テレワークする部下の把握は可能? 実際の部下の有無で、上司の本音に大きな差【Wrike調べ】

テレワークする部下がいる上司は“業務時間・量の把握”に不安を感じる。

米Wrike(ライク)は、「部下のテレワークに対する上司の本音」に関する調査結果を発表した。日本のビジネスマンを対象に、実際にテレワークを利用している部下のいる上司515名(Aグループ)、いない上司515名(Bグループ)、計1,030サンプルから回答を得ている。

テレワークを使う部下がいてもいなくても、上司の“距離感”は大差なし

テレワークを導入した場合、上司はこれまでとは違う形で部下を管理・評価する必要が出てくる。「テレワークを利用している部下がいる」Aグループに、部下がどのくらいの頻度でテレワークを利用しているかを聞くと、「ほぼ毎日」8.0%、「基本テレワークだが月数日(規定回数)出社」12.4%、「月に10日以上」11.3%、「月に5~9日」18.3%、「月に3~4日」22.1%、「月に1~2日」13.4%だった。「それ以下」10.3%、「わからない」4.3%を除いた8割以上が、“月に1日以上”のテレワークを行っている。そしてほぼ半数が“週に1日以上”に利用していることとなる。

「部下のテレワークに対して不安に思うことはあるか」を聞くと、Aグループ66.6%、Bグループ69.1%が「不安に思うことがある」(どちらかといえばある+あるの合計)と回答。「どういった部分で不安に思うのか」を聞くと、Aグループでは「部下がプライベートのオンオフのコントロールができなくなる」「部下の業務負担の把握ができなくなる」など、“業務時間・量の把握”に不安を感じる人が多かったが、Bグループでは「部下がなにをやっているのかわからない」と、“業務そのものの把握ができなくなる”ことが上位だった。

なお「部下の業務をふだんどの程度把握しているか」を聞くと、Bグループの数値がやや下がるが、A・B両グループともに、ほとんどの人が「把握している」(全て把握している+一部把握しているの合計)と回答している。

実際にテレワークしている部下がいないと、直接対話を重視する

しかし「把握している」と答えた上司(A=494、B=463)に、「テレワーク中でも業務を把握できるか/把握しているか」を聞くと、Aグループの16.6%に対しBグループの59.0%は「把握できなくなる」と回答し、大きな差があることが判明した。実際にテレワークを利用している部下がいない場合、直接のコミュニケーションがないと部下の動向を把握できないとする人が多いようだ。

なおテレワーク時のタスク把握手法を聞くと、A・Bグループいずれも「メール」が4割前後、次いで「タスク管理・プロジェクト管理ツール」があがっている。

そこで「テレワーク制度を利用する部下と、利用しない部下を同時に管理する場合、人事評価を公平に行えるか」と聞くと、Aグループは90.9%が「できる」と答えたが、Bグループは68.2%に留まり、ここでも差が出た。

その理由についてAグループとBグループを比較すると、「業務過程が見えないので判断材料が少ない」がBグループでは相対的に高く、「部下の業務報告の仕方(アピール能力)に依存する」がAグループで高い。Bグループは、成果より過程を重視していると言えそうだ。

調査概要

  • 【調査対象】「テレワークを利用できる業務のある部下」を人事評価している上司(会社員・経営者)
  • 【調査方法】インターネットリサーチ(調査実施機関:マクロミル)
  • 【調査期間】2019年10月25日~28日
  • 【有効回答数】1,030サンプル(実際にテレワークを利用している部下が「有る人」515名、「無い人」515名)
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