ネットショップ担当者フォーラム

リピート顧客を増やして収益を最大化するためのマーケティングオートメーション活用の秘訣

10 years 3ヶ月 ago
効果的なCRMでLTVを向上させるには「データの統合」「単純作業の自動化」「顧客の見える化」が鍵。

通販会社が既存顧客の売上を増やすにはCRMの強化が欠かせない。しかし、社内システムの連携などがボトルネックとなり、効果的なCRM施策を十分に実践できていないケースが目立つ。

リピート顧客を増やし、通販の収益を高めるCRMを実現するために必要なことは何か。クラウド型の顧客育成CRM/マーケティングオートメーションシステム「カスタマーリングス」を約300社の通販事業者に提供しているプラスアルファ・コンサルティングの鈴村 賢治 取締役副社長が、成長企業が取り組んでいる最新のCRM施策、およびマーケティングオートメーションのトレンドを紹介した。 写真◎Lab

セミナーのポイント
  • 成長企業がCRMで実践している4つのシナリオと行動
  • 既存CRMシステムが効果的なマーケティングの足かせ
  • あらゆるデータを統合し、ワン・トゥ・ワン・マーケティングの自動化を実現
株式会社プラスアルファ・コンサルティング カスタマーリングス事業部 取締役副社長 鈴村 賢治 氏
株式会社プラスアルファ・コンサルティング カスタマーリングス事業部 取締役副社長 鈴村 賢治 氏

成長企業がCRMで実践している4つのシナリオと行動

多くの企業が導入を進めているCRMシステム。しかし、「CRMシステムを導入し、さまざまな施策を展開しているが、思ったように効果がでていない」という声は少なくない。鈴村氏によると、急成長を遂げている通販会社は、次に掲げる4つのCRM施策を実施しているという。

購買傾向に合わせた販促

購入履歴に基づき顧客を分類し、優良顧客に対するシークレットセールの実施や、過去の購入商品に合わせたレコメンドなどを行う。

タイミングを逃さない販促

誕生日などの記念日にクーポンを配布したり、「平均購入間隔」で販促メールを送付したりする。

行動に合わせた販促

Webのアクセスログなどを用いて行動履歴ベースのセグメントを実施し、閲覧履歴やサイト内の行動履歴に基づき、顧客の興味に合わせた販促を行う。

嗜好に合わせた販促

アンケートへの回答などをベースにセグメントを実施し、購入動機や用途など、顧客の声に基づいた販促を行う。

現実には、こうしたCRMを実行できている企業は少ないと鈴村氏は指摘する。

多くの企業は顧客のセグメンテーションを実施した上で、顧客ごとに適切な販促活動を行いたいと考えている。しかし実際には、企業の9割はメールマガジンの一斉配信といったマス中心の施策にとどまっている

また、顧客データは蓄積されているものの、それらのデータが社内に分散されていることから十分な分析を実施できておらず、統合的に顧客を理解することができていない

既存CRMシステムが効果的なマーケティングの足かせ

効果的なCRMを実現、LTVを向上させるためは、「データの統合」「単純作業の自動化」「顧客の見える化」の3つが重要になるという。

①データ統合

社内に分散しているデータを現場が容易に取り扱うことができ、かつ、自由にマーケティング施策に生かせるプラットフォームを整える。購買データや顧客データなどが分散していると、必要なデータを抽出し、加工するだけで多くの困難が伴う。

②単純作業の自動化

人手を要していた単純作業をITによって効率化し、スタッフの時間をクリエイティブな業務に充てさせる。

③顧客の見える化

ブラックボックス化した分析過程を可視化し、「顧客の本当の姿」を理解する。

ただ、多くのマーケティングの現場では、これらの対応策を実施しようとしても、既存のCRMシステムが阻害要因となっているのが現状だ。

たとえば、顧客データと購買データが異なるデータベースで管理されている企業は多い。メール配信システムやBIツールなど、業務ごとに部分最適化された複数のシステムが存在し、各システムが連携していない企業も目立つ。

データが統合されていない企業においては、データの抽出から加工、分析、そしてメール配信まで、システム間の連携を手作業で行っており、そこがCRMのボトルネックとなっている。当然のことながら、複数のセグメントに対して個別にメール配信をしようとするならば、これらの作業を都度、人が行わなければならない。

こういった単純作業を自動化し、よりクリエイティブな作業へとシフトするのが、マーケティングオートメーション導入の目的となる。

あらゆるデータを統合し、ワン・トゥ・ワン・マーケティングの自動化を実現

効果的なCRMの実現に必要な一連の業務を、単一のシステム上で行い、CRM施策をワンストップで行えるようにするのが、プラスアルファ・コンサルティングが提供するマーケティング・オートメーションツール「カスタマーリングス」だ。カスタマーリングスは主に次の3つの機能から構成されている。

  1. 顧客を軸としたあらゆるデータを統合する「DMP機能
  2. データを分析し“顧客の見える化”を実現する「BI機能
  3. 分析結果を販促施策につなげる「キャンペーンマネジメント機能

「これらの3つの機能が一体化することによってはじめてマーケティング・オートメーションが実現できる」と鈴村氏は強調する。

「カスタマーリングス」の概要
「カスタマーリングス」の全体像

データ統合がCRMの基本に

鈴村氏はデモンストレーションを交えながら、カスタマーリングスの機能とその活用例を紹介した。

まず、カスタマーリングス上に顧客データや購買データを取り込むと、顧客の個人情報と購買情報がひも付いて1つの画面上で参照可能となる。それらのデータは複数のソースから取り込めるようになっており、Webのアクセスログやメールの閲覧ログ、アンケートへの回答といった複数チャネルのデータ統合が可能だ。オムニチャネル化に取り組んでいる企業の場合、実店舗とECサイトに別々に蓄積されたメールアドレス、電話番号、会員の氏名などをマッチングすることもできる

カスタマーリングスは、流入チャネル・広告効果の分析、継続率分析、RFM分析、キャンペーン反応分析などを行うための豊富な機能を揃えており、分析結果をダッシュボード上で閲覧することが可能となる。

顧客像を把握しワン・トゥ・ワン・マーケティングへ

データの統合を自動化することで、顧客のセグメンテーションをはじめ、顧客に合わせた最適な販促施策のシナリオ設計や、アクションが簡単に行えるようになる。

例えば、顧客の年間購入金額、購入回数、初回購入日、最終購入日、購入時間等といったプロファイルや、性別、年代、新規購入、リピート回数などのユーザー情報に応じてメールの出し分けを行える。

マーケティング・オートメーションを実現

こうしたワン・トゥ・ワン・マーケティングを自動化することも可能だ。

初回購入の顧客に対するステップメールの自動送信や、クロスセルを目的とした特定の顧客へのレコメンド商品情報の自動挿入、かご落ちした顧客に対してリマインド購入を促すメールの送付といった施策を即時にかつ自動で行える。

メール配信についてはシナリオに基づいたABテストも可能。例えば、複数の異なるサブジェクトのメールを、設定した配分通りに送付し、開封率を参照して比率を自動的に調整する機能も搭載している

これらの自動化機能によって、これまで手間と時間がかかっていたマーケティングにおける単純作業の時間を削減し、マーケティングで最も重要な「顧客の見える化」を実現するための分析に時間を充てられるようになる。

「カスタマーリングス」の概要
◇◇◇

販促施策に対するレスポンスが可視化されれば、次の販促策のアイデアが創出されやすくなり、すぐに行動にもつなげられるようになる。そうした要望に応えるCRM/マーケティングオートメーションシステムがカスタマーリングスだ。

関連リンク:

伊藤 秀樹

ライター

uchiya-m

全国5カ所のPARCOで「minne」取扱商品の対面販売イベントを開催、GMOペパボ

10 years 3ヶ月 ago
第1弾として渋谷で「ミンネとパルコのミエルツアー SHIBUYA」を開催

GMOペパボは3月7日から、全国の全国5カ所(札幌/東京/仙台/広島/福岡)の「PARCO」において、運営するハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」で取り扱うハンドメイド作品の対面販売イベントを開始する。同社ではハンドメイド作品の良さを多くの人に知ってもらうためリアルイベントに力を入れており、その一環として今回はパルコと連携して、全国キャラバンを行っていく。

第1弾として東京・渋谷のパルコで「ミンネとパルコのミエルツアー SHIBUYA」を開催する。55人の人気作家が日替わりで対面販売を行い、アクセサリーやバッグ、雑貨など、 渋谷会場限定作品を含む、合計約4500点のハンドメイド作品を、ハンドメイド作家との交流を行いながら、直接手にとってご購入できるようにする。

