Googleインスタント検索がSEO業界にどんな影響を与えたか調査データで確認してみよう
うーむ、これについては以前書いたこの記事にリンクするだけで終わらせておきたい気もする。
でも、Googleインスタント検索の導入による検索順位の変動は(少なくとも今のところ)、通常のアルゴリズム・アップデートによる変動よりも小さいということを示すデータが実際に少しあるので、お知らせしておこう。
検索からの訪問88万件の解析――ほぼ変化なし
Conductorが、同社ソフトウェア・プラットフォーム上にある複数のサイトの匿名データから、説得力のある素晴らしい調査結果を発表している。
ふむ。僕の目にはまったくと言っていいほど同じように見える。4ワード、5ワード、6ワードのフレーズでちょっとだけ増えているというのは、この動きがロングテールの息の根をとめるのではないかという多くの予測や不安に反するように思える(もっとも、公平を期するなら、グーグルの「サジェスト」機能がもっと分かりやすくて見やすくなり、検索者がより具体的な検索語句を指定するようになるにつれて、わずかに増加すると予測している賢明な検索業界人も多かった)。
1万件以上の検索からのデータ――ほぼ変化なし
MECのマット・ベネット氏がそのブログで、自身が管理している5つのサイトから得られた約1万件にのぼる検索のデータをとりあげ、この素晴らしいグラフを公開している(上に掲載したグラフとよく似ている)。
これもまた、キーワードの需要には(あるにしても)きわめて微妙な変化でしかないことを示している。
SEOmozとOpen Site Explorerにおけるグーグル検索トラフィック――ほんの少し変化
Conductorほどたくさんは示せないけれど、SEOmozのデータもちょっとお見せしよう。
まず、Googleインスタント検索導入前の1週間と導入後の1週間で、グーグルからSEOmoz.orgへのトラフィックを比較したものだ。
さらに、Open Site Explorerへのグーグルからのトラフィックも同じような形だ。
インスタント検索の導入後も、キーワード需要における変化は、ホントに変化しているのかと疑うほど小さいものだ。それに、こういったサイトが広いウェブの世界を代表するとはとても言えないけれど、検索業界にいて、この2サイトにつながりそうな検索語句を使っている人には、Googleインスタント検索のことを認識して使っている人がたくさんいるだろうことは、ある程度確信をもって言っていい。
僕の目についた大きめの変化といえば、グーグルのサジェスト機能自体が少し変化しているらしいということだ(この話題を取り上げてくれたツイートに感謝)。
この変化について文句は言えないな(^^)
その他、このテーマについて読んでおきたい情報
SEO業界で、これを深刻な脅威と受け止めたり、間もなくSEOのベストプラクティスやキーワードの需要が劇的に「変化する」としきりに予想を述べたりする人が多いことにびっくりしている。大して影響のない技術的変更をめぐって、グーグルの広報が流す情報なんか、僕らはたいてい上手に聞き流すのだが、この件に関しては、いつもよりもしつこく続いている気がする。
それはそれとして、目を通しておく価値がある(少なくとも、知っておくほうがいい)と思うものもある(すべて英語記事へのリンク)。
- Googleインスタント検索は実際にはBingの宣伝キャンペーンへの対抗策だ(Search Engine Land)
- グーグルに必要なのはインスタント検索ではなく、検索意図を理解することだ(Michael Gray)
- 3,000名を超えるMashable読者の投票によれば、Googleインスタント検索の方が(ほんのわずか)好まれている(Mashable)
- これにリンクするのは残念だが、PC Magazineの意見撤回は、検索への悲しいまでの無知を示している。彼らはSEOとPPCを混同し、マーケターは単語の断片を基にして広告を買う(「flowers」のために「flow」に入札する)必要があるかもしれないなどと考えていた。
- 広告とクエリのトリガリングに関する説明(原則として3秒間の検索結果表示が必要)(AdWords、これは日本語記事へのリンク)
- Googleインスタント検索ユーザーガイド完全版(Search Engine Land)
- Googleインスタント検索がいかにオーガニック検索結果を端に追いやるかを示す全体像(SEO Book)
- キーワード需要の変化について自分のデータを計算する助けになる、ダウンロードできるスプレッドシート(SEER Interactive)
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