ネットショップ担当者フォーラム

オークローンマーケティングの再成長戦略とは? 食品の強化、リピート施策、主力商品のテコ入れなど | 通販新聞ダイジェスト

1 year 4ヶ月 ago
コロナ禍の揺り戻しを直撃したオークローンマーケティングだが、徹底したコスト削減などで赤字を脱し、復調の兆しを見せている。再成長に向けた戦略をまとめる

テレビ通販事業などを展開するオークローンマーケティングが攻勢に打って出る。コロナ禍による巣ごもり特需の反動減の影響や主力商品の不振などで2022年3月期から2期連続で2桁減収および赤字となり、立て直しを図るため、テレビ通販枠を含むマス媒体への広告出稿量削減や東京事務所の縮小、早期退職募集などなりふりかまわないコスト削減を断行せざるを得ない状況に陥ったものの、そうした構造改革が実を結んだことで前期(2024年3月期)は売上高は前年実績を下回ったものの減収幅は1桁台と下げ止まりつつあり、利益面も黒字回復した。

基礎体力が整ったことで今期(2025年3月期)からは反転攻勢に転じ、次代の主力商品の本格展開や売れ筋商品のテコ入れほか、前期後半から着手し始めた食品の取り扱いを本格化されることなどを含む既存顧客の囲い込みやCRM戦略強化に本腰を入れるなどの取り組みを積極化。再成長に向けた戦略を強化していく考えだ。

巣ごもりの揺り戻しで苦戦

コロナ禍は顕著な増収増益

「構造改革やコスト削減を終えて成長フェーズにようやく戻せた。今期は“準備の年”として再成長のためのさまざまな試みやテストを行い、再成長に向けた取り組みを打っていく」――。同社の浅野茂樹マーケティング本部長は今期からの戦略についてこう話す。

コロナ禍の只中だった2021年3月期は“巣ごもり”影響が追い風となり、展開する独自寝具ブランド「トゥルースリーパー」などの既存の主力商品群を軸に、調理器具や運動器具なども大幅に売り上げを伸ばしたことなどで売上高は前年比8.8%増の655億3400万円、営業利益は同116.4%増の52億1100万円、経常利益は同40.1%増の55億4100万円、当期純利益は同37.3%増の37億7900万円と急伸した。

巣ごもりの反動減が直撃

ただ、その後は巣ごもり特需の反動減をもろに受けた

また、コロナ禍の影響で製造工場の稼働が芳しくなかったことや原材料の高騰、半導体不足などで次代の売り上げを作る新商品の開発が滞ったことなども影を落とし、2022年3月期の業績は売上高が前年比28.5%減の467億9900万円となり、利益面は営業損益が26億1300万円の赤字、経常損益は18億6600万円の赤字、当期純損益も10億4100万円の赤字に。

2023年3月期はさらに悪化。売上高は前年比15.5%減の395億500万円、営業損益は33億6100万円の赤字、経常損益は26億1300万円の赤字、当期純損益は53億7700万円の赤字となった。

オークローンマーケティングの直近5年の売上高・当期純利益の推移
オークローンマーケティングの直近5年の売上高・当期純利益の推移

この間、当然、同社でも何とか業績を維持しようと各種拡販策などを展開したものの、「やはり巣ごもり需要の反動減はすさまじく、加えて寝具など主力商品は競争の激化もあり伸び悩みをみせていた。

また、コロナ禍の影響で(中国などの工場の操業が滞るなど)有望な新商品が生まれにくく、取引先のベンダーからも商品の提案が少なかったこともあり、(打開のための施策は)うまくいかなかった」(浅野本部長)ことなどから前述通り、業績は下げ止まらない危機的な状況に陥った。

人員削減を含むコスト削減にシフト

そのため、2021年後半から2022年にかけては「とにかくまずはコスト最適化が先決」(同)として、これまでインフォマーシャル放映のために日本全国のテレビ局から膨大に購入・確保していた放送枠の精査に着手。費用対効果が少しでも良くないものは軒並み購入を見合わせた。新聞広告も同様に費用対効果を精査して出稿量を大きく絞った

また、早期退職者の募集も実施し、100人以上の社員が同社を去った。都内の商業ビル「虎ノ門ヒルズ」内に構える東京オフィスのスペースも従来の3分の1程度まで縮小、賃貸料の圧縮を図った。「再成長のためにはとにかく今はまず固定費という固定費を削減する必要があった」(同)とする。

主力商品が中心となり復調の兆し

こうしたなりふり構わないコスト削減策を断行したことに加えて、コロナ禍で滞っていた新商品開発のサイクルも復調の兆しが見え始め、同社のバイヤーが有望な商品を探しに行ける状況が整いつつあり、次の主力商品になり得る新商品の投入がようやく再開し始めたこと。

また、新商品がなかなか出ないなかでも、集音器「楽ちんヒアリング」や足踏み運動器具「ナイスデイ」などシニア向け商品が安定的な売れ行きを維持したことなどで直近決算である2024年3月期は売上高が前年比8.2%減の362億2800万円と減収幅が下げ止まりを見せた。

利益面も2期連続赤字から回復。営業損益ベースでは2億7900万円の赤字であるものの、赤字幅は前年の約33億円からは大幅に圧縮。さらに経常損益は前年の約26億円の赤字から2億5100万円の黒字に。当期純損益も同約53億円の赤字から一転、3億5600万円の黒字となり、3期ぶりに最終赤字から脱却した。

次代の主力商品を育成

「コスト削減の効果はもちろんだが、きちんと売り上げを作ってそれによって利益を出せる体制に戻ってきた」(同)ことで今期から反転攻勢に転じて再成長のための施策を本格化していくという。

具体的には次代の主力商品の育成現在の主力商品のテコ入れ、継続購入を促す商材の取り扱い本格化および仕組みの導入だ。

まず、次代の主力商品となり得る商材については前期後半から取り扱いをスタートし、好調な売れ行きをみせ始めている掃除機ブランド「インビクタス」だ。独ジーニアス社が製造販売する同ブランドの製品の日本における独占販売権をオークローンマーケテイングが取得して展開するもので強みは競合製品と比較して「機能性は落とさず、お手頃な価格帯で提供できる」(同)もの。

売れ行きが堅調に推移している「インビクタス」の掃除機
売れ行きが堅調に推移している「インビクタス」の掃除機

すでにハンディタイプやスティックタイプなどさまざまな機種を販売中だが、今期は上位モデルなどの新商品を積極的に投入。絞っていたインフォマーシャルや新聞広告の出稿量を今期からは再び増やしていくが、そのなかでも「インビクタス」の拡販のための出稿は現在の同社の主力である寝具ブランド「トゥルースリーパー」を上回る出稿量を計画する。

また、通販展開だけでなく、量販店などへの卸販売も開始して、その取引量は同じく「トゥルースリーパー」を上回る規模をめざすという。

加えて、同じく前年から販売を開始し、売れ行き好調な豆乳メーカー「ソイリッチ」も広告出稿量を増やして拡販を強化していく考え。

販促強化を計画している豆乳メーカー「ソイリッチ」
販促強化を計画している豆乳メーカー「ソイリッチ」

苦境のなかでも売り上げを下支えしてきたシニア向け商品、他でいえば「楽ちんヒアリング」ついても新製品を投入。前年には競合品でも売れ行きのよい補聴器型や骨伝導型などを投入して好調に推移しているが、さらに新たな商品を投入していく考え。

「集音器の市場では『楽ちんヒアリング』のブランドのシェアは高い。そこまで育成してきたその信頼性を生かしてさまざまなタイプの製品を用意し、お客さまに訴求していきたい」(同)とし、さらに売り上げの積み増しを図っていく狙い。

主力商品にはテコ入れ

また、同社が展開する主力の独自寝具ブランド「トゥルースリーパー」のテコ入れも行う。これまで敷き布団やベッドマットレスの上に敷くタイプで使用中の寝具の処分が必要なく手軽ないわゆるオーバーレイマットレスを軸に売れ行きを伸ばしてきたが、競合製品が増えたことやマットレスのトレンドとして、オーバーレイタイプではなく、「ベッドマットレス」が主流となってきていることから、売れ行きが伸び悩んでいた

そこで「トゥルースリーパー」の主軸をオーバーレイから市場の主戦場となっているベッドマットレスに切り替える。同ブランドでもすでにベッドマットレス製品を販売しているが、拡販を強化。さらにラインアップを増やしていく考え。

オークローンの寝具で主力商品の「トゥルースリーパー」
オークローンの寝具で主力商品の「トゥルースリーパー」

屋台骨の「トゥルースリーパー」はターゲットに合わせて訴求

拡販強化に合わせて訴求も変更。現状、「トゥルースリーパー」はコアターゲットをシニア層としているため、「睡眠時の負荷軽減」などを強く広告で訴求しているが、ベッドマットレスの拡販強化に合わせて30~50代層もターゲットに入れて広げることで売り上げを伸ばしていきたい考えで訴求点を寝心地の良さなどに変えていく。

また、マットレスだけでなく、同ブランドで展開する枕についてもこれまでは頭から肩、首までをカバーする長めの枕「セブンスピロー」のみを展開して集中的に訴求していきたが、需要が一周して売れ行きが鈍化してきたことから、長さや硬さ、タイプの異なる枕などラインアップを増やしていく

「トゥルースリーパーは当社の屋台骨。安定的な売り上げを今後も維持していかねばならない。これまではプロダクト戦略として種類を絞って、当該商品を大量販売する形をとってきたが、ターゲットに合わせてさまざまな商品を展開する形で売れ行きを伸ばしていく」(同)とする。

食品の取り扱いを強化

さらに新たな取り組みとして食品の取り扱いを本格化する。

すでに昨年11月から商品配送時に同梱する専用チラシでカニやイクラなど海産物の販売を開始しており、予想以上の売れ行きをみせるなど順調という。今年3月には同じく同梱チラシで海産物のほか、同社が独自に開発したオリジナルレトルトカレーの販売などにも着手している。今後は同梱チラシだけでなく、食品を訴求する新聞広告なども展開していく考えだ。

オークローン独自商品のレトルトカレー
オークローン独自商品のレトルトカレー

「当社の商品はどちらかというとこれまでは耐久消費財が中心で、頻繁に買い替えたりするようなことはない。当社の多くのお客さまに年間でもう1回、もう2回と購入頂ければそれだけで売り上げは倍になるはずで、お客さまともう少し接点を持つことができる買い替えが必要だったり、消費してしまうような商品の取り扱いやそれに対応する仕組みを作っていきたい」(同)として、その一環として食品の取り扱いに着手したという。

同社が展開する食品はおいしさや満足度を重視しており、価格帯は少し高めの設定としているようだが、その分、顧客からの反応は上々のよう。今後も食品のラインアップを拡充して本格化していく考え。

リピート購入向けの施策にかじ

食品を皮切りに美容系商品や健康食品などリピート購入を促す商品群の取り扱いの検討リピーター、ロイヤルカスタマー向けの新たなサービスCRMの仕組みの導入なども今期からテストを始めていくという。

「今期は『準備の年』と位置付けている。増収は維持して、利益も赤字にはならないようにするが、今後の再成長のためにあらゆるテストや準備、種まきを行い、いかに2025年、2026年に花を咲かすことできるかを重視している」(浅野本部長)とし、3年後をめどにコロナ禍以前に維持していた売上高、利益の規模にまで戻していきたい考え。

さらに主力商品の育成やテコ入れに加えて、今後の飛躍のために欠くことのできない新たに本格化させるリピート購入を促す取り組みに本腰を入れ、2030年までに過去最高の売上高、利益を大きく上回る事業規模をめざす、と意気込む。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

通販新聞

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、商品を直接寄付できる「買って応援便」の対象団体に「子ども支援」を追加

1 year 4ヶ月 ago

LINEヤフーは7月22日、ECモール「Yahoo!ショッピング」がインターネット募金サービス「Yahoo!ネット募金」と連携して提供している「買って応援便」(支援したい団体が希望する商品を購入して直接届けるサービス)の対象団体に、「子ども支援」を追加したと発表した。

追加したのは、児童養護施設や子ども食堂などを支援する合計8つの子ども支援団体。動物支援、災害支援同様、物資の支援を希望している団体や施設は、「Yahoo!ネット募金」で審査を受けているという。

「Yahoo!ショッピング」で扱う商品のなかから、団体が必要としているコメやジュースなどの食料品、ティッシュやトイレットペーパーといった日用品などが支援希望品として公開されている。支援希望者は、通常の「Yahoo!ショッピング」での注文と同様の手続きで購入した商品を直接、支援先団体へ届けることができる。

「Yahoo!ネット募金」では、子ども支援団体の追加に併せて、こども支援特集をリリースした。夏休み期間中、経済的に厳しい家庭や1人親家庭では、食や学びの機会の減少が懸念されており、こうした困難に直面している子どもたちをサポート。食を通じた生活支援や児童養護施設への支援、学習機会の提供などを実施している団体を紹介している。支援方法は寄付(お金で支援)と寄贈(物資で支援)から選択できる。

「買って応援便」は2023年11月、寄付の選択肢を広げて、より直接的に応援の気持ちを届けやすい「モノ」による支援を実現するため、「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!ネット募金」が連携して開始した。

寄付先の登録団体として動物の保護や育成をテーマにした動物保護10団体から開始し、2024年2月には災害支援に取り組む5団体も追加している。ユーザーはこれらの合計15団体、約230商品から支援したい団体ならびに寄付したい商品を選んで支援できる。これまで動物支援団体にはペットフードやペットシーツ、災害支援団体には防護服やブルーシートなど400点以上の商品が「買って応援便」を通じて各団体に寄付されている。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 158 10 0
松原 沙甫

今度こそ越境ECを成功させたい! でも失敗もしたくない――そんなEC事業者さんのために、ノーリスクで始める方法をジグザグに聞きました

1 year 4ヶ月 ago
海外訪日観光客が増加し、越境ECに取り組む事業者も増えてきました。ただ言語や法律など課題も多く成功しない人も多いのでは。「WorldShopping BIZ」を展開するジグザグさんに越境EC運営のコツを取材しました

外国人観光客の増加によって越境ECにチャレンジする企業は増えていますが、いきなり大手ECモールに出品して失敗したり、翻訳にお金をかけたのにまったく売れなかったりと、うまくいかない話をよく聞きます。どうやったら越境ECをスムーズに始めて、軌道に乗せることができるのか――ジグザグ 取締役の鈴木賢さんに話を伺いました。

言語、商習慣の課題などを解決して「欲しいものが買えて、売りたいものを売れる」状態をめざす

森野誠之(以下、森野):越境ECの始め方についてお聞きします。ジグザグさんが提供している「WorldShopping BIZ」は、手軽に越境ECを始められる仕組みとして知られています。「WorldShopping BIZ」について教えてください。

鈴木賢氏(以下、鈴木):私はジグザグの事業全体を管掌しており、メインサービスの「WorldShopping BIZ」は「海外のカスタマーと日本のECサイトを気持ち良くつないでいく」ことをキーワードに展開しています。

森野:「気持ち良く」の部分を詳しく教えてください。今の越境ECの環境は「気持ち良くない」ということなのでしょうか。

鈴木ECサイト運営者側は物流、決済の壁が大きく、カスタマーは言語の壁があります。欲しいモノが買えて、売りたいモノが売れる状態をグローバルで実現したいのですが、これはシステムだけでは越えられません。法律、商習慣などたくさんの課題がありますから。

森野:物流と決済は本当に大変ですよね。送料がとても高い、返品の発生、入金がないということもあります。言語に関してはやはりカートの部分、「住所入力で手間取るユーザーが多い」「住所入力のフォーマットを各国のフォーマットに合わせる」といったところで困る企業が多いのではないでしょうか。

鈴木:そうですね。商品ページなどは翻訳ツールを使って読んでもらえますが、注文に関してはそうはいきません。海外ユーザーが内容をきちんと理解して、正しく入力してもらう必要があります。「WorldShopping BIZ」は、今あるECサイトにJavaScriptタグを1行入れるだけで、そういった言語の問題や海外発送、海外ユーザーへの回答といったカスタマーサービスなどのオペレーション部分も含めて、すべて代行するサービスです。

ジグザグ 越境ECサービス「WorldShopping BIZ」について
ジグザグが展開する越境ECサービス「WorldShopping BIZ」について
(画像は「WorldShopping BIZ」のサイトからキャプチャ)

森野:越境ECで最初につまずく部分を代行するイメージですね。ASPのカートやオリジナルで作ったECサイトにも対応しているのでしょうか?

