ネットショップを運営する上でネットショップの健康状態をチェックするために顧客分析は、かかせません。また、チェックしたい内容や改善したい内容によって顧客分析の手法はさまざまです。今回は、「CPM分析」について紹介したいと思います。
- CPM分析とは
- 売上を伸ばすために必要なリピーター対策
-1.パレートの法則
-2.顧客分析の目的と戦略 - CPM分析の方法
-1.抽出すべきデータ
-2.データ結果から読み解く課題
CPM分析とは
CPMとは、Customer Portfolio Management(顧客ポートフォリオマネジメント)の頭文字をとって付けられた顧客分析手法の1つです。
【目的】リピーターを増加させることによって利益を拡大する。
【手法】顧客の購買データを元にグループ分けをし、それぞれの属性にあった施策を行いながら定期的に顧客の育成状態をチェックする。
CPM分析によって分類分けされた属性にあった施策を行うことで、リピーター・リピート回数を増加させ、将来的な利益を拡大させる目的があります。
売り上げを伸ばすために必要なリピーター対策
売上を上げるために、なぜリピーター対策を行わなければならないのか。それは、売上の8割を既存顧客(リピーター)が担っていると言われているからです。
パレートの法則
有名なパレートの法則では、既存顧客の上位2割が売上の8割を担うと言われています。上位客を増やすことで全体の売上が向上し、一人当たりのLTVの最大化を図ることができます。
※LTVとは…顧客生涯価値といい、1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす利益(価値)のこと。
ネットショップも実店舗と同じように、集客→接客→追客がとても大切です。
集客ばかりに時間とお金をかけて、既存のお客様を見落としていませんか?SEO・LPO・広告などにより新規客をどんどん増やしても、お客様がリピートしてくれなければ、お客様はザルのように流れて落ちてしまいます。
接客・追客によるリピーター対策をすることで、一度訪問したお客様を手放すことなく安定した売上を作ることができ、新規流入に伴って売り上げが向上していきます。
顧客分析の目的と戦略
では、リピーター対策をするためにどのような施策をすればよいのでしょうか?
そこで必要となるのが顧客分析です。顧客分析によって現状の課題を明確にし、課題解決のための施策を練ることができます。ただし、顧客分析にはそれぞれ目的と戦略が異なり、顧客分析の目的を履き違えると的確な施策を打つことができません。以前紹介したRFM分析は、上位客のみにフォーカスしコスト削減による利益最大化を目的とした短期的戦略です。
RFM分析の方法 データ抽出の方法とアクションプランへの落としこみ方
RFM分析の特徴としては、離反してしまったお客様の引き上げは目的とせず、上位のお客様だけに施策を絞ることでコスト削減をすることができ、目の前の売り上げをすぐにつくることが可能となります。
ただしCPM分析は、【離反客の引き戻し・初回客の引き上げ・上位客の離反防止】を目的とした顧客育成によるLTV向上のための中長期的戦略なのです。
どちらも、既存顧客への施策であり、売り上げを上げるという最終的なゴールは同じですが、目的と戦略が異なります。目の前の売り上げを増加させるためのRFM分析とは異なり、CPM分析はお客様の成長による将来的な売り上げの最大化へとつなげるためのものとなります。
CPM分析はすぐに結果が出るものではないので、根気が必要ですね。
CPM分析の方法
CPM分析では、過去の購買履歴から顧客を10パターンに分類します。
※ここで使用する在籍期間・購入金額は、例として挙げています。サイトの状況に合わせて抽出する期間や金額を変更して分類してください。
抽出すべきデータ
購入回数/購入総額/在籍期間/離脱期間上記項目のデータを元に条件ごとで顧客を分類します。
各属性は上記のように分類することができ、初回客から優良客へと引き上げる事がCPM分析における課題となります。
データ結果から読み解く課題
分類された顧客をバブルチャートに表記することで現在の顧客の状況をまとめてチェックすることができ、優良顧客のポジション(右上のバブルの大きさや縦軸)を指標として自社の具体的課題を知ることができます。時間の経過と共に、優良現役客のバブルの大きさが大きくなり、上昇していくことが理想の状態といえます。
横軸:在籍期間/縦軸:平均総額(1人あたりLTV平均)/バブルの大きさ:顧客数
また、コツコツ客が優良客へと引きあがる曲線のことをリピート曲線と呼びます。この曲線は、どのサイトにも存在しコツコツ客を一定期間フォローし続ければ、必然的に優良客へと引きあがるこをと表しています。
上図では、コツコツ現役客の在籍期間は約26カ月、優良現役客の在籍期間は約40カ月ですので、約13カ月間フォローすれば必然的に約6倍の金額(LTV)になることが分かります。これらの指標を元に施策を行い、定期的に分析することで顧客の成長や新たな課題の発見をすることができるようになります。
CPM分析は、顧客属性に合わせて施策を行うことで離脱を防ぎ、初回客→よちよち客→コツコツ客→優良客へと成長させ一人当たりのLTVを増加させるために必要な分析手法なのです。
「ECコンサルコラムサイト「ECコンサル」」掲載のオリジナル版はこちら:
CPM分析の方法~売上の最大化を図る(2016/10/05)
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:CPM分析って何なの?使うことで通販事業者にどんなメリットがあるの? | アラタナECコンサルがお伝えするECビジネスの課題を解決するヒント
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