ネットショップ担当者フォーラム

Amazonが実施した12月8日からのセール期間の売り上げが過去最高を記録

10 years 4ヶ月 ago
タイムセール商品63万点以上販売、プライム会員の増加が寄与した

Amazonは12月8~14日に行ったセール期間で過去最大の63万点以上のタイムセール商品を販売したことを明らかにした。具体的な売上金額は公表していないが、セール期間中に「Amazon.co.jp」 の1日の売上記録も更新したという。

Amazonは12月8~14日に「本気のビッグセール!サイバーマンデーウィーク」と題したセールを実施。目玉企画のタイムセールでは豊富な在庫を用意するなどして、2012年のセール開始以来、最大の売り上げとなった。

人気が高かったのは一眼レフカメラなどの家電やパソコン、洗剤やおむつなどの日用品、食料品、ジュエリーなど。このほか、16万円の4Kテレビがセール開始2分で完売したほか、230万円のダイヤモンドネックレスや、10万円以上の高級ビジネスバック、50万円を超える腕時計といった高額商品の購入もあった。

Amazonマーケットプレイスの販売事業者が出品したタイムセール商品の注文数は、約63万件の内およそ3割。人気が高かった商品は、モバイルバッテリー「Anker PowerCore 20100 」やヴェリタスの「輸入直販ワインセット」だったとしている。

アマゾンの物流代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用している店舗からの購入が多く、サイバーマンデーウィーク中に受注したFBA対応商品は2014年比で約15倍になったという。

今回のセールで過去最大の売り上げを記録した理由についてアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は「今年は、プライム・ビデオ、Amazon パントリー、Prime Now、Prime Music、会員限定先行タイムセールなど、Amazon プライム会員の特典を一気に拡大しました。そして今回のサイバーマンデーウィークでは多くの Amazon プライム会員の方にご利用いただくことができ、さらに昨年を大きく上回る商品数をお得な価格で豊富な在庫をご用意することで、過去最大の売上を記録することができました」とコメント。プライム会員の増加が売り上げ拡大に寄与したとしている。

セールを行っていた特設ページに表示されているバナー

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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コンテンツSEOで新たな顧客層の獲得に成功! ─カタログ通販の「セシール」 | ネットショップのためのSEO施策ゼミナール

10 years 4ヶ月 ago
セシール(cecile)に学ぶコンバージョンにつながる記事コンテンツの作り方(連載第12回)

以前、お客様目線のSEOで成功されている石けん百貨さんの事例を紹介しましたが、今回はカタログ通販の「セシール(cecile)」さんを紹介します。セシールさんと言えばフランス語の特徴的なテレビCMを覚えている方も多いと思います。現在では、婦人服、婦人下着を中心に、紳士服、子供服、家具、インテリア、コスメ、美容器具、食品まで、さまざまな商材をカタログとネットで販売しています。そんなセシールさんはSEOについて、とても興味深い取り組みをされているのです。

なんと2003年からSEO施策を開始

会社としては1972年創業と歴史のあるセシールさんですが、Webに関しては非常に先進的で、SEO施策に関しても早くからいろいろな取り組みを実施されてきました。最初にSEOを実施されたのはなんと2003年!まだSEOが一般に知られていない時代でした。

その後、雨後の筍のように出てきた外部リンクには一切目を向けず、継続的な内部施策でサイトを最適化し、検索流入を伸ばしてきました

2003年〜2005年…リニューアル。全ページ静的生成(SEOページ)/Yahoo!ディレクトリ登録。SEO社内セミナー実施 2008年…フロントのSEO(SEOページ移行・消滅) 2009年…サイト内検索活用(みんなの人気キーワードサイトオープン) 2011年…リニューアル時のSEO支援 2014年…コンテンツ支援
セシールサイトのSEOの歴史

その時代時代において、これだけたくさんの施策を行うことができた一因は、Web部門の担当の方がSEOに非常に熱心だったこと。一緒に施策を計画、実行、検証しながら10年以上取り組むことができたのです。

もう1つセシールさんが先進的だったのは、2005年頃からアクセス解析を重視していたということです。その頃はまだGoogleアナリティクスもなく、順位にこだわるサイトが多い中、生ログを解析して検索流入を深堀し、SEOの効果をしっかり分析されていました。

2014年、コンテンツSEOに着手

そんなセシールさんがコンテンツSEO、つまり記事の発信に着手されたのは2014年から。コンテンツSEOはそれより少し前からかなり話題になっていましたが、決してただトレンドに乗ったわけではなく(笑)、次のような背景がありました。

背景① EC以外の表示枠を獲得する必要が出てきた

この連載でも何度か説明していますが、ここ数年、Googleのアルゴリズムと検索結果は非常に大きく変化しています。確実に購入目的だと判断できないワードは、EC表示枠が以前に比べて減少してきており、特にECサイトにとっては流入機会の減少につながりつつあるように思います。例えば「花粉症」を例にとっても「花粉症 メガネ」のように、アイテム検索や購入目的クエリでないとECサイトがヒットしません(→参考)。

そこで、セシールさんもブログや情報枠での表示を狙って、ハウツー系など新たなキーワードを開拓することにしました。

背景② カテゴリワードの順位向上を目指す

ただ記事を作るのではなく、アイテムカテゴリの下に配置して構造化認識させ、記事を継続的に増やしていくことでカテゴリワードのテーマ性向上を目指しました。

ここは語ると長くなるので今回深くは触れませんが、例えば「ブラジャー」のアイテムカテゴリの順位は、コンテンツSEO実施前は15位でしたが、実施後は6位に上昇しました。

背景③オウンドメディアが重要になってきた

もともとセシールさんはSNSに積極的に取り組まれていて、Facebookページも6万以上のいいねが集まっています。

ただし、Facebook、Twitter、外部ブログなどの外部メディアにコンテンツを配信しても、フロー的に流れていくだけでSEO的にはもったいない。そこで、自ドメイン内にストックコンテンツとして記事を蓄積することにしたのです。

2014年の10月、「おとなの暮らし新常識」スタート

そんな背景からコンテンツを企画し、2014年の10月に「おとなの暮らし新常識」というコーナーをリリースしました。

セシールの「おとなの暮らし新常識」
セシールの「おとなの暮らし新常識」

このときに徹底的にこだわったのは、やはりユーザーニーズとキーワード。「どんな記事があればセシールサイトの潜在層へリーチできるか」「読んだときに満足してもらえるか」ということです。

セシールさんはカテゴリが多岐に渡るため、SEO的に強化したいカテゴリ、セシールさんが売りたいカテゴリからキーワード調査を行い、テーマを選定していきました。

そして2014年10月から秋冬をテーマに44本の記事をリリース、しばらく休止して2015年6月には夏をテーマに28本の記事をリリースしました。おそらく他のサイトのコンテンツ施策に比べると記事本数自体は少ないのではないかと思います。ただ、今のSEOのトレンド的にも大切なのは数より質なので、記事数にこだわらず1つ1つの質にこだわって作りました。実際、記事本数の割にかなりの検索流入が獲得できるようになりました。

コンテンツSEOの検索ニーズを探る4つのポイント

記事コンテンツのキーワードは、特集のキーワードと似ています。以前こちらの回で説明したように、季節テーマを意識して主にハウツー系ワードを洗い出しました。ポイントは「季節性」「トレンド性」「ハウツー系」「ユーザーの意図」の4つです。 

①季節性

その月に検索ピークになるような季節キーワードの洗い出しです。例えば10月だと、次のようなワードがありました。

  • 七五三 同伴者の衣装(6,763)
  • 七五三 親 服装(4,127)
  • 七五三 服装(2,963)