今後、6月に広島、9月に札幌、10月に仙台、12月に福岡で開催する予定。いずれも約50~60名の作家が出店するとしている。

「ミンネとパルコのミエルツアー」のロゴ

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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20代女性向けオウンドメディア「+days(プラスデイズ)」を開設、モバコレ

10 years 3ヶ月 ago
ショッピング以外のユーザー接点を増やし、ファン拡大へ

千趣会の子会社で20代女性向けファッションECを展開するモバコレは3月4日、創業10周年を記念して、ファッション、美容・健康などの記事コンテンツを配信するオウンドメディア「+days(プラスデイズ)」を開設した。ショッピング以外の場所でのユーザー接点を増やすことで、モバコレのファンの拡大につなげていく。

「プラスデイズ」は20代女性をターゲットにした、ファッション、美容・健康、メイク・コスメ、ヘアスタイル、恋愛、グルメ、ライフスタイル、イベントなどの記事を掲載。コンテンツはすべてオリジナルで、モバコレのスタッフ(バイヤー、編集担当)も記事作成を担当する。週2回配信を行う。

このほか、モバコレでは10周年企画として、3 月18日から10 週間連続で人気ブランドの別注品を限定販売するほか、クーポンキャンペーン、感謝セールなどの各種イベント行っていく予定としている。

「+days(プラスデイズ)」

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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nakagawa-m

英語圏への越境EC支援サービスを開始、アイフィスジャパン

10 years 3ヶ月 ago
グループ会社の「フィリピンBPOセンター」を活用

金融情報サービスなどを手掛けるアイフィスジャパンは3月3日、EC事業者向けに海外への商品販売を支援する「越境ECワンストップサービス」を開始した。アイフィスジャパングループ会社の「フィリピンBPOセンター」を活用し、英語圏でのEC展開をサポートする。

「amazon.com」「ebay.com」に同社のアカウントを開設。ここを通じて、支援企業の商品を販売していく。商品情報の多言語翻訳、海外大手モールへの商品登録、受注・問合せの運営代行、海外配送、広告運用代行といった作業も同社が行うため、EC事業者は①出品する商品を選定し、②販売する商品の情報を提供、③商品を同社の日本の倉庫に納品するだけで海外販売が可能となる。

今後は、海外現地法人の機能強化・商品販売マーケティング・海外物流・商品翻訳のノウハウを向上により、EC事業者の海外販路の充実と、営業体制を強化する。

「越境 EC ワンストップサービス」の提供イメージ

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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nakagawa-m

2017年にEC市場は7.2兆円に拡大、スマホ経由は約3割を占める2.3兆円まで広がる

10 years 3ヶ月 ago
富士経済がECに関する全体の市場、通販市場、仮想ショッピングモール市場、アパレル市場などの見通しを発表

富士経済は、2017年にはEC市場が7兆2272億円(2014年比17.5%)まで拡大するとの見通しを発表した。ECのほか、カタログ通販、ラジオ通販など通販全般の通販市場は2017年に9兆1378億円(2014年は8兆1747億円)まで拡大すると予測している。

EC市場

2014年のEC市場は6兆1486億円。その内、PCサイトからの受注は4兆1962億円でEC市場全体の68.2%を占めるが、2017年には4兆1704億円に縮小する見通しを示した。

一方、スマートフォンサイトからの受注は2014年の1兆4962億円(市場全体の24.3%)。2017年には2014年比57.6%増の2兆3573億円に拡大し、市場占有率は32.6%まで広がる。

2017年にEC市場は7.2兆円に拡大、スマホ経由は約3割を占める2.3兆円まで広がる、富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2016」調査①

出典は富士経済

通販市場

国内通販市場について、カタログ通販はシニア層に支えられるものの、情報リテラシーの高いシニア層のECシフトが進むと指摘。テレビ通販なども同様で、カタログと同様に縮小していくと指摘している。

ただ、全体的にはECが市場拡大をけん引し、通販市場全体は拡大傾向にある。

2017年にEC市場は7.2兆円に拡大、スマホ経由は約3割を占める2.3兆円まで広がる、富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2016」調査②

出典は富士経済

仮想ショッピングモール市場

「楽天市場」(楽天)、「Amazon.co.jp」(アマゾンジャパン)、「Yahoo!ショッピング」(ヤフー)、「DeNAショッピング」(ディー・エヌ・エー)、「ポンパレモール」(リクルートライフスタイル)の5大仮想ショッピングモール市場についても調査。

2014年は3兆1145億円だったが、2015年は3兆3992億円まで拡大したと見込んでいる。

2017年にEC市場は7.2兆円に拡大、スマホ経由は約3割を占める2.3兆円まで広がる、富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2016」調査③

出典は富士経済

アパレルEC市場

アパレルのEC市場は2014年の1兆7215億円から、2017年には1兆9755億円まで拡大する見込み。アパレルECサイトやアパレルブランドの自社通販の伸びがけん引し、市場は拡大。ただ、総合通販企業はカタログの不振などによる苦戦が目立ち、市場の二極化が進行していると指摘した。

2017年にEC市場は7.2兆円に拡大、スマホ経由は約3割を占める2.3兆円まで広がる、富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2016」調査④

出典は富士経済

今回の調査は、富士経済がECを中心に拡大する通販の国内市場を調査し、その結果を報告書「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2016」にまとめたもの。詳細はこちらから。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

レッドブルの事例に学ぶ、顧客価値を高めるデジタルマーケ戦略

10 years 3ヶ月 ago
世界的大手メーカーがECプラットフォーム「Hybris(ハイブリス)」を採用する理由

デジタル化によって企業と消費者の関わり方が大きく変化する中、小売業やメーカーにとってオムニチャネル化は最重要施策の1つだ。オムニチャネル・コマース・プラットフォーム「SAP Hybris Commerce」を国内で販売しているSAPジャパンと、同製品をベースとしたオムニチャネルソリューションを提供しているNTTデータの担当者が、企業が取り組むべきデジタルマーケティング戦略やプラットフォームの活用法について、レッドブルの事例をあげて解説した。 写真◎Lab

セミナーのポイント
  • 流通は“顧客価値”を中心としたエコシステムに
  • レッドブルのデジタル戦略の目的は「顧客ニーズの把握」
  • システムだけで解決できない問題をどう乗り越えるか
SAPジャパン株式会社 SAP Hybris ソリューション事業本部 ソリューション エンジニアリング ディレクター 阿部 匠 氏
SAPジャパン株式会社 SAP Hybris ソリューション事業本部 ソリューション エンジニアリング ディレクター 阿部 匠 氏

流通は“顧客価値”を中心としたエコシステムに

オムニチャネルは小売業界にとどまらないビジネス革新の潮流だ。消費財、ファッション、家電など幅広い分野において企業と消費者の関係性が大きく変化し、流通は“顧客価値”を中心としたエコシステムへと再編が進んでいる

デジタル化によって流通は“顧客価値”を中心としたエコシステムへ再編されている
デジタル化によって流通は“顧客価値”を中心としたエコシステムへ再編されている

家電業界の価格交渉力を例に上げると、家電の価格交渉権はかつてメーカーが握っていたが、やがて小売りの力が強くなり、現在では消費者の価格交渉力が最も強くなっている

消費者の価格交渉力が高まった背景には、スマートフォンを使って商品の価格を調べ、他店と比較しながら店員と価格交渉をするような「デジタルネイティブ」の消費者が増えていることがある。

【デジタル化がもたらす消費行動の変化】
  • 買い物の際に商品についてオンラインで調べる
  • パソコンからモバイルへの急激なシフト
  • ソーシャルネットワーク上の評判やクチコミで判断
  • 情報が豊富なため企業やサービスを比較検討して乗り換えやすい

こうしたデジタル化がもたらした市場の変化について、SAPジャパンの阿部氏は次のように指摘した。

消費者を押えた企業が、このエコシステムの王になる。そして勝者と敗者の明暗がはっきりと分かれる。そうした変革をもたらす可能性をデジタル社会は秘めている(阿部氏)。

デジタル化は小売業とメーカーの関係性も大きく変えた。メーカーが直販サイトを持ったり、海外展開したりすることで、従来は限定的だった顧客への直接的な販路を拡大できるようになったのだ。

そして、メーカーと消費者が直接つながる時代のマーケティングにおいて強みを発揮するのが、SAPジャパンが提供している多彩なECソフトウェア機能を備えたオムニチャネル・コマース・プラットフォーム「SAP Hybris Commerce」だ。

