ネットショップ担当者フォーラム

Amazonプライムデー開催/楽天の「ワンデリバリー構想」とは?(ネッ担アクセスランキング) | 週間人気記事ランキング

7 years 4ヶ月 ago

毎回多くの注目を集めるアマゾンPrime Dayの話題がアクセスを集めました。2位は「楽天EXPO2018」のレポートです。

  1. プライムデー2018の特選セールは昨年2倍の品ぞろえ、Echo Dotがセール初登場

    年に一度のアマゾンプライムデーは日本でも好調。今年の目玉商品は?

    2018/7/13
  2. 楽天・三木谷社長が語った「ワンデリバリー構想」「携帯キャリア事業の狙い」とは?【2018年夏の講演まとめ】

    独自の配送ネットワーク「ワンデリバリー」構想、モバイル通信事業への参入などが「楽天市場」にもたらす影響は? 三木谷社長が出店者に語った方針まとめ

    2018/7/18
  3. ホテル予約システムに不正アクセス、宿泊施設からカード情報など流出

    ファストブッキングのサーバが不正アクセスを受け、国内宿泊施設の顧客の個人情報や暗号化されたクレジットカード情報などが流出した

    2018/7/18
  4. 「LOHACO」の売上は417億円、アスクルのBtoC事業のEC売上は507億円

    「LOHACO」の売上高、マーケットプレイス経由の取扱高、チャームの売上高を合算したした流通額は514億円

    2018/7/13
  5. ユニクロがネット通販でAI+チャットボットの買い物サポート「UNIQLO IQ」を開始

    会話形式で商品情報や着こなしの検索、店舗の在庫確認、オンラインストアでの購入などをサポートする

    2018/7/17
  6. 検索キーワードから「ブーツ」を通年で売るための基礎知識。多様な消費者ニーズの存在を知ろう!

    「ブーツ」というキーワードから、通年で売れる商材か否か見ていきましょう。ヤフーの検索データから見る消費トレンド(連載第12回)

    2018/7/17
  7. 売上1000億円めざすファッションECサイト「SHOPLIST」の戦略を張本貴雄社長に聞く

    クルーズ子会社でファストファッションに特化したCROOZ SHOPLIST新社長の張本貴雄氏に聞く「SHOPLIST」の戦略

    2018/7/17
  8. Amazonとの価格競争に巻き込まれないために注力すべき3つのこと

    価格戦争に巻き込まれないためには、いち早く手を打つことが重要

    2018/7/19
  9. 楽天市場の「アフィリエイト料率変更」「R-mail→R-Messageへの移行」「ワンデリバリー料金」まとめ【楽天EXPO2018】

    楽天が「楽天EXPO2018」で公表した「アフィリエイト料率の変更」「R-mail(全配信の形式)からR-Message(シナリオ形式)への移行」「ワンデリバリーの料金」「チャット機能の導入」とは?

    2018/7/19
  10. 旧桃源郷(現Lifeit)をティーライフが買収。やっぱりEC業界はめまぐるしく変わる……

    Lifeitは「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」総合グランプリを獲得するなど、オークションビジネスで2000年代後半のEC業界をけん引したEC専業企業

    2018/7/13

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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エイチームがサプリメントECに参入、妊活アプリ「ラルーン」利用者の声を生かし商品化

7 years 4ヶ月 ago

自転車のECサイト「cyma-サイマ-」を運営するエイチームが、サプリメントのEC事業に参入した。

会員600万人のアプリユーザーの声を反映して商品開発

子会社のエイチームライフスタイルが7月18日、女性向けのサプリメント「minorie(ミノリエ)」を発売。市場規模が大きい健康食品に参入し、売上拡大をめざす。

「minorie」の商品コンセプトは「妊活サプリ」。エイチームライフスタイルが運営している、妊娠をめざす女性向けのアプリ「ラルーン」の利用者が投稿した悩みを反映し、商品を開発したという。「ラルーン」の会員数は2018年6月時点で600万人。

1袋あたりの内容量は120粒、販売価格は9780円。1袋で約1カ月分。定期購入の販売価格は初回が3980円、2回目以降は5980円に設定した。

エイチームライフスタイルが女性向けのサプリメント「minorie(ミノリエ)」を発売

600万人が使うアプリユーザーの声を生かした製品を販売する

EC事業の強化を進めている

エイチームはインターネットやスマートフォンなどをベースにゲームやアプリ、ECサイトなどの開発を手がけているほか、比較サイトや予約サイトも運営しているIT企業。

2013年12月に自転車のECサイト「cyma-サイマ-」を開設した。EC事業の売上高は2017年7月期が20億100万円。2018年7月期の売上高は、第3四半期(2017年8月~2018年4月)末時点で19億7700万円となっている。

今年6月には、スポーツサイクル専門店「Y’s Road」を全国で38店舗展開しているワイ・インターナショナルと提携。「Y’s Road」で扱っているイタリアの自転車ブランド「Bianchi」「GIOS」を、「cyma-サイマ-」の取扱商品に追加した。

エイチームがめざすビジネスモデル

エイチームがめざす姿(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

購買率が3倍になったAI画像解析レコメンドを三陽商会がECサイトに導入

7 years 4ヶ月 ago

三陽商会はこのほど、画像解析技術を活用した商品レコメンドシステムを直営ファッションECサイト「SANYO iStore(サンヨー・アイストア)」に導入した。サイト訪問者が閲覧している商品に類似した商品を自動で表示する。

試験導入で購買率が約3倍

三陽商会が導入したレコメンドシステムは、サイジニアが提供している「デクワス.VISION」。ユーザーが閲覧している商品画像を人工知能(AI)が分析し、イメージが近い商品を表示する。

三陽商会はこのほど、画像解析技術を活用した商品レコメンドシステムを直営ファッションECサイト「SANYO iStore(サンヨー・アイストア)」に導入

閲覧中の商品に類似した商品を自動表示する

サイジニアによると、「SANYO iStore」に「デクワス.VISION」を試験的に導入したところ、「デクワス.VISION」を利用した際の購買率は使用しなかった場合の約3倍に高まったという。

三陽商会は「デクワス.VISION」を導入した経緯について、次のようにコメントしている。

ECサイト内での商品提案力の向上を目的に、サイト内での新たなサービスをいろいろ検討していたなか、行動分析型の従来のレコメンドではない「AI画像解析レコメンド」というサイジニア社の「デクワス.VISION」が候補にあがり、テスト導入時の画像解析の精度も非常に高かったので導入を決定しました。(三陽商会・企業広報グループ)

また、三陽商会は「デクワス.VISION」を導入した狙いについて、「購買履歴や閲覧履歴ではなく、お客さまが『今見ている商品に近いイメージの商品』をレコメンドすることで、(事業者目線でない)顧客目線での”商品提案力の向上”を狙っています」(同)としている。

ファッションEC業界では、画像認識技術を活用した商品レコメンドが活発化している。ファストファッションのECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を運営するクルーズは2018年3月、「デクワス.VISION」を導入。2017年12月にはマガシークがアプリに画像認識による商品提案機能を実装した。

三陽商会のEC事業は右肩上がり

三陽商会のEC売上は右肩上がりを続けている。2017年12月期のEC売上高は前期比約20%増の50億円。その内、自社ECは37億円、外部のECモールが13億円。

2018年12月期のEC売上高は65億円を計画。自社ECは45億円、外部のECモールは20億円を見込む。

三陽商会のEC売上高の推移 2018年12月期のEC売上高は前期の約50億円から65億円に拡大
三陽商会のEC売上高の推移(画像は編集部が2018/2/14公表の資料をキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

スマホネイティブの新行動「情報引き寄せ」って何? 買い物にも影響しているらしい

7 years 4ヶ月 ago

博報堂DYメディアパートナーズと博報堂、D.A.コンソーシアムホールディングスは7月10日、スマートフォン(スマホ)の消費行動への影響などを調査した「スマートフォンユーザー情報行動調査2018」の結果を公表した。スマホの所有率は79.4%に達しており、スマホを活用して興味のある情報を集めやすくする「情報を引き寄せ」という新たな行動が若年層を中心に広がっているという。

「情報引き寄せ」とは、気になった情報を「スクリーンショット」や「メモ」で溜めたり、SNSのフォロー機能などを活用して興味のある情報や有益な情報が自然に集まるようにしたりすること。

調査では、「欲しいものや行きたい場所、ちょっといいなと思ったものは、とりあえずスクリーンショットやメモで保存する」「SNSで同じ趣味の人が集まる情報交換グループから、自分によさそうな情報を知ることがある」といった12項目を「情報引き寄せ」の行動としている。


「情報引き寄せ」とは
「情報引き寄せ」について

若年層に多い「情報引き寄せ行動

15~69歳のスマートフォン保有者3412人に対し、「情報引き寄せ」に該当する12項目の実施状況を聞いた。その結果、「6個以上」実施している回答者の割合は15.2%、「3~5個」は21.5%、「1~2個」は34.0%、「0個」は29.4%だった。

「情報引き寄せ」に該当する行動を1個以上実施している回答者の割合は70.6%。

15~29歳に限定すると、「情報引き寄せ」を「6個以上」実施している割合は26.7%、「3~5個」は28.5%、「1~2個」は26.1%、「0個」は18.7%で、「情報引き寄せ」を1個以上実施している回答者は81.3%。

15~29歳の女性に限ると「情報引き寄せ」の実施割合は88.6%に達する。


「情報引き寄せ」行動12項目の実施個数別割合
「情報引き寄せ」行動12項目の実施個数別割合

買い物での商品選びのスピードに変化

「情報引き寄せ」の行動個数が多い消費者は、買い物などにおける意思決定が高速化する傾向が見られた。15~29歳では「見たい番組やコンテンツを選択するスピードが速くなった」と答えた割合が55.0%(同年齢全体は32.3%)。

「買い物の際、商品を選ぶスピードが速くなった」は44.2%(同27.7%)となっている。


「情報引き寄せ」に関し、買い物をするときに商品を選ぶスピード変化
買い物をするときに商品を選ぶスピード変化

調査概要

  • 調査時期:2018年3月9日~19日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女かつスマートフォン所有者
  • サンプル数:3412人(15~19歳男女312人、20~60代各性年代310人)
  • 調査機関:株式会社マクロミル

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天市場の「アフィリエイト料率変更」「R-mail→R-Messageへの移行」「ワンデリバリー料金」まとめ【楽天EXPO2018】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

7 years 4ヶ月 ago

楽天は7月17日に開いた「楽天EXPO2018」で、「プラットフォーム強化」を目的に、「「アフィリエイト料率の変更」「R-mail(全配信の形式)からR-Message(シナリオ形式)への移行」「ワンデリバリーの料金」「チャット機能の導入」を発表した。矢澤俊介執行役員(マーケットプレイス事業ヴァイスプレジデント)の講演から、変更内容などをまとめた。

