給与デジタル払いは約6割が「導入されても利用しない」電子マネーの利用状況は?【Job総研調べ】
キャリアや就職・転職全般に関する研究や各種調査を行う機関「Job総研」を運営するライボは、860人の社会人男女を対象に「2022年 電子マネー実態調査」を実施した。電子マネーの利用はコロナ禍の影響で毎年増加傾向にあり、来春には給与のデジタル払いの解禁が予定されている。経済産業省では、2025年までにキャッシュレス決済比率40%を目指す目標※を掲げ、電子決済の普及を後押ししている。
9割以上の人が電子マネー利用、上の年代ほど利用種類が多い傾向
まず、電子マネーの利用有無について聞くと、全体の93.6%が「利用している」と回答した。「利用している」の回答者に利用している電子マネーの数を聞くと、全体の平均は3.3だった。男女別でみると、男性3.3、女性3.4となり、年代別では20代が3.2、30代が3.5、40代・50代は共に3.7と、年代が上がるごとに利用する種類の数が増加する傾向が見られた。
また、電子マネーを4つのカテゴリに分けて、利用している種類を聞くと、Suica・PASMOなどの「交通系」が87.6%と最も多く、ついでPayPay・楽天ペイなどの「QRコード決済系」が81.1%、QUIUPay・iDなどの「クレジットカード系」が46.2%、nanaco・WAONなどの「流通系」が32.7%となった。
電子マネーを利用している理由で最も多かったのは「支払いがスムーズ」91.6%で、以下「ポイントが貯まる」70.6%、「スマホ決済ができる」59.4%と続いた。また非利用の理由としては、「現金払いで十分」が65.5%と圧倒的であった。
月間の電子マネー利用額、コロナ禍前後で2万円近く増加
コロナ禍を境にした電子マネー利用頻度増減については、「とても増えた」「増えた」「少し増えた」を合計した64.5%が「増えた」と答えた。「少し減った」「減った」の合計は2.7%で、「変わらない」は32.8%であった。
また月間の平均利用額については、コロナ禍前(2020年3月以前)が35,300円なのに対して、コロナ禍(2020年4月以降)では54,800円と、19,500円増加したことが明らかになった。
- 物価上昇で家計が苦しい我が家には、電子決済は割引も多く現金より確実にお得
- コロナ禍以降電子決済取り扱い店が増えて、昨今の値上げラッシュでもポイント還元されるのでお得
- 決済はスピードで済ませるので感染確率を減らすため
- コロナ禍でネットで買い物する機会が増えて電子マネーをつかう機会が増えた
- 電子マネー対応店が増えたのと無人レジも増えたため
具体的な利用頻度について聞くと「支払いの全てで利用(支払いの10割)」が10.3%、「よく利用している(8〜10割未満)」が49.1%、「利用している(5〜8割未満)」が23.4%となり、支払いの半分以上を電子マネーですませている人が82.8%の結果となった。
給与デジタル払い、認知率は高いが約6割が「利用しない」
また、来春から解禁の動きを見せる「給与デジタル払い」の認知度については、「言葉も内容も理解している」が42.9%、「言葉は聞いたことがあるが内容は理解していない」が37.2%で、全体の認知度としては80.1%であった。
また勤務先で制度が導入された場合の利用意欲を聞くと、「利用しない」28.7%、「多分利用しない」32.1%を合計した60.8%が「利用しない」との意見であった。
電子マネーに関する自由記述コメント
昨今の物価高騰を背景に、電子決済を生活防衛策として取り入れる意見が多く、キャッシュレス決済の利便性や今後の期待感などのコメントが顕著に見られた。
- 物価が高騰しても賃金が上がらないので、電子決済時のポイント還元はとても助かります
- 値上げラッシュでかなり生活にダメージ受けますが、電子決済の割引等活用していきたい
- 物価高騰を背景に電子マネー利用者は今後さらに広がると思うので生活防衛に欠かせない
- 円安、物価上昇は今後続くので、キャッシュレス決済時のポイント付与はありがたい
- まだまだ電子マネー非対応のところが多いのでもっと増えてほしい
- キャッシュレス決済を対応していても、電子マネーの種類によって非対応などがあるのが残念
調査概要
- 【調査対象】全国 / 男女 / 20~50代
- 【調査条件】1年以内~10年以上勤務している社会人、20人~1000人以上規模の会社に所属
- 【調査期間】2022年9月21日~9月26日
- 【サンプル数】860人
- 【調査方法】インターネット調査
ソーシャルもやってます!