マーケティングから「体験」へ。戦略立案と人材育成サービスによるAdobe Experience Cloud強化戦略をアドビが発表

デバイスやコンテンツが爆発的に増加している時代に企業が優位性をもち他社と差別化するために最も重要なのは「良質の顧客体験」

アドビ システムズは、デジタルマーケティングソリューション「Adobe Experience Cloud」の事業を強化していく。アドビ システムズ本社の会長・社長兼CEOであるシャンタヌ・ナラヤン氏と日本法人社長の佐分利ユージン氏が、9月13日に都内で発表した。

具体的には、さまざまな企業のデジタルにおける顧客体験を改善しデジタルトランスフォーメーションを支援するための「戦略立案」と「人材育成」のサービスを日本で提供していく。

いずれのサービスも、対象となる業種や企業規模などは限定していないが、主にB2C系の顧客と直接関係をもつ企業が多いだろうと思われる。

戦略立案に関しては、コンサルティングサービスを提供する「デジタル ストラテジー グループ」を新たにつくった。コンサルティングチームは日本では10名程度から開始するが、グローバルではさらに大規模に構成している。

この組織は、同社がもつグローバルで数千件の事例に基づいたノウハウをベースにしたコンサルティングによって、企業がデジタルにおける顧客体験を改善しデジタル変革を進めるためのサービスを提供していくもの。

コンサルティング内容としては、デジタルマーケティングに関連する既存のシステムや組織を評価するだけでなく、業務プロセスの最適化なども行うとしており、たとえば次のようなサービスを提供する。

  • 業界別導入/活用ベストプラクティス
  • デジタルチャネル パフォーマンス評価
  • カスタマージャーニーと予算配分最適化
  • デジタルアーキテクチャ アセスメント
  • ビジネスインパクト予測モデリング
  • デジタル組織成熟度評価
  • ビジネスプロセス最適化評価

人材育成に関しては、新たに「アドビ デジタル マスターズ ワークショップ」を開始する。

このスキームでは、同社のコンサルタントとトレーナーが次のようなトレーニングを提供し、企業のデジタルトランスフォーメーションの早期実現を支援していくとしている。

  • Web制作やデータ分析の基礎を学べる「ジェネラルトレーニング」: HTML5、CSS3、JavaScript、レスポンシブウェブデザイン、データ分析の基礎、Adobe Analyticsの基礎など(トレーナーが提供)

  • データ分析やパーソナライゼーションなどの専門知識を習得できる「プロフェッショナルトレーニング」: アドビの提供する各種サービスの活用など(コンサルタントや専門家が提供)

トレーニングの内容は、各社の状況にあわせてカスタムで組み合わせて構成していく。

同社では、以前に「Adobe Marketing Cloud」としていた製品群を2017年3月に再構成し、現在は「Adobe Experience Cloud」として提供している。

その背景にあるのは、急速にデジタル化が進みデバイスやコンテンツが爆発的に増加している今の時代において、企業が優位性をもち他社と差別化するために最も重要なものは「良質の顧客体験」であるという、同社の強いメッセージだ。

今回の新たな動きによってアドビは「世界を動かすデジタル体験を(Changing the World through Digital Experiences)」というミッションをさらに追求していくとしている。

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