ECサイトを構築するためにEC-CUBEをお使いの方、たくさんいらっしゃると思います。自由度の高いECサイト構築が可能なEC-CUBEですが、SEOには少しだけ不利な点もあるようです。
今回はEC-CUBEの最新バージョン(3系)を使用してSEOをしたいときはどのようなことをすべきか、デモ画面を使って実際にページを動かしながら説明していきます。完全なる非エンジニアの私が理解できるように書いていきますので、EC-CUBE初心者の方も安心してぜひお読みください。(ここでは EC-CUBE 3.0.10を使用しました)
- EC-CUBE3系は何がSEOに不利なのか
- EC-CUBE3系のSEOについての私の見解
EC-CUBE3系は何がSEOに不利なのか
SEOに不利になってしまう可能性があるポイントを2つ、その解決方法と合わせてご紹介します。
1.タイトルタグの出力の問題
EC-CUBEがSEOに不利だと思われる一番のポイントは、タイトルタグの出力のされ方です。SEOの内部対策で最も重要な項目の一つとも言える「タイトルタグ」、どのようになっているか確認してみましょう。
EC-CUBEの場合、何の設定もしなければ、タイトルタグは
「店名|商品名」
という表記で出力されます。
ですがSEOの観点からいくと、逆の
「商品名|店名」
の方が好ましいと考えられています。
実際どのようになっているか見てみると、
たしかに
<title>テスト店名(店名) / パーコレーター(商品名)</title>
という表記になっています。
タイトルタグの出力についての問題を解決する方法
要は「商品名|店名」というタイトルタグの表記にすれば問題は解決です。サーバーから出力されるファイル(テンプレートファイルと呼ばれるもの)を編集する必要があります。
FTP接続の方法と、ファイルの編集の際は以下のツールを使用しました
FTP接続:超初心者向け!FileZilla(ファイルジラ)の使い方
編集ソフト:「Sublime text」
今回編集するファイルは以下のものです。
※EC-CUBE3系では、2系までとディレクトリ・ファイル構成が大きく異なりますので注意してください。
またファイルを直接編集するのは3系ではあまり推奨されていないようです。あくまでも自己責任で編集ください。<title>{% if subtitle is defined and subtitle is not empty %}{{ subtitle }} / {% elseif title is defined and title is not empty %}{{ title }} / {% endif %}{{ BaseInfo.shop_name }}</title>
■テンプレートファイルの場所
/src/Resource/template/default/
■ファイル名
default_frame.twig
細かなディレクトリ・ファイル構成や置き換えの早見表はこちらにありました。
http://ec-cube.github.io/directory.html
■編集する箇所と内容
上記ファイル内で
<title>
と書かれている箇所を探します。(27行目くらい)
ここの並び順を以下のようにします。(shop_name と書かれている部分を後ろに持ってくる)
※このままコピペして使用可能です。
<title>{% if subtitle is defined and subtitle is not empty %}{{ subtitle }} / {% elseif title is defined and title is not empty %}{{ title }} / {% endif %}{{ BaseInfo.shop_name }}</title>
ここを書き換えたらファイルを上書きして、再度元の場所(/src/Resource/template/default/<)に上書きしたファイルをアップロードします。 ページでの表示を確認すれば完了!
※変更が確認できないときは、管理画面の
コンテンツ管理>キャッシュ管理
のところでキャッシュクリアのボタンを押してから再度ページを読み込み直して確認してみてください。FTP上でキャッシュクリアする方法もあるようですが、初心者なので管理画面で。。。
2.商品ページのディスクリプションの設定の問題
SEOに不利というよりは、検索結果でクリックされる確率を下げてしまう可能性があるので、以下を挙げておきます。
EC-CUBEでのディスクリプションの設定のされ方についてです。
3系では、何もしなければキーワードもディスクリプションも出力されません。
さらに管理画面上でそれらを設定しようと思っても、管理画面で設定できるディスクリプションは、
- TOPページに1つ
- 全ての一覧ページに1つ
- 全ての詳細ページに1つ
しかありません。
たとえば商品ページの場合、管理画面の
コンテンツ管理>ページ管理>商品詳細ページ>ページ編集
を選択すると分かります。
全ての商品ページに同一のディスクリプションが設定される状態になっています。
ディスクリプションは検索順位に直接の関係はないものの、検索結果に表示された際にユーザーが見ている部分ですので、CTRをあげるためにはぜひ対応しておきたいところです。
ディスクリプションの設定の問題の解決方法
管理画面の
商品管理>商品マスター
該当商品の編集ページを開くと以下のようになっています。
ここでディスクリプションを設定することができれば商品固有のディスクリプションとなるはずですので、なんとかここで設定していきます。フリーエリアは画像やコメントを入れてリッチな商品ページを作るために使いたいので、「検索ワード」の欄をディスクリプションとして使用していくという裏技です。
該当するファイル内に「検索ワードの欄に書いてある文言をディスクリプションとして使用しますよ」という指示を書いてあげればOKです
その上で、管理画面上から商品ごとのディスクリプションを設定してあげれば、商品固有のディスクリプションが生成される状態になります。
※先ほども記述しましたがEC-CUBE3系では本体ファイルを直接いじるのは非推奨なので以下のページを参考にプラグインで対応したほうがよさそうです。
またディスクリプションの設定をかけるには、先ほどのタイトルタグの部分を編集するときよりも複雑な編集になるので、どうしてもファイルを直接編集したいときは知識のある人に依頼するのが賢明かと思います。
http://qiita.com/chihiro-adachi/items/6318642120f67faedf0b
ちなみにそもそものプラグインの考え方については公式にこのような資料がありました。
http://downloads.ec-cube.net/src/manual/v3/plugin.pdf
EC-CUBE3系のSEOについての私の見解
たしかにEC-CUBEは、上記のようにプログラムそのものを修正する必要があるので、そのまま何もせずに使っているとSEOに多少弱いかもしれません。ですが、初心者の私でもできるような上記の対応を取るだけで、ひとまず十分な対応を取ることができました。
あとはカテゴリコンテンツを充実させたり、商品ページをリッチに作り込んだり、さらには集客のために別でCMSを立てて運用したり、どのカートシステムでも同じようにやることをやっていけば問題なしです。
特にCMS連携については開発済みのプラグインなども公開されていますので、むしろEC-CUBEであることはSEOをしやすいとも感じます。
アラタナではもともとEC-CUBEをベースにした「カゴラボ」というカートシステムを開発しており、社内にEC-CUBEのエバンジェリストも在籍しています.
EC-CUBEをお使いの方でSEOを強化したい、という方はぜひお気軽にご相談ください。
表面的なSEOだけでなくシステム面からも改善のご提案が可能です。