※カッコ内の数字はキーワードウォッチャー、2014年10月の人気度

七五三に同伴するご両親などがどんな服装をすればいいのか?という検索ですね。確かに私もその時になったら検索してしまうかもしれません(笑)。

一見セシールさんとは無関係のように見えますが、フォーマルウェアやバッグなどを販売していますので、記事から関連アイテムへつなげることができます。

今年の6月にはこんなキーワードも対策しました。

  • 洗濯物 臭い(6,600)
  • 生乾き(2,400)
  • 洗濯物 部屋干し(1,000)
  • 梅雨 洗濯物(6,600)

※カッコ内の数字はキーワードウォッチャー、2015年6月の人気度

毎年梅雨時には洗濯に頭を悩ませるものです。生乾きの臭い、部屋干しの際に気を付けることなど、上記の検索ニーズをもとに対処法を解説し、洗濯しながら除菌できる便利なアイテムと、洗濯槽の除菌グッズを紹介するリンクを設置しました。結果、そのリンクのCTRは全リンク中50%! 2人に1人がクリックしてくれました。

1つ気を付けなくてはいけないのは季節テーマの記事のリリース時期です。直前に出してもうまく検索トレンドに乗れば一時的に上位に来ることもありますが、やはり、オンシーズンの1か月前にはリリースしていると安定して上位に来るように感じています。

②トレンド性

これは主にファッション系です。昨年流行った「ミモレ丈スカート」や「ビジューネックレス」はアイテムワードですが、一過性の人気である可能性があり、「+ コーデ」というように、コーディネートの解説を求める派生語が人気だったので記事で対策することにしました。

③ハウツー系

これも特集キーワードのポイントで解説しましたが、今のGoogleは検索結果の1ページ目は基本的に1つのドメインから1ページしかヒットさせないことがほとんどです。一部を除いて極力アイテムキーワードは選ばないようにしました。

アイテムキーワードはアイテムカテゴリで対策しているので、キーワードが重複しないよう、ハウツー系やお悩み系のワードを選ぶようにしました。

④ユーザーの意図

キーワードを選んだらGoogleの検索結果を確認します。例えば先ほどの「七五三 同伴者の衣装」というクエリの検索結果を見ると、上位の10件中8件が解説する「記事」ページです。

「七五三 同伴者の衣装」の検索結果
「七五三 同伴者の衣装」の検索結果

つまり、ユーザーが求めているのは「何を着ていったらいいか」というハウツーであり、それに対するアンサーは解説記事だとGoogleは理解しているということです。ですから、記事で対策するとヒットしやすいということになります。

逆に、検索結果にECサイトばかりが並ぶようなクエリは、記事を作ってもなかなか上位に来ない可能性が高いと思います。

以上のポイントに注意して、調査した結果をExcelで下記のような表にしていきました。

Excelにまとめた調査結果の例

GoogleアナリティクスでコンテンツSEOの効果を確認

実際、コンテンツSEOの効果はどの程度あったのでしょうか? まずはGoogleアナリティクスで今回リリースした記事ページへの流入を出してみます。

記事ページへの流入の推移(2014年10月〜2015年8月)
記事ページへの流入の推移(2014年10月〜2015年8月)

リリースしてから右肩上がりで記事ページへの流入が増えています。流入の8割以上は検索エンジン、残りはソーシャルです。

1月から6月までは休止期間でしたが、検索ニーズから記事を作っているため減ることなく増え続けています

デバイス別に見るとスマホが7割弱、新規率も7割と、今までリーチできていなかった新規のスマホユーザーを集客できていることがわかりました。

デバイス別の内訳
デバイス別の内訳

記事に設定したキーワードの順位を確認したところ、下記のようになっていました。

記事に設定したキーワードの順位
キーワード人気度順位
ブラジャー きつくなる1,2011位
お受験スーツ1,3545位
子供服 サイズ2,2874位
大掃除 チェックリスト5,0454位
押入れ収納術2,2256位
フローリング カビ1,0974位
梅雨 コーデ3,6004位
バーベキュー ファッション1,3002位

コンバージョンへの貢献度を確認する

さて、コンテンツSEOが話題になり、「とりあえず何か記事を作ってみた!」という方も多いと思いますが、記事からコンバージョンにつながり大きく売り上げがアップした……そんな成功体験をされた方はどのくらいいるのでしょうか?

あまり商品を推しても読者は引いてしまいますし、まったく商品に触れなければ本当に読んで終わり。直帰率90%以上のページになってしまうことも多いと思います。そのさじ加減は非常に難しいところです。

そして、記事のコンバージョンを普通に計測してみても、ほとんど売り上げにつながっていないケースが多いと思います。例えばGoogleアナリティクスを使っている場合、ランディングページを記事に指定して、そこからコンバージョンを見たとしても、通常のレポートではラストクリック、つまり記事を見てそこからセッション内で買い物をした数値となりますので非常に少ないです。

セシールさんでも記事からダイレクトに購入につながるケースはほぼないので、「本当に継続する意味があるのか?」という議論もありました。

そこで、別の観点から記事の効果を分析することにしました。それが間接コンバージョン効果です。つまり「コンバージョンが発生したセッションにおいて、記事がどのくらい見られているか」その間接効果を分析するのです。

通常のコンバージョンと間接コンバージョンの違い
通常のコンバージョンと間接コンバージョンの違い

Googleアナリティクスの場合、通常のレポートではなく、「マルチチャネル」というレポートを確認します。コンバージョン(購入)に至った訪問の経路を確認することができます

左メニューの コンバージョン > マルチチャネル > アシストコンバージョンをクリック
左メニューの コンバージョン > マルチチャネル > アシストコンバージョンをクリック

デフォルトでは既定のチャネルが並んでいるので「カスタムチャネル」を作ります。

チャネルグループから「MCF チャネルグループテンプレートをコピー」をクリック
チャネルグループから「MCF チャネルグループテンプレートをコピー」をクリック。
編集画面で「記事」というグループを作り、記事のURLを含めるように定義
編集画面で「記事」というグループを作り、記事のURLを含めるように定義する。
このチャネルを最上位に配置して、名前を付けて保存する
このチャネルを最上位に配置して、名前を付けて保存する。

すると、このように「記事」がチャネルの1つとして表示されます。

「記事」がチャネルの1つとして表示される

ここで注目していただきたいのは右端の数値です。アシストコンバージョンの価値を表す数値ですが、通常のチャネルは1桁のところ、「記事」は21と非常に高い数値になりましたつまり、記事経由でダイレクトに購入につながらなくても、記事を1回でも見て購入するユーザーはそれなりに存在するということになります。

マルチチャネルレポートで意外な貢献効果を発見

次に「コンバージョン経路」というレポートを見てみます。レポートを変更すると、デフォルトのチャネルグループに戻っているので、先ほど作った「記事を含むカスタムチャネル」に変更します。

「記事を含むカスタムチャネル」に変更

そしてフィルタで記事チャネルを含む経路のみに絞ってみます。

フィルタで記事チャネルを含む経路のみに絞る

すると次のように記事を含むコンバージョン経路のみ表示されます。

記事を含むコンバージョン経路のみ表示される

このように、記事を見て次に検索で来てコンバージョンする人、記事を見て検索で来て、さらにアフィリエイトで来てコンバージョンする人など、さまざまな経路が見られます。

記事はハウツー系やお悩み系のキーワードが多いので、想像以上に記事が最初の接点として機能していると見受けられます。

このようにコンテンツ記事のコンバージョンについては、マルチチャネルレポートを見て間接効果を分析すると意外な貢献効果が発見できるかもしれません。

広告にも活用可能

また、記事を広告に活用するのも一案です。記事経由で集めた新規のユーザーを、Googleアナリティクスのリマーケティングのユーザーリストに格納しておいて、ある程度蓄積したら関連のあるディスプレイ広告などに活用するのです。

セシールさんでも「2ページ以上記事を閲覧したユーザー」「記事を見たけどまだ購入に至ってないユーザー」「レディースファッションの記事を見たユーザー」など、さまざまなユーザーリストを作っています。

広告を利用しているネットショップの方はぜひ活用していただき、単なる読み物で終わらないSEO+広告の一気通貫施策を計画していただければと思います。

江沢 真紀

アユダンテ株式会社

江沢 真紀(えざわ まき)
アユダンテ株式会社 SEOコンサルタント。2001年よりイージャパンにてJeff Rootに師事。
検索キーワードからユーザー心理を読み解くSEOで数々の成果を上げ、大手通販サイトを中心にいままでに手掛けたSEOは100サイト以上。「できる100ワザ SEO&SEM」「いちばんやさしい新しいSEOの教本」(共にインプレスジャパン刊)を執筆。

健康食品、雑貨、化粧品で比較広告をするときの注意点 | 健康・美容業界の今を知る!

