電通デジタルが自社開発の「∞AI」に次世代言語モデル「GPT-4」を実装して試験運用
電通グループでデジタルマーケティング事業の電通デジタルは、広告クリエイティブ制作にAI(人工知能)を活用した「∞AI(ムゲンエーアイ)」に、AI開発の米国OpenAIが公開した次世代言語モデル「GPT-4」を実装して社内で試験運用を始めた、と3月23日に発表した。広告クリエイティブ制作における4つの工程のうち、「訴求軸発見」と「クリエイティブ生成」機能の性能が大幅に改善した。
GPT-4は、AIの性能を測る指標のパラメーター数が前バージョンの「GPT-3」の1750億個を大きくしのぐ最先端のAI。GPT-4で改善した∞AIの訴求軸発見では、言語処理能力自体の大幅な向上によって、セールスポイントや強みなど焦点を当てる訴求軸の抽出量、抽出精度、分類精度が改善した。クリエイティブ生成では、得られた訴求軸をもとにコピーの自動生成の精度、柔軟性が改善した。
公開されたGPT-4のAPI(データ連携の仕組み)はテキストの認識・生成までだが、GPT-4はさまざまな種類の情報を利用して高度な判断を行う「マルチモーダルなAI」で、テキストに加えて画像・動画・音声の認識や生成が可能になると期待されている。今後公開されるAPIを∞AIに実装して、画像認識の精度向上によるバナーの効果予測精度向上や、画像生成によるバナーの自動生成の機能の実現が可能になる予定。
2022年12月に発表した∞AIは、電通グループの横断組織「電通クリエイティブインテリジェンス」の取り組みの一環で、電通デジタルのAIスペシャリストの監修や、グループのAIカンパニーのデータアーティストが関わり、GPT-4のようなマルチモーダルAIを想定して開発された。今後もさまざまなAIの開発・公開が予想されるが、これまでの知見・実績を生かして最先端のAIソリューションとなるべくシステム・運用フローを強化する。
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