ネオマーケティングが全国の20歳以上の男女を対象に実施した「コロナと値上げ」に関する調査の結果によると、昨今の物価高騰で節約志向が上昇し、旅行や外食の機会を減らそうと考えている人が多いようだ。
また、マスク着用の自由化やコロナの5類化が進んでも、年齢層が若いほど外出をためらう傾向があることがわかった。
調査結果のポイント
- 年齢が若いほど「インドア慣れ」が進んでいる
- コロナの「5類」移行後もマスクは基本装備として定着
- 大きな節約ではなく、1回当たりの消費を抑える「コンパクト節約」がトレンド
物価高騰、「節約している」多数
物価高騰に対する行動・気持ちについて、「値上げの影響で、節約をすでに実施している」は全体の35%を占め、なかでも男性の20代ではその傾向が多く見られた。また、「値上げに関係なく、日々節約をしている」は全体の半数に達している。
物価高騰に関する行動や気持ち
具体的な節約項目は「旅行」「外食」
節約の方法として「実施する回数を減らしている項目」「もしくは回数を減らそうと思う項目」を聞いたところ、「旅行」と「外食」が上位となった。
一方、「回数を減らすものはない」と回答が25%もあり、ネオマーケティングは「極端な節約というよりも、1回当たりの消費を抑える“コンパクトな節約”がトレンドになりつつあるのかもしれない」と分析している。
節約のため実施回数を減らしている、または減らそうと思う項目
物価高騰に対する行動や気持ちの調査では20代男性の節約意識の変化が目立ったが、節約項目についての回答では「飲み会」「外食」「映画館での映画鑑賞」などに票が集まってはいるものの、ほかの年代や性別と比べると「上記の中で、実施する回数を減らしている項目はない」を選ぶ人が46%と最多になっている。
このことから、20代男性の場合、イベント事や実店舗での買い物の節約よりも、ネットショッピングやゲーム課金を控える、などといった節約がメインであるとも考えられそうだ。
マスク着用自由化も「着用継続」が大半
2023年3月13日に、マスクの着用は原則、個人の自由となった。3月13日より以前に比べて、3月13日以降のマスク着用者は全体で10ポイント程度減るものの、多くの人がマスク着用を継続している。年代別で見ると、男性の60代が最もマスク着用をやめる割合が多い。この年代がマスクへの抵抗感が最も強かった年代だったと推察される。
3月13日以前/以降の、各性別・年代別のマスク着用傾向(色の薄い棒グラフが3月13日以前。色の濃い棒グラフが3月13日以降)
外出は若者ほど“ためらう”傾向
3月13日になってからの、「外出する」に関する気持ちを調査したところ、外出をためらわない回答が7割程度に達しているものの、3割程度は積極的な外出は控えたい意向がある。特に、年齢が若いほど外出をためらう人が多い。ネオマーケティングは「若い人ほど“インドア慣れ”が進んでいるものと考えることができる」と分析している。
花粉アレルギーの調査対象者は、花粉の時期が過ぎた後の外出について回答した。
マスクの着用が個人の自由になってからの、外出することに対する気持ち
60代女性を筆頭に“「国内旅行」「外食」を増やしたい”意向も、物価上昇で財布のひもが固い派も3割
3月13日以降の外出で「外出することをためらわない」または「外出することをあまりためらわない」と回答した人に対し、「3月13日以降実施する回数を増やそうと思う項目」を調査したところ、60代女性を筆頭に国内旅行や外食を増やそうというマインドの人がいるものの、全体の3割程度は何かを増やす気持ちがないようだ。ネオマーケティングは「昨今の物価上昇などが影響し、財布のひもがきつくなっていることが要因となっている可能性がある」と指摘している。
実施回数や参加する回数を増やそうと思っている項目
「5類」移行後もマスク着用は継続派が多数
2023年5月8日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、従来の「2類相当」から「5類」に移行した。
新型コロナウイルスが「5類」に移行した後の、外出時のマスク着用の意向を調査したところ、「5類」移行後であっても、マスクを着用しないという人は極少数で、頻度にばらつきはあるもののほとんどがマスクを着用し続ける意向であることがわかった。
コロナ「5類」移行後のマスク着用について
消費を抑えるために外出をためらう?
3月13日以降の外出について「外出することをためらう」または「外出することをややためらう」と回答した人に対し、新型コロナウイルスが「5類」に移行した後の、「外出する」ことに対する気持ちを調査した。
調査結果を見ると、「5類」移行後も、外出自体をためらう人が多いようだ。このことから、「5類」への移行が活動・消費マインドに影響するとは考えにくい。
「外出をためらうのは消費を抑えるため」と考えれば、昨今の物価高騰の影響が大きいものと推察される。
「5類」移行後の外出に対する気持ち
調査概要
- 調査方法:ネオマーケティングの自社アンケートサイト「アイリサーチ」にてWEBアンケート方式で実施(人口構成比に基づいてウェイトバック集計)
- 調査対象:「アイリサーチ」登録モニターのうち、全国の20歳以上69歳以下の男女
- 有効回答数:1000人
- 調査実施日:2023年3月14日(火)~2023年3月15日(水)
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オリジナル記事:コロナの行動制限緩和も外出ためらうのはなぜ? 「インドア慣れ」「節約志向」の傾向【コロナ+値上げの消費者調査まとめ】
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