アドワーズ広告に電話リクエストのフォームを表示する新機能
今日は、キーワード広告の情報を。グーグルがアドワーズ広告でテスト中の、電話リクエストフォーム機能に関する情報です。
キーワード広告の情報やノウハウを伝えるブログ「The Adventure of PPC Hero」によると、グーグルアドワーズ広告で、キーワード広告内に入力フォームを表示して、広告主からフォーム入力者に電話で連絡できる機能をテスト中とのこと。
米国内のアドワーズ広告で一部の広告主がベータ版としてテストを行っている「連絡フォーム拡張(contact form extention)」と呼ばれる機能で、次のようにして動作するとのこと。
- この機能が有効になっている広告が1位に掲載されると広告の下に「+」ボタンが表示される。
- 検索ユーザーが「+」ボタンをクリックするとフォームが表示される。
- 検索ユーザーがここに連絡先などの情報を入力してグーグルに送信する。
- グーグルは受け取った情報を元に、「見込み客ID」とリクエスト内容を広告主にメールで通知する(クリック入札価格の最高額と同等の支払いが発生する)。
- メールを受け取った広告主がグーグルの専用電話番号に電話をかけて「見込み客ID」を指定すると、リクエストされた番号に電話がつながる(広告主はメール受け取りから24時間以内に電話連絡をする必要がある)。
現在は電話での連絡しか選べないが、将来は電子メールやライブチャット(メッセンジャー)での連絡も使えるようにする予定だという。
また、広告主はフォームに独自の入力項目を3つまで追加できるが、検索結果画面でその項目が全部表示されるかどうかは、グーグルの独自アルゴリズムで判断されるとのこと。
いわゆるペイパーコール(電話1件あたりの支払い)形式の広告ですが、
- 見込み客側は電話代も含めて費用が一切かからない
- 広告主もフリーダイヤルを用意しておく必要がない
- 広告主からの電話はグーグルの仲介が入るため、見込み客側に営業電話攻勢の心配がない(受けた電話の会話で自ら伝えない限り、電話番号の情報が広告主に伝わらない)
といった特徴があり、うまく考えられた仕組みです。説明やカスタマイズが必要な商材や、顧客ができるだけ早く欲しがる商材などでは、ウェブサイトよりも人間が電話で対応するほうが効率が良い場合があり、この仕組みは効果を発揮するでしょう。
電話連絡の時間リミットは24時間と設定されていますが、海外&国内SEO情報の記事で紹介したマサチューセッツ工科大学の調査結果で「フォームからの問い合わせに対する返事は時間がかかればかかるほど成約につながる可能性が下がる
」とされているように、グーグルからの連絡メールには可能な限り早く対応するべきでしょう。24時間という猶予は、営業時間外にフォーム送信された場合のためと考えておいたほうが良さそうですね。
・“鉄は熱いうちに打て”はウェブの世界も同じ
→ http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2010/01/22/7211#asap
また、電話連絡という都合上、商材の利益率によっては、あまり遠隔の人には広告を表示しないように地域ターゲティングを設定しておいたほうがいい場合もあるかもしれません。
この機能のおもしろい点は、Web担で紹介しているような「Webサイトのユーザビリティを改善する」「顧客のニーズに対応したコンテンツを掲載する」といったWebサイトで成果を出すためのアクションをすっ飛ばして、検索エンジン→電話対応というルートを作ってしまうこと。中小企業や個人経営店舗など、Webサイト作成に費用や時間をかけられない人でも、インターネットユーザーを売上につなげられるルートができるということですね。
場合によっては、この機能はレストラン情報サイトや価格比較サイトを中抜きにしてしまうかもしれません。さらには、賢い消費者はそういったサイトで調べたうえで、あえて検索エンジンから電話連絡リクエストをするかもしれません。そうなると、広告主は価格比較サイトに掲載しておかないと選択肢に入らないし、電話連絡フォームを提供しておかないと最後の刈り取りもできないという状況になるかもしれないという懸念はあります。
とはいうものの、広告主にとっては使いやすく効果が見える広告商品なので、日本での導入にも期待がふくらみます。楽しみですね。
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