10 years 4ヶ月 ago
健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いて紹介(連載第18回)

前回の連載では、“比較広告とは何か”をご紹介しました。景品表示法での比較広告のあり方ですので、基本的概念としておさえておくと良いでしょう。今回は健康食品、雑貨そして化粧品でも比較広告は可能なのか。そしてその注意ポイントを整理します。

健康食品や雑貨は通常の要件を満たせば比較広告は可能

健康食品の場合、「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日厚生省薬務局長通知:通称46通知)にある通り、「成分」「剤形」「用法用量」「効能効果」の4つの視点からみて「無承認無許可医薬品」と判断された場合、薬機法に抵触します。

雑貨の場合も「無承認無許可医療機器」と判断される場合は薬機法に抵触します。

そのため、通常は健康食品や雑貨は薬機法で規制されるものではなく、化粧品のルールとしておなじみの「医薬品等適正広告基準」の制限は受けず、比較広告行うことそのものは「可能」と言えます

たとえば、健康食品の比較広告の例として「含有成分量の比較」を良く見ます。これは前回の連載でお伝えした、

  1. 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
  2. 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
  3. 比較の方法が公正であること

の3要件を満たしているのであれば、手法としては可能です。ただし、試験・調査によって得られた結果で、専門家、専門団体もしくは専門機関の見解、または学術文献など、その根拠が観的なものである必要があります

たとえば、「※当社調べ」といった注釈のある自社データの場合であればそれが客観的なものであるかがポイントとなります。自社データも根拠となりえますが、客観的に実証されているとはみなされない場合もありますので、注意が必要です。

化粧品は「医薬等適性広告基準」により比較広告に対し厳しい規制

化粧品の場合は「医薬品等適正広告基準」で以下のように定められています。

【基準9】
他社の製品のひぼう広告の制限
医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他について、他社の製品をひぼうするような広告は行わないものとする。

この基準9の留意事項として、

(1)ひぼう広告について
本項に抵触する表現例としては、次のようなものがある。

ア 他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現する場合
例: 「他社の口紅は流行おくれのものばかりである」

イ 他社のものの内容について事実を表現した場合
例: 「どこでもまだ××式製造方法です」

(2) 漠然と比較する場合について
漠然と比較する場合であっても、基準3(6)に抵触するおそれもあるので注意すること。

  • 参考:【基準3(6)】
    効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止
    医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実であることを保証をするような表現をしないものとする。

(3) 自社製品の比較広告について
製品の比較広告を行う場合、その対象製品は自社製品の範囲で行い、その対象製品の名称を明示した場合に限る。しかし、この場合でも説明不足にならないよう十分に注意すること。

とあります。

つまり、化粧品では他社製品の誹謗および他社製品と比較することそのものが不可ということになります。特定の会社の名前をあげたり、また一部を伏せ字にしたりすることはもちろん不可ですし、A社、B社などといった形で見せる方法も不可です。

そしてそれだけではなく、『漠然と比較する場合』も制限されています

たとえば、「一般のコラーゲン」「これまでのヒアルロン酸」といった“一般的な”“これまでの”という表現を用いることも不可になる可能性があるということも重要なポイントです

併せて、日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン 2012年版」を参照してみましょう。【他社の製品のひぼう広告の制限】という章で、誹謗に該当する表現例が紹介されています。その中に『他社のものの内容について事実を表現した場合』として「一般の洗顔料では落としきれなかったメイクまで」というものが例としてあげられ、「他社の製品や既存カテゴリー等を比較の対象に広告を行うと、他社ひぼうにつながり易いので注意すること」との注意コメントが付与されています。

注意すること、というレベルではありますが、例文では不可ということであげられておりますので、基本的には「一般の」という漠然とした比較であったとしても表現としては不可ということになるのではないかと思います

他にも下記のようなものが例として考えられます。

  • 弊社のコラーゲンは、今までのコラーゲンとは違います。
  • かつてない(今までにない)○○!

このような表現も、抵触する恐れがあります。

また、2015年10月に東京都によって行われた医薬品等広告講習会では、「肌トラブルの原因○○(成分名)を含んでいません」という表現は、成分○○を含む製品に対しての他社誹謗につながる恐れがあるとしています。併せて注意が必要です。

化粧品は自社製品との比較であれば比較広告が可能

では、化粧品において比較広告は全くできないのでしょうか。「医薬品等適正広告基準 基準9」の留意事項(3)にあるように事実に基づき、自社製品との比較であれば可能です

たとえば、「今までの洗顔料とは洗浄力が違います。」という表現があった場合おいて、そのまま使用すると他社比較に繋がり、かつ、効能効果等又は安全性を保証する表現とも解釈され不可になってしまう可能性がありますが、

「今までの洗顔料※とは洗浄力が違います。」
※当社従来品 ◎◎◎(商品名)と比較

という記載を行い、事実に基づいた説明を行うことで可能となります。

商品の説明を行う際に、商品の良さを伝えたい意図から他社との違いに触れてしまう事がありますが、場合によってはルールに抵触してしまう可能性がありますので注意しましょう。

今一度、商材ごとにルールを整理して、できることとできないことを把握すれば、適法内でお客さまの心をグッと掴む広告表現を生み出すことができそうですね。

なお、健康食品、雑貨そして化粧品共通の事項として、広告媒体においては、掲載他社への配慮やモラルなどの問題から、比較広告に関し自主的に規制が行われることもありますので、その場合には各広告媒体社の判断を仰いでください。

稲留 万希子

薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

デスバレー(死の谷)超えて─ ロコンドの道のり/スマホECがPCを逆転 | 週間人気記事ランキング

10 years 4ヶ月 ago
2015年12月11日~17日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

12月1日にお伝えした記事に続き、ロコンドの田中社長に本紙編集長が詳しいお話しを聞きました。他には「70.5%がスマホをメインにネットショッピングをしている」「20代の女性の34.3%がInstagramを使っている」といった調査データも注目を集めました。

  1. 破綻寸前からロコンドはなぜV字回復できたのか? どん底からはい上がった信念の経営

    tweet65このエントリーをはてなブックマークに追加

    5期連続赤字、資金難、破綻寸前……それでも2015年10月度に初の単月黒字を達成したロコンドの“ぶれない経営”とは

    2015/12/15
  2. スマホを使ったネット通販がPCを完全逆転。7割がスマホを使ったECを利用する

    tweet40このエントリーをはてなブックマークに追加

    「ネットショッピングをする差異によく利用するデバイス」を聞いたところ、全体ではスマホが70.5%、PCが47.3%

    2015/12/15
  3. 楽天市場の「レビュー投稿で値引き」禁止後の対策に朗報。投稿の有無や確認メールを自動化する「レビューのチカラ」

    tweet7このエントリーをはてなブックマークに追加

    レビューに関するガイドライン改訂後の、レビュー投稿の有無の確認とメール配信の作業負荷を軽減する

    2015/12/11
  4. 新規顧客の開拓に苦労しているEC事業者が多いのはなぜ?

    新規獲得のため広告などにお金を突っ込んでも売上拡大策を阻害する“落とし穴”が存在するのは知ってる?

