるユーザーが多いようです。特に激安な商品は警戒心が高まりますね。値引きもほどほどに。

    インターネットでの商品・サービスの予約や購入において実際に経験したことへの質問は、回答が多い順に以下のようになっています。

    1. 商品・サービスが期待やイメージとは異なる:52.1%
    2. 望まない広告メールが送られてくる:47.6%
    3. サイズや数量等を間違えて注文してしまう:31.8%

    ネガティブな体験はこのようになっています。イメージが異なるのはある程度は仕方がないですが、商品画像や動画、説明文でカバーしたいですね。メールに関しては広告と思われないような内容にしておきたいところです。また、登録時に「お店からの大切なお知らせ~」と書いておきながらキャンペーンや広告メールを送るのも控えたいところ。

    インターネットでの商品・サービスの予約や購入において、これまでに実際に目にしたり、経験したりしたものに関する質問では、回答が多い順に以下のようになっています。

    1. 『残りわずか』等、売り切れ間近のような表示:78.7%
    2. 『●人が閲覧中』や『●人が購入済み』等、他人の動向の表示:72.0%
    3. 割引等の特典の有効期限をカウントダウンで表示するタイマー:61.7%

    購入につながる施策上位はこの3つ。気になる商品が売り切れ間近だと欲しくなります。かといって在庫があるのに表示を少なめにするなど、誠意に欠けるものは止めましょう。次がないですから。口コミが重要であれば、安心感が高まるので「〇人が購入済み」も重要です。

    インターネットでの商品・サービスの予約や購入において、実際に商品・サービスの予約や購入、会員登録などにつながったり、困ったりしたものに関する質問には、回答が多い順に以下のようになっています(※「特にない:35.9%」を除く)。

    1. 解約までの手続やページが分かりにくい:25.7%
    2. メールマガジンやセール情報の初期設定が『購読』や『通知』になっていた:20.7%
    3. 『残りわずか』等、売り切れ間近のような表示:17.0%

    売り切れ間近はネガティブなイメージもあるようです。前述のように本当に在庫がないときに表示させるようにしましょう。解約は阻止したところで意味がないので、スムーズに解約できるようにしておきましょう。そうすると戻ってきてくれる可能性も高まります。

    紹介したデータがユーザーのすべてではありません。今回は調査データを多めにピックアップしていますので、他のデータも参考にしながら自社のユーザーの動きを探っていきましょう。

    今週の要チェック記事

    「博報堂:EC生活者調査2023」生活者の1年以内のEC利用率は83.6%、 月1回以上は64.4%。 EC生活者の満足度が高いサービスは即配・カスタマイズ・パーソナライズ | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/37335

    利便性重視、節約志向、即配が人気という調査結果です。

    <調査レポート>化粧品を衝動買いしたのはどんな時?1位は「店頭で見てパケ買い・商品に惹かれて」 | Sheer
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000122153.html

    肌につけるものなので店頭で。限定パッケージなども購入の動機になるようです。

    10代から60代の年代別購入カテゴリランキングを発表! | PayPayフリマ トピックス
    https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/topics/20230131/0000/

    30代まではトレカ。40代以上は子供向けとバッグや財布というデータ。

    NETSEA AWARD 2023 -上半期- | NETSEA
    https://www.netsea.jp/special/award2306

    卸の商品トレンドはちょっと先の売れ筋なので参考になります。

    【楽天の2023年夏トレンド予測】「物価高対抗」「Return to Normal消費」などがキーワード | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11114

    分散型旅行が増えたとはいえ、お盆の帰省ラッシュは変わらないです。

    定期購入機能がリリースされました | アルド
    https://www.aldo-system.jp/blog/yahoo-shopping-design/subscription/

    「Amazonと同様に同じ商品で『通常購入』と『定期購入』が可能になる仕組み」とのこと。リピート商品は設定したいですね。

    「送料無料」は問題の本質ですか? 表示の見直しで問題は「解決しない」の声【物流2024年問題巡る現況まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11081

    1つの要因ではあるものの、これだけではないはず。

    株式会社イーシーキューブ、不正ログイン対策となる重要操作時のメール通知機能を含めたセキュリティ強化機能を実装した最新版EC-CUBE4.2.2を提供開始 | EC-CUBE
    https://www.ec-cube.net/press/detail.php?press_id=296

    オープンソースなのでセキュリティ対策はしっかりやっておきましょう。

    ECの最終画面でわかりやすい契約事項表示を求める改正特商法にネット通販会社が違反、その違反行為と処分内容とは? | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/11117