アフィリエイト料率の変更

楽天はアフィリエイト料率を変更する
ソーシャルコマースの推進の一環として、アフィリエイト料率を変更する

SNSの台頭により、マスから個人中心のマーケティングに移りつつある状況を踏まえ、アフィリエイトの強化を掲げた楽天。

これまでアフィリエイターへの成果報酬は基本的に1%で展開していたが、それを大幅に改正する。

1%のリワードが、商品を勧める側にとって魅力的かどうか? アフィリエイターの皆さん皆さんからは(楽天のアフィリエイトの料率は)魅力的ではないと言われてきた。(矢澤氏)

こうした状況を踏まえ、料率は店舗が所属するジャンルではなく、登録した商品カテゴリごとに変更する

矢澤氏の説明によると、各商品カテゴリの料率は次のように変更する(一部)。

  • ファッション → 8%
  • 食品 → 8%
  • 日用品 → 5%
  • 家電・型番商品 → 2%

一方で、アフィリエイトの発生報酬に関する計測期間は、従来の30日間から24時間に短縮する。矢澤氏は次のように説明した。

96%くらいの店舗はアフィリエイトに支払う料金は変わらないか、下がるだろう。ただ、4%程度はアフィリエイトへの支払いは上がる。

楽天はアフィリエイト料率を変更
アフィリエイトの発生報酬条件を変更

なお、詳しい料率などについては、7月31日をメドに郵送で連絡するという。

アフィリエイト料率や計測期間の変更内容は、アマゾンのAmazonアソシエイト・プログラムの内容に近しい。

Amazonアソシエイト・プログラムでは、紹介料のセッション終了は「お客様のそのクリックスルーから24時間が経過した時点」に設定。物販に関する紹介料率は0%~8%となっている(メインは2~8%)。

Amazonアソシエイト・プログラムの紹介料率
Amazonアソシエイト・プログラムの紹介料率(画像は編集部がキャプチャ)

ワンデリバリーの料金など

楽天のワンデリバリー構想
「ワンデリバリー」は、店舗、ユーザー、楽天の3者を有機的につなぎ、AI(人工知能)やビッグデータを使って効率化してくという

商品の注文から配送までの仕組みを一気通貫で提供する楽天独自の配送ネットワーク構想「ワンデリバリー」。2020年の実現に向けて料金設定などを矢澤氏が説明した。

基本的には全店舗の全荷物をお預かりし、楽天がすべて配送していく。場合によっては「楽天市場」以外の荷物もお預かりする。最初から在庫をすべてお預かりするパターン、今まで通り店舗の手元にある荷物を注文が入った段階で荷物を出して、楽天が取りにいく。または、楽天の倉庫にお持ちいただくといったいろんなパターンがある。

楽天が発表したワンデリバリーの料金など
将来的には、「ワンデリバリー」で全店舗の荷物の受託をめざす

「楽天EXPO」では物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」にすべての在庫管理をアウトソーシングするパターンに関する料金を公表した。

楽天への手数料、物流への支払い費用(保管料や出荷作業費など)は、「店舗がお支払いする物流コストは従来より下げることをコンセプトとしている。物流費用が改善できる料金体系にしていきたい」(矢澤氏)と言う。

9月1日から「楽天スーパーロジスティクス」の新料金体系でのサービス提供が始まるという。

物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」の新料金パターン
物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」(荷物を全委託する場合の価格)

今の宅配クライシスの中では、ある程度、競争力のある料金になっていると思う。ただ、うちのタリフの方が安いという企業さんは、他のキャリアを使ってほしい。(矢澤氏)

R-mail(全配信の形式)からR-Message(シナリオ形式)への移行

R-mail(全配信の形式)からR-Message(シナリオ形式)への移行
コミュニケーション手段を多様化するという

(全配信形式の)「R-mail」のシステムを変えないといけないタイミング。Rメールが多くて嫌だというお客さまもいる。今まで読んでくれるお客さまのことを考えてやってきましたが、これからは「楽天のメールはいっぱいくるから嫌だ」という人のことも考えてシステムを提供していかなければならない。(矢澤氏)

楽天は今後、「R-mail」は少しずつ縮小しながら、シナリオ形式で配信する「R-Message」に移行していく。

「R-Message」は、「購入履歴」「お気に入り」「買い物カゴへの投入」といった消費者の行動データから、楽天がユーザー1人ひとりに適したメールを配信する仕組み。

CPC広告のように予算を設定すれば、楽天がユーザーの消費行動に応じて1人ひとりに適したメッセージを送れるようにする。ユーザーが開封するであろう頻度、購入するであろう商品をレコメンド。ユーザーの属性にあわせて配信頻度を変えていく。(矢澤氏)

R-mail(全配信の形式)からR-Message(シナリオ形式)への移
R-Messageの配信イメージ

矢澤氏は「『R-mail』は継続するものの、ボリュームを絞っていき将来的には値上げするかもしれない。そして、R-Messageに移行していく」と説明。

利用料金については、「R-mail」、CPC広告の相場と同様の価格設計にするとし、「店舗の支払いが増えるような設計にはしない」と話した。

チャット機能の全店舗導入

店舗スタッフと消費者がチャットできる機能で、2017年から試験的に運用を始めた「チャット機能」。これまで約100店舗が試験導入した。

導入店舗では、未利用者と比べて転換率が14.8ポイント向上、平均注文額は未利用者比135.5%。流通効果は楽天の試算で0.41%増という。

楽天が公表したチャット機能の導入効果
チャット機能の導入効果

このチャット機能は9月下旬に全店舗へ導入する。2018年末までは無料で提供。2019年1月以降、

スタンダードプランは月額5000円。がんばれプラン・エンパワーメントプランは月額3000円となる。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

Amazonとの価格競争に巻き込まれないために注力すべき3つのこと | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 4ヶ月 ago

熾烈な価格競争で、販売する商品の価格は平均で3.9%下がっています。小売事業者やブランドは、テクノロジーを駆使してトレンドを観察すれば、ひどい価格戦争を回避。ビジネスの機会を捉えて、さまざまなアクションを取ることができるようになります。

Amazon(アマゾン)をはじめとするオンライン事業者が小売業界を大きく変えたことは疑いようがありません。消費者の興味・関心を集め、リピートしてもらうために、多くの事業者が最低価格を維持する努力をしています。競争力の高い価格が提供されるのは、消費者にとってはメリットでしょう。

競合他社を価格で出し抜き、より多くのビジネスを引き入れるために、事業者の多くは値付けの自動システムを採用しています。理論上は、そうすることでマーケットはより効果的になりますが、実際は利益が減るという結果になるのです。

どうしてこういう事態になってしまったのでしょう? ブランドや小売事業者が価格戦争を避け、利益に悪影響を与えない方法はあるのでしょうか? まずは、どうしてこのような価格戦争が始まったのか、その背景を理解することが大切です。

どうして価格戦争を気にする必要があるのか

小売事業者たちは多くの場合、自動化によってお互いの価格を常にチェックしているため、小売業界の価格戦争は、基本的には最低価格を確保する競争になっています。

多くの企業がこの状況に寄与してきましたが、一番大きな影響を与えたのはアマゾンでしょう。アマゾンのフライホイール哲学(編注:発生したエネルギーをフライホイールに溜め込み、その慣性で次の爆発に到達して回転を維持していく理論を意味する)は文書化され、継続的な成長のためには「低価格構造」「低価格」が重要な要素であると述べられています。

もちろん、アマゾンのような小売事業者にとっては簡単なことでしょう。アマゾンには、無数の商品と、最安値と、便利で迅速な配送サービスがあるからです。

新しい技術によって、消費者の購買行動が変わったと同時に、小売業界の価格戦争にも影響がありました。スマートフォンの台頭で価格の透明化が進み、実際の店舗にいながらすぐに価格を比較できる「ショールーミング」が一般的になったのです。

米国インタラクティブ広告協会(IAB)の調査によると、成人の半数は実店舗で購入前に価格比較をする。ほとんどは検索後に実店舗で購入するが、次に多いのは他店のWebサイトで購入する場合(編注、編集部がIABの資料をキャプチャし追加)。 https://www.iab.com/wp-content/uploads/2015/11/IAB-Digital-Shopping-Report1.pdf

価格戦争は当初、電化製品、玩具、スポーツグッツなど、価格比較がされやすい、すでに成熟した商品カテゴリから始まりました。ショールーミングが一般的な買い物方法になる前から、消費者はテレビやパソコンを買う際、価格比較のためにいくつものお店をチェックしていました。

しかしながら、以前はアマゾンなどのオンラインショッピング利用者には無関係だと考えられていた多くのカテゴリも、今では価格戦争に巻き込まれています。自動車部品や包装品が一例で、包装品に関しては、昨年のアマゾンのホールフーズ買収でより影響を受けると考えられます。

過当競争によって価格が下がり、小売業界全体で利益を圧迫しているのです。この状況はホリデーシーズンのギフト需要やスーパーボール前のテレビが売れる時など、プロモーションの時期に過熱します。

さらに、価格戦争の影響で、アマゾンやWalmart(ウォルマート)、Costco(コストコ)のような巨大な小売事業者は、自社の販売網を利用して、製造業者にコスト削減を依頼し、卸価格を大きく下げるように要求しています。言うことを聞かなければ、もうお店に商品を置いてもらえない危険性があるのです。このような状況がさらに小売業界の価格戦争を加速させています。

消費者へのメリットが、ビジネスにとってデメリットになる可能性も

低価格は消費者にとってはありがたいことですが、ビジネスにとって良くないのはどうしてでしょう? 商品の価格が、適正な市場価格に近づいていくことを意味するのではないでしょうか?