    2015/12/11
  5. インスタグラム利用は10~20代女性で3割超え。10代女性はFacebookの26%を上回る

    「インスタグラム」は10~30代女性層の利用が多い傾向が浮き彫りになった

    2015/12/15
  6. 「全日本DM大賞」の最終審査員に売れるネット広告社の加藤公一レオ社長が抜擢

    9人の審査員のうちネット業界からの選定は加藤氏1人だけ

    2015/12/16
  7. モールやネット広告などの規制が強化される特商法改正案…今回は見送りの方向へ

    広告の規制強化などを検討していた特商法専門調査会が12月14日に取りまとめた最新の報告書について解説

    2015/12/16
  8. ヤフーが一休にTOB、Yahoo!ショッピングやトラベルと一休のサービスを連携へ

    一休のサービスへヤフーユーザーを送客するなどして収益基盤を強化するとしている

    2015/12/15
  9. 楽天、Amazon、Yahoo!、ZOZOTOWNなど 年末セール情報 まとめ

    2015年12月4日~10日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

    2015/12/11
  10. スタートトゥデイがファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ」の提供を開始

    運営は「STORES.jp」を提供するブラケットが担う

    2015/12/15

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    ヨドバシカメラのお年玉企画にアクセス殺到、不具合発生で予約販売は12/21に延期

    10 years 4ヶ月 ago
    12月17日午前9時に予約をスタートしたがアクセスが集中したため、不具合が起きた

    ヨドバシカメラ12月17日にはデジタル製品を福袋形式で購入できる「2016年 夢のお年玉箱」の予約受付を通販サイト「ヨドバシ.com」で始めたが、アクセスが集中し不具合が発生した。一旦予約受付を終了。12月21日午前9時から予約を再開する。

    「夢のお年玉箱」は、ヨドバシカメラが毎年年末に実施している数量限定の福袋企画。パソコンやカメラ、家電といった各ジャンルごとに福袋形式の「お年玉箱」を設定し、特別価格でデジタル製品が購入できるもの。

    12月17日午前9時に予約をスタートしたがアクセスが集中。不具合が起きたため予約販売を中止し、12月21日に再開することを決めた。

    ヨドバシカメラのお年玉企画にアクセス殺到、不具合発生で予約受付は12/21に再スタート

    一旦予約を終了し、12月21日に予約販売を開始する(画像は編集部がキャプチャ)

    など、12月17日に予約できたユーザーの予約整理券は有効としている。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    マルチデバイス、オムニチャネルなどECの未来に対応できる「EC-CUBE3」のこれから | 『ECトップランナー8社が語るネット通販の未来 + 関連サービス250まとめ』ダイジェスト

    10 years 4ヶ月 ago
    2015年7月から提供を開始

    ロックオンはオープンECプラットフォーム「EC-CUBE」を設計思想から見直し、2015年7月に、過去最大のメジャーバージョンアップ「EC-CUBE3」をリリースした。約2万2000店舗が利用している「EC-CUBE」のバージョンアップは、業界に大きな影響を与えることは間違いない。今回のバージョンアップの「背景」と「今後の展望」について、EC-CUBE 統括責任者の金陽信氏に話を聞いた。写真:大河正典

    カスタマイズベースのため、新たな機能に対応しにくくなっていた

    EC-CUBE 統括責任者 金陽信氏

    近年、スマートフォンやタブレットなど、パソコン以外のデバイスにおけるECが拡大しており、従来、物品を販売する機能が中心だった「EC-CUBE」に求められる範囲が大きく変化しています。マルチデバイスへの対応だけでなく、オムニチャネルや越境ECなど、ユーザーであるEC事業者が求める機能自体が大きく変化しており、そうした変化に対応する必要がありました。

    もちろん、従来のバージョンでこれに対応していくこともできたのですが、従来のバージョンを利用し続けることで問題点もありました。例えば「EC-CUBE」を利用しているEC企業のほとんどがカスタマイズをして利用しています。

    そのため、新たな機能を追加しても、カスタマイズされた店舗でも利用できるかどうかまでは判断しにくく、結局利用している店舗は新たな機能を追加できないケースも多々ありました。結果として、変化の激しいEC市場に対応するためには個別にカスタマイズが必要となる状況になっていました。

    こうした状況に対応するために、「EC-CUBE3」では、コアの機能を小さくして、従来、基本機能として提供してきた機能をプラグインで付け替えられるようにしました。例えば、従来の「EC-CUBE」では基本機能としてメルマガの機能がありましたが、外部のメルマガ配信サービスを使うEC事業者も多く、機能が競合して邪魔になってしまうこともありました。

    「EC-CUBE3」では、プラグインで付け替えることを想定した作りになっているため、こうした競合も起こらず、新たに開始したいサービスもすぐに始められるようになっています。

    また、管理画面やフロントデザインをすべてレスポンシブWEBデザインに変更しました。これにより、例えば、発送作業をする際にタブレットなどで手元で操作しやすくなりました。オムニチャネル対応という点では、今後、EC-CUBEで作ったサイトを簡単にアプリにできる機能を追加するほか、POSなどとの連携をしやすくする機能も追加していく予定です。

    EC-CUBE開発コミュニティ

    セミナー開催回数を増やし、ユーザーとの対話を

    「EC-CUBE3」を皆様に使っていただけるようにするには、プラグインを充実させることがまずは重要だと思っています。9月末時点ではまだプラグインの数は10本ほどですが、年内には50本まで増やしていく予定です。「EC-CUBE」はオープンソースですので、当社内はもちろんのこと、外部からの協力を得ながら、さらに増やしていくことで、より便利に、EC事業者が実現したいサービスがすぐに実現できる世界を目指しています。

    EC-CUBEでは年に1度、EC事業者を集めて「EC-CUBE DAY」というイベントを開催しています。2014年は500名、2015年は800名の方々にご来場いただきました。来年、2016年は「EC-CUBE」リリース10周年になりますので、過去最大規模のイベントとして開催する予定です。

    ただ、それまでにも、ユーザーとの会話を数多くしていかなければならないと考えており、セミナーの開催を増やしていく予定です。ぜひとも、興味を持って参加していただければと思っています。

    2014年9月に東証マザーズ市場に上場した

    関連リンク

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    オンライン決済「Paidy」が「MakeShop」の標準決済サービスとして搭載

    10 years 4ヶ月 ago
    「MakeShop」を利用する2万2000店舗以上への導入を進める

    決済サービスを提供するエクスチェンジコーポレーションは12月15日、GMOメイクショップと業務提携し、メールアドレスと携帯電話番号だけでリアルタイム決済ができる決済サービス「Paidy」を、「MakeShop」の標準決済サービスとして搭載したと発表した。2万2000店舗以上が利用している「MakeShop」の決済として標準搭載し利用店舗を拡大、取扱額の増加につなげる。

    オンラインショッピングでは約4割のユーザーが「非クレジットカード」の手段で決済を行っている。特にモバイルECはクレジットカード以外の決済手段が好まれていることから、需要増加が見込めるとして業務提携に至った。

    「Paidy」は携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけで利用できるオンライン決済サービス。利用代金は月の利用料金をまとめてコンビニなどで支払うことができる。後払い決済サービスと同様、100パーセントの支払い保証を行っており、決済手数料も3.0%と割安な点が人気を集めている。(関連記事

    Paidyの導入メリット

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    楽天、中国EC2位の京東が運営する越境ECモール「JD Worldwide」に出店

    10 years 4ヶ月 ago
    まずはお菓子や化粧品、化粧品などを販売

    楽天は12月16日、中国のECモール第2位の京東(JD.COM)と連動した越境ECモール「JD Worldwide」に楽天市場の旗艦店を出店した。日本の菓子や化粧品、健康食品などを取り扱う。今後、取扱商品の拡大を進め、日本の楽天市場出店者の商品も多数取り扱っていく考え。

    「JD Worldwide」内に開設した新サイトの名称は「日本楽天市場官方旗艦店」。日本のイメージ画像を用意するなど、日本の正式な商品を取り扱っていることをアピールしている。

