僕ら検索マーケティング業界の人間はランキングというものを、時として実際より難しく考えようとしているのではないかと思う。たしかに、リンクを構築する方法なんて何百通りもあるし、キーワードの数だって無限だ。トラフィックを増加させるユニークなソースにしても数えきれないほどあるし、分析方法、デザイン、使いやすさ、コード構造、コンバージョン率の測定など、数え上げたらきりがない。けれども、ある特定のキーワードに対して、検索エンジンの標準的なオーガニック検索結果でランキングを上げる方法、という話になると、実際のところごく少数の重要な要素について考えればいいはずなんだ。
No.1 - キーワードの用い方とコンテンツの関連性
僕はキーワード密度なんてものを信用してないけど(ナンセンスなキーワード密度を参照)、キーワードを賢く使って、クエリや検索者の意図に密接に関係するページを作ることが、良い順位を獲得するために重要なのは間違いない。いちばん重要なキーワードについて、僕がよくやる最良の使い方は以下のとおり。
- タイトルタグ内に1つ。あるいは、ちゃんと意味が通じて、読んだときの響きがよければ(主観的なことだけど、欠かせない)2つでも可(2つのうち1つをキーワードの派生語にすることもある)。
- ページのh1見出しタグ内に1つ。
- ページの本文には少なくとも3つ(テキストコンテンツが非常に多いページだったら、場合によってはもう何個か増やしても可)。
- 少なくとも1つは太字にする。
- 画像タグ内のalt属性部分に最低1つ。
- URL内に1つ。
- metaタグ内に最低1つ(意味があれば、2つでも可)。
- 原則として、ページ上にあるリンクのアンカーテキストにはそのキーワードを使わない(これはちょっと複雑なので、もっと詳しく知りたい人は「検索エンジンを混乱させるキーワードカニバリゼーションの解消法」の記事見てほしい)。
検索エンジンがどのように反応するか見るために、意味のない言葉で試してみたことのある人ならわかるだろうけど、ページ中にキーワードをばらまいて、ページをキーワードだらけにすれば、たしかに多少ランクを上げられる可能性はある。しかし、ページ内のキーワードを先に述べた程度に抑えても、その95%程度の価値が得られることもわかっているし、そういったページの方が、最小限のリンクジュースを追加するだけで「詰め込みすぎ」ページより(通常は)上位にランクされる。
No.2 - 生のリンクジュース
生のリンクジュースのことをPageRankと呼ぶ人もいれば、「リンクウェイト」と呼ぶ人も、あるいは「リンクパワー」と呼ぶ人もいる。しかし、基本的にこれは、そのページに与えられたリンク人気全体の生の値と考えていい。
この値は、内部リンク(自分自身のサイト内からのリンク)でも外部リンク(他サイトからのリンク)でも増大させられる。
驚くほど高いリンクパワーをもったページだと、ソースに特に関連性がなく、キーワードもほとんど使われていなかったとしても、GoogleおよびYahoo!ではかなり高い順位にランクされる(僕らが見てきた感じでは、MSNとAskは、もう少しキーワードや話題に重点を置いて見ているようだ)。
リンクジュースは、初期の頃のPageRank計算式で使われていた基本原則に基づいて機能している。つまり、ウェブ上のページにはあらかじめ一定の重要度(最初は低い値だ)が与えられ、リンク構造次第で、その重要度が上下するというものだ。膨大な数のページからリンクを貼られているページは重要度が非常に高いので、そうしたページから他のページにリンクを貼ると、その結果としてリンクを貼られたページも、重要度が高く評価されるにちがいない。
自分自身のページにもこの理屈を適用してみるといい。そうすれば、生のリンクジュースが、検索エンジンのランキング評価方法にどれほど大きな影響を与えているかがわかるはずだ。リンク人気を全体として高めるには、リンクビルディング(サイトが十分なリンクジュースを獲得するため)と、利口な内部リンク構造(適切な場所にリンクジュースを導くため)が必要になる。
No.3 - アンカーテキストの重要度
2000年代の初め、進化を続ける中で、検索エンジンはアンカーテキストを利用することを思いつき、ページ内でリンクに使用しているキーワードあるいはフレーズを評価すれば、そのページが何について書かれているのか、また、ある特定のテーマに対してどのページが最も関連性が高いかを判断しやすくなることに気づいた。
リンクのアンカーテキストは、現在ランクを決定する方程式の重要な要素となっている。そして、それが大量に見つかると、他のランク決定因子を抑えて、最重要として取り扱われる。僕がここに書いた他の3つの要因が低めなのにもかかわらず、高い順位を獲得しているページもたくさんある。それは、そうしたページが何百何千というリンクを獲得していて(業界用語で言うと「購入」していることも多いけどね)、そのページがターゲットにしているフレーズをそのままリンクのアンカーテキストにしているからなんだ。
アンカーテキストは内部リンクにも外部リンクにも関係があることに注意してほしい。だから最適化を行う場合には、自サイト内のコンテンツに対しても、どうリンクするかということを考えておいたほうが賢明だ。一般的なリンクあるいは画像リンクを使うと、正確かつ関連性の高いアンカーテキストで内部リンクした場合に比べ、ランクを押し上げる力が若干損なわれてしまうかもしれない。しかし、内部リンクに関してはやりすぎてしまう場合もあるから、気をつけてね。そして1つ言っておくと、あるアンカーテキストで10万件の内部リンクを構成したとしても、同じアンカーテキストで結ばれた10万件の外部リンクに、価値の面では及ばない。
No.4 - ドメイン名のオーソリティ
これが実は、この記事の中で最も複雑な要素なんだよね。基本的に「ドメイン名の信用度」とは、サイトに関するさまざまな指標のことで、検索エンジンがサイトの正当性を判断するのに使うものだ。検索エンジンにそのドメイン名の履歴が残っているか? そのドメイン名で検索する人、そのドメイン名を使う人はたくさんいるか? そのドメイン名は、信頼できる他のソースから、質の高いリンクを獲得しているか? そのドメイン名は主に、信頼性の高い他サイトに向けてリンクを貼っているか? 分析結果と登録情報、そして現在のリンクの伸びは、予測されたパターンに合致しているか?
こうした変数にプラスの影響を与えるためには、実は検索エンジンのガイドラインに沿った形でサイトを運営するだけでいい。ドメイン名を登録してまだ間がないうちに、多くの信頼を獲得したいと思ったら、すでに検索エンジンの信頼を得ているサイトから数多くリンクを張ってもらうこと。逆に、信頼を損ないたければ、質の低い手近なところへリンクを張り、クエリもトラフィックパターンも無視したリンク増加の操作をして、駆け引きに興じていればいい。
最後に、これら4つの要素について君の意見を聞きたいな。君なら要素の数は5つになるのだろうか。あるいは3つ? それとも20種くらいあるぜとか?
追伸:これはあくまでも僕個人の意見だからね! たしかに――僕は比較的豊かな自分の経験に基づいてこれを書いた。だが、ランクを決定する方程式の大部分がどんな要素から成り立っているかについて、他の人にはまったく別の見方があるはずだとも考えている。だから、これについては自分自身で判断してほしい(僕らの新しい「免責条項」は、このサイトで君が目にするすべてのコンテンツに適用されるから、目を通しておいてね)。
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