アマゾン中国の最新情報+中国の越境EC利用者の消費トレンドと特徴まとめ【2017年】 | 中国EC市場の最新ニュース・トレンド・マーケティング情報ウォッチ | ネットショップ担当者フォーラム

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アマゾン中国が2017年1月に発表した「越境ECトレンドレポート」によると、2016年のアマゾン中国のトレンドは「越境EC利用の浸透」「若者化」「品質重視」「越境ECに特化した無料国際配送のプライム会員サービスが消費を刺激」だったという。

アマゾン中国での越境EC利用が加速

アマゾン中国が展開する越境ECサイト「アマゾン海外購」(編集部追記:輸入商品販売コーナーで、「海外購」は海外から購入するという意味)のアクティブユーザー数は大幅に増加。アマゾン中国の「海外購」がスタートした2014年と比べ、2016年12月度のアクティブユーザーは23倍に増えた。

アマゾン中国のプライム会員サービス(編集部追記:2016年10月にスタートし、越境ECサービスも送料が無料になる)による商品購入が大きく伸びた。プライムサービスを無料体験(編集部追記:30日間)した後、越境ECを利用する頻度が急増加。アマゾンプライム会員の平均顧客単価は非プライム会員より明らかに高かったという。

アマゾン本社のヴァイスプレジデント(グローバル部門)で、アマゾン中国の社長も兼務している張文翊氏は、次のようにコメントした。

私たちは2016年、越境ECに特化した無料国際配送のプライム会員サービスを世界で初めて始めた。「アマゾン海外購」にアマゾンUK(イギリスのアマゾン)の商品を追加し、単一国(米国)商品から多国商品への転換を実現した。私たちは2017年、グローバル展開しているリソースを生かし、中国ユーザーの越境EC利用を促進していく。

国際配送が無料のアマゾンプライムの利用者増加を後押し

2016年12月、「アマゾン海外購」のアクティブユーザ数は2014年のスタート時と比べ23倍まで増えたという。アマゾン中国が実施した消費者アンケート調査によると、2年以内に越境ECを利用したユーザーは50%を超え、「アマゾン海外購」が越境ECで買い物をする新規ユーザーを獲得していることを意味する。

また、中国でプライム会員サービスが始まってから、プライム会員が注文した商品は中国31の省市自治区の380以上の市/地区に届けられた。南は海南島三亜市、北は黒竜江省大興安嶺地区、西は新疆ウイグル自治区カシュガル地区、東は黒竜江省双鴨山まで広がっている。

中国の消費者が海外製品を購入する越境ECの普及に伴い、アマゾンの「ブラックフライデー」も定着してきている。2016年の「ブラックフライデー」の取扱高は、2015年実績の2倍となり、「シングルデー」(独身の日)イベントの6倍だった。アマゾン香港の保税倉庫から配送する商品が人気を集め、「ブラックフライデー」の取扱高は2015年実績比で12倍以上になったという。

若者の越境EC利用が中心

「若者化」「高学歴」「高収入」の3つがアマゾン中国で越境ECを利用する消費者の特徴だ。越境ECユーザーの8割近くが35歳以下9割以上のユーザーが大学卒業および大学以上の学歴の持ち主。月収5000元(約8万3千円)以上の消費者は、2015年の53%から2016年は62%に上昇している。

また、家庭を持つユーザーが越境ECのメイン顧客グループとなっっている。子持ちのユーザーは84%で、個人消費から家庭消費へと転換しており、越境ECで購入される商品カテゴリーの多様化し、日常生活と深く関わっている商品需要の拡大につながっていると考えられる。当初はお試しで利用した越境ECが、現在では日々の生活に浸透する状況になりつつあるという。

関心は「品質」「価格」

アマゾン中国の2015年版レポートでは、中国の消費者が越境ECで最も重視したのは価格だった。2016年のレポートでは、消費者は価格に加え品質も重要視することが判明。商品の品質に対する関心が高まってきていることがわかる。男性ユーザーは価格を最重視する傾向があるが、女性ユーザーは品質を最も重視する。

アマゾンプライムの無料国際配送の威力

2016年の「ブラックフライデー」「クリスマスイベント」の期間中、アマゾングローバルは10億以上のプライム商品とFBA(フルフィルメント by Amazon)商品を販売した。「アマゾン海外購」のデータによると、アマゾン中国のプライム会員の平均顧客単価は、非プライム会員よりも高く、プライム会員サービスのスタートによって中国ユーザーの消費需要を開拓していることがわかる。

同時に、アマゾン中国が2016年に行った消費に関するアンケート調査によると、プライム会員サービスを無料体験した後、アマゾンユーザーの平均月間購入頻度が増加。9割以上の消費者が無料体験後、友達や家族にプライム会員サービスを薦めたいと回答した。

アマゾン中国の越境ECを利用する中国ユーザーの特徴

アマゾン中国は越境ECユーザーの地域特性などの情報も公開した。

越境ECを利用するユーザーが多い都市

大都市、特に南の都市に住むユーザーが越境ECを利用している。「アマゾン海外購」で2016年に商品を最も購入したユーザーが多い都市のTOP3は、北京、上海、広州の3都市。蘇州は初めてTOP10にランクインした。

アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート① 「アマゾン海外購」で2016年に商品を最も購入したユーザーが多い都市のTOP3 TOP3は、北京、上海、広州の3都市
2016年アマゾン海外購商品を最も買われた都市TOP10(画像は編集部が翻訳)
都市ごとの越境ECにおける人気商品

都市によって商品に対する注目点が異なっている。南部に住む越境EC利用者が最も重視したのは「正規品か否か」という点。中部のユーザーは南部と北部のユーザーよりも、価格を重視。広西省、江西省、西蔵の3か所のユーザーは配送料と関税を最も気にしたという。

南北のユーザーが関心する商品カテゴリーも異なる。南部のユーザーはビューティー関連に関心があり、スキンケア/化粧品、ファッション/靴などの商品に集中。対して、北部のユーザーはヘルスケアに注目し、健康食品が人気という。

都市ごとにそれぞれの越境ECの利用属性があり、TOP10の都市ではそれぞれ人気の商品カテゴリーが存在している。

アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート② 越境ECを利用するユーザーが多いTOP10都市と人気商品カテゴリー
越境ECを利用するユーザーが多いTOP10都市と人気商品カテゴリー(画像は編集部が翻訳)
アマゾン中国の越境ECで人気の高い商品カテゴリー

越境ECで最も人気があった商品カテゴリーは、ファッションと靴。2015年に8位だったマタニティ、9位だった化粧品は、2016年にそれぞれ3位、4位に躍進した。

アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート③ 越境ECでの人気商品カテゴリーTOP10
越境ECでの人気商品カテゴリーTOP10(画像は編集部が翻訳)
アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート④ 越境ECで人気のブランドTOP10
越境ECで人気のブランドTOP10(画像は編集部が翻訳)
アマゾンプライムの越境EC対象の人気商品

無料国際配送サービスを利用できる越境EC対象のプライム商品で人気を集めているものは次の通り。

アマゾンUSAからは、

  • Ddrops Baby D3(キッズ用品)
  • Bad Air Sponge(ペット用品)
  • サーモスFoogo真空ステンレス ストローボートる(キッズ用品)
  • L’il Crittersグミ(キッズ用品)
  • Olay Regenerist Micro-Sculpting Cream Moisturizer(スキンケア)

アマゾンUKからの人気商品は、

  • De'Longhi MINI ME EDG305.WRコーヒーメーカー(キッチン用品)
  • フィリップス電動歯ブラシ及び電動歯ブラシ用替ブラシ(ヘルスケア)
  • Oral-B Genius 8900電動歯ブラシ(ヘルスケア)
  • クラークス メンズシューズ(ファッション)
アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート⑤ 越境ECで人気を集めているプライムの商品
越境ECで人気を集めているプライム対象商品(画像は編集部が翻訳)
中国アマゾンにおける購入先国の人気商品

米国アマゾンとイギリスアマゾンで、それぞれの人気商品TOP10は次の通り。

アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート⑥ アマゾンUSA拠点人気商品TOP10
アマゾンUSA拠点人気商品TOP10(画像は編集部が翻訳)
アマゾン中国 2016年越境ECトレンドレポート⑦ アマゾンUK拠点人気商品TOP10
アマゾンUK拠点人気商品TOP10(画像は編集部が翻訳)

アマゾン中国のレポートの中では、ユニークなデータも公開していた。5割以上の男性ユーザーは、「価格サイトなど」から越境ECサイトを選択。一方、6割近くの女性消費者は、「親戚や友達からのお薦め」で越境ECサイトを選んでいる。近年は、年配者も越境ECを利用しており、1件の注文あたり5000元以上(編集部追記:8万円以上)を支払うユーザーの中では、60歳以上の消費者が最も多かったという。

星座別で見てみると、かに座ユーザーは「散財家」で、「年間の越境EC消費が1万元以上(編集部追記:16万円以上)」「1件の注文あたり5000元以上(編集部追記:8万円以上)」「越境ECでの月間購入回数が平均7回以上」と3項目で最も人数が多かった。

みずがめ座ユーザーは「節約家」で、「年間の越境EC消費が1000元以下(編集部追記:1万6000円以下)」「越境ECでの月間購入回数が平均1回以下」の2項目で人数が最多だった。

さそり座ユーザーは「節約家」で、配送料と関税を最も気にしており、越境ECを利用する際に配送料が最もお得な商品を見つける傾向がある。しし座とうお座のユーザーは「せっかちさん」。商品の届く日時を最も気にしている。一方、おうし座ユーザーは国際規格と中国の規格との違いに最も気を付けており、「実用性を重視」する傾向があると思われる。

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オリジナル記事:アマゾン中国の最新情報+中国の越境EC利用者の消費トレンドと特徴まとめ【2017年】 | 中国EC市場の最新ニュース・トレンド・マーケティング情報ウォッチ
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中国のEC業界大手専門誌「ebrun」

2007年に設立したeコマースの業界誌。Webメディアのほか、雑誌やイベント事業などを手がける。中国では4000万社以上の中小企業がECを手がけており、そうした企業向けの解説記事、eビジネスニュース、業界調査レポートなどを提供している。

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