やっぱり顧客ロイヤルティが上がれば収益は増える。「NPS」が示す繁盛店の条件 | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2015年7月23日(木) 08:00
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推奨者を増やすことはリピーター&新規顧客の獲得につながる。そのためには商品の「見つけやすさ」などが重要になる
単発記事

ネットショップのリピート率を上げ、クチコミによる新規顧客獲得につなげるための新しい指標は知っている? 顧客満足度ではなくより価値のある評価を得るために、アップルやアマゾンなど米国企業を中心に採用が進んでいる指標「ネット・プロモーター・スコア(NPS、推奨者の正味比率)」だ。

顧客ロイヤルティを図る指標で、質問は至ってシンプル。「ある会社(製品やサービス)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」。こうした質問に対する回答をもとに計測したNPSに関する調査結果(wizpraが実施した調査結果)から、ネットショッピングを通じてどのような顧客層が商品やサービスを推奨するのか、企業にとって収益を伸ばす重要なことは何なのかを考察してみる。

オススメされるECサイトを作るために押さえておくべき3ポイント
NPSに関する調査でわかった3ポイント
  1. インターネットショッピングサイトでは推奨者は批判者に比べより購入頻度が多く、サービスに関する肯定的なクチコミを広めてくれる
  2. 推奨者を増やすためのキーファクターは商品の「見つけやすさ」
  3. 「見つけやすさ」に関する満足度を向上させるためには品ぞろえを増やすだけではなく、消費者が求めている商品を見極めてあらかじめ選択肢を絞って掲示することが重要

 

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果①
NPSの計測方法

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

 

NPSの向上はリピート率アップ、新規顧客の獲得に貢献する

wizpraが行った調査は「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の3大モールを対象に実施。次のような目的で行った。

  • インターネットショッピング市場においてNPSは収益に直結するか
  • NPSを向上させるキーファクターは何かを明確にする

利用頻度に関する調査によると、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」それぞれの推奨者の80%は少なくとも3か月に1度以上サービスを利用していることが判明。批判者で3か月に1度以上買い物をしている人は54.5%にとどまった。

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果②
3か月に最低1回以上ECで商品を購入する人の割合(出典はwizpraの調査資料

NPSの向上が新規顧客の獲得につながる可能性が高いのはクチコミが広がる可能性が高いため。友人や家族などにクチコミを広げたことがある推奨者は87.4%。批判者は39.8%で2倍以上の開きがある

また、推奨者のクチコミの89.5%がポジティブな内容だったのに対し、批判者のクチコミで肯定的な意見は28.4%にとどまっている。

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果③
サービスの利用を他人にすすめた割合と実際に行われたクチコミの種類(出典はwizpraの調査資料

こうした結論から、wizpraは次のようにまとめている。

推奨者は批判者に比べポジティブなクチコミを実際に広めることが多く、新規顧客の獲得に貢献していると考えられる。

NPSに影響があるのは「商品の見つけやすさ」

NPSの向上には何が役立つのか。以下の図のように4つの質問を実施して満足度を計測。wizpraはどの満足度がNPSに影響を与えているかを調べた。

質問1~4に掲示された「商品の見つけやすさ」「決済のしやすさ」「配送時間」「サポートや対応」すべての満足度が、NPSに影響を与えているという(有意確率から計測。帰無仮説を棄却し対立仮説を採択する時の基準で、一般的に5%が使用される。今回はすべての質問で有意確率が0.05以下となった)。

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果④
NPSに影響する各機能ごとの満足度(出典はwizpraの調査資料

最も影響しているのが、「商品の見つけやすさ、選びやすさ」についての満足度(値が大きいほど影響力が大きいとされる解釈標準化係数が、最も高い)。推奨度の回答をした(0~10を付けた)主な理由の分類では、「見つけやすさ」が67%。「配送時間」が29%だった。

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果⑤
推奨度の回答をした主な理由の分類(出典はwizpraの調査資料

「商品のみつけやすさ」について詳しく分析したところ、「品ぞろえの多さ」が72%、「検索性」は27%を占めた

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果⑥
「見つけやすい」という回答の分類結果(出典はwizpraの調査資料
最もNPSが高いのはAmazon

消費者は3大モールに対して、どのような満足度を抱えているのだろうか。モール別にNPSを集計したところ、「Amazon」が29ポイント「楽天市場」は11ポイント「Yahoo!ショッピング」は-12ポイントだった。

各モールそれぞれ、「商品の見つけやすさ」への関心度が最も高い。NPSが高いモールほど「見つけやすさ」の満足度平均点も高い傾向になっている。

ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果⑦
モール別NPSとコメント分析(出典はwizpraの調査資料
Amazonに関する傾向

他モールに比べ「発送」に関する肯定的なコメントが多くみられた。否定的なコメントはわずか1.2%。否定的な意見の内容は、「梱包が過剰である」「ポイントが付かずお得感がない」といったコメントがあった。

楽天市場とYahoo!ショッピングに関する傾向

否定的なコメントの割合は、「楽天市場」が14.1%、「Yahoo!ショッピング」は20.7%。NPSが低いモールほど否定的なコメントの割合が増えるという結果になった。

「信頼性」に対して不満の声が多かったという。「見つけやすさ」に関しては、「表示される商品が多すぎて選びづらい」「HPがごちゃごちゃしていてみづらい」などといったコメントが目立った。

wizpraは次のようにまとめている。

「見つけやすさ」の満足度を向上させるためには単に取り扱っている商品数を増やし1度に多くの選択肢を表示するのではなく、ある程度選択肢を絞って消費者に提示すことが必要だと考えられる。

調査期間は2015年5月21日~2015年5月28日、有効回答数は614件。

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瀧川 正実
ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約8年。まだまだ、日々勉強中。

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