ブランドサミットでのアラン・シュルマン氏の「ジャズ演奏におけるグループモデルから学ぶブランドマーケティングイノベーション」にたいへん触発されました。
昔「ハイネケン・シティ・ライブ・ツアー」というイベントを担当した経験があり、長年続けたツアーの最後が今では懐かしい芝浦インクスティックでのマーカス・ミラーでした。同時期に来日していたマイルス・デイビスとデビッド・サンボーンがマーカスの公演を観に来ました。
私はロック少年でしたので、むしろジャズはジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」がきっかけで、「リターン・トゥ・フォーエバー」とかいわゆるフージョン系を聴いたりしましたが、基本ジャズは仕事上での付き合いです。
さて、先日の話を、中学2年でバンド組んで以来約40年ロックバンドの一員である自分自身が体感的に理解できるロックバンドモデルに置き換えてみたいと思います。
ロックという音楽ジャンルに関しては、私なりの定義があって、そもそも白人(特にブリティッシュ)が極めて意識的にサウンドを作り上げたもので、リズム&ブルーズやロックンロールとは違います。ルーツがアフリカの人たちの生まれたときから身についているリズム感には到底かなわないことを悟った人が、人工的に創った音楽だと思います。なので、人生の機微を詠うだけでなく、より社会的な「メッセージ」を放つための道具になったのだと思います。ただ当然、ロックンロールやリズム&ブルーズをベースにはしているので、「ノリ」(ジャズだとスイング感)とかビート感によって、そのメッセージがよりドライブされるようになっているのです。
ギター小僧だった私にはロックギターの「リフ」と呼ばれるフレーズをどれだけ自分の指に覚えさせるかがテーマでした。「リフ」というのはもちろんロックだけで使われるわけではありませんが、特にロック、そしてロックギターには一種の『音楽的アイディア』と捉えられます。語源は定かではありませんが、Rythum Figure「リズム原型」やRefrain「リフレイン」から来ているといわれています。
コアアイディアである「リフ」を主にギターが奏でることが、ジャズとロックの違いでもあります。ただロックバンドのメンバーは全員それぞれの楽器で「リフ」に入魂すべく演奏するのです。ビート感ある「リズム」セクションによって担がれた音楽的アイディアである「リフ」。そしてこの「リフ」によって、言葉による主張である「メッセージ」がドライブして刺さってくるのがロックの真髄です。そしてそこにギターソロやドラムのおかずがあって聴いている者の満足感は最大化されます。
これをマーケティングプラットフォームに置き換えてみます。
マーケティングメディアをPOEに整理したのが、「トリプルメディア」ですが、誰とのリレーションを担当するのかという機能で整理すると、メディアリレーション、カスタマーリレーション、そして今は、ソーシャルリレーションの3つかと思います。そこにWebマネージメントないしWebサービス部門がクロスするイメージです。
メディアリレーション機能には「広告」と「広報」、カスタマーリレーション機能には「CRM部署」「カスタマーセンター(お客様窓口)、そしてソーシャルリレーション機能には今後のカスタマーリレーションとパブリックリレーションの融合を見据えた統合部署とWebサイトとソーシャルメディアを統合して繋ぐ部署が相当します。これらの機能に対して各ブランド担当者(つまり個別ブランドの売上利益責任を負う担当者)がマトリックス型に関わることになります。(これが次世代型のマーケティング体制と考えます。)
ブランドサミットでの私のプレゼンでは、広告とCRM、ソーシャルとWebサイトという軸に対して、それぞれがクッキーや会員ID、顧客ID、ソーシャルアカウント(ID)が紐づいていくこと。それに対応して、企業内のそれぞれの担当部署(宣伝部、CRM部署、Webサイト担当、広報、ブランド担当者など)がいかに回路を繋ぐかというテーマとしました。どうしたら繋がるか・・・。それはまたの機会にして(そこがコンサルとしての私のビジネスですが・・・)
さて、メッセージという点では、ロックのメッセージもマーケティングメッセージも同じです。ただし、ただ歌詞を叫ぶだけでは伝わりません。リスナー(ないし観客)が「カッコイイ!」と感じる「リフ」に載せないといけない。
そして「リフ」を最も「かっこよく」聴かせるためのリズムセクションのビートが必要です。
その意味で、マーケティングメッセージ(歌詞)をつくるのはブランド担当者です。
そして「リフ」つまりコアアイディアにあたるものをつくるのは、従来広告代理店にほとんど投げていましたが、キャンペーンモデルでのマーケティング施策には限界があります。オウンドメディア、ソーシャルメディアでも展開するマーケティングプラットフォーム型施策にシフトするとなると、主に広告代理店とインターフェイスしてきた「広告宣伝」だけでなく、「広報」「Webサイト制作」もちろん当事者であるブランド担当も対象です。また今後はCRMから新規顧客獲得のための対象者やインサイトを発見することも可能なので、CRM部署の参画も非常に有効です。いずれにしても現状のどの部門がやるということではなく、メディアリレーション、ソーシャルリレーション、カスタマーリレーションの3部門からとブランド担当の4者がチームを組むことが必要です。
そのためにも、出来るだけ顧客および未来の顧客を把握することが重要なので、①広告とCRMを繋ぐ、②Webサイトとソーシャルメディアを繋ぐ、③WebサイトとCRMを繋ぐ、④広告とソーシャルメディアを繋ぐ、⑤CRMとソーシャルメディアを繋ぐ、⑥広告とWebサイトを繋ぐ、という回路接続によって、「顧客の発見」、「将来の顧客の発見」、「顧客の文脈の発見」、「顧客インサイトの発見」、「ゴールデンパスの発見」、「KPIの発見」を社内共有情報のなかで把握すべきなのです。
そしてリズムセクションにあたるのが、プラットフォームを運営するメンバーです。最適なテンポで、かつメリハリを利かすのがポイントでしょう。運用の上手下手でパフォーマンスが大きく違うのは言うまでもありません。
