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Ameba20周年にあたってAmebaのSEOを振り返ってみる」 からご覧ください。
Amebaが20周年を迎えることができました。これもひとえにブロガーさん読者のみなさんをはじめ、多くの関係者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
さて、今回はそんなAmebaでどんなSEOを行なってきたのか書ける範囲で書き留めておきたいと思います。
AmebaのSEOを担当することになった日
広告事業でクライアント様向けにSEOを行なっていた私に突如としてAmeba(アメブロ)のSEOを見てくれないか?という話が舞い込んできました。メディア担当役員の部屋でアメブロの検索流入が著しく低下している事実が告げられなんとかしてほしいという依頼を受けました。適当に工数を見積もって引き受けたのですが、恐ろしいことにウェブマスターツール(現Search Console)も導入されていませんでした。まずはウェブマスターツールを導入したのですが、その後想像を絶する量のスパム通知がやってきて、そっとPCを閉じました・・。その後「本当にSEOやらないとダメですか?」と聞いたほどに惨憺たる状況の中でアメブロのSEOはスタートしました。
その数ヶ月後には会社の方針もあって自社メディアのSEO担当、いわゆるインハウスSEO担当者になり本格的にAmeba、アメブロのSEOを進めていくことになります。
組織に受け入れてもらうための日々
とは言え、広告の事業から来たどこの馬の骨かもわからない元スパマーの人間の言うことなど簡単に聞いてもらえるはずもありません。課題をたくさん抽出してもなかなか動いてもらえない状態でした。今では全社的に部署の垣根を飛び越えてスムーズに開発も進むようになっているのである意味うらやましく思います笑
当時は、なぜその施策が必要なのか?いかにその施策がクリーンなのか根気強く説得しました。キーマンとは頻繁に飲みに行き、ようやく一緒にやっていこうという空気を作ることができました。
スパムファイティング
さんざんリンクスパムをしてきた人間がスパムファイティングするようになるとは皮肉なものです。当時のアメブロにはさまざまなスパムがありました。被リンクサイトとして作られている発リンクスパムサイト、アフィリエイトだけを目的としたアフィリエイトスパム、他サイトへの誘導だけを目的としたドアウェイスパム etc.. これらに対して自動的に検出できる仕組みルールベースと機械学習によって構築しました。おもしろいようにスパムをつぶすことができて気持ちよかったのを覚えています。金魚すくいで金魚をがんがんすくえているような感覚でした。このスパムファイティングによって明らかにアメブロのSEOの状況は良くなり検索流入が改善していきました。
クロール&インデックスの効率化
アメブロのSEOで一番自信を持っている部分はここです。ブログにはGoogleにインデックスされやすいものとされにくいものがあります。「おはよう」という文章と朝日だけが掲載されたブログは残念ながらインデックスされません。一方で、長文でトピックもはっきりしたものはほとんどがインデックスされます。
詳細は伏せますが、アメブロではインデックスされやすいものに特にクローラーが回りやすい仕組みを導入しています。最近ではややその効果が薄くなってきているので再度テコ入れが必要だと思っていますが・・・。
この施策によって検索流入は最高潮を迎えました。おかげさまで全社で表彰していただきましたが、本当はこの複雑な仕組みを構築していただいたエンジニアがもらうべき賞だなと思っていました。にしても、この頃がアメブロのSEOに取り組んでいて一番良い時期ではなかったかと思います。
ブログ以外のSEO
Amebaにはブログ本体意外にもさまざまな付随サービスがあります。
ウェブマスターツール
ここまでGoogleのさまざまなプロダクトを導入してきました。
最初は、プロダクトの導入というほどではないですが、ウェブマスターツール(Search Consoe)を各ブログごとに設定できるようにしました。これによって各ブロガーさんに検索流入を意識してもらう狙いでしたが、導入後すぐにアメブロ全体の流入が落ちたときは針の筵でした。タイミング悪すぎました。
App Indexing
App IndexingとはSERPでサイトへのブルーリンクをクリックするとアプリが立ち上がるものです。当初ブーストもあったためすぐに取り掛かりリリースしましたが、ほどなくしてブーストもなくなり、App Indexingを解除しました。
Verification API
当時の記事がこちらになります。GoogleのAPIを使ってワンクリックでSearch ConsoleやGoogle Analyticsと連携ができるようになりました。
モバイルファーストインデックスへの対応
こちらもプロダクトというわけではないですが。モバイルファーストインデックス(MFI)への対応として、セパレートURLを統合しました。
もともと、
ameblo.jp/ID/
s.amebalo.jp/ID/
というセパレートだったものを
ameblo.jp/ID/
2016年の12月に統合しました。
超大規模サイトのセパレートURLの統合(ダイナミックサービングへの統合)というのは過去に見たことがなかったため、大きなかけで統合直後は食事も喉を通りませんでしたが(嘘です)特に数値を落とすことなく無事統合できたことを覚えています。
ただ、急いで準備をしたにも関わらずなかなかMFIがやって来ずに白い目で見られたのは良い思い出です。さすがに先走りすぎました笑
AMP
Googleプロダクトの導入で一番思い出深いのはAMPかもしれません。おそらく世界ではじめて超大規模UGCのAMP導入事例となったはずで、どうなるかわからないという状態での見切り発車でした。結果としてバグが起こりつつ数週間で安定するという状態でした。なかなかリリースまで大変でしたが、当時はAMPに特別な枠(カルーセル)もあり、結構美味しい思いをさせてもらいました。
いまとなってはAMP自体アメブロでは終了させましたが、本当に「良い思い出」と言う感じです。
SEOクライシス
そこまで順調に推移した検索流入が2012年突如として大幅に下落することになります。そうです。パンダです。パンダアップデートです。パンダアップデートでは多くのUGCが影響を受けましたが、アメブロも例外ではありませんでした。
あまりの流入減少に社内では「SEOクライシス」と呼ばれるほどでした。思えばこの時期がSEOをやっていて一番苦しかったと思います。コアアップデートもそうですが、このような大型のアップデートは根本的な対策がありません。一般的に良質なコンテンツを作成することですが、UGCではコンテンツのコントロールができません。
オフィシャルブログで芸能人名でより上げることができないか?とかブログジャンルでより上げられないか?とさまざまな角度で改善策を模索していたと思いますが、もはや記憶にありません苦笑
結果としてパンダアップデートそのものによる影響をとりはらうことはできませんでしたが、幸いにもその後徐々にですが数値は回復しパンダアップデート以前の数値程度には戻すことができました。このときは、本当に良いブログを書いてくれるブロガーさんに感謝しました。
安定期
その後は比較的安定したSEOを行えてきたかなと思います。
途中で、レシピの構造化データを試したり、画像サイトマップを良質な画像が掲載されているブログに導入したり、クロール&インデックスがよりスムーズに行えるようにさまざまなアルゴリズムを改善したりしながら多少アルゴリズムの影響を受けながらも比較的良好な状況を保ち続けています。
これは私の力というよりは、施策を実行、実装してくれたエンジニアとメンバーそしてなにより良質なコンテンツを書いてくださったブロガーさんのおかげです。
今後について
正直言うと、もうAmebaのSEOは私が関わらなくても多くの社内メンバーだけで回るようになってきています。そのため、私が今後どこまで関わっていくか分かりません。
ただ、ブロガーさんはじめ関わっていくすべての方への感謝を忘れず、ブロガーさんのコンテンツがより一層世の中に届くように特に技術面での対策を行なっていこうと思います。
最後になりますが、あらためてブロガーの皆様ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。