    こういったのはどんどん処分してほしい。売れれば良いというものでありません。

    今週の名言

    85万人が利用する産直EC「食べチョク」が語る「生産者ファースト」なマーケティング。農作業を手伝う理由、映え写真より「日常的な写真」の効果が高かった話。 | アプリマーケティング研究所
    https://markelabo.com/n/na676ad61057f

    僕らは東京のオフィスにいて、キャンペーンで「同梱物を入れてほしい」と思ったときに、現場を知らないと「簡単にできる」と思ってしまいます

    パソコンをいじっているだけでは視野が狭くなります。相手の現場に出向いて確認する習慣を。

    筆者出版情報

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    リユースで購入したブランドの新品購入機会増加は約4割。買い物は「長持ちする商品を購入する」が8割【リユースに関する調査】

    2 years 8ヶ月 ago

    メルカリが運営する「リコマース総合研究所」が実施した「お買い物に関する調査」によると、約4割のユーザーがリユースで購入したブランドの新品購入機会が増加していることがわかった。調査対象は全国の15~69歳の男女3097人、期間は2023年5月8日~5月9日。

    85.5%が「長持ちする商品を購入する」

    調査対象者に消費に関する価値観について聞いたところ、85.5%が「長持ちする商品を購入する」と答えた。「シーズンごとに新商品を購入する」と回答した人は24.3%だった。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 消費の価値について
    消費の価値観について(n=3097、出典:リコマース総合研究所)

    10代は「ストーリー性」「環境への配慮」を重視

    年代別に見ると、10代は「ストーリー性がある商品を購入する」(32.7%)「社会課題や環境に配慮した商品を購入する」(39.4%)と回答した割合が他の世代より高い。ブランドの思いや企業姿勢などが消費行動に影響していると言える。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 10代 ストーリー性がある商品を購入 環境に配慮した商品を購入
    「ストーリー性がある商品を購入する」と回答した人の割合(年代別、出典:リコマース総合研究所)
    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 10代 ストーリー性がある商品を購入 環境に配慮した商品を購入
    「社会問題や環境に配慮した商品を購入する」と回答した人の割合(年代別、出典:リコマース総合研究所)

    約4割がリユースで購入したブランドの新品購入機会増加

    リユース品の購入を通じた経験について聞いたところ、「欲しい物を探すときに、リユース品から探すようになった」は26.7%で、2022年より8.8ポイント増加。「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」は20.3%で同4.0ポイント増、「リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」は15.9%で同3.5ポイント増だった。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース リユース品の購入を通じて経験したこと
    リユース品の購入を通じて経験したこと(n=1785/複数回答可、出典:リコマース総合研究所)

    10代は「リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」割合が他世代より多い

    リユース品の購入を通じて「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」「リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」と回答した割合をそれぞれ年代別に見ると、10代は各項目で他の世代より高い。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 知らなかったブランド・メーカーを知った
    「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」と回答した人(年代別、出典:リコマース総合研究所)
    メルカリ リコマース総合研究所 リユース リユースで買ったブランド・メーカーを好きになった
    「リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」と回答した人(年代別、出典:リコマース総合研究所)

    85.6%がリユース品購入で好きになったブランドの新品購入後、ブランド・メーカーへの好感度が向上

    「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人のうち85.6%は、新品購入後そのブランドを「とても好きになった」「好きになった」と回答した。リユース品を通じて、ブランド・メーカーへの好意度が上がることがわかった。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース ブランド・メーカーへの好意度の変化
    「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の、ブランド・メーカーへの好意度の変化(n=167、出典:リコマース総合研究所)

    「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人のうち43.1%が「新品の購入が増えた」と回答し、それ以降の新品購入が増えている。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 同じブランドで新ぷんとリユース品の購入に変化があったか
    「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の、同じブランドで新品とリユース品の購入は変化したか(n=167、出典:リコマース総合研究所)

    「新品の購入が増えた」と回答した人のうち20~40代の約3人に1人が「新品の購入が増えて、中古品の購入が減った」と回答。リユース品を通じたブランド体験が、そのブランドの新品購入の促進につながっていることを示唆する結果になった。

    メルカリ リコマース総合研究所 リユース 新品の購入が増えてリユース品の購入が減った
    「新品の購入が増えて、リユース品の購入が減った」と回答した人(年代別、出典:リコマース総合研究所)
    調査実施概要
    • 調査タイトルお買い物に関する調査
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2023年5月8日~5月9日
    • 調査対象:全国、15~69歳、男女3097人
    藤田遥

