ニューノーマル時代の新しい店舗集客とは? 「LINEで予約」で変わる顧客とのコミュニケーション

withコロナでニューノーマルが浸透し、消費者傾向は大きく変わりつつある。飲食店に新たな課題が突き付けられる中、LINEとぐるなびは新たな店舗集客支援を発表した。

withコロナでニューノーマルが浸透し、消費者行動は大きく変わりつつある。飲食店に新たな課題が突き付けられる中、飲食店は顧客とどのようにコミュニケーションをとっていくべきだろうか――。

10月に行われたLINE主催のオンラインイベント「LINE SMB DAY」では、LINEの岩本氏とぐるなびの小笠原氏が登壇。LINE公式アカウントの新機能「LINEで予約」や新サービスの「LINEプレイス」が発表され、これらを活用した店舗の新たな集客方法について言及した。

左から、LINE株式会社広告事業本部 B2B事業戦略室ビジネス開発チーム マネージャー岩本 大地 氏、株式会社ぐるなび飲食店支援事業部メディアサービス企画部 部長 小笠原 和哉 氏

ぐるなび×LINEで実現する新しい店舗集客支援

日本国内における月間利用者数が8,600万人(2020年9月時点)、そのうち毎日利用する率は85%(2020年9月時点)という規模を誇るコミュニケーションアプリLINEは、「LINE」上で飲食店の予約ができる新たなサービスとして、2020年11月16日から「LINEで予約」というサービスを始めた。ぐるなびと連携し、LINE上で店舗情報の検索や席の空き状況を確認して、そのまま飲食店の予約ができるサービスだ。

ぐるなびは、会員数が1,935万人(2020年9月時点)、MUU(ユニークユーザー数)は5,600万人(2019年12月時点)を誇る飲食店メディアプラットフォーム。今回の連携によって、LINEのユーザーとぐるなびの加盟飲食店をLINE上でつなげることが狙いだ。

 

またLINEでは、2021年3月からはLINEの中でお店を探せる「LINEプレイス」のサービス提供開始を予定している

店舗検索から訪店までの流れ

従来、飲食店の予約をしようとすると、さまざまなWebサービスやアプリを行ったり来たりしながら予約を行う必要がある。たとえば、お店の検索はグルメサイトで行い、選んだお店をLINE上で相談し、グルメサイトに戻り予約をして、予約完了メールをもらい、来店するといった具合だ。

 

しかし、今回の「LINEで予約」のサービスが提供されることで、「検索」から「予約完了」までのステップがすべてLINE上で完結する。

検索について

検索では、「LINEプレイス」を使うことで、LINE上でぐるなびのネット予約に対応した店舗情報が調べられる。通常の検索機能のほか、「コレクション」という機能が存在する。このコレクションとはユーザーの行きたい店舗リストであり、公開設定にすれば「LINEプレイス」上で自身のコレクションが共有できる。グルメな人のコレクションから店舗選びも可能で、口コミをみて店舗を選ぶとは別の観点で店舗探しができるようになるという。

 

友だちとのシェアについて(お店選びの相談)

友だちとのシェアについて、自分のコレクションを呼び出して友だちに共有し、トーク内でお店選びもできる。コレクションにお気に入りリストが10店舗登録されていたら、それをそのままトークへ共有でき、友だちと一緒に店舗探しができるわけだ。

 

予約/予約完了について

店舗が決まったら、予約をするわけだが、LINEユーザーは既にLINEにログインした状態で使っているため、予約するために改めてログインする必要はない。訪店する店舗が決定すれば、訪店日時・人数の選択などのわずかな手順で予約ができる。予約が完了すると自身のLINEに予約完了の通知が届くだけでなく、予約の当日や前日、直前のタイミングでリマインドも行われるという。

 

ニューノーマルの店舗集客

続いて話題は、コロナ禍における店舗集客に移っていった。「ニューノーマル」という言葉が世の中に浸透する中で、飲食店の課題は変わりつつある。ぐるなびの小笠原氏は、次の6つに課題を整理した。