    販売する商品は、中国からの訪日観光客が好んで購入する菓子や健康食品を中心に用意。楽天が販売事業者となって販売する。今後も楽天が主体となり取扱商品を増やしていく考え。

    京東は日本のネット通販として知名度の高い楽天を出店店舗とすることで、本物の日本製品をそろえて利用者を呼び込む。

    日本楽天市場官方旗艦店

    楽天では2010年、中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)と共同でECモール「楽酷天」を立ち上げたが、開設からわずか1年半の2012年に撤退していた。

    これまで自前主義で事業を拡大してきたが、近年は国内外の事業でオープン化戦略を推進。今回の「JD Worldwide」への出店もその流れの一環と見られる。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    EC開始半年の売上が133億円のアプリ「小紅書」。1500万人の中国女性が使う人気の秘密 | 単発記事

    10 years 4ヶ月 ago
    EC事業を開始して半年で売り上げが約133億円に拡大し、「@コスメ」やパナソニックとも業務提携している

    中国のモバイル特化型越境ECアプリ「小紅書(RED)」はEC事業を開始して半年で売り上げが約133億円に拡大している。可処分所得が高く、国際感覚を持った高感度な中国女性ユーザーに支持されているという。コミュニティーユーザー数は1500万人。「@コスメ」を運営するアイスタイルやパナソニックとも戦略的提携を行っている。中国向け越境ECを手がける企業では重要度が増すと考えられる「小紅書(RED)」のサービスを紹介する。

    毎日3万件以上の商品レビューが投稿されるプラットフォーム

    モバイル特化型の越境ECアプリ「小紅書(RED)」は現在、1500万人以上の中国人ユーザーがダウンロードしている。中国における無料アプリランキングでは第4位、ライフスタイルアプリランキングでは「タオバオ」のアプリに次いで第2位のダウンロード数を誇る。

    1500万人のユーザーのうち大半は若年女性。30歳以下の女性の割合は82%、25歳以下に限ると50%のユーザーが該当するという。

    「小紅書(RED)」が行ったペルソナ調査では、国際的な視野を有し、好きなモノにはお金を使うというユーザー像という。ユーザーによるアプリの利用頻度は高く、1ユーザー当たりの月間平均アプリ使用回数は52回、月間平均使用時間は130分を超えるという。

    中国のモバイル特化型越境ECアプリ「小紅書(RED)」は中国の女性から人気が高い

    「小紅書(RED)」が提供している機能は2つに大別される。1つは商品レビューコミュニティー機能。日本製や韓国製の商品のレビューが数多く投稿され、毎日3万件のレビューが書き込まれているという。こうしたレビューを参考に、訪日した際に購入する商品を決めたり、越境ECで購入する商品を決めるユーザーが多いという。

    中国の場合、検索で商品情報を取得するのはとても大変。たどり着いたとしても日本語のページだったりする。そのため、商品に対する中国語の説明文や感想はよく読まれる傾向にあり、信頼感も高い(小紅書副総裁兼EC責任者の娄伊琳氏)。

    こうした、レビューコミュニティー機能は日本企業にはとても重要。パナソニックでは中国向けの商品パッケージなどを決める際、レビューを参考にしている。また、「@コスメ」でも日本の化粧品のランキング情報などを提供。中国での知名度を高めているという。

    「小紅書(RED)」の画面

    商品レビューは毎日3万件以上投稿される

    安心感の高さでコンバージョンレートは9%に

    もう1つの機能が「小紅書(RED)」内のeコマース機能だ。「小紅書(RED)」を利用する1500万人のユーザーに対し、新たな商品を提案することをコンセプトに日本で人気の商品を「小紅書(RED)」が仕入れて提案している。中国でもよく知られている日本や韓国の商品のほか、あまり中国では知られていないような日本の商品、クチコミで高い評価を得ている商品など、さまざまな角度から提案している。

    Eコマース用ページ「福利社」

    Eコマース用ページ「福利社」

    eコマース事業は2015年1月に開始。開始半年ですでに売り上げは7億元(約133億円)に達しており、物流拠点も鄭州と深センの2か所に6000平方メートルの拠点を持つ。香港、日本、韓国、米国にも倉庫を構えている。

    わずか半年で規模が拡大している理由は、「小紅書(RED)」への高い信頼感がある。海外の有名なブランドや貿易会社と提携し、情報をしっかりと中国のユーザーに公表することで安心して購入できる環境を提供しているというわけだ。その安心感はコンバージョンレートが9%という高い数字として表れている。

    eコマースをやろうと思って開始したアプリではないが、ユーザーから「実際にお勧めの日本や韓国の商品を売ってほしい」という声があがりeコマース事業を開始した。こうした、ユーザーニーズに応えたことが、売り上げにつながっているのではないか(娄伊琳氏)。

    さらに、eコマース事業を拡大するため、クチコミ投稿と連動した新たな売り場作りも始めている。投稿された商品の情報やレビューの下に、同じジャンルやそのブランド関連の商材などを表示。クリックするとすぐに購入できるサービスも始めている。まだ、売り上げのほとんどがeコマースのプラットフォームからだが、今後はクチコミとの連動で売り上げを伸ばしていく考えだ。

    「小紅書(RED)」と戦略的提携している日本、韓国、米国などのメーカー、ブランド

    戦略的提携している日本、韓国、米国などのメーカー、ブランド

    日本のメーカーや卸事業者との連携を強化へ

    今後、「小紅書(RED)」は日本企業との連携をさらに強化していく考え。メーカーと直接交渉できる場合は提携などを進めるほか、卸会社などを通じて展開するメーカーについては卸会社などを通した提携も進めていく。

    日本からの商品仕入れをさらに強化するため、物流会社との提携も図っていくとしている。

    小紅書 副総裁兼EC責任者の娄伊琳氏

    小紅書 副総裁兼EC責任者の娄伊琳氏

    中川 昌俊

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    通販サイトへの誘導が2割も増えたANAグループのコンテンツマーケティング戦略とは? | 通販新聞ダイジェスト

    10 years 4ヶ月 ago
    全日空商事では通販サイトの主力商品のPRに向けて動画や特集記事などのコンテンツを配信している

    全日空商事ではANAグループの各種ウェブサービスを取りまとめたポータルサイトとして「ANA STORE」(=画像)を今夏から運営しており、同サイト上でコンテンツマーケティングを活用した通販送客に取り組んでいる。

    同サイトは自社通販サイトの「A-style」をはじめ、これまで点在していた全日空グループが手がけるANAマイレージクラブ(AMC)会員向けの「ANAマイレージモール」や「チケット予約・販売サイト」「マイルの商品交換サイト」などをポータルサイト上で1つの入り口に統合したもの。トップページ上では各サイトからの最新特集情報やリコメンド商品などが随時表示されるようになっている。

    ANAグループのコンテンツマーケティング戦略 通販サイトへの誘導が2割も増えた
    動画や特集記事などのコンテンツを配信

    同サイトではAMC会員を中心に多くの訪問客が期待できることから、通販サイトの主力商品のPRに向けて動画や特集記事などのコンテンツを配信するようにしている。7月には第一弾の動画として、通販サイトで夏の売れ筋商品となっている4大フルーツの「ライチ」について空港のグランドホステスをナビゲーターとして出演させたレポート動画を配信。制作会社とともに撮影クルーを伴い、産地のライチ農園を訪れて実際に試食しながら味覚や特長などを伝えている。動画アップ後から1週間の売り上げが大きく伸長したという

    また、下期の主力商品でもある機内ワインについては、11月の「ボジョレー・ヌーヴォー」解禁に合わせて、ソムリエ資格を有するANAのキャビンアテンダントとワイン販売を手がけるエノテカのスタッフによる対談特集記事も配信。さらに旅行に紐づいた企画としては、プロの旅行アドバイザーによるお勧めの旅行用品の紹介記事などもある。各コンテンツは2週間ごとに随時切り替えており、動画の下には通販サイトのURLを記載するなど送客を強く意識した。