レッドブルのデジタル戦略の目的は「顧客ニーズの把握」

「Hybris」は世界中の小売業者やメーカーなど多くの企業で活用されている。阿部氏は一例として、エナジードリンクメーカーであるレッドブルの事例を紹介した。

レッドブルは積極的にスポーツイベントへの投資を行っており、同社のロゴが入ったプロスポーツのユニフォームなどを直営ECサイトで販売している。ECサイトは売上獲得に加え、ブランドイメージの向上やデジタルマーケティングの役割も担っている

同社はデジタル媒体に広告を出稿し、アクセスした顧客のデバイスアドレスやIPアドレスなどを獲得。さらにFacebookやTwitterに出稿した広告のアクセスからSNS のアカウントIDも収集している。

これらのデータに加え、直販サイトでのユーザーの購入履歴や行動情報を蓄積、紐付けることで、顧客の人物像を解析し、一人一人に対して最適な販促施策を打てるようにしているという。

デジタルデータをリアルタイムで活用することで顧客の行動を把握し、顧客にとって意味のあるコンテンツを提示する
デジタルデータをリアルタイムで活用することで顧客の行動を把握し、顧客にとって意味のあるコンテンツを提示する

デジタル化が浸透する以前は、顧客の行動やニーズを細かく把握することが難しく、企業側の目線で「顧客は何に興味を持ち、購買を行っているのか」を考えてきた。

だが、デジタル化によって、消費者一人一人のさまざまな情報を取得できるようになり、そうしたデジタルデータをリアルタイムで活用することで顧客の行動を把握し、顧客にとって意味のあるコンテンツを提示し、購買につなげられるようになっている。

テクノロジーは揃ってきた。本格的なデジタルマーケティングに取り組むか、取り組まないかの判断が、今、企業に迫られている(阿部氏)。

システムだけで解決できない問題をどう乗り越えるか

企業がデジタルマーケティングに取り組む際のポイントとして、NTTデータの風間氏は、「ビジネス環境やマーケット、顧客動向の変化に合わせて変更すべき部分と、頻繁に変更すべきでない部分がある」と指摘した。

株式会社NTTデータ クラウドコンピューティング事業部 課長 風間 昭男 氏
株式会社NTTデータ クラウドコンピューティング事業部 課長 風間 昭男 氏

変更すべき部分とは「CRM」「ECサイト」「キャンペーン」といったフロントエンド部分、頻繁に変更すべきでない部分は「受注から商品出荷までのプロセス」「在庫管理」「会計」といったバックエンド部分だという。そして、データハブとして、フロントエンドとバックエンドを取り持つ仕組みが必要となる

NTTデータは「BizXaaSオムニチャネル」を提供している。BizXaaSオムニチャネルは「SAP Hybris Commerce」を日本の企業が最大限活用できるようにするためのサービスである。高度なEC機能を備えているほか、顧客情報や商品情報、在庫情報、注文情報などを、あらゆるチャネルから集約して一元管理できるクラウドサービスだ。

こうしたソリューションを提供する一方で、風間氏は次のように強調する。

オムニチャネル化に取り組む上で、「どこへ向かうのか(目標設定)」「どうやって向かうのか(手段)」「何を使って向かうのか(ツール・システム)」を定めていくことが重要だ。これらはシステムだけでは解決できない。したがって、NTTデータではテクノロジーの提供だけでなく、目的や手段に関する情報提供も行っている(風間氏)。

目標設定については、社内の意見を受け止める枠組みを構築することが重要となるという。「経験・体験」「製品」「基本構造」といった自社のビジネスの構成要素の中から、どれを優先的にデジタル化していくかを洗い出し、自社にとってのデジタルビジネスとは何であるのかについて共通認識を築いていくというものである。

次に、デジタル化の手段については、社内のどの部門が中心となり、誰がリーダーを担うのかを明確に定めていくことが不可欠だ。オムニチャネル化の過程では過去の慣習を壊すような革新も必要となるため、当然軋轢も生じる。「したがって、役員や役員クラスの担当者など、上位レベルで合意を後押しする存在が不可欠となる」と風間氏は指摘する。また、関係者の意見をまとめ、論点のレベル感を統一するため、定期的に同じ土台で議論・点検・修正を行っていくことも必要だ。

そしてもう1つ重視すべきポイントは、オムニチャネル化を進めるために「何を使うのか」、つまりシステムやプラットフォームの選択だ。テクノロジーは今やビジネスをけん引しており、その選択がビジネスの成否を大きく分けるようになっている。デジタル化の時流に合ったテクノロジーやソリューションを選び、活用していくことがオムニチャネルを成功させる鍵となる。

関連リンク:

伊藤 秀樹

ライター

uchiya-m

「カゴ落ちメール」と「アフィリエイト」の連載が好評 | 週間人気記事ランキング

10 years 3ヶ月 ago
2016年2月26日~3月3日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

ナビプラスの井口隆智氏による「カゴ落ちメールが変えるECサイトの新しい“接客”のカタチ」と、鈴木珠世氏による「アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座」が好評です。

  1. 半年で1.5倍と急増中。「カゴ落ちメール」国内外の普及状況

    tweet20このエントリーをはてなブックマークに追加

    国内EC売上トップ500サイトへの独自調査から読み取る、カゴ落ちメールの現状(連載第2回)

    2016/3/3
  2. 自社に合うアフィリエイトはどのタイプ? アフィリエイターの種類を知ろう

    tweet42このエントリーをはてなブックマークに追加

    アフィリエイトには6つのタイプがあります。最適なアフィリエイターと出会えるASPを選ぼう(第3回)

    2016/2/26
  3. 「Yahoo!ショッピング」ポイント5倍付与は2月末で終了、会員向けキャンペーンは継続

    tweet4このエントリーをはてなブックマークに追加

    アプリ購入に関するポイントキャンペーン「Yahoo!ショッピングアプリ限定! Tポイント3倍!」も1月末に終了

    2016/3/1
  4. 2万人超の消費者意識などをまとめた「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」を発表

    ペイパルとジェシカが2万人の消費者と1000社超の中小EC企業を対象にECサイトの利用意識などについて調査

    2016/3/3
  5. 「LINE MALL」終了へ 5月末で約2年半のサービス運営に幕

    物販に関する他のサービス「LINEフラッシュセール」「LINEギフト」は継続してサービスを提供する

    2016/3/1
  6. 家族経営の養蜂園が販売するハチミツがAmazonで人気になった理由

    AmazonマーケットプレイスマンスリーニュースレターVol.20より転載

    2016/2/29
  7. 商品購入の決め手。若者はTwitter、シニアは断然メール

    2016年2月19日~25日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

    2016/2/26
  8. チャット接客もするアーバンリサーチの新通販サイト、店頭スタッフがWebでやり取り

    ECサイト上にはチャット機能を搭載し、表参道ヒルズの店頭スタッフと直接やり取りできる仕組みを構築

    2016/3/2
  9. ECに興味がある学生よ集まれ! アイリスオーヤマがネット通販用の新卒者採用を開始

    通販サイトの企画、デザイン、コーディングなどのWeb制作部門へ配属する「Webデザイナーコース」を新設

    2016/3/1
  10. 宅配ロッカー「はこぽす」を駅などにも設置へ、日本郵便は他社へのオープン化も検討

    日本郵便は3月から京王井の頭線の駅6か所に設置し、実証実験を行っていく

    2016/2/29

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    Yahoo!ショッピング大賞に「家電と住設のイークローバー」、上新電機は6年連続総合1位

    10 years 3ヶ月 ago
    ヤフーは「Yahoo!ショッピング」の年間ベストストアを表彰する「Yahoo!ショッピング Best Store Awards2015」を開催

    Yahoo!ショッピング大賞に「家電と住設のイークローバー」、上新電機は6年連続総合1位

    2016年から新設した「Yahoo!ショッピング大賞」は「家電と住設のイークローバー」が受賞

    「Yahoo!ショッピング Best Store Awards2015」の「Yahoo!ショッピング大賞」(2016年から新設)は「家電と住設のイークローバー」(運営はクローバー)。総合グランプリは6年連続の「Joshin web」(運営は上新電機)――。

    ヤフーは3月3日、「Yahoo!ショッピング」の年間ベストストアを表彰する「Yahoo!ショッピング Best Store Awards2015」を開催。約35万店の中から、「Yahoo!ショッピング」の成長をけん引し、ECの発展に寄与した店舗を表彰する「Yahoo!ショッピング大賞」に「家電と住設のイークローバー」を選出した。

