Amazonの圧倒的な集客力&販売力を活用、世界トップの通販ノウハウを自社EC戦略へ/アマゾン ジャパン
Amazonの成長を支えてきたお客様を大切にするという理念
「Amazon」と聞いて何を連想するだろうか。「世界最大手のネット書店」や「電子書籍サービスのKindle」を挙げる人も少なからずいるだろうが、やはり「世界最大のネット通販サイト」というイメージが最も強いのではないだろうか。
米国と日本を含む世界10か国で小売ストアを展開。先日、2012年の日本市場での売上が7300億円だったと伝えられたが、これはもちろん業界トップクラスの規模だ。もし、Amazonの集客力や販売力を自社でも利用できるとしたら――。それを可能にするのが「Amazon出品サービス」であり、商品保管から発送までをサポートする「フルフィルメント by Amazon」である。
この2つのサービスを説明するにあたり、前田氏はまずサービスが生まれた背景について、Amazonの企業理念とともに語った。
Amazonの企業理念は、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」です。創業者であるジェフ・ベゾスが、起業当初から言い続けてきたことです。お客様の満足度を高めるにはどうするか。まず豊富な品揃えです。それによって多くのお客様が集まります。すると、その集客力を期待する売り手も集まり、さらに品揃えが充実して顧客満足度が高まります。このサイクルによってコストを下げる構造が生まれ、低価格を実現し、さらなる顧客満足につながります。
こうした理念を表したのが、次のコンセプト図だ。これは、創業間もないころ、ベゾス氏が仲間と食事をしながらナプキンに描いたものだと言われている。
単一の商品ページだからこそ生まれる集客力&販売力
続いて前田氏は、「Amazon出品サービス」について解説。これは、Amazonという売り場でEC事業者が商品を販売できるサービスで、2007年から開始された。Amazon.co.jpで扱っている商品は約5000万種以上。前述のコンセプトに基づき、膨大な品揃えで顧客ニーズに応える売り場を実現しているわけだが、これだけの商品種を揃えられるのは、Amazon出品サービスを活用している出品者の貢献も大きい。
Amazon出品サービスの大きな特徴は、「1つの商品に対して1つの商品詳細ページしか存在しない」というものだ。一般的なテナント型のショッピングモールサイトでは、店舗ごとに商品ページが用意される。同じ商品でも、店舗サイトAと店舗サイトBでは、商品説明や写真などが異なるのが当たり前だ。ところがAmazon出品サービスの場合、同じ商品については、どの出品者も同じ商品ページを利用して販売することができる。
お客様にとっては、最短のステップで探している商品にたどり着くことができ、複数の店舗をハシゴせずに済み、比較もしやすいのがメリットだ。一方、出品者にとっては、商品のページが1つに絞られることで、お客様を効率的に集客することができる。また、すでに商品詳細ページがある場合は、新たに商品ページを作成せずに出品できるため、手間をかけずにネット通販を行えることも大きい。販売しようとしている商品の詳細ページがないことも想定されるが、そうした場合は、出品者は新たに商品詳細ページの作成を行う。
Amazonには、レコメンデーション(おすすめ)機能、アフィリエイトやカスタマーレビューなど、集客力や販売力を高める技術が多くあります。これらの技術は、商品詳細ページによって商品ページが共通化されていることが大きく影響しています。例えば,新しい出品者であっても、それまでに築かれてきたWeb上の商品紹介リンクやレビュー、検索エンジンでの評価を利用することができます。これは出品者にとって、非常に大きなメリットになります。
商品保管・配送の仕組みもAmazonのものを活用できる
Amazon出品サービスを利用するなら、ぜひ検討したいのが「フルフィルメントby Amazon(FBA)」だ。通常のネット通販は注文数が増えると注文処理や出荷、お客様とのやりとりが増えるのが悩みの種だが、FBAはそれらをAmazonが代行するので、注文数が増えても、出品者の手間は増えず、Amazonが在庫を持つ商品と同様、お客様の注文に迅速に対応できるようになる。利用コストは商品サイズと保管期間に応じた従量制なので、初期コストも抑えられる。
日本では、全国に物流拠点があり、商品保管、注文処理、配送までを管理しています。FBAを利用することで、これらの物流インフラをAmazonの直販商品と同じサービスレベルで利用できます。送料無料や当日配送といったサービスも同様で、これはお客様に対する販促効果にもなります。
同社が,2012年1月にFBAを利用している出品者を対象にアンケートを行ったところ、86%がFBAの利用開始前と比較して売上アップを実感したと答えた。さらに、59%の回答者が「20%以上の売上アップがあった」、28%の回答者は「50%以上の売上アップがあった」と答えた。このようにFBAは、確実にコンバージョン向上につながっているのだ。
FBAは従量制であるため、例えば、季節によって販売動向が変わる商品なら、それに合わせて利用規模を調節することも容易だ。また、Amazonの物流拠点に商品さえ納めておけばあとは「おまかせ」なので、お盆や正月の休業時期でも勝機を逃さずに済む。
Amazonでは、出品者向けのサービスをさらに拡張している。「FBAマルチチャネルサービス」は、自社サイトや他のショッピングモールでの受注に対してもFBAを利用できるというものだ。また、本やCD/DVDを、FBAを使って海外に販売するサービスも提供している。
このように進化を続けるAmazonだが、前田氏はその原動力は「顧客中心」「発明」「長期的思考」の3つにあると語った。同氏は、次のように説明して講演を締めくくった。
私たちはお客様の声に耳を傾けるだけでなく、お客様が何に困っていて何を求めているかを予測し、お客様がそれに気づく前に生み出す(発明する)ことを心がけています。また、物流拠点や電子書籍などのデジタル商材に積極的な投資を行なっているのも長期的思考でお客様からの信頼を得るためです。
※Amazon、Amazon.co.jp、アマゾン、Kindle、フルフィルメント by AmazonおよびAmazon.co.jpロゴは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
アマゾン ジャパン株式会社
URL:http://www.amazon.co.jp/
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