鈴木:はい。ほぼすべてのECサイトに対応できます。

森野:そうなると、始めるのはとても簡単そうですが、始められることと売れることって別物ですよね。「本当にタグを1行入れるだけで、海外で売れるの?」と少し不安になるのですが、実際はどうなのでしょうか?

鈴木:もちろん売れています(笑)。流通総額は公開していませんが、数千のECサイトが導入しており、月商数千万円から、月に数件注文が入る程度ながらも継続して売れているECサイトもたくさんあります。何もしないのに売れている事業者さんも多いはずです。

「何もしていない」のに商品が売れている?

森野:「何もしなくても売れている」というのは?

鈴木:ほとんどのECサイトで設置されているであろう「Google アナリティクス(GA4)」を見ると、数%は海外からのアクセスがあるはずなんです。これが実際に買いたい海外ユーザーだとしたら、カートや問い合わせでつまずかなければ購入してくれるはずです。なので、その部分さえクリアしていれば月に数件注文が入ることがあるんです。

森野:確かに。「Google アナリティクス」を見てみると海外からのアクセスは必ずありますね。何もせずに少し売れる企業もあれば、頑張ってたくさん売れている企業もいるという感じなんですね。

鈴木:はい、コロナ禍でEC自体が活発になって越境ECも盛り上がりました。コロナ前に日本に来た外国人観光客が、コロナ禍で日本の商品を買いたくても買えなかったのが理由です。日本への個人旅行解禁から、「1回買ったモノをもう一度買う」「以前日本に来たときに買えなかったから買う」といった流れが加速しています。日本への旅行というリアルな行動がECサイトに大きく寄与しているということですね。

森野:肌感覚ではわかるのですが、データでもわかっているのでしょうか?

鈴木:『越境EC・ウェブインバウンド白書』を発行していますが、外国人観光客の方にアンケートをしたところ、日本へ旅行に来るとその後に越境EC行動に移りやすいことが数字として現れています

ですので、「本当に売れるの?」という話でいえば売れます。「売れる確率は高いです」という言い方が正しいかもしれませんが、どんどん売れる状況になっているということですね。

ジグザグ 取締役 鈴木賢氏
ジグザグ 取締役の鈴木賢氏

越境ECでまず始めるべきは「SNSの活用」

森野:越境EC市場はどんどん大きくなっていて、今や世界中に売れるようなイメージでしょうか。以前は北米やヨーロッパが中心でしたよね。

鈴木:そうですね。ジグザグでは228の国と地域に対応できます。正確にはDHLやFedExなどの配送可能地域を単純に足し合わせただけですが、実績としては約160か国に出荷しています。

ジグザグ WorldShopping BIZ 配送可能な国と地域の一部
「WorldShopping BIZ」で配送可能な国と地域の一部
(画像は「WorldShopping BIZ」のサイトからキャプチャ)

森野:160か国はすごいですね。自分がわかる国の名前だと20ぐらいですから(笑)。160か国にも売れるとなると「始めてみようか」と思う事業者もいるでしょう。実際、何から始めるとうまくいきますか? 思いつくのは海外ユーザーが好きそうな商品を作る、とりあえずWebサイトなどを翻訳する、商工会や産業振興機構などに相談する――ですかね?

鈴木一番やってはいけないのが「やりすぎてしまうこと」。一発勝負に出てしまうのが最も危ないです。越境ECのビジネスは中・長期戦。いきなりファンが生まれて、いきなりドカッと売れるなんてことはありません。少数のファンで良いので1回だけではなく2回目も買ってもらえるようにする、さらに3回目も買ってもらうことを考えた方が良いですね。

ワケもわからずに「さあ世界だ!」と意気込んで大きなコストをかけてしまうと、売り方がわかってきた頃には資金がなくなってしまうケースがあります。米国の「Amazon.com」や中国の「Tmall」などにいきなり出品するのも同じです。適切なコストの状態で、長く戦える状態を作って始めていくべきです。

普段からSNSでコミュニケーションを取り、海外の人にも見られている状態を作る

森野:たとえば、「何もしないのに売れた」としたら、「なぜ売れたのだろう」と考えて商品画像を工夫してみたらもう少し売れた。そうしたら、写真や画像、キャッチコピーにお金をかけてみて反応を見るといった感じですね。

鈴木:そういった方法もありますが、私たちがお伝えしているのは「SNSをきちんと活用していますか?」ということです。SNSは本当に便利で、特別な設定不要で海外にもつながっています。日本人は基本的に日本語だけで投稿しているケースが圧倒的ですが、海外向けにハッシュタグなどをつければ海外の人たちが反応しやすくなります

森野:X、Instagramは日本人同士で使っていると国内限定に感じてしまいますが、SNS自体は世界につながっているので、ハッシュタグなどで海外対応すれば良いだけですね。

鈴木:その通りです。売るためにはまず認知を得なければいけませんが、無理やり認知を上げようとすると失敗の原因になってしまいます。SNSで普段からコミュニケーションをとって、海外の人にも見られている状態を作ることが入口で、かつ最も大事だと感じています。

ジグザグのサービスを導入していきなり売れる人たちは、「なぜか最近SNSから英語や知らない言語で問い合わせが来るんです」ということが多いんですよ。なので、やはり行動が重要ですね。

森野:いきなり売れて驚く事業者もいそうですね。

鈴木:いらっしゃいますね。面白いのは、私たちのサービスの話を聞いた時に「海外の人が反応したら、外国語で問い合わせがきちゃうじゃないですか」と話す担当者などがいること。「いやいや、海外に売りたいんですよね? だったら反応がないとだめですよね?」と説明すると「あ、そうか(笑)」となります。

なので、このあたりの心理的ハードルを取り除いて、世界は意外と近くにあることを意識してほしいですね。

海外の人たちは積極的。何も反応がなければ商品の見せ方や売る商品のパターンを工夫してみる

森野:日本人は日頃、外国人と関わる機会が少ないので、そうなりがちですよね。

SNSに関しては「こんな写真でこんなハッシュタグを付けて投稿してみたら良いかな?」というところから始める、成功している国内のアカウントの人を真似してみるとかでしょうか。

鈴木:私たちもここを意識していて、「ウェブインバウンド」という言葉を使っています。リアルにインバウンドで日本を訪れるのではなくて、「Web上で日本語のサイトに訪れる」という意味です。

SNSを少しでも運用するとわかるのですが、外国人は日本人よりとてもオープンなんです。臆することなく質問しますし、コメント欄でも問い合わせてきます。たとえば、Facebookであればメッセンジャーで「それはいくらなの?」と質問してきます。

そのくらい積極的な人たちなので、何も反応がなければ、単純に商品が海外の人たちにとってまったく興味のないモノか、見せ方が悪いかという話になります。そこで「ちょっと表現を変えよう」「売る商品をちょっと違うパターンにしていこう」と試行錯誤していければ良いですね。

森野:いきなり外国人から連絡がくると最初は驚くと思いますが、返信も翻訳ツールが使えますので頑張ってやり取りすると購入につながるということですね。

運営堂 森野誠之氏
運営堂 森野誠之氏

商品の情報収集もSNSで調査し、工夫して投稿&反応を見てみることが重要

森野:商品の工夫の部分ですが「日本人が考える、海外の人が好きそうなモノ」が売れるのか、そうではないものが売れるのかはわからない。何も反応がないときに商品を工夫するとしたら、新しいモノを作っていくしかないのでしょうか?

鈴木:私達のサービスに限った話になりますが、海外を意識して商品を試行錯誤しているショップは1割にも満たない。あくまで日本の人に向けて商品を販売しながら、海外の人の反応も見ていくような状況のショップが多いです。

「海外の人たちにもこれは売れそう」だと思う理由があり、その仮説が正しいかどうかを検証するのなら良いのですが、何もなしに海外専門の商品を作ろうとするとリスクがあります。一部例外として、海外でも人気のあるアニメ、マンガ、ゲームとのコラボ商品などは売れやすいですが。

森野:ここもやはり冒険しすぎないことが大事なのですね。海外で売ろうと思って情報を調べる時も、SNSが良いのでしょうか? 「Reddit(レディット)」などの掲示板が良いという話も聞きます。

鈴木:私のなかでは、やはりSNSが一番ですね。たとえば、Facebookにもコミュニティがあり、「日本のプロダクトが好き」「あるアニメが好き」「旅行が好き」といったコミュニティがたくさんありますので、そこに参加するのもわかりやすいですね。海外現地のバーに行き、いろいろな人に話を聞くのと同じ状態になってくると思います。

森野:日本だとあまりFacebookは重要視されていませんが、意外と海外では使っていますしね。

鈴木:中国だったら「小紅書(レッド)」が同じような状態で、趣味性でつながったりしています。国ごとにさまざまな傾向があるので、SNSだけでも十分でしょう。

森野SNSできちんと調査して、工夫しながら投稿をして、反応があったらそれを広げていくという感じですね。それなりに広がったら販促費を使うなり、何か新しいことを行うという順番ですか?

鈴木:まさにそうですね。

森野:以前、海外対応に携わったことがあるのですが、ホームページの翻訳部分でいきなり苦労しました。翻訳会社は外国語には強いですが、商売人ではありません。なので、翻訳した文章がそのまま伝わるかどうかと言えば、伝わらないんです。

それが今はAIも劇的に進化して翻訳精度も上がってきたので、フロント面ばどうにかなりそうです。

普段の生活が海外につながっていることを再認識してほしい

森野:さまざまなお話を伺ってきましたが、やはりまだ躊躇する人は多いでしょう。そういう人達にアドバイス、一歩踏み出すためのヒントをいただけますか?

鈴木普段の生活が海外につながっていることに改めて気づいてほしいですね。そうすれば、普段行っている国内向けのマーケティング活動が海外にもつながっていることを意識できますし、試せることがたくさんあります。試し方がわからなくても、助けてくれる人たちは私たちを含めてたくさんいます。

「海外向けにも少しコミュニケーションしてみよう」と一歩目だけでも踏み出してみれば、景色が変わるでしょう。

森野:既につながっているところに少し足を踏み入れて実施してみると、違った景色が見えて商品も売れてくるんですね。ありがとうございました!

◇◇◇

ジグザグさんは『越境EC・ウェブインバウンド白書 2024』を発行しています。私も一通り読みましたが、越境ECの状況・市場規模などがわかって便利でした。特に越境EC事業を3年以上実施して成功している企業の取り組みが参考になったので、越境ECに興味がある人は読んでみるのをオススメします。

森野 誠之

アスクルのBtoB通販「ASKUL」が始めた複数カテゴリ横断の商品購入で最大20%割引の「まとめ割」とは

1 year 4ヶ月 ago

アスクルは7月22日から、オフィス用品のBtoB通販「ASKUL」で購入商品の組み合わせ方によって割引率が変わる「まとめ割」サービスを開始した。

アスクルは7月22日から、オフィス用品のBtoB通販「ASKUL」で購入商品の組み合わせ方によって商品割引率が変わる「まとめ割」サービスを開始
割引率ごとの達成状況は特設ページ上部で確認できる

「まとめ割」は、対象商品のなかから複数のカテゴリをまたぐ買い物を割引するクーポン企画。たとえば「対象商品3カテゴリ以上の場合10%OFF」「対象商品4カテゴリ以上の場合15%OFF」「対象商品5カテゴリ以上の場合20%OFF」など、カゴに入れた商品のカテゴリ数に応じて段階的に割引率が高くなる。

割引率は、対象商品5カテゴリ以上で最大20%オフ。レジにて条件達成した「まとめ割クーポン」を表示する。買い物中の条件達成状況は、カゴに入った商品の状況に応じて「まとめ割」の特設ページ上部に掲示する。

アスクルは7月22日から、オフィス用品のBtoB通販「ASKUL」で購入商品の組み合わせ方によって商品割引率が変わる「まとめ割」サービスを開始
条件を達成するとレジで「まとめ割クーポン」が表示され割引を受けられる

「まとめ割」対象商品は約1700商品で、一部「値引き対象外商品」もある。「値引き対象外」ラベルのついた商品では、まとめ割適用条件の商品点数には合算されるが、商品値引きの対象外となる。値引き対象外商品は該当商品の商品詳細などで確認できる。カゴやレジでは値引き対象の商品かどうかは確認できない。

「まとめ割」企画はカテゴリ横断企画を毎月実施し、テーマ別の企画を順次展開予定。アスクルでは季節や人気商品の売れ行きを見ながら月ごとに対象商品を入れ替え、継続的に実施していくとしている。

鳥栖 剛

ZoffのOMO施策、LTVアップの成功事例、売上が伸びるSNS活用、D2Cの最新潮流などが学べるオンラインセミナー【7/24~25開催】

1 year 4ヶ月 ago
EC市場で活躍する担当者や有識者が、成功事例や事業成長のヒントにつながるノウハウを伝えるオンラインイベント「Digital Commerce Frontier 2024」を7月24日(水)+25日(木)に開催。19講演すべて無料で聴講できます

7月24日(水)+25日(木)に開催する「Digital Commerce Frontier 2024」(オンライン開催)は、AI+リテールメディアといった「Internet Retailing」と「BtoB-EC&DX」の2つの軸をテーマに、Amazon、パル、TENTIAL、インターメスティック、柳田織物、成城石井といった著名なEC実施企業が登壇。ECビジネスへのAI活用、小売りの最新DX戦略、法人営業成功のポイントなどについて講演します。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

「Digital Commerce Frontier 2024」は、リテールビジネス、BtoC-EC、BtoB-EC、メーカーECなどデジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者に対し、AIやリテールテックなどの最新トレンド、最先端テクノロジー活用、事例、最新ソリューションなどをお届けするイベントです。

まだお申し込みをしていない方のために、編集部お勧め講演の見どころをご紹介します。

Digital Commerce Frontier 2024

見どころ⑫ 決済視点のサイト改善、LTVアップの成功事例、売上が上がるSNS活用、市場の最新潮流、スタッフインフルエンサーのOMO施策などを公開!

