再加工や再配信が可能で検索性の高いデータを流通させる

ページ

再加工や再配信が可能で
検索性の高いデータを流通させる

安田英久の写真3

●安田 これまでは、フィードがHTMLとは別のメディアになるというお話だったと思います。たとえば、ラジオやテレビが普及したのは、雑誌や新聞では実現できない音声や映像などの特徴をあったからですが、今後フィードが新たなメディアとなるにあたってはhtmlにない特徴をユーザーに示していかなければなりません。

●小川 やはりそれは、更新情報ということになるでしょうね。よく私は新聞紙と新聞サイトの違いを例に出すのですが、一番の違いは新聞サイトには昨日のニュースも一週間前のニュースも載っているということです。朝起きて、ニュースサイトに載っている記事を全部読む人は絶対にいませんが、毎朝配達されてくる新聞を一字一句読む人はきっといるはずです。毎日来る新聞は、広告を除いてほぼ100%が更新情報です。過去のニュースは載っておらず、最新のニュースしか載っていないので全部読むわけです。つまり、新聞サイトも更新情報だけを出せばよくて、それがフィードとなるわけですね。サイトには過去も含めた情報は載せているけれども、最新ニュースはフィードで飛ばしてその日のうちに消すということをやればいいのです。

●安田 あとは、メタデータという面もメリットとなるのでしょうか。

●小川 そうですね。メタデータだけをかき集めていけば、検索性が非常に高くなりますから。

小川浩の写真5

●安田 セマンティックウェブをどのように実現するかをみんな諦めてきている気がするのですが、そのあたりに何かヒントがありそうですね。

●小川 フィードは、かなりセマンテックであるし、味気ないけどコンパクトであると思います。

●安田 味気ないのはサイトの更新情報としてのみ使ってきたからであって、メディアとして使い始めれば味気ないところからは脱出していくでしょうね。

●小川 フィードの未来というのはそこにあるのかな、と思っています。たとえばメールに関して言えば、人間が書いているメールという市場もありますが、同時に機械が発信するアラート的なメールの市場も急増しています。銀行振り込みを行ったら送られる「振り込みました」メールや、チケット購入確認のメールなどのような、リアルタイム性が比較的要求されて、それぞれの状況でほしい情報は、スパムの心配がないフィードに置き換わってもいいと思っています。

インターネットが変わり始めているのは間違いなく、Web 2.0もその1つでしょう。Web 2.0の世界についてはいろんなことが言われているし、私もいろいろとこじつけているのですけど(笑)、基本的に一番大事なことは“オープンデータである”ことだと思います。外で流用できる再加工可能なデータで書き出しておくことが重要なのです。現在は、フィードは検索されづらい状況があるためオープンデータとは言いづらい部分があるのですが、それが解消されれば、再加工や再配信ができて検索性も高いデータで書くということが進んでいくと思います。

●安田 Web 2.0のコアがCGM(Consumer Generated Media)だという話や、ユーザーが変わったからウェブが変わったといった話がありますが、どれだけデータが生み出されていてもそれをうまく利用できなければ、Web 2.0の流れにはならなかったと思います。もちろん、その一翼を担ったのはグーグルですが、一般の人の目には見えないけれどフィードも一翼を担っているといえますよね。

HTML抜きのフィードというメディアが日本国内でどうなっていくかは、誰かがキレイなデータを作れるんだよ、というのを見せて、実際にやって行くことが必要になってきますね。そんな中で、「modiphi」のサービスはいつから開始されるのでしょうか。

小川浩&安田英久の写真

●小川 サイト自体はオープンしていますが、サービス開始は5月下旬を予定しています。書き出したフィードをmodiphiではなくドメインマッピングすることも予定しているので、まずはとりあえず、使ってみてほしいですね。

●安田 そうなると、フィードならではの表現形式なども考えていかなければなりません。

●小川 やはり読ませるフィードにしなければならないので、そのあたりがプロフェッショナルエディターの腕の見せ所だと思います。広告をフィードで出したときに、どうやってクリックさせればよいのかなどは未知数で、これから考えていかなければならない部分です。メールマガジンには「メルマガ道」といった本が出ていましたが、同じように「フィードマガジン」といったメディアが出てくるかもしれませんね。

イベント実施概要

  • 名称:第6回フィードビジネス・サミット『GCM時代のネットマーケティング』
  • 日時:2007年4月11日(水)10:00~18:00(9:30受付開始)
  • 場所:ベルサール九段 3Fイベントホール
    東京都千代田区九段北1-8-10 住友不動産九段ビル【地図】
  • 主催:株式会社インプレスR&D、Feed Business Syndication
  • 参加費:5,250円(税込)※ランチボックス付き
  • 参加の申し込みは以下のページから
    http://direct.ips.co.jp/book/internet/seminar070411/

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ライブコマース
ライブ配信を活用したECの販売促進手法。動画サービスのライブ配信機能やライブ配信 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]