意匠法改正が変えるWebサイトリリース・リニューアルのプロセス

2020年に施行されると目されている改正意匠法でWebデザインの意匠権が認められます。それは、サイトのリリースやリニューアルプロセスを大きく変えます
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。
この記事はユーザー記事として投稿されたものですが、優れた内容ですので通常記事に格上げされました。

意匠法が大きく変わります。

「特許法等の一部を改正する法律案」は2019年3月1日に閣議決定され、4月16日に衆議院で可決され、5月10日に参議院で可決されました。
この法律案には、意匠法の改正が含まれています。
意匠権について、より世界的な運用基準へと準拠し、使いやすいものにするためです。

今回の法改正により、Web担当者にとって大きな影響を及ぼすのが、Webデザインの意匠権が認められたという点です。
詳細については、弁理士の渡部仁先生に寄稿頂きました「意匠法改正によるWebデザインの保護」という弊社サイトのブログ記事をご覧下さい。

今回の法改正のポイント

意匠権は強力な権利

Webデザインが意匠権として認められるようになったという事は、自社のWebサイトのデザインを法的に強力に保護できるようになったという事です。
その一方で、他社が意匠権を獲得したWebデザインと自社のWebデザインが似ている場合には、使用中止を請求され、損害賠償請求もされるという事を意味しています。

意匠権は、著作権とは異なり、似ているというだけでこれらの請求を行う事が可能で、意匠権を持つ権利者側には立証責任はない、強力な権利です。

意匠出願するまでWebサイトは公開してはいけない

意匠権は、出願の前に公開されているものには意匠登録が認められません。
これは、Webサイトのオープンやリニューアルのタイミング決定を大きく変えます。
意匠出願が完了したら公開というスケジュールへと変わる必要があります。

意匠権は先願主義です。
だから早い者勝ちとなります。
更に、意匠権の審査は、現状、順調に進んでも半年から1年ほど掛かります。

以上から、余裕を持ったスケジュールの策定が重要です。
その一方で、あまりモタモタしていると、他社が似たようなデザインで意匠登録してしまうと、折角進めてきたサイトオープンやリニューアルオープンが無駄になります。

意匠出願が終了してからサイトオープンやサイトリニューアルに着手するというスケジューリングもアリだと思いますが、ビジネス的にそれが良いのかは、今後、Web制作会社やWeb担当者にとって議論すべき課題となるでしょう。

Webデザインを意匠権で保護するため出願という手続きが加わる事で、デザインをコロコロと変えるわけにはいかないという事も意味します。
インハウスのWebデザイナーも、Web制作会社のWebデザイナーも、その実力が大きく試される事になります。
特にWeb制作会社の場合は、改正民法債権法が来年4月1日から施行され、品質保証を求められますから、意匠出願と登録をスムーズに進められるようなオリジナリティの高いデザインであり、且つ、良き顧客体験を提供できるデザインであるという事が品質として求められるようになります。
この事は、厳しい要件ですが、これを実現できるWebデザイナーの地位を高く向上させるでしょう。

法改正のキャッチアップを!

IT業界や、Web業界では、技術動向にばかり目が行ってしまい、法改正をキャッチアップするのは苦手な方が多いようです。
しかし、技術動向と異なり、法改正は、社会のルールが変わるという事ですので、とても重要な事です。

2020年施行の改正民法債権法だけではなく、改正意匠法も、Webサイト運営に大きな影響を及ぼします。
是非、企業のWeb担当者の皆様は、顧問弁護士や弁理士の先生とできるだけ早くに相談されて、法改正に対応されることを強くお勧めします。

追記

特許法等の一部を改正する法律(令和元年5月17日法律第3号)は、本日、2019年5月17日付で交付となりました。
一年以内に施行となります。
従って、どんなに遅くても、2020年5月17日までには施行となります。

追記2 意匠権について

皆さんの反応をTwitterなどで拝見していますが、意匠権について誤解があるので、まずは、Wikiの記述をご確認下さい。

意匠権

意匠権(いしょうけん)とは、新規性と創作性があり、美感を起こさせる外観を有する物品の形状・模様・色彩のデザインの創作についての権利をいう。

意匠審査には9つの要件があります。
Wikiでご確認下さい。

実際のところ、その9つの要件をクリアできるWebデザインをできるデザイナーは少ないと考えます。
だからこそ、意匠権を獲得できるだけのデザインをできるWebデザイナーの価値が上がります。

既存の出回っているWordPressなどのテンプレートデザインは、既に公開されているため、意匠権の出願しても却下されます。
また、よく見かけるようなデザイン要素の切り貼りだったり、類似しているものについても、意匠権は出願されても却下されます。
真に新規性と創造性に優れたデザインのみが、意匠権を獲得することができて、保護されるのです。

追記3 公開できる日について

意匠権を獲得したい優れたWebサイトのデザインをされたのであれば、出願後に公開できます。
登録後ではありません。
従って、審査期間を待つ必要はありません。

しかし、出願に際して、弁理士の先生に出願書類を準備してもらう時間は必要になります。
弁理士は、出願に際して、特許庁が提供している「特許情報プラットフォーム」で、出願中の意匠や、登録済みの意匠を確認します。
ですから、デザインの段階から、弁理士さんとの連携が必要となるでしょう。

尚、現段階では、Webサイトのデザインの意匠登録は、法律の施行前ですから、0です。

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