    「次世代のECとして、物販だけでなく(体験型の)サービスも充実させたい。単に商品情報だけでなくその利用シーンや機能などをもっと際立たせて訴えるようなコンテンツが欲しかった」(同社)としている。

    同社では「ANA STORE」開設の効果もあって7月以降の通販サイトへのセッション数が2割程度伸びたと見ており、今後も継続的にコンテンツ制作を行っていく。加えて、ANAグループ以外のサイトからの外部集客を強化することも検討中。旅行やビジネスと関連するような情報サイトと提携して、自社通販サイトへの送客を促すような企画を実施し新規の会員獲得を図る考え。

    「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
    全日空商事  コンテンツマーケに着手、動画や特集記事で訴求(2015/12/10)

    「全日本DM大賞」の最終審査員に売れるネット広告社の加藤公一レオ社長が抜擢

    10 years 4ヶ月 ago
    9人の審査員のうちネット業界からの選定は加藤氏1人だけ

    売れるネット広告社は12月16日、代表取締役社長の加藤公一レオ氏が「第30回全日本DM大賞」の最終審査員に選任されたと発表した。9人の最終審査員のうち、ネット業界からの抜擢は加藤氏ただ1人だとしている。

    「全日本DM大賞」は、ダイレクトメール(DM)の審査・表彰を通じて、DMの企画・表現技術の向上および広告メディアとしての役割・効果の紹介を図るとともに、DMの広告主、制作者にスポットを当てることで、DMというメディアが広く認知され、多くの方に親しまれる存在となることを目的とした賞で、日本郵便が年に1度開催している。今回で30回目の開催で、10月31日にすでに応募を締め切り、来年2月に結果が発表される予定。

    加藤氏は最終審査員に選ばれたことに対し、「一般的な“広告賞”は面白い広告・好かれる広告という曖昧な指標で表彰されるのが文化で、商品を多く売った広告が表彰されることはありません。それに比べ「全日本DM大賞」は“売り”に直結する指標で表彰される最高の賞です!そのような素晴らしい賞の最終審査員に選んでいただき大変光栄です」とコメントしている。

    加藤公一レオ社長

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    Yahoo!、GoogleなどのIDでログインできる機能を追加、マガシーク

    10 years 4ヶ月 ago
    会員登録の手間を省き、新規ユーザー獲得につなげる

    マガシークは12月16日、ファッションECサイト「MAGASEEK」でヤフーIDなど5種類の他サービスのIDでログインできる機能を追加した。他サービスとID連携をすることで会員登録の手間を省く。新規ユーザーでもスムーズに買い物ができるようにし、新規ユーザーの獲得につなげていく

    今回、「MAGASEEK」でIDを連携するのは以下の5種類のサービスID。

    • dアカウント(NTTドコモ)
    • Facebook
    • Twitter
    • Google
    • Yahoo! JAPAN

    なかでも、グループのNTTドコモとの連携を強化。今後、注文代金の支払いに「dポイント」で支払うことを可能にするほか、代金を携帯利用料金と併せて支払いができる「dケータイ払いプラス」サービスの導入も予定している。

    サイト下部に他サービスのIDでログインできることを表示

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    2回目以降の買取時の本人確認書類の提出を不要化、シュッピン

    10 years 4ヶ月 ago
    ID・パスワードを発行し、2回目以降の取引時に入力する仕組みを採用

    新品・中古カメラのECを行うシュッピンは12月15日、2回目以降の取引(買取・下取)の際に本人確認書類の提出が不要になる「買取リピーター」の提供を開始した。簡易に買取を行える環境を提供することで、買取を促進させる考え。

    シュッピンが運営する公式ECサイトで取引(買取・下取)が完了すると、ECサイトからユーザー専用のID・パスワードを発行できるようになる。2回目以降の取引時に、発行されたID・パスワードをECサイトで入力することで本人確認書類の提出、住所確認が省略できる。

    非対面取引では、本人確認および住所確認が古物営業法で義務付けられている。従来は非対面で買取・下取を行う場合、その都度、本人確認と住所確認を行っていた。

    シュッピンが発行するID・パスワードは、カメラ専門店「Map Camera」、時計専門店「GMT」、筆記具専門店「KINGDOM NOTE」、ロードバイク専門店「CROWN GEARS」で共通して利用できる。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    ヤフーはシニア向けECでも“eコマース革命” 高齢者向け特化のECアプリ「らくらく通販」

    10 years 4ヶ月 ago
    60歳以上の人に対するユーザーインタビューを重ね最適なUIを構築した

    シニア向け通販でも「eコマース革命」を――。ヤフーは12月16日、シニア層をメインターゲットとした特化型通販アプリ「らくらく通販」の提供を始めた。まずはAndroid版から公開。iOS版も近日中に公開予定。

    通販・EC業界では富裕層が多く、ネットを使いこなす人が増えているシニア市場に注目する企業が増えている。

    ヤフーは60歳以上のシニア層とインターネットに不慣れなユーザーをメインターゲットにしたショッピング用アプリを開発。60歳以上の人に対するユーザーインタビューを重ね最適なUIを構築したという。

    「らくらく通販」は「Yahoo!ショッピング」を買い物環境を簡単にしたもの。「米や水のような重いものや、普段の日用品のお買い物を簡単にアプリでできるようにすることで、シニアへの課題解決をし、EC率を高める」ことを目的としている。

    ヤフーはシニア向けECでも“eコマース革命” 年配層向け特化のECアプリ「らくらく通販」①
    「らくらく通販」のトップページ
    ヤフーはシニア向けECでも“eコマース革命” 年配層向け特化のECアプリ「らくらく通販」②
    商品詳細ページ

    「らくらく通販」の主な特徴は次の通り。

    • 大きな文字とわかりやすい文章
    • 進む、戻るのシンプルな動線
    • ボタンをタップしたことがわかりやすい配色
    • 購買履歴からおすすめ商品を表示
    • 以前購入した商品の表示ボタンを設置
    • シニア層がよく検索しているキーワードを表示
    • ストアへの電話がすぐにできる
    • 「スマートログイン」対応でかんたんログイン(SoftBankのスマートフォン・タブレットに限る)
    • 4万店舗以上のストアでのキャリア決済(SoftBankのスマートフォン・タブレットに限る)

    こうした機能を搭載し、ユーザーがネットショッピングを利用する際の利便性の向上や不安解消をめざしているという。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    トライステージ、インドネシアのテレビ通販支援事業に参入

    10 years 4ヶ月 ago
    インドネシア現地でテレビ通販向けに商品卸を行うMERDIS社に出資

    トライステージは12月16日、インドネシアのテレビショッピング向け商品卸事業を行うPT MERDIS INTERNATIONAL(MERDIS社)の株式26%を取得し、インドネシアでテレビ通販支援事業を開始した。アジア圏におけるテレビ通販市場の急速な成長を見込むトライステージはこれまで、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、台湾で通販支援事業に取り組んでおり、インドネシアで6か国目となる。

    MERDIS社は2007年設立。インドネシア最大規模のテレビ局であるSCTVグループに対し、テレビショッピング向け商品卸を展開。テレビ通販市場における豊富な実績やノウハウを構築している。

    トライステージはMERDIS社の株式を取得し、インドネシアの有力なテレビ局への販売チャネルをトライステージのクライアントへ提供することが可能になる。

    また、トライステージが持つテレビ通販のノウハウをMERDIS社に提供。インドネシアでのテレビ通販支援事業をスムーズに拡大することが可能になるとしている。

    今後は経営権の取得も視野に入れ、積極的に現地でのビジネス拡大を図る考え。

    ビジネスフロー概略

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    広告規制の強化は見送りへ。通販・ECの業界人は知っておくべき特商法改正の最新動向 | 徹底追跡 消費者契約法・特定商取引法の見直し動向