    「Yahoo!ショッピング」で起きている客離れ。ポイント戦略の転換、出店者の声など現状まとめ | 通販新聞ダイジェスト

    2 years 8ヶ月 ago
    「PayPayモール」と統合した「ヤフーショッピング」だが、ポイント戦略の転換などで流通額減少に待ったがかからない。今後の方針や、出店者のリアルな声をまとめた

    ヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」の流通額が大きく落ち込んでいる。2022年度下期から、同社負担でばらまいてきたポイント付与を抑制したことで流通額が大幅に減少。7月からは一部イベントで、買い物の際に付与される「PayPayポイント」を「ヤフーショッピング商品券」に切り替えるほか、モールへの出店を1事業者1店舗に限定することを検討するなど、さらなる流通額減少につながりかねない方針を打ち出している。ジリ貧に陥った「ヤフーショッピング」の明日はどっちだ。

    「eコマース革命」を掲げて出店料金を無料とし、仮想モールで国内首位をめざすと宣言した孫正義氏(2013年当時)
    「eコマース革命」を掲げて出店料金を無料とし、仮想モールで国内首位をめざすと宣言した孫正義氏(2013年当時)

    モールの取扱高は減少の一途。前年同月比3割減のケースも

    ヤフー親会社のZホールディングス(ZHD)によると、「ヤフーショッピング」やグループ傘下の通販事業者の売上高を合計した2023年3月期「ショッピング事業取扱高」は前期比0.2%減。特に第4四半期(1~3月)の取扱高減少率は同13.3%と大きい。出店者に開示している3月度の同モール単体の月次流通額に関しては、前年同月比で3割減という結果となった。

    ポイント減少で消費者離れ

    大失速の要因はポイント戦略の転換だ。昨年まで同モールは、ソフトバンクの携帯電話契約者向けに、10%還元キャンペーンを毎週日曜日に実施。他の施策も合わせると、20%以上のポイント還元となるため、日曜日に同モールで買い物をする消費者が多く、出店者は日曜日に合わせた販促を展開していた。

    方針を転換したのは昨年10月。「PayPayモール」と「ヤフーショッピング」を統合する形で仮想モールを刷新した際、グループの決済サービスやクレジットカードを使用した場合の還元率を5%に引き上げるとともに、毎週日曜日の高還元施策を廃止した。

    さらに今年2月からは、毎月5日、15日、25日に実施するセール「5のつく日キャンペーン」に関して、「PayPayポイント」の付与上限が5000ポイントから1000ポイントに減少。出店者からは「日曜日の買い物習慣がなくなってしまった」「高額商品が売れにくくなった」との声が出ている。

    ZHDでは「これまでの方針から成長と収益性をバランスさせる方針に転換したため、成長率は下がらざるを得なかった」とし、今期における「ヤフーショッピング」の流通額も「流通額減少のトレンドが続く」としている。

    「優良配送」は裏目か。消費者には買いにくいモールに

    「ヤフーショッピング」の流通が落ち込んでいる要因として、もう一つあげられるのが「優良配送」に対応した商品の検索優遇だ。21年12月から開始した同制度は、出店者が顧客に提示する商品の配送日を示す「お届け希望日」を、受注日プラス2日以内としている商品かつ当該出店者の出荷遅延率が一定水準未満(5%未満)である場合にのみ出店者が設定できる表示で、商品検索結果で上位表示されやすいような優遇措置を講じている。

    しかし、「大手はともかく、中小店舗のほとんどは対応していない」(出店者A)のが実情。実際、「ヤフーショッピング」の優秀店舗「ベストストア」に選ばれるような大手や、ナショナルブランドのメーカーの扱う商品が「優良配送」として検索上位に表示されることが多い。

    一方で、知名度が高くない店舗の販売する商品に「優良配送」マークが表示されることもある。たとえば下画像の象印マホービンの炊飯器、「ヤフーショッピング」のアプリにおいて型番で検索すると、「優良配送」マーク付きで上位に出てくるのは知られていない店舗ばかり。同商品はアマゾンにおいて、2万7000円で販売されており、「楽天市場」のアプリでも最上位に表示されるのは約3万円の店舗(検索結果と価格はいずれも6月13日現在)。

    「優良配送」マークが付いた商品の一例
    「優良配送」マークが付いた商品の一例

    「無在庫転売」横行の可能性あり

    「優良配送」というだけで、他モールより2万円近くも高い店舗が最上位に表示されるのは不自然だ。これでは他モールに顧客が流れるのが当然で、ある業界関係者は「ヤフーは消費者にとって非常に買いにくいモールになっている」と指摘する。

