生協への卸販売、通販、ECなどを手がけるアイケイが策定した中期経営計画(中計)は、目まぐるしいスピードで変化し続ける社会環境、顧客ニーズを捉え続けるための変革、第2次創業期を支える中期的な計画、社会に対するコミットメントと位置付けている。
アイケイは自社を、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行うマーケティングメーカーと位置付ける。販売データ・広告効率・品質データ・製造効率などの過去データとトレンドをトータルで分析、次なる新たなヒット商品を生み出すサイクルを実現している。

アイケイの業績推移(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
主要顧客は50~70代のシニア世代。子育てを終え、可処分所得が高く、比較的時間に余裕のある世代であることから、ヘルスケア、美容、エンターテインメントに対して購買意欲が高い顧客基盤が特徴。TVショッピング、EC、生協、通信販売、ドラッグストア、バラエティストアなど、多様な販売チャネルを持つ。
日本国内の人口は、2015年の約1億2700万人から2050年には1億200万人に減少。年齢別貯蓄現在高は、50代で貯蓄高が負債高を逆転し、純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)は70代でピークを迎える。今後、さらなる平均寿命の伸長とともに、50~70代のシニア層に向けたライフワーク提案の重要性や社会的意義は増加していく見る。

国内の外部環境(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
海外でもアジア主要地域において高齢化が進み、2020年時点における65歳以上人口は4億人から2050年には7億人へ約倍増する見通し。日本は他のアジア諸国と比較して高齢化が急速に進んでおり、アジア諸国も遅れて高齢化が進むことが予想される。

海外の外部環境(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
アイケイの中計「IK Way to 2024」策定の背景として、超高齢化社会が急速に進む日本国内において、シニア層のライフワークを「健康(ヘルスケア)」「美容(ビューティー)」「楽しさ(エンターテインメント)」の3テーマを軸に豊かにしていく意義について言及。近い将来、アジア諸国が直面する高齢化社会に向けて、高齢化先進国である日本国内でサービスを磨き、アジアマーケットへの展開を加速させるという。
アイケイグループがめざす姿は「ファンつくり」。めまぐるしく変化する社会環境の変化に適応することで企業を存続。常に顧客の現場の声に耳を傾けることで、「ファンつくり」をキーワードにアジアへと広げていく。
中計の重点施策は以下の通り。
- 重点投資領域へのM&A
TVショッピング、EC、定期購入商品への注力、メイドインジャパンの海外展開 - 機動的な意思決定の基盤となるグループ構造改革
事業ポートフォリオマネジメント、コーポレート機能の強化 - キャッシュフロー経営へのシフト
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)とPB商品の強化

事業ポートフォリオマネジメント(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
重点施策を中心に今後3年間で30億円を投資する。中計最終年度となる2024年5月期の数値目標は、売上高が250億円、営業利益は14億円、EBITDAは18億6000万円。PB比率は前期末が65.4%だったが、中計最終年度は80%をめざす。
各事業の中計最終年度売り上げ目標は、TV事業が定期購入型商品比率向上による売り上げ拡大で81億円。

TV事業について(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
EC事業はTV放映中商品のWeb広告戦略拡大と定期購入型商品による拡大で19億円をめざす。

EC事業について(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
生協・通販事業は新たな売り場獲得と生協ルートでの利用促進による取り組みによって102億円へ拡大。

生協・通販事業について(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
店舗・SHOP事業は、店舗事業がキャラクターコラボ商品、日本独占ブランドの販売拡大で20億円、SHOP事業は化粧品ブランド「OLIVE YOUNG」の拡大で13億円、海外事業は中国子会社の運用体制の変更によるEC販路推進により7億円の売り上げをめざす。

海外事業について(画像はアイケイのIR資料からキャプチャ)
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:成長のカギは「高齢化」。外部環境の変化を踏まえたアイケイの中期経営計画とは
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.