「Webコンテンツはもうダメだよね」にSEOのレジェンドが反論【SEO記事11本まとめ】
「コンテンツが増えすぎたせいで、もうマーケ的にはWebコンテンツの価値は下がったよね」という意見を、元Mozのランド・フィッシュキン氏が明確に否定している。
ほかにも、「グーグル画像検索結果表示の変更でSEOがはかどる?」「全ページ共通のテキストで重複コンテンツ?」「ローカルSEOの成功事例」「AMP最新情報」「最新技術を使ったPWAの威力」などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
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「Webコンテンツはもうダメだよね」にSEOのレジェンドが反論
適切なコンテンツはさらに価値あるものに (Rand Fishkin on Twitter) 海外情報
「もうWebコンテンツに価値はない」――こうした意見に対して、SEOのプロフェッショナルとしても名高いランド・フィッシュキン氏が持論をツイッターで展開した。
「コンテンツ ショック」や「コンテンツ飽和状態」のようにコンテンツの価値が下落しているとウェブマーケティングの世界で騒がれている。
コンテンツマーケティングやソーシャルメディアの隆盛で、オンラインにはコンテンツがあふれ返っている。それによって、企業がマーケティング目的でコンテンツを作ることの価値が下がっている――そういったことが方々で言われるようになった状況を受けての発言だ。
「いまだかつてないほどに多くのコンテンツが出現し、そのなかで際立つのは難しい」という意見には僕は賛同する。しかし、「コンテンツの価値が減少している」という意見には強く反対する。
世界中のより多くの人がオンラインで今までよりも多くの時間を費やし多くのコンテンツを利用している。少なくともあと20~30年はこれが当てはまるだろう。
フィッシュキン氏は、コンテンツが多すぎてコンタクトポイントを作るのが難しい状況である点は認めている。しかし、それでもユーザーがコンテンツに触れて消費しているのは間違いないのだ。
僕の考えでは、難易度が増しているのは主に次のような理由による。
- より多くの競合
- コンテンツ利用の習慣の継続的な変化(何を利用・いいね・シェアするかと、どのようにそうするかの変化)
- コンテンツ利用者の間における、ごみコンテンツを見分ける能力の向上(過去数年よりもごみコンテンツをすぐに見分けられ、そういうコンテンツに近づかないようになっている)
「フェイスブックの利用時間がやや減少」や「去年はグーグル検索からのアクセスが2.5%少ない」といった記事を目にしても、それはコンテンツ利用が全体として下降したことを意味してはいない(実際に、写真撮影やコンピュータに費やす時間を僕たちは減らしていない)。
どこでどのようにしてコンテンツが利用されているかが変化しているかを示しているに過ぎない。
一見すると「ネットユーザーのコンテンツ利用が減少している」ことを表すかのような調査データが発表されるたびに、「コンテンツは死につつある」などと言う人がいる。しかし、大切なのは個々のプラットフォームの状況変化ではない。
フィッシュキン氏は、「グーグル」「フェイスブック」といった個々のチャネルにフォーカスしすぎた考えに対して次のような警鐘を鳴らし、マーケターとして本来取り組むべきユーザーを見るべきだと警告している。
コンテンツマーケッターは、「パックが向かっている先にめがけて滑る」必要すらない。単に、パックが今あるところに向かって滑ればいい。※
新しいチャンネルは登場し続けるし、古いチャンネルでの新しい機会は出現し続ける。適切なユーザーに向けた適切なコンテンツは、今日(こんにち)ではこれまでにないほどに大きな価値をもたらすことができる。
「パックが向かう先にではなく、今パックがある場所に向かって滑ればいい」というメッセージは、SEOにおいて言われる「いまのグーグルに最適化するのではなく、グーグルが理想とする状態を想定して最適化する」という点と背反しているように見える。
しかし、彼が言っているのは「今のグーグルを見るか、グーグルの向かう先を見るか」というSEO施策の話題ではない。「いまのターゲット顧客のメディア接触行動を見る」ということだ。
「適切なユーザーに向けた適切なコンテンツ」という表現は、デジタルマーケティング業界で言われる「適切なターゲットに、適切なタイミングで、適切なメッセージを届ける」という根本の考え方に通じるものがある。
40万人以上のフォロワーをツイッターで持ち、コンテンツマーケッターとしても超一流のフィッシュキン氏の言葉だけに重みがある。
SEOにおいてもコンテンツは今後も決定的に重要だと考えていて問題はないだろう。もしうまくいっていないのであれば、ユーザーを適切に理解できていないか、コンテンツを適切に作れていないかだと考えるべきではないだろうか。
The web marketing world is buzzing about "content shock," "content saturation," and the declining value of content. I agree w/ statements like: "there's more content than ever and standing out is more difficult." But I disagree strongly w/: "the value of content is shrinking." /1
— Rand Fishkin (@randfish) 2018年2月19日
There are more people around the world, spending more time & consuming more content online than ever before. That will keep being true for at least a few more decades. /2
— Rand Fishkin (@randfish) 2018年2月19日
Increased difficulty is, IMO, mostly due to:
— Rand Fishkin (@randfish) 2018年2月19日
A) More competition
B) Ongoing shifts in consumption habits (what we consume/like/share & how is always changing)
C) Improved BS-detection among content consumers (they can spot crap faster, from further away, than in years past) /3
When you see "time spent on FB slightly declined" or "Google's referring 2.5% fewer clicks than last year," that doesn't mean content consumption as a whole is down (we're not spending less time on phones/computers). It just means where/how it's being consumed is changing. /4
— Rand Fishkin (@randfish) 2018年2月19日
Content marketers don't even need to "skate to where the puck is going," just skate to where it is. New channels keep opening, new opportunities on old channels keep emerging, and right content for right audiences can bring more value today than ever before. /5
— Rand Fishkin (@randfish) 2018年2月19日
- すべてのウェブマーケッター 必見!