課題①マーケティングの再構築

従来、飲食店では大人数の予約を取り、効率的に集客をして利益を確保することが多かった。しかし、コロナ禍により少人数の予約が増え、大人数の予約は控えられる傾向にある。そのためマーケティング戦略を再構築し、店舗の収益化を見直す必要が出てきている。

課題②販売チャネルの多角化

イートインのみの形態だけではなく、テイクアウト・デリバリー・eコマースといった多角化を図る必要がある。

課題③消費者とのコミュニケーションの強化

来店客のリピート率を上げるには、コミュニケーションがとれる形式の販促が必要になる。

課題④感染症対策

来店する客の多くは、感染症対策を重要視している。対策を行う・行わないで集客が大きく変わる。

課題⑤収益体制の強化

集客を意識するだけではなく、業務効率化・固定費削減といったコストカットも必要になる。

課題⑥サービスクオリティの維持・向上

リピートにつなげるためには飲食店自体の魅力を常に上げ続ける必要がある。

ぐるなびのデータから読み解く消費者行動の変化

下図は、ぐるなびの昨年と比較した予約数の推移のグラフだ。コロナが流行する前の2020年1月は、昨年比120%の予約数であったが、緊急事態宣言が発令された4月には6%にまで落ち込んだ。そこから現在に至るまでに徐々に回復し、9月には70%まで回復した。

 

また、予約を年代別で見てみると40代以降が鈍いのに対して20代の回復率は顕著あった。さらに、1回の予約における来店者数は、コロナが流行する前には5人強であったのに対し、現在では3人強となっている。

接待や歓送迎会などの大人数・ビジネスシーンでの利用は減少傾向にあり、デートや記念日といったプライベートシーンでの利用が増え、少人数化が定着しつつあるという。

消費者が飲食店を選ぶ際のポイントとして、衛生対策が重要視されている。換気ができているか、スペースが広いか、屋外席やオープンテラスがあるかといった、3密が防げる飲食店を選ぶ傾向が高まっている。

 

LINEを活用した店舗集客の新しいカタチ

以上から、withコロナにおける消費者の傾向は変化していることがわかる。それに応じた店舗集客の方法の変化が必要だ。

LINE公式アカウントを組み合わせるとできること

LINEには月1000通までであれば無料で友だちに直接メッセージを送れる企業や店舗向けのアカウントサービス「LINE公式アカウント」がある。このLINE公式アカウントには、コロナ対策をとっていることや、Go To Eat対象店舗であることなどのアピールをより効率的にできる強みがある一方で、予約をスムーズに促すことができない、導入効果を分析できない、効果的なメッセージ配信が難しいといった課題があった。しかし今回、LINE公式アカウントと「LINEで予約」を組み合わせることでこの課題が解決できるとLINEの岩本氏は言う。

  • LINE公式アカウントのプロフィール画面に予約導線のボタンを設置できる
  • LINE公式アカウントの管理画面からLINE経由で何件予約・来店があったかの効果測定ができる
  • 20代の男性で、1か月前に予約をした人だけを対象に特別なメッセージを配信することといった、セグメントしたメッセージ配信ができる
 

ぐるなびの運用サポート

ぐるなびは店舗でのLINE公式アカウントの運用が難しい場合、無料・有料の運用サポート体制をとるとした。

  • 無料サポート…LINE公式アカウントの開設・基本情報の登録
  • 有料サポート…登録情報の拡充・リピーター戦略に必要なフォローワー(友だち)の確保・メッセージ配信

また、店舗自身で運用する場合でも、ぐるなびは集客のノウハウや業務効率化のノウハウを教える講座を開いているほか、コールセンターも設置している。

withコロナによる消費者の変化に応じて、店舗集客の仕方も変えていく必要があるので新しい形の店舗集客に期待してほしいとしてセッションを締めた。

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