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ページの価値 コンテンツをビジネス視点で評価する」 からご覧ください。
Posted by 大内 範行 Google アナリティクス ソリューション・コンサルタント
今回は「ページの価値」という新しい指標をご紹介します。
新しいといっても、この指標は、旧バージョンの「 $index 」と同じものです。新バージョンへの移行を進める中で、日本のお客様からも、この指標を復活してほしいというご要望が多くあり、新バージョンでは「ページの価値」として追加されました。
メニューの「コンテンツ」から「すべてのページ」を開くと、一番右に「ページの価値」という指標があります。この「ページの価値」には金額が入ります。このページを経由して、サイトの目標にコンバージョンした場合、その価値が記録されます。
ここに入る金額は、以下の 2 つの合計の値です。
1) 目標設定で設定した「目標の値」
2) e コマースタグで記録される「収益」
アナリティクスの目標には「値」を設定するフィールドがあります。ユーザーが目標を達成したら、平均購買単価など金額を割り当てることで、コンバージョンを金額化した指標で確認することができます。ここに数値を入れておくと、「ページの価値」の計算に使用されます。
同様に e コマースタグを使用した場合も、その収益が記録されます。e コマースについてはこちらをご参照ください。
では、このページの価値はどのように計算されているのでしょう?
式にすると以下のようになります。
該当ページを経由した目標値と e コマース収益の合計 ÷ ページ別訪問数
具体的な例で見てみましょう。
一つの目標が達成されました。一回の目標が 1,000 円と定義されていた場合、この訪問者が通ったページすべてに 1,000 円の価値が割り当てられます。今回、下の図のページ A は、ゴールに関わったので、一回分の 1,000 円がつきます(もちろん、B、C、D のページにもそれぞれ 1,000円 の価値がつきます )。
このページ A には、ゴールに関わっていない訪問が他にもあります。今、合計で 4 回の訪問でこのページ A を通ってたとします。「ページの価値」は、1,000 円を4 回の訪問で割るので、250 円、この値が ページ A のページの価値としてレポート上に記録されます。
計算の指標が「ページビュー」ではなく、「ページ別訪問数」である点にご注意ください。図の一番下のケースのように、その訪問内で、たとえ 3 回そのページを見たとしても、ページの価値の計算には影響しません。ページ別訪問数の 1 だけが加算されます。
ページの価値は、コンテンツのページが、どれだけビジネス価値に関連したか、という指標です。単純な訪問数やページビューとは違った、コンテンツのビジネス視点での評価が行えます。その使い方を見て行きましょう。
例えば、ショッピングサイトや製品サービスの紹介サイトではたくさんの「よくある質問」が用意されています。ではその中で、どの質問がユーザーにとって重要なのでしょうか?
「よくある質問」をアクセスの多い順で見ていくと、目次の上部にある質問のアクセスが多くなる傾向があります。滞在時間といった指標を見ても、ユーザーが長く見ている質問が、はたして重要だと言えるのか悩むところです。
そこでページの価値で見ていきます。
もっとも、ページの価値が高かった質問は、「商品は何日ぐらいで届くの ?」という質問でした。多くの人が購買の前に、この質問を確認した、ということが見えてきます。買いものをした人は、商品の配送について確認したいのだ、ということが推測されます。
ここからの改善はあなたならどうしますか? 大事な質問なので、商品ページにリンクを貼る、あるいはそもそも「よくある質問」に行かなくてもいいように、もっとわかりやすく表示する。いくつかの改善策が考えられますね。
このページの価値は、価値のある指標ですが、活用にあたって注意点があります。
例えば、カートに入れてから買いもの完了までのページは、当然買いものする人が多くなるので、ページの価値が他のページよりも高くなります。ページの価値を比較する場合、同じレベルの階層のページ同士を比較するようにしましょう。
もう一つの注意点は、トップページなどアクセスが集中するページの場合、ページの価値が低くなリがちだ、という点です。とりあえずそのページを通る人が多い場合、ページ別訪問数が大きくなり、ページの価値は低くなってしまいます。絶対金額でみた場合、貢献度が実は大きい場合がありますので、この場合、ページの価値から全体価値を導く逆の計算をしてみます。
ページの価値 x ページ別訪問数
この値を導き出せば、訪問数で割る前の合計の金額のボリュームがわかります。
お金を掛けて制作したページが、正味どれだけの価値と関連しているのか? コンテンツの投資対効果を評価する参考指標になるかもしれません。
ページの価値は、コンテンツの評価をビジネス視点で見る指標として有効です。ぜひ、ご活用ください。
以上