最新事例で紐解く、「Amazon Pay」のもたらすマーケティング効果 ~デジタルコマースのカギは「買いやすいECサイト」作り~

12:00~12:40 A2-2 講演

講演では、「買いやすいECサイト」を実現するためのヒントを説明します。ID決済「Amazon Pay」の最新導入事例を紹介しながら、「Amazon Pay」を自社ECサイトに導入することで期待できるマーケティング効果や、自社ECサイトに訪れたユーザーにどのような顧客体験が提供できるのかをお話します。

日本でのサービス提供開始から、10年目を迎えた「Amazon Pay」。現在では10万以上のECサイトに導入されるデジタルコマース時代に欠かせない決済オプションになっています。

アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay事業部 Head of Marketing 永田 毅俊 氏
アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay事業部 Head of Marketing 永田 毅俊 氏
流通、コンピュータソフトウェア、金融、エンターテインメント、写真通信社とさまざまな業界でマーケティングコミュニケーションに携わり、2014年アマゾンジャパン入社。セラーサービス事業本部にて出品サービスのマーケティングを担当。2016年Amazon Pay事業部に異動し、BtoB/BtoCのマーケティング活動を統括。

DtoCモデルにおけるカスタマージャーニー戦略論
~データ活用により顧客ロイヤリティを高め、LTVを120%向上した成功事例を大公開!~

13:00~13:40 A2-3 講演

講演では、急成長中のDtoC業界に焦点を当て、その魅力と成功要因に迫ります。右肩上がりの市場規模拡大のなかで注目されるDtoCモデルの事例を通じ、ビジネスモデルの新しい可能性や成功の裏側に触れながら、データ活用がもたらす業界変革について解説します。

株式会社データX Marketing Unit Manager 江波戸 水紀 氏
株式会社データX Marketing Unit Manager 江波戸 水紀 氏
データX入社後、Field Salesでの営業経験を経て、Marketing業務に従事。タクシー広告を中心としたプロモーション施策の企画設計から、Inside Salesの業務効率化、MAツール「b→dash」アライアンスチームの立ち上げなど幅広く業務を担当し、2023年よりMarketing Unit Managerに就任。

EC/D2Cで売上3倍を実現するSNSメソッド

15:00~15:40 A2-5 講演

インフルエンサーマーケティングを起点とした統合型施策で、EC売り上げ3倍を実現したジュピターショップチャンネルの事例をベースに、「明日から使える」ノウハウを解説します。従来のやり方と一線を画す手法を、ぜひ聴講ください。

株式会社PLAN-B Cast Me!事業部 フィールドセールスユニット リーダー 岡田 清亮 氏
株式会社PLAN-B Cast Me!事業部 フィールドセールスユニット リーダー 岡田 清亮 氏

次世代型ストアからみる、リアル×EC/D2Cの最新潮流

15:00~15:40 B2-5 講演

講演では、次世代型ストアソリューション「THE [ ] STORE」の事例から、リアル店舗×ECが融合した事業のあるべき姿と、複合チャネルの顧客データを統合管理しデジタルCRMで顧客あたり収益(LTV)を最大化していくための一気通貫した顧客体験構築について解説します。

デジタルマーケティングの流行による広告運用費用の高止まりによって、D2C(自社EC)、ECモール、リアル店舗など、複数チャネルを組み合わせたチャネル多角化が進んでいます。一方で、チャネルが多角化すればするほど事業管理・顧客データ管理は煩雑になりチャネル間の壁が発生し、相乗効果が得づらくなっていく実態も多く存在します。

OMOや顧客体験向上に関心のある担当者さんは必見です!

株式会社SUPER STUDIO セールス&マーケティング本部 執行役員 CMO 飯尾 元 氏
株式会社SUPER STUDIO セールス&マーケティング本部 執行役員 CMO 飯尾 元 氏
大学卒業後、楽天株式会社に入社。その後外資コンサルファームにて、新規事業開発やビジネスモデル変革等のプロジェクトに従事。 2019年にSUPER STUDIOに入社し、2021年に執行役員に就任。現在はCMOとしてecforceのセールス&マーケティング部門と自社D2C事業を管掌。

Zoffが取り組む、スタッフインフルエンサーのOMO施策

16:00~16:40 A2-6 講演

ブランドの情報をSNSやECサイトで発信するスタッフインフルエンサーの取り組みを中心に、眼鏡ブランド「Zoff(ゾフ)」で知られるインターメスティックのマーケティング部門責任者とvisumoの井上代表がパネルディスカッション形式でお話しします。「Zoff」は、デザイン性やライフスタイル提案などのブランディングで差別化を図っており、EC事業もデジタル施策を組み合わせて拡大しています。

株式会社visumo 代表取締役社長 井上 純 氏
株式会社visumo 代表取締役社長 井上 純 氏
2012年にECフルフィル支援ベンダーからecbeing社に入社し営業コンサルとして50以上のプロジェクトに参画。2017年にUGCを活用する新サービスとしてビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」を立ち上げ、2019年4月に株式会社visumo設立と共に取締役に就任し、事業全体を管掌。2023年4月に同社の代表取締役に就任。国内における次世代のビジュアルマーケティングを推進すべく活動中。
株式会社インターメスティック マーケティング部 部長 兼 デジタルマーケティング部 部長 井戸 喜貴 氏
株式会社インターメスティック マーケティング部 部長 兼 デジタルマーケティング部 部長 井戸 喜貴 氏
トランスコスモス株式会社にて約15年間、デジタルマーケティングを中心とした営業職に従事。部長職を経て、株式会社インターメスティックに入社。マーケティング部・デジタルマーケティング部・EC事業部の部門長を歴任。オンライン・オフライン広告、SEO、MEO、CRMなどの集客・販促施策、自社EC・オウンドSNSなどの運用、バーチャルフィッティングやスタッフインフルエンサー施策など自社DX・OMO戦略の推進まで幅広くカバー。MBA・中小企業診断士。
Digital Commerce Frontier 2024

8月1日(木)に「ネッ担 Meetup Vol.6」(懇親会)をリアルで開催!

8月1日(木)18:30~20:30に、EC事業者さん限定&先着60人で懇親会を実施します。開催は東京都・渋谷近辺を予定しています。

Eコマースに関するさまざまな情報交換ができる場です。EC事業者のコミュニティを作り、悩みや課題、アイディアを共有し絆を深めていただきます。「他の事業者さんの取り組みが知りたい」「横のつながり作りをしたい」といった方、ぜひご参加下さい!

プレゼント抽選会もご用意しています。皆さまのご参加をお待ちしています!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

EC運営を軸にSNS活用、クラウドファンディング、広報などを学べる講座【2024年8月~2025年2月に計6回開催】

1 year 4ヶ月 ago

ユウキノインは2024年8月~2025年2月に計6回、奈良県の受講者が無料で受講できる「EC運営講座」を開催する。

▼「EC運営講座」(2024年8月~2025年2月開催)

ユウキノイン EC運営講座

講座では、ネットショップを事業として運営するためのEC運営講座を軸に、経営視点からSNS運用、クラウドファンディング活用、プレスリリースといった広報などを6か月で学ぶ。「デジタルマーケティング支援事業」において、ユウキノインが公益財団法人奈良県地域産業振興センターより委託を受けて実施する。

「Web活用ができていない」「ECサイトを開設したが売れる仕組みがわからない」という事業者向けの「一般講座」と、EC運営でさらなる高みをめざす事業者向けの「トップランナー講座」の2コースに分け、それぞれ合同開催を含めた全6回の講座と個別相談会を実施する。各コースの受講対象者、定員などは次の通り。

トップランナー講座(定員5社)

少数精鋭で奈良県のモデルケースとなるようなECサイト輩出をめざす。既にECに出店している奈良県内の事業者が対象。ユウキノインとセミナー講師陣による審査を行い、5社を選定する。受講者のレベルを合わせるため、ECやWebの利用状況なども選定事項に含まれる。

一般講座(定員10社)

モール出店者、自社サイト運営者、これからECサイトでの販売を始めようと考えている事業者など、すべての事業者が対象。EC事業の形態は問わないが、講座はECを主軸にWeb活用を学ぶため、出店の意向がある事業者が優先となる。

開催日時・講座テーマ

  • 8月28日(水) 13:30~16:30【DAY1:キックオフ】
    2コース合同開催。Web・ECのトレンドとデジタルマーケティングに挑む心構えを、ワークショップを交えて学ぶ
  • 9月25日(水)【DAY2】
    ECモールや自社サイトの特長を把握し、自店舗におけるふさわしい販路や体制を見つけ、中長期ビジョンを描く。トップランナー講座ではECでの販促方法、集客方法を身に着けることをめざす
    • 一般講座:これからWeb活用に挑む前に(10:00~12:30)
    • トップランナー講座:EC・Web活用の棚卸し(13:30~16:00)
  • 10月16日(水)【DAY3】
    国内で90%以上のシェアを誇るGoogle検索、生成AIも普及するなか「知らない」では済まされない検索エンジンの今、知っておきたいSEO、国内で1人あたり3時間利用していると言われるSNSの概要や事例などを受講コースに合わせて解説する
    • 一般講座:SEOとSNS(10:00~12:30)
    • トップランナー講座:SEOとSNS(13:30~16:00)
  • 11月13日(水)13:30~16:30【DAY4】
    2コース合同開催。経験豊富な店舗と制作会社、サービスベンダーをゲストに招き、繁盛店までの軌跡、取り組んだ施策といった実例に学び、自社の未来を描くヒントをつかむ。
    また、ECサイト構築プラットフォームとして20年の歴史があり、稼働店舗は2900以上、利用店舗の6社に1社が年商1億円以上という「フューチャーショップ」を運営するフューチャーショップが、EC市場で今知っておきたいナレッジを共有する
    • ゲスト店舗:有限会社ズーティー 取締役 浅野かおり氏
    • ゲスト講師:株式会社フューチャーショップ 取締役 安原貴之氏
  • 11月~12月【随時開催:個別オンライン相談会】
    1社ごとの個別相談をオンラインで実施。講師陣に事前共有した課題に向き合い取り組んでいく。課題の実践内容は2025年1月のDAY5で発表する
  • 2025年1月15日(水)【DAY5】
    個別相談で取り組んだ実践内容を発表する。2025年のWeb・ECの展望、市場予測などの最新情報を速報で紹介する予定
    • 一般講座:課題フィードバック(10:00~12:30)
    • トップランナー講座:課題フィードバック(13:30~16:00)
  • 2025年2月12日(水)【DAY6】
    2コース合同開催。午前の部は、過年度に実施した講座で成功事例が複数輩出されたクラウドファンディング講座をアップデート。経験者の登壇などを踏まえ、売ること、ファン作りを学ぶ。
    午後は、過年度に満足度の高かった広報講座を実施。1日で1年分の売り上げを記録することもあるメディアを紹介。過去のメディア紹介実績に学び、自社のPR広報のスキル育成に取り組む。
    講座終了後に修了式を予定
    • 前半:クラウドファンディング(10:00~12:30)
    • 後半:プレスリリース(13:30~16:00)

講師

  • 酒匂雄二氏(ユウキノイン 代表取締役)
  • 高林努氏(ダブルノット 代表取締役)
  • 中林慎太郎氏(Designequation 代表)
  • 長谷川喜洋氏(How to Use CTO)
  • 【DAY4 ゲスト講師】浅野かおり氏(ズーティー 取締役・バイヤー)
  • 【DAY4 ゲスト講師】安原 貴之氏(フューチャーショップ 取締役)
ユウキノイン EC運営講座 講師
「EC運営講座」の講師

開催概要

  • 講座名:EC運営講座
  • 日時:2024年8月~2025年2月
  • 開催場所:奈良県産業振興総合センター 1階 イベントホール(奈良県奈良市柏木町129-1)
  • 参加費:無料(事前申し込み。トップランナー講座は審査あり)
  • 主催:公益財団法人奈良県地域産業振興センター、奈良県(共催)、ユウキノイン(委託)
  • 詳細と申し込みhttps://yuhkinoine.com/seminar/2024nara/
藤田遥

インターファクトリーの「ebisumart」がデジタル決済プラットフォーム「KOMOJU」と連携

1 year 4ヶ月 ago

インターファクトリーは、クラウドECプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」がDEGICAのデジタル決済プラットフォーム「KOMOJU」と連携したと発表した。

連携内容は、「ebisumart」導入企業向けの越境対応の決済連携。「ebisumart」導入企業は「KOMOJU」利用することで、中華圏を中心に利用が拡大している決済手段「WeChat Pay」「Alipay」を自社ECサイトへ簡単に導入できるようになる。

「ebisumart」と「KOMOJU」が提携した
「ebisumart」と「KOMOJU」が提携した

連携の背景にあるのは、中国向け越境EC市場の拡大だ。

経済産業省が2023年8月に発表した「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2022年の中国向け越境ECの市場規模は2兆2569億円。2022年の国別EC市場シェアでは中国のEC市場シェアでは50.4%を占めるなど、中国ユーザーが世界の越境EC市場をけん引している。

