エヴァ携帯の50倍ワクワクする ドコモiモードブラウザ2.0の進化
ドコモの2009年夏モデルの端末が発表され、ヱヴァンゲリヲンケータイやアンドロイド搭載のHT-03Aに注目が集まっていますね。
でも、Web業界の人間ならば、エヴァ携帯で喜んでる場合ではないのです。なぜなら、この世代から、ドコモケータイに搭載される標準のブラウザが「iモードブラウザ2.0」になり、強力にパワーアップするからです。
すごい、すごいよiモードブラウザ2.0
具体的には、iモードブラウザ2.0には、次のような新機能が追加されています。
- JavaScript対応(Ajax含む)
- ページ埋め込みFlash動画(FLV)対応
- 外部スタイルシートを含むCSS対応強化
- RSSで更新情報を知る「マイニュース」機能
- クッキー対応
- リファラー送出
- サイズ制限が100Kバイト→500Kバイトに
少し前にke-tai.orgなどで「こうなるんじゃ?」「ドコモがテストでアクセスしてきたログがあった」と報告されていた内容ではありますが、ドコモさんは今回かなりちゃんと作ってきましたね。
これまでは、機能や表現力でいうと、
でした。フルブラウザを使う人はごく一部だったので、フルブラウザ前提でサイトを作るわけにもいきませんからね。
でも、iモードブラウザ2.0は、ブラウザとしての機能はiPhoneやアンドロイドと同等になり、表現力やユーザビリティをかなり高められるようになっていますよね。いや、FLVを利用できる分だけ、iPhoneよりも高い表現力をもつといえるかもしれません。
また、これまでドコモではできなかった、
- 外部CSSを使ってデザインしたり
- クッキーを使って会員ユーザーのセッションを管理したり
- 携帯アクセス解析でもリファラーを調べたり
といったことも、他のキャリアと同様にできるようになり、開発者の負担が減って良いことばかり。この変化には、エヴァケータイよりも興奮しませんか?
でも良いことばかりとは……
ただし、iモードブラウザが高機能になって良いことばかりだとは言えないのも事実。
iモードブラウザ2.0を搭載した端末は全体のごく一部に過ぎないので、引き続き古いiモードブラウザ対応は必要。ケータイ端末の買い換え間隔が長くなっているのが現状なので、開発者から見たら、当面は、大きなバリエーションが増えて対応に工数がかかって大変だとも。
JavaScriptやクッキーに対応したことで、これまでは発生しなかったセキュリティ上の問題に、さらに注意する必要があります(XSSやCSRFなど)。しかも、既存のサイトにiモードブラウザ2.0でアクセスするだけでセキュリティ問題を引き起こす可能性があるのが厳しいところ。
また、Ajax、CSS、クッキー、リファラーなどに対応したとしても、携帯は携帯。PC向けサイトとまったく同じとはならないのは、これまでと同様ですね。画面が小さい、長文の入力が面倒といった点、検索エンジンのアルゴリズムもPC向けとは違う点も変わっていませんし、ユーザー層や利用シーンもPC向けサイトとは異なる想定が必要なのも、今までどおりですね。
どう使うの? それは例を見るのが一番
では、iモードブラウザ2.0の新機能はどのように使えばいいのでしょうか? 新しモノ好きの人が多いこの業界、すでにいくつか例がありますので、見てみましょう。
●アスキーメディアワークスの運営する公式サイト「ケータイ週アス」では、早速iモードブラウザ2.0に対応した機能を実装しています。同サイトの運営に使われている携帯CMS「ZEKE CMS(ジーク・シーエムエス)」の機能を利用して実現したということですが、このiモードブラウザ2.0対応の機能は、ユビキタスエンターテインメントが本日付けでリリースした新バージョンのZEKE CMS 4.0から搭載されているものだということ。
具体的には、
マイニュース対応――RSSを提供することでサイトの最新情報を簡単に入手。
- サイト着せ替え機能――ページの色などを再読み込みなしにその場で好きなものに変更。
リアルタイム検索――キーワードを入力するだけで検索窓の下にどんどん検索結果をAjaxでページ遷移なしに表示。
- コンテンツ折りたたみ機能――長いページをアコーディオン式に折りたたんでおいて、見たい部分をすぐに開ける。
- Flashオーバーレイ表示――動画を選ぶとページ遷移なしにそのままFlashムービーがカットイン。
といったところ。
とはいえ、これらの機能は新端末でなければこの機能を体験できないので、どんな感じかムービーでご覧いただくのがわかりやすいでしょう。
●また、モバイル向けの開発やソリューションで定評のあるKLab(クラブ)も、i-modeブラウザ2.0が生み出す新しい携帯体験という記事で、次のような実装を、例として挙げています。
- 折りたたみ型メニュー
- 動的更新のミニブログ
- カバーフロー → 動画の流れを、ページ遷移なしで表示
- FLVによる動画バナー広告
- 音楽ランキングとプロモーションビデオの同時配信
いくつかについて、動作をイメージできる動画がページに掲載されていますので、こちらも参考になるでしょう。
ちなみに、今回紹介したZEKE CMSは、主に公式サイトを中心に採用されている定番の携帯CMSです。大手の携帯CMSとしていち早くiモードブラウザ2.0に対応した新バージョンのZEKE CMS 4.0では、定評のある機能や安定性に加えて、ケータイ週アスの事例で触れたようなiモードブラウザ2.0対応機能のAjaxテンプレートや、ペルソナ対応のアクセス解析、メルマガ作成・送信、高解像度画像ビューアなどの機能のほか、公式サイトの更新・運営を楽にするさまざまな機能が追加されています。
かなり力の入った新バージョンのようで、新バージョンのお披露目を、「IPAX 2009」(5/26~27@東京ドームシティ)と、「Interop Tokyo 2009」のIPA特設ブース(6/8~12@幕張メッセ)で行うとのこと。興味のある人はイベント会場に行くと、実際に触れたりデモを見たりできるようですよ。
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ドコモ関係追加情報
ディー・ワークスのモバイルアクセス解析ツールwelloutがドコモのリファラ送出に対応してますね。