プログラマティック広告が拡大傾向、200人のマーケターを調査した業界白書をAdRollが公開
プログラマティックバイイングとは、訪れたユーザーのデータをもとにして瞬時に枠を買い付け、自動的に広告を配信する新しい取り引きの仕組みのこと。米国ではすでに普及しているが、日本のマーケティングの現場ではどのように認知され、活用されているのだろうか?
リターゲティング広告を扱うAdRoll(本社米国)は、プログラマティック広告(データに基づくリアルタイムでの自動広告枠買い付け)に関する業界白書「State of the Industry ~プログラマティックマーケティングの現状(日本編)」を6月30日に発表した。
プログラマティックバイイングの認知度は低め。2016年は拡大の兆し
同白書によると、「オンライン広告予算のうちプログラマティックバイイングに充てている割合」で「プログラマティックではない/わからない」と答えた日本のマーケターは74%。米国のマーケターの100%が「予算を充てている」と答えたのに対して、まだ認知が足りない状況であることが伺える。
プログラマティックバイイングに予算を充てているマーケターのうち、「2016年における広告予算のうちプログラマティックバイイングに充てる広告予算の割合」で「予算拡大」または「予算維持」と答えたのは51%で、プログラマティックバイイングの普及が今後拡大する兆しがあるとしている。
リターゲティング広告は82%が利用。「ブランド認知」と「売上促進」複数の効果を実感
一方で、リターゲティング広告は2015年で82%のマーケターが予算を充てており、2016年に予算を維持または拡大すると答えたマーケターが59%。多くのマーケターがリターゲティングの成果を実感していることがわかる。
また、「リターゲティングで達成できているマーケティング目標」は「ブランド認知」が最多で、続いて「売上促進」となった。最後の「刈り取り」だけではなく、マーケターはリターゲティングに複数の目標を見出している。
アトリビューション分析は多くの現場で行われていないことが明らかに
複数チャネルの貢献度を測るアトリビューション分析については、アトリビューションが「マーケティングにおいて重要である」と答えたマーケターは39%にとどまった。
また、アトリビューション分析について「何も知らない」または「どこから始めればいいかわからない」と答えたマーケターが64%と、多くの現場でアトリビューション分析が行われていないことが明らかになった。
同社は、日本ではまだ従来チャネルの施策が上位を占めているが、プログラマティックの時代が到来していること、そしてマーケターが困難に直面していることが見て取れるとし、事業成長に結びつくマーケティングゴールを達成する仕組みを真剣に考える時期に突入したとしている。
同白書は、ほかにもメールマーケティングやモバイルリターゲティングなどの調査結果を掲載しており、AdRollのWebサイトから全文をダウンロードできる。
調査概要
- 調査管理・運営: AdRoll
- 調査実査・集計: マクロミル
- 調査目的: 国内のマーケターがプログラマティック広告をどのように捉え、活用しているのかを把握するため
- 調査方法: マクロミルモニタを利用したインターネット調査
- 調査対象地域: 全国
- 有効回答数: 200(マクロミルモニタ会員)
- 調査実施期間: 2016年3月4日(金)~7日(月)
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