その答えは、「たぶん」です。確かなことは、小売事業者もブランドも、マージンが当たり前ではなくなり、消費者のためにより低いマージンで売る一方、自分たちは限界利益にさらに注力しなくてはいけなくなることです。

さらに、「市場価格」とは、商品原価に少額の管理費を加えるだけのシンプルなものではないのです。

このような状況が初期の段階で発覚すれば、介入も可能でしょう。対策を何も取られなければ、商品の価格はまったく利益がでないところまで下がっていきます。価格戦争が始まって以来、収益で平均3.9%の減少がみられます。しかしながら、介入が間に合えば、収益を減らさなくても済むのです。

競争介入前後の価格変動グラフ
競争への介入前後の価格変動イメージ(青:自社価格の動き、紫:競合価格の動き)

無意味な価格戦争を避けるには

どの業界でもテクノロジーが大きな役割を果たしていますが、小売業界でも同じです。意味のない価格戦争を避けるためには、自動価格調整システムを導入することです。市場について少し知識があればできることです。

たとえば、特定の商品に関して、誰が価格変更の鍵を握っているのか特定することができれば、市場をコントロールすることができます。テクノロジーを使って価格変動を観察し、どの販売事業者が価格を設定していて、誰がそれに追随しているかを確認することができます。

Dick'S Sporting Goods(編注:スポーツ用品などの小売事業者)という会社が特定の商品の価格を下げたとしましょう。それにアマゾンが追従したとします。これが引き金になって価格戦争が始まり、競合他社に合わせて見境なく価格を変えていく必要があるのかどうか、その指標が生成されます。価格戦争の指標が高い場合は、競合他社に追従されやすいことを意味します。

この事例の場合、アマゾンが盲目的に価格を自動で変更していることがわかれば、その特定の商品に関してDick' Sporting Goodsが価格をコントロールするリーダーになり、市場価格の引き上げができるようになるのです。価格戦争の指標は、市場価格を下げて利益が縮小していくのを防ぐために利用できるのです。

小売事業者への影響

消費者の購買行動の影響もあり、小売事業者にとって、価格戦争は「早く成長していくか、ゆっくり死んでいくか」という状況を招きました。消費者は完全な価格の透明性を手に入れ、どの小売事業者が最安値で商品を販売しているかをすばやく確認できます。

さらに、オンライン通販事業者が増え、スマートフォンが普及し、価格変更が容易にできるようになったため、状況は激化しています。実店舗で展開する小売事業者にとっては、価格を変更するには物理的にタグや店内案内を変える必要があるため、時間も人手も必要です。

アマゾンは、フライホイール哲学を見てもわかるように、明らかに「早く成長する」ことに軸足を置いています。一方、RadioShackやトイザラスなどは運悪く、「ゆっくり死ぬ」側に落ちてしまいました※1。その中間にいるのが、実店舗を閉鎖している他の多くのビジネスで、その多くは完全に消えてしまうまでに、大切な決断をする必要があります。

※1 編注:RadioShackは米家電量販店、2017年に2度目の破産を申請。米トイザラスは2018年3月に全店舗の閉鎖を発表、日本トイザらスには影響なく継続。

結局、消費者のカスタマージャーニーが始まるオンライン上で競争力を保てない小売事業者は、数年以内には淘汰される可能性が高いのです。スタッフや伝統的な価格調整やエクセルシートが必要な、昔ながらの「実店舗のやり方」では競争できないのです。

価格戦争のなかで生き残るために、小売事業者は以下の3つに注力しましょう。

1. テクノロジーを駆使する

競争を生き抜き、消費者の購買ペースに合わせてスケールアップするには、テクノロジーを駆使する必要があります。テクノロジーは実際のビジネスの目標をサポートするものでなくてはいけません。だからといって、小売事業者はオンラインでのみ販売しなくてはいけない、というわけではありません。

百貨店のNordstrom(ノードストーム)を例に取ってみましょう。ECが始まる前から、ノードストームは同社のビジネス戦略の1つである、卓越したお客様サービスで有名でした。今では店舗でのカスタマーエクスペリエンスをECと融合させ、オンラインで存在感を増しています。

たとえば、ノードストームの店舗で300ドルの靴をレジに持って行ったとしましょう。すると、オンラインの価格が実店舗にも適用されるため、価格は250ドルになると店員に告げられます。好待遇を受けたあなたは、笑顔でお店を後にするのです。

ホームセンターのLowe'sも良い例です。同社の利用者の60%はオンラインで注文し、店舗で受け取りをするそうです。そのうち40%は、店舗で平均80ドルの追加の買い物をします。

Lowe'sにとってもテクノロジーが重要な役割を果たしています。どの商品がオンライン注文と店舗受け取りに向いているのかを分析することによって、配送コストを削減するとともに、消費者が店舗で追加の買い物をする機会を増やしています。消費者は、店舗にいる時は価格よりも利便性に注目するようになり、知識豊富なLowe'sスタッフのサービスに影響されてさらに店舗で購入します。

2. 売上原価と配送変動費

現在の価格戦争の中で自分たちがどこに位置するのかを分析する時、小売事業者は商品の価格以外のことも考えなければいけません。小売事業者にとっては、売上原価がさらに重要度を増しています。当たり前ですが、さまざまなブランドや企業と価格交渉ができれば、値下げが利益に影響を与えることが少なくなります。

配送に関しては、消費者に店舗での受け取りを促すことによって、限界利益を引き上げることができるでしょう。

たとえばウォルマートは、店舗受け取りをする消費者には割引を提供することで、配送コストを削減しています。そうすることで、利用者にポジティブな印象を与えることができます。また同時に、Lowe'sの例のように、店舗に来た際に買い物をしてもらえる機会が増えるのです。

3. プライベートブランドと限定商品

プライベートブランドの商品を販売する小売事業者は、製造コストのみを気にすればいいため、価格戦争の影響を最小限にとどめることができます。

有名なプライベートブランドには、ターゲットのArcher FarmsやMarket Pantry、コストコのKirkland Signature、メイシーズのAlfani、Epic Threads、American Ragなどがあります。

小売事業者も、第三者の限定ブランドを販売することで、同じような状況が作れるでしょう。Behrのペンキがホームデポでしか購入できないとしたら、消費者は喜んで割高のペンキを購入するはずです。

ブランドへの悪影響を最小限にする6つのポイント

小売の価格戦争は、事業者のみならずブランドにも影響を与えます。悪影響を最小限にとどめるためにブランドができるのは以下のことです。

1. ハイブリッドな販売戦略

アマゾンのような小売サイトで販売するブランドにとって、多様な販売戦略を持つことは不可欠です。可能であれば、第一者(2日以内無料配送が含まれるアマゾンプライムを有効に活用するため)、第三者(自社倉庫から商品を配送する)と自社販売(自社サイトで販売し、配送まで行う)の選択肢を持つべきです。

ハイブリッド戦略があれば、よりフレキシブルに誠実に対応できます。たとえば、第三者への販売であれば、ブランド側で価格を設定することができますし、自社販売であれば、他のどこでも提供されていない限定割引を行うこともできるのです。

2. 小売事業者と組んで限定商品を販売

限定商品が小売事業者にとって利益をもたらすことは前述しましたが、ブランドにもメリットがあります。他では手に入らない商品であれば、消費者は高いお金を払います。つまり、ブランドは健全なマージンを乗せて商品を小売事業者に販売できるのです。

3. オンラインに最適化したパッケージ

消費者のことを考えてパッケージを最適化するのは、オンラインで売り上げを伸ばすための方法の1つです。スーパーでは10本入りで販売されているグラノーラバーが、Sam' Clubやコストコでは24本か48本入りの巨大サイズで販売されているとしたら、配送に便利な4本入りで販売することを検討するのもいいでしょう。

4. ピンポイントマーケティング

テレビコーマシャルのような大規模な広告や、従来のマーケティングにお金を費やすのではなく、よりピンポイントでリターンの高い投資をするべきです。アマゾンマーケティングサービスなどのデジタル広告ツールを使って、より利益率の高い商品の認知度とコンバージョンを高めましょう。

5. 合わせ買い

単品での限界利益を理解し、リアルタイムのマーケティングインサイトを通じて、商品同士の親和性を特定できれば、利益の低い商品と高い商品を合わせて購入できるよう、合わせ買いを提供できます。

6. メーカー小売希望価格と管理体制

小売希望価格に関する厳しい方針を打ち出し、小売・卸売り契約に盛り込んだうえで、違反がないかどうかを積極的に監視する必要があります。このような話題はうまく仕切る必要がありますが、ブランド側はリアルタイムの監視機能とデータを準備して、交渉を有利に進め、違反している小売事業者に態度を改めてもらうようにしましょう。

消費者への影響

小売の価格戦争は、「購入者自身が注意する」という戦略に落ち着くでしょう。オンライン上の価格は頻繁に変わるため、消費者は最低価格で最良の商品を手に入れるため、常にいくつものお店をチェックしなければいけません。

ここでもショールーミングが大きな鍵を握ります。ほとんどの人が、実店舗内で商品の購入を検討している際、最終決断の前にスマートフォンを取り出して、価格を確認したことがあると思います。

そのような購買行動がすぐに変わることはないでしょう。消費者は、欲しいものをできる限り低価格で手に入れるために、色々な方法を今後も見つけるでしょう。

だからといって、小売事業者が常に競争のプレッシャーにさらされるわけではありません。価格競争をすれば、短期的に売り上げが上がるかもしれませんが、長期的には、利益率が下がり、小売事業者、ブランド、ひいては業界全体にとって好ましくない状況になるのです。

消費者がテクノロジーを利用して低価格を探すように、小売事業者やブランドもテクノロジーを駆使してトレンドを注視し、機会を見つけたらアクションを起こして、価格戦争が始まる前に手を打つようにしましょう。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

ストライプのEC子会社で全社員が終日リモート勤務を実施へ

7 years 4ヶ月 ago

ストライプインターナショナルの子会社で、子供服のファッションEC「smarby(スマービー)」運営しているスマービーは7月24日、総務省が主催する働き方改革の国民運動プロジェクト「テレワーク・デイズ」に参加し、アルバイトを含めた全従業員のリモート勤務を実施する。

「テレワーク・デイズ」は総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府、東京都、関係団体が連携して行う働き方改革の国民運動プロジェクト。2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイズ」と位置付けた。約950の団体と6万3000人が参加するという。

テレワーク・デイズ
テレワーク・デイズは専用登録フォームで登録するだけで参加できる(画像は編集部がキャプチャ)

スマービーは社員のフルリモート勤務を認めるなど、子どもを持つ社員も働きやすい環境の整備を進めている。主な取り組みをあげると、

  • フルリモート勤務OK
    Slack(社内用チャットツール)などのITツールを導入し、業務を徹底的にオンライン化。時間や場所に縛られず、好きな時に好きな場所で最大のパフォーマンスを発揮できるように会社をあげて支援しているという
  • 子供&家族優先
    子供の急な発熱や家族の介護などの問題で仕事やキャリアの不利にならないように、ITツールを使い、限られた時間でも最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作っている
  • オープンなコミュニケーション
    Slackやテクノロジーを活用し、社内の情報はすべてオープン。Slack上やフリーアドレスのオフィスでは、業務内容や課題や何気ない事をシェアしたり、大勢のスタッフでランチをすることも多いという

スマービーの設立は2014年5月。子ども服やベビー服、玩具、マタニティ製品、ファッション雑貨、ギフト商品などの通信販売を手がけている。2016年11月にストライプインターナショナルの子会社になった。

テレワーク・デイズのイメージ動画(編集部が追加)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ホテル予約システムに不正アクセス、宿泊施設からカード情報など流出

7 years 4ヶ月 ago

ホテル予約システムを提供するファストブッキングは6月26日、サーバが不正アクセスを受け、同社のシステムを使う国内宿泊施設の利用客に関する個人情報や暗号化されたクレジットカード情報などが流出したと発表した。

不正アクセスが発生したのは6月15日と6月17日。15日の不正アクセスでは、国内380の宿泊施設の暗号化されていない個人情報(顧客の氏名、国籍、電話番号、住所、メールアドレス、予約金額、予約番号、予約ホテル名、チェックイン日、チェックアウト日)が流出した。

17日の不正アクセスでは、国内189の宿泊施設において、暗号化された情報(クレジットカード名義人氏名、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限)が流出したという。

ファストブッキングによると、発表日時点で不正アクセスモードは修正済みで、システムのより強固なセキュリティ確保に向け、第三者科学捜査専門家とともに調査を進めている。