    10 years 4ヶ月 ago
    広告の規制強化などを検討していた特商法専門調査会が12月14日に取りまとめた最新の報告書について解説

    通販・ECサイトの運営に混乱を招く可能性が懸念された特定商取引法の見直し論議で、モールなどを含めた通販・ECの広告に関する規制などが見送られることになりそうです。議論を進めていた内閣府消費者委員会特定商取引法専門調査会(特商法専門調査会)は、通販・EC関連の規制について「見送り」という方向で報告書の取りまとめを進めています。特商法専門調査会が出した12月14日時点での報告書案の内容とは? 広告業界に携わる人、通販・ECに関わる人は要チェックです。

    最大の懸念点だった広告への取消権付与は見送りへ

    内閣府消費者委員会特定商取引法専門調査会で議論されていた、通販・ECに関わる主な見直しは次の通りです。

    通販・EC業界、広告業界から最も注目された論点は、「虚偽・誇大広告への取消権の付与」という議論でした。

    もともとは悪質な事業者を排除するために始まった「虚偽・誇大広告への取消権の付与」の議論ですが、改正によって健全な事業者が大きな影響を受けてしまう可能性が浮き彫りとなりました。

    広告規制の強化は見送りへ。通販・ECの人は知っておくべき特商法改正の最新動向①
    調査会が示した「通信販売の『誇大広告』に関する商品・サービス別苦情相談件数」だが……

    特商法専門調査会は、「近年の市場規模の拡大に伴い、通信販売における苦情件数が増加してきており、特にインターネット通販において苦情件数の増加が著しくなっている」と指摘していましたが、虚偽・誇大広告に関する苦情相談は通販全体でも2009年から横バイないし微増というのが実情

    こうした調査会の提示した資料について、公益財団法人日本通信販売協会は、「第1回の専門調査会において指摘した通り、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)データにおいて、通販の苦情相談25万件のうち7割がネット通販に関するもので、さらにその7割はアダルトサイト情報、出会い系サイトに関するものであり、いわゆる物販を中心としたネット通販は約5パーセントにすぎない。第14回、第15回と2回にわたり、PIO-NETデータに関する信頼性等について議論があったが、消費者の一方的主張の記録にとどまるものが多く、寄せられた苦情相談の内容についてはさまざまな問題、課題があることが指摘された」と説明しています。

     

    たとえば、「実際に手に取った商品は通販サイトで見たものとイメージが違う」といったことで虚偽・誇大広告による取消権を求めてくるケース。企業にはそれに対処するためのコストや労力が発生し、正常な事業活動を阻害してしまう可能性があります。

    消費者がある広告を“虚偽・誇大広告”と判断するには明確な要件がありません。また、広告が消費者の契約締結の意思形成に影響を与える度合いは人それぞれであり、一律に取消権を付与することは取引上、大きな混乱を招く恐れがあるという指摘があがっていました

    広告規制の強化は見送りへ。通販・ECの人は知っておくべき特商法改正の最新動向② 消費者が自ら求めないのに、突然、勧誘を受けるもの 訪問販売 自宅への訪問販売、キャッチセールス、アポイントセールス(電話等で販売目的を告げずに事務所等に呼び出して販売)等 電話勧誘販売 電話で勧誘し、申込を受ける販売 事業者と対面して商品や販売条件を確認できないもの 通信販売 新聞、雑誌、インターネットなどの広告による場合など、郵便、電話等の通信手段により申込を受ける販売 長期・高額の負担を伴うもの 特定継続的役務提供 長期・継続的なサービスの提供とこれに対する高額の対価を伴う取引(エステ、語学教室、家庭教師、学習塾など) ビジネスに不慣れな個人を勧誘するもの 連鎖販売取引 個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させる形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・サービスの販売 業務提供誘引販売取引 「仕事を提供するので収入が得られる」と誘い、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を追わせる取引
    特定商取引法が規制対象とする取引類型(消費者庁の資料をもとに作成)

    虚偽・誇大広告への取消権の付与について

    全体としては意見の一致を見なかった。特定商取引法に基づく表示義務の徹底や、虚偽・誇大広告に対する厳格な執行を行いつつ、平成26年に改正が行われた不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)の執行・運用状況や消費者契約法の適用の状況等も踏まえながら、必要に応じて、検討が行われることが期待される

    12月14日に行われた第17回特商法専門調査会ではこのような結論が下されました。

    わかりやすい例で示すと、広告(ECサイトの商品紹介ページやネット広告、チラシやカタログなども含まれる)に記載された商品イメージや情報と、実際に手元に届いた商品が“まったく違う”と消費者が主張した場合、“虚偽・誇大広告”として注文を取り消せるようにしようと見直しが進められていました。

    これは、消費者契約の中で通信販売だけ標的として問題に取り上げ、見直しが進められてきたのです。

    このような法改正が実現されると、消費者は合理的な根拠を示さずに独自の主観だけで不当表示であることを主張すれば、簡単に商品の返品要求ができるようになるわけで、通販・EC事業者にとっては返品特約を表示する意味がなくなってしまう事態も考えられたのです。

    虚偽・誇大広告に関するトラブルが格別多いわけでもないのに、販・ECだけが標的にされた格好であり、業界内からは「民法(詐欺、債務不履行、不法行為)で対応すべきであり、特商法の通信販売にそのような規定を導入することには反対」という声があがっていました。

    さて、今回の取りまとめでは「必要に応じて検討が行われることが期待される」と言及されています。

    「次の改正」があるかどうかは不明ですが、特にネット通販は右肩上がりの産業ですので何かトラブルが発生すれば、消費者団体などから「やっぱり規制強化すべき!」という声があがってくるでしょう。消費者契約法の「勧誘」概念の拡大に関する議論も主にネット通販を念頭に置いたものと思われますので、引き続き注視する必要があります。

    この問題を追い続けている一般社団法人ECネットワークの沢田登志子理事は次のような言葉を、広告や通販・ECに関わる事業者に投げかけています。

    事業者の皆さん今までも十分気を付けていると思いますが、今後は、ターゲティング広告なども含めて、広告全般の記載や広告そのものの振る舞いに一層気を付けて欲しいです。規制強化のきっかけは“悪質な事業者”ですが、「自分たちは真面目にやっているから関係ない(こんな議論は迷惑なだけ)」ではなく、業界全体の努力で悪質な業者を市場から排除する、といったことも考えて、声を上げて欲しいです。

    広告規制の強化は見送りへ。通販・ECの人は知っておくべき特商法改正の最新動向③
    第1回 特商法専門調査会の様子

    通信販売事業者への表示義務事項の追加

    経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会が取りまとめた割賦販売法の見直しで、加盟店契約を行うカード会社(アクワイヤラー)と決済代行会社に登録義務が課されることになりました。

    これを受けて、特商法表示義務事項に、ECサイトが加盟店契約を締結している「アクワイヤラー・決済代行会社に関する情報」を追加する、といったことが論点になっていましたが、今回はこれも見送られました

    ショッピングモールへの規制

    直ちにインターネットモール事業者に対して特定商取引法上の特別な義務を課す必要はないと思われる。今後、自主的な取組の成果やトラブルの推移等を見ながら、必要に応じて、別途検討を行うことが期待される

    特商法専門調査会が出したインターネットモール事業者の取り扱いに関する結論です。

    第1回特定商取引法専門調査会では、モール事業者の取り扱いについて、次のようなことなどが課題としてあげられていました。

    • モールショッピングなどインターネット取引の場の提供者は、加盟店である販売業者の実在性確認義務や苦情発生時の適切処理義務などの加盟店調査義務を定めるべきである。
    • インターネットモールの運営事業者に対して、加盟店管理などの責任があることを法定できないか。

    EC事業者全体で健全な市場を形成していきませんか

    今回の特商法専門調査会報告書(案)に対して、JADMAは次のようなメッセージを発しました。

    報告書案では自主規制団体としての当協会に対して、勧誘に関する自主規制の徹底を求められているが、業界団体だけではなく、関係する団体すべてが一体となり連携し努力することが求められるのではないか。そのことによって、非会員企業に対しても法令遵守を徹底させることができるのではないか。