    同商品の検索上位で「優良配送」マークが表示されている店舗のなかには「FBAを利用しているのでアマゾン倉庫からの発送となる場合がある」と明記している店舗もある。

    ただ、ジャンルを問わず、10万点程度の商品を扱っている店舗ばかりという点は共通している。品ぞろえや配送日数、価格などからみて、同モールでは禁止されている「自社では在庫を持たず、出店者がアマゾンなどで代理購入した商品を直接消費者に配送する“無在庫転売”を行う店舗」が含まれている可能性が高い

    消費者離れに懸念の「商品券付与」

    流通額の減少が止まりそうもない「ヤフーショッピング」。ところがヤフーでは、消費者の同モール離れに拍車をかけそうな施策を行う計画だ。

    まず、7月から一部イベントにおいて、「PayPayポイント」ではなく、「ヤフーショッピング商品券」を付与する。商品券は、同モールでのみ利用できるため、出店店舗からすれば、リピート購入が期待できるわけだ。

    ただ、同社では従来、同モールで貯めた「PayPayポイント」を、消費者がオフラインなどで利用することによる「PayPay経済圏」の拡大をめざしていたはず。利用シーンが限られる商品券の付与は消費者にとってはサービスの低下だ。さらには「商品を買った店舗でしか使えないクーポンのみを購入後に付与するプランもあるようだ」(出店者B)という。これでは消費者離れが加速しかねない。

    複数店舗の出店者に打撃の「出店数制限」

    もう1つは、「モールへの出店数の制限」だ。同社では6月上旬、一部店舗に対してWebアンケートを実施。「商品の探しやすさの向上や不正ストア防止などのため、原則1事業者あたり1店舗までなど、出店数に制限を設けることを検討」しており、出店者に意見を求めるという趣旨だ。

    一部店舗に対して実施したWebアンケート
    一部店舗に対して実施したWebアンケート

    さらにアンケートでは、「特定の条件に限り有料で2店舗目以降が出店できる特別プランを検討」していることも説明。「1店舗あたりどのくらいの月額利用料であれば2店舗目以降を継続するか」と質問している。

    ヤフーでは「ストア向けにヒアリングしている段階で、現状特に何も決まっていない。ストアの声などを踏まえたうえ検討していく予定」(広報室)として、詳細を明かしていない。ただ、施策が実行されれば、複数店舗を出店するEC企業にとっては大きな打撃となる。

    同一モールに多店舗展開して売り上げを高める手法は昔から行われており、「ジャンルや顧客層で店舗を分けることで専門店化する」「モール内検索やランキングにおける自社商品の比率を高める」といった狙いがある。

    流通額ダウンのおそれも

    同モールのベストストアに選出される上位店が2号店や3号店を構えているケースも珍しくなく、中には20以上運営している企業もある。出店数の制限はモール全体の流通額に大きく影響しかねない

    ただ、2013年に実施した出店料無料化以降、出店者数が急拡大した同モールだが、同時に質の良くない店舗が増えたという事実もある。とはいえ「不良ストアを追い出すなら審査を厳しくするのが先決だし、検索結果が問題ならロジックを変えればいい。結局、成功報酬型の広告『PRオプション』を今よりも伸ばすのが難しくなったので、もっともらしい理由をつけて店舗から金を徴収したいだけではないか」(業界関係者)との声も。

    限られた店舗のみ複数出店を認めるとしても、高額な出店料を徴収すれば店舗を絞る事業者も出てくるだろう。

    同モールで複数の店舗を運営する上位店は「出店料を取られるのはもちろん痛い。ある程度の負担は受け入れるが、あまりに高いなら店舗の建て付けを変えざるを得ない」とけん制する。ヤフーとしても難しいかじ取りを迫られそうだ。

    出店者はヤフーの「迷走」に厳しい声

    「商品券」は出店者にもユーザーにもわかりにくい

    最近の「ヤフーショッピング」を、店舗はどう見ているのか。店舗Cは「戦略が見えないので、ヤフーが何をしたいのかわからない」と怒りをあらわにする。

    同店の売り上げは前年割れが続いているというが、「同ジャンルで別の店舗が伸びているという話も聞かない。ポイントの付与率が低くなったこともそうだが、優良配送の優遇だけではなく、検索ロジックにも良くわからない部分があり、ユーザーにとって使いにくくなっているように感じる」と話す。また、「ヤフーショッピング商品券」についても「店舗にとってもわかりにくいのに、ユーザーに理解してくれというのはエゴイズムではないのか」と手厳しい。