また、影響があった宿泊施設やクレジットカード会社と連携し、該当するユーザーと関係者に対し対応と支援を提供しているという。

ファストブッキングのフィリップ・ラマルシュ最高経営責任者は企業サイトで次のようにコメントしている。

この度、当社サーバーに対する不正アクセスにより影響のありましたパートナーの皆さまをはじめお客様には、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。ファストブッキングはお客様の個人情報保護に真剣に取り組んでおり、この度、第三者専門家によるシステムの追加検証およびストレステストを実施し、サイバー攻撃を防ぐより強化したセキュリティ対策を講じております。

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)」では、クレジットカードを取り扱うEC事業者などに対して、「クレジットカード情報の適切な管理」と「不正使用防止対策の実施」が義務付けられている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「ネット書店に課税して欲しい」?? 本の購入場所はリアル書店が上位なんですが……【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 4ヶ月 ago

発言の一部分しかニュースになってないとはいえ、これは同意しにくいですよね。Amazonや楽天がリアル店舗を出たらどうするんでしょうか? 実際にAmazon Booksがアメリカで広がっていますからねぇ。

ネット全体に波及しないことを祈ります

「ネット書店課税」の要望が物議 「街の本屋支持者も敵に回す愚策」と批判殺到 ? | しらべぇ
https://sirabee.com/2018/07/13/20161709282/

リアル本屋の経営者から「ネット書店課税」創設の要望…。ネットとリアルの区別を図ってほしい | カミアプ
http://www.appps.jp/298438/

書籍の購入場所の上位は「街中の書店、オンライン書店、デパートなど商業施設の書店」 | MMD研究所
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1717.html

まとめると、

  • 自民党の「全国の書店経営者を支える議員連盟」で、書店経営者から「インターネット書店課税」創設の要望があがった
  • 「我々は固定資産税を払っている。区別を図ってほしい」と直訴
  • とはいえ、調査によると書籍の購入場所は「街中の書店」「デパートなど商業施設の書店」が上位

なんとコメントすればいいのか分からないニュースです。地域や規模の違いもあるでしょうが、正当な競争の結果なので、なぜこういう発想になるのか理解しづらいです。書店よりも大きな倉庫を持っているところもあるでしょうし、ネット書店だけに限らない話になってしまいますし、時代に逆行しているとかのレベルの話ではないですよね。詳細な議事録を見たいです。今後の動きに注目です。

オリンピックで売上が落ちるのはキツイ

東京五輪期間中は「ネット通販ひかえて」 前回はなかった混雑リスク、協力呼びかけ | ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/article/496457/

【送料問題】通販・EC売上トップ300社の8割が無料サービスを継続、取りやめは一部 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5608

まとめると、

  • 東京オリンピック期間中は、鉄道の輸送客が通勤ラッシュの時間帯に1割増、高速道路の混雑は現在の2倍になると予想
  • 「大会期間中は不要不急の注文は大会後にして欲しい」と、大手通販会社にも協力を依頼
  • 昨年の宅配危機以降も、多くの通販企業はこれまで通りに送料無料サービスを継続している

本当にお願いしたいところは、ネット通販がかなり物量を増やしています。個人の消費者行動なので、『クリックしないでください』とは言えないのですが、たとえば大会期間の前に必要なものを納めていただき、不要不急のものは大会後に注文していただくなど、みなさまにご協力いただければと思います」。現在、大手通販会社にも協力を依頼しているという

東京五輪期間中は「ネット通販ひかえて」 前回はなかった混雑リスク、協力呼びかけ

ネット通販で小売りをされている方はご存じだと思いますが、オリンピックやW杯などがあると売上が下がりがちですよね。現在の2倍の交通量となると話は別なので、モールなどの動きに合わせていきましょう。しかし、個人が控えた結果、ショップの売上が下がったときはどうするのでしょうか? ネット書店課税的な要望が出るのかも?

苦しいときこそ支えてくれた人たちに恩返しを

売上の3割を生み出す2.5%のコアなお客様。「好き」を育てるカゴメのコミュニティサイトとは? | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2018/07/09/29689

まとめると、

  • カゴメの売上の3割を支えるコアなお客様の離脱を防ぐために、会員制コミュニティサイトが生まれた
  • 会員数の拡大を追うことはせず「すでに接点のあるお客様」に対してアプローチをした
  • 家族や親しい知人にカゴメのことを熱く語ってくれる会員が多い

初めからむやみに会員数を増やさず(納得した経営陣も立派)深いコミュニケーションを心がけたこと、経験豊富な運営支援チームができ上がっていること、社内関連部門との連携が危機管理体制を含めてしっかりできていること。

会員数を増やすと退会者や休眠も増えていきますよね。まずは足元から固めていこうといくのは言うのは簡単でも、なかなか納得されないことも多いです。きちんとデータを分析し、KPIを決めて着実に運用しているのもポイントです。

EC全般

気温予測で家電や飲料の売上増に、気象庁と民間が実験 | BCN RETAIL
https://www.bcnretail.com/market/detail/20180710_74053.html

ビールが売れ始めるのは何度?気候と売り上げの関係を示すウェザーマーチャンダイジングとは | データのじかん
https://data.wingarc.com/temperature-and-beer-10204

猛暑や大雨など、今までのような気候ではなくなってきたので、このあたりのデータはよく見ておかないといけないです。

【テンプレ付き】レビューを放置すると売上ダウン?!楽天新機能「レビュー返信機能」で2種のお客さんをフォローしよう | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/180709-revuehenshin/

カスタマーサポートだという意識を忘れずに。

Amazonの新サービス「プライムワードローブ」に見る「お試し消費」の返品リスク対応 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5591

「アメリカ人はすでに年間2,600億ドル相当の返品」。日本はこういったことがないのがありがたいです。

通販事業者が″今”取り組むべき「チャネルミックス」の手法とは!? | 通販通信
https://www.tsuhannews.jp/54367

紙の担当をWebにするなどの人を動かすことで、チャネルミックスができるようになるはず。

世界のEC市場は依然として拡大傾向、越境EC市場規模は2020年に1兆ドルに迫る | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/53423

世界の消費者意識調査2018 | PWC
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2018/assets/pdf/consumer-insights-survey.pdf

越境ECが避けられなくなってきたので、海外の動きも今から追っておきましょう。

今週の名言

ていねいに考え作られていないモノに潜む、「まぁ、これくらいでいいか、とりあえずCPAが上がれば」という気持ちは、驚くほどちゃんと相手に伝わります。

「いったんしゃがんで考える」アドテック関西(京都)で話したこと | えとじやブログ
http://blog.etojiya.com/archives/9869991.html

「まあいいか」と思ったことは、ほんの些細なことでも伝わってしまいます。「まあいいか」をなくすことでブランドイメージが良くなっていきますので、何度も何度も確認を。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

「Instagramで見つけた商品を購入したことがある」は45%、衝動買いの経験者は7割

7 years 4ヶ月 ago

EC支援などを手がけるマージェリックが実施した調査によると、Instagramを利用している15~35歳の女性の45.8%がInstagram上で見つけた商品を購入した経験を持っていた。

Instagram上で見つけた商品の購入経験について(マージェリック調査)

Instagram上で見つけた商品の購入経験

また、購入経験者の70.7%はInstagram上の投稿を見て「衝動買い」をした経験がある。

Instagram上の投稿を見て衝動買いした経験(マージェリック調査)

Instagram上の投稿を見て衝動買いした経験

Instagram上の投稿を見て購入したことがある、もしくは購入したい商品を選択式・複数回答で質問。その結果、上位は「洋服」(50.5%)、「アクセサリー」(42.3%)、「化粧品」(36.3%)、「靴」(29.4%)、「バッグ」(27.1%)だった。

Instagramの投稿を見て購入した・購入したい商品(マージェリック調査)

Instagramの投稿を見て購入した・購入したい商品

「ShopNow」の認知度は44%

Instagramの投稿写真からECサイトに移行するショッピング機能「ShopNow」の認知度や利用経験についても調査。「ShopNow」を「知っている」と答えた割合は44.5%だった。

Instagramのショッピング機能(ShopNow)の認知(マージェリック調査)

ショッピング機能(ShopNow)の認知

「ShopNow」を使ってみたいかという質問では、「すでに使ったことがある」は16.9%、「使ったことがないが今後使ってみたい」が47.5%、「使ったことがないし今後も使う予定がない」は35.6%となっている。

Instagramのショッピング機能(ShopNow)の利用意向(マージェリック調査)

ショッピング機能(ShopNow)の利用意向

調査概要

  • 調査対象:10代~35歳女性
  • 調査期間:2018年6月28日~7月3日
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:441名

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天・三木谷社長が語った「ワンデリバリー構想」「携帯キャリア事業の狙い」とは?【2018年夏の講演まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

7 years 4ヶ月 ago

楽天の三木谷浩史社長が独自の配送ネットワーク構想「ワンデリバリー」をぶち上げてから約半年。7月17日に開かれた「楽天EXPO2018」で、三木谷社長は「ワンデリバリー」構想、MNO(モバイルネットワークオペレーター)として参入する携帯キャリア事業、「One Payment」構想などを語った。4000人以上の出店者の前であかした構想や方針をまとめた。

2020年までに独自配送ネットワークを構築

2017年は配送ネットワークがパンクした。楽天の直販サービスも出荷制限をしなければならない状況に陥った。(配送については)出店者の皆さんと一緒に新しいことをやらなければ、店舗も楽天の将来もない。

2018年1月、こう危機感をあらわにし、楽天グループの新しい挑戦として三木谷社長がぶち上げた「ワンデリバリー」。7月17日の「楽天EXPO2018」で、三木谷社長は次のように配送問題の原因に言及した。

(物流問題で)配送を受け付けてもらえないケースが出てきたり、送料も上がっている。この根本的な原因はどこにあるのだろうか? 宅配便というCtoCという個人間取引の仕組みにBtoCの荷物を載っけているところに無理が生じてきた。

EC市場の急拡大で、不在再配達、配送量規制、送料値上げといった問題が顕在化――。三木谷社長は、「『ワンデリバリー』は新しいチャレンジだが、やりたいことというよりも、やらなければならない。そうしなければ将来は開けない」と意気込みを語る。

現在、「楽天市場」ではECプラットフォーム側が購買データ、配送キャリアが配送データを持つ構造となっている。販売側と配送側で情報が分断されており、三木谷社長はこうした構造が問題となっていると指摘。

楽天は、購買データに加え、配送データも管理することで商品の注文から配送までの仕組みを一気通貫で整備。受け取りの利便性向上、再配達削減、配送状況の可視化などの実現をめざす。

楽天のワンデリバリー構想
店舗、ユーザー、楽天の3者を有機的につなぎ、AI(人工知能)やビッグデータを使って効率化してくという

お買い物マラソン、楽天スーパーセールで購入した場合、人によっては一度に荷物を持ってきてほしいという人もいる。商品を(玄関などに)置いていってという人もいる。500円の文房具から10万円のハンドバッグまで同じように外注して配送していた。今後はそれらを一元管理していく。積極的な形で、物流、ラストワンマイルに参加することが“Make Sense”(道理にかなうの意味)だ。(三木谷社長)

