初代編集長ブログ―安田英久

Web担編集長の“刺激”的仕事術 ~Web担/日経BP/MarkeZine連動コラム

Web担のなかの人

このコラムは、Web担当者Forumと「日経ネットマーケティング」「Markezine」各誌の編集長が、毎回共通のテーマでネットマーケティングを語るコーナーです。

第3回のテーマは「本邦初公開!編集長の“マル秘”仕事術」。

他誌編集長のコラムも同時に公開されていますので、併せてご覧ください。

さて、仕事術というと、ライフハック的なものとか、どんなFirefoxアドオンを使っているかとか、いろいろあるのですが、ちょっと軸をずらして、「編集長の仕事術」という方向でまとめてみました。

もちろん、編集長という仕事には、メディアの管理、編集部の人材の管理、ビジネス上の採算の管理などいろいろとあります。でも今回は、「企画系の仕事に携わる人にとって最も大切な仕事術」にフォーカスしてみましょう。セミナーのテーマを決める、Webサイトのユーザビリティを改善する、効果的なマーケ施策をプランする……どんな仕事をしていても、何らかの新しいことを考える必要は常に生じますからね。

端的にまとめると、「いかにして適切な刺激を受ける環境を整えるか」が、企画を作り続けるために必須の要素です。

ここでいう「刺激」とは、エキサイティングなとかそういった意味ではなく、「何かのきっかけになる要素」という意味でのstimulationの意味です。

メディアの編集者や筆者さんは、コラムを書く、新しい連載を企画する、特集記事のテーマを決めるなど、常に新しいコンテンツを生み出しています。そうするために大切なのが、常に何らかの“刺激”を得続けることなのです。

刺激といっても、大げさに考える必要はありません。刺激がそのまま何か新しいことに直結する必要はないのです。「いつもとちょっと違うこと」があれば、脳味噌がそれに反応して、新しいことを考えつくヒントになるのです。

私がやっている「刺激を得るためのアクション」を、いくつか紹介してみましょう。

  • RSSリーダーでいろんな記事を読む

    すべての記事を読めなくても、見出しを眺めているだけでも、「おっ」と刺激を得られるものです。ちなみに私は、フィードリーダーで読んで興味をもったらtumblrに投稿してメモし、そこから残しておきたいものはソーシャルブックマークに投稿するようにして、フィルタしています。

  • イベントに参加する

    ブロガーイベントや、各社のセミナーは、ちょっとでもおもしろいと思ったら、その場で参加申し込みをします。イマドキ、悩んでいたらすぐに満席になってしまいますからね。メディアとして参加するだけでなく、時として、いちブロガーとして参加して、さらに、会場では必ずだれかと話をするようにしています。

  • 物事に視点を変えて触れる

    中吊り広告でも、テレビCMでも、いち視聴者として触れるのではなく、自分がこの広告を担当するとしたらどうだったか、そういう視点で考えるようにしています。製品のパッケージでも、店舗のディスプレイでも、視点を変えて見る癖をつけると、違って見えてくるものです。

  • 飲み会に参加する/企画する

    仕事関係などで、「呑みましょうか」という誘いがあったら、それが社交辞令であったとしても、実現につなげます。アルコールが入ると、セミナー会場や打ち合わせの場とは違った会話が出るので、良い刺激になります。お誘いがなければ、自分から企画しましょう。日時とざっくりとしたテーマ(「広告系の呑み」とか「ケータイサービス関係者」とか)を決めれば、人は集まるものです。

  • 無理にでも突っ込んで聞く

    これは仕事柄というのもありますが、「○○をやりました」という事実に関する話をしていたら、興味がなくても、がんばって1段階突っ込んで聞くようにしています。「どういった経緯でそうなったのか」「費用対効果はどうだったのか」「どんなシステムで動いているのか」など、ちょっと突っ込んで聞いてみると、意外な情報を得られたりするものです。そうすることで会話がうまく流れたりもしますし。

どれも別にたいしたことではないのですが、日常生活を漫然と過ごすのではなく、常に仕事に関係させたり、視点を変えたりしてみることで、刺激を受けられるものです。

◇◇◇

おまけ:

ちなみに、刺激じゃなくて普通の仕事術として最初に考えていたネタ、もったいないのでメモしておきます。

  • 「出社したらすぐメールを読む」癖をやめる――メールはinterruptingなものなので、何か終わらせる必要のある仕事があるときは、その仕事が終わるまでは、メールは後回しにします。まぁ、そのせいでいろいろとご迷惑をおかけすることも多いのですが……。

  • 迷惑メールはPOPFileでシャットアウト――POPFileは、今のところ最強の迷惑メールフィルタです。癖があるうえに使い方を間違えると仕事にトラブルを引き起こすので万人に勧められるわけではないですが、私はこれがないと仕事が進みません。

  • 正規表現や秀丸マクロを使いこなす――プログラミングとまでは言いませんが、正規表現とテキストエディタのマクロを使いこなせられるようになれば、他の人が1時間かかってやる作業を、3分でミスなく行えるようになりますよ。そして空いた57分で刺激を得るアクションをするのです。

  • ケータイメールを自分用に使う――打ち合わせでホワイトボードに書いたメモは、ケータイで写真を撮って自分にメール。パーティや出先でパソコンを使えないときに人から聞いたネタや思いついたことは、自分宛にメール。

  • PCの環境はリモートデスクトップで一元管理――自宅で仕事をしたり、出先でノートパソコンを使ったりしますが、メールや各種のデータは会社のパソコンで集中管理して、必要になったらVPNでアクセスして、リモートデスクトップで会社のPCを操作します。結構快適ですよ。

  • 情報管理はPalm+Outlook+Google Calendar――スケジュールなどは会社のPCのOutlookで一元管理し、常にPalm(そう、Palmです)とGoogle Calendarに同期させます。ケータイ、Palm、リモートデスクトップ、さまざまな手段で情報を確認したり更新したりして、ダブルブッキングやスケジュール忘れを予防できますよ。Palm Pilotの時代からずっとPalmを使っていますが、これナシには生きていけません。OutlookとGoogle Calendarの同期は、ふつうにGoogle Calendar Syncを使っています。

うーん。全然「本邦初公開」でも「マル秘」でもないですね。。。。

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