コロナのパンデミック収束によるインバウンド需要の再燃、今後も円安が継続される見通しから、越境ECに取り組む事業者が増加しており、越境EC市場はさらなる拡大が予想される。

こうした理由から、インターファクトリーはECにおけるグローバル展開の支援体制を強化する目的で「KOMOJU」と連携した。

「KOMOJU」は、クレジットカード決済、コンビニ決済、ECスマホ決済、ペイジー、電子マネー決済、銀行・ATM振込、後払い決済などの国内外の決済手段を一括導入できる決済代行サービス。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 158 10 0
高野 真維

アマゾンが始めたオンライン服薬指導+処方薬配送の「Amazonファーマシー」とは

1 year 4ヶ月 ago

アマゾンジャパンは7月23日、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるオンラインサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始した。

ユーザーは「Amazonショッピングアプリ」上で「Amazonファーマシー」に登録されている薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受けた後、処方薬などを購入できる。購入した薬は自宅など指定の住所に配送、または薬局で受け取ることができる。なお、「Amazonファーマシー」は「Amazonショッピングアプリ」でのみ提供する。

アマゾンジャパンは7月23日、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるオンラインサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始
「Amazonショッピングアプリ」と電子処方せんがあれば利用可能

アインホールディングス、ウエルシアホールディングス、クオールホールディングス、新生堂薬局、中部薬品、トモズ、ファーマみらい、薬樹、ユニスマイルと提携。服薬指導を受けられる対象店舗数は約2500店。

「Amazonファーマシー」の利用には電子処方せんが必要となる。また「Amazonファーマシー」では、メドレーが提供する総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」とも連携。クラウド診療システム「CLINICS」を導入している医療機関でオンライン診療を受ける場合も利用できる。

アマゾンジャパンの消費財事業本部・統括事業本部長バイスプレジデントの前田宏氏は「オンライン服薬指導と処方薬の配送までのサービス普及を目指す。Amazonファーマシーを通じて、薬局・薬剤師の皆様と共に医療DXの推進に貢献し、お客さま一人ひとりのヘルスケアのニーズに合ったサービスの提供をめざす」とコメントしている。

「Amazonファーマシー」は米国Amazonが2020年11月に米国市場でスタート。約5万の薬局が参加して始まった。Amazonはヘルスケア分野にも力を入れており、米国市場で2023年1月、プライム会員向けにジェネリック医薬品を月額5ドルで販売する医薬品定期購入サービス「RxPass」を始めている。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 158 10 0
鳥栖 剛

博報堂と三菱自動車がアウトドア特化のプラットフォームビジネスを展開。将来的にECや広告事業も

1 year 4ヶ月 ago

博報堂と三菱自動車工業は共同で、アウトドアに特化したプラットフォームビジネスを行う新会社「株式会社NOYAMA」を6月18日に設立し、7月18日から事業を開始した。

NOYAMAは、「自然と生きる力を、取り戻す」をコンセプトに新しい体験やサービスを提供。中期的には、アウトドアに特化したプラットフォームビジネスとして、EC事業、広告配信事業、データコンサルティングなど、幅広い事業展開を計画している。

初年度は、自然のなかにあるモノだけを使って楽しくサバイバル力を身に着けるためのコンテンツ・コミュニティサービス「冒険の学校」を開設。自然のなかで家電を使う体験サービス、大容量バッテリーに蓄電された電力を電化製品に使用できるプラグインハイブリッドEVEV(PHEV)やアウトドアギア・電化製品の一括レンタルサービス「e-Outdoor」の2サービスを提供する。

NOYAMAの本社所在地は東京都中央区日本橋小舟町8-13-405。代表取締役社長は久保田和拓氏。出資比率は三菱自動車工業66.6%、博報堂33.4%。主な事業内容は、アウトドア関連のメディアコンテンツ事業、アウトドア関連商品を扱うレンタルサービス事業、アウトドア関連商品を扱うEC事業、アウトドア関連のイベント運営。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 158 8 0
松原 沙甫

ファーストパーティデータ活用法、売上拡大を実現したBtoB-EC成功事例、ECビジネスへのリテールメディアの生かし方などが学べるオンラインセミナー

1 year 4ヶ月 ago
EC企業で活躍する担当者や有識者が、聴講者の事業成長のヒントにつながる知見をお届けするオンラインイベント「Digital Commerce Frontier 2024」を7月24日(水)+25日(木)に開催。19講演すべて無料で聴講できます

7月24日(水)+25日(木)に開催する「Digital Commerce Frontier 2024」(オンライン開催)は、AI+リテールメディアといった「Internet Retailing」と「BtoB-EC&DX」の2つの軸をテーマに、Amazon、楽天グループ、パル、TENTIAL、プラス、コクヨ、成城石井といった著名なEC実施企業が登壇。ECビジネスへのAI活用、小売りの最新DX戦略、法人営業成功のポイントなどについて講演します。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 春

「Digital Commerce Frontier 2024」は、リテールビジネス、BtoC-EC、BtoB-EC、メーカーECなどデジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者に対し、AIやリテールテックなどの最新トレンド、最先端テクノロジー活用、事例、最新ソリューションなどをお届けするイベントです。

まだお申し込みをしていない方のために、編集部お勧め講演の見どころをご紹介します。

Digital Commerce Frontier 2024

見どころ⑪ ファーストパーティデータ活用術、売上アップを実現したBtoB-ECサイト成功事例、ECビジネスへのリテールメディアの生かし方などを公開!

リテールメディア広告のビッグウェーブ到来! ~鍵となるファーストパーティデータ活用~

12:00~12:40 A1-2 講演

検索キーワードや絞り込み項目はリアルタイムのニーズが反映される最強のファーストパーティデータのため、それらを的確に活用することがユーザーの顧客体験の向上につながります。

今後ますますCXの重要性が増すなかで、そうしたファーストパーティデータを活用しユーザーの趣味や趣向に合う商品を広告として掲出できるリテールメディア広告は重要性が増しています。

セッションではZETAのリテールメディア広告の導入事例を交えつつ、CX向上のためのデータ活用について詳しく解説します。

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏
2006年にZETA株式会社を設立、代表取締役に就任(現任)。現在はECサイトのマーケティングツール「ZETA CXシリーズ」の開発・提供に取り組んでおり、コマースとCX(カスタマーエクスペリエンス)のリーディングカンパニーとして多数の国内大手サイトの売り上げに貢献している。

APAC初開催の「NRF」から学ぶ、リテールメディア発展のための3つのキーワード
~楽天・Roktが読み解く、日本の小売・ECが取り組むべき「顧客体験」「テクノロジー」「組織変革」の在り方とは~

13:00~13:40 A1-3 講演

2024年6月、世界最大級のマーケティング・プロモーションのイベント「NRF」のAPAC版がシンガポールで初めて開催され、小売業界のグローバル最先端のテクノロジーや事例が、講演や展示会を通して披露されました。

日本国内のEC・リテールメディアシーンをリードする楽天グループとRoktは、この「NRF APAC」にそろって参加。日本の3~5年先を行くと言われる海外のテクノロジーを各国企業はどのように活用し、事業に生かしているのか。

現地で目にした最新情報やソリューションを振り返り、「リテールメディア」を中心に、日本の小売企業、EC企業などが自社のビジネスに生かすためのヒントを解説します。

Rokt合同会社 ビジネス開発 ディレクター 大野皓平氏
Rokt合同会社 ビジネス開発 ディレクター 大野皓平氏
大手広告代理店を経て、位置情報系マーケティングのCinarraにて営業責任者として多くのリテール企業へOMOソリューションを提供。現在、米国に本社を置くeコマーステクノロジー企業Roktにて日本市場のビジネス開発を担当。大手ECサイトのリテールメディア化を推進しており、ノンエンデミック広告(サイト出店者以外の第三者ブランドによる広告)の第一人者として日本市場での啓蒙活動に取り組む。個人情報保護士。
楽天グループ株式会社 マーケットプレイス事業 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャー 秦俊輔氏
楽天グループ株式会社 マーケットプレイス事業 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャー 秦俊輔氏
2009年楽天グループに入社。広告事業配属後、広告代理店担当の営業を担当し2017年には電通との合弁会社である楽天データマーケティングの立ち上げに携わる。2019年Yahoo!JAPANに入社。PayPay販促ソリューション、東京2020の企画・販売に携わる。また、ヤフー×指名手配捜査支援プロジェクトで広告電通賞 入賞。 2021年再び楽天グループに戻り、「楽天市場」とメーカーとの協業でビジネス拡大を図る部署(AIO)の立ち上げ及び、コンサル部門の責任者を務める。

業務効率化・売上拡大を実現した BtoB ECサイト構築成功事例

15:00~15:40 B1-5 講演

BtoB-ECを活用しさまざまな課題を解決していきたいという需要は日々高まるなか、抱える課題やビジネススタイルにより、構築する際の考え方や戦略は変わります。

セッションでは法人間取引における課題に合わせた構築事例を課題から手段・考え方・効果まで紹介します。業務効率化・売上拡大・新規顧客獲得・営業の効率化などに関心がある方はぜひご視聴ください!

株式会社ecbeing マーケティング営業本部 上席執行役員 斉藤淳氏
株式会社ecbeing マーケティング営業本部 上席執行役員 斉藤淳氏
2000年よりECサイト構築プラットフォームecbeingの製品開発、並びにEC事業者への導入・カスタマイズ開発に従事。プログラマー、SEを経てプロジェクトリーダーとして100社以上のECサイトの構築を実施。その後、開発部長に就任。現在、上席執行役員 マーケティング営業本部 副本部長として ecbeing全般のマーケティングやセミナー責任者を務める。

AI時代の顧客体験とは? 利用継続率と客単価を伸ばすBtoB ECサービスの作り方

16:00~16:40 B1-6 講演

BtoB向けECサービスの真の課題は、ユーザー数や購入額の伸ばし方ではなく、継続して利用されるサービスの作り方にあります。その点でBtoB-EC事業者が参考にすべきは、実はBtoC-ECサイトではなく、ショート動画アプリや、サブスク型コンテンツサービスだと言えるでしょう。

セッションでは、それらのサービスの根幹をなすAIを使ったユーザー体験改善の手法を紹介し、BtoB-ECに求められる「次もこのサイトで買いたくなる体験」「目的の商品以外にも目を向ける体験」を、人的コストをかけずに導入するポイントを解説します。コンテンツマーケティングに取り組む事業担当者にもおすすめの内容です。

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏
シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏
国内システムインテグレーター、ネットワークツールベンダーにてプロダクトマーケティングに従事したのち、2017年シルバーエッグ・テクノロジー株式会社に入社。マーケティング部シニアマネージャーとしてプロモーション業務を統括する。多数の顧客インタビューを通じてデジタルマーケティングの課題を分析し、パーソナライゼーション技術の適切な利用方法を提案している。趣味はプラモデル。
Digital Commerce Frontier 2024

8月1日(木)に「ネッ担 Meetup Vol.6」(懇親会)をリアルで開催!

8月1日(木)18:30~20:30に、EC事業者さん限定&先着60人で懇親会を実施します。開催は東京都・渋谷近辺を予定しています。

Eコマースに関するさまざまな情報交換ができる場です。EC事業者のコミュニティを作り、悩みや課題、アイディアを共有し絆を深めていただきます。「他の事業者さんの取り組みが知りたい」「横のつながり作りをしたい」といった方、ぜひご参加下さい!

プレゼント抽選会もご用意しています。皆さまのご参加をお待ちしています!

◇◇◇

次回はまた別のオススメ講演をお伝えします!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

100年続く老舗企業の倒産が急増、激しい変化に飲み込まれるケースが続出

1 year 4ヶ月 ago

帝国データバンクが創業・設立から100年以上の業歴を持つ「老舗企業」の倒産状況を調査した結果によると、2024年1-6月期(上半期)における老舗企業の倒産件数は74件で、前年同期(38件)と比べて約2倍に増加(前年同期比94.7%増)した。上半期として、統計としてさかのぼれる過去最多件数を更新した。

帝国データバンクが創業・設立から100年以上の業歴を持つ「老舗企業」の倒産状況を調査した結果
老舗企業倒産の年間推移

老舗倒産企業の業種別内訳を見ると、最も多かったのは「製造業」で22件、2番目が「小売業」の21件。両業種で全体の約6割(58.1%)を占めている。「小売業」の老舗倒産では、スーパーマーケット、呉服・服地小売、百貨店などの業種が確認されている。

3位は「卸売業」の11件で、「建設業」(8件)、「サービス業」(6件)、「その他」(6件)が続いた。

2024年上半期の老舗企業倒産のなかでは、仕入価格の上昇により収益が悪化した「物価高倒産」(14件)、後継者不在のため事業継続の見込みが立たなくなった「後継者難倒産」(1件)など、近年事業継続のリスクにあげられる要因での倒産事例も複数確認されている。

2024年通期(1-12月期)における全体の企業倒産は1万件突破も視野に入る水準で増加している。こうした状況から、小規模企業が多くを占める老舗企業は今後さらに厳しい局面を迎える可能性がある。

日本の老舗企業は2023年で4万3631社。毎年約2000社が100年経営企業として増加している。帝国データバンクは、「多くの災害や需要の変化などを乗り越えてきたため、100年以上も事業を続けている老舗の強みに学ぶことは多い。しかし、激しく変化する経済情勢に飲み込まれるケースが続出している」とまとめている。

帝国データバンクが創業・設立から100年以上の業歴を持つ「老舗企業」の倒産状況を調査した結果
老舗企業の社数推移(2023年時点)
AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
松原 沙甫

2024年夏休みの予算は? 7割が「物価高・円安は夏休みの予定に影響する」

1 year 4ヶ月 ago

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査によると、予算総額の平均金額は5万8561円で前年比2.6%減、金額ベースで同1585円のマイナスとなった。

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査
夏休みにかける平均予算

予算が減る理由は、「物価高・円安だから」が51.5%と最も多く、「給料が増えないから」が35.2%、「電気代・ガス代が上がるから」が33.1%で続いた。

一方、予算が増えると回答した理由は、「物価高・円安だから」が26.9%で最多。それに続くのが「外出や人に会う機会が増えるから」が26.1%、「旅行に行くから」が25.3%だった。