「楽天EXPO2018」で公表された「ワンデリバリー」構想に関するイメージ動画

現在、楽天は関東に2か所(市川、相模原)、関西に1か所(川西)、商品の保管から出荷までを手がける物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」の物流センターを構えている。日本GLPが開発する大型物流施設「GLP流山」の全フロア、「GLP枚方」の一部を貸借。2019年までの稼働をめざす。

新施設では、最先端のマテリアルハンドリングシステムを導入。人手不足が進む中、運営の大幅な効率化・省人化に取り組むとしている。

翌日配達サービス「あす楽」は全国90%以上をカバーし、土日祝日、365日出荷が可能になる2019年には稼働したい。(三木谷社長)

「楽天スーパーロジスティクス」の新設計画
「楽天スーパーロジスティクス」の新設計画

ちなみに、楽天は東京23区内で独自配送を実施中。楽天ブックス、「Rakuten Direct(楽天ダイレクト)」で運用しているという。「今後は店舗の皆さんの商品を届けていきたい。楽天は2020年をターゲットに全速力で展開していく」(三木谷社長)

楽天BOXを活用したピックアップ場所の多様化、置き配配送通知、自宅外受け取り日時・場所指定などを展開していく
楽天BOXを活用したピックアップ場所の多様化、置き配配送通知、自宅外受け取り日時・場所指定などを展開していく

ワンペイ構想、2018年末までに全店舗導入

楽天は2017年に決済サービスのブランドを「楽天ペイ」として統合。「楽天ペイ(実店舗決済)」「楽天ペイ(アプリ決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」といったサービスの提供を通じ、楽天IDによる他社サイトや実店舗での決済を実現。楽天IDの利用拡大を図っている。

「楽天市場」の決済を一括管理する構想が「One Payment」。「楽天ペイ(楽天市場決済)」によって、すべての店舗で利用できる決済手段を統一することで、支払いの一元化、入金サイクルの統一などが期待できるとした。

「One Payment」で実現できること
「One Payment」で実現できること

2018年末に向けて全店舗に導入する。店舗の皆さんにはご理解いただけているかなと思う。1店舗の抜けもなく実現していくことが全体の底上げになる。(三木谷社長)

チャット機能拡大

店舗スタッフと消費者がチャットできる機能で、2017年から試験的に運用を始めた「チャット機能」。これまで約100店舗が試験導入した。

導入店舗では、未利用者と比べて転換率が14.8ポイント向上、平均注文額は未利用者比135.5%流通効果は楽天の試算で0.41%増という。

楽天が公表したチャット機能の導入効果
チャット機能の導入効果

店舗スタッフがコンシェルジュ、これが楽天のコンセプト。商品について一番詳しいのは店舗である。だが、店舗側が(消費者からの)全質問に答えるのは大変。AI(人工知能)搭載のAI Chatbotを全店舗に導入していこうと思っている。(三木谷社長)

こう話した三木谷社長は、簡単な質問にはAIが回答する仕組みを整備。すでにトライアルでAIチャットボットの活用を始めているという。

AIチャットボットの進化にも言及した三木谷社長。「今後もキーボードで文字を叩き続けるのか? それともボイスが主流になっていくのか?」(三木谷社長)。三木谷社長は音声検索といった行動が増えると指摘し、ゴルフ場予約サービス「楽天GORA」で取り組んでいる「ボイスサーチ」に言及した。

「楽天GORA」のボイスサーチを利用してゴルフ場を予約すると、楽天トラベルでの宿泊、購入履歴に応じて楽天市場での商品購入提案といったレコメンドも行う事例を披露。そして、次のように話した。

ボイスサーチは楽天グループの全サービスが絡んでくる。ゴルフ場予約から楽天トラベル、楽天市場で買ったことがある商品の提案。このような形でAIチャットボットについても導入していく。(三木谷社長)

楽天が公表したボイスサーチの事例
ボイスサーチの事例

クロスボーダーECは拡大中

越境ECのシェアはますます大きくなるので、楽天グループも強化していく。楽天はJD.com、米国eBayなど、海外のさまざまなパートナーと連動、提携している。(三木谷社長)

楽天の越境ECは、JD.com、米国eBayなど、海外のさまざまなパートナーと連動、提携している
クロスボーダーECにおける連動・連携先

楽天のクロスボーダーは拡大傾向が続いており、2017年の流通総額は2012年と比べて8倍に拡大しているという。

楽天が公表したクロスボーダーEC流通総額と海外販売ランキング
クロスボーダーEC流通総額と海外販売ランキング

「楽天市場」などの取扱商品を対象とした海外向けの配送サービス「Rakuten Global Express(楽天グローバルエクスプレス、RGE)」を2017年にスタート。海外ユーザーにより便利な物流サービスを提供するとした。

言語の壁について三木谷社長は、「コミュニケーションも重要なので、チャットボットも自動翻訳によって多言語対応していく」としている。

O2Oを強化し店舗の集客施策に活用

現状のEC化率は5.79%。残りの95%を皆さんと一緒に取り込んでいきたい。日本の家計消費は245兆円もある。楽天はショッピング以外のオフラインマーケットも獲得し、出店者の皆さんの集客施策に活用する。そして、店舗を持っている皆さんには、集客支援などをしていく。

オフライン市場を取り巻く環境
オフライン市場を取り巻く環境

こう話した三木谷社長は、リアルでも使える楽天ペイ、キャッシュレス決済を推進しOtoOを拡大していく方針を説明。「ペイメント」「デリバリー」に加え、重要視しているのが位置情報だ。

(位置情報技術を開発するスタートアップである)米国のカーブサイドを買収した。AIなどを使って、消費者の位置情報から商品の到着時間を予測することができるのが特徴で、今後は荷物の到着予定時間などを正確に伝えていくことが重要になる。(三木谷社長)

楽天のOtoO戦略
楽天のOtoO戦略

携帯キャリア事業で「楽天市場」を底上げ

「楽天市場」の流通総額は、2018年3月時点で66.5%がモバイル経由。元旦(2018年1月1日)のモバイル流通総額では、訪問比率86.1%。流通総額比率76.7%がモバイル経由だった。今後、モバイル経由の比率は85%~90%になると思う。(三木谷社長)

「楽天市場」のモバイル経由流通総額
「楽天市場」のモバイル経由流通総額

このようにモバイル流通額に言及した三木谷氏は続けて、「楽天はMNO(モバイルネットワークオペレータ)として携帯キャリア事業へ挑戦する」と出店者に宣言。

現在、家計に占める通信料金の割合・負担が増えていることに触れ、「通信料金をリーズナブルに提供し、便利でいかに早く提供できるか、そして、携帯キャリアというモバイルの“根っこ”の部分を押さえて『楽天市場』の流通額を増やしていけるかが重要になる」と出店者に訴えた。

電話通信料と家計負担の推移
電話通信料と家計負担の推移

楽天グループは9700万人の会員にリッチなサービスを提供しており、ポイントプログラムは1兆ポイントを発行。ポイント対応店舗数は70万店舗を超えている。このモバイルエコシステムを生かし、ソフトバンク、KDDI、NTTドコモドコモではなく楽天がトップになる――そうした世界を作っていこうと思っている。

夢ではなく、現実にやってきた実績を考えれば、実現できる。さまざまな技術が入ってきているので圧倒的な技術力で勝負し、ナンバーワンキャリアになる。そして、日本の半分くらいは楽天モバイルを使っている世界を実現したい。(三木谷社長)

楽天はモバイルエコシステムを構築し、「楽天市場」への誘導などにつなげていく
楽天はモバイルエコシステムを構築し、「楽天市場」への誘導などにつなげていく

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

高いファッションはECで買わない? ネット購入時の上限額1万円未満は7割強

7 years 4ヶ月 ago

ファーストリテイリング子会社のジーユーが実施したファッションの消費動向に関する消費者調査によると、オンラインストアでの1回あたりの購入金額の上限が1万円未満と答えたユーザーの割合は7割を超えた。

調査対象はジーユーのアプリユーザーで、回答者はすべて女性。

「オンラインストア(ECサイト)でファッションアイテムを購入する際に、 一回の買い物で使用してもよいと思う上限金額を教えてください」と質問した。

その結果、「1000円~3000未満」は11.0%、「3000円~5000未満」は26.9%、「5000円~1万円未満」は37.9%で、1万円以下を選んだ割合は合計75.8%だった。

上限金額が1万円以上の回答者の割合は、「1万円~3万円未満」が19.2%、「3万円~5万円未満」は1.1%、「5万円~10万円未満」は0.6%、「特に上限はない」は2.8%(選択式・単一回答、n=182)。

ECサイトでファッションアイテムを購入する際の上限金額(ジーユーの調査)

ECサイトでファッションアイテムを購入する際の上限金額

「ウェブルーミングの利用が多い」は54%

インターネットやソーシャルメディア、アプリなどで情報収集してから実店舗で購入する「ウェブルーミング」の傾向も調査した。

「衣服やファッション小物、アクセサリーなどのファッションアイテムについて、何で調べて/見て、どこで購入することが多いですか」と質問。これに対し、「インターネットやソーシャルメディア、アプリで調べ、実店舗で購入する 」と回答した割合は54.2%で過半数を超えた。

年代別で分析すると、20代が68.6%で最多。30代は55.4%、40代は50.2%、50代は46.3%。「実店舗で購入する」と回答したユーザーに理由を聞いたところ、「実物を見て購入したい」が86.3%で最多だった。 

インターネットやソーシャルメディア、アプリなどで情報収集してから実店舗で購入する「ウェブルーミング」の傾向

ウェブルーミングなどの傾向調査

オンラインで情報を収集する方法は、「ファッションブランド/企業のウェブサイト」が50.2%、「ファッションブランド/企業のモバ イルアプリ」が43.5%、「一般人の SNS」が27.5%で上位にランクインしている(選択式・複数回答、n=448)。

ファッション情報の収集方法(ジーユー調査)

決済手段はECならカード、実店舗では現金が最多

オンラインストアや実店舗でファッションアイテムを購入する際、主に使用する決済手段を質問した。

オンラインストアの上位は「クレジットカード」(74.6%)、「後払いサービス(コンビニ後払い、 ツケ払い、Paidyなど )」(35.5%)、「代引き」(26.8%)、「携帯キャリア系サービス」(8.7%)(選択式・複数回答、n=414)。

ECサイトでファッションアイテムを購入する際の決済方法

ECサイトでファッションアイテムを購入する際の決済方法

実店舗では「現金」(78.0%)と「クレジットカード」(56.3%)の比率が高い(選択式・複数回答、n=490)。

実店舗でファッションアイテムを購入する際の決済方法

実店舗でファッションアイテムを購入する際の決済方法

調査はジーユーのプロジェクト「リアルファッションラボ」が実施した。「リアルファッションラボ」はファッショントレンドの調査・研究を行い、消費者が発信している情報や実績に基づくデータを踏まえファッショントレンドに関する情報を定期的に発信している。 

