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ご存じ(じゃないか)ブルース・リーの「燃えよドラゴン」でのセリフだが、今、新たなデジタルなデータによるファインディングから、マスもリアルも含めたマーケティングコミュニケーション全体を改善することに関して、「何か大きな変革が出来そうだ!」とまさに感じるマーケターを応援したいと思う。
デジタルな施策によって得られる、かつ今までのマスでは得る事が出来なかったデータをポジティブに捉え、これらを積極的に活用しようとする姿勢だ。「何か今まで出来なかった事ができるかもしれないぞ!」とまずはビビッと感じることが大事であり、デジタルに感じることが出来るマーケターこそ、デジタルマーケティングの推進者である。
デジタルマーケティングは、マスマーケティングで長年成功体験のある大企業広告主こそ早期に身に着けなければならない知見でありスキルである。
私も82年に広告会社に入社以来、最初の15年はTVCMを10数本つくり、大手広告主のブランディングコミュニケーション開発にどっぷり浸かって携わってきた。No.1ブランドのコミュニケーション開発は、そのアウトプットに至るまでの思考回路が徹底して吟味される。思いつきのアイディアだけで「面白ければ良い」というCMづくりでは全くない。
ブランドイメージ調査の分析も、競合ブランドとどんなイメージでせめぎあっているかをイメージ獲得シェアから導き出すなど、非常に科学的なアプローチも経験した。
なかでも私が最も勉強になったのは、コピーライター小野田隆雄さんとの仕事で、「優秀なクリエーターは本当に懐が深い」と実感した。小野田さんは「横山くん、調査データからもいろんなコンセプトワークが出てきてるでしょ?どんどん僕のつくるアウトプットを条件づけてよ。」と言って、「縛り」をかけろと言われたことを鮮明に憶えている。そして実に骨太のコピーをつくってくれた。力量がないクリエーターは条件づけられるのを嫌う。
アイディアで面白ければ良ければいいものをつくるのは簡単だ。ブランド資産がないものは何でもいいだろう。アウトプットされるものが、何を残すか(ネット・インプレッション)にこだわって、ブランドメッセージ(What to say)と表現方法(How to say)を導き出す力量のあるクリエーターとの仕事を多く経験できたのは私の財産だ。そうした広告マンとして経験があって、96年から日本のネット広告誕生の時から関わった。インフォシークの最初の原稿素材はフロッピーディスクに入ってバイク便で着た。
当初ヤフーが扱えないハンディキャップを埋めるためにつくった日本で最初のアドネットワークや、実績データを入力し反映させたプランニングシステム、そして自前のアドサーバー開発など事業者、経営者としてやってきたことは実に身になったんだろうとも思う。そして今こそ、マスマーケティングとの融合が本格化する時期が来たことを本当に感じている。超大手広告主のブランディングとデジタル広告の両方を経験させてもらったという経歴の責任として、マスマーケティング企業がデジタルを取り入れて新たなマーケティングを構築するためのサポートをしたいと思う。
もっと広告主から「何が障害となっていてデジタルマーケティングがまだまだ推進できないのか。」「どうすれば進むのか。」を聞く機会を持ちたいと思う。
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