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査
予算が増える理由と減る理由

物価高や円安が夏休みの予定にどの程度影響するのかを聞いたところ、「かなり影響する」は22.6%、「やや影響する」が47.0%、「全く影響しない」は30.4%。

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査
物価高や円安が与える夏休みの予定への影響

夏休みシーズンを過ごす予定(複数回答)については、「自宅で過ごす」が36.9%、「予定は決まっていない」が35.1%、「国内旅行(宿泊あり)」が19.1%、「ショッピングや食事など」が18.5%だった。このうち、「ショッピングや食事など」は前年比5.7ポイントの大幅な減少となった。

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査
夏休みシーズンの過ごし方

「海外旅行」の予算は平均44万3058円で、前年比13.8%減、金額ベースで7万829円減った。「国内旅行(宿泊あり)」の予算は10万2318円で、前年比2.0%増、金額ベースでは2036円の増加だった。

インテージが実施した2024年の夏休み期間(7月13日~9月30日)における過ごし方の調査
海外旅行と国内旅行の予算

調査概要

  • 調査地域:日本全国
  • 対象者条件:15~79歳の男女
  • 標本抽出方法:インテージ「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
  • 標本サイズ:n=5000※国勢調査に基づき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
  • 調査実施時期: 2024年6月27日~7月1日
AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
松原 沙甫

「不機嫌な上司」は組織に弊害をもたらす。では「ご機嫌な上司」に必要なことは?【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

1 year 4ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2024年6月22日~7月19日のニュース

不機嫌な上司に日々気をつかっている皆さんに朗報です。というわけではないですが、不機嫌な上司を「弊害」と言い切る衝撃的なタイトル。LINEヤフーの川邊健太郎氏とさくらインターネットの田中邦裕氏が啓蒙する「優秀なリーダー」「優秀な上司」とは何なのか?! 自らの経験を交えながら対談しているので、自分の過去を振り返りながら読むだけでレベルアップした気になる記事です。今上司の人も、そうではない人もぜひ読んでみてください。

「常に機嫌の良い上司」でいることが大切

【川邊健太郎×田中邦裕】管理職の言動が組織を腐らせる?「不機嫌な上司」の弊害と回避術 | 転職・求人情報サイトのtype
https://type.jp/et/feature/26332/

クリエイティビティーは間違いなく低下するでしょう。みんなが自由な発想で意見を出し合うから新しいものや面白いものが生まれるのであって、不機嫌な上司がいると周囲も発言しにくくなり、ものづくりの力は下がります。

そしてもう一つは、重大事故のリスクが高まることです。(田中氏)

この後にも書かれている「怒られそう」「聞いてもらえない」といった状況に組織があると、緊急事態が起こった際に一歩・二歩動くのが遅れ、より大きな事故につながってしまう恐れがあります。わかっているけれど、当事者になると案外忘れてしまう大きなリスクかもしれませんね。勿論、組織が上手に動かないと生産性や効率が落ちることも非常に問題ではありますが、「不機嫌な上司」が与える影響は会社にとって最大のリスクと言えるかもしれせん。

そんな時、ヤフーのメディア事業部で、フォロワーシップ型マネジメントを取り入れる活動の一環として1on1を始めた人がいた。それがのちに『ヤフーの1on1』(ダイヤモンド社)の著書で知られることになる本間浩輔さんでした。

私も初めのうちは「あれって意味があるのかな?」と半信半疑で見ていたのですが、率先垂範型のリーダーシップでは限界があると気付き始めていたので、本間さんにアドバイスをもらってGYAOにも1on1を取り入れてみたんです。すると社員一人一人のやる気が明らかに向上し、業績も改善し始めました。(川邊氏)

私が管理職をしていた際、とある会社さんの真似をして1on1を導入しました。何の変哲もない会話をするだけでも、上司と部下という垣根が減っていたように感じます。ただ今思い返すと、自分の業務に忙殺され(という言い訳)、1on1を定期的に実施できなくなると、徐々に組織がギスギスしていったな、と感じます。そして「仕事がやりにくいな」と思ったのも、そのタイミングだったかもしれません。当時は「人の上に立つ」という自覚もあまりなかったのでしょう。私の例は非常に悪い実例なので、読みながら猛反省しました……(苦笑)

確かにそれはありますね。私も若手社員が仕事で成果を出して喜んでいる姿を見るとうれしいですから。喜びの対象が自分ではなく他人になると、お互いに機嫌よくいられるというのはよく分かります。(田中氏)

いきなり考え方を切り替えるのは難しくても、「喜びの対象を変えれば良いリーダーになれる」と頭で理解していれば、「これが部下の成長を喜ぶということか」と分かる瞬間がいつか訪れます。皆さんも今日からそのことを意識して、ぜひ「ご機嫌な上司」を目指してください。(川邊氏)

両社の共通点は、ベクトルが自分に対してではなく、いつでも組織や部下、会社全体に向いているということではないでしょうか。「組織や部下がいかに気持ちよく仕事ができるか」をしっかり自分自身のなかで考えて行動する。アンガーコントロールもしかり。そういうことを1つひとつ考えて動くことで、自ずと組織の士気が上がっていくということなのでしょうね。

関連のX投稿

要チェック記事

「2024年問題は完全に解決した」――三重県の中小運送会社が進めた、驚きの改革 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2407/17/news203.html

「あなたの為 今日も走るんだ みんなの生活を守るために」。トラックドライバー応援歌を三重の運送業者が「YouTube」で公開 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12577

トラックドライバーをはじめとする現場で働く人たちの応援歌「Connect」 | カワキタチャンネル(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=vXZ2uN0hIw0

物流会社の新しい風になるか?! 風土・文化にはさまざまな表現があると思いますが、新しい時代の会社のつくり方なのかもしれませんね。物流に関わらず参考になる考え方だと思います。

資生堂のネット通販、一律の送料無料を廃止。購入金額2749円以下は全国一律495円を徴収へ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12519

「〇円以上送料無料」の撤廃。断行にはさまざまな背景があると思いますが、今後この動きが消費者にどのような影響を与えるのか。要注目の動きですね。

高島屋、カスハラ対策を公開 大手百貨店で初、来店拒否も | 共同通信
https://nordot.app/1184740462279738228

CSの大きな問題でもある、カスハラ。CS部門のヘイトが溜まる問題は、中小企業の大きな悩みの1つでもあります。日本でもこういった動きが今後もっと出てくるのでしょうか?! 気になるところです。

【超速報】最強配送バッジ開始で検索結果がどうなったのか調べてみた。 | コンサルロケッツ STATION
https://c-rocketz.com/blog/ec/saikyo-delivery/

現状はあまり大きな動きを見せていないとのことですが、「楽天市場」でジャンル毎に運用する上では、大幅なアップデート次第で大きく変動しそうな部分ですので、今後も注視していきましょう。

「再配達は有料に」物流2024年問題、ドライバーの本音は? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2406/27/news043.html

どこまでを許容するのか、どこまでをサービスとしていくのか。EC事業者にとって、CSのクレームにも関わる「再配達の有料化」は今後どうなるのか?! そしてどうする2024年問題。

【ECシステムのリプレイス調査】EC事業者の7割が「使いたい機能がシステムにない」と回答、4割のEC事業者が「機能不足」で刷新 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12457

欲しい・使用したい機能が不足している、多様化する要望とシステム開発のスピード、何を標準化していくのか――プラットフォーマーにとっては悩みどころ?!

商品の配送・返品ポリシーをSearch Consoleで管理できるようになる | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/configure-your-shipping-and-returns-directly-in-search-console/

今後SEOなどでも影響あり?! 酒匂さんの今後の追跡が気になりますね。ジャンルによっては、少なくともCVに何かしらの影響が出てくるかもしれない。ちょっとドキっとするニュース。

今週の唸った・刺さった・二度見した

人は1年でできることを過大評価しすぎる。そして10年でできることを過小評価しすぎる。 | アンソニー・ロビンス(米国の作家・実業家、リーダーシップ・自己啓発コンサルタント)
https://diamond.jp/articles/-/323872(名言とされているフレーズを用いた「ダイアモンドオンライン」の記事を出典元として記載し、そのフレーズをご紹介しました)

先日、完璧主義な人と話をして落ち込んでいた友人の話を聞きながら、ふと思い出してLINEで送った言葉です。

私は基本的に啓蒙系の本や記事を一切見ないのですが、この言葉はどこかでチラ見して調べ直しました。ちょうど1年の半分が過ぎて、年末年始に立てた目標や今年やりたいことを思い返す頃ではないでしょうか。既に挫折していませんか? 私はこの言葉を覚えてから、立てた目標に対してある意味“適当”に接するようになり、挫折しなくなったように思います。

2024年も7か月が過ぎようとしています。そんなタイミングなので、今週の名言として紹介しました。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequatioは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

中林慎太郎

ハニーズHDの2024年5月期EC売上高は11.4%増の61億3300万円。2025年5月期は7.4%増の72億円を計画

1 year 4ヶ月 ago

婦人服などの製造販売を手がけるハニーズホールディングスの2024年5月期におけるEC売上高は、前期比11.4%増となる61億3300万円だった。連結売上高は前期比3.1%増の565億7100万円で、EC化率は前期比0.8ポイントアップとなる10.8%に上昇した。

(キャプション)2025年5月期はOMO戦略など強化しEC売上高72億円を目指す(画像はハニーズHDのIR資料からキャプチャ)

自社ECサイトのパフォーマンス改善やユーザビリティ向上に注力したほか、Web広告やSNSを活用した積極的な販促活動を展開。EC売上高に占める自社ECサイトの売上比率は約6割となり、事業成長を牽引した。「店舗受取」の利用も順調に推移しているという。

2025年5月期はEC事業のさらなる強化を進める予定で、リアルとデジタルを融合させるOMO実現に向けたサービスとユーザーの利便性向上をめざす。引き続きWeb広告をSNSを有効活用して顧客基盤の拡大を進めるほか、ECと実店舗の相互利用・相互送客の拡大を推進する。マーケティングツールの導入など積極的な投資で、サイト回遊率や購入への転換率の向上を図るとしている。

2025年5月期のEC売上高は前期比17.4%増となる72億円を計画。EC化率は前期比1.4ポイントアップの12.2%をめざす。

ハニーズホールディングスでは、25~45歳をターゲットにした「グラシア」、10~50歳代をターゲットにした「シネマクラブ」、15~30歳をターゲットにした「コルザ」などのブランドを展開している。

2024年5月期の連結売上高は前期比3.1%増の565億7100万円だった。EC事業の伸長や客単価の上昇により増収となった。売上総利益は同2.0%増の340億円9000万円だった。売上総利益率は同0.6ポイント減の60.3%。下期に円安による仕入れコスト増が影響し粗利益が減少した。販管費は同5.3%増の271億1900万円となった。人件費が主な増加要因であると説明している。営業利益は同9.1%減の69億7000万円。経常利益は同9.2%減の72億8100万円となった。当期純利益は同8.6%減の48億7600万円だった。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
鳥栖 剛

ミスミグループが始めた、納期を急がないメカニカル部品の注文を最大30%割引する「納期割引サービス」とは

1 year 4ヶ月 ago

ミスミグループ本社は7月22日、「MISUMI ECサイト」で納期を急がない商品購入を割引する「納期割引サービス」の提供を開始したと発表した。

(キャプション)アルミフレームなどメカニカル部品の長納期注文で最大30%割引に

「MISUMI ECサイト」では7月から、メカニカル部品の注文時に「納期10日目以上」を選択すると、対象商品が注文数量により最大で30%割り引く「納期割引サービス」をスタート。アルミフレーム関連部品やシャフトなど1000品目以上の対象商品を低価格で購入できるようにした。割引対象商品は順次拡大する予定としている。

ミスミグループ本社は、「MISUMI ECサイト」で納期を急がない商品購入を割引する「納期割引サービス」の提供を開始した
対象商品のページには、納期割引単価や値引率、納期割引出荷日を表示する

ミスミグループでは2022年7月から、特注品をAI(人工知能)で即時見積するデジタル機械部品調達サービス「meviy(メビー)」で納期を急がない商品購入を割引するサービスを開始していた。

ミスミグループ本社は、「MISUMI ECサイト」で納期を急がない商品購入を割引する「納期割引サービス」の提供を開始した
現在の対象はアルミフレーム関連部品やシャフトなど、今後対象は順次拡大の予定

今回の「納期割引サービス」は4月から運用開始した生産間接材購買プロセスDX革新「D-JIT(ディージット)」により実現したという。「D-JIT」では、国内外400社を超える自社工場やサプライヤー工場といった在庫拠点をネットワークでつなぎ在庫情報を連携。この仕組みによって納期調整や見積時間の待ち時間をゼロとし、大口数量も短納期での納品を実現した。

「数量対応力」が大幅に向上したほか、工場稼働率や納期に応じた最適な生産拠点を独自のアルゴリズムで判断し原価低減を実現できるようになったという。これにより納期割引サービスの提供につながり、顧客からの要望の多かった「計画的な調達時のコストダウン」に対応する。顧客の需要にあわせて出荷日や価格を柔軟に選択できるようになるとしている。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
鳥栖 剛

ショップチャンネル、増収増益の要因は? 購入回数・客単価の向上などにつながった「顧客視点の施策」を小川社長が語る | 通販新聞ダイジェスト

1 year 4ヶ月 ago
足元で売り上げが堅調に推移しているショップチャンネル。顧客に楽しまれる番組づくりや、わかりやすい商品訴求が奏功している。取り組みの詳細を社長に聞いた

通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルの2024年3月期決算は増収増益で着地した。顧客のし好の変化や訴求のマンネリ化などで主力の衣料品の売れ行きが苦戦するなどで3期連続減収となっていたが衣料品の新たな拡販策の成功や化粧品、旅行商品などの売れ行きもよく、当期は4期ぶりに増収に転じ、増益も維持した。小川吉宏社長に現状と今期以降の方向性について聞いた。

ジュピターショップチャンネル 小川吉宏社長
ジュピターショップチャンネル 小川吉宏社長

増収増益の要因は顧客視点の施策

アパレル・ファッションがけん引

――2024年3月期決算は増収増益だった。要因は。

お客さまが何を求めているのかを2022年度から愚直に追及し始め、お客さま視点でさまざまな施策を打った結果がこの2023年度は届いたと感じている。特にアパレル・ファッションアクセサリーの売れ行きが好調だった。

アパレル・ファッション商品の一例(画像はジュピターショップチャンネルの自社ECサイトから編集部がキャプチャ)
アパレル・ファッション商品の一例(画像はジュピターショップチャンネルの自社ECサイトから編集部がキャプチャ)