調査概要

  • 調査期間:2018年5月23日~5月29日
  • 調査対象:ジーユーアプリ会員
  • 調査方法:オンラインでのアンケート調査 

 

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

検索キーワードから「ブーツ」を通年で売るための基礎知識。多様な消費者ニーズの存在を知ろう! | ヤフーの検索ニーズから学ぶ「トレンド研究所」

7 years 4ヶ月 ago

秋冬に活躍するイメージの強いブーツ。Yahoo!検索のデータを抽出したところ、実は年間を通してニーズがあることが見えてきました。また、ニーズが高いのは女性だけではありません。男性はもちろん、スポーツ、子供向けなど、さまざまな需要があります。今回は、「ブーツ」という検索キーワードに注目し、1年の傾向を見てみましょう。

男性と女性での検索キーワードの違い

まず、男性と女性でブーツに関する検索キーワードの違いを見てみましょう。

「ブーツ」と一緒に検索されるキーワード
「ブーツ」と一緒に検索されるキーワード(ヤフー調べ)

男性は、「スノーボード」「バイク」「サーフブーツ」など、スポーツに関するキーワードと一緒に「ブーツ」を検索する事が多いのが特徴。特定のブランド名のほか、「おすすめ」「手入れ」「選び方」といったキーワードと供に「ブーツ」を検索することも多いようです。

一方、女性は「レインブーツ」「レースアップブーツ」「ムートン」といったブーツの種類ごとの検索「袴」「着物」「キッズ」など、コーディネートを想定した複合検索が多いのが特徴です。 また、「いつまで」という検索も多く、時期を気にしている様子がわかります。

冬・春(1月、2月、3月)の検索ワード

次に、季節ごとの検索キーワードの違いを見てみましょう。

袴や着物と一緒にコーディネート

袴や着物と一緒にコーディネートされることが増えているブーツ
袴のレンタルショップ「LAKUSA」のリリースから画像を編集部が追加

女性は1~3月の終わりにかけて、「ブーツ」と一緒に「袴」「卒業式」「子供」「小学生」「着物」といったキーワードを検索しています。

また、「袴とブーツ」のコーディネートは日常的に使うものではないため、ネットに情報を求めている様子もうかがえます。なかでも、全体の印象に影響するブーツの「長さ」や、卒業式などフォーマルにふさわしい「色」を調べる検索数が多めです。

「袴 ブーツ」の検索数の推移
「袴 ブーツ」の検索数の推移(年間、ヤフー調べ)

スノーボードやスキーとの検索数が増加

1~2月は、男性を中心に「ブーツ スノーボード」の検索が増加します。一緒に検索されるキーワードは「おすすめ」「選び方」「履き方」などです。

同じ時期に「スキー」の検索数も増加しますが、ボリュームはスノーボードの方が3倍以上多い状態です。

ちなみに、「ブーツ バイク」も男性が多く検索するキーワード。こちらは、季節による検索数の増減が少ないのが特徴です。

「バイク ブーツ」の検索数の推移
「バイク ブーツ」の検索数の推移(年間、ヤフー調べ)

春(3月、4月、5月)にブーツを履くのはおかしい?

「ブーツ 春」というキーワードと一緒に「いつまで」「おかしい」「時期」といったワードが合わせで検索されています。春にブーツを履くことがおかしくないか気になる女性が多いようです。春にぴったりのブーツを提案したら、人気商品になるかもしれませんね

3月後半から5月には「収納」「100均」「アイデア」など収納方法、「手入れ」「汚れ」「カビの取り方」「しまう前」など、手入れに関するキーワードも検索が増える時期です。「ブーツ」に合わせて手入れ方法や収納方法もキーワード対策しておきたいですね。

夏(6月、7月、8月)にもブーツを履く?

6月になると、意外なことが。「ブーツ」は「夏」というキーワードと一緒に検索され始めているんです。

7月に検索数がピークとなりるのですが、暑さが本番を迎える頃に夏用のブーツやコーディネートを探していることがわかりますよね。ちなみに、検索している男女の割合はおよそ6:4です。

「ブーツ 夏」のキーワードは7月がピーク(画像提供:プチ・シャレット

レインブーツは梅雨の時期だけでなく、秋にも需要がある

数あるブーツの中で検索数が最も多いブーツは、「レインブーツ」です。日本列島が梅雨入りする5月末~6月末の検索ボリュームが多いのは想定内かと思います。が、しかし、秋雨の降る10月も、例年検索ボリュームが上昇するんです。ネット通販事業者さんはこの商機を逃さないようにしましょう。

「レインブーツ」の検索数の推移
「レインブーツ」の検索数の推移(ヤフー調べ)

秋・冬(9月、10月、11月、12月)、ブーツが最も多く検索される時期

8月の中旬から12月にかけて「秋」「トレンド」「コーデ」などのキーワードと一緒に検索されます1年間で10月下旬から11月が最も多く検索されますので、この時期の前には商品を露出。その年のトレンドや売れ筋の傾向を把握しながら販売施策を打つようにしましょう。

「ブーツ」の検索数の推移(年間、ヤフー調べ)

まとめ

今回は「ブーツ」に着目し、検索キーワードの男女別の特徴や、季節の傾向を探ってみました。ブーツに限らず、“ニーズは特定の季節だけ”と思い込んでいる商材ってありますよね。

切り口、視点を変えると、さまざまな消費者の需要が見えてきます。そして、SEM対策、モール内の販促、SNS対策などさまざまな打ち手を売っていきましょう。

商品や販促のタイミングなどの参考になれば幸いです。

西村 由梨子

Yahoo! JAPAN

西村 由梨子

メディアカンパニープラットフォーム統括本部
広告開発本部UIデザイン部

ITベンチャー企業、Web制作会社を経て、2006年にヤフー株式会社入社。グルメ、レシピ、占い、不動産などヤフーの様々なサービスに携わる。2度の出産を経て、社内のデータ部門に異動。社内アクセス解析ツールのデザインや、データの可視化を行う。

2016年11月よりマーケティング部門にて代理店向けツール、カンファレンス資料などのビジュアルデザインを担当。

西村 由梨子

売上1000億円めざすファッションECサイト「SHOPLIST」の戦略を張本貴雄社長に聞く | 通販新聞ダイジェスト

7 years 4ヶ月 ago

EC事業などを手がけるクルーズは3月14日に主力事業であるファッションECモールの「SHOPLIST(ショップリスト)」事業を会社分割して、100%子会社であるCROOZ SHOPLISTを新たに設立した。ファストファッションに特化して顧客開拓を図り、着実に成長曲線を描く同モールの今後の戦略について、新会社社長に就任した張本貴雄氏に話を聞いた。

中長期で売上高1000億円へ、「ユーザー評価」を露出に反映

――今回、子会社化したことでの変化やメリットとは。

「基本的には変わらないというのが正直なところ。ただ、クルーズグループのビジョンとして100人の経営者を生み出していくミッションがあるので、自身もグループの役員として全うしなくてはいけない。ショップリストの中長期ビジョンは『500万人のユニーク購入者×年間購入単価2万円』で、売り上げ1000億円を目指している。実際に500万人以上の訪問者は来ているので、そこで100%購入してもらえれば確実に達成できる」

ファッションECモールの「SHOPLIST(ショップリスト)」の売上高推移
売上高の推移(編集部がIR資料をキャプチャして追加)

――昨年からショップリスト内で行っていた新規事業のEC支援サービスも本格化していく。

「ショップリストのシステムをそのまま外部提供する新会社のCROOZ EC Partnersでは、他社のプロモーションから物流などすべてを支援している。自分たちが実際にサイトを運営していきたという強みがあり、また、これまで成長してきた中でフェーズごとに合わせたノウハウを提供することができる。この事業はこれからの柱になることが期待できる」

――ショップリストでスローガンとしていることとは。

立ち上げ当初から『世の中のインフラをつくる』ということをビジョンに掲げてきた。よく例えるのが『電車』で、決められた時間に来て乗れば確実に目的地に着けるが、そのことに対して人は特別な感謝などを抱かず当たり前に利用している。感謝を持たないということは日常的に使っていてそれが自身の生活の一部になっているということ。自分たちもそのような当たり前を作りたい」

――出店者向けのカンファレンスでは毎年キーワードを発表している。

「まず、17年のキーワードが『ユーザーギャップゼロ』だった。これは開設5年でかなりのブランド数と売上高を作ることができた。その一方で売り上げ先行型で来た分、『写真と印象が違う』『サイズが合わない』といったユーザーギャップが起きることも一部であった。ECはいくら新規をとっても、既存の積み上げがないと成長しない。リピートを得るためにギャップを埋める作業が必要だと感じ、17年度は整備の年と位置付けた

――具体的に取り組んだこととは。

「この1年間、様々な指標をもとにユーザー評価を緻密に計算して見える化し、商品の露出頻度などを変えていった。結果、17年度は第3四半期までで2回目転換率がある程度改善できたので、第4四半期では広告宣伝を復活してまた売り上げを伸ばすことができた」

クルーズの100%子会社で、ファストファッションECを手がけるCROOZ SHOPLISTの張本貴雄社長
張本貴雄社長

――ユーザー評価の仕組みとは。

「様々な細かい指標から成り立っているが、例えば配送遅延率、欠品率、レビュー、新商品の投入型数などがあり、それらの項目をもとにユーザー評価を算出している。出店者にはその評価内容を毎月提示しており、最優先で改善すべき課題が分かるようにしている。やはり出店者も改善すべき内容が分かれば改善してもらえる。仮に配送遅延が起きるようであれば、『全SKUを1ピースずつでも当社の倉庫に入れておいてもらうことで改善しましょう』という形で一緒に解決していく。そうしていくことでユーザーギャップが埋まり評価が上がっていく」

――ユーザー評価が上がることのメリットは。

顧客が商品検索した際にユーザーギャップのない商品から上位に表示される仕組みがある。また、ユーザー評価が高い出店者はメルマガのほかにサイト上で発信している『ブランドニュース』という枠で新商品情報や商品づくりの背景などをアピールすることもできる。ショップリストは広告があるモールではなく、露出の枠をお金では買えないので、(露出機会を増やすためには)質を高めていってくださいという方針。実際にユーザー評価が上がった店舗は売り上げが大きく変わっている」

――今期は「サーチ×ファインド×バイ」をキーワードとしている。

「現状25万型商品・130万SKUを展開しているが、今のECは画像で探す時代。『探しやすい体験を提供して好きな商品に最短で出会える』ということをテクノロジーで解決するということが今年のテーマ。AIを使った画像検索は7月頃から試験的に開始する予定。リアルで買い物している時に気に入った商品を撮影してその画像を使って(近い商品を)検索できるようなイメージ。

当然、「ユーザーギャップゼロ」も並行して進めていく。『サーチ×ファインド×バイ』はあくまでも手段であり、時代と共に変わっていくもの。この両輪を上手く回して行けるプラットフォームになりたい」