グーグル検索SEO情報
グーグル画像検索の表示形式変更でアクセス増のチャンス到来か
画像検索は見落とされがちなSEO (Google SearchLiaison on Twitter) 海外情報
画像検索での画像の表示方法をグーグルが変更した
これまでは画像検索の検索結果ページで、画像の横に表示されていた[画像を表示]ボタンでオリジナル画像をもとの大きさで表示できた。
しかしそのボタンが撤去されたのだ。検索結果画面に表示された画像のオリジナルを見るには、[表示]ボタンを使って掲載先のページを訪れる必要がある。
検索ユーザーからは「改悪だ」との声があがっているようだ。しかし、ウェブ担当者にとっては、良い修正かもしれない。というのも、画像検索に掲載される機会が多いサイトは、画像検索からのトラフィックが増えることを期待できるからだ。
ところで、画像検索SEOは見落とされがちな施策ではないだろうか。ここを重視する人はさほど多くないように思われる。画像検索の最適化に関しては、公式ブログ記事とヘルプ記事を参考にするといい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
全ページに掲載の定型文のせいで重複コンテンツになってしまう!?
問題なし (John Mueller on Twitter) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターでフォロワーが次のように質問した。
法令に関係する注釈をすべてのページの先頭に掲載しています。小さなフォントサイズにはしています。
これはランキングに影響するでしょうか? 定型文であることを示すタグを設定した方がいいですか?
ミューラー氏はこのように回答した。
大丈夫だろう。そうしたことに問題があるとは思わない。
That sounds fine, I don't see a problem with that.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2018年2月16日
何らかの定型コンテンツスニペットをすべてのページに掲載するのは、よくあることだ。たとえば次のようなものが思い浮かぶ。
- 法令に関する注釈
- 免責条項
- ECサイトであれば配送に関する説明
こうしたテキストが原因で重複コンテンツ扱いされてしまうのではないかと不安になるウェブ担当者もいるようだが、心配する必要はない。
ユーザーや検索エンジンを騙すことが目的ではないし、ウェブサイトには一般的に見られるやり方だ。グーグルは理解しているので評価を下げられることはないし、ましてペナルティを受けることもないはずだ。
重複コンテンツ扱いを本当に恐れるのであれば、その部分を画像にすることもできるが、そこまで神経質になることもないだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルマイビジネスで来客が大幅アップの成功事例
ローカルビジネスにGMBは必須のオンラインツール (グーグル広告主コミュニティ) 国内情報
グーグルマイビジネスによるローカルSEOの成功事例を、アドワーズ公式ブログが紹介している。グーグルマイビジネスに登録した酒造会社が次のような成果を収めたそうだ。
- グーグルマイビジネス経由のウェブサイト訪問回数が月377件
- 経路案内利用回数は月837件
物理的な店舗やオフィスを構えるローカルビジネスでデジタルマーケティングを進めるならば、グーグルマイビジネスの活用は必須だ。
たとえば、ユーザーがどのように利用したかのデータを次のように取得できる点をみても、その価値がわかるだろう。
未登録だとしたら今すぐにでも登録してほしい。
- すべてのローカルビジネスWeb担当者 必見!
新Search Consoleはユーザーのフィードバックで改善されてきた
あなたの意見が完成版に反映されるかも (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
すでに全ユーザーに公開された新しいSearch Consoleのベータ版だが、ここに至るまでに、限定テストユーザーからのフィードバックをもとに改善されてきた経緯を紹介する記事を、公式ブログが公開した。
実際のデザインの細部だけでなく、構成に関する判断にもユーザーからのフィードバックが役に立っているとのことである。
ベータ版はまだ完成にはほど遠い状態だ。使ってみて改善点を思いついたらフィードバックしよう。あなたの意見が正式版に反映されることが十分にありえる。
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