メールマーケティング基礎講座

特定電子メールはどこまで? 担当者が気になる15問のチェックシート―メールマーケティング特集(9)

特定電子メール法改正がもたらした変化を再確認

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Q&Aでわかる陥りやすい問題点とその対策法

最後に、特定電子メール法についてよくある質問をまとめたので参考にしてほしい。

同意の取得

  • Q1. 同意の取得・確認のために送信されるメールも特定電子メールに該当しますか?

    A. 最終的に広告・宣伝メールを送信することを目的としたメールであれば、広告又は宣伝を行うための手段として送信される特定電子メールにあたります。ただし、オプトインの例外に該当する場合もあります。

  • Q2. 同意の取得をメールの送信と返信により行う場合は空メールでの登録も含まれますか?

    A. 空メールがオプトインの前段階の行為(空メールを送った後の返信メールに記載されているURLにリンクし、その画面で登録する場合)であれば該当しません。空メールの送信のみで登録が完了するものであれば、同意の取得にあたるので、メールマガジンなどを送信する旨を明記し、その書面等を保存する必要があります。

  • Q3. 名刺交換した人に一斉送信する場合はオプトインと認められますか?

    A. 名刺交換した人は、「取引関係にある者」に該当し、オプトイン規制の例外として同意を得なくても特定電子メールの送信が可能な場合として認められています。名刺交換をした段階で、その後メールでのやり取りが発生する可能性があることが認識されているという前提ですが、名刺交換の際に「今後メルマガなどを送らせていただきます」と一声かけるとより丁寧です。

  • Q4. 同意の取得は、チェックボックス欄をあらかじめオン(デフォルトオン)にしておいても問題はありませんか?

    A. 問題はありませんが、デフォルトはオフにしておくのが望ましいです。総務省のガイドラインでもデフォルトオフが推奨されています。

  • Q5. 同意を取得する際は配信メールの詳細まで記載した上で同意を取得する必要がありますか?

    A. 同意の範囲について求められているのは、特定電子メールを「送信すること」であって、送信するメールの種類や内容まで特定して同意を取ることまでは義務として課していません。ただし、トラブルを未然に防止するためにも、容量や送信の頻度を記載しておくといいでしょう。

  • Q6. 事業譲渡・事業継承を行った場合は再度同意を取得しなければなりませんか?

    A. 基本的に送信者または送信委託者の名称に変更があった場合と同様と考えられ、特定電子メールの送信に関する権利義務を継承していれば有効です。しかし、受信者が認識しやすいように合併・事業継承等があった旨を通知して、その事実を受信者側に認識させることが推奨されます。

  • Q7. 1つのアドレスに複数の使用者がいる場合(メーリングリストなど)はどうすればいいのでしょうか?

    A. メールアドレスは1人の受信者と紐付けて扱われる場合が多いので、特別な事情がない限りはメーリングリスト参加者の1人が同意の通知をしていれば問題ありません。

同意の取得の保存

  • Q8. 法改正前の同意記録は保存していないが、もう一度(明示的な方法で)同意を取得する必要がありますか?

    A. 法改正前の2008年(平成20年)12月1日以前に同意を取得しているユーザーについて改めて同意を取得する必要はありません。

  • Q9. 「同意」の取得記録はどのように残しておけばいいのでしょうか?

    A. 同意の取得方法によって記録方法が異なりますが、Webサイト上で同意を取得した場合は登録画面構成のスクリーンショットを保存しておくことが望ましいと考えます。

    • 書面:当該書面に記載した定型的事項
    • 電子メール:当該電子メールの定型的部分
    • Webサイト:当該Webサイトの画面構成(スクリーンショット)
  • Q10. メルマガ受信者がメールアドレスを変更した場合は変更前のアドレスも保存しておく必要がありますか?

    A. 保存義務はありませんが、個別の電子メールアドレスの変更があった場合には、同意取得の記録保存期間内(1か月)はその変更記録を示すことができるようにしておくことが望ましいとされています。

  • Q11. 特定商取引法に関する法律ではメール送信の承諾記録を3年間の保存することを義務付けているが、どちらに合わせればいいのでしょうか?

    A. 特定電子メール法は、電子メールの送受信上の支障の防止を目的とし、特定商取引法に関する法律は、通信販売を含む特殊な販売類型について、その取引を公正にして購入者等の損害の防止を図ることを目的としています。この目的の差異から、両法は異なる法体系をとっています。それぞれの法律をしっかりと理解した上での運用が求められますが、期間が長いほう(3年間)に合わせておけばまず問題はないでしょう。

表示義務・その他

  • Q12. 配信停止の手段についてメール内に記載しきれない場合は、リンク先を記載する方法でいいのでしょうか?

    A. 配信停止の通知ができる旨は、通知先のアドレスやURL等の直前または直後に表示しなければいけませんが、具体的な配信停止手段はリンク先に記述することが可能です。

  • Q13. 表示義務についてはどこに記載するのがいいでしょうか?

    A. メールの本文の最初または、最後に記載することが望ましいとされています。

  • Q14. ASP型のメール配信システムを利用しているが「送信者」はどこになるのか?

    A. メール配信システムの利用者が「送信者」になります。「送信者」とは、営利を目的としてメールを送信する団体または営業を営む個人が対象となるため、メール配信システム提供会社は「送信者」にも「送信委託者」にも属しません。

  • Q15. 個人情報保護法上の実運用と矛盾が生じる可能性があると思うのですが?

    A. 個人情報保護法律第27条第1項では、同法の規定に違反した取り扱い等をされていることを理由とした本人からの求めによる個人情報の利用停止等について規定されています。同法の範囲内では、「違反を是正するために必要な限度で」利用停止等を行うべきこととされており、特定電子メール法第3条第2項の記録として保存されている情報は、保存期間内においては「消去」でなく、「利用の停止」で対応する方法が考えられます。

「特定電子メール法」関連参考リンク

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