有店舗ブランド開拓進む、秋に倉庫新設で物流拡充

――中長期ビジョンの「年間購入単価2万円」に向けて、年4回のメガセールで1回当たり5000円という購入額を一つの目安としているが、そこへの展開としては。

「現状の年間購入額は約1万4000円。あとは1回5000円程度の買い物で2万円近くになる。5000円を年間購入者数160万人にかけるだけで80億円くらい変わる。ここが金脈となるところだが、そこに対して顧客に無理して買わせてしまうと絶対にLTVは続かない。

1000円の商品を年間12回買う人もいれば1回に2万円分買う人もいるなど様々なので、あまり『2万円』や『購入回数』をドライバーにはしていない。明確に取り組んでいるのは欲しい商品にすぐ出会えてギャップを生じさせないというところ。確かにメガセールをやっているが、『ガンガン売っていく』ということではなく、一つのお祭りとして新規にとって買いやすい環境をつくるという狙いがある」

CROOZ SHOPLISTの中長期事業方針
中長期事業方針(編集部がIR資料をキャプチャして追加)

――では一番重視しているKPIとは。

「購入単価ではなく、訪問者数とコンバージョンを見ている。訪問者数が500万人を超えていることは事実。この人たちが100%買ってくれるためにはどうするべきかということを一番に考えている」

――そのために今期取り組んでいくこととは。

「とにかく、リアル店舗を持つブランドの出店開拓を進めること。以前(2016年秋)にフォーエバー21さんに出店していただけたが、それは(他の出店者誘致において)大きなフックにもなった。直近で言えば、ワールドさんやストライプインターナショナルさんにも出店していただいたが、こうした大手アパレルに出ていただけると動き出す企業が出てくる。

今までショップリストはウェブブランドが集まるサイトと認識されており、リアルの会社にとって『数千億円の売り上げを持つアパレル企業がなぜ200億円規模のモールに出店するのか』ということを言われていた。しかし、実際にショップリストが成長しており、(アパレル企業の)EC化率が伸び悩む中で出店の判断をしてもらえるようになってきている。

また新たに出店が決まっているところもあり、今期はかなりの数のリアルブランドが拡充できる。これはSEOの観点からも非常に良く、また顧客にとっても普段から使い慣れているブランドがあることで安心感も持てる。リアルのブランドだけに限らず、1年間で純増100ブランドというイメージで行ければ。もちろん『ファストファッション』という領域は崩さないでいく」

――そのほかに強化すべきポイントは。

「やはり、買いやすさの部分。現状で130万SKUを扱っていて、約1万5000平方メートルの倉庫に約100万SKUを保管している。今年11月にはそこから車で10分程度の距離に約4万5000平方メートルの新しい倉庫を作る。旧倉庫もそのまま残すため、保管倉庫として使える。今後は保管スペースが何倍にもなって届くスピードも速くなるので、ユーザーギャップを埋めることができる

また、ブランドによってサイズの測り方も異なるので、自分たちの基準をしっかりと持って顧客に対して視覚的に分かってもらえるようにきっちりと整備していく。(オンライン試着サービスの)『バーチャサイズ』を導入したのもそうした理由からで、テクノロジーで担保している」

――集客面では、モールとも連動したウエブマガジン「LiSTA」を3月に創刊した。

「幻冬舎さんと組んで行っているが、これからは1年に1回、紙媒体を出すことも決まっており、この秋冬のタイミングで出す予定。雑誌社のコンテンツを作る力というものはやはりすごい。今後は全部自前やるというよりかは、それぞれの世界でのトップランカーと一緒に組んでやるという考え方になる」

――他のファッションモールで力を入れているPBへの興味は。

「中長期ビジョンの1000億円を達成するまでは全く考えていない。達成した時に、やるかやらないかを考えるだろう。やはり今の自分たちの規模ではPBを考える段階にないと思う。利益率も高いものなので良いとは思うが、今ではない。

また、PBとは企業にとってのプライベートブランドであって、顧客にとってのプライベートではない。顧客にとってのPBとは、別に企業がオリジナルで作ることではなくて、適正な価格帯やデザイン、サイズ感で、買って本当に良かったと思えるもの。そうした商品と出会える確率を上げることが自分たちプラットフォームの役割だと思う」

通販新聞

ユニクロがネット通販でAI+チャットボットの買い物サポート「UNIQLO IQ」を開始

7 years 4ヶ月 ago

ユニクロは7月11日、人工知能(AI)を活用したチャットボット「UNIQLO IQ」の運用を本格的に開始した。ユニクロのアプリ上で、チャットボットがユーザーの買い物をサポートする。

「UNIQLO IQ」はアプリの中で起動するAIコンシェルジュ。会話形式で商品情報や着こなしの検索、店舗の在庫確認、オンラインストアでの購入などをサポートする。よくある問い合わせへの対応や、必要に応じてカスタマーセンターのオペレーターへの接続も行う。

ユニクロがネット通販でAI+チャットボットの買い物サポート「UNIQLO IQ」を開始
商品のバーコードをスキャンすると、コーディネートの閲覧、在庫の確認もできる(画像は編集部がキャプチャ)

ユニクロは2017年9月から国内で「UNIQLO IQ」を試験的に運用。米国でも同様のサービスを展開している。

国内での試験運用中は「おすすめコーディネート」「トレンドキーワード」「カテゴリ検索」の機能を提供。7月11日からの本格展開に伴い、新たに6つの機能を追加した。

  1. 人気ランキング……48時間以内の売上ランキングを商品カテゴリごとに掲載
  2. シーンに合わせた着こなし提案……ユーザーが「旅行」や「バーベキュー」といった着用シーンを文字で入力すると、シーンに合わせた着こなしを提案
  3. 商品カテゴリに合わせた探し方……検索件数が多い「UT」「ジーンズ」「ギフト向け商品」の3つのカテゴリを、より簡単に詳しく検索できる「UTファインダー」「ジーンズファインダー」「ギフト選び」のボタンを追加
  4. 雑誌掲載情報の確認……1ヶ月以内に、日本の雑誌に掲載されたユニクロ商品を雑誌別に一覧で確認可能
  5. 今日のラッキーカラー……毎日、星座別のラッキーカラーに合わせたユニクロ商品を紹介
  6. 問い合わせ対応……オンラインストアの利用方法や配送方法など、よくある問い合わせに回答。カスタマーセンターのオペレーターによるライブチャットサポートにも接続
人工知能(AI)を活用したチャットボット「UNIQLO IQ」

6月15日からは、「Googleアシスタント」上で、ユニクロオンラインストアの利用方法や配送状況など、よくある問い合わせに対応している。音声とテキストの問い合わせに回答。カスタマーセンターのオペレーターによるライブチャットサポートにも接続する。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

プライムデー2018の特選セールは昨年2倍の品ぞろえ、Echo Dotがセール初登場

7 years 5ヶ月 ago

アマゾンジャパンは7月13日、7月16日(月)12時から36時間にわたり開催する年に一度のプライム会員向けセール「プライムデー 2018」を前に、本年度の目玉商品や新たな取り組みを紹介した。

アマゾンが扱うほぼすべてのカテゴリの商品をセール価格で購入できるプライムデーは年々規模を拡大。今年は、昨年から6時間延長し、特選タイムセール商品を2倍用意するほか、プライムデー限定商品や会員先行商品を取りそろえる。日本でもプライムデーは好調で、過去12か月間の国内プライム会員の伸びは、過去最大に上るという。

2017年プライムデーからの12か月間、国内のプライム会員数は過去最大の成長だったという

プライムデー定番のアマゾンのデバイスとしては、昨年人気のFire TV StickやKindleに加えて、スマートスピーカーのEcho Dotが初めて特選タイムセールに登場。また、アマゾンブランドの各商品も初めて販売する。プライムデー期間中は、中小規模事業者の販売数も伸びており、2017年には世界で4,000万点以上の商品が注文されたという。

今年は、日本の特産品を扱うアマゾンの「Nipponストア」でもフェアを行い、なかでも福島県と熊本県の特産品が多数登場するという。福島県は、2017年から県産品を直販しようとアマゾンと協力しており、昨年の売り上げ15億円と目標を大きく上回った。熊本県も、調味料・麺類・お菓子のほか、熊本地震を記録したKindle本などを提供してきた。プライムデーに参加することで、県産品を日本全国へ、さらに広めていく。

Nipponストアのフェアで販売予定の福島県と熊本県の特産品
応援に駆けつけた、右:福島県の鈴木正晃氏(副知事)とキビタン。左:熊本県の原山明博氏(熊本県商工観光労働部 観光経済交流局長)とくまモン
予約開始されたばかり人気ゲーム「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・イーブイ」もプライムデーに
東京と大阪で実施する体験イベントでは、プライムデー販売商品の一部を手に取ることができる(写真は東京・羽田空港)

さらに今年から、Amazon Payを導入する事業者が自社ECサイトを使って初めてプライムデーに参加。日本では5社が自社ECでプライムデー限定セールを実施する。

池田真也

ネットショップ担当者フォーラム編集部

家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。2017年末からネットショップ担当者フォーラムと兼任。

池田真也

アマゾン、日本でもPBの販売を強化。アンファーとの共同企画製品を「プライムデー」に発売

7 years 5ヶ月 ago

アマゾンジャパンは7月11日、食品や飲料、日用品、ベビー用品といった消費財カテゴリーのプライベートブランド(PB)を拡充すると発表した。

食品や日用品などを扱うブランド「SOLIMO(ソリモ)」の新商品として、アンファーと共同開発した「SOLIMO スカルプD」を7月16日に発売する。消費財カテゴリーにおけるPB商品は60種類以上になるという。

アマゾンは消費財カテゴリーのPB展開を2016年に開始。食品・飲料のブランド「Happy Belly(ハッピーベリー)」、日用品ブランド「Presto!(プレスト)」、ベビー用品ブランド「Mama Bear(ママベアー)」のほか、「Amazonプライム」会員限定の食品ブランド「Wickedly Prime」がある。

アマゾンは消費財カテゴリーのPB展開を2016年に開始。食品・飲料のブランド「Happy Belly(ハッピーベリー)」、日用品ブランド「Presto!(プレスト)」、ベビー用品ブランド「Mama Bear(ママベアー)」のほか、「Amazonプライム」会員限定の食品ブランド「Wickedly Prime」がある

さまざまなPBを展開している(画像は編集部がキャプチャ)

2018年6月には、ベーシックな食品や日用品などを手頃な価格で販売する「SOLIMO」を発売。消費財カテゴリーにおけるPBのうち、「SOLIMO」のみメーカーとのダブルブランドとして展開している。

「SOLIMO スカルプD」シリーズの商品は「スカルプシャンプー」「スカルプパックコンディショナー」「スカルプトニック」の3品目。「SOLIMO」で展開している商品はこの他、「はごろもフーズ」と共同企画した「SOLIMOシーチキンLフレーク」や、「Schick(シック)」の親会社のエッジウェルパーソナルケアと共同開発したトリマー付きカミソリなどがある。

アマゾンはPBの販売を各国で強化している。米国ではファッションのPBを複数展開しているほか、2017年には家具のPBを発売。乾電池やPCアクセサリーなどを扱う「Amazonベーシック」は日本国内でも販売している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ZOZOスーツを着てみた/自社サイトでAmazonプライムデーを開催?!【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 5ヶ月 ago

竹内謙礼氏によるzozoスーツ着用レポートが人気を集めました。魅力的な着用画像が功を奏したのではないでしょうか。2位は「Amazonプライムデー」がアマゾン以外でも開催されるという情報。

  1. ZOZOスーツが届いても使っていない人「46%」の理由を探る(竹内謙礼調べ)

    やっと届いたZOZOSUITを使っていない人が多いらしい。その理由を考察してみる(連載第11回)

    2018/7/9
  2. アマゾンの「Amazonプライムデー」が自社ECサイトで初開催されるのは知ってますか?