    「Yahoo!ショッピング大賞」は2016年に新設したアワードで、「Yahoo!ショッピング」全体の成長をけん引し、ECのさらなる発展に寄与した店舗を表彰するもの。ヤフーの小澤隆生氏(執行役員 ショッピングカンパニー長)は次のように新設理由を説明した。

    大賞は一番成長した、「Yahoo!ショッピング大賞」に力を入れてくださった店舗を表彰するもの。売上規模、キャンセル率などさまざまな指標を踏まえ、成長率の高い、今年がんばった店舗を選んでいる。

    「家電と住設のイークローバー」は、2009年から6年連続で年間ベストストア賞を受賞している。

    総合グランプリを6年連続で獲得した「Joshin web」は、「スマホ、タブレット、パソコン部門」「テレビ、オーディオ、カメラ部門」「ゲーム、おもちゃ部門」でもそれぞれ1位を獲得。

    「Joshin web CDDVD Yahoo!店」として「ソフト部門」で3位、「家電部門」でも2位を受賞した。

    Best Store Awards 2015 受賞ストア
    Yahoo!ショッピング大賞家電と住設のイークローバー
    総合1位Joshin web
    総合2位コジマYahoo!店
    総合3位爽快ドラッグ
    総合4位ソフマップYahoo!店
    総合5位カメラのキタムラ

    ※順次、受賞店舗を追記していきます。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    2万人超の消費者意識などをまとめた「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」を発表

    10 years 3ヶ月 ago
    ペイパルとジェシカが2万人の消費者と1000社超の中小EC企業を対象にECサイトの利用意識などについて調査

    PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)と一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA、ジェシカ)は3月2日、2万人の消費者と1000社超の中小EC企業を対象にECサイトの利用意識などについて調査した「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」を発表した。

    ▼「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」について(ジェシカのHPからダウンロード可能、ジェシカのHPにジャンプします)

    ECサイト利用動向

    全国2万人のECサイト利用者のうち、87%が「楽天市場」「Amazon.co.jp」などのモールを利用。伊勢丹、ベルメゾンネット、ケンコーコムといった大手の自社ECサイトを利用したことがある人が45.2%、中小のECサイトの自社サイトを利用したことがある人は7.3%にとどまっている。

    モールや大手ECサイトで購入する理由は、「すでに会員登録をしている」「使い慣れている」といったことを上げるユーザーが多かったという。

    中小ECサイトで商品購入しない理由

    また、中小のECサイトで購入しない理由について聞いたところ、「その企業のことを知らないから」「新規で会員登録するのが面倒だから」といった理由が上位に入った。

    中小のECサイトへ会員登録するのに抵抗があると回答したユーザーは96%。会員登録しないと商品購入できない場合でも、メールアドレスや住所といった情報をわざと間違って入力するユーザーが相当数いるということも明らかになった。

    中小EC企業の意識

    一方、中小EC企業に消費者行動について聞いたところ、「消費者は会員登録を嫌がっていない」と考えている企業は約半数にのぼる。消費者との意識の差が大きいことも明らかになった。

    日本と米国での会員登録施策

    米国でも会員登録を嫌がる消費者が増えており、ECサイトはこうした状況に対して2年ほど前から対応を始めているという。日本の売上TOP100社のサイトの内、70社が強制的な会員登録を必須にしているのに対し、米国では26社のみ。TOP25に絞ると日本は21社、米国では2社。

    こうした状況を踏まえ白書では、「今後は日本でも強制的な会員登録から脱却し、ゲスト購入を起点とする新しいEC戦略を立てる必要がある」と解説。まずは1回目の購入はゲスト購入で買ってもらい、その後、会員登録を任意で促し、会員登録をした消費者に対して各種販促を行っていくことが重要なのではないかとしている。

    さらに、モバイルへのシフトが加速している現状では、さまざまな情報を打ち込むことはユーザーへの負担が多いと指摘。すでに登録している情報を利用して買い物ができるID決済の導入が重要になってくるとしている。

    記者会見を行ったジェシカの川連一豊代表は次のように話した。

    実際、調査を実施してみて、驚いた数字がいくつもあった。ECサイトに対して消費者は思った以上にシビアに見ているので、ECサイトとしてはできるだけ早くそのギャップを埋めることが重要だ。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    nakagawa-m

    「ZOZOフリマ」の販売手数料を無料化、「フリマSALE」開始でユーザーの獲得狙う

    10 years 3ヶ月 ago
    「ZOZOフリマ」の公式アカウントがセール品を毎日100点以上販売

    スタートトゥデイの子会社でECサイト構築パッケージを提供するブラケットは3月2日、 ファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ(ゾゾフリマ)」で売り主に発生する販売手数料を期間限定で無料にすると発表した。終了時期は未定。まずはユーザー獲得につなげていく。

    これまで、売買が成立した場合、販売者側に販売価格の10%の手数料が発生していたが、これを無料化した。

    加えて、アプリ内で「フリマSALE」を3月3日から開始する。「ZOZOフリマ」の公式アカウントがセール品を毎日100点以上販売。セール品を運営側から出すことで、ファッションアイテムに興味を持つ消費者を取り込んでいく考え。

    「ZOZOフリマ」は2015年12月に開始したファッションに特化したフリマサービス。競合となる「メルカリ」や「FRIL」では、ユーザー獲得のために手数料を無料化していた(現在は両サービスとも手数料を10%)。

    「ZOZOフリマ」は「ZOZOTOWN」や「WEAR」との連携で、ファッションに興味のあるユーザーを誘導するとして、開始当初から先行するサービスと同等の手数料としてきた。開始から3か月で、まずはユーザー獲得のため、手数料を無料化するように変更した。

    販売手数料を無料化

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    nakagawa-m

    セブンと京急がタッグ、駅ナカ売店で「オムニ7」の商品受取をスタート

    10 years 3ヶ月 ago
    京急線の駅ナカ売店「セブン-イレブン京急ST」19駅21店舗で受け取ることができる

    セブン-イレブン・ジャパンと京急ウグループの京急ステーションコマースは業務提携し、京急線の駅ナカ売店「セブン-イレブン京急ST」でセブン&アイグループの「オムニ7」で扱う商品の受け取りサービスを始めた。対象は19駅21店舗。

    ネット通販の市場急拡大で、自宅だけではなく店舗などで商品を受け取りたいというニーズが増えている。利便性の高い「駅ナカ」での受け取りサービスで、こうした消費者ニーズに応える。

    「オムニ7」で買い物をする際、受け取りたい店舗(19駅の21店舗が対象)を指定すると、駅ナカ店舗で受け取ることができる。送料や手数料は基本的に無料。代金は「セブン-イレブン」の店頭レジで支払うことができる。

    セブン-イレブン・ジャパンと京急ウグループの京急ステーションコマースは業務提携、駅ナカ売店で「オムニ7」の商品受取をスタート

    京急グループは次のようにコメントしている。

    インターネットショッピングの本格的な普及を背景に、駅でのお受け取りサービスを本格的に展開することで、沿線のお客さまの生活利便性、および沿線価値の向上を図ってまいります。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    半年で1.5倍と急増中。「カゴ落ちメール」国内外の普及状況 | カゴ落ちメールが変えるECサイトの新しい“接客”のカタチ

    10 years 3ヶ月 ago
    国内EC売上トップ500サイトへの独自調査から読み取る、カゴ落ちメールの現状(連載第2回)

    前回、製菓・製パンの材料販売サイト「cotta」がサイト離脱者に対して行った「カゴ落ちメール」の事例を紹介した。カゴ落ちメール1通あたりの獲得売上が、通常のメルマガの50倍にもなったという効果に、驚いた方は多かったのではないだろうか。

    何かしらの理由で離脱した、“購入意欲が高かったかもしれない”ユーザーにタイムリーにアプローチできる「カゴ落ちメール」の有効性は、すでに証明されていると言っても過言ではないが、一般的な手法として日本国内のEC事業者が取り組んでいるかというと、まだまだそういう段階ではない。

    そこで今回は、日本国内における「カゴ落ちメール」の普及状況や取組み内容、「カゴ落ちメール」が日本よりも先行して普及している欧米の状況について、ナビプラスが独自に行った調査を紹介する。

    日本国内での導入は「これから」

    ナビプラスが国内EC売上トップ500サイトを独自に調査した結果、カゴ落ちメールを配信していたECサイトは、2016年1月で50サイト(10%)だった。普及率としてはまだ少ないものの、この半年間で約1.5倍に伸びている

    かご落ちメールの例
    国内EC売上トップ500サイトのカゴ落ちメール導入状況(N=500/ナビプラス2016年調べ)