    また、行政機関等とそれらの取り組みの効果を検証する制度設計を行うことが期待されるとあるが、自主規制の効果のためにいわば公的機関の監視のもとにおくという体制を設計することは本末転倒である。むしろ関係団体が連携し情報交換等を通じて、悪質業者を排除していくことが重要ではないか。

    これは、報告書案に記載された訪問販売および電話勧誘販売の勧誘に関する自主規制に対して、JADMAが公表した意見ですが、広告や通販・ECに携わる事業者は留意しておきたいことです。

    広告規制の強化は見送りへ。通販・ECの人は知っておくべき特商法改正の最新動向④
    JADMAの佐々木迅会長は新年賀詞交歓会で特商法の改正に触れ、「通販業界にとっては重要な年になる」と述べていた

    たとえば、「虚偽・誇大広告への取消権の付与」に関する議論。もともと法改正の意図は悪質な事業者を排除するためのものなのですが、その一部の悪質業者を規制する法律により、健全な事業を手がける多くの事業者がダメージを受けてしまう可能性が出てきます。

    健全な事業者は取消権など導入せずに、帰責性がなくても返品に応じるケースがあります。体力のある大手企業などでは十分な対応ができると思われますが。取消権が付与された場合に体力の乏しい企業はどうすればいいのでしょうか。

    JADMAでは、次のように説明しています。

    中小事業者に対して法律によって大手と同じ対応を強いる結果となれば、通販市場を支えている数多くの事業者が市場からの撤退を余儀なくされる。流通において通販業界は一貫して市場を拡大してきており、ネットの出現により更なる飛躍を遂げようとしている。しかるに、立法事実のないままこのような法規制が強化されることは、今後の経済の活性化、産業振興の観点から強く反対するものである。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    ヤフーが一休にTOB、Yahoo!ショッピングやトラベルと一休のサービスを連携へ

    10 years 4ヶ月 ago
    一休のサービスへヤフーユーザーを送客するなどして収益基盤を強化するとしている

    ヤフーは12月15日、オンライン予約サイト「一休.com」を運営する一休の完全子会社化をめざし、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買収額は1000億円超。

    「Yahoo!トラベル」「Yahoo!予約 飲食店」「Yahoo!ショッピング」など、ヤフーが提供するEC関連サービスの利用者に対し、一休が運営するサービスを提供するなどして、シナジーを生み出す。ヤフーユーザーを一休のサービスへ送客するなどして収益基盤を強化するとしている。

    筆頭株主である一休の森正文社長、第二位の森トラストはすでにTOBの応募に関する契約を締結している。買付予定数は2923万8300株で、下限は1949万2200株。応募株式が下限に満たない場合は買い付けを行わない。

    ヤフーが一休をTOB、Yahoo!ショッピングやトラベルと一休のサービスを連携へ

    一休の予約サービスなどは413万人超が利用している(画像は編集部がキャプチャ)

    一休は2000年に「一休.com」を開設。現在の会員は413万人(2015年9月末時点)を超えている。高級ホテル・高級旅館に特化したオンライン予約サイトのほか、ギフトチケット販売サイトなどを運営している。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    スタートトゥデイがファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ」の提供を開始

    10 years 4ヶ月 ago
    運営は「STORES.jp」を提供するブラケットが担う

    スタートトゥデイは12月15日、ファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ(ゾゾフリマ)」の提供を開始した。グループ会社で無料オンラインストア構築システム「STORES.jp」を提供するブラケットが運営を担う。スタートトゥデイの各種サービスと連携し、2016年3月期に流通額35億円をめざす。

    「ZOZOフリマ」に出品された商品は「ZOZOTOWN」の「フリマ商品」コーナー掲載される。

    「ZOZOTOWN」で商品を検索した際、検索結果ページに「新品」「古着」と並び「フリマ商品」と表示する仕組みで設計。「ZOZOTOWN」を訪れるファッション好きユーザーに対して商品を露出する。

    また、「ZOZOTOWN」やファッションコーディネートアプリ「WEAR」の商品情報・画像を使用して出品することが可能。写真撮影や商品情報(ブランド名・価格・サイズ・カラー等)の詳細入力など、面倒な作業がなく出品できる。

    「ZOZOTOWN」や「WEAR」 とID 連携すると、「ZOZOTOWN」で過去に購入したアイテムや、「WEAR」のクローゼットに登録しているアイテムから売りたい物を選択して出品できるようにした。簡単に出品できる環境を提供する。

    決済はスタートトゥデイが間に入り、入金確認後に支払いを行うエスクロー決済を採用。利用者間において直接代金のやり取りを行わない仕組みを作り、安心して売買できる環境を用意した。商品が落札された際、落札代金の10%が手数料として引かれ、入金される仕組み。

    「ZOZOTOWN」や「WEAR」のユーザーの誘導を図り、ユーザーを拡大させる。「『ZOZOUSED』の売上高が現在70億円だが、早い段階でこれを超えられるように事業を拡大していきたい」(ブラケット広報)としている。

    ブラケットの光本勇介社長(左)スタートトゥデイの澤田宏太郎取締役

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    nakagawa-m

    ネット広告代理市場は7600億円規模。2014年度は16%増で2年連続となる2ケタの伸び

    10 years 4ヶ月 ago
    4マス広告からネット広告へのシフトや業績好調企業のボトムアップが要因

    ミック経済研究所が12月11日に発表した調査結果によると、2014年度のネット広告代理市場の総市場規模は前年比16.0%増の7600億円となった。2年連続で2桁成長を遂げた。クライアント企業の広告予算が4マスからネット広告へシフト。業績が好調な企業による広告予算のボトムアップが最も大きな要因だと分析している。

    ネット専業広告代理店と総合広告代理店の主要56社に対し面接取材、IRデータ、電話取材などで調査。主要ネット広告代理事業者の市場規模とそのトレンド分析をベースに、総市場の拡大集計を試みた。

    ネット広告市場は、毎年新しいアドテクノロジーを駆使した広告種類が登場。クライアントにとっては広告効果(成果)と予算を連動させやすく環境が進み、今後も市場が拡大すると見ている。

    2015年度以降はネイティブアドの代表格としてインフィード広告が浸透すると予測され、ソーシャル広告もSNSの拡大に後押しされて大きく市場を伸ばすことが考えられるとしている。

    新商材の登場に加え、2020年には東京オリンピックを控えているため、市場は順調に拡大することが予想される。2015年度以降、2018年度までの総市場は年平均15.2%増と好調に推移するとミック経済研究所では予想している。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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    アスクル、子会社化したエコ配に法人向けサービスの配送業務の一部を委託

    10 years 4ヶ月 ago
    エコ配の集荷・配送サービスの取次販売も開始

    アスクルは12月からエコ配との協業を開始した。2015年9月に資本業務提携を行ってエコ配を子会社化しており(関連記事)、グループのシナジーを高めていく。まずは、アスクルの一部配送業務をエコ配が担当。エコ配の集荷・配送サービスをアスクルが取次販売する。

    12月2日から、アスクルの法人向けサービスの配送業務をエコ配が受託し、東京・名古屋・大阪の一部地域での翌日配送を開始した。自転車配送が可能なサイズ・重量の梱包に限定して対応する。

    12月14日からはアスクルを利用する企業に向けて、エコ配の集荷・配送サービスの取次販売を開始する。20回分の送り状がセットとなった「アスクルエコ配キット」を、7200円(税抜)で2016年3月31日までの期間限定価格で販売(4月1日以降は税抜7800円)。エコ配の利用者の拡大につなげる。

    アスクルは環境負荷を最小にしていくという理念のもと事業を展開している。自らエコ配のサービスを利用。エコ配を利用する事業者を増やすことで、環境負荷低減につなげていく。

    エコ配を利用したアスクルの法人向け配送のイメージ

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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