    JTB、北海道日本ハムファイターズなど5社が参加、その参加条件は?

    2018/7/12
  3. 「ZOZO」がビジネススーツ参入、PB売上は200億円を計画(2019年3月期)

    体型採寸スーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」で計測したデータを使い、顧客ごとにサイズをカスタマイズする

    2018/7/6
  4. EC関連サービスによる西日本豪雨の被災地支援まとめ[随時更新]

    EC関連企業が取り組んでいる各種ポイント、寄付、ふるさと納税といった被災地支援活動を紹介

    2018/7/10
  5. 「2018年春に賃上げした」は8割、理由は「雇用中の従業員の引き留めのため」が過半

    特に中小企業が人材流出を防ぐため賃上げを行っている。

    2018/7/9
  6. 【送料問題】通販・EC売上トップ300社の8割が無料サービスを継続、取りやめは一部

    2018年4月までに多くの企業が送料を改定し100~200円程度上げたところが多い。さらに7月に値上げを予定している通販企業も少なくない

    2018/7/9
  7. Amazonプライムデーの先行体験イベントが東京・大阪で開催、2メートルの巨大Amazonボックスが登場!

    プライムデー目玉商品の展示、Amazonのサービス紹介コーナーなどを実施

    2018/7/6
  8. Amazonや米大リーグも採用したECの価格戦略「ダイナミックプライシング」を用いるべき理由

    米大リーグやAmazonも導入するダイナミックプライシングが新たな価格戦略をもたらす

    2018/7/11
  9. Amazonの新サービス「プライムワードローブ」に見る「お試し消費」の返品リスク対応

    無料お試しサービスを提供するために、有効なソリューションを活用しましょう

    2018/7/12
  10. 「ネットショップの更新ってこんなに手間がかかるの?!」マーケティング担当が知っておきたいEC制作の基礎知識【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年7月2日〜8日のニュース

    2018/7/9

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

uchiya-m

旧桃源郷(現Lifeit)をティーライフが買収。やっぱりEC業界はめまぐるしく変わる……

7 years 5ヶ月 ago

ティーライフは8月1日付で、EC専業のLifeit(ライフイット、旧桃源郷)を買収する。Lifeitの大株主で現社長の中川勝博氏から全株式を買い取る。買収額は非公開。7月12日に株式譲渡契約を締結した。

ティーライフは健康茶、健康食品、化粧品などの通販・EC企業。中期経営計画で、M&Aによる企業規模の拡大や収益構造の多様化などを掲げている。ティーライフは株式取得の理由について次のように説明した。

両社の経営資源や強みを相互活用することにより、相互の顧客に向けたサービスの提供及び取扱い商品の補完拡充が可能となります。加えて、当社情報システムなどのプラットフォームを共有化することにより、さらに効率的な運営が可能となり、互いにシナジー効果を追求することにより事業の拡大が図られ、結果として収益のアップが得られるものと考えております。

ティーライフのECサイト

ティーライフは東証1部上場のお茶通販の大手(画像は編集部がキャプチャ)

オークションビジネスで名をはせた桃源郷

Lifeitの旧社名は桃源郷。「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」総合グランプリを獲得するなど、オークションビジネスで2000年代後半のEC業界をけん引したEC専業企業だ。

会社の設立は2001年(当時は有限会社恵門コーポレーション)。デジタル家電、アウトドア商品、アクセサリーなど幅広い商材を扱い、「楽天オークション」を中心に「BtoC」型のオークションサービスを展開した。

1円から入札できるオークションが人気を集め、2007年度の「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー」で総合1位も獲得。その時の総合2位は「Joshin web 家電とPCの大型専門店」。今ではモール系のアワードを総ナメしている上新電機を押さえての総合グランプリ獲得だった。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」総合グランプリを獲得

楽天SOY受賞店の紹介サイト(画像はWayback Machineから編集部がキャプチャ)

事業が軌道に乗っていた2008年(2008年6月期の売上高は27億円)、ショッピングモール事業なども手がけていたNECビッグローブ(当時、現ビッグローブ)の傘下に入る。NECビッグローブは、EC領域における新たな事業シナジー創出と双方の事業価値の拡大を図ることにより、5年間で新たに100億円の売り上げをめざすとしていた。

ネットオークション形式のネット通販でのし上がり、成功店舗としての地位を築いた桃源郷だが、潮目が変わったのは2011年の東日本大震災。主戦場だった「楽天市場」のメルマガ配信のレギュレーション変更がECサイト運営を直撃した。

従来は「無料・無制限」で配信できたメルマガ配信が、「週1回の配信のみ無料」に変更。それ以上のメルマガ配信は有料となったため、売上1億円を作るには5000万円の配信コストが必要になる状況に。主力のオークションビジネスの“終わりの始まり”だった。

オークション時代の桃源郷のECサイト

オークションが主力事業だった時代のECサイト

その後、数年前からM&Aによる専門サイトの買収などを行っていた桃源郷は、専門サイトの立ち上げを加速。オークションビジネスからの脱却を急いだ。

創業者からバトンタッチした2代目社長の下、大手が参入しないマーケットをターゲットに、30以上のECサイトを立ち上げた。なお、楽天は2016年に「楽天オークション」を終了。桃源郷は現在、オークションに関するECサイトは運営していない。

経営面でも大きな変化が起きる。2014年にNECグループから独立したビッグローブは、2016年にオーネストへ桃源郷の株式を売却。その後、現社長の中川勝博氏が全株式を取得し、2018年4月に社名を桃源郷から現在のLifeitに変更した。

Lifeitの2018年3月期業績は、売上高は12億8000万円、営業利益2600万円、経常利益2700万円、当期純利益は2600万円。オークション事業から撤退し、専門サイトの運営に移行してから7年。見事、V字回復を果たしていた。

Lifeitはベビー用品、ガーデニング、登山などさまざまなECサイトを展開(画像は編集部がキャプチャ)

目まぐるしく変わるEC業界、大手によるEC企業の買収が続く

合従連衡――。利害に従って結びついたり離れたりすることを意味する言葉だが、最近のEC業界を表すキーワードでもある。

桃源郷がEC業界をけん引した2000年代。同様に名をはせたのが「アンジェ」を運営するセレクチュアーだった。

そのセレクチュアーは2014年、クックパッドに傘下入り。その後、クックパッドの事業方針の転換によって、2016年に京王百貨店に売却された。

フィッシング・アウトドア用品EC企業のナチュラム・イーコマースなどを傘下に持つミネルヴァ・ホールディングス(当時)は2018年、M&Aでスクロールの子会社に。スクロールは2009年にブランド化粧品の大手EC「コスメランド」を運営するイノベートを買収。その後、通販・EC企業のM&Aを加速している。

楽天はスタイライフ、爽快ドラッグ、ケンコーコムといった名だたる有力EC企業を買収。アスクルはチャームを子会社化。NTTドコモによるマガシーク買収など。オイシックスと大地を守る会は経営統合し、その後は競合のらでぃっしゅぼーやを買収した。

また、家電EC大手のMOAは2018年3月、投資ファンドの完全子会社に。老舗の下着ECサイトである白鳩は、筆頭株主である小田急電鉄が約4割の株式を保有している。

ここにあげた例はほんの一部。異業種や小売企業、通販企業によるEC企業のM&Aは増加している。本業との連動、EC強化、新規ビジネスの開発などを目的に、EC企業の買収、資本締結などの動きが今後も増えそていきそうだ。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

「LOHACO」の売上は417億円、アスクルのBtoC事業のEC売上は507億円

7 years 5ヶ月 ago

アスクルが展開する一般消費者向け通販サイト「LOHACO」の2018年5月期における売上高は、前期比7.0%増の417億円だった。

2017年2月に発生した倉庫火災の影響で中間期は減収だったものの、新設した物流センター「AVC日高」が2017年9月に全面稼働したことなどから売上高が回復。通期では増収を確保した。

「BtoC事業」の売上高は同30.0%増の507億1400万円。ペット・ガーデニング用品を専門に扱うチャームを2017年5月に子会社化した影響で大幅増収となった。

「LOHACO」の売上高、マーケットプレイス経由の取扱高、チャームの売上高を合算したした流通額は514億円。

アスクルは「LOHACO」の成長を加速させるため、第4四半期(2018年3~5月期)に定番品の価格を変更。競合他社と比べて競争優位な価格設定を行った。また、「Yahoo!プレミアム会員」向けのポイント施策を実施して顧客を獲得している。

定番品の在庫数を増やしたほか、メーカーと共同で差別化商品(暮らしになじむ商品など)を前期比約2倍に拡充。プライベートブランドの販売も強化し、収益性向上を図っている。

これまでのアスクルの取り組み

これまでのアスクルの取り組み(画像は編集部がIR資料をキャプチャ)

2019年5月期、BtoC事業の売上計画は673億円 

2019年5月期における「LOHACO」の売上高計画は、前期比31.3%増の548億円。2018年5月に「Yahoo!ショッピング」へ出店し販売チャネルを拡大。取扱商品数の拡大やシステム基盤の強化などに取り組んでいる。

「LOHACO」は「Yahoo!ショッピング」へ出店し販売チャネルを拡大

「Yahoo!ショッピング」への出店で新規顧客が増加(画像はIR資料をキャプチャ)

BtoC事業のEC売上高は同32.9%増の673億円、営業損益は65億円(同88億円の赤字)を見込む。

「LOHACO」の売上高、マーケットプレイス経由の取扱高、チャームの売上高を合算したした流通額は同34%増の692億円を計画。

「LOHACO」の売上高、マーケットプレイス経由の取扱高、チャームの売上高を合算したした流通額

マーケットプレイスの流通額は急成長(画像はIR資料をキャプチャ)

営業損益の計画は67億円の赤字(2018年5月期は89億円の赤字)。物流改善や販促強化などへの投資フェーズが続いている。

なお、BtoB事業を含めた連結売上高は3900億円の計画で同8.2%増を計画している。

マーケットプレイス経由の取扱高(流通総額)

マーケットプレイスの流通額は急成長(画像はIR資料をキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章
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43 分 9 秒 ago
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