プラットフォーマーはパフォーマーでもあります。
リズムセクションはバンドの中でも最も息が合っていなければなりません。ドラムとベースは、企業内セクションでいえばWebマネージメント部門と広告・広報部門です。ちょっと言い換えるとテクノロジー部門とマーケティング部門という感じでしょうか。いずれにしても従来ないセクションを新たにプラットフォーム運営部門として最初は横断プロジェクトとしてスタートするイメージです。そして従来交わることがなかったテクノロジーとマーケティングが最も息のあったベースとドラムになることが最大のポイントでしょう。
ロックのメッセージ = マーケティングメッセージ
リフ = コアアイディア
リズムセクション = プラットフォーム運営
ただ、歌詞(メッセージ)をつくる人がボーカリストになるかどうかは別の問題です。ギタリストがつくってもいいわけです。ギターのリフも必ずしもギタリストでなければつくれない訳ではありません。バンドのいいところはいっしょに活動していることでお互いの良さを理解し合い、長所を引き出すことができることです。
というような話を今、レッド・ツェッペリンを聴きながら書いています。ロック界最高のドラマー、ジョン・ボーナムと3大ギタリストのひとりであるジミー・ペイジ、そしてロックボーカリストとしても3本の指に入るロバート・プラント、しかしこのバンドはジョンジーこと、ジョン・ポール・ジョーンズが支えていたかもしれません。
彼の音楽性の広さと深さが、尖がった3人を融合させ、最高のバンドに仕上げたように思います。
いちばん融合すべきそれぞれの領域に精通した企業内のジョン・ポール・ジョーンズは誰になるでしょうか。その人が次世代の企業マーケティングのプロデューサーかもしれません。
- 『SEOエキスパートが語った最適化TIPS×26』::海外&国内SEO情報ウォッチ -
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柄にもなく釣りっぽく「ひとつ」とかタイトルに入れてしまいました。
「たったひとつ」にしなかったのは良心です(笑)
さて、ペンギンアップデートがあり、被リンク対策そのもののあり方が論じられている一方で、
鈴木謙一さんの海外EO情報ブログのSMXロンドンのレポートにもあるようにそれでも、「バックリンクは重要」なわけです。
結局のところ、
「バックリンクは重要だけれど、対策の仕方を誤ると危険ですよ、もしくは効果がありませんよ」
ということなのですが、自作自演であろうとなかろうとリンクバイイングしようとしまいと、
リンクにおいて重要なところはひとつに絞られてきているかなと思います。
それは、鈴木謙一さんのSMXロンドンのレポートにもあるように、
「リンクがトラフィックを生むか?」
だと思います。
ペンギンアップデートで大きくランクを下げたものは、基本的にトラフィックを生まないリンクが付けられていたものだと思います。
また、昨年から多発しているウェブマスターツールへのPageRank操作を目的としたリンクがある旨の警告に関しても、その警告対象となっているものは、トラフィックを生まないリンクでしょう。
逆にトラフィックを生むリンクであれば、それはペナルティ対象になることは少ないでしょうし、効果としても大きいでしょう。
(ただし、Googleが禁止している直リンクの広告の一部はトラフィックを生むかもしれません。あくまで“一部”だと思いますが。)
そもそもトラフィックを生むリンクは、質の高いサイトからつけられた質の高いリンクということになるはずですので、これはSEOにおいて重要な要素であることは周知の事実です。
ですから、ソーシャルであろうがなかろうが、トラフィックを生んでくれるようなサイトから、トラフィックを生んでくれるようにリンクを張ってもらうことが重要になるわけです。
ここに対する手段はいろいろあると思います。
リンクベイトコンテンツによって、はてなブックマークの人気エントリーなどトラフィックを大量に生むようなソーシャルメディアからのリンクが生まれるのも効果があることですし、
極論、リンクバイイングでも、リンク元サイトとテーマが完全にマッチしていて、広告っぽくなく自然な流れでリンクが張られていればトラフィックを生むでしょう。
自作自演リンクであっても、リンク元サイトを立派に育て上げ、そこ自体へのトラフィックも稼ぎ、前述同様に自然な流れでリンクが張られていえばトラフィックを生むはずです。
しかも、ここに書いたリンクバイイングも自作自演も一見してそれがSEO用に行われていると見分けがつきにくくなるでしょうし。。。(まあ、やり方次第で分かると思いますが。あと、ここで“モラル”の問題を論じる気はありませんのでご了承のほど。)
Googleが直接トラフィックを見て評価しているかどうかは定かではありません。
(まだそこまで行ってないんじゃないかと推測していますが)
ただ、トラフィックを生むリンクはリンクそのものを投票とみなして評価するリンクジュースの考え方よりもサイトを正確に評価しやすくなるでしょうし(トラフィックジュースとでも言うんでしょうか?)、
そうすれば、誤射で落とされるサイトも少なくなってくるんじゃないでしょうか?
すでにサイドやフッターからの明らかにトラフィックを生まなそうな位置にあるリンクの評価が下がる傾向にある気がしますし(むしろメインコンテンツのところを評価している?)
そもそもトラフィックがないであろう質の低いサイトからのリンクは評価がほぼされない状態だと思います。無意味な相互リンクへの扱いもそうですね。
そういう流れを見ても、Googleは「トラフィックを生むリンク」を如何に評価するかは、強く考えてきていくと思いますので、
どのような手段を取るにしても外的施策についてはそこを意識しておくことが重要だと思います。
- #SMX Londonから持ち帰ったSEOの重要ポイントまとめ 61+3個 -
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