――顧客との接点、継続化などの観点からもファッションカテゴリーの回復にここ数年腐心してきたわけだが、その顧客視点の施策が奏功したのか。

そうだ。多くの取り組みを行っており、さまざまな取り組みが複合的に奏功していると思う。たとえば昨年1月にファッションに特化したランウェイもある常設スタジオを作って商品の特徴をわかりやすくかつ魅力的に伝えるためのカメラワークにこだわったり、より商品が映えるようセットを改良したりとこの1年でもさらに色々と進化させてきた。

また、番組で洋服を身に着けるモデルも当社のお客さまにとって魅力のあるファッション誌などで活躍されている人を起用したり、モデルのヘアスタイルも以前は商品を目立たせるためにシンプルなものだったが、おしゃれなヘアアレンジをしたモデルが商品を身につけて登場したりなど、これまで当社ではあまりやってこなかったことなどにも取り組んできた。

商品はどんどんと新しく新鮮味のある魅力的なものを紹介していっている。それに合わせて見せ方も変えた。商品の情報はもちろんだが、番組のすべてでお客さまが見ていて楽しいと思えるものを提供したいと考えた。

ブランドの垣根を超えた提案が好評価

――特別編成で1日中ファッションアイテムだけを紹介する「ファッションデー」も変わってきた。

従来まではその日に放送する各番組は独立していたが、2022年度から共通のコンセプトを持ってお客さまに楽しんで頂けるようたとえば時間帯によって50年代、60年代など年代ごとのテイストの商品を紹介したりなど全体の編成を変えていった。2023年度も「日本のモノづくり」を共通コンセプトとした構成にするなどした。

異なるコンセプトという意味では「ファッションデー」に限らず、2023年度からスタートさせた新番組もそうだ。昨年8月から放送を開始してその後、12月、今年3月と定期的に放送している「24h×7Days Style Ind‐ex」というスタイリストの亀恭子さんがコーディネートして商品を提案・紹介する番組だ。

スタイリストがコーディネートを提案する形の番組は以前から「VENUS NAVI(ヴィーナスナビ)」という番組を放映してきたが、ブランドの垣根を超えてファッションの提案する番組は面白くお客さまからの評価も高い。制作するのは大変だが(笑)。こうした施策などで番組の視聴が増え、お客さまの購入回数や客単価が増えてきている

番組と連動したWeb施策で買いやすさアップ

――Web施策も売上増に寄与している。

当社のWebサイト上で番組に出演するメーカー担当者や社員が当社で販売する商品を使ったコーディネート画像を紹介、提案するコンテンツ「ショップチャンネルピープル」を昨年1月からスタートしてお客さまからは自身の体型や好みに合ったコーディネートを参考にでき、着用イメージの確認やサイズ選びなどに役立てられると好評だったが、昨年6月からは短尺の動画でもコーディネートを紹介できるようにし、静止画では伝えきれない情報が伝えられるようになった。

合わせてWebサイト内に掲載している番組表との連動も始め、番組表の各番組に記載する出演者の名前をクリック・タップすると当該出演者によるコーディネート画像・動画を表示する「ショップチャンネルピープル」のプロフィール詳細ページへ遷移するようにするなど、より使いやすく進化させてきたが、これもファッションアイテムの買いやすさにつながっていると思う。

通販番組とECサイトの連動を始めている(画像はジュピターショップチャンネルのサイトから編集部がキャプチャ)
通販番組とECサイトの連動を始めている(画像はジュピターショップチャンネルのサイトから編集部がキャプチャ)

外出機会増加に合わせてファッションを強化

――コロナ禍が収束したこともファッションの好調要因か。

お客さまの外出機会の増加はかなり貢献している。外出する際に新しい洋服や鞄がほしいなど買い物需要が旺盛になってきたときに、その気持ちに応えられるようさまざまな商品とその魅力をしっかりと伝えられる番組をお届けできるようファッションカテゴリーの番組を前年よりも増やした

当社でさまざまなバランスを考えて番組を構成しているため、(全体の占める割合は)数%程度のアップとなるが、それでもこの割合で構成比が増えるのはあまりないことだ。

顧客ファーストの施策が業績につながる

――単価を考えるとファッションよりも優先すべきカテゴリーもあると思う。

ファッションに関して(他のカテゴリー以上に)お客さまの関心が高い。先ほど申し上げた通り、我々はお客さま目線を重視している。

いかにショップチャンネルを楽しんで頂けるか。2023年度は増収増益になったが、それを追い求めてきたわけでない。それが業績にもつながってくることだとは思うが、あくまでもお客さまが求めているもの、楽しいものを提供したいと考えて結果的にそうなったと考えている。

顧客の裾野拡大に手ごたえ

番組出演者とのコミュニケーションが化粧品購入を後押し

――2024年3月期はファッション関連品が好調だったとのことだが他の商材についてはどうか。

化粧品や旅行の売れ行きも好調だった。アパレルでも言えるが、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し外出機会が増加したことは大きいのではないか。特に化粧品はその恩恵を強く受けた。

また、2022年度から番組の画面上にQRコードを表示し、お客さまがスマートフォンで読み取るとメッセージを送れ、番組画面にそのメッセージを表示する取り組みを行っているが化粧品は特にリピーターも多いため、特にこの取り組みとの相性が非常によい。メッセージを通じて出演者とのコミュニケーションでき、それによって購買につながっていると思う。

旅行ニーズも堅調に推移

旅行についてもコロナの収束で需要が高まって、阪急交通社と組んで旅行ツアーを企画して販売している国内および海外ツアーやクルーズも好調だった。

海外旅行は台湾やベトナム、国内旅行は北海道、沖縄、四国などへのツアーだ。クルーズは2022年から販売を開始していたもののコロナ禍に伴う検疫上の理由で予定していたクルーズが催行できなかったが、昨年から販売を再開して、旅客船「MSCベリッシマ」を部分チャーターして日本各地や韓国を巡るクルーズツアーを3月に販売(催行は同8月)し、売れ行きもよかった

また、当社としては初の全船チャーターのクルーズツアーとなる旅客船「ダイヤモンド・プリンセス」で同じく日本各地や韓国を巡る10日間のクルーズツアーも5月に販売した。

催行は今年5月のため、売り上げは今期分となるがこちらも定員いっぱいとなるなど好評だ。たとえば国内旅行では阪急交通社としっかりと話し合い、当社のお客さまにあわせてツアーのスケジュールを少しゆったりめにして、旅先でゆっくりとリラックス頂けるような内容にしているがこれがお客さまのニーズにマッチし、受け入れられているのではないか。

購入回数・単価がアップ

当社はこの2年間は特に何よりも“お客さま理解”を重視して売り上げ面よりも優先してお客さまのニーズに沿ったもの、お客さまが欲しいものを考え、商品を入れ替え、新たな商品を投入して、番組もより楽しんで頂けるものへ変えてきた。

これによって購入回数が増え、お客さま単価も上がり、アパレル、コスメ、旅行はもちろん、他のジャンルについても底上げしたのではないか。

顧客ファーストの売り方・番組づくりを徹底している(画像はジュピターショップチャンネルの公式ECサイトから編集部がキャプチャ)
顧客ファーストの売り方・番組づくりを徹底している(画像はジュピターショップチャンネルの公式ECサイトから編集部がキャプチャ)

グーグルの「P‐MAX」広告出稿が新規獲得に寄与

――新規顧客獲得の状況は。新聞やテレビなどマス媒体への出稿を抑え、インターネット広告により注力している印象だが成果は。

昨年4月から各広告媒体へ個人情報(購入者の電話番号・メールアドレス)の連携を開始し、昨年8月からグーグルの「P‐MAX」(=1つのキャンペーンでグーグル広告の広告枠すべてに広告を配信できるメニュー)を活用した広告出稿で新規顧客獲得数が大きく改善した。

これまでより、お客さまにリーチできる確率が格段に上がったためだ。新規顧客開拓ではこれは非常に貢献した。

顧客の視聴方法の変化に対応

――新たな顧客層の開拓のために35~54歳まででテレビをあまり見ないであろう層にタッチポイントを作っていくための施策などを立案・実施する「3554認知&新規獲得推進準備室」を昨年4月に新設したがグーグル広告はその一環か。

別だ。グーグル広告での狙いはすでにテレビを見ている、ショップチャンネルを知っている人など今のお客さまの周りにいる人に向けて展開しているものだ。「3554」はこれまで接点のない人へアプローチして接触していこうという中長期的な取り組みだ。

我々は前身として3年前に「コレイヨ」という動画コマースサービスを立ち上げてトライアンドエラーを繰り返しながら進めてきた。当初、我々が考えていたシナリオとは異なるようなさまざまな気付きを得て、ある程度の成功パターンをつかみつつあり、お客さまも順調に増えてきた。平均年齢も30代と既存顧客よりも若く、これまでのお客さまと重なっておらず、一定の成果が出てきた。

この取り組みを強化しようと新設したのが「3554」だ。昨年1年間、色々なビジネスモデルの検証を行っていた。今期からシステム構築を始めており、早ければ今期末、遅くとも来期には「コレイヨ」の進化系と言える新しいオウンドメディアを立ち上げる。若い世代の取り込みはもちろんだが、お客さまの視聴方法への変化に対応していくためにこの取り組みは重要だ。

動画コマースサービス「コレイヨ」(画像はジュピターショップチャンネルのサイトから編集部がキャプチャ)
動画コマースサービス「コレイヨ」(画像はジュピターショップチャンネルのサイトから編集部がキャプチャ)

家でテレビではなく、通勤中にスマホなど隙間時間に視聴する人も増えた。今後はよりシフトしていくだろう。早急に対応できる取り組みを進めねばならない。

――認知アップのアプローチでは東京・二子玉川で2月に売れ筋商品などを展示したポップアップストアを期間限定で開設した。

これは会社全体の認知度を上げたいという狙いからで「3454」とは別の動きだ。期間中、かなりの来店があり、(認知アップの)効果はあった。続けないと意味がないと思うので今年も継続して出店していく。毎回ターゲットや目的を設定してやっていく。「3454」の取り組みとしてもやるかもしれない。

顧客との双方向性が高い番組作り

――番組について伺いたい。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、24時間生放送をやめ、昨秋まで深夜は再放送番組を放送してきたが昨年10月から24時間生放送を再開した。狙いは。

コロナ前には24時間生放送を行ってきたわけだが、その時と比べて“双方向”への価値が高まっていると感じていた。

生放送ならではのリアルタイムでのお客さまの反応などを踏まえた番組内の演出はもちろん、一部の番組で実施中の番組画面にQRコードを表示してお客さまが読み取ることで番組の画面にリアルタイムでメッセージを表示でき、出演者などとコミュニケーションをとったり他のお客さまとつながることができる取り組みなども活発に利用され、好評だ。

お客さまのライフスタイルは多様化しており、深夜帯でもテレビを視聴されている方も多く、再放送ではニーズを満たせないのではないかと考えた。お客さまからも実際に「深夜も生放送をやってほしい」という声はずっと頂いており、その声は増えてきていた。そういったことなどを踏まえて社内でさまざま検討を重ねた。

効率面で言えば、深夜帯はそのまま録画番組を放映していた方がよいのかもしれないが、特にこの2年間は売上拡大よりもお客さまが楽しいと思うことを最優先に取り組んできた。売り上げを追及するとおかしくなる。それよりもお客さま優先の施策を行うことの方が結果として売り上げにもつながってくる

結局、お客さまが求めていることを愚直にやっていこうということで24時間生放送を再開することにした。再開後は予想以上に好評で先のQRコードからのメッセージの数も深夜帯が非常に多い。現場は大変だが、社員みなやってよかったと思っていると思う。

深夜帯の番組を強化

――24時間生放送再開を機に新たな番組もスタートした。

これまで再放送番組を放映していた深夜帯について特に双方向性を強めようと他の時間帯のように1時間枠ごとにさまざまな商品を紹介していく番組だけでなく、今後の1週間で紹介する商品のなかから特に推奨品を一足早く紹介、販売する「深夜のライブセレクション」(※昨年10月6日から開始。毎週金曜日の午前3時から放映)、たとえばコンサートなどへ持っていく好きなアイドルなどの名前入りの手作りうちわなどを入れることができるバッグなど特定のジャンルに特化したこだわりの商品を専属バイヤーらがそれぞれ紹介する「深夜に発見トレジャーハント!」(※今年1月22日から開始。不定期放映)などの深夜ならではのエンターテインメント性が高く、双方向のニーズを満たせる新番組をスタートさせた。

これら新番組は売れ行きも悪くないことに加えて、深夜帯で新しい取り組みを行っていることで明らかにお客さまの熱量などがあがって1日トータルでみると売上アップに少なからず、つながっていると思う。

――双方向性という意味では物販をせず、キャスト(番組進行役)が放送中に顧客から寄せられた質問や意見などにラジオDJのように回答する番組「Oh!Cha15(お茶行こう)」を一昨年から始めている。

2022年12月から毎週月~金の午後3時から10分枠で継続して放送中だ。物販番組ではないため、当然、売り上げは発生しない。始める時には賛否両論あったが、結果としてはお客さまにすっかり定着し、楽しみにされている方も多い。限られた放送枠を使うことは売上面で言えば非効率だろうが、全体の盛り上がりやファン作りにも貢献するなどプラスとなっている部分は大きいのではないか。

名産品の紹介で地域振興にも貢献

――番組での新たな取り組みと言えば、前期から特定の地域の名産品などを現地からの生中継で紹介する特別編成番組「日本を見つけよう。」を久々に再開した。今後も継続してやっていくのか。

コロナ禍もあり休止していたが、昨年10月5日に香川県高松市から中継して香川県の県産品を紹介する「日本を見つけよう~香川~」を放送した。「日本を見つけよう。」の放映は実に4年ぶりだ。日本のさまざまな地域にさまざまな優れた商品がある。今後もお客さまにそうした商品を紹介しながら地域振興にも貢献していきたい。今年も行う予定で休止前のように年1回ペースで今後もやっていく。

よいものを時間をかけて説明

なお、各地の産品を紹介する番組は「日本を見つけよう。」だけでなく、地域の方々にスタジオに来て頂き、百貨店の物産展のように各地域の商品を紹介頂く番組も放送しており、人気番組となっている。これらも含めて地域の優れた商品をその地域ならではの情報を盛り込みながら紹介していきたい。