    また50サイトを業種別にすると、普及率が高い順にアパレルが12サイトと24%を占め、続いて総合通販(8サイト/16%)、化粧品・健康食品(7サイト/14%)、家電・PC(6サイト/12%)、スポーツ用品(5サイト/10%)となった。

    かご落ちメールの例
    業種別・カゴ落ちメール配信状況(N=500/ナビプラス2016年調べ)

    まだまだ導入は始まったばかりではあるが、確実に導入率は増えており、数年以内には一般的な取組みとして普及していくことが予想される。

    調査方法

    • 調査対象:2015年夏通販EC売上上位500サイト(参照:日本ネット経済新聞社公表)
    • 調査期間:①2015年8月1日〜8月31日、②2015年12月24日~2016年1月20日
    • 調査手法:該当500サイトにてメール会員登録を行った上でサイトに訪問。買い物カゴに商品を投入後にサイトを離脱後、届いたメールの「件名」「内容」「配信タイミング」などから、どのような目的のメールをどのような意図を持って配信しているかを独自調査。

    配信タイミングの理想と現実

    昨今のスマートフォンの普及やインターネットサービスの利便性向上などにより、ユーザーの購入体験は劇的に変化している。

    その結果、移動中にスマートフォンで商品をピックアップしてから帰宅後PCで購入したり、購入する際は複数のサイトを短時間で横断し、情報収集と検討を重ねて最安値商品を購入したりといった流れが一般的になっている。

    そのため、サイトを訪れるユーザーはちょっとしたことで離脱してしまう上に、早急にフォローしないと別のサイトで購入してしまう可能性が高くなる。EC事業者はうかうかしていられないのだ。離脱する訪問者の袖をつかむくらいのことをしないと売上を逃してしまう

    実際に、カゴ落ちメールの配信タイミングとコンバージョン率については、カート離脱後1時間以内に配信した場合の購入率が14%と最も高く、1日以内が6%、1日後が5%というデータがある(SeeWhy社2013年調べ)。購入意欲が高いうちに自社サイトで購入させないと、コンバージョン率が下がるのは一目瞭然だ。

    では、国内でカゴ落ちメールを導入しているECサイトは、離脱後どれくらいの時間が経過してからメールを配信しているのだろうか。

    1通目のリターゲティングメールの配信タイミング
    配信タイミングシェア
    1時間以内16.1%
    1日以内9.7%
    1日後50.0%
    1週間以内19.4%
    1週間後3.2%
    2週間後1.6%

    現状では、最も開封率が高まるとされる1時間以内が16.1%にとどまるのに対して、1日経ってからの配信が50%、1日以上経過してからの配信の合計は75.8%と、タイムリーに送られていないケースが多い状況だ。

    カゴ落ちから1週間経過したタイミングでは、もう別のサイトで購入してしまっているかもしれない。まだだとしても、そのサイトの記憶や魅力が薄れ、せっかくのメールは未読のまま終わることも十分に考えられる。

    ではなぜ、1日以上経過してから配信するサイトが多いのだろうか。そこには、マーケティング担当者をいつも悩ませる“システム”という現実の壁が存在する。

    リターゲティングメールを実装するには、

    1. 配信対象となるカゴ落ちユーザーの抽出
    2. メールの配信

    という大きく2つの工程があり、多くの場合は両者のシステムがバラバラで連携されていないため、タイムリーに配信するにはハードルが高いのだ。

    現在はカゴ落ちメールの普及が始まった段階。効果の高い配信タイミングやコンテンツについてはこれから各社が試行錯誤を重ねるだろう。今回ご紹介した調査レポートの詳しい内容はこちらでも紹介しているの、でぜひチェックしていただきたい。

    欧米では、すでに複数のサービスが普及している

    欧米では、すでに10社を超える「カゴ落ちメール」の専門業者が登場し、積極的にECシステムやメールシステム向けのプラグイン開発を進めている。2014年には、ERP世界最大手のSAPが「カゴ落ちメール」最大手のSeewhyを傘下に収めるなど、メガプレイヤーも動きをみせており、「カゴ落ちメール」マーケットに対する期待も高まりつつある。

    また、北米トップ1,000サイトのうち35.2%が導入しているといった調査レポート※1や、主要小売業者100社における導入サイト数が2013年から2015年の2年で3倍、全体の41%が導入しているというレポートも出ている※2

    グローバルブランドでは、Ralph LaurenやPaul Smith、OAKLEY、Forever21、SONYといったサイトがカゴ落ちメールを配信しており、欧米のECサイトにおいてカゴ落ちメールはなくてはならない機能のひとつになりつつあると言える。

    ※1 マーケティングオートメーションのベンダーLISTRAK社、2015年調べ
    ※2 Bronto社とDemandware社、2015年調べ

    ◇◇◇

    今回はカゴ落ちメールの国内外の普及状況についてお話ししたが、次回は、そもそもカゴ落ちメールが期待されるようになった背景にどんなものがあったのか、現在における「メールマーケティングの取組みと課題」について迫ってみたい。

    ナビプラス株式会社 井口 隆智

    井口 隆智

    ナビプラス株式会社

    大手決済代行会社SBIベリトランスにてウェブマスターやマーケティング、営業、事業開発までと幅広い業務に従事。2006年よりASP型商品レコメンドエンジンの事業を立ち上げ責任者を務め、2010年には事業を子会社化し旧SBIナビ設立(現ナビプラス)、現在は新サービスの事業責任者としてコンセプトの企画立案から開発プロジェクトの運営・サービス立ち上げに取り組んでいる。

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    21社の通販・EC会社が語る新卒採用のいま。優秀な学生を獲得するためのポイントは? | 通販新聞ダイジェスト

    10 years 3ヶ月 ago
    通販新聞が2016年度の「主要通販各社の新卒採用状況」を実施、今春の新卒採用者数が前年比で増加したところは少ない

    本紙が調査した「主要通販各社の新卒採用状況」によると、今春の新卒採用者数が前年比で増加したところは少なく、前年割れや横ばいの企業が多数を占めた。採用市場については学生側が有利とする「売り手市場」との見方が大半を占め、前年に引き続き優秀な人材を獲得することの難しさが伺えた。また、今春から政府指針による採用スケジュールの変更を受けたこともあり、混乱が生じた現場も少なからずあったもよう。主要通販各社の新卒採用の詳しい状況を見てみる。

    人材争奪戦は今年も加熱

    本紙が主要な通販実施企業約30社を対象に調査を行ない、有効回答を得られた各社の今春の新卒採用状況はの通り。採用人数の前年比較については「減少」との回答が多い結果になった。増減幅を見てみると、12人減と最も減少幅の大きかったスタートトゥデイは「目標数が少なかったため」と説明。10人減だったファンケルは、中期経営計画や第二研究所設立のための増員など即戦力を求める中途採用を強化したことを理由に挙げている。そのほかQVCジャパンが9人減だった。

    21社の通販・EC会社が語る2016年の人材争奪戦、優秀な学生を獲得するためのポイントは?①
     

    増加幅の大きかったのがベルーナで60人増。ユーグレナは事業拡大を理由に8人増。ジュピターショップチャンネルは新卒社員の戦力化の評価とニーズの高まりを受けて4人増、ケンコーコムでも4人増となった。

    エントリー数については数百から数千規模との回答が目立った。多かったところではファンケルが約1万5000(前年比150%)、ジュピターショップチャンネルが約9000(同120%)、オルビスが約7000となった。

    また、採用告知のために利用したものでは、合同説明会・学内セミナーなどのイベントを活用したケースが最も多く、次いで自社サイトとなった。前年に引き続き大手就活サイトやSNSの利用もあったが、近年は人材紹介サービスを活用する企業も目立っている。なお、採用コストの総額については回答企業中、最も高額だったのが750万円。おおむね500万円という回答が多く見られた。例年よりも増額したケースでは、説明会への参加回数や人材紹介サービスの利用を増やしていることなどが理由にあった。

    次にエントリー後の選考過程について見てみる。ほぼすべての企業が書類選考、筆記試験、適性検査、面接の組み合わせによるスタンダードな形式を採用。面接は2~3回に設定しているところが多かった。選考過程での特徴的な取り組みとしては、ファンケルが今回は総合職について「No.1採用」、「ファンケル大好き採用」を実施したほか、募集職種により各職種に求められる資質を見極める選考方法も行った。また、ルクサでは企画の疑似体験として「グループワーク」を実施。EC業界への理解を深めるとともに、若くして自分独自の企画が世の中に出るというやりがいを疑似体験させている。