    前年比で売上70%減の店舗も

    店舗Dは「ヤフー店はもうむちゃくちゃ。前年対比でいうと、売り上げは70%減に落ち込んでいる」とため息。ヤフーが開示している、同店の属するジャンルにおける同店のシェアは変わっていないため、同モールへの来店数自体が大幅に減少している状況だ。

    「結局ヤフーはポイント目当ての顧客しか捉えきれていなかったということではないか。当店は型番商品を扱っていることから、転売のための仕入れに使われることも多く、ポイント付与率が下がり、うまみがなくなったということかもしれない。何にしてもヤフーに関しては打つ手なしだ」。

    「ヤフーショッピング商品券」への切り替えについては「たとえば、楽天なら『楽天ポイント』を『楽天市場』で貯めて、『楽天ペイ』で消費するというサイクルができている。せっかくコード決済では『PayPay』が高いシェアを握ったのに、仮想モールで逆行するような動きをするヤフーは理解できない」と話す。

    店舗制限は“「PayPayモール」に伴い複数店舗にしたのに”と憤りの声

    店舗数の制限については「転売系の店舗を排除するという点では意味があると思う。ただ、ジャンルで店をわけている事業者など、困る店舗が出てくるのは確かだろう」とする。

    店舗Eは「ヤフー店の売れ行きは非常に厳しい。5のつく日しかユーザーが来ないので、同日にポイント倍率を高めることで無理やり売っている」と明かす。ポイント施策で集客しているだけに、「ヤフーショッピング商品券」の導入も「迷走しているという印象。『ヤフーショッピング』を使ったユーザーに戻ってきてほしいという狙いなのだろうが、『どこでもポイントが使える』という良さをなぜ手放すのか」と首をかしげる。

    「集客に力を入れる気がないのなら、キャンペーン原資を返してほしい。店舗数制限についても、当店は『PayPayモール』の新設にあわせて『PayPayモール』と『ヤフーショッピング』に店舗を構えた経緯がある。モールが統合したから『ヤフーショッピング』で2店舗運営することになったわけだが、自分たちの都合で店舗を振り回しておきながら『1事業者1店舗に限定する』では筋が通らない」と憤りを隠さない。

    その一方で「『ポイントのばらまきをやめて集客力が落ちたヤフーは魅力がなくなったので、もう力を入れない』という店舗の話も良く聞くので、逆に穴場となる可能性があるかもしれない」とも口にする。

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    【テレビ通販大手の2022年度売上】ショップチャンネルは1.2%減の1555億円、QVCは3.8%増の1329億円

    2 years 8ヶ月 ago

    テレビ通販大手の2022年度売上高が出そろった。

    24時間365日生放送のショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を運営するテレビ通販最大手ジュピターショップチャンネルの2023年3月期(2022年4月~2023年3月)売上高は前期比1.2%減の1555億3800万円。営業利益は同7.0%増の190億5400万円、経常利益は同6.7%増の194億3600万円、当期純利益は同0.9%減の135億6100万円。2023年3月期は採算性を考慮し施策を見直したという。

    24時間365日生放送のショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を運営するテレビ通販最大手ジュピターショップチャンネルの2023年3月期(2022年4月~2023年3月)売上高は前期比1.2%減の1555億3800万円だった
    2023年3月期のPLとBS(画像は官報からキャプチャ)

    TV通販2位のQVCジャパンの2022年12月期業績は第23期決算公告(4月14日公表)によると、売上高は前期比3.8%増の1329億3400万円、営業利益は同6.5%増の269億4700万円、経常利益は同5.6%増の270億8400万円、当期純利益は同6.0%増の189億1800万円だった。

    TV通販2位のQVCジャパンの2022年12月期業績は第23期決算公告
    2022年12月期のPLとBS(画像は官報からキャプチャ)

    テレビ通販やラジオ通販、カタログなどメディアミックスで通販事業を手がけるジャパネットたかたを傘下に抱えるジャパネットホールディングスの2022年12月期連結売上高は、前期比1.1%減の2487億円だった。

    ジャパネットたかたの持ち株会社であるジャパネットホールディングスの2022年12月期連結売上高は、前期比1.1%減の2487億円だった
    ジャパネットHDの売上高推移(画像はジャパネットHDのHPからキャプチャ)
    瀧川 正実
    確認済み
    30 分 37 秒 ago
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