当社の番組の強みは「安いから買って」ではなく、よいものを時間かけて説明していくスタイルだ。そういった意味でこうした番組は大事にしていきたい。

さらなるデジタル化にまい進

――今期(2025年3月)の方向性や業績の見通しは。

今期も“お客さま視点”を引き続き徹底して、鮮度の高い商品、楽しい番組つくりにまい進する。また、デジタル化をより進化させていきたい。

お客さまのデバイスシフトが進んでいる。何か商品を探しているときにテレビだけでなく、スマートフォン、場合によっては実店舗などで出会える機会を増やしていき、お客さまの横にずっといられるような存在であり続けたい。

具体的にはこれまで主にやってきたテレビの視聴者向けに対しての補助的な施策だけでなく、テレビでなく主にインターネット、スマートフォンで当社の通販を楽しんで頂けている方向けの施策、家でテレビを視聴するのではなく隙間時間に楽しめるような短尺動画などでの商品紹介などをすでに開始しているがそうした施策などをさらに強化していきたい。

EC限定商品の拡充にも力を入れていく。テレビでは在庫量などの問題で販売できないものやそもそもテレビ向きでない商品もある。優れた鮮度ある商品をしっかりとECでもテレビでもお客さま視点でご紹介していきたい。

今期の業績も前年を上回りたい。今のところは非常に好調で第1四半期(4~6月)は前年を上回るペースで推移している。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

通販新聞

化粧品ブランド「姫ラボ」に学ぶ、ファンが集まるライブコマース成功の秘訣や成果など評価ポイントとは | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

1 year 4ヶ月 ago
ファンとの交流で成果を上げている玉造温泉発の化粧品ブランド「姫ラボ」のライブ配信。視聴者の反応、KPI、成果などについて話を伺いました

ライブコマースで成果を上げている企業は、どのような配信を行っているのでしょうか。今回紹介するのは、玉造温泉の温泉水を保湿成分として配合したスキンケア化粧品ブランド「姫ラボ」を販売している玉造温泉まちデコ(本社島根県)です。(※本記事は抜粋版となります。全文は「E-Commerce Magazine」にて、ご確認ください)

2020年5月にライブ配信を始めた同社は、温泉街を紹介するロケや、島根県内の名産品を販売している事業者をゲストに招いたコラボ企画など、趣向を凝らした3つの番組を運営しています。配信を通じて顧客と交流を深めつつ、オンラインショップでの販売にもつなげている「姫ラボ」。配信中に「いいね」の数が1万件を超えたこともある人気番組の作り方とは?

ライブコマースの内容や使っているプラットフォーム、視聴者の反応、販促効果などについて、Web事業部リーダーでありライブコマースにも出演している神門葵さんにお話をうかがいました。

日本の中小企業がライブコマースを効果的に取り入れて、お客さまとの関係を深めている事例は、まだあまり耳にすることがありません。姫ラボさんは、中小企業にも参考になるライブコマースの成功事例です。ライブコマースの貴重な経験談を、ぜひ参考にしてください。(聞き手:フューチャーショップ サービスプロデューサー/ライブコマースディレクター 稲生達哉)

「姫ラボ」の公式オンラインショップ。2010年にオープンし、2015年からECサイト構築プラットフォーム「futureshop」で運用中。
お話をうかがった方:玉造温泉まちデコ 姫ラボ 神門 葵さん

2016年入社。大学で統計、分析について学んだ数字のスペシャリスト。現在は通販事業部の新規獲得業務を担当しながら3つのライブ番組に出演している。

スキンケア化粧品「姫ラボ」とは、どんなブランド?

フューチャーショップ 稲生(以下、fs稲生) 本日は「姫ラボ」が取り組んでいるライブコマースの内容や配信に使っているプラットフォーム、視聴者さんの反応、配信後の成果などについてお話をお聞かせください。本題に入る前に、「姫ラボ」とはどのようなブランドなのか教えていただけますか?

姫ラボ 神門葵さん(以下、神門さん)「姫ラボ」は島根県松江市にある「玉造温泉」の温泉水を保湿成分として配合したスキンケア化粧品ブランドです。2010年に玉造温泉街にお店をオープンし、石けん、化粧水、ゲル、クレンジング、フェイスパック、ボディローションなどを販売しています。

玉造温泉は古くから「美肌の湯」として知られてきました。約1300年前に書かれたと言われている「出雲国風土記(いずものくにふどき)」でも、肌が美しくなる「神の湯」として紹介されているんです。

美容効果に関するエビデンスもあります。玉造温泉の温泉水を8週間、肌につけ続けた結果、肌の基礎水分量が65%アップしたという調査結果が出ました。調査を行った化粧品製造会社のサティス製薬さんによると、この数字は高級化粧品にも匹敵するそうです。

玉造温泉水を配合した石けん、化粧水、ゲル、クレンジング、フェイスパック、ボディローションなどを販売している。商品の価格は2000円~3000円程度

fs稲生温泉水を配合した化粧品なのですね。どのような経緯で商品化したのでしょうか。

神門さん 玉造温泉まちデコは、玉造温泉を盛り上げるために、さまざまな地域振興事業を行っている会社です。その一環で、玉造温泉の魅力を多くの方に知っていただくとともに、美肌の湯・玉造温泉の潤いをご自宅でも実感していただきたいという思いから「姫ラボ」を商品化しました。

fs稲生「姫ラボ」の商品はどこで買えるのでしょうか?

神門さん玉造温泉の温泉街に直営店2店舗を構えているほか、島根県内の旅館の売店、土産品店、サービスエリア、また県外でも販売しています。通信販売も発売当初の2010年から行っており、オンラインショップやハガキで注文を受けています。

姫ラボの通販をご利用いただくお客さまの大半は、玉造温泉を訪れた観光のお客さまです。温泉の良さを実感した観光のお客さまが「姫ラボ」の商品をお土産として購入し、通販でリピートしてくださることが多いです。

「姫ラボ」の直営店。店内では化粧品を体験することもできる

コロナ禍で観光客が減りライブコマースに活路

fs稲生ライブコマースを開始したきっかけを教えていただけますか?

神門さん2020年春に新型コロナウイルスの感染拡大によって、旅行の自粛が全国に広がり、玉造温泉を訪れる観光のお客さまが減ってしまったことがきっかけです。

玉造温泉を訪れる人が減ると、必然的に「姫ラボ」の直営店や販売店を訪れる人も減ってしまいます。店舗以外で新規のお客さまと出会う方法を考えた結果、ライブコマースに挑戦することになりました

fs稲生初めてのライブコマースは、どのような内容だったのでしょうか。

神門さん2020年5月に、モデルの柴田紗希さんとのコラボ配信で「姫ラボ」を紹介させていただきました。柴田さんはInstagramのフォロワーが30万人以上いて、インスタライブも頻繁に行っていらっしゃいます。柴田さんがライブ中に弊社代表の角をゲストとして招待してくださり、コラボ配信を行いました。

初めてのライブはモデルの柴田紗希さんとのコラボ配信だった(出典:Instagram姫ラボ公式アカウント

fs稲生どのような経緯でコラボ配信が実現したのでしょうか。

神門さん柴田さんと知り合ったのは、コロナ禍以前に柴田さんが仕事で玉造温泉を訪れた際、角が温泉街を案内したことがきっかけです。その後、コロナ禍になってから、観光のお客さまが少なくなっている玉造温泉の近況を柴田さんに相談したところ、柴田さんがコラボ配信を提案してくださいました。

配信中は柴田さんのフォロワーさんからも温かいコメントをたくさんいただけて、本当にありがたかったです。このコラボ配信を経験したことで、ライブ配信とはどういうものか、肌感覚で理解することができました

fs稲生そこから自分たちでも配信を行うようになったと。

神門さんはい。最初の1年ほどは「姫ラボ」の周年祭や福袋シーズンなどに合わせて、数か月に1回の頻度でライブ配信を行っていました。その後、配信に慣れてきたので企画をブラッシュアップし、「たまナビLIVE」「姫ともライブ」「姫旅ロケ」という3つの番組を立ち上げました。これらの番組をそれぞれ月1回の頻度で配信しています。

たまナビLIVE」「姫ともライブ」「姫旅ロケ~まちぶら~」という3つの番組を、それぞれ月1回の頻度で配信中

姫ラボのライブコマースとは? 島根県や商品の魅力を伝える「たまナビLIVE」

fs稲生島根県内のさまざまな事業者さんとコラボしているのですね。

神門さん地元の名産品や名店を紹介することで「島根に行ってみたい」「島根にまた行きたい」と感じていただくのが目的です。弊社の祖業である地域振興にもなりますし、島根県に来てくださる方が増えれば「姫ラボ」の愛用者さんも増えていくと思っています

実際に来店促進の効果も出ていて、「姫ラボ」の直営店を訪れたお客さまから「ライブを見て来ました!」「観光ガイドブックとは違う旅ができました!」といううれしいお声もいただいています。

配信は毎月第2金曜日の19:30から約1時間。前半はYouTubeライブで後半はLive cottageを使って配信しています。視聴者数は同時接続で100~150人ほど。視聴URLの告知は「姫ラボ」のLINEアカウントや、1万人以上が登録している「玉造温泉 観光案内 たまナビ」のLINEアカウントなどで案内しています。

島根県内の名産品や名店を紹介する「たまナビLIVE」のアーカイブはYouTubeの「【たまナビ】玉造温泉と島根のいいもの紹介チャンネル」に掲載されている(出典:YouTube【たまナビ】玉造温泉と島根のいいもの紹介チャンネル

fs稲生2024年1月の配信から、ライブコマース配信プラットフォーム「Live cottage」を活用してくださっていますね。

神門さん以前はYouTubeライブのみで配信していたのですが、「たまナビLIVE」の視聴者さんのなかには「姫ラボ」の商品を買ったことがない方もいらっしゃるので、そういった視聴者さんでも商品を購入しやすいように「Live cottage」を導入しました。

「Live cottage」は配信画面に商品情報を表示し、ワンタップでECサイトの購入ページに遷移できるなど、スムーズに買い物をすることができます。「たまナビLIVE」の視聴者数は毎回、同時接続で100人を超え、これからも伸ばしていける手応えを感じましたので、次の段階として商品をより買いやすいくしました。

ライブコマースの販売実績を可視化したかったという理由もあります。以前はライブ中にコメントが盛り上がっても、視聴者さんがオンラインショップで商品を買ってくださったのか否かを把握することができませんでした。

「Live cottage」の管理画面では、配信画面から公式オンラインショップへの遷移数もわかりますし、入退出の人数の推移も把握できます。そういった数字を見ることで、ライブコマースの改善にもつなげていけると思っています。

「たまナビLIVE」の後半では、「Live cottage」を使って「姫ラボ」の実演販売を行っている。 視聴者はライブを観ながら商品情報を表示し、ワンタップでECサイトの購入ページに遷移できる

店舗での接客経験を生かしてアドリブで会話

fs稲生ライブに出演しているスタッフさんは、進行や話の盛り上げ方がとてもお上手ですね。台本は事前に作っているのでしょうか。

神門さんおおよその流れは事前に決めておきますが、台本は作っていません。配信中はコメントをできる限り拾って、視聴者さんのリアクションに合わせて喋るようにしています。「ここが気になる」「これをもっと知りたい」といったコメントが来たら、そこを深掘りするイメージです。そのため、時間がオーバーしてしまうことも多いです。

fs稲生アドリブで配信できるのはすごいですね。皆さんはライブの経験があったのでしょうか。

神門さん私を含めて全員がライブ配信は未経験でした。ですから、慣れるまではカメラに向かって喋り続けるのは大変でしたよ。

でも、私たちは日頃から店舗でお客さまに接していたり、通販でのお問い合わせに対応したりしているので、お客さまのニーズや悩みなどを理解しています。店舗や電話でお客さまと話している内容をベースにライブで喋っているので、台本がなくても大丈夫なのかもしれません。

「姫ラボ」のスタッフはみんな、お客さまと会話するのが大好きなんですよ。商品の良さをお客さまに伝えたい、お客さまとコミュニケーションを取りたいと常に思っているので、そういった気持ちをライブ配信にぶつけているんだと思います。

fs稲生出演者は何人いるのでしょうか。

神門さん番組ごとに出演者は変わりますが、現在は合計で5人ほどがレギュラーのように出演しています。ライブは夜に配信することが多いですが、夜の時間帯は出勤が難しいスタッフももちろんいます。そんななかでも、なるべく多くのスタッフが配信に出られるよう、あらかじめ撮影した動画に出演してもらうこともあります。ライブに自信がないというスタッフもいますので、そういったスタッフはナレーションのみで出演するなど、できる範囲で参加してもらっています。

事前に番組の全体構成や配信内のコーナーの企画・スタッフの配置を考えてくれるスタッフもいます。ライブ配信のコーナー企画については社内でアンケートも実施しました。このように、リアルタイムでライブ配信に出演するスタッフ以外にもライブ配信に関わるスタッフが徐々に増え、みんなで作るライブになってきたことがうれしいです。

店舗勤務のスタッフさんがライブコマースに出演している

ライブコマースの成果とは?

fs稲生ライブコマースを行うことで、どのようなメリットを実感していますか?

神門さんライブコマースを行ってきて一番良かったと感じていることは、お客さまとの距離が近くなったことです。

通販の場合、お客さまから感謝や応援の声をいただく機会は、そう多くはありませんよね。また、私たちの思いをお客さまに直接伝える方法も限られます。

でもライブなら、私たちの思いをダイレクトに伝えられますし、お客さまの声もリアルタイムでたくさん届きます。その結果、売り手とお客さまの感情のコミュニケーションが生まれやすいと思うんです。

感情のコミュニケーションを通じてお客さまがブランドのファンになってくださり、商品の購入にもつながっていくのがライブコマースのメリットではないでしょうか。

私たちはライブコマースを行う以前から「姫ラボ新聞」というフリーペーパーを発行していましたし、通販のお客さまにメルマガや手書きのメッセージカードを送るなど、お客さまとのコミュニケーションを、とても大切にしてきました。だからこそ、ライブによるコミュニケーションの力を実感していますし、欠かせない施策の1つだと考えています。

ライブコマースでは、商品に対する好意的な感想や、喜びの声が視聴者からたくさん寄せられる

SNSにはない「Live cottage」のメリット

fs稲生せっかくインタビューの機会をいただきましたので、「Live cottage」に対する感想もお聞きしたいのですが、ライブコマースはSNSや配信専用アプリなどを使う方法があるなかで、InstagramやYouTubeといったSNSを使ったライブ配信と比べて「Live cottage」を使うメリットを、どのように感じていますか?