    21社の通販・EC会社が語る2016年の人材争奪戦、優秀な学生を獲得するためのポイントは?②
     

    “後ろ倒し”で選考が長期化

    政府の要請などにより就職・採用活動の開始時期が後ろ倒しされたことで、各社とも選考スケジュールに大幅な変更が生じている。

    ディノス・セシールでは、会社説明会・選考を前年の2~3カ月遅れで実施したことで選考が9月までかかるなど長期化を余儀なくされた。会社説明会や選考の時期が特定できず、母数形成には時間と労力を要したという。結果的には早期に動く学生が多かった印象で17年度についてはさらに学生の動きが早まることを予想し、早期の直接接触を行う方針。3月から採用広報を始めたファンケルでは、母集団形成~面接までは例年以上に多く集まり学生の質も高く感じたとする一方で、辞退者が例年よりも多く出るなどのデメリットがあったという。これを受けて17年度の採用セミナーなどでは採用担当のみならず、先輩社員も参加して社内での活躍・仕事のイメージを発信し、応募意欲・入社意欲を醸成。内定後のフォローも強化していく考え。ケンコーコムでも選考スケジュールを8月からにしていたが、終盤まで学生の動きが読み切れなかったという。「学生も手探りだったかもしれないが企業も手探りだった。後倒しが良かったかどうかは分からない」とした。アスクルでは採用広報活動を3月から開始。「学生との接触期間が短くなった。辞退率増加が予想されるため、内定者フォローに力を入れることが17年度のポイント」とした。山田養蜂場ではインターンシップの開催が出来るメリットがあった一方、年度替わりの多忙期と採用活動が完全に重なったことなどがデメリットに感じたとしている。

    また、今回は例年通り12月からのスケジュールで行ったスタートトゥデイは、他社の多くが3月から行っていたため就職活動への意欲が上がり切っていない学生が多く来るなど選考が難航。17年度は後ろ倒しに合わせるという。同じくスケジュールなどで変更の無かったHameeでは大手の採用開始を学生が待つため、内定を出すタイミングが難しいとしている。ランクアップも「大手が採用を始める前に先手を打つことができる」と回答した一方で、内定後に大手の採用が始まるため辞退につながらないよう内定者フォローを強化していくという。

    【新卒採用市場各社の見方】8割以上が「売り手」実感

    今春の新卒採用市場について通販企業の受け止め方はどうか。アンケートでは実に8割以上が学生有利の「売り手市場」であると回答。「どちらでもない」、「買い手市場(企業側有利)だった」との認識は少数にとどまった。景気回復に伴い、他業種を含めて企業の採用数が拡大していることから学生側の選択肢が広がっていることが伺える。

    21社の通販・EC会社が語る2016年の人材争奪戦、優秀な学生を獲得するためのポイントは?③
     

    「売り手市場」とした主な回答では、「学生の最終就職先を決めきれない様子を見て」(オルビス)、「当社で内定を出したすべての学生が複数の内定を取得。当社の内定承諾後に他社から誘われたという相談を多々受けた」(ルクサ)、「内定を複数社から受けている学生が多数おり、学生側に選択権があった」(スクロール)、「エントリー数、説明会出席率などから学生側が企業を選んでいる印象が例年に比べ非常に強かった。また経団連の採用解禁時期の変更に伴い、中小企業は内定辞退の懸念から、また大手企業はリクルーターなどを駆使することで、多くの企業が優秀な学生に内定を出していたと感じる(実際に選考解禁前から、複数内定を保有している学生が多かった)」(ディノス・セシール)、「学生側の危機感が薄かった。2次募集を設ける会社や内定承諾までに時間の猶予を設けるやり方で学生を引き止める動きが他社に多く見られた」(スタートトゥデイ)、「エンジニア職は売り手。開発経験がある学生を採用したい企業が増えているにも関わらず、学生の量が少ないため」(Hamee)といった声があった。

    一方、「買い手市場」との回答では「多くの優秀な学生たちに応募してもらえた」(オークローンマーケティング)という意見。また、「他社との情報交換では売り手市場との声が聞かれたが、当社においては影響はごく軽微だった」(フェリシモ)という意見もあった。

    その上で、求める学生を獲得できた自社のアピールポイントとしては、「若いうちから様々な仕事を体験できる点」(世田谷自然食品)、「成長市場の通販業界で自社に幅広いフィールドがある。若手時代から裁量権を持って仕事に取り組める」(ディノス・セシール)、「ジョブローテーションにより多彩な職種を経験できる可能性がある」(ジュピターショップチャンネル)、「メディア業界と小売業界が重なったところに当社のビジネスがあるため、経験可能な職種が多岐に渡る」(QVCジャパン)など、社内で多く職種の中から選択できるメリットを押し出したところが数多く見られた。そのほかにも、「オムニチャネルや広報戦略でメディア露出の機会が多くあり、ビジネスにおける成長とダイバーシティ推進企業としての認知ができた」(オークローンマーケティング)、「『ZOZOTOWN』の知名度、社風」(スタートトゥデイ)のように会社やサービスの社会的な知名度を武器にしているところもある。

    21社の通販・EC会社が語る2016年の人材争奪戦、優秀な学生を獲得するためのポイントは?④
     

    また、「説明会ではトップが事業や自身の経験について語るので、学生がフラットな組織に魅力を持ち、裁量を持って仕事ができる環境だと感じられる」(ロコンド)、「不の解消という経営理念が学生にも分かりやすく、全従業員に浸透し事業展開に直結していること」(ファンケル)、「説明会や選考を通じて、人事だけでなく先輩社員との関わりの中で会社理解促進と入社への動機付けができた」(アスクル)という回答もあった。

    通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
    【主要通販各社の2016年新卒採用】 採用数「前年割れ」が多数(2016/02/25)

    takikawa

    ECサイトの開示データから学ぶLTVの最大化など最新のEC接客術 セミナーを3/10開催

    10 years 3ヶ月 ago
    「ファッションブランド『ミコアメリ』の実例大公開!LTVを上げる為のEC接客術」と題したセミナー

    「ファッションブランドがどのように顧客とのコンタクトポイントを増やし、LTV(顧客生涯価値)を最大化しているのかを数値データの開示などで解説し、最新のEC接客術が学べるセミナーを開催――。

    Socket、ラクス、テクマトリックスの3社は3月10日、「ファッションブランド『ミコアメリ』の実例大公開!LTVを上げる為のEC接客術」と題したセミナーを開催する。

    ファッションブランド「ミコアメリ」を企画、運営している五反田電子商事が登壇。コンタクトポイントを増やしてLTVを最大化している状況などを、数値データなど開示しながら紹介する。

    ECサイトの開示データから学ぶLTVの最大化など最新のEC接客術 セミナーを3/10開催、Socket、ラクス、テクマトリックスの3社

    プログラムは次の通り。

    • 【基調講演】:前年比でEC売上5倍! ファッションブランド「ミコアメリ」の秘密を大公開! LTVを上げるためのEC接客術(五反田電子商事)
    • 第2部:レコメンド表示でCVR130%改善達成! ~お客様が自分で商品を見つけるのではなく、接客によって出会いを創出する~(Socket)
    • 第3部:顧客をファン化する「メール接客術」(ラクス)
    • 第4部:接客を支えるバックオフィスの在り方とは? 複数店舗展開における受注業務効率化のポイント(テクマトリックス)
    • 第5部:4社によるトークセッション~顧客接点拡大のためのInstagram、LINEの積極活用ポイント~

    開催概要

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    メルカリが約84億円の資金調達実施

    10 years 3ヶ月 ago
    創業以来、調達した総額は126億円に

    フリマアプリを展開するメルカリは3月2日、三井物産や日本政策投資銀行などから総額約84億円の資金調達を実施したことを発表した。大型の資金調達を行った理由についてメルカリでは、さらなるグローバル展開と国内でのサービス拡大を図るためとしている。今回の調達により2013年2月の創業以来の資金調達金額の総額は約126億円となる。

    三井物産、日本政策投資銀行、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合が新たに出資したほか、既存株主であるグロービス・キャピタル・パートナーズ、World Innovation Lab(WiL)、グローバル・ブレイン、メルカリ経営陣も追加で出資した。

    同社が提供するフリマアプリ「メルカリ」のダウンロード数は日米合計で3200万件(日本:2500万件、米国:700万件)となっており、月間の流通額は国内で100億円を超えるなど、国内最大のフリマアプリに成長している。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    nakagawa-m

    楽天がフリマアプリ「ラクマ」の海外展開、まずは台湾でスタート

    10 years 3ヶ月 ago
    台湾ではすでに「台湾楽天市場」のほか、「楽天カード」や「楽天トラベル」も展開

    楽天は3月1日、台湾でフリマアプリ「ラクマ」の提供を開始した。「ラクマ」の海外展開は初となる。楽天は「楽天市場」でも初の海外展開を台湾で開始し、成功の確率の高い市場と見ている。「ラクマ」をまずは台湾で展開することで、成功モデルを確立する考え。

    「ラクマ」は、2014年11月に日本でサービスを開始したモバイルアプリ。楽天IDで簡単に登録でき、楽天スーパーポイントを支払い時に使えるのが特徴。現在、日本国内でも急速に取扱高を拡大させているという。

    台湾ではすでに「台湾楽天市場」のほか、「楽天カード」や「楽天トラベル」も展開。すでに一定数の楽天会員がいるほか、ポイントの発行額も高い。楽天スーパーポイントの優位性を活用して台湾で展開を始める。

    楽天は今後も「ラクマ」の海外展開を進めていく考え。特にモバイル比率が高い東南アジアを中心に拡大させていく。

    楽天はフリマアプリ「ラクマ」を台湾で展開

    台湾のラクマ紹介ページ

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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    「全額返金保証」という通販・EC広告の表現は使っていいの? 法律上の落とし穴 | 健康・美容業界の今を知る!