神門さん「Live cottage」は配信中に商品を表示し、オンラインショップにワンタップで遷移できるので、ダイレクトに購入につなげられることがメリットだと思います。

また、アプリをダウンロードしなくても配信URLをクリックすればブラウザで視聴できますし、ログインしなくてもコメントできますので、視聴者さんにとって使いやすいプラットフォームだと思います。

それから、「Live cottage」に投稿されたコメントはアーカイブにも残るので、アーカイブ動画でも擬似的にライブ感を楽しめるのも良いですよね。

接客が好きならライブコマースはオススメ

fs稲生最後に、ライブコマースの抱負をお聞かせください。

神門さん「Live cottage」の活用頻度を上げていきたいです。今は配信頻度が月1回ですが、欲を言えば毎日やりたいぐらいです。店頭に立って接客を行うのと同じように、オンラインでもライブで接客するのが理想です。

これはあくまでイメージですが、お客さまがオンラインショップを訪れたら、その場でライブ配信を始められるような仕組みがあれば、新しいEコマースの形が実現できるのではないか、こんなことをスタッフ同士で話しています。

fs稲生姫ラボの皆さんは、ライブコマースが本当にお好きなのですね。

神門さん「今、一番楽しい仕事はなんですか?」と聞かれたら「ライブ」と答えます。お客さまとのつながりを実感できて、温かいコメントをリアルタイムでいただけることがうれしくてたまらないです。

「姫ラボ」は店舗を持っていて、私たちは店頭での接客も大好きだから、尚更そう感じるのかもしれませんね。普段から店舗で働いている方で、私たちのように接客が好きな方は、ぜひライブコマースに取り組んでみてほしいです。

「姫ともライブ」に出演している神門さん(写真左)と店長の藤田さん(写真右)(出典:YouTube【公式】 姫ラボ YouTube | 温泉コスメのお店 @玉造温泉

取材を終えて

「姫ラボ」のライブコマースを視聴すると、スタッフの皆さんが視聴者さんとのコミュニケーションをとても大切にしていることが、ひしひしと伝わってきます。視聴者さんが喜ぶ企画を考え、配信中はコメントを丁寧に拾い、福袋の企画会議なども実施して視聴者さんを番組に巻き込んでいく。こうした“視聴者と一緒に番組を作る”スタンスが、ファンから支持される理由の1つだと感じました。

そして、ライブに出演しているスタッフさん自身がライブを楽しんでいる姿も印象的でした。商品を無理に売ろうとせず、視聴者さんとの交流を楽しむことで結果的にファンのエンゲージメントが高まっていく「姫ラボ」のライブコマースは、ECのファンマーケティングにおいても注目すべきことでしょう。

「姫ラボ」のライブコマースは、アーカイブで視聴することも可能です。百聞は一見にしかず。ライブコマースを強化していきたい事業者は、「姫ラボ」の取り組みを参考にしてみてください。

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

国内市販薬EC市場は904億円(2023年)、2029年は1126億円に拡大と予想

1 year 4ヶ月 ago

富士経済が7月18日に公表した市販薬のEC市場に関する調査結果によると、2023年の市販薬EC市場は904億円で、国内の市販薬全体市場における比率(EC化率)は6.9%だった。発毛剤やビタミン剤、ドリンク剤が市販薬EC市場をけん引。EC化率も着実に拡大している。

富士経済が7月18日に公表した市販薬のEC市場に関する調査結果
市販薬のEC市場に関する調査結果

ECのチャネル別需要を見ると、ECモールが市場の7割弱を占める。参入メーカーによるECは市場の2割強を占めており、ブランドの指名買いによる安定した売り上げを確保している。ドラッグストアや調剤薬局のECサイトは、チェーンによって販売に温度差があるという。

富士経済は市販薬EC市場のうち、注目市場として発毛剤に着目。2023年における発毛剤EC市場は110億円で、市販薬EC市場に占める発毛剤ECの割合は12.2%。発毛剤は実店舗での購入で人の目が気になったり、抵抗感を感じたりする利用者がいるため、EC比率は32.2%と高い。毛髪が成長するまで時間を要することから、複数本のまとめ買いニーズに対応した展開(セット販売)のほか、実店舗や競合製品に対して価格面で優位性を打ち出す展開などが行われている。

発毛剤の対象は、発毛促進、育毛、脱毛の予防、ふけ・かゆみの防止、壮年性脱毛症や円形脱毛症、薄毛等における発毛、育毛および脱毛(抜け毛)の進行予防などの効果・効能を持つ市販薬など。ECチャネルでの展開をメインとしているアンファーの「スカルプD メディカルミノキ5」、実店舗でも同様に展開する大正製薬の「リアップ」シリーズなどがある。

市販薬は2014年6月12日の改正薬事法の施行により、一部を除きネット販売が可能となった。参入メーカーのECサイトやECモール、ドラッグストア・調剤薬局ECサイトなどで販売が広がった。特にECモールでの伸長により市場は拡大している。

医療用医薬品から市販薬に移行した直後の要指導医薬品については対面販売義務があったものの、2023年に厚生労働省が薬剤師のビデオ通話による服薬指導を条件に2025年以降ネット販売を解禁する見通しを明らかにした。市販薬のネット販売は全面解禁に向かっている。

市販薬EC市場は今後も成長すると予想。6年後となる2029年の市販薬EC市場は、2023年比で24.6%増の1126億円と予測している。EC化率も同1.2ポイント増の8.1%となる見通し。

発毛剤やビタミン剤、ドリンク剤に加え、実店舗で購入しにくい製品、購入の緊急性が低い製品、持ち運びにくい製品、まとめ買いに向いた製品など、実店舗の棚に入りにくいニッチな製品はECサイトで検索しやすいことから、今後もECシフトは進むと予想する。

また、2025年以降、要指導医薬品のネット販売解禁が予定されていることから市場へのプラス要因になると見られる。2029年における発毛剤EC市場は、2023年比30.9%増の144億円を見込んでいる。

調査概要

  • 調査対象:ECチャネルを介する市販薬(OTC医薬品)※ドリンク剤は医薬部外品を含む
  • 品目区分:ビタミン剤(ビタミンB1主薬製剤、ビタミンB2主薬製剤、しみ改善薬)、ドリンク剤、総合胃腸薬、痔疾用薬、便秘薬、総合感冒薬、解熱鎮痛剤、鼻炎治療剤(内服)、外用消炎鎮痛剤、皮膚治療薬、発毛剤、目薬、その他市販薬
  • ECチャネル区分:メーカーECサイト、ECモール(メーカー・小売り出店分)、仮想ショッピングモール(ECモール企業仕入販売分)、ドラッグストア・調剤薬局ECサイト、その他ECサイト
  • 調査方法:富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
  • 調査期間:2024年5~6月
AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
松原 沙甫

クラシコムグループのファッションD2Cブランド「foufou」、リニューアルしたECサイトの刷新ポイントは?

1 year 4ヶ月 ago

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムのグループ企業で、ファッションD2Cブランドを展開するfoufou(フーフー)は7月16日、ECサイトをリニューアルした。

リニューアルした「foufou」ECサイトのトップ画面 「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムのグループ企業で、ファッションD2Cブランドを展開するfoufou(フーフー)は7月16日、ECサイトをリニューアル
リニューアルした「foufou」ECサイトのトップ画面

「foufou」は、2016年にデザイナーのマール・コウサカ代表が文化服装学院在学中にハンドメイドで制作した服のEC販売から始まった独特な世界観が特徴のファッションD2Cブランド。2023年8月にクラシコムのグループに入った。回さらなる成長とユーザーがよりその世界観に浸ることができる環境構築をめざし、ECサイトをリニューアルした。

デザインファームであるnon-standard worldとチームを組んで実施。めざすECサイトの共通認識を固めるため、「しっとりとそこに在り続けるタイムレスな場所としての広がりを持ったオンラインサイトを作る」という標語を掲げた。

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムのグループ企業で、ファッションD2Cブランドを展開するfoufou(フーフー)は7月16日、ECサイトをリニューアル
リニューアルにあたって掲げた標語

リニューアルでは、顧客が世界観に没頭できるデザインを重視。foufouの個性的な商品画像を次々とスクロールできる画像配置、ランダムでオススメを表示するなどの仕掛けを盛り込んだ。レイアウトでは、トップページに見える文字の配置や大きさは画像に干渉しないよう調整。商品ページで表示する商品画像について、これまでスクロールしなければわからなかった画像を一覧化するなどユーザビリティを向上させたとしている。

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムのグループ企業で、ファッションD2Cブランドを展開するfoufou(フーフー)は7月16日、ECサイトをリニューアル
スクロールしなければわからなかった画像を一覧化するなどユーザビリティを向上

foufouは「健康的な消費のために」をコンセプトに効率的なマーチャンダイジングを実現しながら、独自のコンテンツやSNS発信を行いファンを増やしてきたファッションD2Cブランド。

独特な取り組みの一例をあげると、2019年から販売している赤いワンピースのシリーズでは、「夏をドラマチックに纏う方法」をコンセプトとし、3組のアーティストとオリジナル曲を制作。アーティストを集めて音楽ライブを実施するなど独自のプロモーションを展開した。書道アーティストとコラボレーションし、ドローンを用いたパフォーマンス動画も公開している。そのほか、スタッフの着用写真も人気が高く、Xで120万ビュー以上を獲得するなどSNSを駆使した潜在顧客の創出と認知拡大に務めている。

「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムのグループ企業で、ファッションD2Cブランドを展開するfoufou(フーフー)は7月16日、ECサイトをリニューアル
多くのビューを獲得したスタッフ着用写真のSNS投稿

マール・コウサカ氏は「余すことなくfoufouの世界を体験できるオンラインストアを作った」とし、「このリニューアルを期に、これからも僕たちのブランドの変化に合わせてより快適でより美しいものを目指していく」とコメントしている。

AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
鳥栖 剛

1.6万件のネット広告監視で153事業者に改善指導、EC事業者が気を付けるべきポイントは?

1 year 4ヶ月 ago

東京都は7月18日、令和5年度(2023年4月から2024年3月)の「インターネット広告表示監視事業」の実施状況を報告した。広告監視数は1万6000件にのぼり、153事業者の156件の広告に対して景品表示法に基づく指導を実施した。

東京都の生活文化スポーツ局によると、誇大な効果などをうたう広告が健康食品や化粧品に多く見受けられたという。

指導内容別の内訳は、「優良誤認」の恐れがある商品・サービスは健康食品、化粧品、美顔器・家庭用EMS機器・ウェアラブルデバイスなど雑貨が150件。「有利誤認」の恐れがある商品・サービスは26件。なお、「優良誤認」「有利誤認」いずれも違反する広告もあるため指導件数の合計とは一致しない。また、過大な景品類提供の恐れがある指導はなかったとしている。

商品サービス別の詳しい指導件数の内訳は、健康食品が64件、化粧品が39件、雑貨が30件、修理・修繕などサービスが23件だった。

東京都は「インターネット広告表示監視事業」の実施状況を報告
指導件数としては健康食品が最多となった

都では同日、関連の業界団体並びに検索サイト、ECサイトの関係事業者に対して、景表法や関係法令の遵守についてより一層の周知を図ることを要望すると同時に、消費者庁へ情報提供を行った。

東京都が示した表示例と問題点

実施報告と合わせて、都では表示例と問題点についても示した。

健康食品では「飲むだけで脂の吸収を抑え簡単ダイエット」「寝る前に飲むだけ」「運動・食事制限なし!」などと運動や食事制限をすることなく簡単にダイエット効果を得られるかのように表示が見られたと指摘。表示の裏付けとなる合理的な根拠を有せず、有料誤認の恐れがあるとした。

違反の恐れのある健康食品に関する広告表示と消費者行動のイメージ図 東京都は「インターネット広告表示監視事業」の実施状況を報告
違反の恐れがある健康食品に関する広告表示と消費者行動のイメージ図

美顔器では、簡単に若返りといった美容効果を得られるかのような「毎回5分~6分くらい使うだけ」「損傷した細胞の修復を促進」「若顔に戻します」、家庭用EMS機器では顕著なダイエット効果を得られるかのような「目に見える痩せ効果」「脂肪を燃焼します」、ウェアラブルデバイスでは容易に睡眠不足改善できるかのような「睡眠を誘発するホルモンを生成」「睡眠不足を解決に導きます」、化粧品では体験談などから強力な美容効果を得られるかのような「たった1分で、驚きの美白体験」「目の下やフェイスラインのたるみを引き上げます」「マイナス10歳以上のお肌になれます」といった表示の問題点を指摘。有料誤認の恐れがあるとしている。

違反の恐れがある化粧品に関する広告表示と消費者行動のイメージ図 東京都は「インターネット広告表示監視事業」の実施状況を報告
違反の恐れがある化粧品に関する広告表示と消費者行動のイメージ図

そのほか、景表法違反の恐れのあるエンブレム類やキャンペーン訴求についても例示。「お客様満足度No.1」「No.1ランキング6冠達成!」「顧客満足度99.7%達成!」など、競合より高い評価を得ているかのような表示も、実際は客観的な調査に基づいていなかったり、主張する内容が客観的に実証されていないと優良誤認に該当する恐れがある。

また、「期間限定キャンペーン!割引クーポンのご案内!」「【期間限定】○月○日まで!○○%OFF」といった期間を限定した特別価格で、今申し込めばお得であるかのように表示をしているが、期間の明示がなかったりキャンペーン期限が延長されるなど継続して実施されていると「有利誤認」に該当する恐れがある。

No.1表示や期間限定表示も有利誤認の恐れがある 東京都は「インターネット広告表示監視事業」の実施状況を報告
No.1表示や期間限定表示も有利誤認の恐れがある
AmazonやパルなどのAI活用、リテールメディア事例、衝撃のサプライチェーン大解説、BtoB-EC最新事例などが学べる2日間

ネッ担編集部では7月24日(水)と25日(木)の2日間、ECイベント「「Digital Commerce Frontier 2024」」をオンラインで開催します。Amazonや大手アパレルパルなどのAI活用、日本最大級のリテールメディア事例、中国発EC「SHEIN」大解剖、アスクルを生んだプラスのBtoB-EC事例、コクヨのデジタルCXなど、さまざまなセッションを用意しています。詳細はイベントページをご覧ください!

【7/24・25】AWS、楽天、TENTIALなど。デジタルコマースに携わる経営者・責任者・担当者向けオンラインセミナー

デジタルコマース業界のビジネス/テクノロジーの最新トレンド、ソリューション、ノウハウが集結する2日間
6/25 15:12 135 8 0
鳥栖 剛
確認済み
7 分 10 秒 ago
ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る