    10 years 3ヶ月 ago
    健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いて紹介(連載第20回)

    化粧品や健康食品などを含め、通販商品の広告では「100%返金保証」「お気に召さなかった場合、商品購入代金を全額お返しします」というフレーズがよく使用されています。多くの通販サイトでも利用されているこのフレーズ、各種法律上問題はないのでしょうか? 消費者の購入を後押しするためのこのフレーズについて考えてみましょう。

    景品表示法:返金に応じる条件の明確な表示が必要

    景品表示法の「有利誤認」の観点から分析してみましょう。

    まずは「有利誤認」の確認から。

    有利誤認(4条1項2号):取引条件(価格など)に関する事項

    事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、価格その他の取引条件について、一般消費者に対し、
    (1)実際のものよりも著しく取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
    (2)競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものであって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示の禁止(有利誤認表示の禁止)。

    と定められています。

    以上を鑑みると、一番大切なのは「全額返金保証」という文言が一人歩きしないようにするため(有利誤認とならないよう)、返金に応じる条件(具体的内容・範囲)が正確かつ明瞭に表示されている必要があります。

    「全額返金保証」における「返金に応じる条件」について、法律で細かく取り決めがあるわけではないものの、無茶苦茶な条件を設定してしまえば、消費者からクレームが殺到する事態になりかねません。

    こうした事態を未然に防ぐために、履行可能な範囲の条件設定が望ましいということになります。返金に応じる条件が困難な場合には、誤認にあたる可能性があることも注意が必要です。

    また、その条件を正確かつ明瞭に表示しておくことも大切。細かい字や、離れた場所に記載するといった行為は誤解を招く要因となります。

    化粧品、健康食品には法律上の規制

    商品の分野ごとに、「全額返金保証」という表現が使用できるか否かも考慮する必要があります。

    • 化粧品
    • 食品
    • 雑貨
    • 医療広告
    • エステ広告

    それぞれ考えてみましょう。

    【化粧品】

    化粧品広告でよく見かけるフレーズには、

    • 「効果が無ければ全額返金保証」
    • 「実感いただけなければ全額返金保証」
    • 「満足いただけなければ全額返金保証」

    といったものがあります。それぞれの表現の使用可否はどのように考えたらいいのでしょうか。

    医薬品等適正広告基準に下記のような記載があります。

    【基準3(6)】効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止
    医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実であることを保証をするような表現をしないものとする。

    効能効果について、それが確実であることを保証するような表現は禁止されていますので、少なくとも「効果が無ければ全額返金保証」のフレーズは不可となります。

    「実感いただけなければ全額返金保証」も、上記程ではないものの、やはり効果につながるため不可と考えるのが無難でしょう。

    「満足いただけなければ全額返金保証」の場合、満足はあくまでも使用感なのかもしれない(使ってみて合わない、においが気になる……などの理由で使用をやめてしまうかもしれない)ので、3つの中では最も使用できる可能性があると考えられます。

    もちろん、ルールに沿って厳密に考えれば“好ましくない”とせざるを得ないものと思いますが、“満足”の中身次第(効能効果の保証にならないこと)となるのではないでしょうか。

    化粧品についてまとめると、

    • 「効果が無ければ全額返金保証」…×
    • 「実感いただけなければ全額返金保証」…×
    • 「満足いただけなければ全額返金保証」…△(そもそも薬機法で制限をうける化粧品である以上好ましくないが、“満足”の中身による)

    【食品類】

    可能(不可とする法律がないため)です。ただ、「有利誤認」にならないように注意が必要です。

    ただし、“いわゆる健康食品”においては効能効果の標榜そのものができないため、「効果が無ければ全額返金保証」という表現自体が、医薬品的効能効果を暗示するものと解釈されてしまう恐れがあります。「実感いただけなければ全額返金保証」「満足いただけなければ全額返金保証」であれば問題はないでしょう。

    特定保健用食品を含む特別用途食品及び機能性表示食品についてはそもそも“医薬品”に該当しないものとされています。そのため、「効果」という言葉の使用が可能となると考えられます。

    ただ、この点については見解の分かれる部分であるため、使用する場合は注意が必要です。

    【雑貨】

    可能(不可とする法律がないため)です。有利誤認にならないように注意が必要。

    【エステ広告】

    可能(不可とする法律がないため)です。有利誤認にならないように注意が必要。

    【医療広告】

    医療広告ガイドラインに基づき、費用を強調した広告は「品位を損ねる内容」のため不可。

    となります。「100パーセント全額返金」などの表現は効果的なだけに、正しく使っていきましょう。

    ◇◇◇

    【薬事法広告研究所からのお知らせ】

    ≪スキルアップセミナー≫ 実践講座~巧みな広告表現テクニックを徹底解説!

    巧みな広告表現テクニックを徹底解説いたします。

    稲留 万希子

    薬事法広告研究所 副代表

    東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

    nakagawa-m

    膨大なデータを元に不正検知。巧妙化する不正注文から自社を守る

    10 years 3ヶ月 ago
    サイバーソースの田所氏が不正注文を防ぐためにEC事業者が知っておくべき対策を解説した。

    EC事業者を狙う不正注文の手法は多様化・巧妙化している。不正注文はECの収益圧迫要因になっており、その対策は喫緊の課題だ。不正注文からECサイトを守るためにEC事業者が知っておくべきポイントと、収益改善を実現する不正注文対策ソリューションについて、オンライン取引のセキュリティー対策に精通したサイバーソースの田所 和明 部長が解説した。 写真◎Lab

    セミナーのポイント
    • オンライン不正取引は対岸の火事ではない
    • 不正の手口は進化・多様化している
    • 不正対策ツールには「データ参照量」「業務効率化」「柔軟性・拡張性」が必要
    サイバーソース株式会社 Sales&Business Planning部長 田所 和明 氏
    サイバーソース株式会社 Sales & Business Planning部長 田所 和明 氏

    オンライン不正取引は対岸の火事ではない

    サイバーソースはVisaのグループ会社で、カリフォルニア州に本社を置き、オンライン決済代行事業で世界40万社のユーザーを抱えている。日本ではオンライン決済代行以外に、不正取引を抑止するニーズに注目し、決済代行のオプションであった世界最大の不正検索エンジン「Decision Manager」を独立したサービスとして提供している。

    田所氏はクレジットカードの不正利用に関する世界の状況を解説した。近年、偽造カード対策として「EMVチップ」を使用したICカードの採用が広がったことにより、対面販売におけるカードの不正利用は大幅に抑えられるようになってきている。日本と米国では2015年10月、カードの不正利用が発生した場合、従来はカード会社が負っていた責任を、EMV未対応の磁気端末を使用した加盟店サイドに移行する「EMVライアビリティ・シフト」が発効された。これにより日本でもEMV対応端末の導入が進むと期待されている。

    ただ、EMV化は対面取引におけるカードの不正利用の抑止に効果がある反面、オンライン取引を中心とする非対面取引には効果が薄い。

    2000年代前半にカード偽造による不正利用の被害が急増したが、英国ではEMV化を進めたことで対面取引の被害を大幅に減らしたものの、非対面取引での被害の比率は2002年から2012年までの10年間で2倍以上になり、偽造以外の不正も増大したことで2014年には非対面の不正が前年比60%増加という数字になっている (Visa TC40 Fraud Reportingより)。日本においても今後、オンライン取引におけるカードの不正利用の被害が急増する可能性がある

    不正の手口は進化・多様化している

    カード不正の種類には、「アフィリエイト不正」「転送サービス」「身内カード利用」「トライアンギュレーション」「フィッシング」「アカウント乗っ取り」などがあり、毎年のように新しい手法が登場する。

    最近登場した「ボットネット(Botnet)」は、最初にウイルス感染などの方法で第三者の端末の権限を乗っ取り、ECサイトで商品を購入する。攻撃者は商品を受け取り、転売して現金化するという方法だ。

    「トライアンギュレーション」は、偽のECサイトで格安の商品を販売し、その商品を購入した消費者のカード情報を取得する。その消費者には攻撃者が別の不正カードで購入した高額の同じ商品を届ける。次の被害者の購入には、最初の被害者のカードを使う。後はその繰り返しだ。最初の被害者には後日、自分が買った価格より、はるかに高額な請求が寄せられる。

    当然、被害者は支払いを拒否するため、ショップ側はカード会社に売り上げを返済することになる。ショップは支払いを拒否した被害者の前の被害者に返品要求をすることになるが、回収には手間をかけさせられるだろう。

    「トライアンギュレーション」の手口
    「トライアンギュレーション」の手口

    これらの不正注文を見破ることはできないのだろうか。

    サイバーソースがチャージバックになった注文について特定の傾向が見られなかったか調査したところ、「平均注文額より高い金額の注文だった」が42.9%、「短時間のうちに複数回購入があった」が21.4%あるが、「特段怪しい点はなかった」も35.7%あり、なかなか注文時に不正を見破るのは困難だ。しかも攻撃手法は年々様化しているため、不正注文を看破する難しさも増大している。

    取引時に不正を見抜くのは困難だ
    取引時に不正を見抜くのは困難だ

    米国でEC事業者が行っている再審査コストの内訳は、52%が「スタッフによる手作業の再審査」、29%が「サードパーティーのソリューションを利用」、19%が「自社のツールやシステムを利用」となっている。自動化は思ったより進んでおらず、検知しきれていない現状があると思われる。

    不正対策ツールには「データ参照量」「業務効率化」「柔軟性・拡張性」が必要

    サイバーソースが提供している不正抑止ソリューション「Decision Manager」は、高い検知精度で不正パターンを可視化する。

    「Decision Manager」は、全世界で利用されているVisaの年間600億のトランザクションとサイバーソースの顧客40万社で流れている取引情報から、260のリアルタイム検知項目に基づき、ピックアップした不正情報とVTA(加盟店リスクスコア)を組み合わせ検知のためのデータとして提供している(田所氏)

    Decision Managerの高い検知精度
    Decision Managerの高い検知精度

    「Decision Manager」は膨大なデータを参照して不正注文を検知する。攻撃者が手持ちの住所、氏名、カード番号を組み合わせて注文に使用し、チェックを逃れようとしても見破ることが可能だ。

    こうした膨大なデータをもとに不正検知を行えることはDecision Managerの大きなアドバンテージだ(田所氏)

    一般的に不正注文を見抜く鍵となる情報には「購買行動」「住所情報」「端末情報」「独自のデータベース」などがある。

    不正取引を見抜くためのキーワードと、ソリューションがクリアすべき3つのポイント
    不正取引を見抜くためのキーワードと、ソリューションがクリアすべき3つのポイント

    加盟店は過去にどんな形で狙われたかという情報などを元に、これらの検知項目からチェックリストを作り、そのチェックを自動化していく必要がある。自動でチェックした上で、本当に怪しいものは目視で確認していく。こうした業務効率化によって本業であるECに専念していかないと、不正対策を継続できない。

    そして、常に変化する攻撃手法に応じた対策を立てる必要があるため、柔軟性や拡張性に優れたソリューションやツールが望ましい。先に挙げたボットネットのように、システムからのアタックの場合、滞在時間が短い注文をチェックするのも有効だ。

    田所氏は東南アジアで旅行やマーケットプレイス、ECサイトを運営するあるサイトの事例を挙げた。同サイトはDecision Manager導入2か月で地域の不正情報に関するノウハウを獲得し、単なる疑わしさだけでなくハイリスクな不正注文も把握できるようになった。これにより、危険な不正取引をスクリーニングするアプローチで、チャージバックを全収益の1%以下に減少させ、年間収益の2%〜3%にあたるコスト削減効果を上げることができた。

    今後、日本国内でも爆発的な増加が懸念されるオンラインの不正取引に対して、対策ソリューションやツールを選択するのであれば、「データ参照量」「業務効率化」「柔軟性・拡張性」の3つのポイントをクリアできるものを選びたい。

    関連リンク:

    狐塚 淳

    ライター

    uchiya-m

    チェット接客もするアーバンリサーチの新通販サイト、店頭スタッフがWebでやり取り

    10 years 3ヶ月 ago
    ECサイト上にはチャット機能を搭載し、表参道ヒルズの店頭スタッフと直接やり取りできる仕組みを構築

    アーバンリサーチは3月1日、リアル店舗と同様の接客サービスを提供するECサイト「URBS-URBAN RESEARCH BUYERS SELECT-」をオープンした。

    新サイトはバイヤーと表参道ヒルズ店スタッフが携わる接客重視のECサイト。アーバンリサーチによると「次世代のリアル店舗型オンラインストア」という。

    商品はバイヤーがセレクトした高感度ブランドのみを取り扱う。商品紹介はバイヤーがなぜ扱いを決めたのかといったヒストリーを含んだ商品紹介を行う。

    ECサイト上にはチャット機能を搭載し、表参道ヒルズの店頭スタッフと直接やり取りしながら商品選びできる仕組みを構築。アウトソーシングはせずに、完全自社で運営する。

    在庫は表参道ヒルズ店と一元化した。店舗とオンラインを結び、オンライン上にいる消費者にリアルな接客を提供するとしている。

    チェット接客もするアーバンリサーチの新通販サイト「URBS-URBAN RESEARCH BUYERS SELECT-」をオープン

    新ECサイトでのオンライン上との接客の様子(画像は編集部がキャプチャ)

    オンライン上の接客はスマートフォンサイト上で実店舗のような接客体験を提供する販促プラットフォーム「Flipdesk」の導入で実現。サイトに埋め込んだタグで訪問者の行動を自動で解析し、状況に応じてクーポン発行やキャンペーン告知、チャットサポートなどの最適な接客が行えるようになる。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa

    貯蓄が1000万円ある30代は「積極的にネット通販を利用する」、けど比較サイトを重宝

    10 years 3ヶ月 ago
    1000万円以上の貯蓄がある30代男女「貯蓄賢者」の買い物時の行動や意識に関する調査を実施

    1000万円以上の貯蓄がある30代男女は「高額商品は価格比較検討サイトで最安値を調べる」「ネット通販を積極的に利用する」――。

    ビザ・ワールドワイドが貯蓄1000万円以上を抱える30代男女の買い物や貯蓄に関する意識や行動を調べたところ、こんな消費行動が浮かび上がった。

    貯蓄1000万円以上を抱える「貯蓄賢者」の買い物時の行動で最も多かったのが、「高額商品は価格比較検討サイトで最安値を調べる」で74.3%。

    第3位には「ネット通販を積極的に利用している」が72.3%、「なるべく特売時に買うようにしている」が62.8%だった。

    貯蓄が1000万円ある30代は「積極的にネット通販を利用する」けど、比較サイトを重宝、ビザ・ワールドワイド調査

    出典はビザ・ワールドワイドの調査

    こうした「貯蓄賢者」の買い物時の意識で最も多いのが「役に立つのかをじっくり考える」が72.3%。衝動買いといった傾向が少ないようだ。

    貯蓄が1000万円ある30代は「積極的にネット通販を利用する」けど、比較サイトを重宝、ビザ・ワールドワイドの調査

    ビザ・ワールドワイドの調査

    ファイナンシャルプランナーの横山氏は次のようにコメントを述べている。

    貯蓄できる人は、お金の使い方を意識しており、高価な商品は比較して最安値を調べるといった行動に納得します。総合的に買ってお得か、生活上損を感じることはないかをよく考え、計画性のある判断をしていることがよくわかります。家計相談でよく見る「お金を貯めている人の行動」と重なる結果です。

    調査概要

    • 調査実施会社:楽天リサーチ株式会社
    • 調査名:貯蓄賢者の買い物や貯蓄意識に関する調査
    • 実査期間:2016年2月6日~2月8日
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査地域:全国
    • 調査対象:貯蓄1000万円以上を抱える30代の男女600人

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    takikawa
    確認済み
    31 分 8 秒 ago
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